JP2998409B2 - ロケットノズル - Google Patents

ロケットノズル

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JP2998409B2
JP2998409B2 JP4074307A JP7430792A JP2998409B2 JP 2998409 B2 JP2998409 B2 JP 2998409B2 JP 4074307 A JP4074307 A JP 4074307A JP 7430792 A JP7430792 A JP 7430792A JP 2998409 B2 JP2998409 B2 JP 2998409B2
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島 卓 矢
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02KJET-PROPULSION PLANTS
    • F02K9/00Rocket-engine plants, i.e. plants carrying both fuel and oxidant therefor; Control thereof
    • F02K9/80Rocket-engine plants, i.e. plants carrying both fuel and oxidant therefor; Control thereof characterised by thrust or thrust vector control
    • F02K9/90Rocket-engine plants, i.e. plants carrying both fuel and oxidant therefor; Control thereof characterised by thrust or thrust vector control using deflectors

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状のジェッタベータ
を用いた推力方向制御機能付きのロケットノズルに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種のロケットノズルは、図7に示す
ように、ノズル本体101の外周に環状のジェッタベー
タ102が回動自在に装着してあると共に、前記ノズル
本体101とジェッタベータ102を図示しないアクチ
ュエータで連結した構成になっており、アクチュエータ
の作動で図8に示すようにジェッタベータ102を回動
させることにより、燃焼ガスの噴流の方向を変化させ
る。
【0003】上記したようなロケットノズルは、例え
ば、昭和58年に丸善が発行した「航空宇宙工学便覧・
増補版」の第652頁および第653頁に記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来のロケットノズルにあっては、ジェッタベータ
102の内面全体が軸線に対して傾斜したテーパ状を成
しているため、ジェッタベータ102の操作角度を大き
くした場合、図9に示す変向の外側部分において、ノズ
ル本体101から噴出した燃焼ガスの流れがジェッタベ
ータ102の内面に対して大きな角度で衝突することと
なって、ノズル本体101の出口のごく近傍で圧力が急
激に上昇し、双方の間から燃焼ガスが漏れる恐れがあっ
た。
【0005】また、ノズル本体101の出口圧力が2.
6気圧程度の不足膨張状態では、ジェッタベータ102
の操作角度が小さくても燃焼ガスの漏れが生じる恐れが
ある。なお、ノズル本体101とジェッタベータ102
との間から漏れる燃焼ガスは、200〜800m/sの
速度で噴出すると共に、約2500Kの高温であって、
噴出部分にアクチュエータやケーブル類が配置されてい
れば、これらを破壊するには十分な熱エネルギーを有し
ている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記したような従来の不具合
を解消するために成されたものであって、ジェッタベー
タの回動やノズル本体の出口圧力の増大に伴う燃焼ガス
の漏れを防ぐことができるロケットノズルを提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるロケット
ノズルは、ノズル本体に環状のジェッタベータを回動自
在に備えたロケットノズルであって、前記ジェッタベー
タの内側に、ノズル本体の出口近傍に位置して外側方向
へ膨出状態を成す湾曲部を全周にわたって設けた構成と
しており、上記構成を課題を解決するための手段として
いる。
【0008】
【発明の作用】本発明に係わるロケットノズルでは、ジ
ェッタベータの内側にノズル本体の出口近傍に位置して
外側方向へ膨出状態を成す湾曲部を設けたことにより、
この湾曲部で循環流を生じさせ、ノズル本体の出口近傍
での急激な圧力上昇を抑制する。
【0009】また、上記ロケットノズルでは、ジェッタ
ベータの操作角度を大きくした場合でも、前記湾曲部に
より、ノズル本体から噴出した燃焼ガスの流れがジェッ
タベータの内面に衝突するときの角度を小さく保つこと
となり、なお且つ先の循環流により、ノズル本体の出口
近傍での急激な圧力上昇を抑制する。
【0010】したがって、上記ロケットノズルでは、上
述の圧力上昇の抑制により、燃焼ガスの漏れが生じない
ものとなる。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図4に基づいて本発明の一実施
例を説明する。
【0012】図1に示すロケットノズルNは、燃焼器の
尾部に設けられるノズル本体Mの外周に、環状のジェッ
タベータJが回動自在に装着してある。前記ノズル本体
MとジェッタベータJは、油圧シリンダ等のアクチュエ
ータ(図示せず)で連結してあり、アクチュエータの作
動で図2に示すようにジェッタベータJを回動させるこ
とにより、燃焼ガスの噴流の方向を変化させる。このと
き、前記ジェッタベータJの最大操作角度は、例えば1
2度程度である。
【0013】前記ジェッタベータJは、その内側に、ノ
ズル本体Mの出口近傍に位置して外側方向へ膨出状態を
成す湾曲部1を全周にわたって有しており、この湾曲部
1から出口にかけては、内径が漸次小さくなるテーパ部
2となっている。
【0014】上記構成を備えたロケットノズルNは、ロ
ケット作動中においてノズル本体MとジェッタベータJ
が同軸である状態を図3に示すように、ノズル本体Mの
出口下流における湾曲部1で循環流Cを生じさせ、この
循環流Cをエアーカーテンとして働かせると共に、ノズ
ル本体Mの出口近傍での急激な圧力上昇を抑制して、ノ
ズル本体MとジェッタベータJの間から燃焼ガスが漏れ
るのを防止する。
【0015】また、上記ロケットノズルNは、図4に示
すようにジェッタベータJを回動させた場合には、図4
の下側に示す変向の外側部分において、前記湾曲部1に
より、ノズル本体Mから噴出した燃焼ガスの流れがジェ
ッタベータJの内面に衝突するときの角度を小さくし、
前記燃焼ガスがジェッタベータJの出口方向に円滑に流
れるようにすると同時に、ジェッタベータJの内面に衝
突した燃焼ガスのノズル本体方向の速度成分を著しく小
さくすることとなり、なお且つ先の循環流Cにより、ノ
ズル本体Mの出口近傍での急激な圧力上昇を抑制して、
ノズル本体MとジェッタベータJの間から燃焼ガスが漏
れるのを防止している。
【0016】なお、図4の上側に示す変向の内側部分で
は、外側部分ほどの圧力上昇は生じないが、湾曲部1に
おいてより大きな循環流Cが生じると共に、外側部分と
同様にノズル本体から噴出した燃焼ガスがジェッタベー
タJの内面に衝突するときの角度を小さく保っている。
【0017】上記実施例に示したロケットノズルNと従
来におけるロケットノズル(図7参照)について、コン
ピュータを用いて燃焼ガスの流れの解析を行った。
【0018】その結果により得られたノズル内面の圧力
分布を図5および図6のグラフに示す。なお、各グラフ
の横軸に示したノズル内面に添う軸線方向の距離は、ジ
ェッタベータJの回転軸を零として、ノズル本体M側を
負側とし、ジェッタベータJ側を正側としており、さら
に、ジェッタベータJを回動させたときの変向の外側部
分におけるノズル内面に添う軸線方向の距離を示してい
る。
【0019】すなわち、図5に示すように、ノズル本体
とジェッタベータとが同軸状態(操作角度が0度)にあ
る場合、従来のロケットノズルは、ノズル本体の出口近
傍で圧力が急激に上昇する。これに対して、実施例のロ
ケットノズルNは、従来のロケットノズルで圧力が上昇
し終えた位置では依然として低い圧力にあり、これより
もさらに下流で圧力の上昇が生じており、ノズル本体M
の出口近傍での圧力上昇を確実に抑制している。なお、
ノズル本体Mの出口圧力は、1.8気圧に保たれてい
る。
【0020】次に、図6に示すように、ジェッタベータ
の操作角度を12度とした場合では、ジェッタベータ側
での圧力上昇の度合いは増大するが、実施例のロケット
ノズルNは、従来のロケットノズルで圧力が上昇し終え
た位置においても圧力が低く、その下流側で従来のロケ
ットノズルよりも緩やかに圧力が上昇することとなり、
ジェッタベータを回動させていない場合と同様に、ノズ
ル本体Mの出口近傍での圧力上昇を確実に抑制してい
る。
【0021】また、実施例のロケットノズルNにおいて
ジェッタベータJの操作角度を12度とし、さらにノズ
ル本体Mの出口圧力を3気圧としたところ、図6中の太
い波線で示すように、出口圧力が1.8気圧の場合と同
様にノズル本体Mの出口近傍での圧力上昇が抑制される
ことを確認した。
【0022】このように、上記実施例のロケットノズル
Nでは、ジェッタベータJを回動させたりノズル本体M
の出口圧力が増大したりしても、ノズル本体Mの出口近
傍での圧力上昇を抑制することとなり、ノズル本体Mと
ジェッタベータJの間から燃焼ガスが漏れることは無
い。
【0023】さらに、コンピユータを用いた燃焼ガスの
流れの解析によれば、ジェッタベータJを12度回動さ
せると共に、ノズル本体Mの出口圧力を2.5気圧以上
とした場合、ノズル本体MとジェッタベータJの間から
外気の吸い込みが生じることを確認した。このようなエ
ジェクター効果を利用すればジェッタベータJ内で二次
燃焼を行わせることも可能であり、推力の増大を図るこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のロケ
ットノズルは、ジェッタベータの内側に設けた湾曲部に
より、ノズル本体から噴出した燃焼ガスの流れを円滑に
して、ノズル本体の出口近傍での急激な圧力上昇を抑制
することができ、ジェッタベータを回動させたりノズル
本体の出口圧力を増大させたりした場合でも上記の圧力
上昇を抑制する機能を保ち続けて、ノズル本体とジェッ
タベータの間から燃焼ガスが漏れるような事態を確実に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に基づくロケットノズルを説
明する断面図である。
【図2】図1に示すロケットノズルのジェッタベータを
回動させた状態を示す断面図である。
【図3】ノズル本体とジェッタベータが同軸状態である
ときの燃焼ガスの流れを説明する断面図である。
【図4】ジェッタベータを回動させたときの燃焼ガスの
流れを説明する断面図である。
【図5】ノズル本体とジェッタベータが同軸状態である
ときのノズル内面に添う軸線方向における圧力分布を示
すグラフである。
【図6】ジェッタベータを回動させたときのノズル内面
に添う軸線方向における圧力分布を示すグラフである。
【図7】従来のロケットノズルを説明する断面図であ
る。
【図8】図7のロケットノズルのジェッタベータを回動
させた状態を示す断面図である。
【図9】従来のロケットノズルにおいてジェッタベータ
を回動させたときの燃焼ガスの流れを説明する要部の断
面図である。
【符号の説明】
J ジェッタベータ M ノズル本体 N ロケットノズル 1 湾曲部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02K 9/84 B64G 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体に環状のジェッタベータを回
    動自在に備えたロケットノズルであって、前記ジェッタ
    ベータの内側に、ノズル本体の出口近傍に位置して外側
    方向へ膨出状態を成す湾曲部を全周にわたって設けたこ
    とを特徴とするロケットノズル。
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