JP2959152B2 - 光サンプリング装置 - Google Patents
光サンプリング装置Info
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- JP2959152B2 JP2959152B2 JP3057358A JP5735891A JP2959152B2 JP 2959152 B2 JP2959152 B2 JP 2959152B2 JP 3057358 A JP3057358 A JP 3057358A JP 5735891 A JP5735891 A JP 5735891A JP 2959152 B2 JP2959152 B2 JP 2959152B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は超高速電子デバイス
(GaAs IC,InPIC)等における高速の電気
信号や、高速の光パルス波形を測定する光サンプリング
装置の改良に関するものである。
(GaAs IC,InPIC)等における高速の電気
信号や、高速の光パルス波形を測定する光サンプリング
装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の高速電子デバイスであるGaAs
のMESFETでは発振周波数が100GHzを越え、
InGaAs/AlGaAs変調ド―プFETでは20
0GHz以上の特性が得られている。これらの高速電子
デバイスは、従来のサンプリングオシロスコ―プ等では
次の2つの理由からその特性を測定することができな
い。(イ)測定帯域幅の不足最近の高速電子デバイスの
特性は、従来のサンプリングオシロスコ―プやネットワ
―クアナライザの測定帯域を上回ってしまう。(ロ)接
触による測定一般に素子が高速になるほどその配置に依
存する寄生容量等の影響を受けやすくなり、高速化を妨
げる原因となる。従来のサンプリングオシロスコ―プは
測定時に素子にブロ―ブを接触させるために、素子の特
性に影響を与えてしまう。
のMESFETでは発振周波数が100GHzを越え、
InGaAs/AlGaAs変調ド―プFETでは20
0GHz以上の特性が得られている。これらの高速電子
デバイスは、従来のサンプリングオシロスコ―プ等では
次の2つの理由からその特性を測定することができな
い。(イ)測定帯域幅の不足最近の高速電子デバイスの
特性は、従来のサンプリングオシロスコ―プやネットワ
―クアナライザの測定帯域を上回ってしまう。(ロ)接
触による測定一般に素子が高速になるほどその配置に依
存する寄生容量等の影響を受けやすくなり、高速化を妨
げる原因となる。従来のサンプリングオシロスコ―プは
測定時に素子にブロ―ブを接触させるために、素子の特
性に影響を与えてしまう。
【0003】従来、高速現象の測定には、サンプリング
法が用いられていた。図5にサンプリング法の原理を示
す。すなわち、(A)のように連続するN個の被測定信
号に対して、ゲート時間を少しずつずらしながら測定し
て行き、その結果を合成して(B)のような測定値を得
る。このため高速現象でも低速現象として処理すること
ができる。この技術では、サンプリング幅が測定結果の
時間分解能を決定する。測定帯域幅を増大させるには、
このサンプリング幅を短縮する必要がある。一方、レ―
ザの分野では近年、数psから数fsの光パルスを得る
ことが可能となってきている。そこで、この光パルスを
サンプリングのゲ―トパルスとして用いることで、従来
の電気的な手法では測定できなかった高速な信号を測定
することができるようになり、さらに被測定素子にプロ
―ブを接触させる必要がないので、素子に影響を与えず
に測定することができるようになった。
法が用いられていた。図5にサンプリング法の原理を示
す。すなわち、(A)のように連続するN個の被測定信
号に対して、ゲート時間を少しずつずらしながら測定し
て行き、その結果を合成して(B)のような測定値を得
る。このため高速現象でも低速現象として処理すること
ができる。この技術では、サンプリング幅が測定結果の
時間分解能を決定する。測定帯域幅を増大させるには、
このサンプリング幅を短縮する必要がある。一方、レ―
ザの分野では近年、数psから数fsの光パルスを得る
ことが可能となってきている。そこで、この光パルスを
サンプリングのゲ―トパルスとして用いることで、従来
の電気的な手法では測定できなかった高速な信号を測定
することができるようになり、さらに被測定素子にプロ
―ブを接触させる必要がないので、素子に影響を与えず
に測定することができるようになった。
【0004】上記のように光パルスをサンプリングに用
いた測定装置の従来例を図6に示す。この装置は、Ga
As基板が電気光学効果を有するので、電界の大きさに
応じてその戻り光の偏波面が変化することを利用してい
る。YAGレーザー1の出力光はパルス圧縮部2でps
程度のパルス幅に圧縮され、偏光子3、波長板4を介し
て被測定回路5に照射される。ここで被測定回路5がG
aAs集積回路やInP等の電気光学効果を持つ材料で
作られているとすると、回路が動作状態にあれば、その
発生電界により照射された光の偏波面が変化する。した
がってその反射戻り光は入射光とは異なる偏波面を持
つ。この偏波成分は偏光子3で分離された後受光素子6
でその強度が測定され、表示部8で測定電圧波形が表示
される。被測定回路5を駆動する駆動回路7の繰返し周
波数をYAGレーザー1のパルスの繰返し周波数から僅
かにずらし順次サンプリングすることにより、高速の現
象も低速の現象として処理することができ、図5で説明
したサンプリング技術と同じ原理で被測定回路5の内部
電圧波形を測定することができる。この装置によればp
sオーダーのサンプリング速度で測定が可能である。
いた測定装置の従来例を図6に示す。この装置は、Ga
As基板が電気光学効果を有するので、電界の大きさに
応じてその戻り光の偏波面が変化することを利用してい
る。YAGレーザー1の出力光はパルス圧縮部2でps
程度のパルス幅に圧縮され、偏光子3、波長板4を介し
て被測定回路5に照射される。ここで被測定回路5がG
aAs集積回路やInP等の電気光学効果を持つ材料で
作られているとすると、回路が動作状態にあれば、その
発生電界により照射された光の偏波面が変化する。した
がってその反射戻り光は入射光とは異なる偏波面を持
つ。この偏波成分は偏光子3で分離された後受光素子6
でその強度が測定され、表示部8で測定電圧波形が表示
される。被測定回路5を駆動する駆動回路7の繰返し周
波数をYAGレーザー1のパルスの繰返し周波数から僅
かにずらし順次サンプリングすることにより、高速の現
象も低速の現象として処理することができ、図5で説明
したサンプリング技術と同じ原理で被測定回路5の内部
電圧波形を測定することができる。この装置によればp
sオーダーのサンプリング速度で測定が可能である。
【0005】また従来から高速の光パルスを測定する手
段として、自己相関法を用いるSHG相関計が用いられ
ている。被測定光パルスを2つの光路に分け、光路差を
与えてSHG結晶に入射させ、SHG結晶から発生する
2次高調波の強度を光路差を変化させながら測定するこ
とにより、光のパルス幅を測定することができる。
段として、自己相関法を用いるSHG相関計が用いられ
ている。被測定光パルスを2つの光路に分け、光路差を
与えてSHG結晶に入射させ、SHG結晶から発生する
2次高調波の強度を光路差を変化させながら測定するこ
とにより、光のパルス幅を測定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6の
装置では測定信号とサンプリングパルス間のジッタによ
り時間分解能が低下するという課題がある。すなわちジ
ッタが光のパルス幅に比べて大きくなると、そのジッタ
程度のパルス幅の光でサンプリングすることと同等とな
り、パルス幅でなくジッタによって時間分解能が決まる
ようになる。このようなジッタは0.1ps程度は必ず
存在するので、時間分解能が制限されてしまう。また上
記の装置では時形列のサンプリング法を用いているの
で、同じ波形が繰返さなければ測定できず、単発現象を
測定することはできない。一方、前述のSHG相関計に
は次のような問題があり、その使用が制限されていた。 (イ)繰返し光パルスしか測定できず、単一光パルスの
測定が本質的に不可能である。 (ロ)自己相関法であるために、パルスの形状を測定す
ることができない。したがって、同じパルス幅であって
も、パルスの形状が異なるとパルス幅が異なって測定さ
れてしまう。 (ハ)SHG結晶で2次高調波を発生する構成であるた
め効率が悪く、被測定光の強度が低いと測定することが
できない。
装置では測定信号とサンプリングパルス間のジッタによ
り時間分解能が低下するという課題がある。すなわちジ
ッタが光のパルス幅に比べて大きくなると、そのジッタ
程度のパルス幅の光でサンプリングすることと同等とな
り、パルス幅でなくジッタによって時間分解能が決まる
ようになる。このようなジッタは0.1ps程度は必ず
存在するので、時間分解能が制限されてしまう。また上
記の装置では時形列のサンプリング法を用いているの
で、同じ波形が繰返さなければ測定できず、単発現象を
測定することはできない。一方、前述のSHG相関計に
は次のような問題があり、その使用が制限されていた。 (イ)繰返し光パルスしか測定できず、単一光パルスの
測定が本質的に不可能である。 (ロ)自己相関法であるために、パルスの形状を測定す
ることができない。したがって、同じパルス幅であって
も、パルスの形状が異なるとパルス幅が異なって測定さ
れてしまう。 (ハ)SHG結晶で2次高調波を発生する構成であるた
め効率が悪く、被測定光の強度が低いと測定することが
できない。
【0007】この発明は上記の課題を解決するためにな
されたもので、ジッタに影響されず、高い時間分解能を
持ち、単発現象でも測定することができる光サンプリン
グ装置を実現することを目的とする。
されたもので、ジッタに影響されず、高い時間分解能を
持ち、単発現象でも測定することができる光サンプリン
グ装置を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光サンプリ
ング装置の第1は出力光パルスが被測定回路に照射され
る第1の光パルス発生手段と、この第1の光パルス発生
手段の出力光と同期して時間的により短い光パルスを出
力する第2の光パルス発生手段と、前記被測定回路から
の戻り光と前記第2の光パルス発生手段からの光パルス
が空間的に時間差が生じるようにその内部で交差して照
射される非線形光学材料と、この非線形光学材料から発
生する光の空間的な分布を電気信号に変換するラインセ
ンサとを備え、ラインセンサの出力に基づいて被測定回
路の電圧波形を測定するように構成したことを特徴とす
る。本発明に係る光サンプリング装置の第2は被測定光
を出力する被測定光源と、この被測定光源と同期して時
間的により短い光パルスを出力する光パルス発生手段
と、前記被測定光源からの出力光と前記光パルス発生手
段からの光パルスが空間的に時間差が生じるようにその
内部で交差して照射される非線形光学材料と、この非線
形光学材料から発生する光の空間的な分布を電気信号に
変換するラインセンサとを備え、ラインセンサの出力に
基づいて被測定光源から出力される光パルスの強度の時
間変化を測定するように構成したことを特徴とする。
ング装置の第1は出力光パルスが被測定回路に照射され
る第1の光パルス発生手段と、この第1の光パルス発生
手段の出力光と同期して時間的により短い光パルスを出
力する第2の光パルス発生手段と、前記被測定回路から
の戻り光と前記第2の光パルス発生手段からの光パルス
が空間的に時間差が生じるようにその内部で交差して照
射される非線形光学材料と、この非線形光学材料から発
生する光の空間的な分布を電気信号に変換するラインセ
ンサとを備え、ラインセンサの出力に基づいて被測定回
路の電圧波形を測定するように構成したことを特徴とす
る。本発明に係る光サンプリング装置の第2は被測定光
を出力する被測定光源と、この被測定光源と同期して時
間的により短い光パルスを出力する光パルス発生手段
と、前記被測定光源からの出力光と前記光パルス発生手
段からの光パルスが空間的に時間差が生じるようにその
内部で交差して照射される非線形光学材料と、この非線
形光学材料から発生する光の空間的な分布を電気信号に
変換するラインセンサとを備え、ラインセンサの出力に
基づいて被測定光源から出力される光パルスの強度の時
間変化を測定するように構成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】被測定回路からの戻り光パルスと第2の光パル
ス発生手段からの短い光パルスが非線形光学材料上で交
差する際に空間的な時間差が生じ、これをラインセンサ
が2次高調波を介して検出することにより、前記戻り光
パルスが前記短い光パルスでサンプリングされるので、
測定電圧波形を測定することができる。また被測定光パ
ルスと光パルス発生手段からの短い光パルスが非線形光
学材料上で交差する際に空間的な時間差が生じ、非線形
光学材料の出射光をラインセンサが検出することによ
り、前記被測定光パルスが前記短い光パルスでサンプリ
ングされるので、被測定光パルス強度の時間変化を測定
することができる。
ス発生手段からの短い光パルスが非線形光学材料上で交
差する際に空間的な時間差が生じ、これをラインセンサ
が2次高調波を介して検出することにより、前記戻り光
パルスが前記短い光パルスでサンプリングされるので、
測定電圧波形を測定することができる。また被測定光パ
ルスと光パルス発生手段からの短い光パルスが非線形光
学材料上で交差する際に空間的な時間差が生じ、非線形
光学材料の出射光をラインセンサが検出することによ
り、前記被測定光パルスが前記短い光パルスでサンプリ
ングされるので、被測定光パルス強度の時間変化を測定
することができる。
【0010】
【実施例】以下本発明を図面を用いて詳しく説明する。
図1に本発明に係る光サンプリング装置の一実施例を示
す。図1において、11はYAGレ―ザ等のパルスレ―
ザ、12はパルスレ―ザ11から出力される光パルスの
通過を制御するシャッタを構成するポッケルスセル、1
3はポッケルスセルから出力された光を2光路に分割す
る分離手段を構成するハ―フミラ―、14はハ―フミラ
―13を透過した光の方向を変えるミラ―、15はミラ
―14で反射した光の光路長を調整するための光のディ
レイライン、16はディレイライン15を通過した光を
反射する偏光子、17は偏光子16からの反射光が照射
されるGaAs集積回路からなる被測定回路である。1
8はハ―フミラ―13で反射した光のパルス時間幅を小
さくするパルス圧縮器、20は非線形光学材料で、被測
定回路17からの戻り光が偏光子17およびミラ―19
を介して一方から入射し、パルス圧縮器18の出力光が
他方から入射して、両者が内部で交差するように配置さ
れたKTPやBBO等の非線形光学結晶を用いたもの、
21は非線形結晶20と対向してその後部に近接して設
けられ、非線形結晶で発生する2次高調波を受光するラ
インセンサで、CCD(Charge-Coupled Device )等の
ように一直線上の光の強度分布を測定するもの、22は
ラインセンサ21の出力に基づいて被測定回路17の信
号電圧波形を演算・表示する演算表示部、23は被測定
回路17の駆動信号、ラインセンサ21のスキャン信
号、パルスレ―ザ11のタイミング信号およびポッケル
スセル12の駆動信号を発生する同期駆動部である。こ
こでポッケルスセルとは電気光学効果であるポッケルス
効果を用いた光スイッチの一種である。パルスレ―ザ1
1、ポッケルスセル12およびハ―フミラ―13は被測
定回路17に照射する光パルスを発生する第1の光パル
ス発生手段を構成し、パルスレ―ザ11、ポッケルスセ
ル12、ハ―フミラ―13およびパルス圧縮器18は第
1の光パルス発生手段の出力光と同期して時間的により
短い光パルスを出力する第2の光パルス発生手段を構成
する。
図1に本発明に係る光サンプリング装置の一実施例を示
す。図1において、11はYAGレ―ザ等のパルスレ―
ザ、12はパルスレ―ザ11から出力される光パルスの
通過を制御するシャッタを構成するポッケルスセル、1
3はポッケルスセルから出力された光を2光路に分割す
る分離手段を構成するハ―フミラ―、14はハ―フミラ
―13を透過した光の方向を変えるミラ―、15はミラ
―14で反射した光の光路長を調整するための光のディ
レイライン、16はディレイライン15を通過した光を
反射する偏光子、17は偏光子16からの反射光が照射
されるGaAs集積回路からなる被測定回路である。1
8はハ―フミラ―13で反射した光のパルス時間幅を小
さくするパルス圧縮器、20は非線形光学材料で、被測
定回路17からの戻り光が偏光子17およびミラ―19
を介して一方から入射し、パルス圧縮器18の出力光が
他方から入射して、両者が内部で交差するように配置さ
れたKTPやBBO等の非線形光学結晶を用いたもの、
21は非線形結晶20と対向してその後部に近接して設
けられ、非線形結晶で発生する2次高調波を受光するラ
インセンサで、CCD(Charge-Coupled Device )等の
ように一直線上の光の強度分布を測定するもの、22は
ラインセンサ21の出力に基づいて被測定回路17の信
号電圧波形を演算・表示する演算表示部、23は被測定
回路17の駆動信号、ラインセンサ21のスキャン信
号、パルスレ―ザ11のタイミング信号およびポッケル
スセル12の駆動信号を発生する同期駆動部である。こ
こでポッケルスセルとは電気光学効果であるポッケルス
効果を用いた光スイッチの一種である。パルスレ―ザ1
1、ポッケルスセル12およびハ―フミラ―13は被測
定回路17に照射する光パルスを発生する第1の光パル
ス発生手段を構成し、パルスレ―ザ11、ポッケルスセ
ル12、ハ―フミラ―13およびパルス圧縮器18は第
1の光パルス発生手段の出力光と同期して時間的により
短い光パルスを出力する第2の光パルス発生手段を構成
する。
【0011】上記装置の動作を次に説明する。パルスレ
―ザ11は光のパルス列を発生するが、この中から1つ
の光パルスだけがポッケルスセル12を透過する。この
光パルスの一部はハ―フミラ―13を透過してミラ―1
4およびディレイライン15を介して偏光子16で反射
され被測定回路17に照射される。被測定回路17はG
aAsが電気光学効果を持つので、回路が動作状態にあ
れば、照射された光の偏波面を変化させる。すなわちそ
の反射戻り光は入射光とは異なる偏波面を持つ。この偏
波面の変化量は内部の電界強度に比例するので、この偏
波成分を偏光子16で分離すると、この光は被測定回路
内部の電界強度の変化を光の強度に変換したものとな
る。一方ハ―フミラ―13で反射した光パルスはパルス
圧縮器18で圧縮され、パルス幅が細くなる。
―ザ11は光のパルス列を発生するが、この中から1つ
の光パルスだけがポッケルスセル12を透過する。この
光パルスの一部はハ―フミラ―13を透過してミラ―1
4およびディレイライン15を介して偏光子16で反射
され被測定回路17に照射される。被測定回路17はG
aAsが電気光学効果を持つので、回路が動作状態にあ
れば、照射された光の偏波面を変化させる。すなわちそ
の反射戻り光は入射光とは異なる偏波面を持つ。この偏
波面の変化量は内部の電界強度に比例するので、この偏
波成分を偏光子16で分離すると、この光は被測定回路
内部の電界強度の変化を光の強度に変換したものとな
る。一方ハ―フミラ―13で反射した光パルスはパルス
圧縮器18で圧縮され、パルス幅が細くなる。
【0012】被測定回路17からの光パルスとパルス圧
縮器18で圧縮された光パルスは、図2に示すように非
線形光学結晶20に等しい角度で入射する。また2つの
光パルスはディレイライン15により光路差を調節され
ているので、非線形光学結晶20に同時に到着する。こ
のとき2つの入射光は互いに直交する偏波面を持つ。非
線形光学結晶20は2つの光が同時に入射したときに入
射光の2次高調波、すなわち波長が1/2の光を発生す
る。ラインセンサ21はこの2次高調波のみを受光す
る。図2に示すように、被測定回路17からの光パルス
と圧縮された光パルスは非線形光学結晶20内部で交差
するように入射するので、非線形光学結晶20の横軸方
向すなわち図のX軸方向に2つの光パルスの間の時間差
が生じ、横軸方向が時間差に相当することになる。図2
の非線形光学結晶20内部のa点,b点,c点における
2つの光ビ―ムの時間差の関係を図3(A),(B),
(C)にそれぞれ示す。ここで被測定回路17からの光
を31、パルス圧縮された光を32で表す。非線形光学
結晶20は2つの光が同時に入射した時に入射光の2次
高調波を発生するので、2つの光強度の掛算をしている
ことになる。すなわち図2の横方向に、被測定回路17
からの光を、パルス圧縮された光でサンプリングしてい
ることになる。具体的には図2において、パルス圧縮光
32が戻り光31と時間的にc点→b点→a点の順で交
差するので、図3(C)(B)(A)の順で戻り光のサ
ンプリングが行なわれたことになる。その結果、従来時
系列で行っていたサンプリングを空間的なサンプリング
で置換えることができる。ラインセンサ21のスキャン
により検出された信号は演算表示部22で時間軸上の波
形として表示され、被測定回路17の動作電圧が測定さ
れる。
縮器18で圧縮された光パルスは、図2に示すように非
線形光学結晶20に等しい角度で入射する。また2つの
光パルスはディレイライン15により光路差を調節され
ているので、非線形光学結晶20に同時に到着する。こ
のとき2つの入射光は互いに直交する偏波面を持つ。非
線形光学結晶20は2つの光が同時に入射したときに入
射光の2次高調波、すなわち波長が1/2の光を発生す
る。ラインセンサ21はこの2次高調波のみを受光す
る。図2に示すように、被測定回路17からの光パルス
と圧縮された光パルスは非線形光学結晶20内部で交差
するように入射するので、非線形光学結晶20の横軸方
向すなわち図のX軸方向に2つの光パルスの間の時間差
が生じ、横軸方向が時間差に相当することになる。図2
の非線形光学結晶20内部のa点,b点,c点における
2つの光ビ―ムの時間差の関係を図3(A),(B),
(C)にそれぞれ示す。ここで被測定回路17からの光
を31、パルス圧縮された光を32で表す。非線形光学
結晶20は2つの光が同時に入射した時に入射光の2次
高調波を発生するので、2つの光強度の掛算をしている
ことになる。すなわち図2の横方向に、被測定回路17
からの光を、パルス圧縮された光でサンプリングしてい
ることになる。具体的には図2において、パルス圧縮光
32が戻り光31と時間的にc点→b点→a点の順で交
差するので、図3(C)(B)(A)の順で戻り光のサ
ンプリングが行なわれたことになる。その結果、従来時
系列で行っていたサンプリングを空間的なサンプリング
で置換えることができる。ラインセンサ21のスキャン
により検出された信号は演算表示部22で時間軸上の波
形として表示され、被測定回路17の動作電圧が測定さ
れる。
【0013】このような構成の光サンプリング装置によ
れば、被測定回路の時間軸上の特性に比例した強度を持
つ第1の光パルスと、これよりも細いパルス幅を持つ第
2の光パルスを、空間的に時間差が生じるように配置
し、その強度の積を非線形光学結晶で得るように構成し
ているため、次のような利点がある。イ.繰返し現象で
なく単発現象でも測定することができる。ロ.複数周期
サンプリングする必要が無いので、従来のサンプリング
装置と異なり被測定回路の駆動信号と光パルスの間のジ
ッタによる時間分解能の制限が無く、高い時間分解能の
光サンプリング装置を実現することができる。
れば、被測定回路の時間軸上の特性に比例した強度を持
つ第1の光パルスと、これよりも細いパルス幅を持つ第
2の光パルスを、空間的に時間差が生じるように配置
し、その強度の積を非線形光学結晶で得るように構成し
ているため、次のような利点がある。イ.繰返し現象で
なく単発現象でも測定することができる。ロ.複数周期
サンプリングする必要が無いので、従来のサンプリング
装置と異なり被測定回路の駆動信号と光パルスの間のジ
ッタによる時間分解能の制限が無く、高い時間分解能の
光サンプリング装置を実現することができる。
【0014】なお被測定回路はGaAs集積回路に限ら
ず、InP等の電気光学効果を持つ任意の材料で作られ
ているものに適用することができる。また上記の各実施
例ではGaAs集積回路のように、被測定物自身が電気
光学材料で構成されている場合を説明したが、シリコン
等の電気光学効果を持たない材料にも適用される。この
場合はシリコン等の被測定物に近接してLiTaO
3 (タンタル酸リチウム)単結晶などの電気光学効果を
有する材料を配置し、このLiTaO3 単結晶に光を照
射して、シリコン等からなる被測定回路からの漏れ電界
により電気光学効果を生じさせるようにすればよい。ま
た上記の実施例では電気光学効果による偏波面の変化を
検出しているが、これに限らず半導体のキャリア密度の
変化による吸収スペクトルの変化等の物理量を検出して
もよい。この場合は、電気光学材料を用いる代りに半導
体材料を被測定回路の電界内に配置し、被測定回路から
の電界によりその光吸収率を変化させ、これにパルス光
を入射してその光強度を変調する。また被測定回路の反
射光を検出する代りに透過光を検出してもよい。また被
測定回路に照射される光パルスおよびパルス圧縮された
光パルスは異なる2台の光源を同期させて用いてもよ
い。また非線形光学材料20として結晶以外の材料を用
いることもできる。また図2において、戻り光パルスと
圧縮光パルスは等しい角度で非線形光学結晶20に入射
するときに効率が最大となるが、異なる角度で入射させ
てもよい。
ず、InP等の電気光学効果を持つ任意の材料で作られ
ているものに適用することができる。また上記の各実施
例ではGaAs集積回路のように、被測定物自身が電気
光学材料で構成されている場合を説明したが、シリコン
等の電気光学効果を持たない材料にも適用される。この
場合はシリコン等の被測定物に近接してLiTaO
3 (タンタル酸リチウム)単結晶などの電気光学効果を
有する材料を配置し、このLiTaO3 単結晶に光を照
射して、シリコン等からなる被測定回路からの漏れ電界
により電気光学効果を生じさせるようにすればよい。ま
た上記の実施例では電気光学効果による偏波面の変化を
検出しているが、これに限らず半導体のキャリア密度の
変化による吸収スペクトルの変化等の物理量を検出して
もよい。この場合は、電気光学材料を用いる代りに半導
体材料を被測定回路の電界内に配置し、被測定回路から
の電界によりその光吸収率を変化させ、これにパルス光
を入射してその光強度を変調する。また被測定回路の反
射光を検出する代りに透過光を検出してもよい。また被
測定回路に照射される光パルスおよびパルス圧縮された
光パルスは異なる2台の光源を同期させて用いてもよ
い。また非線形光学材料20として結晶以外の材料を用
いることもできる。また図2において、戻り光パルスと
圧縮光パルスは等しい角度で非線形光学結晶20に入射
するときに効率が最大となるが、異なる角度で入射させ
てもよい。
【0015】図4は本発明に係る光サンプリング装置の
他の実施例で高速光パルスの強度の時間変化を測定する
ものを示す構成ブロック図である。図1と同じ部分は同
一の記号を付して詳しい説明を省略する。図において、
被測定光源40から出力された被測定パルス光は平行光
となり、非線形光学結晶20に入射する。パルス光源1
1から出力されるパルス光はポッケルスセル12,パル
ス圧縮器18,ディレイライン15を通り、非線形光学
結晶20に入射する。2つの光は図2の場合と同様、非
線形光学結晶内部で交差するように配置されている。デ
ィレイライン15は2つの光パルスが非線形光学結晶2
0に同時に到着するように、光路差を調節するために設
けられている。非線形光学結晶20の後部にはラインセ
ンサ21があり、非線形光学結晶20で発生する2次高
調波を受光する。ラインセンサ21の出力は演算表示部
22に導かれる。パルス光源11,ポッケルスセル1
2,ラインセンサ21,演算表示部22および被測定光
源40は同期駆動部23により駆動される。パルスレ―
ザ11、ポッケルスセル12およびパルス圧縮器18は
被測定光源と同期して時間的により短い光パルスを出力
する光パルス発生手段を構成する。
他の実施例で高速光パルスの強度の時間変化を測定する
ものを示す構成ブロック図である。図1と同じ部分は同
一の記号を付して詳しい説明を省略する。図において、
被測定光源40から出力された被測定パルス光は平行光
となり、非線形光学結晶20に入射する。パルス光源1
1から出力されるパルス光はポッケルスセル12,パル
ス圧縮器18,ディレイライン15を通り、非線形光学
結晶20に入射する。2つの光は図2の場合と同様、非
線形光学結晶内部で交差するように配置されている。デ
ィレイライン15は2つの光パルスが非線形光学結晶2
0に同時に到着するように、光路差を調節するために設
けられている。非線形光学結晶20の後部にはラインセ
ンサ21があり、非線形光学結晶20で発生する2次高
調波を受光する。ラインセンサ21の出力は演算表示部
22に導かれる。パルス光源11,ポッケルスセル1
2,ラインセンサ21,演算表示部22および被測定光
源40は同期駆動部23により駆動される。パルスレ―
ザ11、ポッケルスセル12およびパルス圧縮器18は
被測定光源と同期して時間的により短い光パルスを出力
する光パルス発生手段を構成する。
【0016】図4の装置は動作は図1の場合と同様であ
る。パルス圧縮器18でパルス圧縮された光パルス42
は被測定光源40からの光パルス41に比べて十分に細
くなり、図2,図3で示したのと同様の動作で光パルス
41を光パルス42でサンプリングすることになる。そ
の結果、被測定光源40からの光パルスを演算表示部2
2で時間軸上の波形として表示することができる。
る。パルス圧縮器18でパルス圧縮された光パルス42
は被測定光源40からの光パルス41に比べて十分に細
くなり、図2,図3で示したのと同様の動作で光パルス
41を光パルス42でサンプリングすることになる。そ
の結果、被測定光源40からの光パルスを演算表示部2
2で時間軸上の波形として表示することができる。
【0017】このような構成の光サンプリング装置によ
れば、被測定光源からの光パルスと、これよりも細い光
パルスを、空間的に時間差が生じるように配置し、その
強度の積を非線形光学結晶で得るように構成しているた
め、次のような利点がある。 (イ)被測定光パルスが繰返し現象でなく、単発現象で
も測定することができる 。(ロ)従来の自己相関測定と異なり、パルスの形状が
測定できる。 (ハ)被測定光のパワ―が微弱でも測定できる。これは
被測定光源からの光パルスが微弱であっても、もう一方
の光パルスの強度を十分強くすれば、非線形効果により
発生する光の強度を測定に充分な強度まで増加させるこ
とができるためである。
れば、被測定光源からの光パルスと、これよりも細い光
パルスを、空間的に時間差が生じるように配置し、その
強度の積を非線形光学結晶で得るように構成しているた
め、次のような利点がある。 (イ)被測定光パルスが繰返し現象でなく、単発現象で
も測定することができる 。(ロ)従来の自己相関測定と異なり、パルスの形状が
測定できる。 (ハ)被測定光のパワ―が微弱でも測定できる。これは
被測定光源からの光パルスが微弱であっても、もう一方
の光パルスの強度を十分強くすれば、非線形効果により
発生する光の強度を測定に充分な強度まで増加させるこ
とができるためである。
【0018】なお上記の各実施例では2つの光パルスの
波長が等しい場合なので2次高調波をラインセンサで受
光しているが、波長が異なる場合には和周波,差周波,
パラメトリック発振等により非線形光学材料(KTP,
BBOでも可能)から(少なくとも一方の)入射光と異
なる波長の光を発生させ、これをラインセンサで検出し
てもよい。
波長が等しい場合なので2次高調波をラインセンサで受
光しているが、波長が異なる場合には和周波,差周波,
パラメトリック発振等により非線形光学材料(KTP,
BBOでも可能)から(少なくとも一方の)入射光と異
なる波長の光を発生させ、これをラインセンサで検出し
てもよい。
【0019】
【発明の効果】以上実施例に基づいて具体的に説明した
ように、本発明によれば、ジッタに影響されず、高い時
間分解能を持ち、単発現象でも測定することができる光
サンプリング装置を簡単な構成で実現することができ
る。
ように、本発明によれば、ジッタに影響されず、高い時
間分解能を持ち、単発現象でも測定することができる光
サンプリング装置を簡単な構成で実現することができ
る。
【図1】本発明に係る光サンプリング装置の一実施例を
示す構成ブロック図である。
示す構成ブロック図である。
【図2】図1の回路の動作を示すための動作説明図であ
る。
る。
【図3】図1の回路の動作を示すための他の動作説明図
である。
である。
【図4】本発明に係る光サンプリング装置の他の実施例
を示す構成ブロック図である。
を示す構成ブロック図である。
【図5】従来のサンプリング技術の原理図である。
【図6】光サンプリング装置の従来例を示す構成ブロッ
ク図である。
ク図である。
11 パルスレ―ザ 12 ポッケルスセル 13 ハ―フミラ― 15 ディレイライン 17 被測定回路 18 パルス圧縮器 20 非線形光学材料 21 ラインセンサ 40 被測定光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−259472(JP,A) 特開 平2−257069(JP,A) 特開 平3−41329(JP,A) 特開 平2−311722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 31/302 G01J 11/00 H01L 21/66
Claims (2)
- 【請求項1】出力光パルスが被測定回路に照射される第
1の光パルス発生手段と、この第1の光パルス発生手段
の出力光と同期して時間的により短い光パルスを出力す
る第2の光パルス発生手段と、前記被測定回路からの戻
り光と前記第2の光パルス発生手段からの光パルスが空
間的に時間差が生じるようにその内部で交差して照射さ
れる非線形光学材料と、 この非線形光学材料から発生
する光の空間的な分布を電気信号に変換するラインセン
サとを備え、ラインセンサの出力に基づいて被測定回路
の電圧波形を測定するように構成したことを特徴とする
光サンプリング装置。 - 【請求項2】被測定光を出力する被測定光源と、この被
測定光源と同期して時間的により短い光パルスを出力す
る光パルス発生手段と、前記被測定光源からの出力光と
前記光パルス発生手段からの光パルスが空間的に時間差
が生じるようにその内部で交差して照射される非線形光
学材料と、この非線形光学材料から発生する光の空間的
な分布を電気信号に変換するラインセンサとを備え、ラ
インセンサの出力に基づいて被測定光源から出力される
光パルスの強度の時間変化を測定するように構成したこ
とを特徴とする光サンプリング装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27708690 | 1990-10-16 | ||
JP2-277086 | 1990-10-16 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04213081A JPH04213081A (ja) | 1992-08-04 |
JP2959152B2 true JP2959152B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=17578586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3057358A Expired - Lifetime JP2959152B2 (ja) | 1990-10-16 | 1991-03-20 | 光サンプリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2959152B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-20 JP JP3057358A patent/JP2959152B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04213081A (ja) | 1992-08-04 |
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