JP2929583B2 - 崩壊性砂中子の製造方法 - Google Patents

崩壊性砂中子の製造方法

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JP2929583B2
JP2929583B2 JP4121022A JP12102292A JP2929583B2 JP 2929583 B2 JP2929583 B2 JP 2929583B2 JP 4121022 A JP4121022 A JP 4121022A JP 12102292 A JP12102292 A JP 12102292A JP 2929583 B2 JP2929583 B2 JP 2929583B2
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勝 国村
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F2001/106Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling using a closed deck, i.e. the water jacket is not open at the block top face

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  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば,クローズドデ
ッキタイプの自動車用エンジン等,アンダーカット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および良好なコーティング性と崩壊容易性を有する崩壊
性砂中子の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は,ウォームボックス法で造型した砂中子原型をアルカ
リで処理し,次いで水洗し,さらに無機塩で処理するこ
とにより,第1のコーティング剤を1回だけで厚くコー
ティングできるとともに,その上にアルミニウム粉を含
有する第2のコーティング剤をコーティングしても同コ
ート層が堅固にでき,しかも,鋳造後の崩壊性に優れた
高圧鋳造用にも適した砂中子の製造方法に関するもので
ある。ここで,良好なコーティング性とは,砂中子原型
にコーティング剤をコーティングする際に,コーティン
グ剤が,薄い液状で砂中子原型の内部に広がった状態で
深く浸み込まずに,または,砂中子原型の表面からはじ
かれずに,砂中子原型の表面層のみにかつ全面に,所定
の厚さで均一に,かつ,確実容易に強固に形成され,そ
れが剥がれないようにコーティングされることであり,
鋳造時の高圧の鋳込圧力に充分に耐え得ることである。
【0002】
【従来の技術】従来より,例えば,クローズドデッキタ
イプの自動車用エンジンブロックやその他のアンダーカ
ット部分を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金
等の鋳造品をダイカストで鋳造して製造する場合,崩壊
性砂中子を用いてダイカスト鋳造することが行われてい
る。そして,崩壊性砂中子を得る場合,まず,砂を所望
の形に固め,次に,その固めた砂中子原型の表面にコー
ティング剤を塗布し,高圧下での溶湯鋳込時には砂中子
が破損したり,溶湯が砂中子内に侵入しないようにし,
鋳造後には,ほとんど力を加えずに砂中子を崩壊させて
容易に取出せるようにし,かつ,砂が隅々まで充分に取
出せるようにすることが試みられている。勿論,その場
合,砂中子原型の成分,砂の固め方,コーティング剤の
成分,コーティングの仕方等,従来よりいろいろ試みら
れているが,充分に満足し得るものは得られていないの
が現状である。なお,コーティング剤としては,例え
ば,特開昭63−40639号公報に記載されているよ
うに,粉末状の耐火物,金属酸化物からなる第1のコー
ティング剤と,第1のコーティング剤の上に塗布する鱗
片状のアルミニウム粉やマイカ等を含有する第2のコー
ティング剤等が用いられている。
【0003】その中で,砂を固めて砂中子原型を得る方
法として,ハードックス法,ウォームボックス法,
シェルモールド法,コールドボックス法等がある。
ハードックス法としては,例えば,特公昭64−989
8号公報に記載されている技術が知られている。そし
て,この方法においては,砂中子原型は砂,酸硬化性樹
脂および酸化剤を主成分とする結合剤からなっており,
二酸化硫黄によって硬化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ハードックス法に
おいては,所望の形状に造型した砂を硬化して砂中子原
型を得る場合,二酸化硫黄すなわち亜硫酸ガスを使用し
て硬化する。したがって,亜硫酸ガスを使用するため,
作業環境が悪く,日本の工場では,人体に悪影響を与え
るようなガスの使用は好まれない。また,仮に亜硫酸ガ
スを使用するとしても,人体に悪影響を与えず,作業環
境も悪化させないようにするためには,その為の付属設
備の設置が大変であり,また,その設置,運転のために
法規制も受ける。
【0005】そのため,本発明者は,酸化剤と亜硫酸ガ
スの代りに硬化剤を使用するウォームボックス法の良さ
を見直すこととした。ウォームボックス法では,砂と結
合剤の混合物を固めて砂中子原型を得るのに亜硫酸ガス
を使用するのではなく,例えば,90〜240℃に加熱
した砂中子原型造型用の金型内に砂と結合剤の混合物を
圧縮空気で吹込んで加熱硬化させて造型する。しかし,
この場合,前記ハードックス法ではかなり良好に行われ
ていたコーティング剤と同一のコーティング剤を砂中子
に塗布しても,コーティング剤が砂中子原型の内部に浸
み込んでしまい,充分な厚さのコーティング層が得られ
なかった。
【0006】一方,本願発明の発明者は,硅砂やジルコ
ンサンド等の砂中子骨材と,フラン樹脂等の有機バイン
ダを用い,ウォームボックス法を用いて砂中子原型を造
型し,この砂中子原型を例えば,カセイソーダ水溶液等
のアルカリ水溶液で処理した後,それを乾燥した砂中子
原型の表面に粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散
体からなるスラリ状のコーティング剤をコーティング
し,それを乾燥させることによって崩壊性砂中子を得る
方法を発明し,特許出願した。この方法で得られた崩壊
性砂中子は,それなりに有効なものであるが,高圧ダイ
カスト時の溶湯の崩壊性砂中子への差込みをより確実に
無くすために,このコーティングを第1のコーティング
層とし,その表面に,前記した特開昭63−40639
号公報に示されているようなアルミニウム粉を含有する
第2のコーティング剤をコーティングすることを試み
た。しかし,この組合わせでは良好なコーティングが得
られなかった。すなわち,砂中子原型の表面付近に残存
していたアルカリが第1のコーティング層を透過して第
2のコーティング層にまでにじみ出て,第2のコーティ
ング剤中の成分であるアルミニウム粉と反応する。その
結果,第2のコーティング層が禿げたり剥れたりする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては,砂,
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子
原型を造型する工程と,この砂中子原型をアルカリで処
理する工程と,このアルカリで処理した砂中子原型を乾
燥する工程と,この乾燥した砂中子原型を水洗する工程
と,この水洗した砂中子原型を無機塩で処理する工程
と,この無機塩で処理した砂中子原型を乾燥する工程
と,この乾燥した砂中子原型の表面に粉末状の耐火物を
主成分とする中性水分散体からなるスラリ状の第1のコ
ーティング剤をコーティングする工程と,このコーティ
ングして得た砂中子を乾燥させる工程と,このコーティ
ングした砂中子にアルミニウム粉を含有するスラリ状の
第2のコーティング剤をコーティングする工程と,この
コーティングして得た砂中子を乾燥させる工程によって
崩壊性砂中子を得る。
【0008】砂中子原型を処理するアルカリとしては,
例えば,カセイソーダ等のアルカリを用いる。また,砂
中子原型をアルカリで処理する場合は,例えば,カセイ
ソーダ水溶液のような無機アルカリ溶液中に浸漬した
り,アルカリ溶液を砂中子原型の表面に刷毛塗りした
り,吹付けたりする。次いで,このアルカリで処理した
砂中子原型を乾燥する。然る後に,この乾燥した砂中子
原型を水洗するが,これは単に水中に砂中子原型を浸漬
したり,砂中子原型に水を吹付けたりする。その後,こ
の水洗した砂中子原型を無機塩処理する。この場合の無
機塩は,Li,Na,K,Cs,Cu,Cu
2+,Mg2+,Ca2+,Ba2+,Zn2+,A1
3+,Mn2+,Fe2+,Fe3+,Co2+,Ni
2+,NH などの陽イオンと,F,Cl,Br
,I,NO ,CO 2−,SO 2−,PO
3−などの陰イオンが電荷を中和する形で生成するもの
をいう。例えば,NaSO,KCO,MgCl
,Ba(PO,Al(SO,MnC
,FeSO,NHNO等が挙げられる。ま
た,上記のようにして得た砂中子原型を無機塩で処理す
る場合は,例えば,BaCl,Al(SO
溶液のような無機塩溶液中に浸漬したり,無機塩溶液を
砂中子原型の表面に刷毛塗りしたり,吹付けたり,無機
塩の微粉末を薄くまぶしたりする。
【0009】
【作用】本発明においては,まず,例えば,前記したよ
うに砂,フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用い
て砂中子原型を造型した後,その砂中子原型をカセイソ
ーダ水溶液等のアルカリ溶液中に浸漬するなどして砂中
子原型の内部にアルカリを浸み込ませ,次いで,この砂
中子原型を乾燥する。この場合,造型した砂中子原型
(黄土色,褐色〜深緑色)を,例えばカセイソーダ水溶
液等のアルカリ溶液の中に浸漬すれば,砂中子原型の表
層部や中にアルカリが付着したり浸み込んだりする。こ
の砂中子原型を浸漬槽から引き上げた後,80〜200
℃で数分〜2時間乾燥させると,砂中子原型は淡褐色に
変化する。これは,砂同志を結合していた硬化フラン樹
脂が砂中子原型に付着したり浸み込んだアルカリにより
酸化分解させられたためである。すなわち,砂を互いに
繋げている硬化したフラン樹脂は,この乾燥時の熱で酸
化分解反応が促進される。この熱酸化分解反応は,硬化
したフラン樹脂のメチレン基およびメチン基におけるハ
イドロパーオキサイド構造の生成と引続く不安定なこの
ハイドロパーオキサイド構造の分解と思われる。これに
より,強度も低下する。この強度の低下は,鋳造時の加
圧力には充分耐え得るものである。鋳造時に,溶湯の熱
により,当然硬化したフラン樹脂も熱劣化するが,上記
のようにして予め強度を低下させておくと,鋳造後,金
型内から取出した鋳造品の中から砂中子を取出すとき
に,砂中子が極めて簡単容易に取出せる。
【0010】このようなアルカリ処理および乾燥を経て
得た砂中子原型に,粉末状の耐火物を主成分とする中性
水分散体からなるスラリ状の第1のコーティング剤を塗
布すれば,該砂中子原型の表面および表面近くに存在す
るアルカリにより,第1のコーティング剤が瞬時に凝集
して該砂中子原型の内部深くまで浸み込むことなく,該
砂中子原型の表面に厚くコーティングでき,その後これ
を乾燥すれば,所望の厚さの均質な第1のコーティング
層か形成される。ところで,前記したように,この第1
のコーティング層の上にアルミニウム粉を含有するスラ
リ状の第2のコーティングを施すと,砂中子原型の表面
付近に残存していたアルカリが第1のコーティング層を
透過して第2のコーティング層にまでにじみ出て,第2
のコーティング剤中の成分であるアルミニウム粉と反応
する。その結果,第2のコーティング層が禿げたり剥れ
たりする。したがって,前記したようなアルカリ処理お
よび乾燥を経て得た砂中子原型を,例えば,水中に数秒
から数分間浸漬して,砂中子表面付近に存在するアルカ
リを除去する。
【0011】ところで,表面付近のアルカリを除去した
状態で,粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体か
らなるスラリ状の第1のコーティング剤を塗布しようと
しても,アルカリ処理しない場合と同様,この第1のコ
ーティング剤は砂中子原型の内部にまで浸み込んでしま
い,砂中子原型の表面に厚くコーティングすることはで
きない。そこで,前記したように水洗した砂中子原型を
BaCl,Al(SO水溶液等の無機塩水溶
液中に浸漬する等して砂中子原型の表面付近に無機塩を
浸み込ませ,次いで,この砂中子原型を乾燥する。次
に,このような処理をした後乾燥して得た砂中子原型の
表面に,粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体か
らなるスラリ状の第1のコーティング剤をコーティング
する。この場合,前記したように水洗した砂中子原型
を,コーティングする前に,例えば,BaCl水溶液
等の無機塩水溶液の中に浸漬すれば,砂中子原型の表層
部に無機塩が付着したり浸み込んだりする。この砂中子
原型を浸漬槽から引き上げた後,80〜200℃で数分
〜2時間乾燥させると砂中子原型の表層部に無機塩の粉
末が均一に付着する。
【0012】このようなアルカリ処理,乾燥,水洗,無
機塩処理,乾燥を経て得た砂中子原型に,粉末状の耐火
物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状の第1
のコーティング剤を塗布すれば,該砂中子原型の表面お
よび表面近くに存在する無機塩により,コーティング剤
が瞬時に凝集して該砂中子原型の内部深くまで浸み込む
ことなく,該砂中子原型の表面に厚くコーティングでき
る。その後これを乾燥すれば,所望の厚さの均質な第1
のコーティング層が形成される。
【0013】このようにして,第1層のコーティング層
を形成させた砂中子原型にアルミニウム粉を含有するス
ラリ状の第2のコーティング剤をコーティングする。次
いで,室温〜200℃で数分〜2時間乾燥させると,第
1のコーティング層の上にアルミニウム粉を含有する第
2のコーテイイグ層が均一に形成される。このようにし
て形成されたこの第2のコーティング層は,大気中は勿
論のこど,高湿度雰囲気に放置しても,その成分のアル
ミニウム粉がもはやアルカリに侵されることはなく,長
期間安定である。
【0014】このようにすれば,ウオームボックス法で
も,砂中子原型を固めることができ,砂中子原型の表面
に粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体からなる
スラリ状の第1のコーティング剤を所望の状態で確実容
易にコーティングすることができ,かつ,第1のコーテ
ィング層の上にアルミニウム粉を含有するスラリ状の第
2のコーティング剤を所望の状態で確実容易にコーティ
ングすることができ,しかも,この第2のコーティング
層を長期間安定に維持することができる。
【0015】そして,この発明によって得られた崩壊性
の砂中子を用いれば,高圧ダイカストのように高圧下で
の溶湯鋳込時に砂中子が破損したりクラックが入ったり
することもなく,溶湯が砂中子内に侵入することもな
い。また,鋳造後に溶湯が固まって鋳込製品を金型から
取出した後,砂中子を崩壊させて取出すどき,ほとんど
力を加えずに砂中子を崩壊させて容易に取出すことがで
きるとともに,砂が鋳造面の隅に残ることもなく,隅々
まで砂を充分にかつ確実に取出すことができる。つま
り,アルカリ処理工程と引続く乾燥工程は,砂中子内部
に浸み込んだアルカリが砂同志を結合していた硬化フラ
ン樹脂を酸化分解させるのに寄与し,水洗工程,無機塩
処理工程と引続く乾燥工程は,粉末状の耐火物を主成分
とする中性水分散体からなるスラリ状の第1のコーティ
ングとアルミニウム粉を含有するスラリ状の第2のコー
ティングを確実堅固に形成させるのに寄与する。
【0016】
【実施例】砂中子原型を製造するときは,まず,中子砂
等の砂中子骨材にフラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化
剤を混合する。砂中子骨材としては,硅砂,ジルコンサ
ンド,クロマイトサンド,セラビーズ等を用い,フラン
系樹脂としては,フルフリルアルコール・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウォームボッ
クス用のフラン系樹脂を用いりる。また,同樹脂加熱硬
化用硬化剤としては,ベンゼンスルホン酸,フェノール
スルホン酸,トルエンスルホン酸,キシレンスルホン
酸,低級アルキルスルホン酸の少なくとも1種と,アル
ミニウム,銅,亜鉛,鉄,アンモニウムの少なくとも1
種との塩からなるものを用いる。また,硬化促進剤とし
て塩化銅,塩化亜鉛,塩化鉄等を少量併用しても良い。
【0017】これらの構成部材を混合したものを,所定
の砂中子形状のキャビティを有する金型内に加圧空気と
ともに吹込み,例えば,ウォームボックス法と呼ばれて
いる方法で砂中子原型を成型した。この場合,中子成型
用の金型の加熱温度は例えば90〜240℃,好ましく
は,90〜200℃程度とし,約1分程度加熱して,砂
中子原型を所定の強度に硬化させた。例えば,抗折力2
0〜50kgの砂中子原型を得た。
【0018】次に,このようにして成型した砂中子原型
を,アルカリの水溶液で処理する。このアルカリとして
は,カセイソーダ,カセイカリ等の無機アルカリが挙げ
られる。これらのアルカリの水溶液中に砂中子原型を浸
漬し,砂中子原型に吸収させた後,加熱乾燥させる。水
溶液の濃度は稀釈倍率200倍以内である。稀釈倍率が
200倍を越えると鋳造後の砂中子の崩壊性が低下し,
処理効果がなくなる。浸漬時間は,処理液の濃度および
砂中子原型と処理液との親和性によっても異なるが,
0.5秒の短時間から5分程度である。
【0019】もし,砂中子原型が処理液に濡れにくい場
合は,予め砂中子原型をメタノール等の親水性有機溶媒
に短時間浸漬した後に処理液に浸漬するか,処理液に上
記親水性有機溶媒を砂中子原型が処理液に濡れるように
なるまで混合してから処理する。浸漬処理した砂中子原
型の乾燥は,温度が高いほど時間が短くてすみ,目安と
して120℃で30分程度である。なお,アルカリを稀
釈せずにそのまま使用してもよく,アルカリがカセイソ
ーダやカセイカリのように微粉末の場合は,砂中子原型
に粉末をまぶし,余分な粉末を拭き取る。前記したよう
に,カセイソーダ水溶液のように濃度の薄い溶液を用い
たときは水を蒸発させるために乾燥が必要であるが,こ
のように水で稀釈しない場合は,乾燥を行う必要はな
い。処理された砂中子原型の抗折力は処理濃度に比例し
て低下する。
【0020】次に,上記のようにアルカリ処理,乾燥さ
れた砂中子原型を水洗する。水洗は前記砂中子原型を水
中に浸漬しても良いし,前記砂中子原型に水を吹付けた
りしても良いが,前者が簡単確実である。すなわち,前
記砂中子原型を水道水等の水中に数秒から数分間浸漬し
たのち取出す。この水洗した砂中子原型は,乾燥しても
良いし,乾燥しなくても良いが,次に無機塩の水溶液で
処理する。この無機塩としては,BaCl,Al
(SO等の無機塩が挙げられる。
【0021】これらの無機塩の水溶液中に水洗した砂中
子原型を浸漬し,砂中子原型の表面付近に吸収させた
後,加熱乾燥させる。水溶液の濃度は稀釈倍率200倍
以内である。稀釈倍率が200倍を越えると第1のコー
ティング剤のコーティング厚みが薄く,処理効果がなく
なる。浸漬時間は,処理液の濃度および水洗した砂中子
原型と処理液との親和性によっても異なるが,0.5秒
の短時間から5分程度である。浸漬処理した砂中子原型
の乾燥は,温度が高いほど時間が短くてすみ,目安とし
て120℃で30分程度である。なお,無機塩を稀釈せ
ずにそのまま使用してもよく,水洗した砂中子原型に無
機塩微粉末をまぶし,余分な無機塩微粉末を拭き取る。
前記したように,BaCl水溶液のように濃度の薄い
溶液を用いたときは水を蒸発させるために乾燥が必要で
あるが,このように水で稀釈しない場合は,乾燥を行う
必要はない。
【0022】つぎに,上記のように処理された砂中子原
型の表面に第1のコーティング剤をコーティングする。
この場合,この砂中子原型を第1のコーティング剤中に
浸漬してもよいし,この砂中子原型の表面に第1のコー
ティング剤を刷毛塗りしたり吹付けたりしてもよい。第
1のコーティング剤は,微粉末シリカと微粉末アルミナ
を主成分とし,少量のコロイドシリカを加えた固形分5
0〜90重量%のスラリとした。固形分が50重量%以
下では第1のコーティング層の厚みが薄くなり,90重
量%以上になるとスラリを撹拌するのが極めて困難とな
る。なお,この第1のコーティング剤のpHを7.0±
1.0に維持していなければ,撹拌下でも沈殿,凝固す
ることがある。
【0023】なお,第1のコーティング剤としては,他
のコーティング剤を用いることもできる。例えば,グラ
ファイト,マイカ,ヒューズドシリカ,アルミナ,マグ
ネシア,カーボンブラックおよびジルコン粉末等の無機
耐火性材料約30〜80重量%と,コロイドシリカ,ア
ルミナゾル,粘土およびアミン処理ベントナイト等の無
機結合剤約1〜25重量%と,水からなるものを用いて
もよい。この場合,より好ましいものは,ヒューズドシ
リカとコロイドシリカである。なお,これに約10容量
%のメタノールとカオリンを加えても良い。
【0024】前記第1のコーティング剤中に,アルカリ
処理,加熱乾燥,水洗,無機塩処理,加熱乾燥を順次経
て来て処理された砂中子原型を数秒間浸漬し,その後,
加熱乾燥を行う。乾燥条件は,120℃,10分程度で
ある。第1のコーティングの厚みは,無機塩処理を行わ
ない場合には砂中子原型にほとんど浸み込んでほぼ0m
mであるのに対して,充分に厚く,また,砂中子原型の
内部への浸透も少なく,しかも,塗膜は堅固である。
【0025】上記第1のコーティングを終えた後に,ア
ルミニウム粉を含有するスラリ状の第2のコーティング
剤をコーティングする。この第2のコーティング剤とし
ては,例えば,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リット
ルに対し,鱗片状アルミニウム粉500グラム,湿潤剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グラ
ム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムをよく撹
拌混合したもの,これにマイカ,カーボンブラック,ジ
ルコン粉末等を混合したもの等を用いることができる。
この第2のコーティングは前記第1のコーティングを終
えた砂中子原型を第2のコーティング剤中に浸漬した
り,該砂中子原型の表面に第2のコーティング剤を刷毛
塗りしたり吹付けたりした後,乾燥して形成する。乾燥
条件は,120℃,10分程度である。
【0026】さらに詳しい実施例として,実験例をつぎ
に示す。 (実験例1〜4,および比較例1〜4)フラタリ砂10
0部,フラン樹脂1.5部,フラン樹脂用硬化剤として
パラトルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤
(花王クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエ
ンスルホン酸銅塩)0.6部,および,市販の添加剤
(花王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)
0.06部を混合し,重量約2kgのエンジンブロック
用砂中子原型をウォームボックス法で複数個造型した。
造型条件は金型温度120℃,吹込み圧4.5kg/c
,加熱時間90秒であった。1日放置した後の砂中
子原型の抗折力は35kgであった。
【0027】次に,カセイソーダ1部に水を各々49
部,99部混合して,稀釈倍率50,100倍の水溶液
をそれぞれ調製した。この水溶液に砂中子原型を1分間
浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で30分間乾
燥した。この段階に留めて,次の水洗,無機塩処理を何
ら行わずに,本実験例と同一の第1,第2のコーティン
グを行ったので,比較例1,3として後記する表1に示
す。次いで,このカセイソーダ水溶液処理,乾燥した砂
中子原型を水道水に10秒間浸漬して水洗した。同じ
く,この段階に留めて,次の無機塩処理を何ら行わず
に,本実験例と同一の第1,第2のコーティングを行っ
たので,比較例2,4として後記する表1に示す。
【0028】その後,この水洗した砂中子原型を取出
し,MgCl1部に水を各々9部,49部,199部
混合して得た稀釈倍率10,50,200部の水溶液に
1〜2秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で
30分間乾燥した。(実験例1〜4)
【0029】これら水洗処理以降を行わなかったもの
(比較例1,3),無機塩処理以降を行わなかったもの
(比較例2,4)と,無機塩処理,乾燥まで行った砂中
子原型を,それぞれ同一の第1のコーティング剤に1〜
2秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で10
分間乾燥した。第1のコーティング剤の組成は,微粉末
シリカ50部と微粉末アルミナ30部にコロイドシリカ
3部を水20部に懸濁させたもので,pHは7.2に調
整されたものであった。乾燥後の砂中子の抗折力は表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】前記の第1層コーティングを終えた後,次
に第2層目のコーティングを行った。第2層のコーティ
ング剤としては,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リッ
トルに対し,鱗片状アルミニウム粉500グラム,湿潤
剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グ
ラム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムをよく
撹拌混合したものを用いた。すなわち,前記第1層コー
ティングを済ませた砂中子原型をこの第2層コーティン
グ剤中に1〜2秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風
加熱炉で10分間乾燥した。以上のようにして得た砂中
子原型を温度33℃,相対湿度90%に保持された恒温
恒湿器の中に7日間放置した。7日後の第2コーティン
グ層の状態を表1に示す。
【0032】以上のようにして得た砂中子を金型にセッ
トし,アルミニウム合金ADC10を鋳造圧力600k
g/cm,湯口速度200mm/sec,注湯温度7
60℃の条件下で高圧鋳造した。鋳造後に通常のコアノ
ックアウトマシンで砂落しを行ったところ,実験例1,
2,4の場合には中子砂は完全に除去され,優れた鋳造
品が得られた。実験例3の場合には中子砂の除去はやや
良かったが,比較例1〜4の場合には中子砂の除去は不
良であった。まとめて,結果を表1に示す。
【0033】
【発明の効果】このように,本発明においては,砂,フ
ラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子原
型を造型する工程と,この砂中子原型をアルカリで処理
する工程と,このアルカリで処理した砂中子原型を乾燥
する工程と,この乾燥した砂中子原型を水洗する工程
と,この水洗した砂中子原型を無機塩で処理する工程
と,この無機塩で処理した砂中子原型を乾燥する工程
と,この乾燥した砂中子原型の表面に粉末状の耐火物を
主成分とする中性水分散体からなるスラリ状の第1のコ
ーティング剤をコーティングする工程と,このコーティ
ングして得た砂中子を乾燥させる工程と,このコーティ
ングした砂中子にアルミニウム粉を含有するスラリ状の
第2のコーティング剤をコーティングする工程と,この
コーティングして得た砂中子を乾燥させる工程によって
崩壊性砂中子を製造するようにしたので,砂中子原型は
予め所望の強度にまで低下し,また,第1のコーティン
グ剤でコーティングするとき,第1のコーティング剤は
砂中子原型内に浸み込むことなく,均一で適当な厚さの
第1のコーティング層を形成する。また,この第1のコ
ーティング層の上にアルミニウム粉を含有する第2のコ
ーティング剤でコーティングしたとき,第2のコーティ
ング層は高湿度下でも安定な状態を長期間維持する。し
たがって,砂中子は,鋳造時には高圧の鋳込圧力に耐
え,鋳造後の崩壊性は良い。
【0034】すなわち,本発明で得られた崩壊性砂中子
を用いてダイカストのような高圧鋳造を行った場合,砂
中子中に溶湯が差込むことがなく,また,鋳造後,製品
から砂を排出する際も,砂中子の崩壊性が良いために,
簡単確実にかつ完全に砂の排出を行うことができる。勿
論,砂を排出した後の製品の鋳肌面には砂は全く残留せ
ず,非常に平滑である。したがって,このような砂中子
を,例えば,クローズドデッキ型のエンジンブロックの
冷却ジャケット部分のように,非常に複雑な形状を有す
る製品を鋳造する際に用いても,充分に満足のいく作業
状態と製品を確実容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22C 9/10,3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂,フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬
    化剤を用いて砂中子原型を造型する工程と,この砂中子
    原型をアルカリで処理する工程と,このアルカリで処理
    した砂中子原型を乾燥する工程と,この乾燥した砂中子
    原型を水洗する工程と,この水洗した砂中子原型を無機
    塩で処理する工程と,この無機塩で処理した砂中子原型
    を乾燥する工程と,この乾燥した砂中子原型の表面に粉
    末状の耐火物を主成分とする中性水分散体からなるスラ
    リ状の第1のコーティング剤をコーティングする工程
    と,このコーティングして得た砂中子を乾燥させる工程
    と,このコーティングした砂中子にアルミニウム粉を含
    有するスラリ状の第2のコーティング剤をコーティング
    する工程と,このコーティングして得た砂中子を乾燥さ
    せる工程からなる崩壊性砂中子の製造方法。
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