JP3015381U - 汚水処理槽における羽根車構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撹拌羽根に工夫を加えて気泡の発生量を高
め、かつ、撹拌羽根の水との抵抗を減少させて羽根車の
駆動エネルギーの低減を計ることを目的とする。 【構成】 槽体の上部に平板状の撹拌羽根を放射状に突
設した羽根車を軸架する形式の汚水処理槽において、上
記撹拌羽根の少なくとも先端部板面に汚水の透過を許容
する多数の水切り孔を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、汚水処理槽の、特に汚水中の有機物や無機物を分解して水質を浄化 するために、上記分解に必要な微生物や好気性菌の活性を促すべく汚水を撹拌し 汚水中に空気を供給する羽根車構造に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、平板状の撹拌羽根を放射状に突設した空気供給用の羽根車が知られてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術で述べた羽根車による汚水中への空気の供給は、羽根車の回転による 撹拌羽根の水面叩き作用によって発生する気泡が水中にとり込まれることにより 行われる関係上、上記水面の叩き力を高めるために敢えて撹拌羽根を平板状に形 成していることに他ならないが、そもそも気泡は、主として撹拌羽根の周縁が水 を切ることによって生ずるが、周縁のみの短い水切り範囲では気泡の発生量に限 度がある。 また、撹拌羽根が平板ゆえに水との抵抗も大きく、羽根車の駆動エネルギー消 費も大きくなると云う不経済性がある。 そこで本考案では、平板状の撹拌羽根に工夫を加えて気泡の発生量を高めるこ とを第１の目的とし、かつ、気泡発生構造に関連し撹拌羽根の水との抵抗を減少 させて羽根車の駆動エネルギーの低減を計って経済性を高めることを第２の目的 とするものである。

【０００４】 上記目的を達成するための本考案は、槽体の上部に平板状の撹拌羽根を放射状 に突設した羽根車を軸架する形式の汚水処理槽において、上記撹拌羽根の少なく とも先端部板面に汚水の透過を許容する多数の水切り孔を設けたことを特徴とす る汚水処理槽における羽根車構造を要旨とするものである。

【０００５】

【実施例】

１は楕円形状の汚水処理用の槽体を示し、該槽体１の上部には平板状の撹拌羽 根２を放射状に突設した羽根車３が多数個同一軸に軸架され、軸に連結したモー タ４によって羽根車３は回転し、槽体内を流動する汚水の水面部の叩き作用によ って撹拌するようになっている。 なお、上記構成はオキシディーションデッチ法と呼ばれる下水処理装置に広く 利用される一般的形態を示している。

【０００６】 そこで本考案の要旨構成は、上記撹拌羽根２の先端、つまり、水中に介入する 先端部の板面に汚水の透過可能な水切り孔５を多数個設けたものである。 上記水切り孔５は先端側から根元側にかけて順次径小に形成することが望まし い。

【０００７】

【作用】

羽根車３の回転によって撹拌羽根２が水面を叩くと各水切り孔５からの水の透 過による水切り作用によって多量の気泡を発生させ、また、同時に撹拌羽根２の 周縁の水切り作用によっても気泡を生ずるため、総合的に多量の気泡を汚水中に とり込ませ得るものである。

【０００８】 一方、上記水切り孔５からの水の透過によって撹拌羽根２にかかる水との抵抗 は大巾に減少し、従って羽根車３の駆動を消費電力の小さな小馬力モータで間に 合わせ得る。

【０００９】

【考案の効果】

上述のように本考案によれば、次の効果が得られる。 （ａ）撹拌羽根の周縁による水切り作用と、撹拌羽根の先端部板面に設けた水切 り孔による水切り作用とによって水質浄化に有効な多量の気泡を発生させること ができる。 （ｂ）気泡の発生作用をなす水切り孔が撹拌羽根の水との抵抗を減少させるので 、小さな駆動力で羽根車を駆動でき、駆動エネルギーの低減を計って経済性を高 めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】汚水処理装置の平面図である。

【図２】羽根車の一部の斜面図である。

【図３】撹拌羽根の斜面図である。

【符号の説明】

１ 槽体 ２ 撹拌羽根 ３ 羽根車 ４ モータ ５ 水切り孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 槽体の上部に平板状の撹拌羽根を放射状
   に突設した羽根車を軸架する形式の汚水処理槽におい
   て、上記撹拌羽根の少なくとも先端部板面に汚水の透過
   を許容する多数の水切り孔を設けたことを特徴とする汚
   水処理槽における羽根車構造。