JP3009729B2 - 低ノイズセンサからの出力信号を処理する方法及び装置 - Google Patents

低ノイズセンサからの出力信号を処理する方法及び装置

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JP3009729B2 JP3508953A JP50895391A JP3009729B2 JP 3009729 B2 JP3009729 B2 JP 3009729B2 JP 3508953 A JP3508953 A JP 3508953A JP 50895391 A JP50895391 A JP 50895391A JP 3009729 B2 JP3009729 B2 JP 3009729B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、請求の範囲第1項の導入部に記載されて
いる方法に関する。
この発明は、請求の範囲第11項の導入部に記載されて
いる装置に関する。
この発明は、請求の範囲第19項の導入部に記載されて
いるマルチチャンネル磁力計に関する。
さらに、この発明は、請求の範囲第20項の導入部に記
載されている、磁界の強度及び/又は勾配を計測するた
めの装置に関する。
この発明の方法および装置は、特に、SQUID(超電導
量子干渉素子)センサすなわちSQUID、および、これに
対応する電気特性を有するその他のセンサからの出力信
号を処理することに関するものである。
SQUIDセンサは、弱い磁界を測定するために使用され
る。SQUIDの出力インピーダンスは、約1〜5Ωにすぎ
ない。SQUIDは、その典型的な動作温度は4.2゜Kであ
り、該温度まで適当な手段によって冷却される。前記動
作温度は、SQUIDに使用される超電導物質によって左右
されるものであり、従って、超電導体が動作するのに必
要な程度の低温である。その出力ノイズは大変低く、ジ
ョセフソン接合を減衰させるのに使用される抵抗の温度
ノイズに比べてあまり高くない。SQUIDセンサは、しば
しば、0.1Hz〜10kHzの範囲内の低周波信号を測定するた
めに使用される。
上述のセンサの問題点は、ノイズを増加させることな
く出力信号を増幅するのが困難であるということであ
る。というのは、出力信号の周波数変動がピークツーピ
ークで10μV〜100μV程度の比較的小さいものだから
である。さらに、前記出力におけるSQUIDのノイズは、
概ね、ジョセフソン接合を減衰させるのに使用される抵
抗の濃度ノイズに対応する。4.2゜KのSQUIDに続くアン
プのノイズ温度が10゜K未満である場合、前記アンプは
磁束測定の不確実性をあまり増加させない。
SQUIDセンサと直接使用される場合、室温で動作する
通常の直流接続アンプのいずれも、充分な低ノイズ性を
有することはない。これは、SQUIDの低出力インピーダ
ンス、ならびに、SQUIDがしばしば0.1Hz〜10kHzの範囲
内の低周波信号を測定するために使用されるという事実
に起因する。1kHz〜100kHzの周波数範囲において、FET
(電界効果トランジスタ)アンプはきわめて低いノイズ
温度を有するので、前記低インピーダンスをFETアンプ
に適合させるため、直流SQUIDセンサと共に低温度で動
作する磁束変調器および変圧器が使用される。このよう
にした場合、磁束測定の不確実性は、専らSQUIDのノイ
ズによって左右される。さらに、SQUIDのノイズが減少
されると、磁束周波数変調が増大し、その結果、信号処
理用電子回路に対する要求は減少されないということが
理論的および実験的に証明される。
しかしながら、マルチチャンネル装置を構成するため
にいくつかのSQUIDセンサが接続される場合、様々な問
題が生じる。このような装置としては、マルチチャンネ
ル磁力計がある。近年、脳や心臓の弱い磁界を測定する
ためのマルチチャンネル磁力計が製造されている。現在
の目標は、30〜120個のチャンネルを持つ磁力計を実現
することである。磁束変調技術を使用することによって
SQUIDセンサを介してこのようなマルチチャンネル磁力
計が実現される場合、信号処理用電子回路のコストは、
顕著に増加する。というのは、各SQUIDおよびチャンネ
ルごとに、低温変圧器、プリアンプ、変調器等が必要で
あるからである。この種のマルチチャンネル磁力計にお
ける電子回路は、実に複雑で且つコストが高い。
正帰還を利用することによってアンプの増幅率を大き
くすることは知られている。しかし、この方法では、ア
ンプが不安定となりその動作点からドリフトする可能性
がある。
さらに、正帰還の場合、SQUIDセンサのようなセンサ
のノイズが次の増幅レベルのノイズに左右されない信号
処理装置を実現するのが難しい。なぜならば、充分な増
幅手段を構成することは装置を不安定にすることを意味
するからである。一方、装置を極めて安定するよう設計
した場合、正帰還による大きな増幅は、次の増幅レベル
のノイズが全体的なノイズに影響しないことを保証する
のに充分ではない。
この発明の目的は、上述の問題点を解決すること、ま
たは、少なくともそれら問題点による影響を緩和するこ
とである。
この発明の特別な目的は、不安定性を伴うことなく充
分な増幅を達成できる適当な正帰還を実現する方法及び
装置を提供することである。
正帰還が用いられる場合、磁束変調技術は必ずしも必
要ではない。これが省略された場合、ジョセフソン接合
の臨界電流の温度従属性は、測定中の磁束の温度従属性
をもたらす。さらに、この発明の目的は、正帰還によっ
て、臨界電流の温度従属性によって発生される磁束ノイ
ズを除去することである。
この発明の他の目的は、負帰還を提供する様々な方法
を提供することである。
この発明に係る方法は、請求の範囲第1項に列挙され
た新規の特徴によって特徴付けられる。
この発明に係るマルチチャンネル磁力計は、請求の範
囲第19項に列挙された新規の特徴によって特徴付けられ
る。
この発明に係る磁界の強度及び/又は勾配を測定する
装置は、請求の範囲第20項に列挙された新規の特徴によ
って特徴付けられる。
この発明に係る方法は、低ノイズセンサ、特に、SQUI
Dのようなジョセフソン接合に基づく1個または数個の
センサの出力信号を処理することに関する。この発明に
よると、前記出力信号は、正帰還を実現するために、抵
抗を介して前記センサの入力端子に送り返される。そし
て、前記抵抗器の抵抗率を調整することによって、適当
な増幅率が設定される。
この発明に係る装置の特徴は、正帰還を実現するため
に、前記センサの出力端子と入力端子との間に調整可能
な抵抗器が設けられているという点、および、所望の増
幅率を実現するために、前記抵抗器の抵抗率が適当に調
整可能であるという点である。
この発明に係る装置の好ましい実施例にあっては、前
記調整可能な抵抗器が、前記センサの外部からの電圧、
電流または光によって制御される。好ましくは、前記調
整可能な抵抗器は、チャンネル抵抗器、例えば、ガリウ
ムひ素JFETまたはMESFETなどである。
この発明に係る方法の好ましい実施例にあっては、測
定処理の始めに、増幅された出力信号が観察され、抵抗
器の抵抗率を調整することによって、適当な増幅レベル
に設定される。その後、本来の測定が行われる。
この発明の方法の他の実施例によると、増幅された出
力信号において、測定帯域の外、効果的にはそれより高
い周波数のノイズ信号が観察され、抵抗器の抵抗率がこ
のノイズ信号に従って調整される。
この発明に係る装置の他の好ましい実施例にあって
は、測定帯域より高い周波数のノイズを検出する検出器
と、出力ノイズが所定の定格に対応するよう、前記抵抗
器の抵抗率、これにより増幅率を設定する調整ユニット
とを具備している。
この発明の方法の他の実施例によると、前記センサに
対して一定の周波数を有する正弦波信号であるが好まし
い交流電流信号が与えられ、その増幅された出力信号が
観察され、前記抵抗器の抵抗率がその観察に基づいて適
当なレベルに設定されるようになっている。
この発明に係る装置の他の好ましい実施例にあって
は、前記センサの出力に接続された発信器と、該発信器
の信号を検出する検出器と、前記発信器の増幅された出
力信号が前記所定の定格に対応するよう、前記抵抗器の
抵抗率を設定する調整ユニットとを具備している。
この発明の方法の他の実施例によると、前記増幅され
た出力信号が調整ユニットを介して前記センサに帰還さ
れることによって負帰還が実現され、最終的な測定が帰
還電圧についてなされるようになっている。
この発明に係る装置の他の好ましい実施例にあって
は、第2の調整ユニットをさらに具備しており、負帰還
を実現するために、該第2の調整ユニットを介して、前
記増幅された出力信号が前記SQUIDに帰還されるように
なっている。
この発明の方法の他の実施例によると、前記負帰還
が、測定が行われる周波数範囲についてのみ有効となる
よう調節される。
この発明の方法の他の実施例によると、前記SQUIDの
負帰還が室温で発生された外部磁界を介して実現され、
これにより、前記SQUIDに影響する磁界が中和されるよ
うになっている。
この発明に係る装置の他の好ましい実施例にあって
は、前記センサの近辺には、室温の分離したコイルが設
けられており、負帰還を実現するために、該コイルを介
して、前記増幅された出力信号が前記センサの入力に帰
還されるようになっている。
この発明の方法の他の実施例によると、1対のSQUID
が使用され、これら2つのSQUIDの出力電圧を加算した
結果を示す信号が検出され、この加算信号が前記磁界を
介して各前記SQUIDに負帰還され、前記2つのSQUIDの出
力信号の減算結果を示す信号が検出され、該減算結果信
号が前記磁界を介して各前記SQUIDに負帰還され、前記
磁界の勾配が電流と比較され、これにより、前記加算信
号の負帰還が実現され、前記磁界の強度が前記電流と比
較され、これにより、前記減算結果信号の負帰還が実現
されるようになっている。
この発明の方法の他の実施例によると、1個または数
個のジョセフソン接合に基づくSQUIDなどのセンサの出
力信号を処理する方法であって、前記ショセフソン接合
の臨界電流の温度従属性による磁束ノイズを除去するた
めに、温度従属性を有する抵抗器がジョセフソン接合の
近辺に設けられる。
この発明の方法の他の実施例によると、1個または数
個のジョセフソン接合に基づくSQUIDなどのセンサの出
力信号を処理する方法であって、前記ショセフソン接合
の臨界電流の温度従属性による磁束ノイズを除去するた
めに、バイアス電流及び/又はバイアス電圧が高い周波
数で変調され、同時に前記磁束が半サイクルシフトされ
る。
この発明に係るマルチチャンネル磁力計は、デューワ
フラスコのような冷い空間内に設けられていてブリアン
プおよび負帰還回路に接続されたSQUIDセンサによって
実現される多数の分離した磁力計によって構成されるマ
ルチチャンネル磁力計であって、前記冷い空間内の外に
おいて各前記分離した磁力計のSQUIDセンサの近辺に、
少なくとも、対応する前記SQUIDのプリアンプの出力に
接続されたコイルが設けられており、該コイルを介し
て、前記SQUIDに影響する磁界を中和するための帰還が
実現されるようになっている。
さらに、この発明によると、磁界の強度及び/又は勾
配を測定する装置は、2つのSQUIDと、該SQUIDの近辺に
おいて室温で設けられたプリアンプと、分離したコイル
とを具備し、前記プリアンプの出力が、加算部材および
第1の調整ユニットを介して、同一方向に両前記SQUID
に対して接続されており、これにより、加算信号の負帰
還を実現できるようになっており、前記プリアンプの出
力が、減算部材および第2の調整ユニットを介して、逆
方向に両前記SQUIDに対して接続されており、これによ
り、減算結果信号の負帰還を実現できるようになってお
り、前記磁界の勾配が電流に比較され、これにより、前
記加算信号の前記負帰還が実現され、前記磁界の勾配が
電流に比較され、これにより、前記減算信号の前記負帰
還が実現される。
前記装置の他の好ましい実施例にあっては、前記SQUI
Dの相互インダクタンスにおける変化を補償するため
に、前記磁界に比較される電圧のわずかな部分が、前記
磁界の勾配と比較される電圧に加算されるよう、前記帰
還回路の間に接続された電気補正回路を具備している。
前記装置のさらに他の好ましい実施例にあっては、前
記磁界の3次元方向における強度及び/又は勾配を測定
するために、3対のSQUIDセンサが立方体状空間のそれ
ぞれの側において接続されている。
以下、添付図面を参照してこの発明を詳細に説明す
る。
図1は、SQUIDセンサおよび従来の出力信号処理を説
明する図である。
図2は、図1のシステムの入力磁束に対するSQUIDセ
ンサの出力電圧の従属関係を示す図である。
図3は、SQUIDセンサとの関係において正帰還を与え
るこの発明の装置を示す図である。
図4は、図3のシステムの入力磁束に対するSQUIDセ
ンサの出力電圧の従属関係を示す図である。
図5は、外部コイルを介してSQUIDセンサに負帰還を
与える方法を示す図である。
図6は、図5のシステムをマルチチャンネル磁力計に
適用した例を示す図である。
図7は、磁力計及び/又は勾配計が、この発明に従っ
て1対のSQUIDによって実現された例を示す図である。
図8は、磁界および磁界の勾配を測定する装置を示す
図である。
図9は、帰還抵抗の抵抗率がノイズによって調整され
るようになった装置を示す図である。
図10は、バイアス電流が高周波で変調されるとき、SQ
UIDセンサの出力電圧が外部磁束の強度によって左右さ
れる例を示す図である。
図11は、SQUIDセンサの温度従属性が2つの異なる方
法で補償されるようになったこの発明の装置を示す図で
ある。
図1は、SQUIDセンサ1およびその出力信号を処理す
る通常のプロセッサを略示するものである。この装置
は、SQUIDセンサ1をFET(電界効果トランジスタ)プリ
アンプ3に適合させるための変圧器2を備えている。プ
リアンプ3の出力は、復調器7および調整ユニット4を
介して磁束変調コイル5に与えられる。磁束変調コイル
5には、変調器6も接続されている。このプロセッサの
出力信号は、調整ユニット4の出力端子から取り出され
る。さらに、この装置は、測定される電流または磁界を
SQUIDセンサ1のリングに移すための信号コイル8を備
えている。
SQUIDセンサ1は、例えば4.2゜Kの低温状態に維持さ
れる超電導リングaおよび1つまたは2つのジョセフソ
ン接合からなるものである。また、変圧器2およびコイ
ル5、8(すなわち点線で示した構成要素)も、同じ4.
2゜Kの低温状態に維持される。この例の場合、リングa
は、2つのジョセフソン接合b、cを備えている。ま
た、ここでは、SQUIDセンサ1は直流センサである。こ
の種のセンサは、超電導リングaを通る磁界の磁束Φを
電圧Uに変換する。磁束Φの関数としてのSQUIDセンサ
1の典型的な出力電圧Uは、図2に示すように周期的な
ものであり、前記ジョセフソン接合の臨界電流によって
左右される基準要素UVを含む。前記サイクルの長さは、
1磁束量子Φ=2.05×10-15である。
前記SQUIDセンサ1との関係において、FETプリアンプ
3のためにSQUIDの低インピーダンスを調整できるよ
う、変調器4、いわゆる磁束変調器と、低温動作変圧器
2とが使用されている。約1kHz〜100kHzの周波数範囲に
おいて、FETアンプのノイズ温度は極めて低い。
磁束変調器4において、矩形波形を有する振幅が応答
サイクル(図2参照)の半分に対応するよう調整され
る。このようにして、各サイクルΦに関して、2つの動
作点が提供され、その結果、磁束変調はSQUIDの出力に
おける電圧変動を発生させない。しかし、外部磁束が動
作点をシフトした場合、SQUIDに矩形波が現れ、この矩
形波が変圧器2の次に位置するアンプ3において増幅さ
れる。調整ユニット4は、SQUIDとの関係において設け
られたコイル5に対して必要な修正電流を与えることに
よって、磁束をゼロに戻す。
図3は、この発明に係る装置を略示するものである。
SQUID1は、超電導リングaと2つのジョセフソン接合
b、cとで構成されている。このSQUID1の出力dは、調
整可能な抵抗器9を介して、入力すなわち帰還コイル14
に接続されている。測定中の電流または磁界は、信号コ
イル8を介してSQUID1に与えられる。この装置のすべて
の構成要素、すなわち、SQUID1、帰還コイル14、信号コ
イル8および調整可能な抵抗器9は、例えば4.2゜Kの低
温状態にあるデュワーフラスコ17のような適当な容器内
に設けられている。SQUID1と同様に、少なくとも調整可
能な抵抗器9が低温に維持されることが必要である。一
般的に、SQUID1は、ワイヤ100を介して電流を導入する
ことによってバイアスされる。出力端子11、12間のSQUI
D出力電圧Uを測定することによって、測定が行われ
る。
図3の構成における帰還によって、測定中の磁束Φに
対するSQUID1の出力電圧Uの従属関係は非対称的とな
る。各1番目のサイクルはなだらかな領域Aすなわち負
帰還領域となり、各2番目のサイクルは急な領域すなわ
ち正帰還領域となる。
図3において、ワイア13を介して与えられる電圧によ
って抵抗率が調整可能な抵抗器9が実現される。前記抵
抗率は室温で動作することによって調整され、この場
合、正帰還による増幅率増加は、原則的に、無限近くに
調整可能である。こうして、SQUID1のパラメータ変動に
も関わらず、実質的な増幅は正帰還によって実現され
る。
増幅率が増加すると、出力ノイズも増加する。増幅率
が小さいと、ノイズはSQUID1の次のアンプのノイズによ
って決まる。増幅率が充分に大きく、すなわち、最も効
果的には5〜20倍になると、ノイズはSQUID1のノイズに
よって決まり、アンプの実質出力ノイズが増加する。
図3の装置において抵抗器9のための調整システムを
実現する1つの方法は、次のようである。測定帯域外、
特に、それより高い周波数の出力ノイズは、例えば10kH
z〜100kHzである適当な周波数帯域で検出される。定格
はこのノイズに関して設定される。出力ノイズが前記定
格に達するまで、調整可能な抵抗器9の抵抗率が増加さ
れる。前記調整ユニットは、前記ノイズレベルが達成さ
れるよう、前記プリアンプの増幅率を固定する。このよ
うにして、前記SQUID1からの出力信号の全増幅率が充分
であって、室温で作動する前記プリアンプがSQUID1のノ
イズを顕著に増加させることがないよう、自動管理を行
うことが可能になる。SQUID1のパラメータが充分正確に
一定に維持される場合、前記調整可能な抵抗器9の抵抗
率は、測定の始めにのみ設定可能である。
図示していないが、図3に示した装置もまた、プリア
ンプと調整ユニットとを備えている。この実施例は、後
で説明する。負の帰還を実現するために、SQUID1の増幅
された出力信号は、調整ユニットを介して、SQUID1の入
力に戻される。ノイズの測定がなされている特定の周波
数または周波数範囲において、少なくとも感知できる程
度の負帰還は実現されない。
さらに、図3の装置における抵抗器9のための調整ユ
ニットを実現する第2の方法は、次のようである。SQUI
D1には、正弦波信号であるのが効果的である、適当な周
波数の交流電流信号が入力される。この種の信号の周波
数は、10kHz〜100MHzの範囲で変動する。この信号は、
プリアンプで増幅され、所定の信号と比較される。前記
交流信号の振幅またはその他の対応する値が、前記所定
の信号に対応するよう、前記プリアンプの出力における
抵抗器9の抵抗率を変化させることによって再調整され
る。
原則的に、この方法は、ノイズ測定に基づく前述の方
法に対応する。この方法の適用には、分離した発信器
を、SQUID1の出力信号を処理するプロセッサに加えるこ
とが必要である。数個のSQUIDが同時に使用され、1つ
の発信器または交流電流発生器が前記数個のSQUIDに入
力を与える場合に、この方法を効果的に適用可能であ
る。
この発明によると、適用可能な正帰還における必須要
素は、調整可能な抵抗器9である。最も効果的には、そ
れは、ガリウムひ素JFET、MESFET、シリコンをベースと
するMOSFETまたは量子トラップをベースとするHEMTのよ
うな1チャンネルトランジスタを使用することによって
実現される。前記チャンネルトランジスタの全抵抗は、
グリッド電圧を調整することによって容易に調整され
る。ガリウムひ素JFETは、SQUID増幅を大きくするこの
発明の装置において検査される。システムノイズがSQUI
D1のノイズにのみ左右されるということが分った。
調整可能な抵抗器を実現する1つの方法は、高い温度
従属性を有する材料を使用し、電流によって抵抗器の温
度を調整することである。適当な半導体がこの目的に充
分適合する。ある温度において超電導体に発生する過渡
現象もまた、調整可能な抵抗器を実現するために利用可
能である。さらに、調整可能な抵抗器は、超電導体片ま
たは半導体からなる抵抗器を照明することによっても実
現される。超電導体製の薄いワイヤも、SQUID回路の永
久的な要素として統合可能である。超電導体製の抵抗器
を調整する際に光または赤外放射エネルギーを使用する
ことは、前記超電導体を構成するクーパ対が光によって
破壊可能であるという事実に基づいている。前記放射エ
ネルギの強度は、各単位時間に除去されるクーパ対の数
を決定し、その結果、超電導体の実行抵抗率をも決定す
る。半導体抵抗器を作るためにシリコンベースを使用す
ることも可能であり、その抵抗器は光感知抵抗器として
使用可能である。光ファイバにより、光または長波放射
エネルギーを、容易にデュワーフラスコ内に設けられた
抵抗器に送ることができる。
上述した正帰還は、磁束変調技術と共に適用可能であ
る。SQUID1の出力電圧が磁器変調無しに直接測定される
場合、前記出力電圧は、ジョセフソン接合の臨界電流の
変動、および、前記接合の温度従属性に左右される。前
記温度従属性は、SQUID1のこの近辺に温度に左右される
抵抗器を設け、且つ、帰還コイルを通過する電流が測定
結果におけるSQUID1の影響を消すよう、その電圧を調整
することによって、簡単に取り去ることができる。使用
される温度従属性の抵抗器は、例えば、ある半導体材料
からなる抵抗器とすることができる。一般的に、SQUID
はシリコンベース上に作られ、これにより、温度従属性
の抵抗器は、SQUIDと同一のベースに統合することによ
って実現可能である。
SQUIDセンサは磁力計に使用される。現在の磁力計に
おいて、負帰還は、室温のワイヤを、プリアンプの出力
から低温SQUIDに帰還接続し、特に、これに接続された
磁界を接続するコイルに接続することによって実現され
る。
この発明によると、負帰還は、図5および図6に示す
ように、SQUIDの外から、および、室温でも実現可能で
ある。
図5の実施例において、デュワーフラスコ17またはそ
の他の対応する冷却容器内のSQUID1の出力は、室温アン
プおよび調整ユニット15に与えられる。アンプ15の出力
は、SQUID1のすぐ近辺に設けられた室温のコイル16に与
えられる。その結果、コイル16内に発生する磁界および
SQUID1のリングを通る磁束Φを介してコイル16からSQUI
D1に達する帰還が実現される。
図6は、特に脳を磁気測定するために設計されたマル
チチャンネル磁力計を略示するものである。この磁力計
はデュワーフラスコ17のような冷却容器を備えており、
該容器内には、多数の個別の磁力計、すなわち、SQUID
センサ18が低温状態に設けられている。デュワーフラス
コ17の下方には、例えば該デュワーフラスコ17の底面に
取り付けられた室温状態の多数のコイル19が設けられて
いる。コイル19は、個別のSQUID18ごとに設けられてい
る。アンプ20によって増幅された各SQUID18の出力信号
を、各々のコイル19を介して、SQUID18に帰還させるこ
とによって、SQUID18に影響する磁界が中和可能であ
る。
上述の処理が各磁力計、すなわち、チャンネルごとに
行われた場合、デュワーフラスコ17の外において、コイ
ル19を介して、すべてのSQUID18における磁界を中和す
る多数の電流双極子が形成される。漂ゆう磁界を持つ外
部コイル19は近くのその他のSQUID18に幾分影響するも
のであるが、この種の帰還は安定状態に保たれる。しか
し、その帰還が調整技術に関して不安定である場合、各
SQUID18からの帰還は、容易に、最も近くの双極子源お
よび他の近くの双極子源に与えることができる。帰還増
幅率を適当に選択することによって、このようなクロス
接続によって発生する問題が解決され得る。
コイル19、すなわち、双極子源グループが例えば患者
の頭にはめることが可能なキャップまたはドーム21に取
り付けられる場合、患者の脳内の電流双極子の位置を検
出可能である。というのは、ドーム21における双極子源
が患者に対して容易に位置決めされるからである。この
処理が採用される場合、比較的正確に、前記キャップ21
を、デュワーフラスコ17内に設けられたSQUIDセンサ18
に対する適当な位置に維持するよう注意しなければなら
ない。このようにして、安定した帰還が保証される。
図5および図6を参照して説明した帰還処理は、磁力
計に限らず、勾配計にも適用可能である。磁力計におい
ては、例えば隣接した2個の双極子、すなわち、コイル
19(図6)の電流同士を減算することによって、勾配の
測定が可能である。この減算技術を使用することによっ
て、より高い次数の勾配計を容易に構成できる。
また、負帰還は、図7に示す構成を使用することによ
っても実現可能である。この帰還は、比較的長いベース
を持つ勾配計に特に適している。この種の勾配計は極め
て高い分解能を有する。この出願に係るSQUIDの出力信
号を処理する方法および装置が磁力計や勾配計などに適
用される場合、製作される装置に関して極めて大きい力
学エネルギが得られる。最小数量と最大数量との差は、
108であるのが最も効果的である。
SQUIDを製造するために現代的な製造技術を利用する
ことによって、アンテナとして機能するリングは、数ミ
クロンの誤差だけで標準サイズに製造可能である。前記
リングにはわずかな差があるが、時間の関数としてのル
ープサイズは、標準サイズに正確に維持される。こうし
て、同様なSQUIDからなる少なくとも1つのSQUID対を製
造することができる。
磁界の強度及び/又は勾配を測定する図7の装置は、
2つのSQUID22、23、すなわち、1対のSQUIDと、プリア
ンプ24、25と、前記SQUIDの近辺に設けられた第1の帰
還コイル26、27と、第12の帰還コイル28、29とを備えて
いる。さらに、この装置は、加算器30と、第1の調整ユ
ニット32と、減算器31と、第2の調整ユニット33とを備
えている。プリアンプ24、25の出力は、加算器30および
第1の調整ユニット32を介して、両前記SQUID22、23の
直列接続された第1の帰還コイル26、27に同一方向に接
続されている。プリアンプ24、25の出力は、さらに、減
算器31および第2の調整ユニット33を介して、両前記SQ
UID22、23の直列接続された第2の帰還コイル28、29に
逆方向に接続されている。第1の帰還コイル26、27およ
び第2のコイル28、29には、抵抗器34、35がそれぞれ接
続されている。
図7の装置において、2つのSQUID22、23からの増幅
出力信号の加算結果は、前記出力信号が減少するよう、
各SQUIDの第1の帰還コイル26、27に並列的に帰還され
る。言い換えれば、前記測定加算結果は、磁束を介し
て、SQUID22、23の入力に対する負帰還を有する。一
方、前記増幅出力信号の減算結果は第2の帰還コイル2
8、29を介して帰還され、その結果、第1のSQUID22の出
力信号が減少し、第2のSQUID23の出力信号が増加す
る。言い換えれば、測定値の差は、磁束を介して、前記
SQUIDの入力に対する負帰還を有する。
図7のシステムが安定状態にあるとき、第2の帰還コ
イル28、29に入力し、SQUID22、23に逆方向の磁束を発
生する電流I1を測定することによって、簡単に勾配が得
られる。磁界率は、第1の帰還コイル26、27に入力する
電流I2を測定することによって得られる。
SQUID22、23間の相互インダクタンスは、互いにわず
かにズレる。これらのズレを補償するために、この装置
は修正回路36を備えている。修正回路36は、図7におい
て、帰還回路間に接続されており、その結果、抵抗器34
における電圧U1のような磁界に対応する電圧のわずかな
部分が、抵抗器35における電圧U2のような勾配に対応す
る電圧に加算される。
図7の装置の原理に従うことによって、極めて充分な
安定性を持つ勾配計が実現可能である。というのは、SQ
UIDが極めて安定した構成を有し、且つ、電子的な修正
の必要がほとんど無いからである。この種の勾配計は、
電気的な整調を1回だけ行えばよい。コイルの面積およ
びSQUID間の距離を調整することによって、一方では磁
力計の感度が、また、他方では勾配計の感度が独立に調
整可能である。その結果、地磁気測定のような異なる用
途に適した勾配計および磁力計を構成することができ
る。
さらに、図7の装置の原理に従うことによって、磁界
の強度及び/又は勾配を3次元方向に測定できる装置が
実現可能である。この実施例においては、図8に示すよ
うに、立方体の両側に、3対のSQUIDセンサ22a、23a;22
b、23b;22c、23cが接続される。各SQUID対には、図7の
出力信号プロセッサが設けられる。
この構成によって、磁界の速度および勾配を3次元方
向に測定可能である。この測定値は、磁界の特徴を完全
に把握するのに充分である。この構成は、地質調査にお
いて磁界を測定するのに特に適している。なお、上記立
方体において、SQUIDの位置はあまり重要ではない。さ
らに、対向した面は、時間および温度の関数として、相
互に固定した位置に止まることで充分である。
図9に、この発明に係る装置のブロック図である。こ
の装置において、SQUIDの出力電圧の増幅率を大きくす
るために正帰還が適用され、また、帰還の調整は、ノイ
ズ信号の強さを観察することによって行われるようにな
っている。さらに、この装置において、SQUIDにおける
ジョセフソン接合の温度従属性は、温度従属性の抵抗器
によって中和されるようになっている。
図9の装置は、デュワーフラスコ37等の中において低
温に維持される、SQUIDセンサ1と、信号コイル8と、
調整可能な抵抗器9と、帰還コイル14とを備えている。
前記信号コイル8および帰還コイル14は、SQUID1のリン
グaのすぐ近辺に設けられている。信号コイル8によっ
て、測定中の電流または磁界は、SQUID1の超電導リング
aに移動される。正帰還を実現するために、前記調整可
能な抵抗器9は、SQUID1の出力と帰還コイル14との間に
接続されている。
また、前記装置は、室温に維持される、サイズの小さ
いプリアンプ38と、調整ユニット39と、帰還抵抗器40と
を備えている。SQUID1の出力信号は、プリアンプ38で増
幅された後、基準電圧Ur1と比較される。それらの電圧
差は、負の帰還を実現するために、調整ユニットのよう
な調整ユニット39および帰還抵抗器40を介して、帰還コ
イル14に送られ、さらにSQUID1に送られる。測定信号U
OUTは、調整ユニット39の出力から取り出される。
さらに、前記装置は、アンプ41と、バンドパスフィル
タであるのが効果的であるフィルタ42と、検出器43と、
プログラマブル調整ユニットであるのが効果的である調
整ユニット44とを備えており、これらの要素は相互に接
続され、さらに前記調整可能な抵抗器9に接続されてい
る。ノイズまたはその他の調整用信号を検出するため
に、SQUID1の出力信号は、プリアンプ38で増幅された
後、アンプ41およびバンドパスフィルタ42を介して、検
出器43に与えられる。検出器43の出力電圧は基準電圧U
r2と比較され、そのオフセット電圧は、調整ユニット44
を介して、調整可能な抵抗器9に与えられる。基準電圧
Ur2は、達成しようとするノイズ信号の基準率を示すも
のである。前記ノイズ信号と基準率との間の減算に基づ
き、すなわち、電圧差に基づき、調整可能な抵抗器9の
抵抗率は、前記所定の基準率が達成されるよう設定され
る。
SQUID1の動作点は、調整可能な抵抗器45、46によって
設定される。抵抗器45はバイアス電流Ibを設定するため
に使用され、抵抗器46はバイアス電圧Ubを設定するため
に使用される。電圧Ur3は、温度従属性の抵抗器47を介
して、SQUID1の帰還コイル14に接続されている。正しく
整調されている場合、SQUID1の出力信号は、測定中の入
力電流すなわち入力信号にリニアに影響され、そのノイ
ズレベルは、SQUID自体のノイズに基づいて決定され
る。外部温度および/または電圧Ur3によって調整可能
な抵抗器47が正しく選択されている場合、その出力信号
は、SQUID1におけるジョセフソン接合の臨界電流の変動
および動作温度とは独立したものとなる。
ジョセフソン接合の臨界電流の変動および温度従属性
を除去するための他の方法は、高い周波数でバイアス電
流Ibまたはバイアス電圧Ubを変調することである。同時
に、磁束Φは、半サイクルだけシフトされる必要があ
る。SQUID1の平均出力電圧を測定することによって、SQ
UID1の電流/電圧特性が対称的である場合、前記出力電
圧が平均値ゼロの磁束従属性の正弦波電圧であるという
ことが観察される。
図10は、外部磁束Φの関数としてのSQUID1の出力電圧
Uを示すものである。SQUID1のバイアス電流Ibが変調さ
れるとき、SQUID1の出力は2つの交流電圧U1とU2との間
で変化する。バイアス電流Ibの変調と同時に、磁束Φは
半サイクルだけシフトされ、その場合、平均電圧UKは外
部磁束Φに略正弦波的に従属させられる。前記平均電圧
UKのゼロポイント0は、オリジナル応答の振幅および平
均電圧とは独立しているので、温度にも従属しない。SQ
UID1が1つのゼロポイントに固定される場合、SQUID1の
出力信号は、温度から独立し、SQUID1のパラメータに時
間的に従属する。
図11は、この発明の他の実施例に係る装置を示すブロ
ック図である。SQUID1、帰還コイル14および調整可能な
抵抗器57は、低温冷却された容器37内に設けられてい
る。この装置は、正帰還および負帰還回路を備えてい
る。また、この装置において、SQUID1の温度従属性は、
以下に述べる2つの方法によって補償されるようになっ
ている。
SQUID1に対するバイアスは、第1の用途においては直
流電圧源48である電圧源によって実現されるようになっ
ている。直流電圧は、抵抗分配器54a、54bを介してSQUI
D1に与えられ、抵抗器49を介して帰還コイル14に与えら
れるようになっている。SQUID1の温度従属性は、図9の
実施例と同様に、温度に従って調整可能な抵抗器49によ
って補償される。
SQUID1に対するバイアスは、第2の用途においては交
流電圧源48である電圧源によって実現されるようになっ
ている。また、必要な磁束シフトは、この例にあっては
温度とは独立した抵抗器49によって実行される。この抵
抗器49は、バイアス電圧が正電圧から負電圧に変化する
ことによって磁束がSQUID応答の半サイクルだけシフト
するよう、選択されている。交流バイアス電圧を使用す
るとともに、SQUID1の後にはフィルタ50が設けられてい
る。このフィルタ50によって、出力信号Uのバイアスに
よる影響がフィルタされるようになっている。フィルタ
50は、コンデンサ51、52および抵抗器53によって構成さ
れている。
SQUIDのバイアス電圧が変調されるか否かに関わら
ず、この装置は同様に動作する。バイアス電圧が交流電
圧によるものである場合、SQUIDの出力電圧Uは交流電
圧成分を含む。この交流電圧成分は、ローパスフィルタ
によって除去されるようになっている。このバイアス電
圧の変調周波数は、SQUIDの入力について設定されたフ
ィルタ50の上限周波数より相当高いものである。
図11の装置において、SQUIDの出力信号は、プリアン
プ55に与えられ、抵抗器56を介してSQUIDに帰還され
る。周波数が低い場合、プリアンプ55として機能するオ
ペアンプの増幅率は極めて高いので、抵抗器56を通過す
る電流は、出力信号Uの前記アンプの入力をノイズ電圧
と同等に設定する。
前記装置は、さらに、FET57を使用することによって
実現される調整可能な抵抗器を備えている。正帰還を実
現するため、この抵抗器は、フィルタ50が使用されてい
る場合にはSQUIDと、帰還コイル14との間に接続されて
いる。
前記装置は、さらに、アンプ58と、FET57からなる抵
抗器を調整するための調整ユニット68とを備えている。
前記フィルタおよび検出器の出力電圧は基準電圧Ur2
比較され、その結果得られた差に基づいて、前記調整可
能な抵抗器の抵抗率が設定される。すなわち、この場
合、前記FETのS極とD極との間の抵抗が、該FETのグリ
ッド電圧を調整することによって設定される。該FETの
作動ポイントは、抵抗器62を介して、ポテンショメータ
によって設定される。
さらに、前記装置は、図9の実施例とちょうど同様
に、室温の低ノイズプリアンプ58と、調整ユニット59
と、帰還抵抗器40とを含んでいる。SQUID1の出力信号は
プリアンプ58において増幅され、その後、この増幅され
た出力信号が基準電圧Ur1と比較される。その結果得ら
れた電圧差は、プログラマブル調整ユニットのような調
整ユニット59および帰還抵抗器40を介して、帰還コイル
14さらにSQUID1に与えられる。こうして、負帰還が実現
される。測定信号UOUTは、調整ユニット39の出力から取
り出される。
SQUID1の出力に接続されている前記プリアンプ58のノ
イズ電圧は、調整可能な抵抗器すなわちFET57を介し
て、帰還コイル14に与えられる。それは、SQUID1で強化
され、こうして、SQUID内において前記アンプのノイズ
に匹敵する電圧が作り出され、この電圧は、前記調整可
能な抵抗器57の適当な抵抗率によって、前記プリアンプ
58の出力におけるノイズ電圧による影響を除去する。図
2に示した接続においてはほぼ無限の増幅率を提供する
前記帰還抵抗器または調整可能な抵抗器57の値によっ
て、前記アンプのノイズ電圧は図11の実施例では中和さ
れる。図11において、プリアンプの出力において測定さ
れる場合、SQUIDの応答は、電圧変調されていない図の
曲線U1、および、電圧変調された曲線UKに対応する。
精密に整調された正帰還は、最初の半サイクルにおい
て、ノイズが前記プリアンプにおいて決定され、2番目
の半サイクルにおいて、ノイズがSQUIDの内部ノイズま
たは測定対象物のノイズによってのみ決定される、とい
う形で現れる。SQUIDの出力に向けられる負帰還によ
り、その応答は正帰還によって左右されない。換言すれ
ば、その応答は、図10のものに対応する。正帰還抵抗器
57の抵抗率およびSQUIDの動作抵抗として決定された抵
抗率以下になるよう周波数が増加したとき、正帰還によ
る付加的な増幅によって増大したプリアンプの開ループ
の増幅率が減少した場合、低ノイズスロープにおけるプ
リアンプの出力ノイズは、前記プリアンプのノイズ、お
よび、正帰還による付加的な増幅によって増大したSQUI
Dのノイズによって決まる。すなわち、プリアンプ、つ
まり、この場合オペアンプ55の増幅率がSQUIDのオペア
ンプのプラス入力に対する帰還に充分ではないような周
波数において、前記SQUIDの出力、従って、アンプ55の
出力は、あたかも前記SQUIDが電流帰還無しに電圧アン
プによって読み取られているかのようなノイズを発生す
る。この周波数範囲において、発信器によって作り出さ
れたノイズまたは信号を利用することによって、帰還、
すなわち、抵抗器57の抵抗率の調整に接続された増幅率
の測定を効果的に行うことができる。
交流バイアス変調を行う図11の実施例は、SQUIDの電
圧変調が高い(50μV以上)場合、および/または、数
個のSQUIDが同時に使用される場合に有効である。SQUID
の電圧変調が高い場合、プリアンプすなわちオペアンプ
55の電圧ドリフトは、本質的に、SQUIDの作動ポイント
設定値に影響しない。一方、電圧バイアスを使用する場
合、ジョセフソン接合の臨界電流の変化は、SQUIDの開
ループの増幅にあまり影響しない。
室温の電子部品の接続に関しては、図11の接続は図9
のものに類似している。交流を使用していることによ
り、プリアンプの出力は直流成分を含まず、これによ
り、前記アンプの出力は、電圧Ur2のバイアス無しに
(図9)、調整ユニット60を介して直接帰還接続可能で
ある。バイアス電圧が分離した同軸ケーブルによってデ
ューワフラスコ内に導かれ、1つの対称的な変圧器が低
温で付加される場合、各SQUIDごとに1本のアースされ
たワイヤおよび4本のワイヤを有するマルチチャンネル
システムを実現できる。図9の接続において、交流変調
を使用する場合、SQUIDから室温に延びるアースされた
ワイヤには実質上電流が流れないので、個々のチャンネ
ル間に乱流は発生しない。
SQUIDの出力信号を処理するために好適に設計された
プロセッサにおいて、出力ノイズは、SQUIDの動作抵抗
に対応する熱ノイズより幾分高い。このため、正帰還を
実現する調整可能な抵抗器の抵抗率は、SQUIDの動作抵
抗と同じ程度でなければ成らない。通常、SQUIDの動作
抵抗は約1〜5オームでしかなく、これは、SQUIDの最
低電圧ノイズが50pV内であることを意味する。プリアン
プとして使用される好適なオぺアンプのノイズハ約1nV
であるので、正帰還によって実現される付加的な増幅率
は少なくとも20でなければならない。この程度の付加的
な増幅率は、この発明の正帰還無くしては実現するのが
たいへん難しい。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低ノイズセンサ、特に、超電導量子干渉素
    子(SQUID)などのような1個または数個のジョセフソ
    ン接合に基づくセンサの出力信号を処理する方法であっ
    て、 前記出力信号を増幅する正帰還ループを実現するため
    に、前記出力信号が抵抗器(9、57)を介して前記セン
    サ(1)の入力に帰還される工程と、その増幅率が前記
    抵抗器の抵抗率を調整することによって設定される工程
    とからなる方法。
  2. 【請求項2】測定処理の初めにおいて増幅された出力信
    号が観察され、その増幅率が前記抵抗器の抵抗率を調整
    することによって適当なレベルに設定され、その後、本
    来の測定が行われるようになっている請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記増幅された出力信号の観察対象が、測
    定帯域より高い周波数のものであるのが有利である、測
    定帯域外のノイズ信号であって、該ノイズ信号に従って
    前記増幅率が調整されるようになっている請求の範囲第
    2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記センサに対して一定の周波数を有する
    交流電流信号が与えられ、その増幅された出力信号が観
    察され、前記抵抗器の抵抗率がその観察に基づいて適当
    なレベルに設定されるようになっている請求の範囲第2
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記増幅された出力信号が調整ユニットを
    介して前記センサに帰還されることによって負帰還が実
    現され、最終的な測定が帰還電圧についてなされるよう
    になっている請求の範囲第1項から第4項までのいずれ
    かに記載の方法。
JP3508953A 1990-05-15 1991-05-15 低ノイズセンサからの出力信号を処理する方法及び装置 Expired - Lifetime JP3009729B2 (ja)

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