JP3005704U - 多機能を有する幼児用椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テーブル付き椅子、脚高椅子、台車を付けて
ベビーカー、揺り椅子等の多機能を有する幼児用椅子を
提供する。 【構成】 椅子本体と、この椅子本体にヒンジを介して
回転可能に取り付けたテーブル体と、これらに着脱自在
に形成された台車とから成る。テーブル体はヒンジを介
して回転させ椅子本体の下部に結合すると脚高椅子が形
成され、且つハンドルを倒せばミニテーブルが形成され
る。台車は左右のフレームと、このフレームに補助シャ
フトを介して着脱可能に軸受される前後の車軸と、前車
軸に取り付けられたキャスターと、後車軸に取り付けら
れた車輪とから構成される。台車の左右のフレームは下
端部が長手方向に沿って円弧状に形成され、前後の車軸
は補助シャフトを介してフレームの軸受を支点として回
転させればフレーム上に位置し、フレームの円弧状下端
部が接地して揺り椅子が形成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、テーブル付き椅子として使用出来るだけでなく、食卓用テーブルの 高さに適合した脚高椅子に変形出来たり、下に台車を付けてベビーカーとなった り、或は台車の前後の車軸の位置を変えて揺り椅子としても使用出来るようにし た、多機能を有する幼児用椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、幼児が座って食事をしたり遊んだりするようにしたテーブル付き椅子が 知られている。幼児が大人と一緒に食事をする時に食卓用テーブルの高さに合わ せて製作した脚高椅子も食堂等に備え付けられていて公知である。更に幼児を載 せて手押しするベビーカー及び揺り椅子（ロッキングチェア）も既に存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記各種の幼児用椅子はそれぞれ別個独立であるため多く取り 揃えると費用が嵩むばかりか置き場に苦労し、使わない時には邪魔になったり保 管にも困る等の問題がある。 本考案は、このような問題を解決するためになされ、１つでテーブル付き椅子 、脚高椅子、ベビーカー、揺り椅子の全ての機能を有する幼児用椅子を提供する ことを課題としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を技術的に解決するための手段として、本考案は、椅子本体と、この 椅子本体にヒンジを介して回転可能に取り付けたテーブル体とから成り、前記テ ーブル体は前記椅子本体の前部に位置し、前記ヒンジを介して回転させると倒置 し、椅子本体の下部に結合することにより脚高椅子が形成され、前記椅子本体に はハンドルが起伏自在に取り付けられ、且つこのハンドルを支持するフレームに ミニテーブル板を兼ねたヘッドレスト板が摺動可能に取り付けられた構成を要旨 とする。 又、本考案は、椅子本体と、この椅子本体にヒンジを介して回転可能に取り付 けられたテーブル体と、これらに着脱自在に形成された台車とから成り、前記台 車は左右のフレームと、このフレームの軸受に補助シャフトを介して着脱可能に 取り付けられる前後の車軸と、前車軸に取り付けられたキャスター等の方向自在 の車輪と、後車軸に取り付けられた車輪とから構成され、前記左右のフレームは 下端部が長手方向に沿ってそれぞれ円弧状に形成され、且つ前後の車軸は前記軸 受を支点として回転することにより前記フレームの上端部にそれぞれ位置し、前 記フレームの円弧状下端部が接地して揺り椅子が形成されることを要旨とするも のである。

【０００５】

【作 用】

通常はテーブル付き椅子として、幼児に食事をさせたり遊ばせたりする時に使 用し、テーブル体を回転させて椅子本体の下に結合させれば脚高椅子として使用 することが出来、且つハンドルを前方に倒せばヘッドレスト板によってミニテー ブルが形成される。 テーブル付き椅子の下に専用の台車を付ければベビーカーとなり、そのまま屋 外で使用することが可能となり、台車を外せば再び屋内での使用が可能となる。 台車の前後の車軸を補助シャフトを介してフレームの軸受を支点として回転さ せればフレームの上端部にそれぞれ位置し、これにより台車の左右のフレームが 接地し円弧状下端部によって揺り椅子として使用することが可能となる。外した 台車は２本のフレームと前後の車軸に容易に分解出来るため、邪魔になったり保 管場所に困るようなことはなく、使用時の組み付けも簡単である。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳説する。 図１において、１は木製の椅子本体であり、座板１１と背板１２と脚１３とを備 え、脚１３の下部には横木１３ａが差し渡され、背板１２の両側には肘掛け１４ が取り付けられ、肘掛けの前端部には転落防止板１５が取り付けられ、その中央 部と座板１１との間には足振り分け板１６が縦方向に取り付けられている。

【０００７】 前記背板１２の裏側の上部両側には取付片１２ａが固定され、この取付片１２ ａに手押し用ハンドル１７の下端部が枢支され、このハンドル１７の両側のシャ フト１７ａと前記両方の肘掛け１４との間に二つ折り可能なステー金具１８がそ れぞれ取り付けられ、更にミニテーブル板を兼ねたヘッドレスト板１９がシャフ ト１７ａに嵌合したガイド筒１９ａを介して摺動可能に取り付けられている。 従って、ハンドル１７はヘッドレスト板１９を上方に移行させ、ステー金具１ ８を二つ折りしながらシャフト１７ａの下端枢支部を支点として回転させれば前 方に倒すことが出来、その逆の操作をすれば元の位置に戻すことが出来る。つま り、ハンドル１７を自在に起伏させることが出来る。２０は椅子本体１の前脚の 横木の上に取り付けられた足載せ板である。

【０００８】 ２は木製のテーブル体であり、天板２１と脚２２とを備え、天板２１の周囲に は脚２２の上部に横木２２ａを差し渡すことによりこぼれ防止用の縁片が形成さ れ、脚２２の下部に補強用の横木２２ｂが差し渡されている。 このテーブル体２は図２に示すように後脚の下部が前記椅子本体１の前脚の下 部にそれぞれヒンジ２３を介して取り付けられ、このヒンジ２３を介して回転可 能に形成されている。

【０００９】 ３は台車であり、木製の左右一対のフレーム３１と、このフレーム３１に着脱 自在に取り付けた前後の車軸３２と、方向自在の前車輪であるキャスター３３及 び後車輪３４とを有している。 フレーム３１は図２に示すようにその下端部３１ａが円弧状に形成され、前後 端部には軸受部材３５がそれぞれ取り付けられ、側面の要部には前記テーブル体 ２の後脚に取り付けられた金具２４に引っ掛けてロックする係止金具３６が取り 付けられている。

【００１０】 前記フレーム３１は、図３に示すように上部に前記椅子本体１の脚１３及びテ ーブル体２の脚２２を嵌合するための凹部３１ｂが適所に複数個形成され、下部 の要所には前後の車軸３２を受けるための切欠き３１ｃがそれぞれ形成されてい る。

【００１１】 前後の車軸３２は、図４に示すようにほぼＬ型の補助シャフト３２ａが左右に 振り分けて取り付けられ、この補助シャフト３２ａを前記フレーム３１の軸受部 材３５にそれぞれ嵌め込むことによって台車３を組み付けることが出来る。一方 、補助シャフト３２ａを軸受部材３５から外せば、図４のように台車３を２本の フレーム３１と前後の車軸３２に分解することが出来る。

【００１２】 台車３の前後の車軸３２は、前記補助シャフト３２ａを介し軸受部材３５を支 点として回転させることが出来、図２に示すように前後の車軸３２を矢印Ａ、Ｂ 方向にそれぞれ回転させてフレーム３１の上部に移行させれば、前車輪であるキ ャスター３３及び後車輪３４がフレーム３１の上部に位置し、前記円弧状の下端 部３１ａが接地する。この状態から前後の車軸３２を矢印Ａ、Ｂとは逆方向にそ れぞれ回転させれば、キャスター３３及び後車輪３４が再び接地して元の状態に 戻る。

【００１３】 このように構成された本考案に係る幼児用椅子は、先ず台車３を付けない状態 でテーブル付き椅子として使用することが出来る。即ち、図３に示すように椅子 本体１とテーブル体２とが図２に示すヒンジ２３で結合されているので、床や畳 等にそのまま置いて幼児（図略）を椅子本体１に座らせ、テーブル体２の天板２ １を利用して食事をさせたり、積み木やおもちゃ等で遊ばせることが出来る。 この時、幼児の身体は肘掛け１４と転落防止板１５とにより囲まれるので安全 に保護され、両足は足振り分け板１６により振り分けられると共に足載せ板２０ により受止されるので安定性も良い。尚、ハンドル１７にタオルケット（図略） 等を掛けて両側のステー金具１８を隠すようにすれば安全性は更に向上する。更 に、座ったまま居眠りしても、幼児の頭部はヘッドレスト板１９で保護されるの で頭が後に反ることはない。

【００１４】 次に、テーブル付き椅子を変形させて図５に示すような脚高椅子として使用す ることが出来る。この脚高椅子を形成するには、前記ヒンジ２３を介してテーブ ル体２を図３に示す矢印Ｃ方向に回転させ、椅子本体１の下に倒置すると椅子本 体１の脚１３とテーブル体２の脚２２とがそれぞれ一直線となるように予め設定 してあり、テーブル体２の横木２２ｂに取り付けられた係止金具２５を、図２に 示す椅子本体１の後脚の横木に取り付けられた金具１３に引っ掛けて係止し、椅 子本体１とテーブル体２とを一体化すれば良い。

【００１５】 この脚高椅子は、食卓用のテーブルに幼児を付かせて大人と一緒に食事をさせ る際に役立つものであり、従来と同様に椅子本体１に幼児を座らせて使用する。 この時、幼児は前記と同様に肘掛け１４と転落防止板１５とにより囲まれるの で滑り落ちることがなくて安全であり、両足は足載せ板２０により受止されるの で安定性も良い。

【００１６】 脚高椅子は、他の使用態様として椅子本体１の前部にヘッドレスト板１９によ るミニテーブルを形成し、食卓用テーブルを使わないで幼児に食事をさせるのに 使用する。即ち、図５に示すようにヘッドレスト板１９を上に移動させると共に 、ステー金具１８をそれぞれ二つ折りしながらハンドル１７を矢印Ｄ方向に倒せ ば、図６に示すようにヘッドレスト板１９が椅子本体１の肘掛け１４の先端部に それぞれ受止されて水平に保持され、ヘッドレスト板１９によって椅子の前部に ミニテーブルが形成される。 この場合、脚高椅子に幼児を座らせてその脇に通常の椅子を置き、その椅子に 座れば幼児の食事の世話が容易となるため、母親や保母等の付添人の負担が軽減 する。

【００１７】 次に、台車３を付ければ図１に示すようにベビーカーとしての使用が可能とな る。この台車３の取り付けは、図３に示すようにフレーム３１の嵌合用凹部３１ ｂにテーブル付き椅子の脚をそれぞれ嵌め込み、フレーム３１の側部に取り付け られた係止金具３６をテーブル体２の脚に取り付けられた金具２４に引っ掛けて 係止すれば完了する。 この場合、手押し用ハンドル１７を持って動かし、前輪はキャスター３３であ るから左右に曲がり易く自由に方向が選択出来るので便利であり、テーブル体２ の天板２１の上におもちゃを載せて遊ばせることが出来、或は軽い手荷物を載せ ることも出来るので好都合である。又、公園等で前記のように前後の車軸を回転 させてフレーム３１の上に移動させれば、フレーム３１の円弧状下端部３１ａが 接地して揺り椅子としての機能も発揮させることが出来る。

【００１８】 外出から戻った際には、係止金具３６を外して台車３を分離すれば再度屋内で の使用が可能となる。外した台車３はそのまま保管出来るが、邪魔になるようで あれば図４に示すように、フレーム３１の軸受部材３５から補助シャフト３２ａ を抜けば前後の車軸３２をフレーム３１からそれぞれ外すことが出来、これによ りコンパクトに収納出来るので保管場所に困ることはない。 台車３の再使用時には、フレーム３１の軸受部材３５に補助シャフト３２ａを それぞれ嵌め込むだけで台車３を容易に形成出来るので面倒なことではない。

【００１９】 尚、実施例では椅子本体、テーブル体、台車のフレーム等は木製としたが、他 の材料例えば合成樹脂や金属等で形成することも勿論可能である。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る多機能を有する幼児用椅子は、テーブル付 き椅子として使用出来るほか、テーブル体を回転させて椅子本体の下に結合すれ ば脚高椅子として使用することが出来、且つハンドルを前方に倒せばヘッドレス ト板によってミニテーブルが形成される。 テーブル付き椅子の下に台車を付ければベビーカーとなり、台車を外せば再び テーブル付き椅子としての使用が可能となる。又、台車の前後の車軸を補助シャ フトを介してフレームの軸受を支点としてフレーム上に回転させれば、左右のフ レームが接地しその円弧状下端部によって揺り椅子として使用することが出来る 。更に、外した台車は２本のフレームと前後の車軸に容易に分解出来るため、邪 魔になったり保管場所に困るようなことはなく、使用時の組み付けも非常に簡単 である等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る幼児用椅子の一実施例を示すも
ので、台車を付けた状態での斜視図である。

【図２】 同、側面図である。

【図３】 テーブル付き椅子と台車とを分離した状態で
の斜視図である。

【図４】 台車を分解した状態を示す斜視図である。

【図５】 脚高椅子に変形した状態を示す斜視図であ
る。

【図６】 脚高椅子の前部にミニテーブルを形成した状
態を示す一部の斜視図である。

【符号の説明】

１…椅子本体 １１…座板 １２…背板 １２ａ…取付片 １３
…脚 １３ａ…横木 １４…肘掛け １５…転落
防止板 １６…足振り分け板 １７…手押し用ハンドル １７ａ…シャフト １８
…ステー金具 １９…ヘッドレスト板 １９ａ…ガイド筒 ２０…
足載せ板 ２…テーブル体 ２１…天板 ２２…脚 ２２ａ、２２ｂ…横木
２３…ヒンジ ２４…金具 ３…台車 ３１…フレーム ３１ａ…円弧状下端部 ３１ｂ…
嵌合用凹部 ３１ｃ…切欠き ３２…車軸 ３２
ａ…補助シャフト ３３…キャスター ３４…後車
輪 ３５…軸受部材 ３６…係止金具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６２Ｂ 7/04 7149−3Ｄ 7/12 7149−3Ｄ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 椅子本体と、この椅子本体にヒンジを介
   して回転可能に取り付けたテーブル体とから成り、前記
   テーブル体は前記椅子本体の前部に位置し、前記ヒンジ
   を介して回転させると倒置し、椅子本体の下部に結合す
   ることにより脚高椅子が形成され、前記椅子本体にはハ
   ンドルが起伏自在に取り付けられ、且つこのハンドルを
   支持するフレームにミニテーブル板を兼ねたヘッドレス
   ト板が摺動可能に取り付けられたことを特徴とする幼児
   用椅子。
2. 【請求項２】 椅子本体と、この椅子本体にヒンジを介
   して回転可能に取り付けられたテーブル体と、これらに
   着脱自在に形成された台車とから成り、前記台車は左右
   のフレームと、このフレームの軸受に補助シャフトを介
   して着脱可能に取り付けられる前後の車軸と、前車軸に
   取り付けられたキャスター等の方向自在の車輪と、後車
   軸に取り付けられた車輪とから構成され、前記左右のフ
   レームは下端部が長手方向に沿ってそれぞれ円弧状に形
   成され、且つ前後の車軸は前記軸受を支点として回転す
   ることにより前記フレームの上端部にそれぞれ位置し、
   前記フレームの円弧状下端部が接地して揺り椅子が形成
   されることを特徴とする幼児用椅子。