JP3003456U - 自動車用電波受信器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ルームミラーに取付可能であり、本来の機能
を適正に発揮し得るようにした自動車用電波受信器を提
供する。 【構成】 電波受信部５，受信回路部，受信表示部７及
び電源用蓄電池８を収納し、ルームミラー１００とほぼ
整合する外形形状を有するケース１と、ケース１をルー
ムミラー１００の背面側にて着脱可能に取付・固定し得
るように構成された取付具と、その受光面１０ａがケー
ス１の表側の所定位置に設定されるようにケース１に装
着されたソーラーパネル１０と、を備えている。電波受
信部５はケース１の表側に設けられ、前方からの電波を
受信し得るようにしたものである。取付具は、ルームミ
ラー１００の上下端部を把持する把持部を有し、上下い
ずれか一方の把持部がルームミラー１００と弾発的に係
合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電波受信器、特に自動車の前方から発信された電波を的確に受信し 得るようにした自動車用電波受信器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

乗用車等の車両において、その進行方向前方から発信される電波を車室内で受 信し得るようにした電波受信器が知られている。この電波受信器は電波受信部， 受信回路部等を箱型のケース内に収納したものであるが、従来よりこの種の電波 受信器の主なものとして、所謂ソーラー充電式コードレスタイプ，非充電式コー ドレスタイプ又は電源有線タイプ等がある。

【０００３】 これらのうちソーラー充電式コードレスタイプは、電源としてソーラバッテリ を備えている。また非充電式コードレスタイプのものは、交換式の乾電池を備え ており、また電源有線タイプは、車両搭載バッテリ又はシガーライタソケット等 から電源をとるものであり、このタイプが現在最も普及している。 かかる自動車用電波受信器を装着する場合、例えばルームミラー，サンバイザ ー又はダッシュボード等を利用して、それらの適所に取り付けられるようになっ ている。また非充電式コードレスタイプのものにおいて、運転者等の衣類のポケ ットに収納される場合もある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

かかる自動車用電波受信器において、電源有線タイプの場合その電源と電波受 信器本体とを接続するための電線の引回し等が煩雑であり、また、非充電式コー ドレスタイプの場合その乾電池等が消耗した際にその都度これを交換する必要が ある。 更に、特にソーラー充電式コードレスタイプにおいては、ルームミラー取付型 のものは知られていない。ソーラー充電式とすると、太陽光を受光するために電 波受信器の配置等に大きな制約があり、このような制約を受けながらルームミラ ーに取り付け得るようにするのは困難であった。

【０００５】 そこで、本考案は、ルームミラーに取付可能であり、本来の機能を適正に発揮 し得るようにした自動車用電波受信器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の自動車用電波受信器は、電波受信部，受信回路部，受信表示部及び電 源用蓄電池を収納し、ルームミラーとほぼ整合する外形形状を有するケースと、 前記ケースを前記ルームミラーの背面側にて着脱可能に取付・固定し得るように 構成された取付具と、その受光面が前記ケースの表側の所定位置に設定されるよ うに該ケースに装着されたソーラーパネルと、を備え、前記電波受信部は前記ケ ースの表側に設けられ、前方からの電波を受信し得るようにしたものである。

【０００７】 また本考案の自動車用電波受信器において、特に前記取付具は、前記ルームミ ラーの上下端部を把持する把持部を有し、上下いずれか一方の前記把持部が前記 ルームミラーと弾発的に係合するようにしたものである。

【０００８】 更に本考案の自動車用電波受信器において、特に前記ケースは、前記ルームミ ラーの支持用ヒンジと干渉しないようにするための凹陥部を有している。

【０００９】

【作用】

本考案の自動車用電波受信器によれば、電波受信部，受信回路部等を有するケ ースは、取付具を介してルームミラーの背面側に取り付けられる。このように取 り付けられたケースの表側（車両前方側）には、電波受信部が設けられ、従って この電波受信部により、車両の進行方向前方から発信される電波を確実に受信す ることができる。またケースの表側にはソーラーパネルが設定されるため、この ソーラーパネルにて有効且つ効率的に起電力を発生させ、ソーラバッテリを充電 する。更にケースは、ルームミラーとほぼ整合する外形形状を有しているため、 運転視界の妨げとならず、安全運転を保証することができる。

【００１０】 上記の場合において、ケースをルームミラーの背面側に取り付ける際、把持部 がケースと弾発的に係合するため、取り付け易く、しかもケースを確実に固定す ることができる。

【００１１】 また、ルームミラーが特に支持用ヒンジ等により車両の天井から支持されてい る場合には、ケース適所に凹陥部を形成しておくことによりそのヒンジと干渉す ることなく、的確に取り付けることができる。

【００１２】

【実施例】

以下、図１乃至図５に基づき、本考案による自動車用電波受信器の好適な実施 例を説明する。

【００１３】 図１に示したように、ケース１は、ルームミラー１００とほぼ整合する外形形 状を有している。なお本実施例においては、ルームミラー１００は、図示例のよ うに支持用ヒンジ２００を介して天井３００から支持されているものとする。 ケース１は、合成樹脂材料（ＡＢＳ樹脂）等により成形されるが、図２に示し たように表カバー２（矢印Ｆｒ側）と裏カバー３（矢印Ｒｒ側）とを一体化した ものである。表カバー２及び裏カバー３は、図３に示されるようにビス４等を用 いて相互に結合される。なおビス４の代わりに適宜の接着剤等を用いることもで きる。

【００１４】 ケース１はまた、図１に示されるように電波受信部５，受信回路部６（図５参 照），受信表示部７及び電源用蓄電池８を収納している。受信用アンテナとして 機能する電波受信部５は、表カバー２の開口部９に嵌着するようにしたものであ り、その表面には電波透過性を有するシート材が被着される。受信回路部６は、 後述するように電波受信部５にて受信した電波を処理し、その結果を受信表示部 ７等にて表示させるようになっている。この受信表示部７は、例えばＬＥＤ等に より構成され、ケース１の下部等の適所に設けられる。

【００１５】 表カバー２において、図１及び図２に示されるようにその受光面１０ａがケー ス１の表面に設定されるようにソーラーパネル１０が装着される。ソーラーパネ ル１０は、これらの図示例のように表カバー２の左右両側に一対設けられる。こ のソーラーパネル１０は、図２に示されるようにフロントガラス４００の至近位 置に配置され、太陽光を効率良く受光し得るように設定される。そして電源用蓄 電池８（図１）と接続しており、これを充電する。 なお、この電源用蓄電池８はソーラーパネル１０ばかりでなく、シガーライタ ソケット（１２Ｖもしくは２４Ｖ）等からも充電可能であり、これらの充電方式 を適宜切り換えることができる。更に、電源用蓄電池８の電圧が一定以下になっ た場合に、残量アラームがそれを運転者等に知らせるようになっている。

【００１６】 ケース１は、取付具１１によりルームミラー１００の背面側にて着脱可能に取 付・固定される。この実施例では、ケース１から突出する上下一対で構成される ２組の取付具１１（合計４つ）を有している。取付具１１は、ルームミラー１０ ０の上下端部を把持する把持部１１ａを有し、また特に下側の取付具１１を固定 式とし、上側の取付具１１は、図２の矢印Ａにより示したように一定ストローク だけ移動可能に構成されている。そして、図示のようにルームミラー１００を上 下両側から挟んで弾発的に係合するようになっている。なお上記とは反対に、上 側の取付具１１を固定式とし、下側の取付具１１を移動可能に構成することも可 能である。更にケース１には、図１及び図３に示されるように、ルームミラー１ ００の支持用ヒンジ２００と干渉しないようにするための凹陥部１２が形成され ている。この凹陥部１２の特に深さ（上下方向）等は、ヒンジ２００の取付位置 又は大きさ等との関係で適宜設定されるものとする。

【００１７】 なお、上記の場合において、図４に示されるようにケース１の下端部等の適所 にて、電波受信器としての出力もしくは感度等を調節するためのスイッチ類等を 設けた操作部１３が配設される。更に、本案電波受信器は、これを装着した車両 が停止した場合に、作動しないようにするための所謂、オートパワースイッチを 備えている。このオートパワースイッチは、例えばエンジン振動もしくは車体振 動等を検出する振動センサの検出信号により、その車両が走行しているか否かを 判断し、これにより少なくとも車両停止時には回路作動を停止（ＯＦＦ）させる ように構成されている。

【００１８】 ここで図５は、受信回路部６の構成例を示している。図において、１４は混合 回路、１５は第二局部発振回路、１６は第二中間波増幅回路、そして１７は検波 回路である。ところで、本考案においては所謂スーパーヘテロダイン方式（ダブ ル・スーパーヘテロダイン方式）が採用されている。この方式は、受信電波を増 幅し易い周波数まで変換して、弱い電波でも受信し得るようにしたものである。 つまり、受信周波数を全て一定の周波数に揃えて受信するものであり、この一定 の周波数が中間周波数となる。

【００１９】 受信する電波の公称周波数は１０ＧＨｚであり、実際にはこの公称値の誤差等 が考慮され、この場合では受信周波数範囲としては１０．５００〜１０．５５０ ＧＨｚの５０ＭＨｚ幅に設定される。

【００２０】 第一局部発振回路及び混合回路を含む電波受信部５にて受信された電波は、混 合回路（ホーンアンテナ５ａ内部）において第一局部発振周波数と混合されて、 １．０３ＧＨｚ（第一中間周波数）まで落とされる。そして増幅された後、第二 局部発振周波数と混合されて、１０．７ＭＨｚ（第二中間周波数）に変換される 。この中間周波数は、第二中間波増幅回路１６にて増幅され、検波回路１７によ り信号として取り出される。 受信電波の周波数が２４．１５０ＧＨｚの場合は、第一局部発振の第二高調波 （１１．５５８ＧＨｚ×２＝２３．１２ＧＨｚ）を利用して混合され、１．０３ ＧＨｚ（第一中間周波数）まで落とされる。その後、上記と同様に検波回路１７ により信号として取り出される。

【００２１】 上記のように構成された本考案の自動車用電波受信器によれば、ケース１は、 取付具１１を介してルームミラー１００の背面側に取り付けられる。この場合、 ２組の取付具１１を上下に拡開させることにより、ケース１を簡単且つ確実に取 り付けることができ、そして把持部１１ａがケース１の上下端部と弾発的に係合 し、ケース１を確実に固定することができる。 また、ルームミラー１００が、図１及び図２に示されるように支持用ヒンジ２ ００により車両の天井３００から支持されている場合でも、ケース１に凹陥部１ ２を形成しておくことにより、そのヒンジ２００と干渉することなく、的確に取 り付けることができる。

【００２２】 このように取り付けられた本案電波受信器において、ケース１の表側にはソー ラーパネル１０が設定され、このソーラーパネル１０にて有効且つ効率的に起電 力を発生させ、充電用電池、即ち電源用蓄電池８を充電する。そして、ケース１ の表側に設けられている電波受信部５により、車両の進行方向前方から発信され た電波を確実に受信することができる。この受信された電波は、前述のように受 信回路部６にて信号処理され、受信表示部７において表示される。

【００２３】 ところで、ケースは、ルームミラー１００とほぼ整合する外形形状を有してお り、ルームミラー１００の背面側に取り付けられるため、本案電波受信器が装着 されても何ら運転視界の妨げとならず、安全運転を保証することができる。ケー ス１は取付具１１を介して簡単且つ確実に取付・固定、更には取り外すことがで き、取扱も極めて容易である。また前述のように、ソーラーパネル１０によって 電源用蓄電池８を充電するソーラー充電式コードレスタイプであるから、面倒な 配線等をなくすることができ、更にその電源用蓄電池８の残量が低下した場合に は残量アラームがそのことを知らせると共に、オートパワースイッチにより電源 の切り忘れに有効に対処することがきる等、優れた使い勝手を実現することがで きる。

【００２４】

【考案の効果】 以上説明したように本考案によれば、特にコードレスタイプのこの種の自動車 用電波受信器において、ソーラー充電式ルームミラー取付可能な新規な構成の電 波受信器を提供することができる。しかも、取付等を容易且つ確実に行え、取扱 性及び使い勝手等に極めて優れている等の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動車用電波受信器の一実施例に
おける正面図である。

【図２】本考案の自動車用電波受信器における側面図で
ある。

【図３】本考案の自動車用電波受信器における背面図で
ある。

【図４】本考案の自動車用電波受信器における底面図で
ある。

【図５】本考案の自動車用電波受信器に係る受信回路部
の構成例を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ 表カバー ３ 裏カバー ４ ビス ５ 電波受信部 ６ 受信回路部 ７ 受信表示部 ８ 電源用蓄電池 ９ 開口部 １０ ソーラーパネル １１ 取付具 １１ａ 把持部 １２ 凹陥部 １３ 操作部 １４ 混合回路 １５ 第二局部発振回路 １６ 第二中間波増幅回路 １７ 検波回路

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電波受信部，受信回路部，受信表示部及
   び電源用蓄電池を収納し、ルームミラーとほぼ整合する
   外形形状を有するケースと、 前記ケースを前記ルームミラーの背面側にて着脱可能に
   取付・固定し得るように構成された取付具と、 その受光面が前記ケースの表側の所定位置に設定される
   ように該ケースに装着されたソーラーパネルと、を備
   え、 前記電波受信部は前記ケースの表側に設けられ、前方か
   らの電波を受信し得るようにしたことを特徴とする自動
   車用電波受信器。
2. 【請求項２】 前記取付具は、前記ルームミラーの上下
   端部を把持する把持部を有し、上下いずれか一方の前記
   把持部が前記ルームミラーと弾発的に係合するようにし
   たことを特徴とする請求項１に記載の自動車用電波受信
   器。
3. 【請求項３】 前記ケースは、前記ルームミラーの支持
   用ヒンジと干渉しないようにするための凹陥部を有して
   いることを特徴とする請求項１に記載の自動車用電波受
   信器。