JP2938048B1 - 代謝機能測定装置 - Google Patents
代謝機能測定装置Info
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Abstract
なる採血を行うことなく、ブドウ糖及びその化合物の代
謝速度を測定することである。 【解決手段】ブドウ糖及びブドウ糖より合成される種々
の化合物の代謝速度を測定する代謝機能測定装置におい
て、13Cで標識されたブドウ糖を投与した被検体102
から、静磁場、傾斜磁場及び高周波磁場を印加すること
により、標識ブドウ糖と標識化合物との濃度に関わる磁
気共鳴データを収集するパルスシーケンスと、標識ブド
ウ糖と標識されていないブドウ糖と標識化合物と標識さ
れていない化合物との濃度に関わる磁気共鳴データを収
集するためのパルスシーケンスとを交互に実行する。
Description
ウ糖より合成される種々の化合物の代謝速度を測定する
代謝機能測定装置に関する。
る近年、精神神経疾患(アルツハイマー型痴呆症等)の
原因の究明・治療法の確立が期待されており、人および
動物での脳内代謝と精神疾患の関連に関する研究が活発
に行われている。例えば、ブドウ糖が血液から脳細胞に
取り込まれる速度の低下と、アルツハイマー型痴呆症と
の関連性に関する研究が、ポジトロンCTによりFri
edlandらにより行われている(JAMA 25
2:2750(1984))。
タミン酸等のアミノ酸が神経伝達物質として重要で、ア
ルツハイマー型の痴呆症が主因で死亡した患者の脳を解
剖し、脳内グルタミン酸の量が健常人よりも低下してい
ることを示すデータもMastrogiacomoらに
より得られている(J.Neurochem.61,2
007(1993))。
およびブドウ糖から合成されるアミノ酸は、精神神経疾
患と密接な関係があることが示唆されており、生体でブ
ドウ糖代謝を観測することが求められている。
方法は、18F−FDGを投与後、脳内の18F−FDG濃
度を観測しこの結果を多数回の採血により求めた血中の
18F−FDG濃度データと併せてブドウ糖代謝率を求め
るというもので、この方法は古くから行われており、測
定回数を2回に減らすなどの改良を加えた形で(特開平
9−54160号公報)、現在も活用されている。
FDGはアミノ酸を合成しないため、ブドウ糖の代謝速
度のみしか分からないという点と放射性物質を用いてい
るという点がある。
lcを被検体に投与後、MRS(磁気共鳴スペクトロス
コピー)により脳内のブドウ糖から合成されたアミノ酸
の濃度を観測し、この結果を、多数回の採血により求め
た血中の13C−Glc濃度データと併せて、ブドウ糖代
謝率およびポジトロンCTでは観測できないTCAサイ
クル速度を求める方法がG.Masonらにより行われ
ている(J Cereb Blood Flow Me
tab 15,12(1995))。
る方法について説明する。図15がMasonの方法を
実現するシステムのブロック図であり、図16は代謝速
度測定手順である。図17は磁気共鳴装置により得られ
たMRSデータであり、図18は得られたデータセット
である。図19は代謝速度を求めるためのコンパーメン
トモデルを簡単化したものである。
て、実際に生体から測定したデータを補正するための参
照データ(標識ファントムのMRSデータ)を収集す
る。この標識ファントムは、1位が13Cで標識されたブ
ドウ糖(以下、1−13C−Glcと表記する)と、1−
13C−Glcから合成される4位が標識されたグルタミ
ン酸(以下、4−13C−Gluと表記する)と、同様に
1−13C−Glcから合成される4位が標識されたグル
タミン(以下、4−13C−Glnと表記する)等とを一
定濃度だけ含んでいる。
C−Glcを投与後、時刻k1で、採血を行い、市販の
グルコースアナライザー1304により血糖値を測定
し、市販の質量分析装置1303により、1−13C−G
lcと標識されていないブドウ糖の比を求める。次に時
刻t1で、磁気共鳴装置1301で所定の脳細胞領域か
ら、ブドウ糖から代謝された標識化合物のMRSデータ
を13C観測法等により取得する。
な時間経過後測定を終了する。グルコースアナライザー
により、時系列の血糖値データセット(図18(a)の
・点列)が得られる。これは、時刻ki 、ki+1 で取得
したデータを平均して時刻ti に対してプロットしたも
のである。ただしiはデータ測定回数を示す正数であ
る。質量分析装置により得られる1−13C−Glcが同
位体の中で占める割合(以下、F.E.(fracti
on enrichment)と略す)と血糖値を掛け
合わせることで、時系列の1−13C−Glc濃度データ
セット(図18(a)の×点列)が得られる。
MRSが図17であり、この図17において、4−13C
−Gluのピーク強度をG40、3位と4位が共に13Cで
標識されたグルタミン酸(3,4−13C−Gluと略
す)の3−13Cと4−13CのC−Cカップリングにより
分裂したピーク強度をG41、G42とし、3−13C−Gl
uのピーク強度をG30とし、同様に、3,4−13C−G
luのC−Cカップリングにより分裂したピーク強度を
G31、G32とする。これらのピーク強度を事前に行った
ファントム測定の値により補正する。ファントムの4−
13C−Gluの濃度をCf、スペクトル強度をGf、コ
イル負荷をQfとして、被検体のコイル負荷をQexp と
すると、被検体の4−13C−Gluの濃度Cexp は、
れる(3,4−13C−Gluの濃度の換算は、ピーク強
度G41、G42、G31、G32から得たものの平均値とする
か、G31、G32のピークの判別が難しい場合は、G41、
G42のピークから求めた濃度の平均を取る)。3−13C
−Gluの濃度をCgu3、3,4−13C−GluをG
gu34とすると4−13C−GluのF.E.は、Gg
u34/(Cgu34+Cgu3)により得られる。同
様にして4−13C−GlnのF.E.も求められる。
E.の時系列データセット(図18(b)の・点列)、
4−13C−GlnのF.E.の時系列データセット(図
18(a)の×点列)が得られる(3−13C−Gluお
よび3−13C−Glnデータセットはコンパートメント
モデル簡単化のため省略する)。
ルコース代謝率CMRg1を求めるためのMasonら
のコンパートメントモデルを簡単化したものであり、各
種の化合物の間には以下のような微分方程式が成り立
つ。
れMichaelis−Mentenモデルの最大速度
およびMichaelis−Menten定数であり、
文献値としてKm =4.9μmol/g、Vmax =3.
6×CMRglを使用する。Goは血中のブドウ糖の濃
度、CMRglはブドウ糖の代謝速度である。式(2
0)は血管中のブドウ糖と脳細胞のブドウ糖の関係式で
ある。式(21)においてLは脳細胞内の乳酸とピルビ
ン酸の濃度の和を表し、文献値(0.6μmol/g)
を使用する。Gluはグルタミン酸の濃度、Glnはグ
ルタミンの濃度を表す。Gluは、4−13C−Glu
(あるいは3−13C−Glu)の濃度データを4−13C
−Glu(あるいは3−13C−Glu)のF.E.デー
タで割り、平均化することで得られる。Glnも同様に
して得られる。
物は濃度が常に一定であることを表している。式(2
2)においてGo* は血中の1−13C−Glcの濃度で
あり、Giは脳細胞内のブドウ糖の濃度、Gi* は脳細
胞内の1−13C−Glcの濃度である。式(23)にお
いてL* は脳細胞内の標識されたピルビン酸と乳酸の和
の濃度である。Vout は乳酸からの流出定数であり、文
献値(0.12μmol/min/g)を使用する。
* はそれぞれ脳細胞内の4−13C−Glu、4−13C−
Glnの濃度を表し、Vtca、VglnはそれぞれT
CAサイクル速度、グルタミンの代謝速度を表す。ま
た、Glu4 * /Glu、Gln4 * /Glnはそれぞ
れ4−13C−Glu、4−13C−GlnのF.E.を表
す。またdL/dt=0から、CMRglとVtcaの
間には、
る。このとき、4−13C−Gluの時系列F.E.デー
タ(図18(b)の・点列)を入力データとし、Vgl
nの初期値を適当に決め、数値的に式(25)の微分方
程式を解き、時刻t1 ,t2 ...に対応するフィッテ
ィングデータセットを得る。このフィッティングデータ
セットが4−13C−Glnの時系列F.E.データセッ
ト(図18(b)の×点列)にフィットするようにパラ
メータVglnをsimplex法等により求める。
(図18(a)の・点列と×点列)を入力データとし、
パラメータVtacaの初期値を決め、数値的に式(2
0),(22),(23),(24)の微分方程式を順
次解き、Glu4 * /Gluの時系列フィッティングデ
ータセットを求め(式(24)を解く際には、4−13C
−Gln時系列データセット1604および上で求めた
Vglnの値も入力データとして用いる)、このフィッ
ティングデータセットがデータセット(図18(b)の
×点列)にフィットするように、パラメータVtcaを
simplex法等により求める。また、式(30)か
らブドウ糖代謝率CMRglも求めることができる。
である。しかし、これらの代謝速度を求める方法は、多
数回に及ぶ採血を行うため、被検体にかかる負担が大き
いという問題点があった。
謝速度を求める装置においては、血中の標識ブドウ糖の
濃度を求めるために、多数回の採血を行う必要があり、
被検体への負担の大きさが問題となっていた。
担になる採血を行うことなく、ブドウ糖及びその化合物
の代謝速度を測定することのできる代謝機能測定装置を
提供することにある。
ブドウ糖より合成される種々の化合物の代謝速度を測定
する代謝機能測定装置において、安定同位体で標識され
たブドウ糖を投与された被検体から、静磁場、傾斜磁場
及び高周波磁場を印加することにより、前記標識された
ブドウ糖と前記標識されたブドウ糖から合成された標識
化合物との濃度に関わる磁気共鳴データを収集するため
のパルスシーケンスと、前記標識されたブドウ糖と標識
されていないブドウ糖と前記標識化合物と標識されてい
ない化合物との濃度に関わる磁気共鳴データを収集する
ためのパルスシーケンスとを交互に実行するものであ
る。
り合成される種々の化合物の代謝速度を測定する代謝機
能測定装置において、磁気共鳴装置と、非侵襲血糖値測
定装置とを備え、安定同位体で標識されたブドウ糖を投
与された被検体から、前記磁気共鳴装置で、前記標識さ
れたブドウ糖と前記標識されたブドウ糖から合成された
標識化合物との濃度に関わる磁気共鳴データを収集する
動作と、前記標識されたブドウ糖と標識されていないブ
ドウ糖と前記標識化合物と標識されていない化合物との
濃度に関わるデータを前記非侵襲血糖値測定装置で収集
する動作とを交互に実行するものである。
よる代謝機能測定装置を好ましい実施形態により詳細に
説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態に係る
代謝機能測定装置の構成を示している。本実施形態に係
る代謝機能測定装置は、磁気共鳴装置により構成され、
代謝機能を測定するために必要なデータを収集すると共
に、その収集したデータに基づいて代謝機能、ここでは
ブドウ糖およびブドウ糖より合成される種々の化合物の
代謝速度を測定する。
磁用電源202に駆動され、シムコイル208は、シム
コイル用電源209に駆動される。これにより撮像領域
内に静磁場が発生する。この静磁場の向きを、Z方向と
定義する。撮像時には、撮像領域内に、被検体206が
挿入される。勾配磁場コイル203とそれに対して直列
接続されたシールドコイル204とは、勾配コイル用電
源205にて駆動される。これにより、XYZ各々の方
向に磁場強度が線形に変化する3種類の勾配磁場が静磁
場に重畳される。勾配コイル用電源205は、シーケン
スコントローラ216から出力され、そして渦補償回路
207で補正された波形信号を電力増幅する。渦補償回
路207は、シーケンスコントローラ216からの波形
信号に、渦磁場の時間応答を補正するため波形信号を畳
み込む。
216からのトリガ信号に従ってRFコイル211に高
周波信号を供給する。これによりRFコイル211から
高周波磁場が発生する。また、被検体206からの磁気
共鳴信号は、RFコイル211を介して受信部214で
受信される。なお、RFコイル211は送受信兼用でも
よいし、別々に設けてもよい。このRFコイル211と
勾配磁場コイル203との間には、高周波シールド21
2が配設されている。受信部213は、受信した磁気共
鳴信号を検波し、データ収集部214に送る。計算機2
15は、データ収集部214に収集されたデータをフー
リエ変換等にかけて、被検体内部の所望化合物のMRS
データ、図17に示したようなスペクトルデータを生成
する。このMRSデータは、画像ディスプレイ218に
表示されると共に、代謝機能測定に使用される。
イル用電源209、送信部210、受信部213、デー
タ収集部214は、全てシーケンスコントローラ216
により制御されており、システムコントローラ216は
計算機215に、さらに計算機215は、入力装置21
7により制御されている。
測定の手順を示している。図2のプロトンMRS工程で
は、図3に示したプロトン観測のためのパルスシーケン
スが実行される。図2の2次元(13C)MRS工程で
は、図4に示した13C観測のためのパルスシーケンスが
実行される。
Cで標識されたブドウ糖およびブドウ糖から代謝された
標識化合物の信号と、標識されていないブドウ糖及びグ
ルタミン酸の信号とが、脳実質部から観測される。図4
のパルスシーケンス402により、13Cで標識されたブ
ドウ糖およびブドウ糖から代謝された標識化合物の信号
が脳実質部から観測されるが、標識されていないブドウ
糖及びグルタミン酸の信号は観測されない。
抑制シーケンスとしてのCHESS(Chemical Shift Se
lective)と、従来より用いられている局所励起1 H観測
法であるSTEAM(Stimulated Echo Acquisition Mod
e)と、を組み合わせたものである。図3において、斜線
部分は磁化をばらけさせるためのスポイラー勾配磁場で
あり、これ以外の勾配磁場はスライス選択勾配磁場であ
る。この他にも局所領域からの1 Hスペクトル観測法と
して、図5に示すWEFT(Water EliminationFourier
Transform) と、PRESS(Point-Resolved Spectrosc
opy) とを組み合わせてもよいし、さらにISIS(Imag
e Selected In-vivo Spectroscopy) 等を用いても良
い。
ス勾配磁場パルスを3軸に追加して局所領域からの信号
を取得できるように改良したHSQCシーケンスである
(特願平8−252236号)。改良前においては2番
目の 1Hに対するRFパルスと3番目の13Cに対するR
Fパルスとを同時に印加し、また4番目の 1Hに対する
RFパルスと5番目の13Cに対するRFパルスとを同時
に印加していたので、2番目及び4番目の 1Hに対する
RFパルスと同時にスライス勾配磁場パルスを印加する
ことができなかったが、3番目のRFパルスと4番目の
RFパルスとの間隔をΔ=1/(4・J)(Jは 1 H
−13Cスピン結合定数)に維持している限りINEPT
と同様の分極を起こすことができるので、 1Hのエコー
時間を任意に設定して、2番目の 1Hに対するRFパル
スを3番目の13Cに対するRFパルスからずらして、ま
た4番目の 1Hに対するRFパルスを5番目の13Cに対
するRFパルスからずらすことができるため、1番目及
び4番目の 1Hに対するRFパルスと一緒にスライス勾
配磁場パルスGx,Gzを印加することができる。
加することで、分極移動損のないコヒーレンスが生成さ
れる。また、5番目のRFパルスと7番目のRFパルス
の間の展開期隔t1 に、13Cの1量子コヒーレンスが展
開し、13Cの化学シフトが展開する。展開期t1 の中央
の6番目の 1Hに対するRFパルスは、 1Hと13Cのデ
カップリングのために印加される。最後に8番目の 1H
に対するRFパルスを、7番目の13Cに対するRFパル
スからずらすことにより、1番目及び4番目の1Hに対
するRFパルスと同様に、スライス勾配磁場パルスGy
を同時に印加することができる。
パルス前後の不要コヒーレンス除去のためのであり、勾
配磁場Gselはコヒーレンス選択のために次式の条件
を満たすように印加される。
1Hの磁気回転比である。G1 、G2 、G3 はコヒー
レンス選択勾配磁場強度であり、Δt1 、Δt2 、Δt
3 はそれぞれの印加時間である。
示すように、ISISと、 1Hデカップリング13C観測
法とを組み合わせたパルスシーケンスを採用してもよ
い。また、感度が十分であれば、パルスシーケンス40
2の2次元MRSでなく、1次元の 1H−MRS用のパ
ルスシーケンスを用いても良い。
明する。図7は、第1実施形態におけるMRSデータ収
集用のRFコイル211の送信コイルと受信コイルと撮
像領域(脳細胞部)との位置関係を示している。送信コ
イル501としては 1Hと13Cとの二重同調コイルを、
そして受信コイル502として 1H観測用表面コイルを
使用する。受信コイル502として感度が十分であれば
1 H−13C観測用の表面コイルを用いて、パルスシーケ
ンス402の代わりに、13C観測用のパルスシーケンス
を用いて、データを取得しても良い。図8は集められた
データセットであり、図9は代謝速度を求めるためのコ
ンパーメントモデルである。
の方法と同様に、測定データを補正するための標準ファ
ントム(1−13C−Glc、4−13C−Glu、4−13
C−Gln等を一定濃度含む)に関するMRSデータを
パルスシーケンス401,402により取得する。
で標識した適当な量の1−13C−Glcを経口投与し、
磁気共鳴装置101でパルスシーケンス401により、
所定の脳細胞領域503でのブドウ糖、およびグルタミ
ン酸、グルタミンの信号を測定する。
域503からの1−13C−Glcおよび1−13C−Gl
cから代謝された標識化合物(4−13C−Glu、4−
13C−Gln等)の信号を取得する。
定、パルスシーケンス402による測定を交互に繰り返
し、適当な時間経過後測定を終了する。パルスシーケン
ス401により得られた 1H−MRSに対して、代謝機
能測定装置本体103において、各種化合物のピークに
対して、式(10)と同様の補正をすることで、脳内ブ
ドウ糖濃度時系列データセット601が得られる。ま
た、脳内グルタミン酸濃度、脳内グルタミン濃度が得ら
れる。時刻ki 、ki+1 で取得したデータを平均して時
刻ti に対してプロットする。ただしiはデータ測定回
数を示す正数である。
ン濃度は時間に対して不変であると考えられるため、集
められたデータセットを平均して求める。また、脳内ブ
ドウ糖濃度に関して領域503には脳血管部も5%程度
含まれると考えて、濃度を補正しても良い。
13C−Glc、4−13C−Glu等の信号が得られ、こ
れをファントムデータで補正することにより、強度デー
タは濃度データヘと換算される。脳内のグルタミン酸の
濃度は1 H−MRSにより得られているため、4−13C
−GluのF.E.が得られる。同様にして、4−13C
−GlnのF.E.も得られる。以上で脳内1−13C−
Glc濃度の時系列データセット602、4−13C−G
luのF.E.の時系列データセット603および、4
−13C−GlnのF.E.の時系列データセット604
が得られる。脳内1−13C−Glc濃度は上と同様に領
域503に脳血管部も5%程度含まれると考えて、濃度
を補正しても良い。
メントモデルである。脳内のブドウ糖濃度データ、脳内
の1−13C−Glc濃度データが得られているため、M
asonらのモデル(図19)から、血管のコンパート
メントを省くことができ、文献値として用いていたKm
、Vmax の値も考慮せずに済む。各種の化合物の間に
成り立つ微分方程式は、式(21),(23),(2
4),(25)である。
603を入力データとして、Masonらと同様に、式
(25)を用いてVglnを求める。 次にVtcaの
値を求める。時系列データ601,602を入力データ
とし、パラメータVtcaの初期値を決め、数値的に式
(23),(24)の微分方程式を順次解き、Glu4
* /Gluの時系列フィッティングデータセットを求め
る(式(24)を解く際には、4−13C−Gln時系列
データセット604および上で求めたVglnの値も入
力データとして用いる)。以後Masonらと同様にし
て、パラメータVtcaを計算機215により求める。
また、式(30)からブドウ糖代謝率CMRglも求め
ることができる。
行うことなく、代謝機能、ここでは代謝速度を測定する
ことができる。 (第2実施形態)図10は、第2実施形態に係る代謝機
能測定装置の構成を示している。代謝機能測定装置は、
磁気共鳴装置801と、非侵襲血糖値測定装置803と
からなる。なお、磁気共鳴装置801は、図1の構成と
同じである。図11に本実施形態の測定手順を示してい
る。
られる非侵襲血糖値測定装置803の構成を示してい
る。非侵襲血糖値測定装置803は、詳しくは特開平3
−173535号公報を参考されたいが、非侵襲で、つ
まり採血しないで、血糖値を測定することができるよう
に、光源1001からの適当な波長の光線を凸面反射鏡
1002を介して被検体の指1003の部分に照射し、
透過してくる光線を2系統のレンズ1005,1006
で集め、フィルタ1007,1008を通し、センサ1
009,1010で透過波長の解析をし、増幅器101
1,1012で信号を増幅し、そして演算装置1013
でグルコース濃度を計算するようになっている。
ル1102と撮像領域(脳静脈部)1103と撮像領域
(脳細胞部)1104との位置関係を示している。図1
4は、図11のMRS測定工程で用いられるパルスシー
ケンスを示している。パルスシーケンス1201はマル
チスライスHSQC法で特願平8−304561号に開
示されている。1201は、2つの撮像領域1103,
1104とから信号が得られるように、第1実施形態の
パルスシーケンス402の信号観測部分をもう1系統
(四角で囲んだ部分)追加したものである。このように
新たに選択励起パルスおよびコヒーレンス選択勾配磁場
が加わることで、y軸方向にセパレートした複数領域1
103,1104が観測可能となる。
て図11を参照して詳細に説明を行う。図18に、集め
られたデータセットを示し、図19に代謝速度を求める
コンパートメントモデルを示している。
ータを補正するための標識ファントムのMRSデータを
パルスシーケンス1201により取得する。次いで、時
刻t=0において、被検体に13Cで標識した適当な量の
1−13C−Glcを経口投与し、非侵襲血糖値測定装置
803により適当な部位での血糖値を測定後、磁気共鳴
装置801で所定の脳の静脈血管領域1103での1−
13C−Glcおよび脳細胞領域1104から4−13C−
Glu、4−13C−Gln等の2次元MRSデータを取
得し(脳細胞内の1−13C−Glcデータも得られるが
使用しない)、ファントムデータによる換算を行い、濃
度データを得る。以後803による測定、801による
測定を交互に繰り返し、適当な時間経過後測定を終了す
る。
セット(図18(a)の・点列)が得られる。また、領
域1103からのスペクトルより、血中1−13C−Gl
c濃度データセット(図18(a)の×点列)が得られ
る。また、領域1104からのスペクトルより、4−13
C−Glu濃度データ、4−13C−Gln濃度データが
得られる。また、Masonと同様のピーク強度解析を
行うことで、4−13C−GluのF.E.および4−13
C−GlnのF.E.時系列データセット(図18
(b)の・点列と×点列)が得られる。また、脳内のグ
ルタミン酸の濃度、グルタミンの濃度も同様に得られ
る。以下Maosnの方法と同様に、図19のコンパー
トメントモデルに対する微分方程式(20)〜(25)
を用いて、ブドウ糖代謝率およびTCAサイクル速度を
計算機215により求める。
域においての代謝速度を求めたが、パルスシーケンス1
201の追加部分を増加させることで、脳細胞の複数の
領域からの信号を取得することもでき、得られたデータ
セットを実施形態と同様の解析を行うことで、脳細胞の
複数の領域の代謝速度を求めることもできる。
域からの標識化合物の信号を取得するシーケンス402
の代わりに、マルチスライスパルスシーケンス1201
を用いることで、脳細胞の複数領域からの信号を取得
し、脳細胞の複数の領域の代謝速度を求めることもでき
る。この場合には、脳細胞のブドウ糖、グルタミン酸を
観測するための1 H−MRSのパルスシーケンスとし
て、観測時間は長くなるが、パルスシーケンス401の
Gyスライス選択傾斜磁場印加時の高周波パルスの中心
周波数を複数回変えて、複数領域からの信号を観測する
必要がある。
タのうち、ブドウ糖から合成される化合物として、グル
タミン酸の4位のデータとグルタミンの4位のデータの
みを用いて、代謝速度を求めたが、MRSにおいて観測
される他の化合物のデータも併せて使用し、他の化合物
の代謝速度を求めることができる。この場合は、コンパ
ートメントモデルを追加し、代謝速度パラメータも適宜
修正する必要がある。本発明は、上述した実施形態に限
定されることなく、種々変形して実施可能である。
被検体の脳細胞のブドウ糖・アミノ酸代謝速度を、採血
することなく、測定することができる。
のブロック図。
ーケンスを示す。
ルスシーケンスを示す。
スシーケンスを示す。
のパルスシーケンスを示す。
と撮像領域との配置関係を示す図。
一例を示す図。
ルを示す図。
ック図。
図。
ルと撮像領域との配置関係を示す図。
ーケンスを示す図。
ルを示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ブドウ糖及びブドウ糖より合成される種
々の化合物の代謝速度を測定する代謝機能測定装置にお
いて、 安定同位体で標識されたブドウ糖を投与された被検体か
ら、静磁場、傾斜磁場及び高周波磁場を印加することに
より、前記標識されたブドウ糖と前記標識されたブドウ
糖から合成された標識化合物との濃度に関わる磁気共鳴
データを収集するためのパルスシーケンスと、前記標識
されたブドウ糖と標識されていないブドウ糖と前記標識
化合物と標識されていない化合物との濃度に関わる磁気
共鳴データを収集するためのパルスシーケンスとを交互
に実行することを特徴とする代謝機能測定装置。 - 【請求項2】 ブドウ糖及びブドウ糖より合成される種
々の化合物の代謝速度を測定する代謝機能測定装置にお
いて、 磁気共鳴装置と、非侵襲血糖値測定装置とを備え、 安定同位体で標識されたブドウ糖を投与された被検体か
ら、前記磁気共鳴装置で、前記標識されたブドウ糖と前
記標識されたブドウ糖から合成された標識化合物との濃
度に関わる磁気共鳴データを収集する動作と、前記標識
されたブドウ糖と標識されていないブドウ糖と前記標識
化合物と標識されていない化合物との濃度に関わるデー
タを前記非侵襲血糖値測定装置で収集する動作とを交互
に実行することを特徴とする代謝機能測定装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010537157A (ja) * | 2007-07-17 | 2010-12-02 | メタボロン インコーポレイテッド | 糖尿病前症、心血管疾患及びその他のメタボリックシンドローム関連障害のバイオマーカー並びにその使用方法 |
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-
1998
- 1998-06-30 JP JP10185119A patent/JP2938048B1/ja not_active Expired - Fee Related
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