JP2923091B2 - パラシュート - Google Patents

パラシュート

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JP2923091B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空宇宙用機器などに
適用され、減速して降下するために使用されるパラシュ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパラシュートは、航空宇宙用機器
等内での収納に便利なように折り畳まれたものを、その
まま空中に放出ることにより、空力的作用により自然
開傘させるか、若しくはパラシュートの端に取付けられ
た錘りを火薬により、機外へ飛ばすことにより強制開
傘させるようにしたものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように空力的に自然開傘させる方式は、放出状態によっ
ては、パラシュートの形状が不定形自在に変化するため
、ときとして不開傘となることがある。また、パラシ
ュートに取付けた錘りを火薬により飛ばして強制開傘さ
せる方式は、点火装置を含めた火薬の信頼性に問題があ
り、また火工品を使用するために航空宇宙用機器内での
収納スペース等に問題が生じることがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るパラシュー
トは、上記従来のパラシュートの有する課題の解決を目
的にしており、傘布に傘骨状に畳まれて設けられ、機外
へ放出された後のパラ シュートに作用する空力加熱によ
、予め記憶させた梁形状に復元し、取り付けられてい
る傘布を予め決められた形状に開傘させる形状記憶合金
で形成されたリブ傘布に設ける構成にしたことを特徴
とする。
【0005】
【作用】即ち、本発明に係るパラシュートにおいては、
傘布に予め傘布が降下時の所定の形状になるように記憶
させた形状記憶合金で形成されたリブが傘骨状に畳まれ
て設けられてあり、パラシュートが必要となる大気中へ
の放出後、空力加熱により傘布が落下時の正常な形状に
なるように予め定められた形状にリブが復元するように
なっており、パラシュートが空気中に放出されて空気と
の摩擦により、形状記憶合金製のリブが加熱されると、
形状記憶合金製のリブ予め記憶させられている形状の
梁状に復元して、パラシュートを落下時の正常な形状に
なるように強制開傘させる。
【0006】
【実施例】図1および図2は、本発明の一実施例に係る
パラシュートの説明図、図3乃至図5は本発明の他の実
施例に係るパラシュートの説明図である。図1および図
2において、本実施例に係るパラシュートは航空宇宙
機器において使用されるもので、図に示すように本パ
ラシュートの傘布には形状記憶合金で形成されたリブ
が傘骨状に畳まれて縫い付けられており、本パラシュー
トが空気中に特に超音速時に航空宇宙機器から放出さ
れると空気との摩擦で本パラシュートが高温となり、こ
の加熱によりリブは、予め記憶させられている降下時
において、本パラシュートを降下時の正常な形状にする
形状に復元するように梁状に展伸し、本パラシュートを
降下時における正常な形状に強制開傘させるようになっ
ている。リブ2を形成する形状記憶合金には、例えばニ
チノールTi i などを用いてもよく、ニチノールはN
i 量が50%の場合に温度80℃で復元するが、Ni
を多く或いはNi をCo やFe で置換することによ
り、任意の低温でも予め記憶させられている形状に復元
させることができる。このように、形状記憶合金製のリ
2をパラシュートの抵抗体となる傘布の骨のようにし
て用い、空気中に放出されたパラシュートに発生する
力加熱により、予め記憶させられている形状に変形させ
て開傘させることにより、パラシュートが有するブリー
ジング等による種々の不定形現象が抑えられ、不開傘を
確実になくすことができる。
【0007】また、パラシュートが空気中に放出された
際に空力加熱が十分に期待できないような場合のため、
図3に示すようにリブ2近接させて発熱装置4を装着し
ておき、空力加熱に加えて、パラシュートを空気中に放
出後、または放出するのと同時にパラシュートに縫い付
けられているリブ2に発熱装置4により直接熱を加えて
リブ2を予め記憶させている梁状に復元変形させ、パラ
シュートを強制開傘させるようにすることもできる。ま
た、図4に示すように、リブ2そのものを発熱線として
使用し、又は、リブ2の周囲に発熱線5を巻付けて使用
してリブ2を加熱し、パラシュートを降下時における予
め定めた正常な形状にするようにしてもよい。また、図
5に示すように発熱装置4をリブ2から離してカプセ
ル3側に装着して発熱装置4から加熱し、予め定めた正
常な形状に復元するようにしてもよい。このように構成
することにより、どのような気流の環境下においても、
航空宇宙機器から大気中へ放出されたパラシュートを
ブ2の空力加熱により、若しくは空力加熱に加算される
発熱装置4からの加熱により、リブ2を予め記憶されて
いる形状に復元させて確実に降下時の予め定められてい
る降下時の正常な形状に開傘させることができる。
【0008】
【発明の効果】本発明に係るパラシュートは前記のよ
うに構成されており、リブが空力加熱により予め記憶さ
せられている形状に復元し、パラシュートを強制開傘さ
せるので、パラシュートのブリージングなどによる不定
形現象が抑えられ、どのような気流の環境下において
も、パラシュートが確実に開傘する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るパラシュートの
正面図である。
【図2】図2はその作用説明図である。
【図3】図3は本発明の他の実施例に係るパラシュート
の正面図である。
【図4】図4はその応用例に係るパラシュートの要部詳
細図である。
【図5】図5は他の応用例に係るパラシュートの正面図
である。
【符号の説明】
1 パラシュート 2 リブ 3 カプセル 4 発熱装置 5 発熱線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傘布に傘骨状に畳まれて設けられ、放出
    された後の空力加熱により予め記憶させた形状に復元
    し、前記傘布を開傘させる形状記憶合金からなるリブを
    前記傘布に設けたことを特徴とするパラシュート。
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