JP2888465B2 - 高粘性発酵方法 - Google Patents

高粘性発酵方法

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健治 山村
英樹 稲葉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発酵液の粘度が高くな
るバイオポリマ発酵における制御方法に関し、詳しく
は、生産物であるバイオポリマの発酵液中の濃度を連続
して検出し、発酵生産性を高めた高粘性発酵方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】微生物が作る多糖類、蛋白質、核酸、脂
質等のバイオポリマの発酵生産においては、発酵の経過
と共に発酵液の粘度が非常に高くなることが多い。これ
らのバイオポリマの発酵生産のような高粘性発酵におい
ては、発酵液の粘度の変動により好気性微生物の生育環
境を均一に保つための攪拌混合が不十分になると共に酸
素供給速度が低下するため、発酵生産性が低く抑えられ
る。このような不都合をなくすために、従来、バイオポ
リマの発酵生産においては一般の好気性微生物に対する
供給量よりも多めの酸素を供給しながら発酵しており、
通常、一定の通気量や攪拌速度で発酵を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】好気性微生物の増殖の
ためには酸素は必要であるが、その微生物によるバイオ
ポリマの生成には必ずしも、その微生物の増殖と同じ程
度の酸素が必要かどうかは疑問である。しかしながら、
前記のようにバイオポリマの発酵生産では通気量や攪拌
強度を一定で行うことが多く、無駄なエネルギーを投入
していると考えられる。
【0004】また生産物であるバイオポリマの発酵液中
の濃度はリアルタイムでの定量が難しく、バイオポリマ
の生産速度などをモニタリングしながらその発酵条件の
コントロールを行うことができないため、生産性を高め
るための対策はこれといって講じられていないのが現状
である。そこで本発明は、上記のバイオポリマ発酵のよ
うな高粘性発酵における生産性の低さを改良するため
に、生産性を高めることができる通気攪拌条件の制御を
した高粘性発酵方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、発酵液の粘度が経時的に変化する高粘性発酵
方法において、発酵液の粘度変化を連続的に検出し、そ
の変化量を経時的に算出し、該変化量の増減に基づいて
通気量及び攪拌強度の制御を行うことを特徴とする高粘
性発酵方法とするものである。
【0006】本発明において、発酵液の粘度に着目した
理由は、バイオポリマ発酵では発酵の経過とともに発酵
液の粘度が高くなり、しかも、生産物であるバイオポリ
マの濃度と発酵液の粘度には相関があるからである。す
なわち、発酵液の粘度変化を検知することによってバイ
オポリマの生産速度を間接的に知ることができる。そこ
でこの粘度変化を知り、この粘度変化と関連のあるバイ
オポリマの生産速度を高く保つように発酵液に通気する
通気量及び発酵液を攪拌する攪拌強度を制御することに
より、バイオポリマの生産性を大きく向上させることが
できるものと考え本発明に至った。
【0007】本発明を図に基づいてさらに詳細に以下に
説明する。図1は、発酵制御装置の構成例を示す。1は
発酵槽であり、微生物の生育環境を均一にするための攪
拌機4が設けられている。また、発酵槽1は、一定温度
に保温ができるように、ジャケット3で覆われている。
発酵槽1の下部には、空気を発酵槽内へ供給するための
通気装置5が配置され、流量計8により流量が調整され
た空気が供給されるようになっている。流量計8の値は
演算装置13へ入力されるように接続されており、演算
装置13で供給されるべき適切な空気量が計算され、そ
の計算値に基づき電磁弁9の開閉を指示し、適切な空気
量となるようコントロールされている。
【0008】循環経路に配置された循環ポンプ10は、
発酵槽1内の発酵液2の一部を取り出し、再び発酵槽1
へ戻す働きをする。その循環経路中には、発酵液2の粘
度を連続的に測定するための粘度計11が配置されてお
り、その粘度計11にはプロセス粘度計が用いられる。
さらに、その粘度計11には、測定された粘度をアナロ
グ値からディジタル値に変換するA−D変換器12が接
続されており、A−D変換器12で変換されたディジタ
ル値が演算装置13に入力されるよう接続されている。
演算装置13で計算された適切な通気量と攪拌強度は、
通気量と攪拌強度を変化させる手段7へ伝えられるよう
接続されている。その通気量と攪拌強度を変化させる手
段7はモータ6を適切な回転で運転させ、適切な攪拌と
通気量となるように攪拌機4を回転させるようになって
いる。
【0009】以下に、本発明の機能(作用)を説明す
る。図2は、バイオポリマ発酵における発酵時間に対す
る発酵液粘度の関係の一般的な変化パターンを示すグラ
フである。図2に示されるように、発酵液の粘度変化は
大きく4つの期間I、II、III、IVに分けられ
る。期間Iは、発酵液粘度(μで示される)の変化が殆
どない期間であり、通気量(Qで示される)、攪拌強度
(Nで示される)とも小さくて良い時期である。
【0010】期間IIは、粘度変化量(Δμで示され
る)が経時的に増加する期間であり、この期間において
は、発酵液の粘度が急激に増加し、それに伴い酸素供給
量を増大させながら発酵させる必要があるため、通気量
Q、攪拌強度Nを増加させる。期間IIIは、粘度変化
量Δμが一定の期間であり、ある一定量の通気量Q、攪
拌強度Nを与えてやれば良い。この時、先に述べたよう
にバイオポリマの生産に酸素をあまり必要としない場合
もあるので、通気量Q、攪拌強度Nは減少させる方向で
制御を加えることになる。
【0011】期間IVは、粘度変化量Δμが減少する期
間で通気量Q、攪拌強度Nを必要としない発酵終了期で
ある。但し、粘度変化量Δμが減少する原因が、通気量
Q、攪拌強度Nが不足しているための場合もあるので、
粘度変化量Δμが減少のときはまず通気量Q、攪拌強度
Nを増加する操作を先行する。本発明の高粘性発酵の制
御を図3に示すフローチャートの制御例に基づいて説明
する。通気量Q、攪拌強度Nを初期値に設定して発酵を
開始すると同時に、発酵層1内の発酵液の一部を循環ポ
ンプ10により粘度計11を経由して再び発酵層1へ戻
して循環させる。この粘度計11で連続的に発酵液粘度
μの計測を開始する。この発酵液粘度μのアナログ値を
A−D変換器12でディジタル値に変換し、その変換さ
れたディジタル値を演算装置13に入力する。演算装置
13では、単位時間あたりの粘度変化量Δμを計算す
る。
【0012】Δμ=0のときは、なにも出力せず次の発
酵液粘度μの入力を待つ。Δμ≠0のときは、前回の粘
度変化量Δμn-1 と今回の粘度変化量Δμn を比較す
る。Δμn =Δμn-1 のときは、通気量Q、攪拌強度N
を予め設定しておいた所定量だけ減少させて終了し、発
酵液粘度μの測定値の入力の最初の状態に戻る。
【0013】Δμn ≠Δμn-1 のときは、通気量Q、攪
拌強度Nを所定量増加させ、次のΔμn+1 を算出する。
Δμn+1 <Δμn のときは、通気量Q、攪拌強度Nを予
め設定しておいた所定量を減少させて終了する。Δμ
n+1 >Δμn のときは、そのまま終了し、発酵液粘度μ
の測定値の入力の最初の状態に戻る。
【0014】
【実施例1】発酵液の粘度が高くなるバイオポリマ発酵
の例としてキサンタンガム発酵を選定した。発酵条件は
以下の通りである。 使用菌株:Xanthomonas campestris IFO 13551 培地:グルコースを主成分とする合成培地 発酵槽:仕込容量2Lの通気攪拌型発酵槽,温調用ジャ
ケット付き 発酵温度:30℃ 攪拌回転数:50〜500rpm 通気量:0.5〜1.5vvm 以上の条件で、図3に示すフローチャートに従って、粘
度変化量に応じた通気攪拌制御を行って、キサンタンガ
ム発酵を行った。その発酵の制御の状況を図4に示す。
図4は、横軸に発酵時間をとり、縦軸に発酵液粘度μ、
微生物の増殖度OD、通気量Q及び攪拌強度Nをとった
グラフである。なおODは微生物の濃度を示す指標で発
酵液の濁度である。図4に示されるように、通気量Qと
攪拌強度Nは、極め細かく制御されている。このように
制御することにより、最終的な発酵液粘度μは3000
cp弱に達した。
【0015】これに対して、比較例として、通気量Qと
攪拌強度Nをそれぞれ1.0vvm、400rpmで一
定とした場合の発酵時間に対する発酵液粘度μ及び微生
物の増殖度ODの変化を図5に示す。本実施例1と比較
例とを比較すると、発酵を停止した90時間後の発酵液
粘度μは本実施例1による制御を行った場合の方が高
く、また粘度の上昇速度も大きい。図に示していないが
最終のキサンタンガム濃度は通気量Q及び攪拌強度Nが
一定の場合で1.0%で、通気量Q及び攪拌強度Nに制
御を加えた発酵では1.4%となることから、通気量Q
及び攪拌強度Nを制御することによりキサンタンガムの
生産性が向上することが実証された。
【0016】さらに、図4に示されるように制御を加え
た発酵では微生物の増殖度ODが定常に達した辺りから
通気量Qと攪拌強度Nが低下しており、本実施例1の投
入エネルギーは、図5に示される制御しない発酵に比較
して小さいことが明らかである。以上のように、キサン
タンガム発酵では微生物の増殖には酸素を多く必要とす
るが、増殖後のキサンタンガム生成時には酸素をあまり
必要としないことが分かる。このような発酵系では通気
攪拌の動力を過不足なく投入しようとする本制御は特に
その有効性が発揮される。
【0017】
【発明の効果】本発明は、発酵液の粘度を連続的にモニ
タリングして一定時間毎に粘度変化量を算出し、その粘
度の増加速度が大きくなる方向に通気量Qと攪拌強度N
を増減させることにより、生産速度を最大に保持すると
ともに通気及び攪拌の動力を低く抑えようとするもので
あるから、バイオポリマ生産性は高く、更に通気及び攪
拌のための動力を過不足なく投入できるので、エネルギ
ー消費の面からも生産性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発酵制御装置の構成例を示す。
【図2】バイオポリマ発酵における発酵時間に対する発
酵液粘度の関係の一般的な変化パターンを示す。
【図3】本発明の高粘性発酵の制御のフローチャートを
示す。
【図4】実施例1のキサンタンガム発酵の制御の状況を
示す。
【図5】比較例の、通気量Qと攪拌強度Nを一定とした
場合の発酵時間に対する発酵液粘度μ及び微生物の増殖
度ODの変化を示す。
【符号の説明】
1 発酵槽 2 発酵液 3 ジャケット 4 攪拌機 5 通気装置 6 モータ 7 通気量と攪拌強度を変化させる手段 8 流量計 9 電磁弁 10 循環ポンプ 11 粘度計 12 A−D変換器 13 演算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/00 - 3/00 C12P 19/00 - 19/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵液の粘度が経時的に変化する高粘性
    発酵方法において、発酵液の粘度変化を連続的に検出
    し、その変化量を経時的に算出し、該変化量の増減に基
    づいて通気量及び攪拌強度の制御を行うことを特徴とす
    る高粘性発酵方法。
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