JP2897295B2 - レトロウィルス高生産用dna構築物及びレトロウィルス高生産用細胞株 - Google Patents

レトロウィルス高生産用dna構築物及びレトロウィルス高生産用細胞株

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    • C12N2740/13051Methods of production or purification of viral material
    • C12N2740/13052Methods of production or purification of viral material relating to complementing cells and packaging systems for producing virus or viral particles

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、遺伝子の機能研究、遺伝子産物の細胞に
よる生産、トランスジェニック動物の作製、あるいは人
間に対する遺伝地治療等の目的で細胞に遺伝子を導入す
る際に用いるレトロウィルス産生のためのプロウィルス
DNA構築物、及びこのDNA構築物を導入したヘルパー細胞
に関する。
(従来の技術) 細胞に遺伝子を導入することは第一の研究分野に於い
て重要な手段である。
例えば、ある遺伝子の機能を研究するうえにおいて
は、遺伝子を細胞に導入してその機能を研究する必要が
ある。その際、細胞壁に遺伝子導入する場合、初代培養
細胞に遺伝子導入する場合、あるいは生殖細胞に遺伝子
導入してトランスジェニック動物(主としてトランスジ
ェニックマウス)をつくる場合がある。また、導入遺伝
子のタンパク質をコードする部分の機能を調べる場合
と、遺伝子の発現を制御している遺伝子領域の機能を調
べる場合がある。
遺伝子導入の別の利用として、動物個体における特定
の細胞の分化過程を研究したり、特定の細胞の体内動態
を調べたりする際、その特定の細胞にマークとなるよう
な遺伝子(例えばネオマイシン耐性遺伝子)を導入し、
他の細胞と区別出来るようにすることも重要な技法であ
る。
次に、生殖細胞に遺伝子導入して今まで存在していな
かったトランスジェニック動物を作り、家畜、実験動物
又はペットとして利用することが考えられる。
さらに、人間に対する遺伝子治療がある。特定の遺伝
子欠陥により生じる遺伝性の疾患が数多く知られてい
る。また、癌、自己免疫疾患、糖尿病、高血圧、感染症
など一般的な病気も、複数の遺伝子欠陥の組合わせがそ
の発症の原因になっていることが予想されている。欠け
ている遺伝子を補ったり、欠陥のある遺伝子と正常な遺
伝子を入替えたりすることにより病気を直そうとする試
みがなされている。現在人間の生殖細胞に対する遺伝子
導入は倫理的に否定されているが、体細胞に対する遺伝
子導入が遺伝子治療として注目されている。対象となる
体細胞は血球系幹細胞、皮膚幹細胞、肝臓幹細胞、等で
ある。
現在細胞に最も効率良く遺伝子を導入する方法はレト
ロウィルスを用いる方法とされている。場合によっては
100%の細胞に遺伝子を導入出来る。しかし一般に、細
胞株に比較して、初代培養細胞や生体中の細胞には、レ
トロウィルス用いても遺伝子導入を高い効率で行うこと
は容易でない。いずれの場合でも、対象となる細胞に十
分な量のレトロウィルスを接触させることが遺伝子導入
効率を高めるために重要である。特に後者(初代培養細
胞や生体中の細胞)を対象とする場合はレトロウィルス
の量が大きく影響する。
レトロウィルスは、そのウィルス粒子を作るDNAを保
有している細胞株を培養するとその培養上清中にウィル
ス粒子として得られるが、培地に浮遊している状態では
失活しやすく、濃縮操作でも失活しやすい。よって、効
率良く遺伝子導入するためには、単位容積当りの遺伝子
導入する活性のあるウィルス粒子の数(これをタイター
という。cfu/mlであらわす)が高い培養液を得る必要が
ある。即ち、タイターの高いウィルス産生細胞が必要で
ある。
特に、遺伝子治療の対象となる血球系幹細胞に対する
レトロウィルスを用いた遺伝子導入を例にとると、遺伝
子を導入しなければならない幹細胞は骨髄細胞の0.1%
以下と推定されており、大変密度が低い。このため、通
常骨髄移植に必要とされている骨髄細胞数の109〜1010
個に対し、少なくとも等量のウィルス粒子、できれば10
倍、100倍のウィルス粒子を出来るだけ少ない培地中に
含むウィルス液が要求される。
しかしながら、通常用いられているヘルパー細胞ψ2
(R.Mannら、Cell,33,153,1983)にレトロウィルスベク
ターpZipNeoSV(X)1(C.L.Cepkoら、Cell,37, 1053,
1984)を導入して得た遺伝子導入用レトロウィルス産生
細胞株のタイターは、通常104cfu/mlのオーダーが上限
である。
遺伝子導入に用いられているレトロウィルス産生細胞
株の染色体には、ウィルス粒子を作るのに必要なタンパ
ク質をコードするプロウィルスDNAが組込まれており、
プロウィルス中のDNA発現制御の機能を持つLTR(long t
erminalrepeat)により恒常的にウィルス粒子の成分が
生産されている。この成分はプロウィルスDNAからmRNA
を経て作られるのだが、これら成分によりこのmRNA自体
が包み込まれてウィルス粒子が完成し、さらに細胞外に
ウィルス粒子が放出される。天然型のウィルスは別の細
胞に感染し、粒子内のmRNAおよび酵素類を放出し、この
mRNAと酵素からプロウィルスDNAが形成され、さらにプ
ロウィルスDNAは細胞の染色体に組込まれる。この繰返
しによりレトロウィルスは増殖していくわけである。
しかし、遺伝子導入用のレトロウィルスはそのプロウ
ィルスDNAの一部(パッケージングシグナルシークエン
ス,ψ)を欠損してある。このため、プロウィルスDNA
より作られるウィルス成分は、同様にプロウィルスより
作られるmRNAを包みこむことが出来ない。
一方、プロウィルスのLTRおよびパッケージングシグ
ナル以外のDNAを除去し、代りに遺伝子導入したい遺伝
子を投入したDNA構築物(任意の遺伝子を組込むように
設計された遺伝子構築物、レトロウィルスベクター)を
ヘルパー細胞へ導入し、染色体へ組込んでやると、この
DNAより生じるmRNAが選択的にプロウィルスDNAより生じ
たウィルス成分に包みこまれてウィルス粒子を作り、こ
の粒子が他の細胞に感染し、包みこんでいたmRNAよりDN
Aを転写し、このDNAが染色体に組込まれる。組込まれた
DNA中にはウィルスを作るDNAは存在していないので再び
ウィルス粒子が生ずることはない。このような仕組みで
任意の遺伝子をレトロウィルスを用いて細胞に導入する
ことが出来る。
このようにレトロウィルスによる遺伝子導入法は理論
的には理想的に思われるが、実用のためには色々の問題
点がある。第1は、先に述べたヘルパー細胞のレトロウ
ィルスの生産量を上げなければならないことである。第
2には、頻度は低いが、プロウィルスDNAあるいはこれ
より生じたmRNAと、レトロウィルスベクターDNAあるい
はこれより生じたmRNAが互いに組替えをおこして、プロ
ウィルスがパッケージングシグナルをとりこみ、連続的
に感染する能力を持つ天然型のウィルスが生じる場合が
あることである。これは2者のシークエンス上にホモロ
ジーが高いとこの現象が起きる(R.A.Bosselmanら、Mo
l.Cell.Biol.,,1797,1987)。天然型のレトロウィル
スは次々と感染していく能力を持つため生体に害を及ぼ
す危険性が推測される。天然型のウィルスを発生させな
い安全性の高いヘルパー細胞が要求されている。
(発明が解決しようとする課題) 従って、この発明の目的は、(1)一般的なレトロウ
ィルスベクターDNAとほホモロジーを出来る限り少なく
したプロウィルスDNAが導入されているヘルパー細胞を
提供すること、また、(2)一般的なレトロウィルスベ
クターを導入した際出来る限り高いウィルスタイターを
生じるヘルパー細胞を提供すること、及びこのためのプ
ロウィルスDNA構築物を提供することである。
このようなヘルパー細胞を用いると、安全かつ実用的
なレトロウィルス遺伝子導入方法を提供出来るようにな
る。
(課題を解決するための手段) 第1図は一般的なレトロウィルスベクターの概略を示
す。
第1図aに示すように、一般的レトロウィルスベクタ
ーでは、5′側のLTRが、導入遺伝子(この場合仮にX
とする)を発現させるためのプロモーター及びエンハン
サーの役割、mRNAのスプライシングを指示する役割、さ
らにウィルスが細胞に感染したのちウィルスmRNAより転
写されたウィルスDNAを細胞染色体DNA中に挿入する役割
等を担っている。一方3′側のLTRは、ウィルスmRNAへ
のポリAテール付加によるmRNAの加工及び安定化さらに
ウィルスDNAの細胞DNAへの侵入に関与している。Xの発
現には、インターナルプロモーターを用いることも出
来、LTRのプロモーターは必ずしも必要ないが、ウィル
スDNAの細胞DNA侵入機構はまだ十分に解明されていない
ため現在のところレトロウィルスベクターにはLTRが必
須である。
したがって、プロウィルスDNAとベクターDNAのホモロ
ジーを少なくするためには、プロウィルスのLTRを除去
し、この機能を別のDNAユニットで代替する必要があ
る。プロウィルスにおいてもLTRは、gag,pol,env遺伝子
(プロウィルス遺伝子をその役割より大別してgag領
域、pol領域、及びenv領域と呼ぶ)の発現、mRNAのスプ
ライシングおよび安定化の役割を果している。gagおよ
びpol遺伝子はgagのイニシエーションコドンより始まる
mRNAよりタンパク質の翻訳が始まるが、env遺伝子は主
としてenv遺伝子をコードするスプライスされたmRNAよ
りタンパク質が翻訳される。このため本発明ではgag,po
l遺伝子とenv遺伝子を別々の遺伝子発現用ベクターに組
込んだ。このgag,pol遺伝子とenv遺伝子を別々にするこ
とには、ウィルスベクター遺伝子とプロレトロウィルス
遺伝子の組替えによる天然型ウィルスの発生頻度を更に
低下させる効果が期待出来る。
gag,pol,env遺伝子発現用ベクターとしては、例えば
第2図に示すベクターが考えられる。この例ではプロモ
ーターとしてメタロチオネインのプロモーター(MT
p)、mRNAの安定化のためのポリAテールとしてβ−グ
ロビンのポリAテールを用いているが、これに限らずレ
トロウィルスベクターのLTRとホモロジーの低いプロモ
ーター及びポリAテールはいずれのものでも用いること
が出来る。例えば、SV40のプロモーター、サイトメガロ
ウィルスのプロモーター、SV40のポリAテール、メタロ
チオネインのポリAテール等を用いてもよい。
次に、高いタイターを得るためには、ヘルパー細胞中
にgag,pol,env遺伝子の産物を大量に産生させることが
一つの方法である。これはヘルパー細胞のgag,pol,envD
NAのコピー数を増加させることにより行う。
DNAコピー数を増大させるためのDNA構築物の例とその
構築方法を第3図に示す。すなわち、gag,pol又は、env
DNAをBovine Pahilloma Virus(BPV)のプロウィルスDN
Aを含む環状DNAに挿入してやる。このDNA構築物は細胞
中で環状DNAの形のままコピー数を増やし最大数百コピ
ーまで増加する。細胞分裂後もこのコピー数は安定に維
持される。
例えば、第2図に示されるようなベクターにレトロウ
ィルスのgag,pol遺伝子の最少単位、即ちgagのイニシエ
ーションコドンからpolのターミネーションコドンまで
を含むプロウィルスDNAを挿入したDNA構築物をpGP−KV
とし、さらにenvのイニシエーションコドンからenvのタ
ーミネーションコドンまでを含むプロウィルスDNAを挿
入したDNA構築物をpENV−KVとする。
pGP−KV及びpENV−KVを同時に、BPVが安定に高いコピ
ー数を維持出来るとされている細胞株例えばNIH3T3、又
はC127にトランスフェクションする。ネオマイシン(G4
18)によりトランスフェクタントを選択的に増殖させク
ローンとしてトランスフェクタントを得る。これらクロ
ーンよりgag,pol,env遺伝子をコピー数高く維持してい
るクローンを選別する。これがヘルパー細胞である。
選択したクローンに、例えば第1図に示すpZipNeoSV
(X)1又はpZipNeoSV(DHFR)のような適当なレトロ
ウィルスベクターDNAをトランスフェクションしたの
ち、トランスフェクタントをクローン化して、この細胞
のウィルス生産能即ちウィルスタイターを測定する。最
も高いタイターを生じるクローンを生み出す元のヘルパ
ー細胞が目的のヘルパー細胞である。
ヘルパー細胞を得る際、pGP−KVを細胞にトランスフ
ェクションしたのち、gag,pol遺伝子のコピー数の高い
クローンを選別し、如かる後にこのクローンにpENV−KV
をトランスフェクションしてgag,pol,env遺伝子いずれ
のコピー数も高いコローンを選別してもよいし、この逆
にpENV−KVを先にトランスフェクションしてからpGP−K
Vをトランスフェクションしてもよい。トランスフェク
タントの選別には第2図のベクターの場合はネオマイシ
ン耐性遺伝子を用いているのでG418を用いるが、ベクタ
ーはハイグロマイシン耐性遺伝子を用いてばハイグロマ
イシンを用いればよい。その他いずれの選別系を用いる
こともできる。
本発明によるヘルパー細胞に組込まれているプロウィ
ルスはLTR部分を含まず、レトロウィルスベクターとホ
モロジーが少ないため、レトロウィルスと構造を多く残
したレトロウィルスベクターを用いても、組替えによる
連続的感染能力のあるウィルス発生の確率が少ないこと
が特徴である。
例えば、高いタイターを生じるにも拘らず、組替えに
より感染性ウィルスの発生することが報告されているい
(R.A.Bosselmanら、Mol.Cell.Biol.,,1797,1987)プ
ロウィルスDNAと重なるシークエンスの多いレトロウィ
ルスベクターN2(G.Kellerら、Nature,318,149,1985)
等を本発明のヘルパー細胞に組込むことにより、105〜1
07cfu/ml以上のウィルスタイターであり、且つ連続的感
染能力のあるウィルスを含まないウィルス液を得ること
が期待できる。
pENV−KVに用いるenv遺伝子は目的によって異なる遺
伝子を用いればよい。マウス細胞のみに遺伝子導入する
のであれば、モロニーマウス白血病ウィルスのenv遺伝
子、例えばpMOVψ(R.Mannら、Cell,33,153,1983)等
のenv遺伝子を用いる。マウス以外の動物種たとえば人
間を含む広範な動物種を対象とする場合は、例えばマウ
ス白血病ウィルスの変異株Amphotrophic Virus 4070Aの
env遺伝子(R.D.Cone, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,634
9,1984)等を用いればよい。例えばAmphotrophic Virus
4070AのプロウィルスDNAのSph IサイトからCla Iサイ
トまでをモロニーマウス白血病ウィルスプロウィルスDN
AのSph IサイトからCla IサイトまでのDNAといれかえれ
ば良い。
以下、実施例により説明する。
実施例 1(第3図参照) pMOVψ(R.Mannら、Cell,33,153,1983)をEcoR I及
びSca Iで分解してgag及びpolを含むDNA断片を切出し、
更にHind IIIで部分分解してHind III−Sca I断片を得
る。これをKlenow Fragment DNA polymerase Iを用いて
blunt end化する。一方、メタロチオネインプロモータ
ー、BPV等を含むベクターBMGNeo(第2図。H.Karasuyam
aら、Eur.J.Immunol.,18,97,1988)をXho Iで切開き、K
lenow Fragment DNA polymerase Iでblunt end化する。
blunt end化した両者をligationしてpGP−KVを得る。
一方、pMOVψをXba Iで切断し、envを含む約2.3kb
のDNA断片を得る。これを、Klenow Fragment DNA polym
erase Iでblunt end化し、Xho I linkerとligationす
る。これをXho Iで処理してXho Iサイトを作り、Xho I
で開いたBMGNeoベクターとligationする。このようにし
てpENV−KVをえる。
実施例 2 NIH3T3細胞株を10cmシャーレ中DMEM(Dulbecco's Mod
ified Eagle Medium)で培養し、1×106個に増殖した
時点でC.Chenらの方法(C.Chenら、Mol.Cell.Biol.,,
2745,1987)に従ってpGP−KV及びpENV−KVを同時にトラ
ンスフェクションする。1×106細胞当り5μgのDNAを
用いた。
トランスフェクションの翌日培地を換え、さらに2日
後細胞を、G418を250μg/ml含むDMEMは1×104〜1×10
5/10cmシャーレノ細胞密度で植えかえる。3から4日後
にG418を250μg/ml含むDMEMで培地交換し、約2週間後
に成育してきたコロニーをカップ法で24穴プレートに拾
い上げ、G418を250μg/ml含むDMEMで植え継ぐ。
細胞が底面積の80〜90%に増殖した時点で培養上清を
取り、S.Goffらの方法(J.Virol.,38,239,1981)により
培養上清の逆転写酵素(polの産物)の活性を測定し
た。
逆転写酵素活性の高いクローンを一部凍結保存すると
ともに残りを0.5〜1×107個までふやし、Hirtの方法
(J.Mol.Biol,26,365,1967)に従ってエピソーマルDNA
を調製した。ドットブロットハイブリダイゼーションに
よりenvプローブ(Sca Iサイト→Cla Iサイト、約1.8k
b)とハイブリダイズするDNAサンプルに関して更に詳し
くサザンブロットのパターンをみた。
即ち、DNAサンプルをHind IIIで切断し、0.7%アガロ
ースゲルで泳動し、ゲルをアルカリで変性させた後中和
してニトロセルロースフィルターにブロットした。この
フィルターをgag−polプローブ(Xho Iサイト→Nde Iサ
イト、約3.8kb)またはenvプローブとハイブリダイズさ
せた。gag−polプローブでもenvプローブでもそれぞれg
ag,pol,envと推定される位置に強いバンドを示したクロ
ーンを選択した。
これらクローンを更にリクローニングした。即ちクロ
ーン細胞を0.3個/ウェルの割合で96穴プレートにま
き、2週間培養(G418を250μg/ml含むDMEM)後、クロ
ーンの生じたウェルの上清の逆転写酵素活性を測定し、
活性の高いクローンを選択した。
選択したクローンをそれぞれ1×107込までふやし、
C.Chenらの方法により第1図bに示すネオマイシン耐性
遺伝子とDHFR(dihydrofolate Reductase)を含むレト
ロウィルスベクターDNAを5μg、及びトランスフェク
ションマーカーとしてpSV2Gpt DNA(R.C.Mulliganら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,78,2072,1981)を0.5μg同時
にトランスフェクションした。
翌日DMEMで培地交換し、さらに2日後、G418を250μg
/ml含む選択培地(Hypoxanthine 15μg/ml,Aminopterin
2μg/ml,Thymidine 5μg/ml,Glycine 5μg/ml,Mycophe
nolic Acid 25μg/ml,Xhanthine 250μg/ml,L−Glutami
n 150μg/mlを含むDMEM)に1×104〜1×105個/10cmシ
ャーレの割合で細胞をまき、3〜4日ごとに選択培地で
培地交換しながら2週間培養した。生じたクローンを分
離し、24穴プレートに移し、底面積80〜90%まで細胞が
増殖した培養上清のウィルスタイターを測定した。
タイターの高かったクローン(1次クローンとする)
をさらにリクローニングした。即ちクローン細胞を0.3
個/ウェルの割合で96穴プレートにまき、G418を250μg
/ml含む選択培地で2週間培養後、生じたクローン(2
次クローンとする)を24穴プレートに移し、底面積の80
〜90%まで細胞が増殖した時点で培養上清のウィルスタ
イターを測定した。
タイターの測定法はDNA Cloning Vol III(Ed.by D.
M.Glover,IRL Press,p203,1987)に示す通り。但しウィ
ルス感染後、2日で培地をG418を250μg/ml含むDMEMに
かえ、3〜4日毎に同培地で培地交換し、約2週間後に
コロニーを数えてcfu/mlを算出した。
1次クローン及び2次クローンのタイターをそれぞれ
表1及び2に示す。
対照のヘルパー細胞として、ψ2株に対し第1図bに
示すレトロウィルスベクターを同様にトランスフェクシ
ョンし、G418を250μg/ml含むDMEMで2週間培養して1
次クローンを得、さらにリクローニングして2次クロー
ンを得た。1次クローン及び2次クローンのタイターを
それぞれ表1及び2に示した。
以上、表1及び2より明らかなように、ψ2ヘルパー
細胞に対して、pGP−KV及びpENV−KVにより作ったヘル
パー細胞を用いることにより約10倍のタイターを持つウ
ィルス産生細胞を作ることが出来た。
実施例 3 ヘルパー細胞A−57,A−70,A−77,A−82及びψ2をDM
EMで培養した。対数増殖期の細胞5×106個よりT.Mania
tisの方法(Molecular Cloning,Cold Spring Harbor La
b.,p280,1982)に従って全DNAを抽出した。1.5μgのDN
AをHind IIIで分解し、分解物を0.7%アガロースゲルで
泳動し、ニトロセルロースフィルターにサザンブロット
した。フィルターを32Pラベルgag−polプローブ(実施
例2と同様)又は32Pラベルenvプローブ(実施例2と同
様)を用いてハイブリダイゼーションを行った。又32P
ラベルアクチンプローブ(チキンアクチン、Nco Iサイ
ト→Taq Iサイト、770bp,Clevelら、cell,20,95,1980)
を用いて同様にハイブリダイゼーションした。方法はT.
Maniatis(同上)の一般的方法によった。1細胞に1コ
ピーのアクチンDNAが存在すると、gag,pol又はenvDNAの
コピー数を算出し表3に示す。この様にψ2が1細胞あ
たりgag,pol,envDNAを1コピーしか持たないのに対して
A−72、A−82、A57及びA−70は100〜500コピーのga
g,pol,envDNAを保有していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一般的なレトロウィルスベクターの概略図で
あり、第1a図はpZipNeoSV(X)1(C.L.Cepkoら、Cel
l,37,1053,1984)であり、第1b図は、pSV2−dhfr(S.Su
bramaniら、Mol. & Cell.Biol.,,854,1981)のdhfr
cDNA(Hind III→Bgl II)を切出し、Klenow DNA polym
eraseでblunt末端化し、BamH IリンカーによりpZipNeoS
V(X)1のBamH Iサイトに挿入して得られたpZipNeoSV
(DHFR)であり、DHFRはMouse Dihydrofolate Reductas
e cDNAである。 第2図は、遺伝子増幅用ベクターの一例の概略図である
(H.Karasuyamaら、Eur.J.Immunol.,18,97,1988)。 第3図は、新規なDNA構築物pGP−KV及びpENV−KV並びに
これらの構築手順の概略図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特表 平4−507196(JP,A) 特表 平5−503629(JP,A) 実表 平4−506301(JP,U) 国際公開89/3877(WO,A1) Journal of Virolo gy,Vol.63[7](1989−Jul y)p.3209−3212 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/48 C12N 15/86 C12N 5/10 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動物個体に遺伝子を導入する際に用いられ
    るヘルパー細胞であって、 該ヘルパー細胞は第一DNA構築物と第二DNA構築物とが導
    入されていて、 第一DNA構築物は、レトロウイルスのgagをコードする遺
    伝子、polをコードする遺伝子及びenvをコードする遺伝
    子からなる群より選ばれる遺伝子の少なくとも一つを有
    し、 第二DNA構築物は、gagをコードする遺伝子、polをコー
    ドする遺伝子及びenvをコードする遺伝子の内第一DNA構
    築物が有していない遺伝子を有し、したがって第二DNA
    構築物は第一DNA構築物がgagをコードする遺伝子、pol
    をコードする遺伝子及びenvをコードする遺伝子のすべ
    てを有している場合には該ヘルパー細胞には導入されな
    く、 第一DNA構築物及び第二DNA構築物は、レトロウイルスの
    ロングターミナルリピートを有しなく、ウシパピロマウ
    イルスのプロウイルスDNAの一部、プロモーター及びポ
    リアデニル化シグナルを少なくとも有していて、該プロ
    ウイルスDNAの一部は多重コピーエピソームとして増幅
    することができる配列を有するものであり、したがって
    第一DNA構築物及び第二DNA構築物は多重コピーエピソー
    ムとして該ヘルパー細胞内で増殖することができ、且つ
    第一DNA構築物及び第二DNA構築物は、それらが有する遺
    伝子が発現されたとき、該ヘルパー細胞内に、核酸を内
    包することができる非感染性のウイルス粒子を形成する
    ことができるものである、 該ヘルパー細胞。
  2. 【請求項2】第一DNA構築物がenvをコードする遺伝子の
    みを有する請求項1に記載のヘルパー細胞。
  3. 【請求項3】第一DNA構築物がgagをコードする遺伝子及
    びpolをコードする遺伝子を有する請求項1または2に
    記載のヘルパー細胞。
  4. 【請求項4】プロモーターがレトロウイルスのロングタ
    ーミナルリピートと相同性の低い配列である請求項1な
    いし3のいずれか一項に記載のヘルパー細胞。
  5. 【請求項5】プロモーターがメタロチオネインのプロモ
    ーター、SV40のプロモーターまたはサイトメガロウイル
    スのプロモーターである請求項4に記載のヘルパー細
    胞。
  6. 【請求項6】ポリアデニル化シグナルがレトロウイルス
    のロングターミナルリピートと相同性の低い配列である
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載のヘルパー細
    胞。
  7. 【請求項7】ポリアデニル化シグナルがβ−グロブリン
    のポリアデニル化シグナル、SV40のポリアデニル化シグ
    ナルまたはメタロチオネインのポリアデニル化シグナル
    である請求項6に記載のヘルパー細胞。
  8. 【請求項8】レトロウイルスのロングターミナルリピー
    トを有するレトロウイルスベクターDNAをさらに有する
    請求項1ないし7のいずれかに一項に記載のヘルパー細
    胞。
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