JP2902087B2 - Icカードによる電子署名方法 - Google Patents

Icカードによる電子署名方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ICカードを利用したコンピュータによる金
融等の取引システム(通信路線を介在するものも含む)
に関し、特に、ICカードを利用して取引を行う際に、エ
ンドユーザの持つユーザ用ICカードが取引時の電子署名
を行い、サービス提供者側の持つ検証用ICカードが取引
認証を実行するような取引システムを構築するにあたっ
て、電子署名の偽造防止により取引の安全性、さらに確
実な電子署名を利用することにより取引の確実性をより
向上するためのICカードによる電子署名方法に関する。
〔従来技術〕
従来のICカードを利用したコンピュータによる金融等
の取引システム(通信路線を介在するものも含む)は、
例えば、第4図に示すように、取引決算センターの端末
装置100と取引現場の端末装置200と通信回線300とで構
成されている。
前記端末装置100と200は、例えば、第5図に示すよう
に、パーソナルコンピュータ301、ICカードリーダライ
タ302、ICカード303からなっている。ICカード303とし
ては、ユーザ用ICカード303Aと検証用ICカード303Bとが
用いられる。
前記ユーザ用ICカード303Aには、電子署名を行うため
の各ユーザ用ICカード固有の秘密鍵と秘密鍵暗号関数を
内蔵し、電子署名の正当性確認を行う検証用ICカード30
3Bには、前記電子署名に用いた各ユーザ用ICカード固有
の秘密鍵を前記各ユーザ用ICカードのユーザ番号から作
成する鍵共有アルゴリズムと秘密鍵暗号関数を内蔵して
いる。
そして、ICカードを利用して取引を行う際に、エンド
ユーザの持つユーザ用ICカード303Aが取引時の電子署名
を行い、サービス提供者側の持つ検証用ICカード303Bが
取引認証を実行する場合、前記取引を行う取引現場の端
末装置200において、ユーザ用ICカード303Aは、端末装
置からの取引データを秘密鍵暗号関数で暗号化して電子
署名を行い、取引決算センターの端末装置100おいて、
検証用ICカード303Bは、その電子署名を前記秘密鍵暗号
関数で複合して取引認証を行うICカードによる電子署名
方法が採用されている。
前記秘密鍵方式及び公開鍵方式による暗号化・復号に
関する技術については、編著者、辻井重雄,笠原正雄、
1990年3月29日、株式会社昭晃堂発行の「暗号と情報セ
キュリティ」第150〜155頁に記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、本発明者は、前記従来技術を検討した
結果次の問題点を見い出した。
前記ユーザ用ICカード303Aと検証用ICカード303Bに
は、DES(Data Encryption Standard),FEAL(Fast Enc
ipherment Algorithm)等の共通の秘密鍵暗号関数(又
はRSA「3人の発明者,Rivest,Shamir,Adlemanの頭文字
を連ねたもの」等の公開鍵暗号関数)が内蔵され、検証
用ICカード303Bには、ユーザ用ICカード303A固有の秘密
鍵を作成する鍵共有アルゴリズムが内蔵されているた
め、検証用ICカード303Bは、ユーザ用ICカード303Aの電
子署名を偽造できるという問題があった。
そこで、この検証用ICカード303Aによる電子署名の偽
造を防止するために、ユーザ用ICカード303Aと検証用IC
カード303Bで公開鍵暗号関数のみを用いるには、公開鍵
の長さを512ビット以上のものにしなければならず、IC
カード内で公開鍵を演算すれば、プログラムサイズが大
きくなり、演算速度も遅くなるという問題があった。
本発明の目的は、ICカードを利用したコンピュータに
よる金融等の取引システムにおいて、検証用ICカードが
ユーザ用ICカードの電子署名を偽造できず、かつ取引が
ユーザ用ICカードの所有者により確かに行われたと完全
に認証できることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、ICカードを利用したコンピュー
タによる金融等の取引システムにおいて、プログラムサ
イズ・演算速度の面でICカードで十分対応できることが
できる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであ
ろう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ユーザ用ICカードと、検証用ICカードとを
利用したコンピュータによる取引システムにおけるICカ
ードによる電子署名方法で、前記電子署名を行うユーザ
用ICカードは、各ユーザ用ICカードに共通の公開鍵暗号
用暗号鍵、当該公開鍵暗号用暗号鍵を用いて暗号化する
公開鍵暗号化手段、各ユーザ用ICカード固有の秘密鍵、
当該秘密鍵を用いて暗号化する秘密鍵暗号化手段を有
し、電子署名の正当性確認を行う検証用ICカードは、前
記各ユーザ用ICカード内の公開鍵暗号用暗号鍵と対をな
す公開鍵、前記各ユーザ用ICカード内の公開鍵暗号化手
段と対をなす公開鍵復号化手段、前記各ユーザ用ICカー
ド内の秘密鍵暗号化手段と対をなす秘密鍵復号化手段、
前記各ユーザ用ICカード固有の秘密鍵を各ユーザ用ICカ
ードのユーザ番号から作成する秘密鍵生成手段を有する
ICカードによる電子署名方法であって、前記各ユーザ用
ICカードは、端末装置からの取引データに対して、前記
公開鍵暗号用暗号鍵を用いて前記公開鍵暗号化手段によ
り暗号化処理を施し、その結果に対して、前記秘密鍵を
用いて前記秘密鍵暗号化手段により暗号化処理を施して
電子署名を行い、前記検証用ICカードは、前記各ユーザ
用ICカードで行われた電子署名が入力された時に、当該
電子署名が行われたユーザ用ICカードのユーザ番号か
ら、当該電子署名が行われたユーザ用ICカード固有の秘
密鍵を前記秘密鍵生成手段により生成し、前記入力され
た電子署名に対して、前記秘密鍵生成手段で生成された
秘密鍵を用いて前記秘密鍵復号化手段により復号化処理
を施し、その結果に対して、前記公開鍵を用いて前記公
開鍵復号化手段により復号化処理を施し、その結果を元
の取引データと比較して取引認証を行うことを主な特徴
とする。
また、前記公開鍵を前記検証用ICカード内に内蔵して
おくかわりに、当該公開鍵を外部から受け取ることを特
徴とする。
〔作用〕
前記した手段によれば、検証用ICカードは公開鍵暗号
用暗号鍵を内蔵しないため、電子署名偽造が不可能であ
る。
また、ユーザ用ICカードは、取引データを公開鍵暗号
用暗号鍵で暗号化した結果をさらに秘密鍵暗号で暗号化
して電子署名を行うが、秘密鍵がユーザ用ICカード毎に
個別のため、各ユーザ用ICカードの電子署名は全て異な
る。
さらに、公開鍵は秘密鍵暗号で守られているため、公
開鍵の長さは、例えば100ビット以下でも安全性が保証
され、プログラムサイズ・演算速度共にICカードで実現
可能である。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明
する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機
能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明
は省略する。
第1図は、本発明をICカードを利用したコンピュータ
による金融等の取引システムに適用した一実施例を説明
するための説明図。
第2図は、本実施例のユーザ用ICカードにおける電子
署名の処理手順を示すフローチャート、 第3図は、本実施例の検証用ICカードにおける取引認
証の処理手順を示すフローチャートである。
本実施例は、例えば、ユーザ(顧客)が、ユーザ用IC
カードをクレジットカードとして利用し、店で買い物
(金融取引)する例であり、買い物をする際には、ユー
ザ用ICカードが取引データを利用して電子署名を行う。
決裁センタでは、店で行われた顧客(ユーザ)の金融
取引が正当なものであるかを、検証用ICカードで電子署
名を認証することにより確認する場合である。
本実施例のICカードによる電子署名方法は、第1図に
示すように、ICカードを利用したコンピュータによる金
融等の取引システムにおいて、取引を行うユーザ用ICカ
ードCD1〜CDnには、それぞれ電子署名を行うための公開
鍵暗号関数RSA,各ユーザ用ICカードCD1〜CDnに共通の公
開鍵暗号用暗号鍵R,電子署名に用いるデータ暗号用の秘
密鍵暗号関数FEAL又はDES,各ユーザ用ICカードCD1〜CDn
のそれぞれ固有の秘密鍵暗号用暗号/複合鍵K1〜Knを内
蔵している。
また、電子署名の正当性確認を行う検証用ICカードKM
には、電子署名の認証を行うための公開鍵復号関数RSA,
前記公開鍵暗号用暗号鍵Rと対である公開鍵K,前記秘密
鍵暗号関数と対である秘密鍵復号関数FEAL又はDES,前記
各ユーザ用ICカードCD1〜CDnの固有の秘密鍵暗号用暗号
/復号鍵K1〜Knを各ユーザ用ICカードCD1〜CDnのユーザ
番号から作成する鍵共有アルゴリズムMAを内臓してい
る。
次に、ユーザ用ICカードCD1〜CDnにおける電子署名の
処理手順を第2図に示すフローチャートに従って説明す
る。
まず、顧客が端末装置にユーザ用ICカードCD1〜CDn
挿入する。(101)。
これにより、端末装置から前記ユーザ用ICカードCD1
〜CDnに取引データが入力され(102)、ユーザ用ICカー
ドCD1〜CDn内に設けられているマイクロコンピュータが
前記取引データを、公開鍵暗号用暗号鍵Rと公開鍵暗号
関数RSAで暗号化し(103)、その結果をさらに秘密鍵暗
号用暗号/復号鍵K1〜Knと秘密鍵暗号関数FEAL又はDES
で暗号化して電子署名を行う(104)。
次に、検証用ICカードKMにおける電子署名の取引認証
処理手順を第3図示すフローチャートに従って説明す
る。
まず、端末装置又はユーザ用ICカードCD1〜CDnから顧
客の電子署名を検証用ICカードKMに入力する(201)。
次に、前記ユーザ用ICカードCD1〜CDnのユーザ番号か
ら鍵共有アルゴリズムMAにより、前記ユーザ用ICカード
CD1〜CDnの固有の秘密鍵暗号用暗号/複合鍵K1〜Knを作
る(202)。この秘密鍵暗号用暗号/複合鍵K1〜Knと秘
密鍵復号関数FEAL又はDESで電子署名を復号し(203)、
さらに公開鍵Kと公開鍵暗号用復号関数で復号し(20
4)、その結果を元の取引データと比較して取引認証を
行う(205)。
以上の説明からわかるように、本実施例によれば、ユ
ーザ用ICカードCD1〜CDnでは、取引データを公開鍵暗号
用暗号鍵Rと公開鍵暗号関数RSAで暗号化した結果を、
さらに秘密鍵暗号用暗号/復号鍵K1〜Knと秘密鍵暗号関
数FEAL又はDESで暗号化して電子署名を行い、かつ、秘
密鍵暗号用暗号/復号鍵K1〜Knがユーザ用ICカード毎に
個別のため、各ユーザ用ICカードCD1〜CDnの電子署名は
全て異なり、検証用ICカードKMは、公開鍵暗号用暗号鍵
Rを内蔵しないため、署名偽造は不可能である。これに
より、取引がユーザ用ICカードの所有者により確かに行
われたと完全に認証できる。
また、公開鍵は秘密鍵暗号で守られているため、公開
鍵の長さは、例えば100ビット以下でも安全性が保証さ
れ、プログラムサイズ,演算速度共にICカードで実現可
能である。
以上、本発明を実施例にもとづき具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である
ことは言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上、説明したように、本発明によれば、公開鍵暗号
用として、ユーザ用ICカードは公開鍵暗号用暗号鍵の
み、検証用ICカードは公開鍵のみを内蔵するので、検証
用ICカードは電子署名検証のみが可能であり、電子署名
偽造は不可能である。これにより、取引がユーザ用ICカ
ードの所有者により確かに行われたと完全に認証でき
る。
ユーザ用ICカードでは、取引データを公開鍵暗号で暗
号化した結果をさらに秘密鍵暗号で暗号化して電子署名
を行うが、秘密鍵暗号用暗号/復号鍵がユーザ用ICカー
ド毎に個別であるため、各ユーザ用ICカードの電子署名
は全て異なる。よって電子署名の条件を満たす。
また、公開鍵は秘密鍵暗号で守られているため、公開
鍵の長さは、例えば100ビット以下でも安全性が保証さ
れ、プログラムサイズ・演算速度共にICカードで実現可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明をICカードを利用したコンピュータに
よる金融等の取引システムに適用した一実施例を説明す
るための説明図、 第2図は、本実施例のユーザ用ICカードにおける電子署
名の処理手順を示すフローチャート、 第3図は、本実施例の検証用ICカードにおける取引認証
の処理手順を示すフローチャート、 第4図及び第5図は、従来のICカードを利用したコンピ
ュータによる金融等の取引システムを説明するための説
明図である。 図中、CD1〜CDn……ユーザ用ICカード、RSA……公開鍵
暗号関数、R……各ユーザ用ICカード共通の公開鍵暗号
用暗号鍵、FEAL(又はDES)……秘密鍵暗号関数、K1〜K
n……秘密鍵暗号用暗号/復号鍵、KM……検証用ICカー
ド、K……公開鍵、MA……鍵共有アルゴリズム、100…
…取引決算センターの端末装置、200……取引現場の端
末装置、300……通信回線、301……パーソナルコンピュ
ータ、302……ICカードリーダライタ、303……従来のIC
カード、303A……従来のユーザ用ICカード、303B……従
来の検証用ICカード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G07F 7/12 G07F 7/08 B (56)参考文献 特開 平2−165186(JP,A) 特開 平2−181537(JP,A) 特開 昭60−26387(JP,A) 特開 昭63−176043(JP,A) 小山謙二,「公開鍵暗号による高速か つ安全なディジタル署名法」電子通信学 会論文誌D,Vol.J67−D,No 3,1984年3月25日,p.305−312 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 19/00 G06F 15/00 330 G06K 17/00 H04L 9/00 G09C 1/00 G07F 7/08 JICST科学技術文献ファイル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ユーザ用ICカードと、検証用ICカードとを
    利用したコンピュータによる取引システムにおけるICカ
    ードによる電子署名方法で、 前記電子署名を行うユーザ用ICカードは、各ユーザ用IC
    カードに共通の公開鍵暗号用番号鍵、当該公開鍵暗号用
    暗号鍵を用いて暗号化する公開鍵暗号化手段、各ユーザ
    用ICカード固有の秘密鍵、当該秘密鍵を用いて暗号化す
    る秘密鍵暗号化手段を有し、 電子署名の正当性確認を行う検証用ICカードは、前記各
    ユーザ用ICカード内の公開鍵暗号用暗号鍵と対をなす公
    開鍵、前記各ユーザ用ICカード内の公開鍵暗号化手段と
    対をなす公開鍵復号化手段、前記各ユーザ用ICカード内
    の秘密鍵暗号化手段と対をなす秘密鍵復号化手段、前記
    各ユーザ用ICカード固有の秘密鍵を各ユーザ用ICカード
    のユーザ番号から作成する秘密鍵生成手段を有するICカ
    ードによる電子署名方法であって、 前記各ユーザ用ICカードは、端末装置からの取引データ
    に対して、前記公開鍵暗号用暗号鍵を用いて前記公開鍵
    暗号化手段により暗号化処理を施し、その結果に対し
    て、前記秘密鍵を用いて前記秘密鍵暗号化手段により暗
    号化処理を施して電子署名を行い、 前記検証用ICカードは、前記各ユーザ用ICカードで行わ
    れた電子署名が入力された時に、当該電子署名が行われ
    たユーザ用ICカードのユーザ番号から、当該電子署名が
    行われたユーザ用ICカード固有の秘密鍵を前記秘密鍵生
    成手段により生成し、前記入力された電子署名に対し
    て、前記秘密鍵生成手段で生成された秘密鍵を用いて前
    記秘密鍵復号化手段により復号化処理を施し、その結果
    に対して、前記公開鍵を用いて前記公開鍵復号化手段に
    より復号化処理を施し、その結果を元の取引データと比
    較して取引認証を行うことを特徴とするICカードによる
    電子署名方法。
  2. 【請求項2】前記公開鍵を、前記検証用ICカード内に内
    蔵せずに、外部から受け取ることを特徴とする請求項1
    に記載のICカードによる電子署名方法。
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