JP3029637U - 容器入り冷菓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多人数のデザートに使用する冷菓として、１
人分ずつの取り分け作業を容易に行なえ、しかも使用ま
での運搬等の取扱い、冷凍保存も容易に行なえるように
した容器入り冷菓を提供する。 【解決手段】 複数の収容凹部２を有する合成樹脂製の
トレー１の各収容凹部に、シャーベットやアイスクリー
ム等の冷菓ａを収容して冷凍固化させ、各収容凹部２毎
のブロック状の冷菓ａを個々に取り出せるようにする。
各収容凹部２を個々に可撓変形可能にして、底部２ａか
らの押し上げにより各冷菓ａを取り出せるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、シャーベットやアイスクリーム、氷菓子等の冷菓、特にデザート用 として好適に使用できるように複数の冷菓を一つのトレーに収容してなる容器入 り冷菓に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

従来より、シャーベットやアイスクリーム等の冷菓は、ディナーやパーティー のデザートとしてよく用いられている。通常、フリーザーで製されて大きな容器 に収納されており、使用に応じて所要量づつを手作業ですくい取って個々の食器 に盛り付けるようにしている。

【０００３】 しかし、結婚披露宴等の多人数のパーティーにおいて一度に多数個の冷菓を必 要とする場合、シャーベット等の冷菓は冷凍されてある程度固まっていることも あって、大きな容器からすくい取って食器に盛り付けるのは容易ではなく、その 作業に多大な労力と時間を要することとなる。しかも、多数個になればなるほど 、すくい取ったシャーベット等の冷菓の量や形が不揃いになり易い。またバイキ ング形式のパーティー等において、各自が皿に取り分けたりするのも容易ではな い。

【０００４】 本考案は、上記に鑑みてなしたものであり、特に多人数の宴会等におけるデザ ート等に分配使用するシャーベットやアイスクリーム等の冷菓として、一人分ず つ取り分け易いブロック状にして容易に盛り付けることができ、しかも使用まで の運搬等の取扱い、および冷凍保存も容易に行なえるようにした容器入り冷菓を 提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するため手段および作用】

上記の課題を解決する本考案の容器入り冷菓は、複数の収容凹部を有する合成 樹脂製のトレーの各収容凹部に、シャーベットやアイスクリーム等の冷菓が収容 されており、各収容凹部毎に冷菓を取り出せるようにしたものである。

【０００６】 特に、請求項２のように、前記の各収容凹部に収容した冷菓をそれぞれ収容凹 部との対応形状を保持するように冷凍固化させて、ブロック状態で取り出せるよ うにしておく。

【０００７】 すなわち、上記のように構成された本考案の容器入り冷菓は、複数の各収容凹 部にそれぞれ冷菓が分離状態で収容されて、各収容凹部毎に個々に取り出せるよ うになっているので、これをデザート等として使用する際には、各収容凹部内の ブロック状の冷菓を容易に取り出すことができ、かつ取り出した冷菓をそのまま 食器に盛り付けることができる。しかも各冷菓は、収容凹部に対応したブロック 状に保持されるので、取り分けられ盛り付けられる冷菓の形や量が不揃いになる ることもない。

【０００８】 また、前記の取り出しまでの保存や運搬等の取り扱いにおいては、複数の収容 凹部を有するトレーの全体を一つの容器のごとく取り扱うことができ、運搬用ケ ース内に収納する場合、あるいは冷凍庫に収納しておく場合に、多数のトレーを 段積みして収納することも可能になる。

【０００９】 請求項３の考案の容器入り冷菓は、前記のトレーが、適度に可撓性のある合成 樹脂シートから成形されて上面部で連接された複数の収容凹部を有してなり、各 収容凹部が個々に可撓変形可能であって、収容されているブロック状の冷菓を、 底部からの押し上げにより個々に露出させて取り出せることを特徴とする。

【００１０】 この場合、冷菓の取り出しの際、各収容凹部の底部より押し上げるようにする と、収納凹部が可撓変形して底部が押し上げられるのに伴って内部のブロック状 の冷菓も上面の開口部より押し出されて露出するので、この露出した部分を指で 挟み持つようにして容易に取り出すことができる。

【００１１】 特に、各収容凹部は、それぞれ上面でのみ連続した状態で下部は分離状態であ るために、前記の取り出しの際に、他の収容凹部の冷菓が押し出されて落下する 等のおそれはなく、目的とする冷菓を確実かつ安全に取り出すことができる。

【００１２】 また、可撓性のある合成樹脂シートより成形するので、トレーの製造が容易で ある上、前記の押し上げ操作による変形を許容できるとともに容易に割れや破損 が生じず、このトレーを繰返し使用することも可能になる。

【００１３】 前記のトレーは、請求項４の考案のように、各収容凹部の側壁がテーパ状をな しているものが特に好適である。すなわち、このように構成されていると、前記 底部からの押し上げ作用により、収容凹部内の固化した冷菓を抵抗なく容易に、 かつ外周形状を崩さずに取り出すことができる。

【００１４】 請求項５の考案は、前記のトレーが、平面略四角形で各収容凹部が縦横それぞ れ複数列をなすように配設されるとともに、上面部が各収容凹部の底部側よりや や厚肉に形成されて全体として保形性があり、各収容凹部の底部側が上面部より 薄肉で可撓変形可能に形成されてなるものである。

【００１５】 この場合、上面部の保形性により、全体を１枚の四角形の板状物と同様にして 容易に、かつ一度に多数個の冷菓を取り扱うことができ、その運搬、保存効率を 高め、しかも前記のように底部からの押し上げにより収容されている冷菓を容易 に取り出すことができる。

【００１６】 請求項６の考案は、前記のトレーの各収容凹部に収容されている各冷菓の表面 が、それぞれ取り出したときの滑り止めを兼ねる保護シートが被着されてなるこ とを特徴とする。

【００１７】 これにより、運搬等の取扱いにおいて、シャーベットやアイスクリーム等の冷 菓を前記シートにより保護でき、冷菓表面が溶けたり、冷菓にゴミ等が侵入する のを防止でき、見た目にも衛生的である。しかも取り出したブロック状の冷菓を 、前記保護シートを下にして皿等に置けば、該保護シートが滑り止めの役目を果 し、冷菓が滑り落ちたりするのを防止できる。

【００１８】

【考案の実施の形態】

次に本考案の１実施形態を図面に基いて説明する。

【００１９】 図１は、本考案の容器入り冷菓（Ａ）の一部を欠截した斜視図、図２は包装容 器としてのトレーの斜視図、図３は冷菓を収容した状態の拡大断面図、図４は同 冷菓の取り出し操作状態の一部の断面図である。

【００２０】 容器入り冷菓（Ａ）は、全体として平面略四角形をなしかつ縦横それぞれ複数 列をなす多数の収容凹部（２）を有する合成樹脂製のトレー（１）の各収容凹部 （２）に、例えばシャーベットやアイスクリーム等の冷菓（ａ）が充填収容され て、各収容凹部（２）毎に収容されている冷菓（ａ）を個々に取り出せるように 構成されている。（３）は冷菓（ａ）の表面に被着した取り出し時の滑り止めを 兼ねる保護シートである。

【００２１】 例えば、冷菓（ａ）がシャーベットである場合、通常一般のシャーベットと同 様に製されるもので、例えばフルーツシャーベットの場合、メロンやストロベリ ーその他のフルーツの天然果汁をベースにして、糖分およびワインやコーヒー等 の香りと味を加えたものを下地液とし、これを必要に応じて加熱殺菌した後、シ ャーベット製造用のフリーザーにより攪拌冷凍して、ある程度の流動性のある状 態のシャーベットを製造する。そして、この流動性のあるシャーベットを、トレ ー（１）の各収容凹部（２）に所定量（例えば５０ｃｃ）ずつ充填し、これを− ２５℃〜−３０℃でさらに冷凍して固化させる。これにより固化したシャーベッ ト（冷菓）は、収容凹部（２）に対応した形状のブロック状をなし、その形状を 保持したまま取り出せることになる。

【００２２】 なお、冷菓（ａ）がアイスクリームである場合も、前記同様に流動性のあめア イスクリームを収容凹部（２）に充填収容し、さらにこれを冷凍固化させて、ブ ロック状態で取り出せるようにする。

【００２３】 合成樹脂製のトレー（１）は、適度に可撓性を有する各種の合成樹脂シートを 素材として、真空成形、プレス成形、圧空成形等の成形加工手段により成形され てなるもので、図のように全体が平面略四辺形をなし、かつ縦横それぞれ複数列 の収容凹部（２）が上面部でのみ連接するように凹設されており、各収容凹部（ ２）は個々に可撓変形可能になっている。これにより、収容されて固化されたブ ロック状のシャーベット（ａ）を、収容凹部（２）の底部（2a）からの押し上げ により個々に取り出せることになる。

【００２４】 前記の合成樹脂シートの素材としては、可撓性の点からポリプロピレン樹脂や ナイロン系樹脂等の比較的軟質の合成樹脂が、可撓変形を許容してしかも適度に 保形性や強靭性も保有し、特に好適に用いられる。

【００２５】 また前記の各収容凹部（２）の側壁（2b）はテーパ状をなし、これにより、収 容凹部（２）内の固化した冷菓（ａ）を、底部（2a）からの押し上げにより抵抗 なく容易にかつ外周形状を崩さずに取り出せるようになっている。

【００２６】 前記のトレー（１）は、各収容凹部（２）間の上面部（４）を、収容凹部（２ ）の底部側よりやや厚肉に形成して、全体としてある程度の保形性をもたせると ともに、各収容凹部（２）の底部側が上面部（４）より薄肉にして比較的容易に 可撓変形できるように形成しておくのが好ましい。すなわち、全体としては適度 に保形性を保持して取扱い易く、しかも底部（2a）の押し上げによる冷菓（ａ） の取り出し操作も容易になる。

【００２７】 このトレー（１）の収容凹部（２）の形状は、図のような略四角形をなすもの のほか、円形や楕円形、菱形、その他の任意の形状にでき、また各収容凹部（２ ）の容量についても、冷菓（ａ）の種類や大きさに応じて設定して実施可能であ る。さらに一つのトレー（１）の大きさ、収容凹部（２）の数についても、図の ように１５個取りのものに限らない。

【００２８】 なお、前記の冷菓（ａ）の表面の保護シート（３）は、冷菓（ａ）を冷凍固化 させるまでに被着させておいて、冷凍固化により冷菓（ａ）の表面に容易に剥れ ないように付着させておくのがよい。

【００２９】 したがって、この保護シート（３）としては、表面に樹脂膜等による防水加工 を施した紙、もしくは合成樹脂フィルム等の水分の浸透性を有さないシート、あ るいは和紙等の紙その他のある程度の水分の浸透性を有するシートを用いること ができ、中でも和紙や薄い不織布等のある程度の水分の浸透性があってかつ表面 にザラつきのあるシートが、冷菓（ａ）表面への付着性、皿等の食器に冷菓（ａ ）を取り分けた状態の滑り止め効果等の点から、特に好適に用いられる。

【００３０】 また、水分の浸透性を有さない保護シート（３）の場合、冷菓（ａ）との接触 面にオブラート等の食用の糊材を塗布して、冷菓（ａ）から容易に剥れないよう にしておくのがよい。

【００３１】 上記のように製造され構成される容器入り冷菓（Ａ）を、ホテルやレストラン あるいは小売店へ出荷する際は、そのまま輸送用ケースに詰めて保冷状態に保持 して輸送する。この際、複数の容器入り冷菓（Ａ）を段積みすることも可能であ る。また必要に応じて、トレー（１）とは別形成した蓋（図示せず）を被せてお くこともできる。

【００３２】 前記の容器入り冷菓（Ａ）は、そのまま冷凍保存しておいて、必要に応じて冷 凍室や冷凍庫から出し、トレー（１）から各冷菓（ａ）を取り出して使用する。 この冷菓（ａ）の取り出し方について説明する。

【００３３】 図４および図５のように、トレー（１）を持って収容凹部（２）の底部（2a） を指先で押し上げるようにして、収容されているブロック状の冷菓（ａ）を浮か せて、その上部を開口部より露出させる。次に、図６のように、開口部より露出 した冷菓（ａ）の両端を指で挟み持ち、そのまま上方へ抜き出す。抜き出した冷 菓（ａ）を、図７のように保護シート（３）が被着されていた側を底にして皿等 の食器（５）に置いて盛り付ける。

【００３４】 このようにして、各収容凹部（２）に収容されて固化されたブロック状の各冷 菓（ａ）を順次容易に取り出すことができ、その取り出し、盛り付け作業を誰で も容易に時間を掛けずに能率よく行なうことができる。しかも盛付けられた冷菓 （ａ）は、保護シート（３）が下面にあって滑り止めの役目を果し、持ち運びの 際に滑り落ちたりすることもない。また余った冷菓（ａ）は、トレー（１）に入 れたまま、次の使用まで冷凍保存することができる。

【００３５】 なお、冷菓（ａ）としては、各種のシャーベットやアイスクリーム、凍菓子は 勿論のこと、冷凍固化させたり凍結させて食される他の冷菓にも適用できる。

【００３６】

【考案の効果】

上記したように本考案の容器入り冷菓によれば、トレーに個装状態で収容され ているブロック状のシャーベットやアイスクリーム等の各種の冷菓を、１個ずつ 容易に取り出すことができるので、多人数のパーティー等でのデザート等として 一度に大量の冷菓を必要とする場合においても、その盛り付け作業を短時間で能 率よく行なうことができる。しかも盛り付けられた冷菓は、形や量が揃い、体裁 よく盛り付けできる。また各自が皿等に取り分けるのも容易である。

【００３７】 しかも、各冷菓の取り出しまでは、トレーに収容された状態であるために、運 搬等の取扱いや冷凍保存も容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施形態を示す一部を欠截した斜視
図である。

【図２】トレーの斜視図である。

【図３】冷菓の収容状態の一部の拡大断面図である。

【図４】冷菓の取り出し操作状態の一部の拡大断面図で
ある。

【図５】冷菓の取り出し操作状態の略示説明図である。

【図６】冷菓の取り出し操作状態の略示説明図である。

【図７】冷菓の取り出し操作状態の略示説明図である。

【符号の説明】

（Ａ） 容器入り冷菓 （ａ） 冷菓 （１） トレー （２） 収容凹部 （2a） 底部 （2b） 側壁 （３） 保護シート （４） 上面部

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の収容凹部を有する合成樹脂製のトレ
   ーの各収容凹部に、冷菓が収容されており、各収容凹部
   毎に冷菓を取り出せるようにした容器入り氷菓。
2. 【請求項２】各収容凹部に収容した冷菓を、それぞれ収
   容凹部との対応形状を保持するように冷凍固化させて、
   ブロック状態で取り出せるようにした請求項１に記載の
   容器入り冷菓。
3. 【請求項３】トレーが、適度に可撓性のある合成樹脂シ
   ートから成形されて上面部で連接された複数の収容凹部
   を有してなり、各収容凹部が個々に可撓変形可能であっ
   て、収容されているブロック状の冷菓を、底部からの押
   し上げにより個々に露出させて取り出せることを特徴と
   する請求項２に記載の容器入り冷菓。
4. 【請求項４】トレーの各収容凹部の側壁がテーパ状をな
   していることを特徴とする請求項３に記載の容器入り冷
   菓。
5. 【請求項５】トレーは、平面略四角形で各収容凹部が縦
   横にそれぞれ複数列をなすように配設されるとともに、
   上面部が各収容凹部の底部側よりやや厚肉に形成されて
   全体として保形性があり、各収容凹部の底部側が上面部
   より薄肉で可撓変形可能に形成されてなる請求項４に記
   載の容器入り冷菓。
6. 【請求項６】トレーの各収容凹部に収容されている各冷
   菓の表面に、それぞれ取り出したときの滑り止めを兼ね
   る保護シートが被着されてなる請求項４または５に記載
   の容器入り冷菓。
7. 【請求項７】冷菓が、シャーベットもしくはアイスクリ
   ームであり、収容凹部に収容して冷凍固化させてなる請
   求項６に記載の容器入り冷菓。