JP3001819B2 - 飛行領域逸脱の警告方法および装置 - Google Patents

飛行領域逸脱の警告方法および装置

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JP3001819B2
JP3001819B2 JP8311000A JP31100096A JP3001819B2 JP 3001819 B2 JP3001819 B2 JP 3001819B2 JP 8311000 A JP8311000 A JP 8311000A JP 31100096 A JP31100096 A JP 31100096A JP 3001819 B2 JP3001819 B2 JP 3001819B2
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warning
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flight
area
control input
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寛史 西村
昭二 棚瀬
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株式会社コミュータヘリコプタ先進技術研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、たとえばヘリコプ
タなどの航空機が、その飛行中に飛行領域から逸脱した
ことをパイロットに警告する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばヘリコプタなどの航空機には、
運用中の安全を確保するために、機種毎の飛行規程によ
って、たとえばエンジンのトルクの制限値など様々な運
用限界が定められている。表1は、運用限界の一例とし
て、双発ヘリコプタのエンジンのトルクの制限値の一例
を示す。なお、表1において、TQto>TQc2であ
り、TQ2.5>TQ30>TQc1であり、TQc1
>TQc2である。
【0003】
【表1】
【0004】2基のエンジンを備える双発ヘリコプタの
両方のエンジンが作動している場合において、連続的に
使用できる最大トルクは、トランスミッションの構造限
界などからエンジン1基あたりTQc2(2基のうち大
きい方)に定められており、通常の飛行時には、TQc
2より充分小さいトルクを使用している。さらに離陸時
には、飛行速度が最良上昇速度を超えない場合に限り、
5分間の制限付きでTQto(2基のうち大きい方)ま
で使用することができる。また故障などで片方のエンジ
ンだけ作動している場合において、連続的に使用できる
最大トルクは、TQc1に定められている。さらに緊急
時には、2.5分間の制限付きでTQ2.5まで、また
は30分間の制限付きでTQ30まで使用することがで
きる。
【0005】このように定められるトルク制限値は、た
とえば着陸進入時に、エンジンが1基故障した場合に連
続的に変化する。このような着陸進入時にエンジンが1
基故障した場合に、パイロットは、エンジンの故障が着
陸決定点以前に発生した場合に限り、以下のような手順
で着陸復行するのが一般的である。エンジンが1基停止
すると直ちに機首を下げて安全な速度まで増速し、その
後安全が確保できる最低高度まで上昇する。この間のト
ルク制限値は、片発不作動時の2.5分定格出力であ
る。安全高度まで上昇した後は、最も効率のよい上昇速
度で上昇し、再度、着陸進入を試みる。この間のトルク
制限値は、片発不作動時の30分定格出力である。
【0006】このようにして着陸復行する場合など、特
に緊急時には制限値が時間とともに変化し、このような
場合には、パイロットは、これらの限界を超えないよう
に複数の飛行計器を確認したり、機外の状況を確認した
りするなど、煩雑なチェックをしながら飛ぶ必要があ
り、パイロットのワークロード(作業負担)増加の一因
となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、運用限界のチェックに要するワークロードを低減
して、運用限界付近での飛行安全を高めることができる
飛行領域逸脱の警告方法および装置を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、機体の運用限
界に基づいて、危険度が低い側の予備警告領域と、危険
度が高い側の超過警告領域とから成る2段階の警告領域
を設定し、機体の飛行状態が予備警告領域にあるときに
は、操縦入力手段の操縦フィール特性を、中立位置が操
縦入力手段の操作方向と反対方向に移動されるとともに
フィール傾斜が増加されるように変更して予備警告を発
し、機体の飛行状態が超過警告領域にあるときには、操
縦入力手段の操縦フィール特性を、前記予備警告におけ
る操縦フィール特性の変更に加えて、ブレークアウト力
を増加させて超過警告を発することを特徴とする飛行領
域逸脱の警告方法である。本発明に従えば、機体の飛行
状態が、機体の運用限界付近にあるときに、予備警告お
よび超過警告の2段階の警告を発してパイロットに知ら
せることができる。これによって、機体の飛行状態が危
険な領域に近付きまたは危険な領域内にあることを、パ
イロットに段階的に認識させ、危険回避のための判断を
する余裕を与えることができる。
【0009】
【0010】また機体の飛行状態が、機体の運用限界付
近にあることを、操縦入力手段の操縦フィールの変化に
よってパイロットに知らせることができる。これによっ
て、機体の飛行状態が危険な領域に近付きまたは危険な
領域内にあることを、パイロットに機体の操縦感覚によ
って認識させることができ、パイロットは複数の計器類
を見ることなく、飛行状態が危険な領域に接近または突
入したことを認識することができる。操作フィール特性
の変更は、予備警告を発する場合には、中立位置が操作
方向と反対方向にずれるように変更されるとともに、フ
ィール傾斜が増加するように変更され、超過警告を発す
る場合には、予備警告の変更に加えてさらにブレークア
ウト力が増加するように変更される。予備警告を発する
ときに、フィール傾斜だけを変化させた場合には、操縦
変位が中立位置付近にあるときに、操縦力の変化が小さ
く分かりにくい。また中立位置だけを変化させた場合に
は、所望の操縦力変化を得るための中立位置変化が非常
に大きくなってしまう。中立位置とフィール傾斜との両
方を変化させることによって、操縦変位がどこにあって
も一定の操縦力変化を得ることができるようにすること
ができ、かつ中立位置とフィール傾斜の変化量が適切な
範囲に収まる。また中立位置を変化させることによっ
て、パイロットが操縦力を緩めた場合に飛行状態の危険
度の低くなる安全な領域に向かうように移行するように
操縦入力が与えられ、飛行状態が充分安全な領域まで戻
すことができる。さらに超過警告時に、ブレークアウト
力を変化した場合には、操縦変位がどこにあっても一定
の操縦力F変化を得ることができるとともに、フィール
傾斜のさらなる増加によって、オーバーライドすること
ができなくなることを防止している。
【0011】さらに本発明は、操縦入力部と操縦入力部
に与える操縦フィール特性を発生するフィール発生部と
を有する操縦入力手段と、機体の飛行状態を検出するセ
ンサと、機体の運用限界に基づいて、危険度が低い側の
予備警告領域と、危険度が高い側の超過警告領域とから
成る2段階の警告領域を設定し、センサから与えられる
機体の飛行状態が予備警告領域にあるときには予備警告
を指示し、センサから与えられる機体の飛行状態が超過
警告領域にあるときには超過警告を指示する警告指示手
段と、警告指示手段から予備警告が指示されたとき、操
縦入力手段の操縦フィール特性を決定するパラメータ
を、中立位置が操縦入力手段の操作方向と反対方向に移
動されるとともにフィール傾斜が増加されるように算出
して操縦入力手段に与え、警告指示手段から超過警告が
指示されたとき、操縦入力手段の操縦フィール特性を決
定するパラメータを、前記予備警告における操縦フィー
ル特性の変更に加えて、ブレークアウト力を増加させる
ように算出して操縦入力手段に与える警告発生手段とを
備え、操縦入力手段は、警告発生手段からのパラメータ
に対応して、フィール発生部が操縦フィール特性を変更
して、操縦入力部のフィールを変化してパイロットに警
告を与えることを特徴とする飛行領域逸脱の警告装置で
ある。本発明に従えば、センサによって検出される飛行
状態が、機体の運用限界に基づく予備警告領域および超
過警告領域の2段階の警告領域にそれぞれあるとき、各
警告領域に対応した警告が警告指示手段によって指示さ
れる。警告が指示されると、指示に対応して警告がパイ
ロットに与えられる。これによって、機体の飛行状態が
危険な領域に近付きまたは危険な領域内にあることを、
パイロットに段階的に認識させ、危険回避のための判断
をする余裕を与えることができる。
【0012】
【0013】警告が指示されると、指示に対応して警告
発生手段によって、操縦入力手段の操縦フィール特性を
決定するパラメータが算出され、操縦入力手段に与えら
れて、操縦入力手段の操縦入力部のフィールの変化によ
って、パイロットに警告が与えられる。これによって、
機体の飛行状態が危険な領域に近付きまたは危険な領域
内にあることを、パイロットに機体の操縦感覚によって
認識させることができ、パイロットは複数の計器類を見
ることなく、飛行状態が危険な領域に接近または突入し
たことを認識することができる。警告発生手段に、警告
指示手段から予備警告の指示が与えられた場合には、中
立位置が操作方向と反対方向にずれるように変更される
とともに、フィール傾斜が増加するようにパラメータが
算出されて操縦入力手段に与えられ、操縦フィール特性
が変更される。警告発生手段に、警告指示手段から超過
警告の指示が与えられた場合には、予備警告の操縦フィ
ール特性の変更に加えてさらにブレークアウト力が増加
するようにパラメータが算出されて操縦入力部に与えら
れ、操縦フィール特性が変更される。予備警告を発する
ときに、フィール傾斜だけを変化させた場合には、操縦
変位が中立位置付近にあるときに、操縦力の変化が小さ
く分かりにくい。また中立位置だけを変化させた場合に
は、所望の操縦力F変化を得るための中立位置変化が非
常に大きくなってしまう。中立位置とフィール傾斜との
両方を変化させることによって、操縦変位がどこにあっ
ても一定の操縦力変化を得ることができるようにするこ
とができ、かつ中立位置とフィール傾斜の変化量が適切
な範囲に収まる。また中立位置を変化させることによっ
て、パイロットが操縦力を緩めた場合に飛行状態の危険
度の低くなる安全な領域に向かうように移行するように
操縦入力が与えられ、飛行状態Xが充分安全な領域まで
戻すことができる。さらに超過警告時に、ブレークアウ
ト力を変化した場合には、操縦変位がどこにあっても一
定の操縦力変化を得ることができるとともに、フィール
傾斜のさらなる増加によって、オーバーライドすること
ができなくなることを防止している。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
飛行領域逸脱の警告装置10の構成を示すブロック図で
ある。警告装置10は、たとえばヘリコプタなどの航空
機が、飛行中に安全な飛行領域から危険な領域に近付き
つつあること、または安全な飛行領域から逸脱して危険
な領域にあることを、パイロットに警告するための装置
であって、基本的に、操縦入力手段11と、検出センサ
12と、警告指示手段13と、警告発生手段14とを備
える。
【0015】操縦入力手段11は、たとえばヘリコプタ
のロータブレードのピッチ角を操作するためのコレクテ
ィブピッチレバーであって、入力レバー17と、フィー
ル発生部18とを有する。操縦入力部である入力レバー
17は、パイロットが角変位操作することによって、そ
の角変位量δに対応するロータブレードのピッチ角を指
示することができる。フィール発生部18は、フィール
すなわち操縦感覚を入力レバー17に与えるために、操
縦フィール特性を発生して入力レバー17に与えてい
る。操縦フィール特性は、入力レバー17に与える操作
力Fと、このときの入力レバー17の角変位量δとの関
係であり、図2に示すように基本的に、フィール傾斜
g、中立位置δNPおよびブレークアウト力FB,−FB
よって決定され、これらの各パラメータg,δNP
B,−FBを変更することによって、たとえば機体の飛
行状態およびパイロットの好みなどに対応して、操縦フ
ィール特性を任意に変更することができる。たとえば図
2においては、g=g0、δNP=δNP0、FB=FB0、
−FB=−FB0である。
【0016】検出センサ12は、たとえばエンジン出力
トルクセンサ、対気速度センサなどであって、飛行中
に、エンジンの出力トルク、対気速度などの機体の飛行
状態Xをリアルタイムで検出し、警告指示手段13に与
える。警告指示手段13は、検出センサ12から与えら
れる飛行状態Xなどに基づいて、運用限界Xlim、た
とえばエンジンの出力トルクの制限値、対気速度の制限
値などを随時算出し、さらにこの運用限界Xlimと現
在の飛行状態Xとを比較して制限値までの余裕を計算
し、どのような警告を与えるかを、警告発生手段14に
指示する。すなわち、算出された運用限界Xlimに基
づいて、図3を参照して後述する警告領域Sp1,Se
1,Sp2,Se2を設定し、飛行状態Xが警告領域S
p1,Se1,Sp2,Se2にあるときに、その警告
領域Sp1,Se1,Sp2,Se2に対応した警告を
指示する。
【0017】警告発生手段14は、警告指示手段13か
ら与えられる指示に基づいて、パイロットに与える警告
情報、すなわち本形態において操縦フィール特性を決定
する各パラメータg,δNP,FB,−FBを発生し、操縦
入力装置11のフィール発生部18に与える。これによ
って、フィール発生部18で発生される操縦フィール特
性が変更されて、入力レバー17のフィールを変化して
パイロットに警告を発する。したがって、パイロットは
入力レバー17のフィールの変化から、機体の飛行状態
が安全な飛行領域から運用限界に近付き、または運用限
界以上の危険な領域にあることを、認識することができ
る。このように、本形態では操縦入力手段11が、パイ
ロットに警告を与える警告伝達手段として機能してい
る。
【0018】さらにパイロットに、機体の飛行状態が危
険な領域に近付きまたは危険な領域内にあることを、機
体の操縦感覚によって認識させることができ、パイロッ
トは複数の計器類を見ることなく、飛行状態の運用限界
への接近を認識することができる。このようにパイロッ
トが容易に飛行状態を認識できる。
【0019】図3は警告フラグFの一例を示す図であ
り、図3(1)は飛行状態Xの危険度が高くなる方向に
移行する場合の警告フラグFを示し、図3(2)は飛行
状態Xの危険度が低くなる方向に移行する場合の警告フ
ラグFを示す。警告指示手段13では、前述のようにま
ず、検出センサ12からの飛行状態など、現在の状況に
基づいた運用限界Xlimが算出される。次にこの運用
限界Xlimに基づいて、警告領域Sp1,Se1,S
p2,Se2が設定される。警告領域Sp1は、予備警
告領域であり、運用限界Xlimよりも第1マージンM
1だけ危険度が低い状態Xbから運用限界Xlimに達
する前までの領域であって、 Xb ≦ X<Xlim …(1) を満たす飛行状態Xは、警告領域Sp1にあると判断さ
れる。警告領域Se1は、超過警告領域であり、運用限
界Xlimに達した危険な領域であって、 Xlim ≦ X …(2) を満たす飛行状態Xは、警告領域Se1にあると判断さ
れる。
【0020】警告領域Sp2は、予備警告領域であり、
運用限界Xlimよりも第1マージンM1および第2マ
ージンM2だけ危険度が低い状態Xf1から運用限界X
limよりも第2マージンM2だけ危険度が低い状態X
f2に達する前までの領域であって、 Xf1 ≦ X<Xf2 …(3) を満たす飛行状態Xは、警告領域Sp2にあると判断さ
れる。警告領域Se2は、超過警告領域であり、運用限
界Xlimよりも第2マージンM2だけ危険度が低い状
態Xf2に達した危険な領域またはその危険な領域に極
めて接近した領域であって、 Xf2 ≦ X …(4) を満たす飛行状態Xは、警告領域Se2にあると判断さ
れる。ここで第1および第2マージンM1,M2は、機
種やパイロットの好みなどによって予め設定される値で
あり、M1>M2を満たしている。
【0021】警告指示手段13では、このような各警告
領域Sp1,Se1,Sp2,Se2を設定して、飛行
状態Xが各警告領域Sp1,Sp2よりも充分に安全な
領域Ss1,Ss2をも含んで3つの領域に分け、各領
域に対応して次のような警告を指示する。充分に安全な
領域Ss1,Ss2にあるときには、警告フラグF=0
とし、飛行状態Xが充分に安全な領域にあることを示
し、警告を指示しない。飛行状態Xが各警告領域Sp
1,Sp2にあるときには、警告フラグF=1とし、飛
行状態Xが危険な領域に近づいていることを示し、第1
段階の警告、すなわち予備警告を指示する。飛行状態X
が各警告領域Se1,Se1にあるときには、警告フラ
グF=2とし、飛行状態Xが危険な領域に突入し、ある
いは極めて近づいていることを示し、第2段階の警告、
すなわち超過警告を指示する。
【0022】このように警告領域を2段階に設定するこ
とによって、パイロットは、機体の危険な状態を段階的
に認識して、正確な状況把握をすることができる。また
運用限界よりも危険度が低い安全な領域に予備警告領域
を設定することによって、運用限界に達する前にパイロ
ットが運用限界以上の危険な領域に突入することを回避
するか、または敢行するかを判断する余地を与えること
ができる。さらに、飛行状態Xの危険度が高くなりつつ
ある場合に各警告領域に入る飛行状態の設定値、すなわ
ち予備警告および超過警告の開始設定値Xb,Xlim
よりも、飛行状態Xの危険度が低くなる場合に各警告領
域から出る飛行状態の設定値、すなわち予備警告および
超過警告の終了設定値Xf1,Xf2を、第2マージン
M2だけ危険度が低い側にずらすことによって、いわゆ
るヒステリシス的な特性を持たせ、警告の煩雑な変化、
本形態においては操縦フィール特性の煩雑な変化を防止
することができる。
【0023】図4は、警告指示手段13における警告フ
ラグFの判定のフローチャートである。警告指示手段1
3では、まずステップa1で、制限値、すなわち運用限
界Xlimが検出センサ12によって検出される飛行状
態などから算出される。次にステップa2で、飛行状態
Xが予備警告終了設定値Xf1よりも危険度が低い安全
領域側にあるか判断され、安全領域側にあると判断され
ると、ステップa3に移行し、飛行状態Xが、危険度が
高くなる方向に移行する場合および危険度が低くなる方
向に移行する場合の両方の場合において充分安全な領域
Ss1,Ss2のいずれかにあるので、警告フラグF=
0とする。
【0024】ステップa2で、飛行状態Xが予備警告終
了設定値Xf1に達して危険度が高い領域にあると判断
されると、ステップa4で、飛行状態Xが予備警告開始
設定値Xbよりも安全領域側にあるか判断され、安全領
域側にあると判断されると、ステップa5に移行する。
ステップa5では、現在の警告フラグFが1であるか判
断され、現在の警告フラグFが1でない場合には、ステ
ップa6で飛行状態Xの危険度が高くなる方向に移行し
つつある状態にあり、飛行状態Xが領域Ss1にあるの
で、警告フラグF=0とし、現在の警告フラグFが1で
ある場合には、ステップa7で飛行状態Xの危険度が低
くなる状態にあり、飛行状態Xが予備警告領域Sp2に
あるので、警告フラグF=1とする。
【0025】ステップa4で、飛行状態Xが予備警告開
始設定値Xbに達して危険度が高い領域側にあると判断
されると、ステップa8で、飛行状態Xが超過警告終了
設定値Xf2よりも安全領域側にあるか判断され、安全
領域側にあると判断されると、ステップa9に移行し、
飛行状態Xの危険度が高くなる方向に移行する場合およ
び危険度が低くなる方向に移行する場合の両方の場合に
おいて予備警告領域、すなわち飛行状態Xが各領域Sp
1,Sp2のいずれかにあるので、警告フラグF=1と
する。
【0026】ステップa8で、飛行状態Xが超過警告終
了設定値Xf2に達して危険度の高い領域側にあると判
断されると、ステップa10で、飛行状態Xが超過警告
開始設定値、すなわち運用限界Xlimよりも安全領域
側にあるか判断され、安全領域側にあると判断される
と、ステップa11に移行する。ステップa11では、
現在の警告フラグFが2であるか判断され、現在の警告
フラグFが2でない場合には、ステップa12で飛行状
態Xの危険度が高くなる方向に移行しつつある状態にあ
り、飛行状態Xが領域Sp1にあるので、警告フラグF
=1とし、現在の警告フラグFが2である場合には、ス
テップa13で飛行状態Xの危険度が低くなる方向に移
行する状態にあり、飛行状態Xが超過警告領域Se2に
あるので、警告フラグF=2とする。
【0027】ステップa10で、飛行状態Xが運用限界
Xlimに達して危険度の高い領域側にあると判断され
ると、飛行状態Xの危険度が高くなる方向に移行する場
合および危険度が低くなる方向に移行する場合の両方の
場合において超過警告領域Se1,Se2のいずれかに
あるので、警告フラグF=2とする。このようにして判
定される警告フラグFが、警告指示手段13から指示内
容として、警告発生手段14に与えられる。
【0028】図5は、警告発生手段14で発生される各
パラメータg,δNP,FB,−FBによって変更される操
縦フィール特性を示す図であり、図5(1)は、警告フ
ラグF=0のときの操縦フィール特性を示し、図5
(2)は、警告フラグF=1のときの操縦フィール特性
を示し、図5(3)は、警告フラグF=2のときの操縦
フィール特性を示す。警告発生手段14は、前述のよう
に、警告指示手段13から与えられる指示に基づいて、
操縦フィール特性を決定する各パラメータg,δNP,F
B,−FBを発生し、これによって操縦フィール特性を変
更する。すなわち、警告発生手段14には、警告指示手
段13から警告フラグFがどのような警告を与えるかの
指示として与えられ、これに対応して、操縦フィール特
性が変更される。
【0029】警告発生手段14に、警告指示手段13か
ら警告フラグF=0が与えられると、すなわち警告なし
の指示が与えられた場合には、図2に示す操縦フィール
特性と同様の各パラメータg=g0,δNP=δNP0,F
B=FB0,−FB=−FB0を発生し、すなわち通常時の
操縦フィール特性から変更されない。警告発生手段14
に、警告指示手段13から警告フラグF=1が与えられ
ると、すなわち予備警告の指示が与えられた場合には、
後述するように、中立位置δNP=δnpwとされて現在
の操作方向と反対方向にずれるように変更されるととも
に、フィール傾斜g=gpwとされて増加するように変
更され、図5(2)に示される操縦フィール特性に変更
される。警告発生手段14に、警告指示手段13から警
告フラグF=2が与えられると、すなわち超過警告の指
示が与えられた場合には、ブレークアウト力FB =Fp
w,−FB =Fpwとされて増加するように変更され、
図5(3)に示される操縦フィール特性に変更される。
【0030】予備警告を発するときに、フィール傾斜α
1 だけを変化させた場合には、操縦変位δが中立位置δ
NP0付近にあるときに、操縦力の変化が小さく分かりに
くい。また中立位置δNPだけを変化させた場合には、所
望の操縦力F変化を得るための中立位置変化が非常に大
きくなってしまう。中立位置δNPとフィール傾斜gとの
両方を変化させることによって、操縦変位がどこにあっ
ても一定の操縦力F変化を得ることができ、かつ中立位
置δNPとフィール傾斜gの変化量が適切な範囲に収ま
る。また中立位置δNPを変化させることによって、パイ
ロットが操縦力Fを緩めた場合に飛行状態の危険度の低
くなる方向に移行するように操縦入力が与えられ、飛行
状態Xが充分安全な領域まで戻すことができる。さらに
超過警告時に、ブレークアウト力FB,−FBを変化した
場合には、操縦変位がどこにあっても一定の操縦力F変
化を得ることができるとともに、フィール傾斜gのさら
なる増加によって、オーバーライドすることができなく
なることを防止している。
【0031】図6は予備警告時のフィール傾斜gおよび
中立位置δNPの変化量の算出手順を示すフローチャート
であり、図7は図6に示すフローチャートによるフィー
ル傾斜gおよび中立位置δNPの変化量の算出手順を説明
するための図である。前述のように入力レバー17がど
のように変位されていても、一定の操縦力変化を得るた
めに、操縦力変化量Fpwは、予め決定されている。
【0032】通常時の中立位置δNP0からの操作量δs
が予め定める一定量δpw以下の場合、すなわち中立位
置からの変位量が小さい場合には、前述のようにフィー
ル傾斜gの増加だけでは、前記一定の操縦力変化を得る
ことが困難であるため、中立位置を変化させる必要があ
る。このような場合には、中立位置δNPを、δNP0から
δpw−δsだけパイロットの操作方向と逆に移動させ
て、中立位置とパイロットの操作位置との間にフィール
傾斜の変化による操縦力変化が充分感じられるだけの感
覚、すなわち中立位置変化量δpwを確保する。また通
常時の中立位置δNP0からの操作量δsが予め定める一
定量δpwより大きい場合、すなわち中立位置からの変
位量が大きい場合には、中立位置の変更はしない。この
場合に、中立位置の変化による操縦力増加Fnは、 Fn = max(0,g0(δpw−δs)) …(5) で与えられる。ここで、g0は通常時のフィール傾斜で
ある。フィール傾斜の増加による操縦力変化はFpw−
Fnで与えられ、中立位置とパイロットの操作位置との
間隔は、 δs+max(0,δpw−δs) …(6) で与えられるので、予備警告のフィール傾斜gpwは、 gpw=g0+(Fpw−Fn)/(δs+max(0,δpw−δs)) …(7) で与えられる。さらに超過警告時には、FB =Fpwと
して、ブレークアウト力FBが増加される。
【0033】このような操縦フィール特性の変化によっ
て、パイロットに警告を与える方法は、操縦フィール特
性のフィール傾斜g、中立位置δNP、およびブレークア
ウト力FB,−FBを任意に変更できる機能を有する操縦
入力装置であれば適用することができる。また操縦フィ
ール特性の変更は、上述のような変更に限られることは
なく、たとえば入力レバー17の現在の変位位置からフ
ィール傾斜が増加するように、フィール傾斜を2段階に
する、または、入力レバー17の現在の変位位置におい
て、操縦力が急激に変化するように、段差を形成するな
ど、他の特徴の操縦フィール特性に変更するようにして
もよい。
【0034】図8は、警告装置10を双発ヘリコプタの
メインロータのトルクの制限に対する警告装置として適
用した場合の構成を示すブロック図である。検出センサ
12は、各エンジンの出力軸のトルクを検出する第1ト
ルクセンサ30および第2トルクセンサ31と、機体の
対気速度を検出する対気速度センサ32とから構成され
る。各センサ30〜32によって検出された出力トルク
および対気速度は、警告指示手段13に与えられる。
【0035】警告指示手段13では、まず図9および図
10に示すフローチャートに従って、制限値演算回路3
5において、各センサ30〜32からの出力トルクおよ
び対気速度に基づいて、運用限界であるトルクの制限値
Xlimが算出、すなわち表1に示す制限値が選ばれ
る。図9を参照して、まずステップc1で、2基のエン
ジンが両方とも正常であるか判断され、2基のエンジン
が両方とも正常である場合を除いて以降の処理へ以降
する。
【0036】ステップc1で、2基のエンジンが共に正
常であると判断された場合には、ステップc2へ移行
し、対気速度Vが最良上昇速度を超えているか判断され
る。対気速度Vが最良上昇速度を超えていない場合に
は、ステップC3へ移行し、現在の出力トルクが通常飛
行時に使用可能な両エンジン正常時の連続最大値を超え
ているか判断される。この連続最大値を超えていないと
判断されると、ステップc4へ移行し、離陸出力を使用
したかどうか判断される。すなわち離陸時には安全に離
陸するために大きな出力を必要とするので、制限値が緩
められており、この状態で出力を得たどうか判断され
る。離陸出力を使用していない場合には、ステップc5
で制限値を離陸最大として制限値を緩めて処理を終了
し、離陸出力を使用した後は、ステップc6で制限値を
連続最大、つまり通常状態の連続てきに用いる場合の最
大値として処理を終了する。
【0037】ステップc2で、対気速度Vが最良上昇速
度を超えている場合には、ステップC7へ移行し、制限
値を連続最大、つまり通常状態の連続的に用いる場合の
最大値として処理を終了する。またステップC3で現在
の出力トルクが連続最大値を超えている場合には、ステ
ップc8へ移行し、離陸のために出力トルクの制限値を
たとえば5分間の時間制限付きで緩めるために、離陸出
力計時カウンタを更新して、ステップc9へ移行し、制
限時間に到達したか判断され、制限時間に達していない
場合には、ステップc4以降の処理へ移行し、制限時間
に到達している場合には、ステップc10で離陸出力を
使用したとしてフラグを1とした後にステップc4以降
の処理へ移行する。
【0038】図10を参照して、2基のエンジンが両方
とも正常であると判断されず、以降に移行した場合に
は、ステップc11で、2基のエンジンのうちいずれか
片方のエンジンだけが故障しているか判断され、片方の
エンジンだけが故障しているのではない場合には、ステ
ップc12へ移行し、2基のエンジンがともに故障して
いる状態にあるので、トルクの制限なしとして、処理を
終了する。
【0039】ステップc11でいずれか片方のエンジン
だけが故障している場合には、ステップc13へ移行
し、現在の出力トルクが30分間定格出力トルクを超え
ているか判断され、30分定格出力トルクを超えていな
い場合には、ステップc14へ移行し、現在の出力トル
クが片発不作動時の連続最大出力トルクを超えているか
判断される。この連続最大出力トルクの超えていない場
合には、ステップc15へ移行し、30分間定格出力ト
ルクを使用したかどうか判断される。すなわちエンジン
が1基不作動の状態では、緊急時の危険回避のためなど
に、大きな出力を必要とするので、制限値が緩められて
おり、この状態での出力を得たどうか判断される。30
分間定格出力トルクを使用していない場合には、ステッ
プc16へ移行し、2.5分間定格出力トルクを使用し
たかどうか判断される。すなわちエンジンが1基不作動
の状態では、緊急時の危険回避のためなどに、大きな出
力を必要とするので、30分間定格出力を使用していな
いときにさらに制限値が緩められており、この状態での
出力を得たどうか判断される。2.5分間定格出力を使
用していない場合には、ステップc17で制限値を2.
5分間定格出力として処理を終了し、2.5分間定格出
力を使用している場合には、ステップc18で制限値を
30分間定格出力として処理を終了する。
【0040】ステップc13で現在の出力トルクが30
分間定格出力を超えている場合には、ステップc19へ
移行し、出力トルクの制限値を時間制限付きで緩めるた
めに、2.5分間定格出力計時カウンタを更新して、ス
テップc20へ移行し、制限時間に到達したか判断され
る。制限時間に達していない場合には、ステップc15
以降の処理へ移行し、制限時間に到達している場合に
は、ステップc21で2.5分間定格出力を使用したと
してフラグを1とした後にステップc15以降の処理へ
移行する。またステップc14で現在の出力トルクが3
0分間定格出力を超えている場合には、ステップc22
へ移行し、出力トルクの制限値を時間制限付きで緩める
ために、30分間定格出力計時カウンタを更新して、ス
テップc23へ移行し、制限時間に到達したか判断され
る。制限時間に達していない場合には、ステップc15
以降の処理へ移行し、制限時間に到達している場合に
は、ステップc24で30分間定格出力を使用したとし
てフラグを1とした後にステップc15以降の処理へ移
行する。ステップc15で30分間定格出力を使用して
いる場合には、ステップc25で制限値をエンジンが1
基不作動時の連続最大値として、処理を終了する。
【0041】このようなフローチャートに従って、制限
値演算回路35で、制限値が演算される。つまり、制限
値として、両エンジン正常時の離陸最大および連続最
大、ならびに片エンジン不作動時の2.5分間定格、3
0分間定格および連続最大が、たとえば前述の表1に示
すように選ばれる。
【0042】再び図8を参照して、警告指示手段13で
は、さらに、警告フラグ演算回路36に、制限値演算回
路35からトルクの制限値が与えられるとともに、各ト
ルクセンサ30,31から検出トルクが与えられ、警告
フラグ演算回路36において、図4に示すフローチャー
トに従って警告フラグFが演算される。演算された警告
フラグ36が警告発生手段14に与えられ、前述のよう
に操縦フィール特性を変更してパイロットに警告が与え
れる。
【0043】図11は、双発ヘリコプタが滑走路40に
向けて進入降下中に、降下決定点以前にエンジン1基が
故障した場合に着陸復行するときの高度の推移を示す図
である。また図12(1)はトルク制限値および実際の
出力トルクの時歴を示し、図12(2)は警告フラグF
の時歴を示し、図12(3)は中立位置δNPの時歴を示
し、図12(4)はフィール傾斜gの時歴を示し、図1
2(5)はブレークアウト力FB の時歴を示す。図11
および図12を参照して、警告装置10の動作を、着陸
復行を例にとって説明する。
【0044】時刻T0から、2基のエンジンが両方とも
正常な状態で滑走路40に向けて進入降下中に、時刻A
において片方のエンジンが故障して停止した場合、その
エンジン停止が着陸決定点(LDP:120ft)以前
に発生している場合には、パイロットは、入力レバー1
7を引き上げるように操作して、機体の大きな浮力を得
るように操作する。このとき警告指示手段13は、各ト
ルクセンサ30からの信号の変化によって、片方のエン
ジンが停止したことを検知し、トルク制限値Xlimを
片発不作動時の2.5分間定格出力に設定する。
【0045】パイロットの入力レバー17の操作に追従
してトルクXが上昇し、時刻A1で片発不作動時の連続
最大以上となり、この時点で30分計測タイマが計時を
開始し、時刻Bで片発不作動時の30分間定格出力を超
え、この時点から2.5分計測用タイマが計時を開始す
る。さらにトルクXが上昇し、時刻CでトルクがX=X
lim−M1となり、予備警告領域に突入すると、警告
指示装置13が警告フラグF=1として予備警告を警告
発生手段14に指示する。これに応答して警告発生手段
14が中立位置δNPを操作変位方向と逆方向に変位する
とともにフィール傾斜gを増加して、警告を発する。こ
れによって、パイロットは、操縦力の変化からトルクX
が制限値Xlimに近付いたことを認識する。
【0046】パイロットがさらにトルクが必要であると
判断して入力レバー17を引き上げ続けると、やがて時
刻DでトルクXが制限値Xlimを超える。このとき、
警告指示手段13は、警告フラグF=2として超過警告
を指示する。これに応答して警告発生手段14がブレー
クアウト力FB を増加して警告を発する。これによっ
て、パイロットは、操縦力の変化からトルクXが制限値
Xlim以上になったことを認識し、操縦力を緩めてト
ルクXが制限値Xlimよりも小さい領域に収まるよう
に操縦する。時刻EでトルクがX=Xlim−M2より
も低くなったときに警告フラグF=1となり、ブレーク
アウト力FB が通常時の値に戻る。このときトルクXは
制限値Xlimに対してM2の余裕を有しており、ブレ
ークアウト力FB の低下で入力レバー18が過渡的に引
き上げられても直ちに超過警告に入ることがない。これ
によって、パイロットは、制限値に充分近いトルクを持
続させて操縦することができる。
【0047】やがて2.5分計測用タイマが2.5分を
計時した時点、すなわち時刻Fでトルク制限値Xlim
は30分定格出力に減少する。この2.5分定格出力が
使用できる間に、パイロットは、たとえば対気速度V=
50ktまで増速して、200ftまで上昇し、すなわ
ち第1工程42を行い、たとえば対気速度V=65kt
まで増速する。すなわち第2工程43を行う。時刻Fで
2.5分定格出力ぎりぎりのトルクXを使用していた場
合には、制限値超過となり、警告指示手段13は警告フ
ラグF=2として再び超過警告を指示する。これによっ
て、再びパイロットはブレークアウト力FB の増加か
ら、超過警告を認識して、入力レバー17をトルクXが
制限値Xlimより小さい領域に収まるように操縦す
る。時刻GでトルクがX=Xlim−M2よりも低くな
ったときに警告フラグF=1となり、ブレークアウト力
B が通常時の値に戻る。このときトルクXは制限値X
limに対してM2の余裕を有しており、ブレークアウ
ト力FB の低下で入力レバー18が過渡的に引き上げら
れても直ちに超過警告に入ることがない。これによっ
て、パイロットは、制限値Xlimに充分近いトルクを
持続させて操縦することができる。
【0048】さらに連続最大を超えた時刻A1から30
分計測タイマがカウントを開始しており、このタイマが
30分を計時するまでに安全な状態まで復帰、たとえば
対気速度V=65ktで1000ftまで上昇し、すな
わち第3工程44を行い、再び着陸態勢に入った場合、
トルクXが徐々に低下して、時刻HでX=Xlim−
(M1+M2)となり、警告指示手段は、警告フラグF
=0となって警告を指示しなくなり、警告発生手段14
は、フィール傾斜gを元に戻す。ただし、中立位置δNP
は元に戻さず、変位したままにしておき、トルクXが制
限値Xlimに近づくように大きくなりにくくすること
ができる。
【0049】上述した動作は、本発明の警告装置10の
動作の一例に過ぎず、たとえば、30分計測タイマが計
時を開始してから30分たった後に、トルクXが30分
定格ぎりぎりであった場合には、その時点で連続最大の
制限値Xlimを超えていることになり、再び超過警告
が発せられ、上述と同様にパイロットが制限値Xlim
よりも小さい領域に収まるように操縦する場合もある。
また、パイロットは、超過警告を受けた状態でも危険回
避のためにやむおえずオーバーライドすることが可能で
あることは言うまでもない。
【0050】上述した形態は、本発明の実施の形態の一
例に過ぎず、他の形態であってもよく、たとえば、警告
領域を運用限界を超えた領域だけの一段階にして、警告
を少なくしてパイロットの操縦の自由性を尊重するよう
にしてもよく、または警告領域を、運用限界を超えた領
域と運用限界を超えるまえに2段階の計3段階の警告領
域を設定するなど3段階以上の警告領域を設定するよう
にして、機体の現在の飛行状態の把握を容易にしてもよ
く、またこれらの警告領域をパイロットが選択的に設定
できるようにして、パイロットの熟練度および好みに対
応できるようにしてもよい。
【0051】また警告は、赤色ランプを点灯するなどし
てパイロットの視覚に訴えるようにしてもよく、警告音
を発して聴覚に訴えるようにしてもよい。このように視
覚および聴覚に訴えることによって、入力レバー17の
操作性を維持した状態で、複数の計器類から読み取るな
どの複雑な作業を必要とすることなく、パイロットが警
告を受け取ることができる。
【0052】また上述の形態は、双発ヘリコプタのエン
ジンの出力トルクの制限に対する警告装置10として説
明したけれども、その他のたとえば対気速度の制限に対
する警告装置としても、好適に実施することができる。
また単発ヘリコプタまたはヘリコプタ以外の航空機に
も、好適に実施することができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、機体の飛
行状態が危険な領域に近付きまたは危険な領域内にある
ことを、パイロットに段階的に認識させ、危険回避のた
めの判断をする余裕を与えることができる。さらにパイ
ロットに、機体の飛行状態が危険な領域に近付きまたは
危険な領域内にあることを、機体の操縦感覚によって認
識させると同時に安全な飛行領域へ移行するように回復
操作を促すことができ、パイロットは複数の計器類を見
ることなく、飛行状態が危険な領域に接近または突入し
たことを認識することができ、かつ安全な飛行領域に向
かう回復操作が行える。このときパイロットに与える操
縦感覚の変化はパイロットがどのような操縦をしていて
も一定にすることが可能であり、パイロットは確実に警
告を認識することができる。なおかつこの発明によるフ
ィール特性の変更はフィール傾斜が過大になることを防
ぐことができ、したがってパイロットの積極的な操縦、
すなわちオーバーライドを妨げることができない。この
ようにパイロットのワークロードを低減することが可能
となる。したがってパイロットは航空機の操縦に専念す
ることができ、運用限界付近での飛行安全を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の飛行領域逸脱の警告装
置10の構成を示すブロック図である。
【図2】操縦フィール特性の一例を示す図である
【図3】警告フラグFの一例を示す図である。
【図4】警告フラグFの判定のフローチャートである。
【図5】操縦フィール特性の変更の一例を示す図であ
る。
【図6】予備警告時のフィール傾斜の計算のフローチャ
ートである。
【図7】予備警告時のフィール傾斜の計算の説明のため
の図である。
【図8】警告装置10を、双発ヘリコプタのエンジンの
出力トルクの制限の警告装置に適応した場合の構成を示
す図である。
【図9】トルクの制限値を決定するためのフローチャー
トである。
【図10】トルクの制限値を決定するためのフローチャ
ートである。
【図11】双発ヘリコプタの進入降下時にエンジンが1
基停止した場合の着陸復行の機体の高度の推移を示す図
である。
【図12】図11に示す着陸復行時のトルク制限値およ
び出力トルク、警告フラグ、中立位置、フィール傾斜な
らびにブレークアウト力の時歴を示すグラフである。
【符号の説明】
10 警告装置 11 操縦入力手段 12,30〜32 センサ 13 警告指示手段 14 警告発生手段 17 入力レバー 18 フィール発生部 35 制限値演算回路 36 警告フラグ演算回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−91159(JP,A) 特開 平8−2434(JP,A) 特開 昭57−33048(JP,A) 特開 昭57−167845(JP,A) 米国特許5025378(US,A) 米国特許4908617(US,A) 「航空電子装置[改訂版]」(日刊工 業新聞社 昭和53年1月30日改訂版発行 p.298−306) 「航空機器システム」(産業図書株式 会社 昭和58年3月25日発行 p.218 −222 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64D 45/00 B64C 13/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体の運用限界に基づいて、危険度が低
    い側の予備警告領域と、危険度が高い側の超過警告領域
    とから成る2段階の警告領域を設定し、 機体の飛行状態が予備警告領域にあるときには、操縦入
    力手段の操縦フィール特性を、中立位置が操縦入力手段
    の操作方向と反対方向に移動されるとともにフィール傾
    斜が増加されるように変更して予備警告を発し、 機体の飛行状態が超過警告領域にあるときには、操縦入
    力手段の操縦フィール特性を、前記予備警告における操
    縦フィール特性の変更に加えて、ブレークアウト力を増
    加させて超過警告を発することを特徴とする飛行領域逸
    脱の警告方法。
  2. 【請求項2】 操縦入力部と操縦入力部に与える操縦フ
    ィール特性を発生するフィール発生部とを有する操縦入
    力手段と、 機体の飛行状態を検出するセンサと、 機体の運用限界に基づいて、危険度が低い側の予備警告
    領域と、危険度が高い側の超過警告領域とから成る2段
    階の警告領域を設定し、センサから与えられる機体の飛
    行状態が予備警告領域にあるときには予備警告を指示
    し、センサから与えられる機体の飛行状態が超過警告領
    域にあるときには超過警告を指示する警告指示手段と、 警告指示手段から予備警告が指示されたとき、操縦入力
    手段の操縦フィール特性を決定するパラメータを、中立
    位置が操縦入力手段の操作方向と反対方向に移動される
    とともにフィール傾斜が増加されるように算出して操縦
    入力手段に与え、警告指示手段から超過警告が指示され
    たとき、操縦入力手段の操縦フィール特性を決定するパ
    ラメータを、前記予備警告における操縦フィール特性の
    変更に加えて、ブレークアウト力を増加させるように算
    出して操縦入力手段に与える警告発生手段とを備え、 操縦入力手段は、警告発生手段からのパラメータに対応
    して、フィール発生部が操縦フィール特性を変更して、
    操縦入力部のフィールを変化してパイロットに警告を与
    えることを特徴とする飛行領域逸脱の警告装置。
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