JP3026958B2 - 繊維製品の形態安定化処理方法およびそれに用いる装置 - Google Patents

繊維製品の形態安定化処理方法およびそれに用いる装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維製品の形態安
定化処理方法およびそれに用いる装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維製品の寸法安定性を向上
させるために、その仕上工程において蒸気による熱セッ
ト処理が行われているが、なかでも、セルローズ系繊維
(綿,レーヨン,麻等)や動物系繊維(羊毛,絹等)を
主体とする繊維製品は、特にしわが付いたり形崩れしや
すいため、これらの繊維製品に対し、単に寸法安定性を
向上させるだけでなく、着用・洗濯によってシワが付き
にくく形崩れしないように、積極的に特殊な形態安定化
処理を施して、繊維の形状を予め固定(記憶)させるこ
とが行われている。
【0003】上記形態安定化処理としては、従来から、
ホルマリン系樹脂やアンモニア等の薬品を繊維に付与
し、繊維の分子配列に架橋を形成して繊維の形状を保持
する方法がよく知られているが、薬品残留による安全性
の問題や、回収コストの問題等のため、最近では、上記
薬品による処理法に代わって、高温の水蒸気(例えば1
80℃)を用いて湿熱処理を行う方法が提案され一部で
実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
蒸気処理を採用した場合、特に処理すべき繊維製品がパ
ッケージ状(例えばチーズ,ビーム等)の場合、水蒸気
をパッケージ内部まで充分に拡散させることが困難で、
表面のみの処理になることが多いという問題がある。
【0005】そこで、その改善方法として、水蒸気を導
入する前に処理槽内を真空にして、水蒸気が拡散浸透し
やすくする方法が試みられているが、この方法によって
も、形態安定化に必要な水蒸気を充分にパッケージ内部
に均一に補給し続けることは困難であり、その結果、思
うほど均一な処理品は得られないないのが現状である。
【0006】また、他の改善方法として、水蒸気を気体
として扱い、送風機(ブロワ等)を用いて、水蒸気を、
パッケージ内外を強制的に通気循環させる方法も試みら
れているが、水蒸気は空気のような不凝縮ガスとは異な
り、凝縮性の気体であるため、水蒸気の循環経路内に多
量の結露が生じ、この結露水がパッケージ状の繊維製品
に持ち込まれて熱処理の均一性を著しく阻害するという
問題が発生する。しかも、高温の水蒸気用の送風機は、
極めて高価であるため、設備コストが高くなるという障
害も有している。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、非常に簡便、かつ安価に、繊維製品、特にパッ
ケージ状の繊維製品の内部まで充分に高温水蒸気を拡散
浸透させて均一処理を施すことのできる、優れた形態安
定化処理方法およびそれに用いる装置の提供をその目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、セルローズ系繊維および動物系繊維の少
なくとも一方を主体とする繊維製品に対し形態安定化処
理を行う方法であって、蒸気導入口と蒸気放出口とを備
えた処理槽内に、上記繊維製品を装填し、その状態で
蒸気導入口から高温水蒸気を連続的に導入するとともに
蒸気放出口から処理槽内の高温水蒸気を断続的に放出し
大気開放させるか、蒸気導入口から高温水蒸気を断続的
に導入するとともに蒸気放出口から処理槽内の高温水蒸
気を連続的に放出し大気開放させることにより、処理槽
内を所定の形態安定化処理温度に保ちながら、高温水蒸
気の移動流を生じさせて繊維製品の内外を通過させるよ
うにした繊維製品の形態安定化処理方法を第1の要旨と
する。
【0009】また、本発明は、上記第1の要旨である繊
維製品の形態安定化処理方法に用いる装置であって、高
温水蒸気を連続的もしくは断続的に導入しうる蒸気導入
口と、高温水蒸気を連続的もしくは断続的に外部に放出
し大気開放しうる蒸気放出口とが設けられた処理槽と、
上記処理槽内の高温水蒸気移動通路上に繊維製品を保持
する繊維製品保持手段と、上記処理槽内の温度もしくは
水蒸気圧を経時的に計測する計測手段と、上記計測手段
による計測結果にもとづいて蒸気導入口からの高温水蒸
気導入量と蒸気放出口からの高温水蒸気放出量のいずれ
か一方を制御することにより、処理槽内の温度を所定の
形態安定化処理温度に維持する温度制御手段とを備えて
いる繊維製品の形態安定化処理装置を第2の要旨とす
る。
【0010】すなわち、本発明は、高温水蒸気を充満さ
せた処理槽内の一部を連続的もしくは断続的に大気
することにより、高温水蒸気をその放口(蒸気放出
口)から放出し、その際生じる水蒸気の移動流を、繊維
製品の内外を通過させることによって、繊維製品内部ま
で充分に水蒸気と接触させるようにしたものである。こ
の方法によれば、高温水蒸気の高圧力と大気圧との圧力
差を利用して、極めて短時間、かつ少量の水蒸気量で、
均一な形態安定化処理を行うことができる。そして、処
理コストも安価である。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の一実施の形態を
詳細に説明する。
【0012】まず、本発明が対象とする繊維は、従来か
ら、形態安定化が要求されている、綿,レーヨン,麻等
のセルローズ系繊維および羊毛,絹等の動物性繊維を主
体とする繊維である。なお、本発明において、上記「主
体とする」とは、これらの繊維のみからなる繊維製品だ
けでなく、これらの繊維と他の繊維とを併用した合繊混
紡繊維製品等を含む趣旨である。
【0013】また、本発明が対象とする繊維製品の形態
は、どのようなものであっても差し支えはなく、例えば
ばら毛,フィラメント,トウ,スライバー,糸,織編
物,不織布等のいずれであってもよい。あるいは、ワイ
シャツ,ガーメント等、最終製品の形状に仕立てられた
ものであってもよい。
【0014】そして、本発明における処理時の態様は、
上記繊維製品の形態に応じて適宜設定される。すなわ
ち、ばら毛等はバスケット内槽等に充填した状態で、糸
等はかせ状,チーズ状,コーン状等にまとめパッケージ
化した状態で、織編物,不織布等はビーム等に巻回しパ
ッケージ化した状態で処理することができる。また、糸
や織編物等は懸垂式で処理することもできる。なお、糸
については、ニットデニットの態様で処理することもで
きるし、ワイシャツ等の製品は、ハンギング状態あるい
は平たく伸ばして積層した状態で処理することもでき
る。そして、繊維製品は、フリーの状態だけでなく、プ
レスした状態またはテンションセットした状態で処理す
ることもできる。ただし、本発明によれば、チーズ,ビ
ーム等、緊密にパッケージ化された繊維製品に対し、内
部まで充分に高温水蒸気を浸透させ接触させることがで
きることが特徴であることから、上記のようなパッケー
ジ形態の繊維製品に適用することが、特に好適である。
【0015】つぎに、本発明に用いる繊維製品の形態安
定化処理装置の一例を図1に示す。図において、1は竪
型密閉式の処理槽で、内側に、糸を多孔付チューブ2に
巻回してチーズ状にパッケージ化した繊維製品3が、多
孔付円筒状のスピンドル4に、多段に積重保持された状
態で装填されるようになっている(図では8段)。な
お、5はチーズ受け台、6はチーズ押さえ板、7はチー
ズ締め込み保持用のナットである。
【0016】そして、上記処理槽1の下部側方の一個所
に、蒸気導入口8が設けられており、処理槽1外から延
びる蒸気導入配管9が、蒸気導入弁10および開度調節
弁11とを介して接続されている。12は圧力計、13
は高温水蒸気からミストを除去するためのミストセパレ
ータである。また、14は、蒸気導入口8から処理槽1
内に導入される高温水蒸気を、周方向に均一に送り出す
ための蒸気拡散板である。
【0017】なお、蒸気導入弁10は、温度制御手段1
5からの指示を受けて開閉するようになっている。すな
わち、上記温度制御手段15には、予め所定の形態安定
化処理温度が入力設定されており、処理槽1内に設けら
れた温度センサ16から経時的に入力される温度データ
に基づいて、設定温度に達した場合には、蒸気導入弁1
0を閉じ、設定温度より下がると、再び蒸気導入弁10
を開くよう指示を与えるようになっている。
【0018】また、上記スピンドル4の下部は、処理槽
1の底部から外に延びる蒸気放出配管17に連通した状
態で取り付けられており、蒸気放出弁18および開度調
節弁19を操作することにより、蒸気放出口20から処
理槽1内の高温水蒸気を放出することができるようにな
っている。なお、21は脱気弁である。
【0019】一方、処理槽1の底部には、スチームトラ
ップ22とドレン抜き弁23を備えた排水配管24が接
続されている。また、処理槽1の上部には、圧力計25
と安全弁26を備えた圧力調整配管27が接続されてい
る。
【0020】上記装置を用い、例えばつぎのようにし
て、繊維製品3の形態安定化処理を行うことができる。
すなわち、まず、蒸気導入配管9から、処理槽1内に水
蒸気を導入し、通常の形態安定化処理温度またはそれ以
上の高温度で予備加熱する。これは、処理槽1内の壁面
や配管内周面での結露を防止するために行うもので、繰
り返し処理を行う場合には、初回のみ行い、2回目以降
は行う必要はない。また、場合によっては、必ずしも必
要ではない。
【0021】つぎに、処理槽1内に繊維製品3を装填す
る。そして、蒸気導入弁10と蒸気放出弁18を共に開
き、蒸気導入配管9から高温水蒸気(例えば180℃の
飽和水蒸気)を導入して、処理槽1内を昇温する。な
お、放出される水蒸気量よりも導入される水蒸気量の方
が若干多くなるように、また水蒸気の使用量が形態安定
化処理を過不足なく行うことができるように、開度調節
弁11,19を予め調節しておく。
【0022】そして、温度センサ16により計測される
処理槽1内の温度が、温度制御手段15に予め入力設定
しておいた所定の形態安定化処理温度に達すると、蒸気
放出弁18は「開」のままで、蒸気導入弁10のみ閉じ
る。また、水蒸気の放出が過度に行われて処理槽1内の
温度が設定温度より下がると、蒸気導入弁10が再び
「開」となり、処理槽1内の温度が設定温度に回復す
る。この一連の動作を、温度制御手段15に予めタイマ
ーセットされた時間(形態安定化処理時間、例えば5分
間)だけ繰り返すことにより、処理が完了する。
【0023】処理完了と同時に、蒸気導入弁10を閉
じ、脱気弁21を開けて、処理槽1内の脱気を行う。そ
して、処理槽1内を常温常圧に戻してから処理槽1の蓋
を開き、装填していた繊維製品3を取り出す。このよう
にして、繊維製品3に対し、形態安定化処理を施すこと
ができる。
【0024】この方法によれば、処理槽1内に導入され
た高温水蒸気が、蒸気放出弁18から放出されるため、
高温水蒸気の高い圧力(例えば180℃の蒸気圧力=
9.2kg/cm2 )と大気圧との圧力差により、必然
的に、その蒸気放出口20に向かう移動流が形成され、
高温水蒸気が処理槽1内を、図1において矢印で示すよ
うに移動する。このため、高温水蒸気が繊維製品3の外
側から内側に強制的に浸透することとなり、繊維製品3
が高密度に巻回されたチーズであっても、内部まで充分
に高圧水蒸気がゆきわたり、均一な形態安定化処理を施
すことができる。
【0025】したがって、上記方法によって処理された
繊維製品3は、どの部分についても均一に形態安定化処
理がなされており、防しわ性,防縮性等に優れ、腰の強
い、優れた風合いの繊維製品3となる。
【0026】なお、図1の装置では、チーズ状にパッケ
ージ化された繊維製品3の、外側から内側に向かって高
温水蒸気が通過するよう設定しているが、蒸気導入口8
と蒸気放出口20の配置を逆にすることにより、高温水
蒸気が、繊維製品3の内側から外側に向かって通過する
よう設定しても差し支えはない。また、外→内、内→外
を交互に切り換えるようにしても差し支えはない。ただ
し、内→外の場合には、蒸気導入配管9に生じるドレン
ミストの分離除去を極力完全に行わないと、繊維製品3
の内層部に濡れが生じ、均一な熱処理が阻害されるおそ
れがある。したがって、内→外、もしくは切り換えによ
る顕著な効果が期待できる場合を除き、基本的には、図
1の装置のように、繊維製品3の外側から内側に向かっ
て高温水蒸気が通過するように設定することが望まし
い。
【0027】また、形態安定化処理時の加熱温度は、繊
維製品3の材質、形態、目的とする処理の程度等によっ
て、適宜に設定されるが、通常、セルローズ系繊維を主
体とする繊維を処理する場合には、150〜200℃、
動物系繊維を主体とする繊維を処理する場合には、12
0〜180℃程度に設定される。そして、処理時間も、
適宜に設定されるが、通常、2〜10分程度に設定され
る。
【0028】さらに、上記の装置では、処理槽1内を、
所定温度に保つために、処理槽1内に温度センサ16を
設け、温度データに基づいて温度制御を行うようにして
いるが、温度センサ16に代えて、圧力センサを用い、
処理槽1内の圧力を一定に保うよう制御するようにして
もよい。すなわち、蒸気圧力は温度によって一義的に決
まるからである。
【0029】そして、処理槽1内の温度(もしくは圧
力)を一定に保つための操作として、上記の装置では、
蒸気放出弁18を「開」にしたままで、蒸気導入弁10
を開閉制御するようにしているが、逆に、蒸気導入弁1
0を「開」にしたままで、蒸気放出弁18を開閉制御す
るようにしてもよい
【0030】また、上記装置では、処理槽1内にミスト
が持ち込まれないよう、蒸気導入配管9の途中にミスト
セパレータ13を設けているが、繊維製品3の形態や処
理条件等によっては、これを必ずしも用いる必要はな
い。
【0031】なお、上記の装置において、蒸気放出弁1
8から放出される蒸気の廃熱を回収するために、蒸気廃
熱回収手段を接続するようにしてもよい。廃熱を回収し
再利用することにより、処理コストをより一層低く抑え
ることができる。
【0032】また、上記の装置において、処理槽1に減
圧配管を接続し、繊維製品3が装填された処理槽1内
を、形態安定化処理に先立って、減圧するようにしても
よい。すなわち、予め処理槽内を減圧しておくことによ
り、形態安定化処理をより短時間で均一に行い、かつ繊
維の酸化を効果的に防止することができるからである。
なお、上記減圧を行う場合は、処理槽1内の真空度を1
-1〜100Torr程度に設定することが好適であ
る。
【0033】さらに、上記の装置では、処理槽1を竪型
にしているが、処理槽1は横型であっても差し支えはな
い。そして、処理槽1への繊維製品3の装填方法や装填
態様も、上記に限らず適宜設定することができる。
【0034】そして、本発明は、飽和水蒸気に代えて一
定の温度域にある過熱水蒸気を用いる技術等、各種の公
知技術と組み合わせて用いることができる。
【0035】つぎに、実施例について説明する。
【0036】
【実施例1】上記図1の装置を用い、下記の繊維製品に
対し、上記の処理操作にしたがって形態安定化処理を施
した。ただし、その具体的な処理条件は下記のとおりで
ある。
【0037】〔繊維製品の条件〕 ・糸の種類 :綿100% ・番手 :30/2 ・形態 :チーズ状のパッケージ ・重量 :約1kg/個 ・積み段数 :8段 ・巻き密度 :0.35
【0038】〔形態安定化処理条件〕 ・蒸気の流れ方向:繊維製品の外→内 ・蒸気の種類 :180℃の飽和水蒸気 ・加熱条件 :180℃×5min ・蒸気使用量 :12kg/バッチ(1.5kg/繊
維1kg)
【0039】このようにして処理された繊維製品(綿
糸)の処理効果を評価するために、チーズの内層部と、
中層部と、外層部のそれぞれから20cm長の糸を切り
取り、各糸の強伸度を測定し、各10回の平均値を求め
た。また、対照例として、未処理のチーズからも、任意
に20cm長の糸を切り取り、糸の強伸度を測定した。
これらの結果を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記の結果から、実施例1の糸は、強伸度
ともに、熱処理による劣化を殆ど生じておらず、しかも
内,中,外層部にわたって均一に処理されていることが
わかる。
【0042】
【実施例2】図2に示す装置を用い、後記の繊維製品
(ビーム状の織物)に対し、上記実施例1と同様にして
形態安定化処理を施した。なお、具体的な処理条件は下
記のとおりである。
【0043】この装置は、処理槽1aが横型で、多孔付
のビーム芯30に織物を巻回してなるビーム状の繊維製
品31を、横倒しにして台車32で保持した状態で装填
するようになっている。なお、33は、処理槽1a内に
設けられた装填・取り出し用のレールであり、34は、
蒸気の均一拡散と凝縮ドレン落下防止を兼ねる蒸気拡散
板である。それ以外は、図1と同様であり、同一部分に
同一番号を付して、その説明を省略する。
【0044】〔繊維製品の条件〕 ・繊維の種類 :レーヨン100% ・織り構造 :ツイル ・織物の寸法 :巾1200mm×長さ50m ・形態 :ビーム状のパッケージ ・目付 :200g/m ・総重量 :10.0kg ・巻き密度 :0.42
【0045】〔形態安定化処理条件〕 ・蒸気の流れ方向:繊維製品の外→内 ・蒸気の種類 :180℃の飽和水蒸気 ・加熱条件 :180℃×5min ・蒸気使用量 :8kg/バッチ(0.8kg/繊維
1kg)
【0046】このようにして処理された繊維製品(織
物)の処理効果を評価するために、ビームの内層部と、
中層部と、外層部のそれぞれから所定寸法(100mm
×100mm)の生地を切り取り、各生地の洗濯収縮率
を測定した。また、対照例として、未処理のビームから
も、同様にして生地を切り取り、同様の測定を行った。
これらの結果を下記の表2に示す。なお、生地の洗濯収
縮率はJIS L0217♯103 ダブルドライ法に
従って測定した。
【0047】
【表2】
【0048】上記の結果から、実施例2の生地は、経,
緯ともに優れた防縮効果を示しており、しかもビーム
内,中,外層部にわたって均一に処理されていることが
わかる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法は、処理槽
内に、連続的に高温水蒸気を導入し断続的にこれを放出
するか、断続的に高温水蒸気を導入し連続的にこれを放
出するかして、高温水蒸気の高い圧力と大気圧との圧力
差を利用して、高温水蒸気の移動流を形成し、これを、
繊維製品の内外を強制的に通過させるようにしたもので
ある。したがって、繊維製品が、高密度にパッケージ化
されたものであっても、内部まで充分に高水蒸気がゆ
きわたり、均一な形態安定化処理を施すことができる。
しかも、この方法によれば、非常に短時間、かつ少量の
水蒸気量で、安価に処理を施すことができるという利点
を有している。
【0050】そして、本発明の装置によれば、上記方法
を簡単かつ効率よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施例の構成図である。
【図2】本発明の装置の他の実施例の構成図である。
【符号の説明】
1 処理槽 3 繊維製品 8 蒸気導入口 10 蒸気導入弁 11,19 開度調節弁 15 温度制御手段 16 温度センサ 18 蒸気放出弁 20 蒸気放出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06B 3/09 D06B 5/20 Fタームテーマコード3B154

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルローズ系繊維および動物系繊維の少
    なくとも一方を主体とする繊維製品に対し形態安定化処
    理を行う方法であって、蒸気導入口と蒸気放出口とを備
    えた処理槽内に、上記繊維製品を装填し、その状態で、
    蒸気導入口から高温水蒸気を連続的に導入するとともに
    蒸気放出口から処理槽内の高温水蒸気を断続的に放出し
    大気開放させるか、蒸気導入口から高温水蒸気を断続的
    に導入するとともに蒸気放出口から処理槽内の高温水蒸
    気を連続的に放出し大気開放させることにより、処理槽
    内を所定の形態安定化処理温度に保ちながら、高温水蒸
    気の移動流を生じさせて繊維製品の内外を通過させるよ
    うにしたことを特徴とする繊維製品の形態安定化処理方
    法。
  2. 【請求項2】 上記処理槽内に導入する高温水蒸気とし
    て、ミストセパレータを経由させてミスト除去したもの
    を用いる請求項1記載の繊維製品の形態安定化処理方
    法。
  3. 【請求項3】 上記処理槽内から放出される高温水蒸気
    を、廃熱回収装置を通過させて廃熱を利用するようにし
    た請求項1または2記載の繊維製品の形態安定化処理方
    法。
  4. 【請求項4】 上記処理槽内に高温水蒸気を導入する前
    に、処理槽内を予め10-1〜100Torrに減圧する
    ようにした請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維製
    品の形態安定化処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の繊維製品の形態安定化処
    理方法に用いる装置であって、高温水蒸気を連続的もし
    くは断続的に導入しうる蒸気導入口と、高温水蒸気を連
    続的もしくは断続的に外部に放出し大気開放しうる蒸気
    放出口とが設けられた処理槽と、上記処理槽内の高温水
    蒸気移動通路上に繊維製品を保持する繊維製品保持手段
    と、上記処理槽内の温度もしくは水蒸気圧を経時的に計
    測する計測手段と、上記計測手段による計測結果にもと
    づいて蒸気導入口からの高温水蒸気導入量と蒸気放出口
    からの高温水蒸気放出量のいずれか一方を制御すること
    により、処理槽内の温度を所定の形態安定化処理温度に
    維持する温度制御手段とを備えていることを特徴とする
    繊維製品の形態安定化処理装置。
  6. 【請求項6】 上記処理槽外から蒸気導入口に延びる蒸
    気導入配管上に、ミストセパレータが設けられている請
    求項5記載の繊維製品の形態安定化処理装置。
  7. 【請求項7】 上記処理槽の蒸気放出口から処理槽外に
    延びる蒸気放出配管上に、廃熱回収装置が設けられてい
    る請求項5または6記載の繊維製品の形態安定化処理装
    置。
  8. 【請求項8】 上記処理槽内を所定の真空度に減圧する
    減圧手段が設けられている請求項5〜7のいずれか一項
    に記載の繊維製品の形態安定化処理装置。
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