JP3021097U - 梁丸太加工用の大入れ加工機用補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、大入れ加工機を利用し、木造建
築の構造材に使用される梁丸太を加工する為の補助具に
関するものである。 【構成】 所定間隔を有する二枚のプレートの上端部に
二組のＬ型金具を取付ける。この二組のＬ型金具をスラ
イド式にしチョウネジ３，４により任意の幅で固定でき
るようにする。プレートの内側面より複数個のスパイク
を長さ調節可能に突出させる。プレートの端面部に目盛
を付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、木造建築の構造材に使用する梁丸太を、大入れ加工機によって加工 する際の大入れ加工機用補助具（以下補助具という）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

大入れ加工機は、本体下部に取付けられた固定装置（クランプ装置）により被 加工材に固定して使用するものであるが、この固定装置は角材にしか使用できず 梁丸太のような形状の物には使用することが出来なかった。この為梁丸太の加工 は、手作業に頼るほか無く、多くの手間暇を費やしていた。従来の梁丸太の加工 は、図９〜１０に示すように、梁丸太１９の水平方向の基準線として図の一点鎖 線で示す如く水平墨１２が付されており、この水平墨１２を基準に加工作業が行 われている。束座１１の加工は、水平墨１２に対し平行に切削加工されなければ ならないが、この切削加工は、マイ丁能という刃物を使用して熟練の作業者が高 度の技術と多くの手間を掛けて作業されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の加工作業では、手作業によりマイ丁能という刃物を使用し て作業する為、加工精度が不均一となり易く、多くの手間が掛っていた。また、 マイ丁能という刃物は、農作業の鍬のように足元に向けて振り降ろす動作を行う ため、足を切るなどの危険性を伴い安全上の問題があった。 本考案は、これらの問題点が解決できる補助具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成する為に、本考案においては、所定間隔を有して平行に配置さ れた二枚の平板プレートと、同二枚の平板プレートの間隔を橋渡しするように門 型に組み合わされる一対のＬ型金具と、同Ｌ型金具の係合部を締結するネジと、 前記プレートの内側面に突出させるスパイクと、前記プレートの両端面に設けら れた目盛とを具えて構成した。 また、前記一対のＬ型金具を、二枚のプレート間に設けられた異径の丸パイプ の組み合わせ又は異径の角パイプの組み合わせで構成した。 また、前記プレートの中央部に開口部を形成し、同開口部に目盛を設けて構成 した。

【０００５】

【作用】

本考案に係る補助具を被加工物の梁丸太に乗せて二枚の平板プレートで挟み、 梁丸太の外径サイズに合わせて一対のＬ型金具を締結ネジで固定する。次ぎにプ レートの端面に設けられた目盛と、梁丸太に付されている水平基準線の水平墨と を合わせて、補助具と水平墨が平行になるように設定し、スパイクを締め込んで 固定する。 また、二枚の平板プレートの間隔を調節する異径の丸パイプの組み合わせ又は 異径の角パイプの組み合わせによって丸パイプ又は角パイプをスライドさせて調 節することもできる。 また、プレート端面の目盛だけでなく、プレート中央部の開口部に設けられた 目盛によって水平墨と平行合わせをすることもできる。

【０００６】

【実施例】

本考案を図１〜図８に示す実施例により説明する。図１は補助具の斜視図、図 ２は補助具を被加工物の梁丸太へ取付けた状態を示す正面図、図３は図２の側面 図、図４〜図５は他の実施例を示す斜視図、図６は他の実施例を示す正面図、図 ７は補助具を使用する際の大入れ加工機の刃物とプレートとの位置関係を表す説 明図、図８は補助具を丸太に適用した時の側面図である。 図１により補助具の構成を説明すると、 （イ） プレート１，２の上部両端にＬ型金具６，７，８，９を取付ける。 （ロ） Ｌ型金具６，７は上部に長穴を有し、Ｌ型金具８，９は上部にネジ穴を 有し、二個のチョウネジ３，４により固定される。 （ハ） プレート１，２の内側面より複数個のスパイク５を長さ調節可能に突出 させる。 （ニ） プレート１，２の端面部にそれぞれ目盛を取付ける。

【０００７】 次に、上記構成による作用について図面により説明する。 図２，３で示すように、図１の補助具を梁丸太１９に乗せて挟み、チョウネジ ３，４を締めてスライド部を固定する。つぎに補助具を水平墨１２に平行に固定 するために４個所の目盛と水平墨１２を合わせるように調整し複数個のスパイク ５を締め込むと補助具のズレが防止される。このようにセットされた補助具に大 入れ加工機を固定して加工作業が行われるのである。

【０００８】 以上の実施例の他に、次のような他の実施例によることもできる。上記実施例 と同じ部分の説明は省略し、異なる部分について説明すると、 （イ） 前記Ｌ型金具の上部スライド部の代りに、図４のように異径の角パイプ １５又は丸パイプ１６を組み合わせて使用することもできる。この場合に は、スライド方向が一定し、滑りやすくなる効果がある。 （ロ） 図５のように片方のプレート２に角パイプ１５又は丸パイプ１６を固定 し、反対のプレート１に穴をあけ、角パイプ１５又は丸パイプ１６を貫通 させ、スライドできるようにしチョウネジ１８により固定して使用するこ ともできる。 （ハ） 補助具を梁丸太１９の端部に使用する場合の水平出しは、図６のように プレート１，２の中央部に開口部１３を孔設し目盛１０をつけて使用する 。この場合には、梁丸太端部における水平墨１２と目盛１０との位置合わ せが容易になる効果がある。 （ニ） 図７のように、プレート１，２の上端部を横長に切除しておけば大入れ 加工機の刃物１４がプレート１，２に接触しないようにすることができる 。 （ホ） 通常の丸太に使用する場合は、図８のようにプレート１，２と丸太の接 点部を木ネジ１７により固定して使用することができる。 以上の図１〜図８に使用されるプレート１，２の材料としては、コンパネ、ア ルミ板、アクリル板等が使用される。

【０００９】

【考案の効果】

この考案は、前記のように構成されており、角材にしか利用できなかった大入 れ加工機を梁丸太にも利用出来るようにすることにより梁丸太の加工を安全に早 くそして正確にすることが出来、大入れ加工機の利用価値を著しく高めるもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の補助具の斜視図である。

【図２】本考案の補助具を梁丸太へ取付けた状態を示す
正面図である。

【図３】図２の側面図である。

【図４】本考案のスライド部に、角パイプ及び丸パイプ
を使用した時の他の実施例の斜視図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す斜視図である。

【図６】本考案の補助具を梁丸太の端部に使用した時の
他の実施例の正面図である。

【図７】本考案の補助具を使用するときの、大入れ加工
機の刃物とプレートとの位置関係を表す説明図である。

【図８】本考案の補助具を丸太に使用した時の側面図で
ある。

【図９】梁丸太に束座を加工したときの斜視図である。

【図１０】図９の正面図である。

【符号の説明】

１，２ プレート ３，４ チョウネジ ５ スパイク ６，７ Ｌ型金具 ８，９ Ｌ型金具 １０ 目盛 １１ 束座 １２ 水平墨 １３ 開口部 １４ 大入れ加工機の刃物 １５ 角パイプ １６ 丸パイプ １７ 木ネジ １８ チョウネジ １９ 梁丸太

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定間隔を有して平行に配置された二枚
   の平板プレートと、同二枚の平板プレートの間隔を橋渡
   しするように門型に組み合わされる一対のＬ型金具と、
   同Ｌ型金具の係合部を締結するネジと、前記プレートの
   内側面に突出させるスパイクと、前記プレートの両端面
   に設けられた目盛とを具えたことを特徴とする梁丸太加
   工用の大入れ加工機用補助具。
2. 【請求項２】 前記一対のＬ型金具が、二枚のプレート
   間に設けられた異径の丸パイプの組み合わせ又は異径の
   角パイプの組み合わせであることを特徴とする請求項１
   記載の梁丸太加工用の大入れ加工機用補助具。
3. 【請求項３】 前記プレートの中央部に開口部を形成
   し、同開口部に目盛を設けたことを特徴とする請求項１
   又は請求項２記載の梁丸太加工用の大入れ加工機用補助
   具。