JP2941381B2 - ヘリコプタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は離着陸時にブームおよびブームに設置された
計測用機器を保護するアクチュエータを有するヘリコプ
タに関する。

〔従来の技術〕

従来の技術を第10図および第11図に示す。

従来のヘリコプタ１に装着されているブームは第10図
に示すように機体に固定された状態のものであった。こ
のブーム９には第11図に示すように風速計35、迎角計3
6、横滑計37等の計測用機器がとりつけられている。第1
1図にはブーム９の上方にとりつけられた場合を示す
が、ブーム９の下方にとりけけられる場合もある。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のヘリコプタには、次のような問題が存在する。

（１）従来のヘリコプタでは、ブーム９はヘリコプタに
固定して装着されていた。そのためヘリコプタが地面の
上を前車輪10、主車輪11により走行する場合、地面のつ
なぎやでこぼこがあった場合、ブーム９が上下にゆれ動
いて、ブーム９と地面がぶつかったり、ブームに設置さ
れた計測用機器（風速計、迎角計や横滑計など）が地面
とぶつかったりして、ブーム９を損傷したり、ブームに
設置された計測用機器を損傷したりする不具合が発生し
ていた。

（２）他方、ブーム９の長さは、ヘリコプタのまわりの
流れの影響をさけるために、長くする必要があるが、ブ
ーム９を長くすると、上記のように地面のつなぎやでこ
ぼこがあった場合にはゆれ幅が大きくなり、ブーム９が
地面にぶつかり易くなるという問題がある。

（３）また、ブーム９の上下方向の取付位置も、ヘリコ
プタまわりの流れの影響をさけるため、ヘリコプタの胴
体５の中央部をさけて胴体５の下部にとりつけるのが通
例である。

しかし、このように胴体５の下部にブーム９をとりつ
けるとブーム９と地面、及びブームに設置された計測用
機器（風速計、迎角計、横滑計など）と地面12とがぶつ
かり易くなるという問題がある。

本発明は、前述の問題を解消し、ヘリコプタの離着陸
時にブームおよびブームに設置された計測用機器（風速
計、迎角計、横滑計など）が地面とがぶつからないよう
に保護するアクチュエータを有するヘリコプタを提供す
ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係るヘリコプタは、 計測用機器をとりつけて機体の下部に装着したブーム
と、 前記ブームの設定位置を制御するアクチュエータと、 前記アクチュエータの作動を遠隔操作するスイッチを
具備し、 前記アクチュエータは、パイロットのスイッチ操作に
より、前記ブームの装着位置を、ブーム回転中心まわり
の回転移動、または、ブームの平行移動により、上位置
又は下位置に設定可能とし、 前記アクチュエータにより離着陸時には、前記ブーム
の装着位置を上位置に設定することにより、前記ブーム
にとりつけられた計測用機器およびブームを保護するこ
とを特徴とする。

〔作用〕

ヘリコプタにとりつけられているブームは油圧装置又
は電動機と、アクチュエータの動力により、ブームをブ
ーム回転中心まわりに回転移動するか、ブームを上下方
向に平行移動して、ブーム（上位置）又はブーム（下位
置）位置に設定する。

上記のブーム（上位置）又はブーム（下位置）の移動
はパイロットのスイッチ操作により遠隔的に行なう。

〔実施例〕 本発明の実施例を第１図〜第９図に示す。

（１）第１実施例 本発明の第１実施例を第１図〜第３図に示す。

第１図は、ヘリコプタの中央での縦断面図を示し、 第２図はヘリコプタの前後方向の、ある位置における
横断面図を示し、 第３図は、第１実施例のフローチャートを示す。

ブームの位置は、ヘリコプタが地面を前車輪10、主車
輪11で走行する場合にはブーム（上位置）19として走行
し、空中を飛行する場合にはブーム（下位置）20として
飛行する。

パイロット13のスイッチ14操作により、電気信号が配
線15により、油圧装置又は電動機16に伝達され、アクチ
ュエータ17を作動してブームをブーム（上位置）19、又
はブーム（下位置）20位置に移動できる。

このように、パイロット13のスイッチ14操作により、
ブームをブーム（上位置）19、又はブーム（下位置）20
位置に設定することにより、地面上の走行も、空中の飛
行も問題なく、有効にヘリコプターを運用することが可
能となる。

（２）第２実施例 本発明の第２実施例を第４図〜第６図に示す。

第４図は、ヘリコプタの中央での縦断面図を示し、 第５図は、ヘリコプタの前後方向の、ある位置におけ
る横断面図を示し、 第６図は、第２実施例のフローチャートを示す。

ブームの位置は、ヘリコプタが地面を前車輪10、主車
輪11で走行する場合にはブーム（上位置）25として走行
し、空中を飛行する場合にはブーム（下位置）26として
飛行する。

パイロット13のスイッチ14操作により、電気信号が配
線22により、油圧装置又は電動機23に伝達され、これに
よりアクチュエータ24を作動して、ブームをブーム（上
位置）25、又はブーム（下位置）26位置に移動できる。

このように、パイロット13のスイッチ14操作により、
ブームをブーム（上位置）25、又はブーム（下位置）26
位置に設定することにより、地面上の走行も、空中の飛
行も問題なく、有効にヘリコプタを運用することが可能
となる。

（３）第３実施例 本発明の第３実施例を第７図〜第９図に示す。

第７図は、ヘリコプタ中央での縦断面図を示し、 第８図は、ヘリコプタの前後方向の、ある位置におけ
る横断面図を示し、 第９図は第３実施例のフローチャートを示す。

ブームの位置は、ヘリコプタが地面を前車輪10、主車
輪11で走行する場合にはブーム（上位置）32として走行
し、空中を飛行する場合にはブーム（下位置）33として
飛行する。

パイロット13のスイッチ14操作により、電気信号が配
線28により、油圧装置又は電動機29に伝達され、これに
よりアクチュエータ30を作動して、ブームをブーム（上
位置）32、又はブーム（下位置）33位置に移動できる。

このようにパイロット13のスイッチ14操作によりブー
ムをブーム（上位置）32、又はブーム（下位置）33位置
に設定することにより地面上の走行も、空中の飛行も問
題なく、有効にヘリコプタを運用することが可能とな
る。

なお、第１〜３実施例とも、油圧装置又は電動機とい
う表現としているがブーム（上位置）と、ブーム（下位
置）の変化の時間を短かくする時には油圧装置を使用
し、若干時間がかかってもよい場合には電動機を使用す
る。

〔発明の効果〕

本発明は前述のように構成されているので、以下に記
載するような効果を奏する。

（１）ヘリコプタのブームが地面とがぶつかったり、ブ
ームに設置された計測用機器（風速計、迎角計や横滑計
など）が地面とぶつかったりするという問題をなくすこ
とができる。

（２）そのため運用面での地面条件に対する制限をなく
すことができる。

（３）また、ブームやブーに設置された計測用機器（風
速計、迎角計や横滑計など）の損傷がへり、修理費用や
修理のために運用できない期間を少なくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明の第１実施例を示す図、 第４図〜第６図は本発明の第２実施例を示す図、 第７図〜第９図は本発明の第３実施例を示す図、 第10図は従来のヘリコプタ・ブームの装着図、 第11図はブームの詳細図である。 （符号の説明） １……ヘリコプタ ２……ロータ、 ３……回転軸、 ４……エンジン、 ５……機体、 ６……テールロータ、 ７……垂直尾翼、 ８……水平尾翼、 ９……ブーム、 10……前車輪、 11……主車輪、 13……パイロット、 14……スイッチ、 15……配線、 16……油圧装置又は電動機、 17……アクチュエータ、 18……ブーム回転中心、 19……ブーム（上位置）、 20……ブーム（下位置）、 21……移動、 22……配線、 23……油圧装置又は電動機、 24……アクチュエータ、 25……ブーム（上位置）、 26……ブーム（下位置）、 27……移動、 28……配線、 29……油圧装置又は電動機、 30……アクチュエータ、 31……ブーム回転中心、 32……ブーム（上位置）、 33……ブーム（下位置）、 34……移動、 35……風速計、 36……迎角計、 37……横滑計。 38……計測用機器（風速計、迎角計、横滑計など）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】計測用機器をとりつけて機体の下部に装着
   したブームと、 前記ブームの設定位置を制御するアクチュエータと、 前記アクチュエータの作動を遠隔操作するスイッチを具
   備し、 前記アクチュエータは、パイロットのスイッチ操作によ
   り、前記ブームの装着位置を、ブーム回転中心まわりの
   回転移動、または、ブームの平行移動により、上位置又
   は下位置に設定可能とし、 前記アクチュエータにより離着陸時には、前記ブームの
   装着位置を上位置に設定することにより、前記ブームに
   とりつけられた計測用機器およびブームを保護すること
   を特徴とするヘリコプタ。