JP3002300U - 海水面の上下動による音響装置 - Google Patents

海水面の上下動による音響装置

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JP3002300U
JP3002300U JP1994003975U JP397594U JP3002300U JP 3002300 U JP3002300 U JP 3002300U JP 1994003975 U JP1994003975 U JP 1994003975U JP 397594 U JP397594 U JP 397594U JP 3002300 U JP3002300 U JP 3002300U
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air
sound
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pipe
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JP1994003975U
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肇 中谷
弘之 中村
一哉 寳福
茂義 小玉
啓司 高橋
学之 中山
宗文 前田
Original Assignee
株式会社西村組
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水中構造物において、従来強度的必要から設
けられていた梁と外壁の間に形成された空気室の圧力の
変動が緩和され、伸縮目地等の隙間から吹き出す空気に
よる破裂音等の不快音の発生が無くなると共に、音響装
置という作用を持たせることのできる海水面の上下動に
よる音響装置の提供を目的とする。 【構成】 海水を透過する溝などの間隙2を有するスリ
ット型ケーソン等の水中構造物1に、海水面4が上下に
動いたときに空気室5が形成されるように一定の高さを
有する垂れ壁3を設置し、空気室5に外気に通ずる空気
の流通で音を発するように加工した音の出るパイプ8が
挿入固定されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は海水を透過させる溝などの間隙を有するスリット型ケーソン等の水中 構造物と空気の流通によって音を発するように加工されたパイプとの組み合わせ によって構成される音響装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のものにあっては、下記のようなものになっている。 スリット型ケーソン等海水を透過させる溝などの間隙を有する水中構造物は 広く用いられている。 また、上記の構造物で断面の大きな物では、上部外壁6の強度を保つために 後述する本考案での垂れ壁3と同様構造の垂れ壁(梁)を有するものも広く用い られている。 上記,の特徴を有する構造物では、間隙の無い外壁と梁との間に、本考案 実施例に示すような空気室5が形成され、潮位の変動や波浪等による海水面の上 下動によって圧縮又は膨張の力を受けて圧力及び体積変化を繰り返している。 波浪が高く、作用するエネルギーが大きいときは閉じ込められた空気層の圧力 変化も激しく、コンクリートの収縮割れを防止する目的で設けられた伸縮目地な どのわずかな間隙から不快な破裂音等を伴って勢いよく吹き出すこともある。 特に、強い圧縮力が働いた場合などには、ウォーターハンマーと称される状態 と同様の現象が起こり、強い衝撃力が加わることで伸縮目地の緩衝材として充填 されている目地材を吹き飛ばしてしまうなど構造物に損傷を与えることもあった 。そのために、空気を通過させるための抜き孔を設けて衝撃を和らげるなどの措 置が取られることはあったが、これを利用した音響装置はこれまで無かった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。 すなわち、この種の港湾構造物は、物流や漁業、船舶の避難や停泊施設等とし て関係者が利用する産業施設であり、特定関係者にのみ関係し、一般の人々が親 しみやすい施設とは云い難く、ましてや、安らぎの空間とは全く縁遠いものであ った。 本願は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、上述の問題を解決できるものを提供しようとするもので ある。
【0004】 上記目的を達成するために、本考案は下記のようになるものである。 すなわち、本願のものは、海水を透過する溝などの間隙2を有するスリット型 ケーソン等の水中構造物1に、海水面4が上下に動いたときに空気室5が形成さ れるように一定の高さを有する垂れ壁3を設置し、空気室5から外気に通ずる抜 き孔7に空気の流通で音を発するように加工した音の出るパイプ8を挿入固定し た海水面の上下動による音響装置である。 上述のほか、下記のように構成することができる。 第1.音の出るパイプ8は、パイプ体8Aの中に空気の流れを薄い層に収束し て流れを整えるための填充片8Bと、この空気を受けて擦音を発するように外周 の一部に切込口8Cを設けると共に、開閉弁8Eを設けることができる。 第2.音の出るパイプ8を複数とし、それぞれ海水面の上昇で構造物の内部か ら空気が吹き出す場合と、海水面の降下で構造物の内部に空気が吸引される場合 にそれぞれが音を発するように構成することができる。 第3.音の出るパイプ8におけるパイプ体8Aの長さ、径等を変えて異なる振 動数や波形を有する音を発生させるように構成することができる。
【0005】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明する。 本考案は従来利用されてこなかった空気の動きを、空気の流通で音を発するパ イプを通すことで音響装置を作るもので、これを実施例に基づいて説明すると、 スリット型ケーソン等海水を通過させる溝などの間隙2を有する水中構造物1に 、構造物の内部に進入した海水の上面(以下海水面という)4が上下動したとき に、透水性を有しない外壁との間に空気室5が形成されるような垂れ壁3を設け 、この空気室5から上部外壁6を貫通して外部に通じた抜き孔7に空気の流通で 音を発生するように加工した音の出るパイプ8を挿入固定した組み合わせよりな る音響装置である。
【0006】 この音の出るパイプ8の構成は、笛などで広く用いられているものと同一構造 のもので、パイプ体8Aの中に空気の流れを薄い層に収束して流れを整えるため の填充片8Bと、この空気を受けて擦音を発するように外周の一部に切込口8C を設けたものである。 なお、実施例ではパイプ体の先端8Dは開放されているが、吹き出し時に音を 発するものでは閉鎖しても音は発生する。 音の発生部分の構造では、このほかにパイプ体の先端等を閉鎖し、切込口8C に振動板などの振動体を取付けたものとしてもよい。
【0007】 また、上部外壁6に長さや径の異なる複数のパイプを設置する場合には、図4 に示したような開閉弁8Eによって空気を流通または遮断することで、一斉に作 用させることもできるが、空気を流通させるパイプ体を変えることで発生する音 を変化させることもできる。 音の出るパイプ8は、それぞれ逆方向の空気の流れで音を発する第1パイプ8 1と第2パイプ82からなり、海水面の上昇で構造物の内部から空気が吹き出す 場合と、海水面の降下で構造物の内部に空気が吸引される場合にそれぞれが音を 発するように取付ける。
【0008】 本考案のものは下記のように作用する。 本考案は以上のように、水中に設置した構造物の内部に設けた空気室と外部に 通ずる抜き孔に挿入固定した音の出るパイプとの組み合わせにより構成される音 響装置である。 本考案の水中構造物の内部に形成された空気室の空気は、海水面の上下動によ り圧縮又は膨張の力を受けるが、抜き孔に挿入固定した音の出るパイプを通じて 外部に吹き出し又は吸引するので、従来強度保持のために設けられていた梁など の構造により自然にできた空気室の圧縮、膨張の繰り返しによる圧力の変動を本 案の採用により緩和することができる。
【0009】 又、音の出るパイプは、海水面の上下動によりもたらされる空気室の圧縮又は 膨張の圧力差によって生じた空気の流通によってその目的とする音発生の効果を 得る。 実施例のように同じ構造を持つ音の出るパイプを別々の抜き孔に正反対の向き に固定した場合には、その一方は海水面上昇による空気室の圧縮時に、もう一方 は海水面降下による空気室の膨張時に音を発するので海水面の上下動をそれぞれ のパイプによって発生した音として聴覚により認識することができる。 この場合、正反対の向きに固定するパイプの長さもしくは径を変えると、海水 面の上昇及び下降を異なる音として聴き分けることができる。
【0010】
【考案の効果】
本考案は海水面の上下動を空気の流通による音に変えるものであり、主に次の ような効果が期待できる。 1.音の出るパイプを通じて空気を流通させるため、従来強度的必要から設け られていた梁と外壁の間に形成された空気室の圧力の変動が緩和されることにな り、伸縮目地等の隙間から吹き出す空気による破裂音等の不快音の発生が無くな る。 2.圧力変動の緩和作用により、伸縮目地に填充した目地材の損傷等を防止で きる。 3.従来、物流や漁業、船舶の避難や停泊施設等として関係者が利用する産業 施設であった港湾構造物に、音響装置という作用を持たせることにより、従来の 関係者に加えて多くの人々が親しみやすい環境を作り出し、経済活動中心の施設 から安らぎの空間をも合わせ持つ施設として幅広い活用が期待できる。 4.港湾施設を持つ臨海都市などにおいては、波や干満による海水面の上下動 を音に変えて聞くことができる音響装置は、観光施設としての効用も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の斜視図である。
【図2】本考案実施例の正面図である。
【図3】本考案実施例の断面図である。
【図4】パイプの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 水中構造物 2 海水を透過する溝などの間隙 3 垂れ壁 4 海水面 5 空気室 6 上部外壁 7 抜き孔 8 音の出るパイプ 8A パイプ体 8B 空気整流のための填充片 8C 切込口 8D パイプ体の先端 8E 開閉弁 81 第1パイプ 82 第2パイプ
フロントページの続き (72)考案者 高橋 啓司 北海道紋別市南が丘町1丁目6番31号 (72)考案者 中山 学之 北海道紋別市南が丘町1丁目2番10号 (72)考案者 前田 宗文 北海道紋別市南が丘町1丁目6番31号

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海水を透過する溝などの間隙(2)を有
    するスリット型ケーソン等の水中構造物(1)に、海水
    面(4)が上下に動いたときに空気室(5)が形成され
    るように一定の高さを有する垂れ壁(3)を設置し、空
    気室(5)から外気に通ずる抜き孔(7)に空気の流通
    で音を発するように加工した音の出るパイプ(8)を挿
    入固定したことを特徴とする海水面の上下動による音響
    装置。
  2. 【請求項2】 音の出るパイプ(8)は、パイプ体(8
    A)の中に空気の流れを薄い層に収束して流れを整える
    ための填充片(8B)と、この空気を受けて擦音を発す
    るように外周の一部に切込口(8C)を設けると共に、
    開閉弁(8E)を設けた請求項1記載の海水面の上下動
    による音響装置。
  3. 【請求項3】 音の出るパイプ(8)を複数とし、それ
    ぞれ海水面の上昇で構造物の内部から空気が吹き出す場
    合と、海水面の降下で構造物の内部に空気が吸引される
    場合にそれぞれが音を発するように構成した請求項1記
    載の海水面の上下動による音響装置。
  4. 【請求項4】 音の出るパイプ(8)を複数とし、それ
    ぞれ海水面の上昇で構造物の内部から空気が吹き出す場
    合と、海水面の降下で構造物の内部に空気が吸引される
    場合にそれぞれが音を発するように構成した請求項2記
    載の海水面の上下動による音響装置。
  5. 【請求項5】 音の出るパイプ(8)におけるパイプ体
    (8A)の長さ、径等を変えて異なる振動数や波形を有
    する音を発生させるように構成した請求項2ないし請求
    項4のいずれかに記載の海水面の上下動による音響装
    置。
JP1994003975U 1994-03-23 1994-03-23 海水面の上下動による音響装置 Expired - Lifetime JP3002300U (ja)

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