JP2939824B2 - 光学式ガス濃度検知装置 - Google Patents

光学式ガス濃度検知装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、有機色素分子を含む薄膜を感ガス体として
用いた光学式ガス検知装置に関する。
(従来の技術) 従来のガス検知装置は、接触燃焼式又は半導体式のも
のが主流を占めていた。近年、特開昭62−35246号公報
に見られるようにオプトロード(optrode)等、光を利
用したガス検出装置が提案され、幾つかの応用例も出現
している。更にまた、ある種の有機色素分子は、酸化性
又は還元性ガスとの間で、ある程度選択性をもって相互
作用し、電気又は光学特性が変化することが知られてお
り、例えばフタロシアニンの電気特性変化を利用してNO
x、SOxガスを検知することも提案されている。また、本
発明者らは、特願平1−63494号に新規な光学式ガス検
知装置を提案している。
(発明が解決しようとする課題) ところで、オプトロード等、光を利用したガスセンサ
は、感ガス部が複雑であったり、光源として大型のレー
ザーを必要としたり、或いは受光部に光電子増倍管を使
用したりして、簡単なものではなかった。また、有機色
素分子の電気又は光学特性を酸化性又は還元性ガスを用
いて変化させる場合についても、簡単な手段で繰り返し
ガス検知のできる安定なガス検知装置は、未だ実用的な
ものとしては知られていない。特願平1−63494号のガ
ス検知装置は簡単な手段で繰り返しガス検知ができるの
で、ガス濃度と出力がリニアーな関係ではないので、定
量的な測定を行う場合には検量線を求める等の工夫が必
要である。
本発明は、この様な事情の下になされたものである。
本発明の目的は、感度がよく、応答速度が速く、広い
濃度範囲で使用可能であり、優れた定量性を持つ小型の
光学式ガス検知装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、製造、測定両面において簡易で
あり、かつ種々の条件に対し、安全性と安定性を兼ね備
え、ノイズの影響を受け難い光学式ガス検知装置を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 発光素子と、前記発光素子からの光によって蛍光また
はりん光を発する有機色素を含む薄膜よりなるガス検知
素子と、蛍光またはりん光を分離するフィルターと、受
光素子とを有する少なくとも一組のガス検知手段と、前
記ガス検知素子に被検知ガスを導入するためのガス導入
手段と、ガス検知素子へのガス導入時の受光素子からの
出力信号とガス非導入時の受光素子からの出力信号の比
を求める出力信号比較手段を備え、前記出力信号比較手
段は、下記式(1) F0/F=1+a[G] (1) (ここで、F0/Fは被検知ガスと接触させた薄膜からの蛍
光またはりん光強度と、被検知ガスと接触させない薄膜
からの蛍光またはりん光の強度比に対応する前記出力信
号の比、aは傾き、[G]はガス濃度を表す。) にもとづいて被検知ガスのガス濃度を定量化することを
特徴とする。
本発明の光学式ガス検知装置において使用するガス検
知素子は、有機色素を含む薄膜よりなり、発光素子から
の光によって蛍光またはりん光を発する性質を有するも
ので、例えば支持体上に有機色素を含む薄膜を設けた形
態で使用することができる。この薄膜は、被検知ガス、
例えばNOx、SOx、Cl2、O3、NH3等の存在により、蛍光又
はりん光強度が可逆的に変化する。従って、薄膜の色又
は発生する蛍光又はりん光強度の変化を測定すれば、被
検知ガスを検知することができる。
特に有機色素として、スクエアリリウム色素のJ会合
体を含む薄膜よりなるガス検知素子を使用すれば、NOx
を高感度で検知することができる。その理由の一つとし
て、J会合体内で光の吸収により生成した励起状態が速
やかにJに移動できることにより、NOxの吸着により生
成した励起状態のトラッピングサイトのカバーできる領
域が大きくなったためと考えられる。スクエアリリウム
色素としては、一般式(I)で示されるものが有利に使
用できる。
(式中、X及びYは、それぞれ発色団を示す。) 上記一般式(I)において、X及びYで示される発色
団としては、次のものがあげられる。
[式中、R1及びR2、同一又は異なるものであって、それ
ぞれ水素原子、CnH2n+1、CnH2nOH、CnH2n-1、CnH
2n-3(但し、nは1〜20)、塩素原子、フッ素原子又は
臭素原子を示し、R3は水素原子、水酸基、CnH2n+1(但
し、nは1〜20)、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子
又は臭素原子を示し、R4は水素原子、水酸基、CnH2n+1
(但し、nは1〜20)、メトキシ基を示し、ZはC(CH
3、O、S又はSeを示す。] スクエアリリウム色素の具体例としては、特願昭63−
69666号に記載のものがあげられる。本発明を光学式ガ
ス検知装置において、前記の材料を含む薄膜から蛍光、
又はりん光を発生させるための励起光源として使用する
発光素子としては、半導体レーザー素子およびLED等を
使用することができる。
蛍光またはりん光と励起光を分離するためのフィルタ
ーは、ガス検知素子と受光素子の間の光経路に配置され
る。このフィルターは、発光素子から出る光をカット
し、ガス検知素子から出る蛍光、またはりん光成分を主
に透過するという特性を有するものが使用される。さら
に、ガス検知素子から出る蛍光、またはりん光より長波
長の光をカットする特性を有するフィルターを用いるの
が好ましい。
本発明においては、使用する発光素子から励起に必要
な波長の光以外の成分が出ている場合、更に、それをカ
ットするためのフィルターを使用してもよい。即ち、発
光素子から出る主発光波長付近の光を主に透過し、発光
素子から出る主発光波長付近の光以外の光を主にカット
する特性を有するフィルターを、発光素子とガス検知素
子の間の光経路に配置してもよい。その場合、フィルタ
ーへの入射光がフィルター表面に垂直な方向と角度をも
って入射するように配置するのが好ましい。
被検知ガスと接触させた薄膜と、被検知ガスと接触さ
せない薄膜からの蛍光またはりん光強度を各々検知する
ためには、同一の光学系を2系統用意してもよいし、ま
たミラー等により時系列で交互にそれぞれの蛍光または
りん光強度を検知しても良い。被検知ガスを接触させる
薄膜と接触させない薄膜はガス系としては分離させる必
要があるが、同一の膜でガス系のみ分離する様に膜の一
部でガスと仕切ってやれば、同一の膜における別々の部
位で接触させた時とさせていない時の蛍光、またはりん
光強度を検知する事もできる。それぞれの蛍光、または
りん光強度の比は、受光素子の電流または電圧を出力と
し、それぞれの出力の比として求められる。この出力の
比の値から被検知ガス濃度に比例する値が導かれる。具
体的にこの出力比を求めるには、各々の出力を除算回路
や比率演算器等の電気回路に直接入力し、その出力とし
て得てもよいし、A/Dコンバーター、メモリーやマイク
ロプロセッサー等を用いて数値演算により求めてもよ
い。
(作用) 被検知ガスと接触させた薄膜からの蛍光またはりん光
強度と、被検知ガスと接触させない薄膜からの蛍光また
はりん光強度との比を実験的に求めると、ほぼ次の関係
が得られる。
F0/F=1+a[G] (1) a:傾き [G]:ガス濃度 この関係は、溶液系で一般に知られている蛍光及びり
ん光の消光に関する関係と類似である。すなわち、溶液
系では、その蛍光またはりん光強度と消光剤の濃度の間
に次式のシュテルンフォルマーの式が成り立つ事が知ら
れている。
Φ0/Φ=1+Kτ[Q] (2) Φ0:消光剤のない時の蛍光又はりん光の量子収率 Φ:消光剤の存在下での蛍光又はりん光の量子収率 K:色素と消光剤の反応速度定数 τ0:消光剤のない時の蛍光又はりん光の寿命 [Q]:消光剤の濃度 前記蛍光またはりん光の量子収率(Φ、Φ)は、励
起光強度が一定であれば、蛍光又はりん光強度に比例す
る。式(1)と式(2)を比較すると、ガスおよび薄膜
系でも溶液系と同様の現象が起こっており、ガスが消光
剤の働きをしているものと考えられる。
以上の関係から、被検知ガスと接触させた薄膜からの
蛍光またはりん光強度と、被検知ガスと接触させない薄
膜からの蛍光またはりん光強度との比から、複雑な補正
を必要とせず非常に簡単に定量的に被検知ガスの濃度を
求めることができる。即ち、発光素子から出た励起光
は、ガス検知素子の有機色素を含む薄膜に達し、そこで
有機顔料を励起して蛍光またはりん光を発生させる。そ
の場合、有機顔料を含む薄膜は、被検知ガス、例えばNO
x、SOx、Cl2、O3、NH3等と接触することにより、ガス検
知素子から発する光の吸収スペクトルの波長が可逆的に
変化するか、あるいは蛍光またはりん光強度が可逆的に
変化する。そこで、ガス検知素子から発する光を、蛍光
またはりん光と励起光を分離するためのフィルターを通
して受光素子で受光させ、薄膜の可逆的な色変化あるい
は蛍光またはりん光強度変化を測定し、被検知ガスを検
知することができる。同時に測定した被検知ガスと接触
させていない蛍光またはりん光強度から式(1)あるい
は式(2)に基づいて被検ガスの濃度を定量的に測定す
ることができる。
(実施例) 以下、図面によって本発明を詳記する。
第1図は、本発明の光学式ガス検知装置を実現するた
めの基本構成の一例である。図中、1a,1bは発光素子、2
a,2bはレンズ、3は有機色素を含む薄膜よりなるガス検
知素子、4a,4bは蛍光あるいはりん光を分離するフィル
ター、5a,5bは受光素子、6a,6bはフィルターを示す。7
a,7bは透明仕切り板であり、デッドスペースを小さく
し、被検知ガスがガス検知素子にのみ有効に接触するよ
うにしているもので、省略してもよい。11は被検知ガス
をガス検知素子の部分に流すためのガス導入手段であ
る。第1図は、a側(左側)には被検知ガスを流し、b
側(右側)には被検知ガスを流さない状態を示してい
る。被検知ガスを流さないb側(右側)には透明仕切り
板7bはなくてもよい。第1図中、点線の矢印はガスの流
れを模式的に示す。以下、図中の番号について必要な場
合にのみa,bの区別を付ける。12は発光素子1、ガス検
知素子3、蛍光あるいはりん光を分離するフィルター、
受光素子5を有するガス検知手段である。
発光素子1から出た励起光は、レンズ2により集光さ
れ、ガス検知素子3に照射される。それによってガス検
知素子3の薄膜から蛍光またはりん光が発生する。第1
図中、破線線の矢印は励起光および蛍光またはりん光を
模式的に示す。発生した蛍光またはりん光は、フィルタ
ー4を通って受光素子5に達し、図示しない電気回路に
より電気信号に変換される。この場合、ガス検知素子3
に特定のガス(例えば、NO2)が接触すると、ガス検知
素子3から出る蛍光またはりん光強度が変化し、ガス濃
度が電気信号として検知できる。
本発明において、ガス検知素子3としては、例えばガ
ラス等からなる基板上に有機色素を含む薄膜を形成した
もので、600〜760nmの範囲の光を照射すると770nm付近
にピークを有する蛍光またはりん光を発生するものが有
利に使用できる。
その場合、発光素子1としては、600〜760nmの範囲に
主発光波長を有するLEDあるいは半導体レーザー素子が
好ましく使用され、これ等は、小型の励起光源として使
用することができる。
また、受光素子5としては770nm付近にピーク波長を
有する蛍光またはりん光に対して感度を有するものでな
ければならない。
レンズ2は、発光素子1から出る光が発散するのを防
ぎ、ガス検知素子3の上に有効に集めるために使用する
ものであり、ガス検知素子3から出る蛍光またはりん光
強度を強めるのに有効である。レンズ2は発光素子1と
一体に構成されてもよい。
フィルター4は、発光素子1から出た励起光が、ガス
検知素子3で反射又は散乱して受光素子5に入るのを防
ぎ、蛍光あるいはりん光を分離する作用をする。したが
って、受光素子5が励起光に対して感度を有する場合で
あっても、これ等の励起光や散乱光をフィルター4で防
ぐことによって、受光素子5に入る光のうち、蛍光また
はりん光の割合が大きくなり、ノイズの少ない信号が得
られるようになる。
蛍光またはりん光を有効に集めるために、受光素子5
あるいはフィルター4の前にレンズを置いてもよいし、
レンズと受光素が一体に構成されたものを使用してもよ
い。
本発明の光学式ガス検知装置において、ガス検知素子
3から出る蛍光またはりん光を受光素子5で有効に受光
させるためには、発光素子1、レンズ2、ガス検知素子
3、フィルター4、受光素子5の順に配置することが必
要であるが、装置をできるかぎり小型にして大きな電気
信号を得るためには、これ等の各部分をできるだけ接近
させて配置するのが望ましい。その場合、励起光が受光
素子5に入るのを防ぐようにする為に、受光素子5は、
ガス検知素子3で励起光が鏡面反射する方向に配置しな
いことが望ましい。具体的な配置としては、フィルター
4と受光素子5を一体にして、ガス検知素子3に対して
垂直方向に配置して、一方、発光素子1とレンズ2を一
体にして上記垂直方向に対して、適当な角度(数度ない
し数十度)で配置するのが好ましい。
発光素子1から出る光には、励起光として作用する60
0〜760nmの波長範囲の光の他に、それよりも長い波長の
光が含まれている場合がある。例えば、GaAs系の材料を
用いた発光素子では、600〜760nmの範囲にピークを持つ
主発光波長の光と共に、890nm付近に小さなピークを持
つフォトルミネッセンスが僅かに出ている。この光のピ
ーク強度は、主発光波長のピーク強度に比して百分の一
以下であるが、蛍光またはりん光の測定の際にノイズと
なり得る。この様な光を除くために、本発明において
は、フィルター4を、780nm付近の蛍光またはりん光成
分のみを透過し、それよりも短波長側及び長波長側をカ
ットする性質を有するバンドパスフィルターにするか、
あるいは、780nm付近の蛍光またはりん光成分よりも長
波長側の光をカットするフィルターを追加的に挿入すれ
ばよい。後者の場合、追加する長波長側の光をカットす
るフィルターは、発光素子1と受光素子5の間の光経路
であれば原則的にはどこの位置に設けてもよいが、スペ
ースの点からは、第1図に示す位置に設けるのが好まし
い。即ち、長波長側の光をカットするフィルター6は、
レンズ2とガス検知素子3の間に配置する。特に、発光
素子として半導体レーザー素子を用いる場合には、上記
フィルター6は、励起光に対して垂直に配置するのでは
なく、第1図に示すように若干角度を付けて配置し、フ
ィルター6の表面で反射した光が半導体レーザー素子の
発光部に戻らないようにするのが望ましい。
次に、さらに具体的な実施例を示す。
(例1) 下記式で示されるスクエアリリウム色素 とアラキン酸(C19H39COOH)とをモル比1:1の割合でク
ロロホルム中に溶解し、約8×10-4Mの濃度の溶液を調
整した。この溶液を用いLB膜(ラングミュア・ブロジェ
ット膜)作製法によって3分子層の膜を成膜した。それ
により、スクエアリリウム色素のJ会合体からなるガス
検知素子が得られた。即ち、約200μlを水面上に展開
し、ガラス基板を、気水界面を上下させることにより、
ガラス基板上に感ガス体薄膜を形成してガス検知素子を
得た。
発光素子1aとして670nm付近にピーク波長を有する市
販の半導体レーザー素子を使用し、励起光源とした。こ
の光を集めるためのレンズ2aとしてプラスチックレンズ
を半導体レーザー素子の前に設けた。また、受光素子3a
としては市販のシリコンフォトダイオードを用い、励起
光カットフィルター4aをその前に取り付けた。励起光カ
ットフィルター4aは、色ガラスフィルターの上に、干渉
膜を蒸着したものであって、720nm付近から850nm付近の
光を透過するバンドパスフィルターを用いた。これ等の
各部品を第1図に示すように配置した。即ち、励起光カ
ットフィルター4a及びシリコンフォトダイオードを、ガ
ス検知素子に対してほぼ垂直方向で、ガス検知素子の薄
膜表面から5〜10mm離して配置した。
半導体レーザー素子及びレンズは、励起光がガス検知
素子3に対して、垂直方向から約60゜の角度で入射する
ように配置した。
また、800nm付近より長波長側の光をカットする赤外
カットフィルター6aをレンズの前に設けた。この場合、
励起光が赤外カットフィルターに対して約20゜の入射角
を持つように赤外カットフィルター6aを傾けて設けた。
透明仕切り板7aおよび仕切り板8を設け、ガス検知素子
3のa側のみが被検知ガスと接触し、b側には被検知ガ
スが接触しないようにした。被検知ガスと接触させない
方のガス検知素子に対しても同様の光学系を組み、それ
ぞれ半導体駆動回路及びフォトダイオード駆動回路と共
に内部を黒色処理した箱に入れて光学式ガス検知装置を
作製した。
この光学式ガス検知装置において、半導体レーザーを
点灯すると、励起光がガス検知素子3に照射され、そこ
から出た蛍光またはりん光をフォトダイオードで受け、
フォトダイオードに流れる10-9Aオーダーの電流を電気
回路により1Vオーダーの電圧信号としてそれぞれ出力す
ることができた。
ガス導入部材の中にNO2ガスを含む空気を流すとNO2
ス濃度に応じて、一方の信号電圧が減少した。ガスに接
触させた方の出力をV、接触させない方をV0とし、その
結果を比較演算手段10に入力したところ、第2図に示
すようなほぼ直線関係が得られた。また、下記式(3)
に合わせて換算すると係数α=10.6で次式の様にNO2
度を表す事ができた。
(V0/V)−1=α[NO2] (3) [NO2]:NO2濃度(単位ppm) この方法により、0.001〜10ppmのNO2ガスを定量的に
測定できた。
(例2) 例1と同様の光学式ガス検知装置のガス導入部材の中
にNOガスを含む空気を流すとNOガスの濃度に応じて、一
方の信号電圧が減少した。例1と同様に比較演算手段10
に入力した、第2図に示すようなほぼ直線関係が得ら
れた。下記式(4)でNO濃度を表す時の係数βはβ=1.
40であった。
(V0/V)−1=β[NO] (4) [NO]:NO濃度(単位ppm) この方法により、0.001〜100ppmのNOガスを定量的に
測定できた。
(比較例) 比較のために第3図に各々のフォトダイオードからの
出力をそのままプロットした場合を示す。ガス濃度と出
力はリニアーな関係ではないことは明らかである。
(発明の効果) 上記のように、本発明の光学式ガス検知装置は、発光
素子と受光素子の間の光回路に、有機色素を含み、発光
素子から発する光によって蛍光又はりん光を発するガス
検知素子とフィルターを順次配置した構成を有するか
ら、被検知ガスとの相互作用による可逆的な物理的、化
学的変化を利用して、簡単にガス検知を行うことができ
る。また、ガスと接触させていない薄膜の蛍光またはり
ん光を同時に測定することにより被検知ガスを定量的に
検出することができる。
本発明の光学式ガス検知装置は、光学感度、安定性、
応答速度に優れ、ガス濃度に対してリニアーな出力が得
られ、広い濃度範囲で使用可能である。また、製作も容
易で、コスト面、対環境面でも有利であるので、非常に
広範囲な応用が可能である。更に、光を利用するもので
あるから、電気的、磁気的および化学的妨害に対して抵
抗性を有している。
本発明の光学式ガス検知装置は、NOxのみならず、S
Ox、Cl2、O3等の酸化性ガス、NH3等の還元性ガス等の検
出にも使用することができる。
また、本発明の光学式ガス検知装置は、励起光源とし
て、半導体レーザーやLEDを用い、また、受光素子とし
てホトダイオードを利用することができ、これ等はいず
れも小さな部品であり、さらに、蛍光またはりん光強度
の出力比を求めるのも簡単な電気回路が利用できるの
で、小型化、低コスト化および信頼性の点で有利なもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光学式ガス検知装置の基本構成を示す
構成図である。第2図は、本発明の光学式ガス検知装置
による測定例である。第3図は、比較のための測定例で
ある。 1a,1b……発光素子、2a,2b……レンズ、3……ガス検知
素子、4a,4b……フィルター、5a,5b……受光素子、6a,6
b……フィルター、7a,7b……透明仕切り板、8……仕切
り板、9a,9b……受光素子用電気回路、10……出力信号
比較手段、11……ガス導入手段、12a,12b……ガス検知
手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子と、前記発光素子からの光によっ
    て蛍光またはりん光を発する有機色素を含む薄膜よりな
    るガス検知素子と、蛍光またはりん光を分離するフィル
    ターと、受光素子とを有する少なくとも一組のガス検知
    手段と、前記ガス検知素子に被検知ガスを導入するため
    のガス導入手段と、ガス検知素子へのガス導入時の受光
    素子からの出力信号とガス非導入時の受光素子からの出
    力信号の比を求める出力信号比較手段を備え、前記出力
    信号比較手段は、下記式(1) F0/F=1+a[G] (1) (ここで、F0/Fは被検知ガスと接触させた薄膜からの蛍
    光またはりん光強度と、被検知ガスと接触させない薄膜
    からの蛍光またはりん光の強度比に対応する前記出力信
    号の比、aは傾き、[G]はガス濃度を表す。) にもとづいて被検知ガスのガス濃度を定量化することを
    特徴とするガス濃度検知装置。
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