JP3016442B2 - マクロ多孔質高架橋重合体を含む艶出し剤配合物 - Google Patents

マクロ多孔質高架橋重合体を含む艶出し剤配合物

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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09G1/00Polishing compositions
    • C09G1/06Other polishing compositions
    • C09G1/14Other polishing compositions based on non-waxy substances
    • C09G1/16Other polishing compositions based on non-waxy substances on natural or synthetic resins

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、マクロ多孔質の高架橋重合体を
含む艶出し剤に関する。もっと詳しく言えば、本発明
は、活性成分を捕捉する小さな多孔質重合体粒子を含有
してなる艶出し剤を包含する。
【0002】有機ケイ素化合物を含有する艶出し剤配合
物は新しくはない。例えば、1970年4月28日発行の米国
特許第 3508933号明細書の艶出し剤配合物ではアミノ官
能性シロキサンが使用されている。このようなシロキサ
ンは、油中水及び水中油エマルジョン艶出し剤が配合さ
れる1971年4月27日発行の米国特許第 3576779号明細書
にも見いだすことができる。これらのアミノ官能性シリ
コーンはまた、1974年9月17日発行の米国特許第 38363
71号明細書及び1980年8月19日発行の米国特許第 42182
50号明細書にも、種々の艶出し剤配合物の成分として開
示される。
【0003】マクロ多孔質重合体の球体又はビーズを製
造する概念も、一定の活性成分を捕捉しそして後に放出
するためにそのようなマクロ多孔質構造体を使用するこ
とも、当該技術分野においては古くからの技術である。
この概念の一例は、1987年9月1日発行の米国特許第 4
690825号明細書に見いだすことができ、この米国特許明
細書においては、懸濁重合法を使用して、スチレン及び
ジビニルベンゼンを含むモノマー系からビーズを製造す
る。鉱油が「その場で」捕捉され、そしてビーズは種々
の化粧品用途で有益であると述べられている。1988年1
月12日発行の米国特許第 4719040号明細書では、香料を
含有したマクロ多孔質重合体が空気清新剤ゲルに取入れ
られる。1988年2月9日発行の米国特許第 4724240号明
細書及び1986年7月16日に付与された欧州特許第 61701
号明細書は、マクロ多孔質ビーズ及び粉体内に保持され
た、「その場で」捕捉された皮膚軟化剤及びモイスチャ
ライザーに関する。米国特許第 4724240号明細書の例1
では、エチレングリコールジメタクリレートモノマー及
びラウリルメタクリレートモノマーを使って沈殿重合を
用いて粉体が製造され、これに対して同じ米国特許明細
書の例4は、球状ビーズを製造するのに懸濁重合法を使
用する。これらの生成物の種々の化粧品及び洗面用品用
途が開示されている。
【0004】軟化剤を捕捉するマクロ多孔質重合体粉末
は、1988年8月16日発行の米国特許第 4764362号明細書
及び1989年3月21日発行の米国特許第 4813976号明細書
に教示されており、これらでは上記の粉末は爪の状態を
整える爪やすりに取入れられる。爪にやすりをかけてい
る間に、軟化剤は、爪の状態を整えそして滑らかにする
ため、スポンジからのように粉末から放出されると述べ
られている。同様の概念が、1988年10月11日発行の米国
特許第 4776358号明細書に教示され、この米国特許明細
書ではデンタルフロスがある一定の「マイクロスポン
ジ」に捕捉された香油を含む。懸濁重合させられたマク
ロ多孔質重合体ビーズは、1989年2月21日発行の米国特
許第 4806360号明細書及び1989年8月8日発行の米国特
許第 4855144号明細書に教示され、これらではメラニン
顔料がマクロ多孔質構造体に取入れられて皮膚へ適用さ
れ、そしてこのメラニン顔料は日光を遮るものとして機
能すると述べられている。ポリ不飽和モノマーかあるい
はポリ不飽和モノマーとモノ飽和モノマーとの混合物の
どちらかを使用することができる。メラニン顔料をビー
ズでもって「その場で」捕捉すると言うよりも、揮発性
溶媒をポロゲンとして使用し、そして後に除去する。メ
ラニン顔料は、空のマクロ多孔質構造体へ「後吸着」さ
れる。同様の技術は、1989年3月3日公開の欧州特許出
願公開第0306236号明細書及び1988年2月25日公開の国
際特許出願公開第88/01164 号パンフレットにも教示さ
れている。
【0005】マクロ多孔質重合体を結合させた網状ウレ
タンフォームは、1989年5月9日発行の米国特許第 482
8542号明細書に開示される。粒子が液体石鹸を捕捉し、
そしてこの発泡体は清浄用パッドとして機能することが
できると述べられている。1989年8月8日発行の米国特
許第 4855127号明細書及び1989年11月14日発行の米国特
許第 4880617号明細書では、疎水性の高分子多孔質ビー
ズ及び粉体が、それに捕捉された種々のフェロモン、農
薬、芳香剤及び化学物質のためのさらさらした固体キャ
リヤーとして用いられる。これらのさらさらした物質
は、沈殿重合法及び懸濁重合法の両方により製造され
る。1989年9月26日発行の米国特許第 4870145号明細書
では、親水性ビーズが生成され、そして気孔を形成する
ために使用された溶剤を除去すると、これらのビーズは
コンタクトレンズクリーナー、洗面ブラシ及びタイルク
リーナーへそれらを取入れることを含めた様々な用途を
有すると述べられている。これらのビーズは、たんぱく
質及び脂質を特に吸着する性質であることが開示されて
いる。1989年10月10日発行の米国特許第 4873091号明細
書では、イソプレンゴムのような硬化性エラストマーを
懸濁重合させて弾性のマイクロビーズを作って、多孔質
ゴムビーズを製造する。これらの多孔質ゴムビーズは、
局部的な適用で並外れた平滑性を与えると述べられてい
る。1989年11月21日発行の米国特許第 4881490号明細書
及び1989年11月28日発行の米国特許第 4883021号明細書
には、芳香剤を捕捉している高分子重合体粉末が臭気を
なくす目的で芳香をゆっくりと放つために動物の寝わら
に成分として取入れられるペットの寝わらが記載され
る。
【0006】シリコーンを含有している艶出し剤は古
く、またマクロ多孔質重合体は古いとは言っても、本発
明に従って新規であると信じられるものは、艶出し剤と
してマクロ多孔質重合体にシリコーンを新しく組み合わ
せることである。
【0007】本発明は、ワックス、皮膜形成剤、溶剤、
界面活性剤、増粘剤、研磨剤、染料、付臭剤、及び艶出
し剤を製造する際に標準的に用いられる他の成分より選
ばれた少なくとも1種の構成成分をその構成成分として
含有してなる艶出し剤配合物に関する。改良点は、当該
艶出し剤配合物に一つの構成成分としてマクロ多孔質の
高架橋重合体を取入れることである。この重合体はその
中に有機ケイ素化合物を捕捉している。好ましくは、こ
の有機ケイ素化合物は、アミン官能性シロキサン、及
び、アルコキシ基やヒドロキシ基のような反応性基がケ
イ素に少なくとも一つついているアミン官能性シロキサ
ンである。この艶出し剤は、液体、ペーストの形である
ことができ、あるいはマクロ多孔質重合体を、「ドライ
ブライト」又は「ワンラグ」艶出し剤として商業的に知
られているものとして単独に適用してもよく、つまりこ
の艶出し剤は表面へ適用されて表面へこすりつけられ、
その後この表面を磨く必要はない。
【0008】本発明はまた、マクロ多孔質の高架橋重合
体を含む艶出し剤配合物を表面へ適用して表面を艶出し
する方法を目指している。この艶出し剤は、アミン官能
性シロキサンのような有機ケイ素化合物を捕捉してお
り、そしてこの配合物は表面へこすりつけられる。
【0009】本発明は更に、高架橋マクロ多孔質の疎水
性又は親水性重合体の分離した粒子を含む艶出し剤組成
物に関する。これらの粒子は、第一の予め決められた平
均直径の粒子であり、そしてこれらの重合体粒子は、活
性成分を捕捉しており且つそれを全体にわたって均一に
分散させている。この組成物はまた、上記の重合体粒子
を集まらせて第二の予め決められた平均直径のコアセル
ベートした粒子の密集クラスターを形成させるのに十分
な量の、上記重合体粒子と混ぜ合わされたコアセルベー
ティング剤をも含み、この第二の予め決められた平均直
径は上記の第一の予め決められた平均直径よりも実質的
に大きい。
【0010】もっと詳しく言えば、上記の重合体は少な
くとも1種のポリ不飽和モノマーから生成することがで
き、そしてこのポリ不飽和モノマーはエチレングリコー
ルジメタクリレート及びテトラエチレングリコールジメ
タクリレートのうちの一つである。重合体は、ポリ不飽
和モノマーと共に少なくとも1種のモノ不飽和モノマー
から生成されて含むことができ、そしてこの態様では、
モノ不飽和モノマーはラウリルメタクリレート及び2−
エチルヘキシルメタクリレートのうちの一つである。
【0011】第一の予め決められた平均直径の粒子は、
ビーズの形をしていることができ、そしてこのビーズは
約10μmから約 150μmまでの平均直径を有する。ある
いはまた、第一の予め決められた平均直径の粒子は粉末
の形をしていることができ、そしてこの粉末は粒子を組
み合わせた系であって、この粉末粒子の系は、平均直径
が約1μm未満の単位粒子と、平均直径が約20〜80μm
の範囲の大きさの融合した単位粒子の凝集体と、そして
平均直径が約 200μmから約1200μmまでの範囲の大き
さの融合した凝集体のクラスターの結合体とを含む。
【0012】コアセルベーティング剤は、ワックス、例
えばイボタろう、動物ろう、木ろう、鉱ろう、石油ワッ
クス、合成ワックス、シリコーンワックスあるいはそれ
らの混合物といったようなものでよい。ワックスの混合
物の場合には、好ましい混合物は鉱ろう及びシリコーン
ワックスを含み、そして鉱ろうはセレシンワックスであ
り、その一方シリコーンワックスはステアロキシジメチ
コーンである。重合体粒子は、組成物の約10重量%から
約50重量%までを構成し、活性成分は、組成物の約1重
量%から約80重量%までを構成し、そしてコアセルベー
ティング剤は、組成物の約10重量%から約70重量%まで
を構成する。コアセルベートされた粒子の第二の予め決
められた平均直径は、好ましくは、約0.2mmから約5mm
までの範囲である。この組成物は、艶出し剤の適用によ
ってコアセルベートされた粒子から活性成分が放出され
る艶出し剤配合物へ取入れるのに理想的である。
【0013】マクロ多孔質の架橋重合体を製造するため
には、沈殿重合法が用いられる。この方法では、少なく
とも1種のモノ不飽和モノマーと少なくとも1種のポリ
不飽和モノマーを、モノマーのための溶媒であってそれ
らを溶解するが重合体は溶解しない有機液体の存在下で
重合させる。これらのモノマーの重合は、遊離基を発生
する触媒化合物により開始され、溶媒中に粉末の形で重
合体を沈殿させる。乾燥粉末は、沈殿した重合体粉末か
ら溶媒を除去して作られる。
【0014】溶媒は好ましくはイソプロピルアルコール
であるが、そうは言ってもトルエン、ヘプタン、キシレ
ン、ヘキサン、エチルアルコール及びシクロヘキサンも
使用することができる。モノ不飽和モノマー及びポリ不
飽和モノマーは、例えば、20:80、30:70、40:60又は
50:50のモル比で存在することができる。この方法は、
重合を行う間モノマー、溶媒及び遊離基発生触媒化合物
を攪拌する工程を包含する。好ましくは、乾燥粉末は沈
殿粉末から過剰の溶媒をろ過し、そしてこのろ過された
粉末を真空乾燥して作られる。この粉末は次いで、種々
の機能性物質を「後吸着」させることができる。
【0015】図1〜3及び図5の検討から明らかになる
ように、この物質は、単位粒子、凝集体及び結合体の複
合の取り合わせゆえにマクロ多孔質である。この複合構
造の結果として、この物質は法外な量の細隙空間を有
し、気孔の迷路である。この物質の気孔容積内に捕捉さ
れた揮発性成分は、表面へはじきとばすことにより放出
され、そして温度、蒸気圧及び表面積のような因子に依
存する速度で蒸発する。不揮発性の成分は、毛細管の作
用により表面へ移動し、そして別の表面との接触により
放出される。機械的な破裂も、捕捉された成分を放出さ
せるために使用することができる。この物質はまた、成
分を別の表面からそれ自体の中へはじきとばし、それに
より成分を吸着して、排出された成分に取って替えるこ
ともできる。この物質は、たとえそれ自身の重量の4倍
までの活性成分を吸着することができるとしても、収縮
あるいは膨張しない。必要とされるプロセスは吸収とは
違って吸着であるから、物質と活性成分の両方の性質は
変わらない。活性成分は、封入されるのとは対照的に物
質内に捕捉される。封入は、液体の核の周りに外殻がで
きるような、一つの物質をもう一つの物質の内部に完全
に取り囲むという意味を含む。封入された成分は、外殻
の機械的破裂又は外殻の溶解によって放出させることが
できるに過ぎず、外殻がひとたび破裂すれば外殻の全内
容物が抜き出される。ところが、捕捉の場合には、成分
の放出ははじきとばし、蒸発及び毛細管作用のような付
加的な機構によって調節し又は維持することができる。
その上、捕捉の場合には、活性成分は迷路へ及び迷路か
らの比較的妨げられない進入及び退出が可能である。
【0016】本発明の物質は、固体及び液体を捕捉する
ことができる架橋した重合体として概括的且つ一般的に
説明することができる。この重合体は、粒状形態であっ
て、活性成分を詰め込んだ場合でもさらさらした別々の
固体粒子を構成する。本発明の一つの重合体は次の構造
式を有する。
【化1】 この式中、x対yの比は80:20であり、R’は-CH2CH2-
であり、R''は-(CH2)11CH3である。
【0017】この高分子物質は、上記の構造式により証
明されるように高度に架橋しており、より詳しく言えば
高度に架橋したポリメタクリレート重合体である。この
物質は、米国ミシガン州ミッドランドのダウ−コーニン
グ・コーポレーションにより製造され、そしてポリトラ
ップ(POLYTRAP)の商標で市販される。それは、低密
度、高多孔質の、さらさらした白色粒体であり、これら
の粒子は多量の親油性液体及びいくらかの親水性液体を
吸着することができる一方で、同時にさらさらした粒子
特性を維持する。
【0018】粉末形態において、粒体の構造は複雑であ
って、平均直径1μm未満の単位粒子からなる。これら
の単位粒子は融合して、平均直径20〜80μmの凝集体に
なる。これらの凝集体はゆるく群集して、平均直径約20
0 〜約1200μmの、結合体と名づけられたマクロ粒子に
なる。
【0019】活性成分の吸着は、ステンレス鋼の混合ボ
ウルとスプーンを使って果すことができ、この場合に活
性成分は空の乾燥粉末に加えられ、そしてスプーンを使
って活性成分を粉末に静かに混ぜ合わせる。低粘度の流
体は、粉末の入ったシールできる容器に流体を加え、そ
してこれらの物質を均質になるまでタンブリングして吸
着させることができる。リボンブレンダー又はツインコ
ーンブレンダーのようなもっと精巧な混合装置も使用す
ることができる。
【0020】次に掲げる例1は、図1〜3に例示された
タイプの吸着剤粉末を製造するための方法を例示する。
【0021】例1 パドル型攪拌機を備えた 500mlの反応器で、 13.63gの
エチレングリコールジメタクリレートモノマー (80モル
%) 及び4.37gのラウリルメタクリレートモノマー (20
モル%) を混合して、沈殿重合により疎水性の多孔質重
合体を製造した。イソプロピルアルコールを、 282gの
量で溶媒として反応器に加えた。上記のモノマーはこの
溶媒に可溶性であったが、沈殿重合体は可溶性ではなか
った。このプロセスは、所望ならばポリ不飽和モノマー
だけを用いて行うことができる。モノマー、溶媒及び0.
36gの触媒開始剤ベンゾイルペルオキシドを含んでいる
混合物を、窒素でパージした。この系を、水浴を用い
て、重合が開始するに至るまで約60℃に加熱し、そして
その時に、重合を完了させるため温度を約70〜75℃に6
時間上昇させた。この間に、重合体が溶液から沈殿し
た。この重合では、直径が約1μm未満の単位粒子が製
造された。これらの単位粒子のうちの一部は一緒にくっ
ついて、直径が約20〜80μmほどの凝集体を与えた。こ
れらの凝集体のうちの一部は互いにくっつき、そして融
合及び結合して、直径が約 200〜800 μmほどの、凝集
体のゆるく保持された集成体である結合体を形成した。
混合物をろ過して過剰の溶媒を除去し、そして湿った粉
末ケークを真空オーブンでトレイ乾燥させた。単位粒
子、凝集体及び結合体からなる乾燥した疎水性重合体粉
末を単離した。
【0022】多孔質の重合体粒子粉末物質を製造するた
めの例1の方法は、沈殿重合技術と見なされる。この技
術によれば、モノマーは、両方のモノマーが可溶性であ
る相溶性の揮発性溶媒に溶解させられる。粉末の形をし
た重合体は沈殿し、この重合体は当該溶媒に不溶性であ
る。界面活性剤又は分散助剤は不要である。製造された
物質は粉末であって、球体又はビーズではない。粉末粒
子は、単位粒子、凝集体及び結合体を包含する。揮発性
溶媒は後に除去されて、その結果乾燥粉末が得られ、そ
してこれは種々の機能性活性成分を後吸着させることが
できる。
【0023】これに反して懸濁重合法は、重合を水中
で、また場合によってはクロロホルム又は塩素化溶媒中
で行うことを規定する。モノマー、活性剤及び触媒は、
水中でビーズ又は液滴を形成し、そして重合は各ビーズ
内で起こる。界面活性剤又は安定剤、例えばポリビニル
ピロリドンのようなものが、個々に形成されたビーズ及
び液滴が合体するのを防ぐために必要とされる。結果と
して得られた、活性物質がその中に捕捉されたビーズ
は、実質的に球状の外皮又は外殻を含み、これらの内側
にマクロ多孔質構造体が含有される。ビーズの平均直径
は、処理中に使用される攪拌速度に応じて、約10μmか
ら約 150μmまでになる。そのようなビーズを図4及び
図5に示し、また処理プロセスを例3に示す。
【0024】例1及び図1〜3の粉末並びに例3及び図
4と図5のビーズの独特な特徴は、液体を吸着ししかも
さらさらのままであることができることである。これら
の物質は、その中に捕捉された成分を調整して放出し、
そしてキャリヤーとしての機能を果す能力を有する。粉
末は、表面にこすりつけられると見えなくなる。この現
像は、この物質の大きな結合体は光を散乱して白色粒子
の外観を示すけれども、こすりつけると、これらの大き
な結合体の大きさが低下して可視光線の範囲に接近し、
それゆえに消滅するように見えるという事実のためと信
じられる。これらの物質には、化粧品や洗面用器、家庭
用製品や工業用製品、農薬、フェロモンキャリヤー及び
製薬用途のような、様々な領域の用途がある。
【0025】次に掲げる例2は、有機エステルが重合体
粉末に「その場で」捕捉される沈殿重合法を例示する。
【0026】例2 ガラス試験管で、7gの2−エチルヘキシルオキシステ
アレートを1.5gのエチレングリコールジメタクリレー
ト及び1.5gのラウリルメタクリレートと混ぜ合わせ
た。この溶液を5分間脱気し、そして0.1mlのt−ブチ
ルペルオクトエートを加えて、油浴で80℃に加熱しなが
ら混合した。20分後、内容物が凝固し、そして混合物を
更に1時間約80℃に維持して十分な重合を保証した。そ
の結果、捕捉されたエステルを含有している不均質白色
重合体が得られた。
【0027】例1の粉末は、例1では溶媒が取除かれ、
その結果として、他の機能性物質が後吸着させられる乾
燥した空の粉末が得られるという点で、例2の粉末とは
異なる。例2の粉末は、「その場で」重合して機能性物
質を含有するが、その他の点では図1〜3に示された物
質と同様である。
【0028】例3は、図4及び5に示されたビーズを製
造するための方法を例示する。この方法は懸濁重合であ
って、有機エステルが「その場で」捕捉される。
【0029】例3 攪拌機、温度計及び窒素パージ手段を備えた2000mlの三
つ口フラスコで、1.20gのポリビニルピロリドンを1500
mlの水に溶解させた。 333gの2−エチルヘキシルオキ
システアレート、 132gのエチレングリコールジメタク
リレート、33gの2−エチルヘキシルメタクリレート及
び5mlのt−ブチルペルオクトエートの溶液に、窒素を
5分間バブリングさせた。結果として得られた混合物
を、22℃の攪拌された上記のポリビニルピロリドン水溶
液へ窒素下でゆっくり加えた。一定の攪拌を行いながら
温度を80℃に上げ、重合が始まるまでおよそ15分保持
し、そして80℃で更に2時間維持して反応を完了させ
た。上澄み液をろ別して白色ビーズを集め、乾燥させて
過剰の水を除去した。ビーズの重量は 450gで、収率は
90%であり、またビーズの直径は0.25〜0.5mmであっ
た。ポリビニルピロリドン懸濁媒の代りに、他の保護コ
ロイド、例えばデンプン、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロースのようなも
の、又は無機物、例えば二価のアルカリ土類金属水酸化
物、例を挙げればMgOH、の如きものを使用してもよい。
【0030】例3では、サブミクロンの大きさのマクロ
多孔質重合体が2又は3種以上のモノマーを用いて製造
され、これらのモノマーのうちの少なくとも1種のモノ
マーは2個以上の二重結合を有する。重合は、結果とし
て得られる重合体を溶解又は膨潤させない活性成分の存
在下で行われる。これらのモノマー及び活性成分は、相
互に可溶性であるが、油滴が形成される水性懸濁媒体に
は不溶性である。重合は懸濁された液滴内で起こり、そ
してビーズ又は球体が製造される。「その場で」重合さ
せられる活性成分は捕捉されてビーズ内に含有されるけ
れども、活性成分は放出させることができる。重合を行
う間で揮発性液体を使用すること、そして後にこの揮発
性液体を除去して、種々の活性物質を後に吸着させるこ
とのできる多孔質の重合体ビーズ製品を残すことも、や
はり可能である。
【0031】本発明に従って使用するのに適したポリ不
飽和モノマーの例は、エチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパンエトキシル化トリアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンジメタクリレート、プロピレングリコー
ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタク
リレート、より高級なグリコールのジメタクリレート
類、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、ペンタエリトリトールジメタク
リレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、
ビスフェノールAジメタクリレート、ジビニルベンゼ
ン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニ
ルトルエン、トリアリルマレエート、トリアリルホスフ
ェート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコネート及
びアリルメタクリレートである。モノ不飽和モノマーに
は、炭素原子数約1〜30個、好ましくは炭素原子数5〜
18個の直鎖又は枝分れしたアルキル基を有する、アルキ
ルメタクリレート類及びアクリレート類が含められる。
好ましいモノマーには、ラウリルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、インデシルメタクリレ
ート、ステアリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ
アセトンアクリルアミド、フェノキシエチルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート及びメト
キシエチルメタクリレートが含まれる。先に言及した特
許明細書の多くにも、使用することのできる他の適当な
モノマーの詳細な目録が含まれている。
【0032】例4 表1〜14に示された一連のいくつかのモノマー系のおの
おのについて、例1を繰り返した。おのおのの場合に、
約75rpm の攪拌速度を使ってサブミクロンの大きさの重
合体粉末が製造された。触媒はベンゾイルペルオキシド
であった。種々の重合体粉末が流体を吸着する容量を測
定した。これらは、モノマーのモル比及び溶媒と共に表
1〜14に示されている。表1〜14で使用されている略号
は次に掲げる意味を有する。
【0033】DAA ジアセトンアクリルアミド EGDM エチレングリコールジメタクリレート TEGDM テトラエチレングリコールジメタクリレート ST スチレン DVB ジビニルベンゼン VP ビニルピロリドン IBOMA イソボルニルメタクリレート PEMA フェノキシエチルメタクリレート IDMA イソデシルメタクリレート STMA ステアリルメタクリレート HPMA ヒドロキシプロピルメタクリレート CYMA シクロヘキシルメタクリレート DMAEMA ジメチルアミノエチルメタクリレート TBAEMA t−ブチルアミノエチルメタクリレート AMPS 2−アクリルアミドプロパンスルホン酸 BMA ブチルメタクリレート EHMA 2−エチルヘキシルメタクリレート MMA メチルメタクリレート HEMA 2−ヒドロキシエチルメタクリレート EHO 2−エチルヘキシルオキシステアレート GG グルコースグルタメート IPA イソプロピルアルコール PEG ポリエチレングリコール200
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】
【表14】
【0048】先に言及したように、サブミクロンの大き
さの粒子からなる高度に架橋した重合体系は、重合可能
な不飽和結合を少なくとも二つ有するモノマーであって
モノ不飽和部分を有するコモノマーを含有していないも
のから調製することができる。
【0049】本発明の艶出し剤配合物で使用することの
できるワックス類は、当業者によく知られており、艶出
し剤のために意図される具体的な用途と求められている
性質に応じて色々である。適当なワックス類の具体例に
は、動物ろう、例えば蜜ろう、鯨ろう、ラノリン及びセ
ラックワックスのようなものや、植物ろう、例えばカル
ナウバろう、キャンデリア、ベイベリーろう及びサトウ
キビろうの如きものや、鉱ろう、例えばオゾケライト、
セレシン、モンタン、パラフィン、ミクロクリスタリン
ワックス及びペトロラタムのようなものや、合成ワック
ス、例えばエチレン系重合体、ポリオールエーテル−エ
ステル類及び塩素化ナフタレン類の如きものが含まれ
る。
【0050】本発明の艶出し剤配合物で使用することの
できる研磨剤は、当業者によく知られており、特定の研
磨剤は磨かれるべき表面の性質と求められる結果に依存
する。適当な研磨剤の具体例には、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、軽石、フラー土、ベントナイト、シリ
カ、トリポリ、水和ケイ酸カルシウム、チョーク、コロ
イドクレー、酸化マグネシウム、赤色酸化鉄及び酸化ス
ズが含まれる。
【0051】V.M.P.ナフサ、ストッダード溶剤、ナフ
サ、ミネラルスピリット、水、灯油といったような溶剤
や、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート及び
脂肪アルコールアミンスルフェートのような界面活性剤
や、ヘクトライトクレー、モンモリロナイトクレー、大
豆レシチン及びメチルセルロースといったような増粘剤
や、アミノ官能性シリコーン及びカルボキシ官能性シリ
コーンのような耐洗剤性添加剤や、着色剤、付臭剤、腐
食防止剤、そして艶出し剤を製造する際に標準的に用い
られるそのほかの成分も、やはり艶出し剤配合物で普通
に用いられる。このような成分は当業者にとって周知の
ものであって、それゆえに、簡潔のために上記の程度に
言及するだけにする。
【0052】本発明は、ワックス及び/又は研磨剤を含
有している、溶剤型艶出し剤、水性艶出し剤及びペース
トワックス艶出し剤を含めた全ての形態の艶出し剤に応
用可能である、ということに注目すべきである。
【0053】耐洗剤性添加剤は、約5センチストークス
から数百万センチストークスほどまでの範囲の粘度、好
ましくは約100 〜約10,000センチストークスの粘度を有
する皮膜形成剤である有機ポリシロキサンである。より
好ましくは、比較的高い粘度を有するポリシロキサンと
比較的低い粘度を有するポリシロキサンとの混合物を使
用する。このようなポリシロキサンは下式の反復単位を
有する。
【0054】
【化2】 この式のnは1より大きな値の整数であり、R1 は炭素
原子数1〜7個のアルキル基又はフェニル基であり、R
2 は水素、炭素原子数1〜7個のアルキル基又はフェニ
ル基である。上記の式により包含されるポリシロキサン
の例は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキ
サン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニ
ルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、及び2種以
上の上述のシロキサンの共重合体である。ポリシロキサ
ン−オキシアルキレンブロック共重合体も利用してよ
い。前述の有機ポリシロキサンのほかに、本発明の組成
物はまた、アミノ官能性ポリシロキサンも、またシラン
も含むことができる。アミノ官能性ポリシロキサンは、
存在しているポリシロキサンにより形成される皮膜の耐
久性を高める高極性ペンダントのアミノアルキル変性基
を有するシリコーン流体であって、形成された皮膜が広
範囲の様々な基材へ付着するのを促進する。
【0055】特に好ましいアミノ官能性ポリシロキサン
には、アミノプロピル、アミノブチル又はジアミノペン
ダント鎖で完全に又は部分的に末端置換された、反応性
及び不反応性の、加水分解可能な及び加水分解不能の誘
導体が含められる。上述のように、本発明の組成物で
は、本発明の組成物により利用される混合物に存在して
いる他の有機シリコーン化合物の相互溶解性を増進す
る、任意的であるが好ましい、液体シラン成分もまた考
えられる。適当な液体シランは式R3-Si(OR4)3 で表さ
れ、この式においてR3 は炭素原子数1〜3個のアルキ
ル基又はフェニル基でよく、またR4 は炭素原子数1又
は2個のアルキル基でよい。好ましい液体シラン成分
は、メチルトリメトキシシランやエチルトリエトキシシ
ランのようなアルキルトリアルコキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、及
び他の同様のものである。
【0056】本発明のアミノ官能性シロキサン組成物
は、次に掲げる式で表すことができる。
【0057】
【化3】
【0058】このような組成物は、1970年4月28日発行
の米国特許第 3508933号、1974年9月17日発行の同第 3
836371号及び1975年6月15日発行の同第 3890271号各明
細書にいく分詳しく記載される。これらの組成物の調製
及びそれらを艶出し剤で用いることも、上述の米国特許
明細書に記載される。調製されそして本発明の範囲内に
入るそのような組成物の明細を表15に示す。
【0059】
【表15】
【0060】式(I)のタイプのアミノ官能性シロキサ
ンはまた、前述の米国特許第 3508933号、同第 3836371
号及び同第 3890271号各明細書に示された別法により調
製してもよい。この別法では、出発物質は下式のメチル
ジメトキシエチレンジアミノイソブチルシランである。
【0061】
【化4】
【0062】このアミノ官能性シランは、約95〜99%の
有効濃度になるまで蒸留される。このシランは、1モル
のシランに対して加えられた3モルの水で加水分解され
る。この物質は、大気圧及び約 130℃の温度でバッチ蒸
留される。次いで減圧ストリッピングを行ってメタノー
ルと残留している水を取除き、アミノ官能性の加水分解
物を得る。このアミノ官能性の加水分解物は、粘度1.5
センチストークスのポリジメチルシロキサンと、式(Me2
SiO)n のジメチル環状物(この式のnは3,4又は5)
と、水酸化カリウム又はカリウムシラノレートのような
触媒との混合物に加えられる。この混合物は、攪拌及び
約 150℃での加熱により重合体と平衡させられる。この
混合物を約80〜90℃以下に冷却し、混合しながら酢酸を
加えて触媒を中和にする。減圧下で揮発分をストリッピ
ングして不揮発分含有率を増加させ、続いて、透明な生
成物を得るためいずれのもやもやも取除く目的で、プレ
コートしたプレート−フレームろ過器でろ過を行う。こ
の手順の典型的な例を次に示す。
【0063】例5 3482.8gのジメチル環状物、 439.2gの加水分解物、7
8.4gの粘度1.5cSt のポリジメチルシロキサン及び38.
3gのカリウムシラノレート触媒を丸底フラスコに入れ
た。フラスコの内容物を窒素雰囲気下で20分間混合し
た。フラスコを加熱して、内容物を4時間 150℃に維持
した。この混合物を33℃まで冷却した。フラスコへ2.14
gの酢酸を加えて触媒を中和した。この流体を一晩かき
混ぜ、そしてろ過した。結果として得られた生成物は透
明であり、その粘度は354cStであった。この生成物は5
モル%のアミンを含有していて、表15に示されたx=18
8 及びy=10の物質として同定された。
【0064】好ましいアミノ官能性シロキサンは、
(A)25℃での粘度が約10〜15,000csの範囲である末端
をヒドロキシル基でブロックされたポリジメチルシロキ
サンと、一般式 R''n (R'O)3−nSi(CH2)3NHR'''及び
R''n (R'O)3−nSiRNHCH2CH2NH2を有するシラン類であ
って、これらの式においてR''' が水素原子又はメチル
基であり、R''が脂肪族不飽和のない炭素原子数1〜6
個の一価の炭化水素基であり、nの値が0〜2であり、
R' が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、そして
Rが脂肪族不飽和のない炭素原子数3〜4個の二価の炭
化水素基であるものからなる群より選択されたシランと
の、混合物又は反応生成物、(B)25℃での粘度が約10
〜15,000csの範囲である末端をヒドロキシル基でブロッ
クされたポリジメチルシロキサンと、一般式(R1O)3-SiR
2NHR3 及び(R1O)3-SiR2NHCH2CH2NH2を有するシラン類で
あって、これらの式においてR1 が炭素原子数1〜4個
のアルキル基であり、R2 が脂肪族不飽和のない炭素原
子数3〜4個の二価の炭化水素基であり、そしてR3
水素原子及びメチル基からなる群より選ばれるものから
なる群より選択されたシランと、そして一般式X3SiZ を
有するシランであって、式中のXが炭素原子数1〜4個
のアルコキシ及びアシルオキシ基からなる群より選ば
れ、Zが炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基並びに炭
素、水素及び酸素原子から構成された基であって、酸素
原子がヒドロキシル基、エステル原子団又はエーテル結
合に存在しているものからなる群より選ばれた加水分解
不能基であって、このZ基に1〜10個の炭素原子が存在
しているシランとの、混合物又は反応生成物、そして
(C)25℃での粘度が約1〜15,000csの範囲であるポリ
ジメチルシロキサンと、一般式 R''n (R'O)3−nSi(C
H2)3NHR'''及び R''n (R'O)3−nSiRNHCH2CH2NH2を有す
るシラン類であって、これらの式においてR''' が水素
原子又はメチル基であり、R''が脂肪族不飽和のない炭
素原子数1〜6個の一価の炭化水素基であり、nの値が
0〜2であり、R' が炭素原子数1〜4個のアルキル基
であり、そしてRが脂肪族不飽和のない炭素原子数3〜
4個の二価の炭化水素基であるものからなる群より選択
されたシランとの、混合物又は反応生成物、からなる群
より選択される。上記の(C)は特別の種であって、通
常のトリメチルシリル官能性シラン又はシロキサンをア
ミノ官能性シロキサンに取入れることにより製造される
末端をトリメチルシリル基でブロックされたアミノ官能
性シロキサンである。
【0065】アミン官能性シロキサン重合体はまた、下
式を有する。
【0066】
【化5】
【0067】この式において、R’は、全R’基のうち
の少なくとも50%はメチル基であることを条件として、
炭素原子数1〜4個のアルキル基、OH、アルコキシ基又
はフェニル基を表し、Qは式-R''Z のアミン官能性置換
基を表し、zは0又は1の値を有し、xは25〜3000の平
均値を有し、そしてyは、いずれの場合にもyはxの平
均値の1/10以下であることを条件として、zが1の場
合0〜100 の平均値を有し、zが0の場合1〜100 の平
均値を有する。また、上記のアミン官能性置換基の式-
R''Z において、R''は炭素原子数3〜6個の二価のア
ルキレン基又は式-CH2CH2CH2OCH2-CHOHCH2- の基であ
り、Zは式-NR'''2 ,-NR'''(CH2) n NR'''2、及び下
式、すなわち、
【化6】 からなる群より選ばれる一価の基であり、これらの式中
のR''' は水素かあるいは炭素原子数1〜4個のアルキ
ル基を表し、R''' は炭素原子数1〜4個のアルキル基
を表し、そしてnは2〜6の正の整数である。
【0068】本発明の目的上、「コアセルベート」及び
「コアセルベーティング剤」という語は、第一の予め決
められた大きさの粒子を集まらせそして大きさの増大し
た粒子のより密集したクラスターにさせる物質を定義し
ようとするものである。例えば、活性成分は最初は、 2
00〜1200μmの範囲の粒子を形成している図1〜3の粉
末に捕捉される。捕捉された活性成分を含有しているこ
れらの粒子は、コアセルベーティング剤と混合されて、
1200μmを超えるもっと大きな粒子を形成する。コアセ
ルベートされた粒子の大きさの好ましい範囲は、平均直
径で約0.2〜5.0mmである。好ましい範囲は0.4〜2.0
mmであるが、そうは言っても粒子は、所望ならばもっと
大きくすることができる。同様に、活性成分は初めに、
10〜150μmの範囲の粒子を形成している図4及び5に
示されたような本発明のビーズ形のものに捕捉される。
捕捉された活性成分を含有しているこれらの粒子は、コ
アセルベーティング剤と混合されて、 150μmを超える
もっと大きな粒子を形成する。
【0069】本発明に従って使用することのできるコア
セルベーティング剤の代表的なものは、ワックス、ガ
ム、樹脂、ポリマー、デンプン及びエラストマーであ
る。ワックスの例は、虫ろう及び動物ろう、例えば蜜ろ
う及び鯨ろうといったようなものや、植物ろう、例えば
キャンデリア、カルナウバ、木ろう、ウーリカリ(Ouric
ury)、ダグラスモミ樹皮ワックス、米糠ワックス、ホホ
バワックス、キャスターワックス及びベイベリーワック
スといったようなものや、鉱ろう、例えばモンタンワッ
クス、ピートワックス、オゾケライト及びセレシンとい
ったようなものや、パラフィンワックスの如き石油ワッ
クスや、合成ワックス、例えばポリエチレンワックス、
フィッシャー−トロプシュワックス、化学的に変性され
た炭化水素ワックス、置換アミドワックス及びシリコー
ンワックスといったようなものである。有機ケイ素ブロ
ック共重合体であるシリコーンワックスを記載している
1968年7月30日発行の米国特許第 3395169号明細書、及
びシリコーン−カルナウバワックス共重合体を記載して
いる1971年2月16日発行の米国特許第 3563941号明細書
を参照することもできる。更に、コアセルベーティング
剤には、例えばセチルアルコールのようなワックス様固
体、例えばセルロース系ガムやアリグネートガムのよう
なガム類、例えばポリビニルアルコールのようなポリマ
ー、そして例えばポリビニルピロリドンのような樹脂を
含めることができる。
【0070】このように、本発明によれば、活性成分を
捕捉しているマクロ多孔質重合体粒子が提供され、これ
らの粒子は次に、コアセルベーティング剤によって一緒
に保持され又はコアセルベートされる他の粒子を形作
る。コアセルベートされた粒子の用途は、とりわけ、コ
アセルベートされた粒子の機能が活性成分の湿分への暴
露を防ぐことである艶出し剤配合物である。更に、コア
セルベートされた粒子は艶出し剤が適用される際に活性
成分を放出することができる。特別な用途では、反応性
のアミノ官能性シリコーンのような活性成分をマクロ多
孔質重合体に詰め込んで捕捉させ、そしてコアセルベー
トさせてより大きな粒子を形成させる。選ばれたコアセ
ルベーティング剤の性質に従って、コアセルベートされ
た粒子は適用により表面へ容易にこすりつけられて、活
性成分を放出する。マクロ多孔質の粒子自体は活性成分
をその中に捕捉するおかげで活性成分に関して固有の保
護機能を有するとは言え、コアセルベーティング剤も、
活性成分を含有しているコアセルベートされた粒子が標
準の状況下でマクロ多孔質重合体から活性成分を浸出さ
せるであろう、さもなければそれを不適当にするであろ
う、ビヒクルに分散される場合には、活性成分を保護す
る機能を果す。
【0071】以下に掲げる追加の例は、本発明の概念を
更に例示する。
【0072】例6 ケイ素に少なくとも1個の反応性原子団が結合してい
て、先に説明した有機ケイ素化合物に相当する7重量部
のアミン官能性シロキサンを、米国テキサス州ヒュース
トンのエクソン・カンパニーにより製造されそしてアイ
ソパー(ISOPAR(登録商標) Lとして市販されるイソ
パラフィン系溶剤10重量部と共に壜に入れた。配合物を
得るためにこの壜を振盪した。溶剤は、約38未満のカウ
リ−ブタノール値を有する例えばミネラルスピリットや
ケロシンのようないずれの脂肪族炭化水素でもよい、と
いうことを言及しておく。更に、溶剤は、アルキル鎖に
11〜13個の炭素原子のある枝分れした脂肪族炭化水素の
ようないずれのイソパラフィン系溶剤でもよい。
【0073】例7 例1の粉末16重量部をステンレス鋼の混合ボウルに入れ
た。この乾燥粉末の上へ42重量部の例6の配合物を注い
だ。この混合物をスプーンでゆっくりと一緒に混ぜ合わ
せた。上記の配合物を捕捉している粉末の一部をASTM塗
装された黒色エナメルパネルへ適用し、こすりつけた。
パネル上に良好な光沢が生じ、また粉末は適用する
容易であった。
【0074】例8 6リットルの容器に3リットルの水を入れて80℃に加熱
した。強力に攪拌しながらこの容器へ 100gの溶融した
セチルアルコールを加えた。このワックス様のセチルア
ルコールを均一に分散させるため攪拌を続けた。例7か
ら得られた粉末をこの容器内容物の渦へゆっくり振りか
け、そして攪拌を1分間維持した。容器の加熱を停止
し、そして攪拌を維持しながら容器へ2リットルの冷水
を加えた。攪拌をやめ、容器から水をデカントして、ア
ミン官能性シロキサンを捕捉しているコアセルベートさ
れた粉末物質を集めた。この粉末物質をトレーの上に一
様に広げ、約32℃で乾燥させた。コアセルベートされた
粉末の一部をASTM塗装された黒色エナメルパネルへ適用
し、こすりつけた。パネル上に良好な光沢が生じ、また
コアセルベートされた粉末は適用するが容易であっ
た。
【0075】例9 CARBOPOL (登録商標)934として市販される増粘剤の3%
溶液10重量部を、容器内の52.5重量部の水と混合した。
この増粘剤は、米国オハイオ州クリーブランドのB.F.グ
ッドリッチ・ケミカル・グループ製の架橋したアクリル
酸重合体である。容器の内容物を均一になるまで混合
し、そしてこの容器へ30重量部の例8のコアセルベート
された粉末を加えた。増粘剤を活性化させるため容器に
7.5重量部のトリエタノールアミンを加え、そして容器
の内容物を混合して増粘された液体配合物を作った。追
加量の増粘剤を使用してペースト配合物を調製した。液
体配合物の一部を清浄なASTM塗装された黒色エナメルパ
ネルへ、また濃色の窓ガラスへ適用し、こすりつけた。
パネル及び窓ガラスの上に良好な光沢が生じた。液体配
合物は適用するが容易であり、そして均一な皮膜を生
じさせた。非常に軽い磨きを行った。
【0076】以下に掲げる例は本発明の無水系を例示す
る。
【0077】例10 ケイ素に少なくとも1個の反応性原子団が結合してい
て、先に説明した有機ケイ素化合物に相当する7重量部
のアミン官能性シロキサンを、10重量部のミネラルスピ
リットと共に壜に入れた。配合物を得るため壜を振盪し
た。
【0078】例11 例1の粉末20重量部をステンレス鋼の混合ボウルに入れ
た。この乾燥粉末の上へ30重量部の例10の配合物を注い
だ。この混合物をスプーンでゆっくりと一緒に混ぜ合わ
せた。
【0079】例12 BENTONE(商標)38 として市販される増粘剤3重量部を、
容器内の86.5重量部のミネラルスピリットと混合した。
この増粘剤は米国ウェストバージニア州チャールストン
のNational Lead 社製のヘクトライトクレーである。容
器の内容物を均一になるまで混合し、そしてこの容器に
例11の粉末10重量部を加えた。増粘剤を活性化させるた
め容器に1.5重量部の無水イソプロパノールを加え、そ
して容器の内容物を混合して増粘された柔らかいペース
ト艶出し剤配合物を作った。この柔らかいペースト艶出
し剤の一部を清浄なFordの黒色のクリアコートエナメル
ペイントパネルへ、また濃色着色ガラスの表面へ適用
し、こすりつけた。黒色のエナメルクリアコート1988コ
ルベットにも、柔らかいペースト艶出し剤を適用した。
良好な優れた光沢が生じた。この配合物は適用するのが
容易であり、そして磨かずにしまのない表面を生じさせ
た。
【0080】上述の例は、本発明の粉末放出系(powder
delivery system)は磨く必要なしに計量された量の活性
成分を供給することを示す。例9及び例12においてそれ
ぞれ示されたように水性かあるいは無水の配合物を使用
してよいとは言え、無水配合物は言及された他の利益の
ほかにより良好な清浄作用を示すことが分っている。
【0081】本発明の艶出し剤配合物は、従来技術の配
合物を上回る独特な利点を有する。例えば、反応性アミ
ン官能性シロキサンはゲルを形成するほど湿分汚染に敏
感である。従って、そのようなシロキサンを含有してい
る艶出し剤の系は、乳化剤がなくなりやすく且つ安定性
のなくなりやすいある一定の水中油エマルジョンで乳化
するのが困難であり、粘度調整の問題にしばしば遭遇す
る。しかしながらそのような難題は、多孔質重合体の内
部に反応性シロキサンを捕捉して、それらを従来技術に
おいて典型的に遭遇するゲル化の有害な影響から保護す
る本発明にあっては克服される。本発明によれば、捕捉
された反応性のアミン官能性シロキサンを含有する多孔
質重合体粒子をコアセルベートさせることによって、更
に別の保護もなされる。更に、艶出し剤は「ドライブラ
イト」又は「ワンラグ」艶出し剤として適用して、表面
をその後磨く必要なしに表面へこすりつけることができ
る。
【0082】本発明の艶出し剤配合物は例えばポリジメ
チルシクロシロキサンやヘキサメチルジシロキサンとい
ったような揮発性の低粘度シリコーン流体を含んでもよ
い、ということに言及すべきである。そのような流体の
25℃で測定した粘度は、約0.65センチストークスから約
5.0センチストークスまでである。これらの揮発性流体
は式 (CH3)2SiOx を有し、この式のxは3から8までの
整数である。これらの流体は、例えば、四量体と五量体
の混合物も含むことができる。本発明の艶出し剤配合物
は、マクロ多孔質重合体を含有しない通常の従来技術の
艶出し剤配合物と比べて、適用するのがより容易であ
り、こすりつけるのがはるかに改良され、そして艶出し
された面の外観を向上させることができるという点で、
利点を有するということが分っている。
【0083】本発明の艶出し剤は、自動車、ボート、航
行可能な船舶等の表面、木材表面、プラスチック表面及
び繊維表面を含めた一般用途のものである。皮膜は強い
光沢を生じさせ、耐久性であり、そして適用しやすい。
【0084】ここに記載された化合物、組成物及び方法
に、本発明の本質的な特徴及び概念から実質的に逸脱す
ることなしに多くの他の変更や改変を行うことができる
ということは、前述のことから明らかであろう。従っ
て、ここに記載された本発明の形態は代表例であるに過
ぎず、本発明の範囲を限定するつもりではないというこ
とを、はっきりと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1で製造された粉末の複合構造体の構成成分
の単位粒子、凝集体及び結合体の粒子構造を例示する顕
微鏡写真である。
【図2】図1の凝集体の粒子構造をもっと大きな倍率で
示す顕微鏡写真である。
【図3】図1の結合体の粒子構造をより大きな倍率で示
す顕微鏡写真である。
【図4】例3において懸濁重合により製造された重合体
ビーズの粒子構造を示す顕微鏡写真である。
【図5】図4のビーズの内部構造を明らかにするため外
殻の一部を取除いたビーズ粒子構造を示す顕微鏡写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャネット マリー スミス アメリカ合衆国,ミシガン,ベイ シテ ィー,サウス エリー ストリート 1407 (56)参考文献 特開 昭50−1127(JP,A) 特開 平2−269170(JP,A) 特公 昭53−18349(JP,B2) 特公 昭49−31874(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09G 1/00 C09G 1/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックス、皮膜形成成分、溶剤、界面活
    性剤、増粘剤、研磨剤、染料、付臭剤、及び艶出し剤を
    製造する際に標準的に用いられる他の成分からなる群よ
    り選択された少なくとも一つの構成成分をその構成成分
    として含有してなる艶出し剤配合物であって、有機ケイ
    素化合物を捕捉しているマクロ多孔質の高架橋重合体を
    取入れていることを特徴とする艶出し剤配合物。
  2. 【請求項2】 前記有機ケイ素化合物がアミン官能性シ
    ロキサンである、請求項1記載の艶出し剤。
  3. 【請求項3】 前記有機ケイ素化合物が(A)25℃での
    粘度が10〜15,000csの範囲である末端をヒドロキシル基
    でブロックされたポリジメチルシロキサンと、一般式
    R''n (R'O) 3-n Si(CH2)3NHR'''及び R''n (R'O) 3-n SiRNH
    CH2CH2NH2を有するシラン類であって、これらの式にお
    いてR''' が水素原子又はメチル基であり、R''が脂肪
    族不飽和のない炭素原子数1〜6個の一価の炭化水素基
    であり、nの値が0〜2であり、R' が炭素原子数1〜
    4個のアルキル基であり、そしてRが脂肪族不飽和のな
    い炭素原子数3〜4個の二価の炭化水素基であるものか
    らなる群より選択されたシランとの組み合わせ、(B)
    25℃での粘度が10〜15,000csの範囲である末端をヒドロ
    キシル基でブロックされたポリジメチルシロキサンと、
    一般式(R1O)3-SiR2NHR3 及び(R1O)3-SiR2NHCH2CH2NH2
    有するシラン類であって、これらの式においてR1 が炭
    素原子数1〜4個のアルキル基であり、R2 が脂肪族不
    飽和のない炭素原子数3〜4個の二価の炭化水素基であ
    り、そしてR3 が水素原子及びメチル基からなる群より
    選ばれるものからなる群より選択されたシランと、そし
    て一般式X3SiZ を有するシランであって、式中のXが炭
    素原子数1〜4個のアルコキシ及びアシルオキシ基から
    なる群より選ばれ、Zが炭化水素基、ハロゲン化炭化水
    素基並びに炭素、水素及び酸素原子から構成された基で
    あって、酸素原子がヒドロキシル基、エステル原子団又
    はエーテル結合に存在しているものからなる群より選ば
    れた加水分解不能基であって、このZ基に1〜10個の炭
    素原子が存在しているシランとの組み合わせ、そして
    (C)25℃での粘度が1〜15,000csの範囲であるポリジ
    メチルシロキサンと、一般式 R''n (R'O) 3-n Si(CH2)3NH
    R'''及び R''n (R'O) 3-n SiRNHCH2CH2NH2を有するシラン
    類であって、これらの式においてR''' が水素原子又は
    メチル基であり、R''が脂肪族不飽和のない炭素原子数
    1〜6個の一価の炭化水素基であり、nの値が0〜2で
    あり、R'が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、
    そしてRが脂肪族不飽和のない炭素原子数3〜4個の二
    価の炭化水素基であるものからなる群より選択されたシ
    ランとの組み合わせ、からなる群より選ばれたアミン官
    能性シロキサンである、請求項2記載の艶出し剤。
  4. 【請求項4】 第一の予め決められた平均直径の高架橋
    マクロ多孔質重合体の分離した粒子であって、前記有機
    ケイ素化合物を捕捉し且つそれを全体にわたって均一に
    分散させている重合体粒子と、当該重合体粒子を集まら
    せて、上記の第一の予め決められた平均直径を実質的に
    超える第二の予め決められた平均直径のコアセルベート
    された粒子の密集クラスターを形成させるのに十分な量
    の、上記重合体粒子と混ぜ合わされたコアセルベーティ
    ング剤とを含む、請求項1記載の艶出し剤。
  5. 【請求項5】 第一の予め決められた平均直径の高架橋
    マクロ多孔質重合体の分離した粒子であって、アミン官
    能性シロキサンを捕捉し且つそれを全体にわたって均一
    に分散させている重合体粒子と、当該重合体粒子を集ま
    らせて、上記の第一の予め決められた平均直径を実質的
    に超える第二の予め決められた平均直径のコアセルベー
    トされた粒子の密集クラスターを形成させるのに十分な
    量の、上記重合体粒子と混ぜ合わされたコアセルベーテ
    ィング剤とを含んでなる組成物。
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