JP2886117B2 - 音声認識装置 - Google Patents

音声認識装置

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JP2886117B2
JP2886117B2 JP7232434A JP23243495A JP2886117B2 JP 2886117 B2 JP2886117 B2 JP 2886117B2 JP 7232434 A JP7232434 A JP 7232434A JP 23243495 A JP23243495 A JP 23243495A JP 2886117 B2 JP2886117 B2 JP 2886117B2
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博之 坂本
昭一 松永
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Ei Tei Aaru Onsei Honyaku Tsushin Kenkyusho Kk
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Ei Tei Aaru Onsei Honyaku Tsushin Kenkyusho Kk
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自由発話における
未登録語(未知語ともいう。)を検出するための音声認
識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の多くの音声認識システムは、シス
テム内の辞書に登録されている単語のみ認識する。その
ため未登録語を含んだ発話を入力してしまうと未登録語
の部分で致命的な誤認識を起こしてしまう場合がある。
従来、音声認識システムにおいて、未登録語をどのよう
に処理するか種々研究開発されており、例えば、従来文
献1「Kita,K.,Ehara,T.,Morim
oto,T.,“Processing unknow
n words in continuousspee
ch recognition”,IEICE Tra
ns.,Vol.E74,No.7,pp.1811−
1816,1991年」や、従来文献2「伊藤克亘,速
水悟,田中穂積,“連続音声認識における未登録語の扱
い”,電子情報通信学会技術報告,Vol.91,SP
91−96,1991年」に開示されている。
【0003】従来文献1では、すべての音素を組み合わ
せて最も高いスコアをとる語を認識結果とする音韻タイ
プライタを用いて未登録語の処理を行っている。また、
従来文献2では、上記音韻タイプライタと、音韻連鎖の
N−グラムモデルを用いて未登録語の音声認識を行って
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来文献1では、上記
音韻タイプライタを用いて未登録語の音声認識を行って
いるので、きわめて計算量が多い。また、従来文献2に
おいては、あらゆる音素系列を許すために音声認識のた
めの処理量がきわめて多い。また一般に未登録語の出現
箇所が不明であるため、常時未登録語の処理を実行する
必要があるためである。従って、上述の従来例の音声認
識システムでは、未登録語の音声認識のために処理量が
多くなり、処理時間が長くなるという問題点があった。
【0005】本発明の目的は以上の問題点を解決し、従
来例に比較して少ない処理量で未登録語の音声認識のた
めに処理を行うことができ、しかも比較的高い音声認識
率を得ることができる音声認識装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の音声認識装置は、入力された発声音声文の音声信号
に基づいて、所定の隠れマルコフモデルを用いて音声認
識して音声認識結果を出力する音声認識手段を備えた音
声認識装置において、上記隠れマルコフモデルは、複数
個の音素クラスタにクラスタリングされ、予め登録され
ている登録語を認識するための音素隠れマルコフモデル
と、複数個の音素クラスタにクラスタリングされ、予め
登録されていない未登録語を認識するためのガーベジ隠
れマルコフモデルとを含み、上記音声認識手段は、入力
された発声音声文の音声信号に基づいて、上記音素隠れ
マルコフモデルと上記ガーベジ隠れマルコフモデルとを
同時に用いて音声認識して音声認識結果を出力すること
を特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の音声認識装置は、請
求項1記載の音声認識装置において、上記音素隠れマル
コフモデルは、25個の音素と無音に関する音響モデル
であり、上記ガーベジ隠れマルコフモデルは、18個の
子音を1つのクラスタにクラスタリングされたガーベジ
の1個の隠れマルコフモデルと、5個の母音をそれぞれ
1つのクラスタにクラスタリングされた5個の隠れマル
コフモデルと、拗音、促音及び撥音の各3子音をそれぞ
れ1つのクラスタにクラスタリングされた3個の隠れマ
ルコフモデルとを含むことを特徴とする。
【0008】さらに、請求項3記載の音声認識装置は、
請求項2記載の音声認識装置において、上記音声認識手
段は、上記ガーベジ隠れマルコフモデルに基づいて計算
された未登録語の尤度に対して上記音素隠れマルコフモ
デルに基づいて計算された登録語の尤度と比較して所定
の重み係数を乗算して音声認識結果のスコアを計算し、
上記重み係数は、0.8以上であって、1未満であるこ
とを特徴とする。
【0009】またさらに、請求項4記載の音声認識装置
は、請求項2又は3記載の音声認識装置において、上記
ガーベジ隠れマルコフモデルは、複数の名詞のテキスト
データに基づいて、当該名詞のテキストデータのシンボ
ルをクラスタに対応したシンボルに置き換えて、各クラ
スタの連鎖を示す複数N−グラムで学習されたことを特
徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。図1に本発明に係る一実
施形態である音声認識装置のブロック図を示す。本発明
に係る本実施形態においては、日本語の音節構造を考慮
した音素クラスタを考え、そのクラスタに従った音響モ
デルを作成し使用することにより、未登録語区間を検出
することを特徴とし、特に、無音と25個の音素に関す
る音素隠れマルコフモデル(以下、隠れマルコフモデル
をHMMという。)11と、無音と、18個の子音をす
べて1つのクラスタとしたガーベジと、8個の音素とに
関するガーベジHMM12とに基づいて音素照合して音
声認識することを特徴とする。以下、登録語とは予め登
録された語であり、未登録語とは予め登録されていない
語である。
【0011】まず、未登録語の出現傾向について述べ
る。登録語彙数の大きさとその時の未登録語の出現数の
関係を調べるために、本特許出願人が所有する国際会議
予約タスクのテキストデータ(650会話;全単語数約
3.3×105;異り単語数9,502)を用いて、登
録語彙のサイズを変更した場合の1会話中に含まれる単
語のカバー率を調べた。この結果を図2に示す。
【0012】図2の結果から、登録語に含まれていなか
った単語(未登録語)を30の品詞に分類しその内訳を
調べると、登録語彙数が約3000を越えると未登録語
の約60%が名詞(普通名詞、固有名詞)となることが
分かった。以上の結果から、このテキストデータでは会
話単位で語彙を登録した場合、品詞別に見て名詞が最も
未登録語になりやすいことが分かった。本発明者は、こ
の結果を基づいて、本発明を発明し、後述の実験を行っ
た。以下の実験に使用する文法は、名詞部分で未登録語
の生成を許すルールを追加したものを用いた。
【0013】次いで、未登録語を検出するための本実施
形態及び以下の実験で用いた音響モデルを表1に示す。
【0014】
【表1】 未登録語検出の実験で使用したHMM ─────────────────────────────────── 登録語 25音素HMM ─────────────────────────────── 無音HMM ─────────────────────────────────── 未知語 実施形態のガーベジHMM 18子音が1つのHMM 12 +8つの音素HMM ─────────────────────────────── 比較例1の1クラスタHMM 全音素が1つのHMM ─────────────────────────────── 比較例2の9クラスタHMM SSSによる9分割HMM ─────────────────────────────── 従来例の25クラスタHMM 25個の音素HMM ───────────────────────────────────
【0015】本実施形態においては、登録単語の音声認
識のために、25個のコンテキスト非依存音素HMM
(4状態・5混合)と無音HMM(4状態・5混合)を
含む音素HMM11を用いた。この状態遷移図を図3に
示す。ここで、25個のコンテキスト非依存音素HMM
は音素#1乃至音素#25で示されている。図3から分
かるように、無音及び各音素とも4状態で構成され、最
初の3状態は自己ループがあり、最後の1状態は自己ル
ープは無く出力のみである。
【0016】未登録語の検出のために、未登録語の処理
量を少なく抑えるために音素をいくつかのクラスタに分
けてクラスタリングし、このクラスタリングにより作成
した音響モデルを用いて未登録語を検出して認識する。
ここでは、音響モデルとして以下の3種類を考え、各々
のクラスタに従ったHMMを用いて未登録語区間の検出
(認識)能力を比較すると共に、従来のタイプライタを
用いる方法との比較を行なった。 (1)本実施形態のガーベジHMM12(図4参照):
18個の子音を1つのクラスタにクラスタリングしたガ
ーベジのHMM(4状態・5混合)と、音素#1乃至音
素#8で示されている8つの音素HMM(4状態・5混
合)とを含む日本語の音節構造を考慮した、9つのクラ
スタモデルである。母音のHMMは子音と比べて大量の
学習データを持ち比較的信頼性が高いことから、各5母
音(/a/,/i/,/u/,/e/,/o/)はそれ
ぞれ1つのクラスタにクラスタリングされて各1つの音
素HMMとし、また、子音の中でも特殊な拗音(「ゃ」
など)・促音(「っ」など)・撥音(「ん」など)の各
3子音はそれぞれ1つのクラスタにクラスタリングされ
て各1つの音素HMMとした。他の子音は全て1つのク
ラスタのガーベジHMMとした。 (2)比較例1の1クラスタHMM(図5参照。):す
べての音素を1つのクラスタにクラスタリングしたHM
M(4状態・45混合)であり、すべての音素を1つの
クラスタにクラスタリングしたクラスタ数が最小のHM
Mである。 (3)比較例2の9クラスタHMM(図6参照。):公
知の逐次状態分割法(SSS)(例えば、従来文献3
「鷹見淳一ほか、“逐次状態分割法(SSS)による隠
れマルコフネットワークの自動生成”,音響学会論文
集,2−5−23,pp.73−74,1991年参
照。)により自動的に分割した9つのクラスタのHMM
(4状態・5混合)を含む。すべての音素を1つのクラ
スタにクラスタリングしたモデルを基にして逐次状態分
割法により自動的に分割した9つのクラスタモデルであ
る。
【0017】なお、これら3種類のHMMは比較のため
に総混合数を同一にし、各HMMとも無音のHMMを含
んでいる。また、それぞれに含まれる各1つのHMMと
も、4状態で構成され、最初の3状態は自己ループがあ
り、最後の1状態は自己ループは無く出力のみである。
【0018】本実施形態において、音素照合部4に接続
される音素HMM11及びガーベジHMM12は、複数
の状態を含んで表され、各状態はそれぞれ以下の情報を
有する。 (a)状態番号 (b)受理可能なコンテキストクラス (c)先行状態、及び後続状態のリスト (d)出力確率密度分布のパラメータ (e)自己遷移確率及び後続状態への遷移確率 ここで、出力確率密度関数は34次元の対角共分散行列
をもつ混合ガウス分布である。
【0019】次いで、上述の本実施形態の音素HMM1
1及びガーベジHMM12を用いた、HMM−LR(le
ft-to-right rightmost型)不特定話者連続音声認識装
置について説明する。
【0020】話者の発声音声はマイクロホン1に入力さ
れて音声信号に変換された後、特徴抽出部2に入力され
る。特徴抽出部2は、入力された音声信号をA/D変換
した後、例えばLPC分析を実行し、対数パワー、16
次ケプストラム係数、Δ対数パワー及び16次Δケプス
トラム係数を含む34次元の特徴パラメータを抽出す
る。抽出された特徴パラメータの時系列はバッファメモ
リ3を介して音素照合部4に入力される。
【0021】音素照合部4は、音素コンテキスト依存型
LRパーザ5からの音素照合要求に応じて音素照合処理
を実行する。そして、それぞれ例えばハードディスクに
格納された音素HMM11及びガーベジHMM12を用
いて音素照合区間内のデータに対する尤度が計算され、
この尤度の値が音素照合スコアとしてLRパーザ5に返
される。このとき、前向きパスアルゴリズムを使用す
る。ここで、登録語の検出認識のために音素HMM11
が用いられる一方、未登録語の検出認識のためにガーベ
ジHMM12が用いられる。
【0022】一方、文脈自由文法データベースメモリ2
0内の所定の文脈自由文法(CFG)を公知の通り自動
的に変換してLRテーブルを作成してLRテーブルメモ
リ13に格納される。なお、当該文脈自由文法(CF
G)においては、名詞部分については、未知語として検
出され、かつ作成したガーベジの並びで許されるような
自由文法を追加している。LRパーザ5は、上記LRテ
ーブルメモリ13内のLRテーブルを参照して、入力さ
れた音素予測データについて左から右方向に、後戻りな
しに処理する。構文的にあいまいさがある場合は、スタ
ックを分割してすべての候補の解析が平行して処理され
る。LRパーザ5は、LRテーブルメモリ13内のLR
テーブルから次にくる音素を予測して音素予測データを
音素照合部4に出力する。これに応答して、音素照合部
4は、その音素に対応する音素HMM11及びガーベジ
HMM12内の情報を参照して照合し、その尤度を音声
認識スコアとしてLRパーザ5に戻し、順次音素を連接
していくことにより、連続音声の認識を行う。上記連続
音声の認識において、複数の音素が予測された場合は、
これらすべての存在をチェックし、ビームサーチの方法
により、部分的な音声認識の尤度の高い部分木を残すと
いう枝刈りを行って高速処理を実現する。
【0023】なお、本実施形態においては、登録された
単語(登録語)にもかかわらず、未登録語としてガーベ
ジHMM12において検出されるおそれがあるので、例
えば、音素照合部4は、ガーベジHMM12に基づいて
計算された未登録語区間の尤度に対して音素HMM11
に基づいて計算された登録語区間の尤度と比較して例え
ば0.95などの1未満の重み係数を乗算してスコアを
計算してもよい。上記重み係数は、好ましくは、0.8
以上であって、1未満である。
【0024】また、ガーベジHMM12は、言語制約と
してクラスタの4−グラムを導入してしてもよい。この
クラスタの4−グラムには名詞のみを集めて学習したも
のを使用する。すなわち、ガーベジHMM12の各パラ
メータは、多数の名詞のテキストデータに基づいて、当
該名詞のシンボルをクラスタに対応したシンボルに置き
換えて、各クラスタの連鎖を示す4−グラムで学習され
る。ここで、上記言語制約は、クラスタの少なくとも複
数N−グラムであってもよい。
【0025】
【実施例】本発明者は、本実施形態の音声認識装置の評
価を行うために、未登録語を含んだ文の音声認識につい
て以下のようにシミュレーションの実験を行った。当該
実験は、表2の条件でフレーム同期型HMM−LRによ
り行なった(例えば、従来文献4「Shimizu,
T.,Monzen,S.,Matsunaga,S.
and Singer,H.,“Time−synch
ronous continuous speech
recognizer driven byacont
ext−free grammar”,Proc.IC
ASSP95,pp.584−587,1995年」参
照。)。音響モデルは、2620の単語発声のデータに
より学習したコンテキスト非依存のHMMを使用する。
また、未登録語を含んだ文を意図的に作り出すために、
名詞部分に未登録語を許すルールを追加した文法を基に
して入力文中に出現する名詞のみ単語辞書中から削除し
た文法を各入力文毎に作成し、各入力文に応じた文法を
使用する。また、音響モデルとして使用するHMMを上
記表1に示す。
【0026】
【表2】 実験条件 ───────────────────────────── 音響モデル コンテキスト非依存HMM ───────────────────────────── 音響パラメータ ログパワー+16次LPCケプストラム +Δログパワー+16次Δケプストラム ───────────────────────────── 使用文法 国際会議予約(語彙数:454) ───────────────────────────── ビーム幅 3000 ───────────────────────────── 適応データ 男女各3名による 50単語 ───────────────────────────── 評価データ 各話者 52文(363単語) ─────────────────────────────
【0027】表2の4種類のクラスタHMMをそれぞれ
未登録語区間で用いた場合の未登録語検出能力の比較実
験を行なった。また、未登録語処理では、任意の連鎖を
許す制約の弱い未登録語区間に対して何らかのペナルテ
ィを与えて、登録単語のスコアと比較する方法が一般に
知られている。今回の実験では、未登録語区間のスコア
に対して0.95の重み係数w2を乗算したもの、およ
び、言語制約としてクラスタの4−グラムを導入したも
のの実験も行なった。このクラスタ4−グラムには、名
詞のみ(全名詞数58,896;異り名詞数5,07
2)を集めて学習したものを使用する。以下、実験の評
価は、単語認識の正確さを示す、次の数1によるワード
アキュラシーで行なった。
【0028】
【数1】ワードアキュラシー={(M−I−D−S)/
M}×100(%)
【0029】ここで、Mは評価文の総単語数、Iは挿入
誤り、Dは削除誤り、Sは認識誤りの数を表わす。ま
た、未登録語区間に未登録語系列が現れた場合は、正解
としてカウントした。さらに、未登録語のスコアSuを
次の数2で表わす。
【0030】
【数2】Su=w2×{Lcl+w1×log(Pl)}
【0031】ここで、LclはガーベジHMM12又は音
素HMM11によって検出された未登録語の尤度であ
り、Plは未登録語のガーベジクラスタのN−グラムの
確率である。また、重み係数w2=1.0又は0.95
とし、重み係数w1=0とした。ただし、4−グラムの
言語モデルについては、重み係数w1=1.0とし、重
み係数w2=1.0とした。表3に実験結果を示す。
【0032】
【表3】 特定話者(MAU)のワードアキュラシー(%) ─────────────────────────────────── 重み係数w2 言語モデル 処理時間 1.0 0.95 4−グラム の比 ─────────────────────────────────── 実施形態のガーベジHMM12 45 65 71 0.44 ─────────────────────────────────── 比較例1の1クラスタHMM 35 57 − 0.18 ─────────────────────────────────── 比較例2の9クラスタHMM 41 64 69 0.58 ─────────────────────────────────── 従来例の25クラスタHMM 31 51 71 1 ─────────────────────────────────── 未知語の処理なし 59 ───────────────────────────────────
【0033】未登録語区間のスコアに対する重み係数w
2は、使用するHMM毎に最適値が異なると考えられる
が、表3から明らかなように、クラスタHMMのスコア
にペナルティを与えると未登録語処理なしのワードアキ
ュラシーを上回る。また、w2=1.0の場合に比較的
低いワードアキュラシーとなっているのは、未登録語系
列のスコアが高過ぎるために登録単語も含んで未登録語
区間として認識し、削除誤りが多く発生しているためと
考えられる。従って、重み係数w2を設定することによ
り、ワードアキュラシーが改善されていることはわか
る。
【0034】一方、言語モデルを用いた場合のクラスタ
HMMは、それぞれ4−グラムの種類数(実施形態のガ
ーベジHMM12:1,107;比較例2の9クラスタ
HMM:1,913;従来例の25クラスタHMM:
9,183で、容量にほぼ対応する。)が異ることから
単純に比較できないが、少なくとも音素タイプライタと
同等のワードアキュラシーを達成し、処理時間もほぼ5
0%の削減を実現している。以上のことから、未登録語
の検出のために本実施形態のガーベジHMM12を用い
る方法が処理量削減に有効であることが分かる。
【0035】次に、話者適応を行なった音響モデルを用
いて男女各3名についても実験を行なった。音響モデル
は、男性話者(MHT)のモデルを男性3名に、女性話
者(FYM)のモデルを女性3名に、それぞれ50単語
の発声を用いて移動ベクトル場平滑化方式(VFS)に
より話者適応を施したものを用いた。また、クラスタの
4−グラムも制約として用いた。この結果を表4に示
す。
【0036】
【表4】 話者適応による男女各3名のワードアキュラシー(%) ─────────────────────────────────── 6話者の平均値 話者MAUの 処理時間の比 ─────────────────────────────────── 実施形態の音素HMM+4−グラム 50 0.51 ─────────────────────────────────── 比較例2の9クラスタHMM+4−グラム 51 0.51 ─────────────────────────────────── 従来例の25クラスタHMM+4−グラム 51 1 ─────────────────────────────────── 未知語の処理なし 40 − ───────────────────────────────────
【0037】表4から、話者適応を行なったモデルでも
特定話者と同じ傾向の結果が得られた。クラスタHMM
においてSSSにより分割するモデルは、話者毎にそれ
ぞれ別の適切なクラスタを持つと考えられる。つまり、
クラスタHMMを話者適応して使用する方法をとると、
認識対象の話者のクラスタではなく適応前の話者のクラ
スタ構成となってしまう。これは、話者によっては検出
精度を低下させる危険がある。一方、日本語の音節構造
に従ったクラスタは、話者に依存しないという点では有
利といえる。
【0038】以上説明したように、未登録語の区間を検
出するために、日本語の音節構造に従った音素のクラス
タHMMであるガーベジHMM12を用いる方法を発明
した。この方法は、従来例の音素タイプライタを用いる
方法と比較して、処理量を約50%削減しながらほぼ同
等のワードアキュラシーが獲得できることから処理量を
抑えた未登録語検出に有効であることが確かめられた。
従って、処理量を削減できるために、連続音声認識にお
ける処理時間を大幅に短縮することができる。また、未
登録語区間に対してクラスタN−グラムを使用すること
が有効であり、従来例に比較して処理量を削減しかつワ
ードアキュラシーを改善することができる。
【0039】以上の実施形態において、音素照合部4及
びLRパーザ5は、例えばディジタル電子計算機で構成
される。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る音声認
識装置によれば、入力された発声音声文の音声信号に基
づいて、所定の隠れマルコフモデルを用いて音声認識し
て音声認識結果を出力する音声認識手段を備えた音声認
識装置において、上記隠れマルコフモデルは、複数個の
音素クラスタにクラスタリングされ、予め登録されてい
る登録語を認識するための音素隠れマルコフモデルと、
複数個の音素クラスタにクラスタリングされ、予め登録
されていない未登録語を認識するためのガーベジ隠れマ
ルコフモデルとを含み、上記音声認識手段は、入力され
た発声音声文の音声信号に基づいて、上記音素隠れマル
コフモデルと上記ガーベジ隠れマルコフモデルとを同時
に用いて音声認識して音声認識結果を出力する。ここ
で、例えば、上記音素隠れマルコフモデルは、25個の
音素と無音に関する音響モデルであり、上記ガーベジ隠
れマルコフモデルは、18個の子音を1つのクラスタに
クラスタリングされたガーベジの1個の隠れマルコフモ
デルと、5個の母音をそれぞれ1つのクラスタにクラス
タリングされた5個の隠れマルコフモデルと、拗音、促
音及び撥音の各3子音をそれぞれ1つのクラスタにクラ
スタリングされた3個の隠れマルコフモデルとを含む。
従って、従来例に比較して少ない処理量で未登録語の音
声認識のために処理を行うことができ、しかも比較的高
い音声認識率を得ることができる。また、処理量を削減
できるために、連続音声認識における処理時間を大幅に
短縮することができる。
【0041】また、請求項3記載の音声認識装置におい
ては、上記音声認識手段は、上記ガーベジ隠れマルコフ
モデルに基づいて計算された未登録語の尤度に対して上
記音素隠れマルコフモデルに基づいて計算された登録語
の尤度と比較して所定の重み係数を乗算して音声認識結
果のスコアを計算し、上記重み係数は、0.8以上であ
って、1未満である。これによって、登録語にかかわら
ず、未登録語として認識されることを防止し、全体とし
ての音声認識率を改善することができる。
【0042】さらに、請求項4記載の音声認識装置にお
いては、上記ガーベジ隠れマルコフモデルは、複数の名
詞のテキストデータに基づいて、当該名詞のテキストデ
ータのシンボルをクラスタに対応したシンボルに置き換
えて、各クラスタの連鎖を示す4−グラムで学習され
た。これによって、さらに高い音声認識率を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である音声認識装置
のブロック図である。
【図2】 未登録語の出現傾向を示す登録語彙数に対す
る未登録語の比率のグラフである。
【図3】 図1の実施形態において用いる音素HMM1
1の構造を示す状態遷移図である。
【図4】 図1の実施形態において用いるガーベジHM
M12の構造を示す状態遷移図である。
【図5】 比較例の1クラスタHMMの構造を示す状態
遷移図である。
【図6】 比較例の9クラスタHMMの構造を示す状態
遷移図である。
【符号の説明】
1…マイクロホン、 2…特徴抽出部、 3…バッファメモリ、 4…音素照合部、 5…LRパーザ、 11…音素HMM、 12…ガーベジHMM、 13…LRテーブルメモリ、 20…文脈自由文法データベースメモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−266386(JP,A) 電子情報通信学会論文誌[A]Vo l.J77−A,No.2,p.215〜222 (平成6年2月) 日本音響学会講演論文集(平成7年10 月)1−Q−17,p.171〜172 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10L 3/00 535 G10L 3/00 521 G10L 3/00 531 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された発声音声文の音声信号に基づ
    いて、所定の隠れマルコフモデルを用いて音声認識して
    音声認識結果を出力する音声認識手段を備えた音声認識
    装置において、 上記隠れマルコフモデルは、 複数個の音素クラスタにクラスタリングされ、予め登録
    されている登録語を認識するための音素隠れマルコフモ
    デルと、 複数個の音素クラスタにクラスタリングされ、予め登録
    されていない未登録語を認識するためのガーベジ隠れマ
    ルコフモデルとを含み、 上記音声認識手段は、入力された発声音声文の音声信号
    に基づいて、上記音素隠れマルコフモデルと上記ガーベ
    ジ隠れマルコフモデルとを同時に用いて音声認識して音
    声認識結果を出力することを特徴とする音声認識装置。
  2. 【請求項2】 上記音素隠れマルコフモデルは、25個
    の音素と無音に関する音響モデルであり、 上記ガーベジ隠れマルコフモデルは、 18個の子音を1つのクラスタにクラスタリングされた
    ガーベジの1個の隠れマルコフモデルと、 5個の母音をそれぞれ1つのクラスタにクラスタリング
    された5個の隠れマルコフモデルと、 拗音、促音及び撥音の各3子音をそれぞれ1つのクラス
    タにクラスタリングされた3個の隠れマルコフモデルと
    を含むことを特徴とする請求項1記載の音声認識装置。
  3. 【請求項3】 上記音声認識手段は、 上記ガーベジ隠れマルコフモデルに基づいて計算された
    未登録語の尤度に対して上記音素隠れマルコフモデルに
    基づいて計算された登録語の尤度と比較して所定の重み
    係数を乗算して音声認識結果のスコアを計算し、 上記重み係数は、0.8以上であって、1未満であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の音声認識装置。
  4. 【請求項4】 上記ガーベジ隠れマルコフモデルは、複
    数の名詞のテキストデータに基づいて、当該名詞のテキ
    ストデータのシンボルをクラスタに対応したシンボルに
    置き換えて、各クラスタの連鎖を示す複数N−グラムで
    学習されたことを特徴とする請求項2又は3記載の音声
    認識装置。
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