JP2944764B2 - 太陽熱吸収体の製造方法 - Google Patents

太陽熱吸収体の製造方法

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JP2944764B2 JP2412055A JP41205590A JP2944764B2 JP 2944764 B2 JP2944764 B2 JP 2944764B2 JP 2412055 A JP2412055 A JP 2412055A JP 41205590 A JP41205590 A JP 41205590A JP 2944764 B2 JP2944764 B2 JP 2944764B2
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MORIGUCHI METSUKI KOGYO KK
Nippon Electric Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空式太陽熱集熱器に
用いられ、ガラス容器内部に配置される太陽熱吸収体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光線の持つ熱エネルギーを熱源とし
て利用する太陽熱集熱器は、従来より種々の形態のもの
が提案され、温水器の分野において広く利用されてい
る。その一つとして、本出願人も真空式太陽熱集熱器に
係る発明を先に出願している(特願昭62−16424
号)。
【0003】この出願には、内部が真空に保持された透
明な長尺のガラス容器の内部に同軸状に配置され、その
外表面に選択吸収膜が形成された円筒状の貯水容器から
なる太陽熱吸収体が示されている。
【0004】かかる太陽熱吸収体を構成する円筒状の貯
水容器は、銅、ステンレス等の金属から出来ており、そ
の外表面に形成される選択吸収膜によって太陽エネルギ
ーを効率よく吸収し、内部に貯められる水を温める作用
を有する。
【0005】従来よりこのような太陽熱吸収体におい
て、貯水容器の外表面に選択吸収膜を形成するには、化
成処理や、メッキ処理が主として利用され、いずれの場
合にも、貯水容器の軸方向を処理液の液面と垂直に配置
し、貯水容器を静止したまま、全体を処理液の液中に浸
漬する方法が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
太陽熱吸収体の製造方法は、以下のような問題を有して
いる。
【0007】 (1)長尺の貯水容器を、その軸方向が処理液の液面と
垂直になるようにして液中に浸漬するため、貯水容器の
長さ以上の深さをもつ液槽が必要であり、液槽自体が水
圧に耐える構造を有していなければならず、また貯水容
器の槽への出し入れのために貯水容器の全長の少なくと
も2倍以上の広いスペースが必要であり、設備が大がか
りになる。
【0008】 (2)貯水容器が浸漬中に水圧によって変形するのを防
止するため、貯水容器内に空気を送ることによって内圧
を加えなければならず、さらに貯水容器の浮力以上のお
もりをつけて処理液中に沈めねばならないので作業が大
変繁雑になる。
【0009】 (3)貯水容器を静止して処理液中へ浸漬するため、メ
ッキ等の電解を伴う場合、対極の配置の微妙な調整が要
求され、選択吸収膜の膜厚にムラができ、特に膜厚が厚
くなることによって、太陽熱の放射率が大きくなりやす
く、高い集熱効率が得られなくなるという問題があっ
た。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、長尺の貯水容器の外表面に高い集熱効率の選択
吸収膜を形成してなる太陽熱吸収体を容易に、且つ、安
価に製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽熱吸収体の
製造方法は、化成処理又はメッキ処理によって、貯水容
器の外表面に選択吸収膜を形成する方法であって、一端
もしくは両端が開口している円筒状の貯水容器の開口部
を密閉して両端を支持し、その軸方向が処理液の液面と
平行になるように位置させた状態で、該貯水容器の外表
面の一部もしくは全部を、液槽中の処理液に浸漬し、そ
の軸芯を中心に回転させることによって、外表面に選択
吸収膜を形成することを特徴とする。
【0012】本発明の方法における貯水容器の外表面に
対する選択吸収膜の形成は、化成処理またはメッキ処理
のいずれかを用いても良いが、メッキ処理電解をとも
なう場合には、貯水容器の両端の片方だけでも、あるい
は両方からでも通電することができるので好ましい。
【0013】また本発明における貯水容器は、一端もし
くは両端が開口しており、貯水容器内への処理液の浸入
を防止するため、支持部に貯水容器の密閉機構を設け
る。貯水容器の回転はモーター等の回転をベルト、チェ
ーン、歯車等で貯水容器の両端を支持する支持具へ伝達
させることによって行い、両端支持具には、ベアリング
等の軸受部を設けることによって回転を容易にすること
ができる。
【0014】尚、本発明の方法で使用する装置は、貯水
容器の前処理(例えば脱脂、酸洗、水洗等)及び後処理
(水洗、湯洗等)にも適用することが可能である。
【0015】
【作用】本発明の太陽熱吸収体の製造方法によると (1)貯水容器を、その軸方向が処理液の液面と平行に
なるように、つまり横にして処理液中へ浸漬するため、
浅い液槽を用意すれば十分であり、槽への出し入れにも
貯水容器の外径以上の狭いスペースで済み設備が非常に
簡単になる。
【0016】 (2)貯水容器の処理液への浸漬部分は、貯水容器の外
径以下でよいので水圧もわずかで変形もなく、貯水容器
内部を加圧する必要はない。また、貯水容器全体を浸漬
しなければ浮力もわずかなのでおもりも必要なく、作業
が非常に容易である。
【0017】 (3)貯水容器を回転するので、選択吸収膜の膜厚が均
一になりやすく、集熱効率が向上する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0019】図中、10は貯水容器、11a、11bは
支持具、12はベルト、13は液槽、14は処理液を各
々示す。
【0020】貯水容器10は、直径110mm、長さ20
00mm、肉厚0.4mmの寸法を有し、その両端は、ベア
リング等の軸受部を有する支持具11a、11bに支持
され、一方の支持具11aにはベルト12が取り付けら
れている。ベルト12は、モーター(図示せず)に接続
され、そのためモーターを動かすと、ベルト12が回転
するようにされている。また貯水容器10は、その軸方
向が液槽13内に満たされた処理液14の液面と平行に
なるように位置した状態で、その外表面の一部が処理液
14中に浸漬されている。
【0021】上記装置において、モーターを回転させる
ことによって、貯水容器10を、その軸心を中心にして
120回/分、2分間の条件で回転させた後、貯水容器
10の外表面を観察したところ、平均膜厚が0.6μm
の均一な選択吸収膜が形成されていた。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の太陽熱吸収体の
製造方法によると、長尺の貯水容器の外表面に高い集熱
効率の選択吸収膜を形成してなる太陽熱吸収体を容易
に、且つ、安価に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽熱吸収体の製造方法を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 貯水容器 11a 支持具 11b 支持具 13 液槽 14 処理液

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理又はメッキ処理によって、貯水
    容器の外表面に選択吸収膜を形成する方法であって、一
    端もしくは両端が開口している円筒状の貯水容器の開口
    部を密閉して両端を支持し、その軸方向が処理液の液面
    と平行になるように位置させた状態で、該貯水容器の外
    表面の一部もしくは全部を、液槽中の処理液に浸漬し、
    その軸芯を中心に回転させることによって、外表面に選
    択吸収膜を形成することを特徴とする太陽熱吸収体の製
    造方法。
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