JP3033614U - 自転車のチェーンカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チェーンカバーにカバー本体の上部を補強す
るカバー上縁材を採用することによって、軽量化と複数
色の色彩による装飾とを可能となす。 【解決手段】 フロントギヤの外側面に位置する環状カ
バープレート２の上部にサイドカバープレート３を後方
に長く一体形成し、環状カバープレート２の前端縁から
サイドカバープレート３の後端にわたる上縁を内側に弯
曲してチェーン２０を覆うトッププレート４に形成した
カバー本体１と、環状カバープレート２の内周縁と嵌合
して該環状カバープレート２の面内に同心円に位置する
所要幅のリングプレート９と、トッププレート４と横断
面形状が同一で環状カバープレート２の前部上からサイ
ドカバープレート３の後端に及ぶ長さのカバー上縁材１
０とからチェーンカバーを構成する。カバー上縁材１０
を上記トッププレート４の上面に重合止着してカバー本
体１の上辺を補強すると共に幅広の外側面１０ａにより
カバー本体１を装飾する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案はフロントギヤとチェーンの両方をカバーする自転車のチェーンカバ ーに関するものである。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

マウンテンバイクなどのスポーツ用の自転車の普及にともなって、日常に使用 されている自転車にも軽量化と色彩化とが採用されつつある。しかし、スポーツ 用を除いて、これまでの自転車の殆どが備えるチェーンカバーは、フロントギヤ の外側面に位置する環状カバープレートの上部または上下部にサイドカバープレ ートを後方に長く一体形成したものからなる。また材質としてはスチールやアル ミニウムなどのプレートが採用され、色彩もクロムメッキか塗装によるものが殆 どであった。

【０００３】 このため自転車本体をカラフルに仕上げても、チェーンカバーについては単色 で仕上げられることが多く、しかも自転車側面を占める面積はチェーンカバーが 最も広いことなどから、チェーンカバーの色彩が目立つて自転車本体の配色が目 立たなくなることが多い。

【０００４】 この考案は、このようなチェーンカバーによる自転車の装飾の課題を解決する ために考えられたものであって、その目的はチェーンカバーにカバー本体の上部 を補強するカバー上縁材を採用することによって、カバー本体の軽量化と複数色 の色彩による装飾とを可能とする新たな自転車のチェーンカバーを提供すること にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的によるこの考案は、フロントギヤの外側面に位置する環状カバープレ ートの少なくとも上部に、サイドカバープレートを後方に長く一体形成するとと もに、環状カバープレートの前端縁からサイドカバープレートの後端にわたる上 縁を内側に弯曲してチェーンを覆うトッププレートに形成したカバー本体と、 上記環状カバープレートの内周縁と嵌合して該環状カバープレートの面内に同 心円に位置する所要幅のリングプレートと、上記トッププレートと横断面形状が 同一で外側に幅広に形成され、かつ環状カバープレートの前部上からサイドカバ ープレートの後端に及ぶ長さのカバー上縁材とからなり、そのカバー上縁材を上 記トッププレートの上面に重合止着してカバー本体の上辺を補強すると共に幅広 の外側面によりカバー本体を装飾してなる、というものである。

【０００６】 また上記カバー上縁材は先端を環状カバープレートの前端上に係止し、上記サ イドカバープレートと略同一に幅広く形成した後端面を、該外サイドカバープレ ートの後端面と重合して、自転車のバックホークに上記カバー本体と共に取り付 けられ、そのような構造において上記カバー本体と上記リングプレート及びカバ ー上縁材はそれぞれ異なった色彩からなる、というものでもある。

【０００７】 このような自転車のチェーンカバーでは、カバー本体の上辺を別体のカバー上 縁材により補強することができるので、カバー本体をこれまでよりも薄肉の金属 板により形成して軽量化を図ることができ、また圧縮紙材に合成樹脂を含浸させ たペーパーボードなど、軽量で強度を有するとともに着色も自由に行い得る新素 材を採用して、一層の軽量化とカラフルな装飾を施すことも可能となる。

【０００８】 また上記カバー本体と上記リングプレート及びカバー上縁材はそれぞれ別体で 、それらの組立てにより１つのチェーンカバーを構成した後においても、そのい ずれかの交換は可能であるから、リングプレートあるいはカバー上縁材を他の色 彩のものに変えて新たなものとなすことが容易に行い得る。

【０００９】 上記カバー上縁材の材質は、スチール，アルミニウム，強化プラスチックなど を採用することができ、スチールの場合の表面仕上は塗装，クロームメッキとす ることが好ましく、アルミニウムの場合にはアルマイト処理を施したものがよい 。また上記リングプレートの材質も同様である。

【００１０】 上記トッププレートの上面へのカバー上縁材の重合止着は、両面粘着テープを 併用してトッププレートとカバー上縁材とを全面的に密着させるのが最も好まし い。この場合には耐水及び耐熱性の粘着テープを採用するとよい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図中１はカバー本体で、後記する自転車のフロントギヤの外側面に位置する環 状カバープレート２の上部に、サイドカバープレート３を後方に長く水平に一体 形成し、その環状カバープレート２の前端縁の下側からサイドカバープレート３ の後端にわたる上縁を、内側にかつ縁辺を若干下向きに弯曲してチェーン２０（ 図３参照）を覆うトッププレート４に形成した構造からなる。

【００１２】 上記環状カバープレート２の前端縁の上部に当たるトッププレート４には、横 長の係止孔５が穿設してあり、環状カバープレート２の上部のトッププレート４ にはビス孔６を有する受片７が切設してある。またサイドカバープレート３の後 端の下側板面には取付用の長孔８が穿設してある。

【００１３】 ９はリングプレートで、上記環状カバープレート２の内周縁２ａと嵌合する内 縁９ａを一体形成した帯状のプレート９ｂとからなり、その帯状のプレート９ｂ は環状カバープレート２の板面の半部を占める幅を有する。

【００１４】 １０はカバー上縁材で、上記トッププレート４と横断面形状が同一で外側に幅 広に形成され、かつ環状カバープレート２の前部上からサイドカバープレート３ の後端に及ぶ長さのものからなる。このカバー上縁材１０の先端には係合爪１１ が突出形成され、その係合爪１１より後部のカバー上縁材１０の内側には、長孔 １３を有する切り起こしによる取付片１２がトッププレート４の上記受片７と位 置を同じくして設けてある。

【００１５】 またカバー上縁材１０の後端部１４は、上記サイドカバープレート３の後端部 よりも若干幅広に形成されており、その後端面の上記長孔８と重合する下側に取 付用の長孔１５が穿設してあり、下縁はサイドカバープレート３の後端下辺と嵌 合するように僅かに内側に屈曲してある。

【００１６】 このようなカバー上縁材１０は、先端の係止爪１１を上記トッププレート４の 係止孔５に差込んで、図２に示す矢印方向に、そのままカバー本体１の後方に被 せるように押し付けることで、トッププレート４の上面に重ねることができる。 そして重合の後に上記取付片１２の長孔１３から、上記受片７のねじ孔６にねじ ビスをねじ込んでカバー本体１に止着する。

【００１７】 この場合、予めカバー上縁材１０の裏面に両面粘着テープを粘着しておくと、 押し付けによりカバー上縁材１０をトッププレート４の上面に粘着して全面的に 密着させることができるので、その後のビス止めによるカバー本体１への止着を 省略することができる。

【００１８】 上記リングプレート９は、このカバー上縁材１０の前或いは後に環状カバープ レート２の内縁に嵌合して取付けられ、これにより図２に示すようなチェーンカ バーが完成する。また自転車２１への取付けは、通常のごとく環状カバープレー ト２を、図では省略したが、止め金具を使用してフレームの下パイプ２２とチェ ーンステー２３とに取付けたのち、サイドカバープレート３の後端部をトッププ レート４の後端部と一緒にシートステーバンド２４にナット止めしてバックホー ク２５に取付けることで容易に行うことができる。

【００１９】 上述のように、この考案の自転車のチェーンカバーでは、カバー上縁材１０の 取付けによりカバー本体１の上部が堅牢に補強されるので、カバー本体１を肉薄 のスチールプレートにより形成して軽量化を図ったものであっても、上方からの 外力に充分に耐え、トッププレート４の変形によるチェーン２０の引っ掛かりが 防止される。

【００２０】 またサイドカバープレート３の上部を幅広に形成したカバー上縁材１０の外側 面１０ａが占めるようになりるので、その外側面１０ａによりカバー側面を装飾 することができる。しかもカバー上縁材１０による装飾は、環状カバープレート ２の面内に同心円に嵌合位置するリングプレート９と相俟ってバリエーションを 多彩なものとなし、異なる色彩の組合わせによってカラフルに、そして自転車本 体に施した配色にマッチしたチェーンカバーとすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案に係る自転車のチェーンカバーの分
解斜視図である。

【図２】 同じくカバー上縁材の取付け状態を鎖線で示
すチェーンカバーの側面図である。

【図３】 図２におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図４】 図２におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】 この考案のチェーンカバーを備えた自転車の
側面図である。

【符号の説明】

１ カバー本体 ２ 環状カバープレート ３ サイドカバープレート ４ トッププレート ５ 係止孔 ９ リングプレート １０ カバー上縁材 １０ａ 外側面 １１ 係止爪 １４ カバー上縁材の後端部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントギヤの外側面に位置する環状カ
   バープレートの少なくとも上部に、サイドカバープレー
   トを後方に長く一体形成するとともに、環状カバープレ
   ートの前端縁からサイドカバープレートの後端にわたる
   上縁を内側に弯曲してチェーンを覆うトッププレートに
   形成したカバー本体と、 上記環状カバープレートの内周縁と嵌合して該環状カバ
   ープレートの面内に同心円に位置する所要幅のリングプ
   レートと、 上記トッププレートと横断面形状が同一で外側に幅広に
   形成され、かつ環状カバープレートの前部上からサイド
   カバープレートの後端に及ぶ長さのカバー上縁材とから
   なり、 そのカバー上縁材を上記トッププレートの上面に重合止
   着してカバー本体の上辺を補強すると共に幅広の外側面
   によりカバー本体を装飾してなることを特徴とする自転
   車のチェーンカバー。
2. 【請求項２】 上記カバー上縁材は先端を環状カバープ
   レートの前端上に係止し、上記サイドカバープレートと
   略同一に幅広く形成した後端面を、該外サイドカバープ
   レートの後端面と重合して、自転車のバックホークに上
   記カバー本体と共に取り付けられるようにしたことを特
   徴とする請求項１記載の自転車のチェーンカバー。
3. 【請求項３】 上記カバー本体と上記リングプレート及
   びカバー上縁材はそれぞれ異なった色彩からなることを
   特徴とする請求項１記載または２記載のに自転車のチェ
   ーンカバー。