JP2861500B2 - 亜鉛精鉱の熔融脱硫法 - Google Patents
亜鉛精鉱の熔融脱硫法Info
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- JP2861500B2 JP2861500B2 JP18410891A JP18410891A JP2861500B2 JP 2861500 B2 JP2861500 B2 JP 2861500B2 JP 18410891 A JP18410891 A JP 18410891A JP 18410891 A JP18410891 A JP 18410891A JP 2861500 B2 JP2861500 B2 JP 2861500B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛・鉛精鉱中の亜鉛
をスラグ化により回収する方法に関し、より詳しくいえ
ば亜鉛・鉛製錬法の酸化工程に関する。
をスラグ化により回収する方法に関し、より詳しくいえ
ば亜鉛・鉛製錬法の酸化工程に関する。
【0002】
【従来の技術】Zn製錬法は、乾式、湿式をとわず、精
鉱を脱硫し、ZnOの形で焼鉱あるいは焼結塊を得る。
その後、乾式では、コークスと共に炉に装入し、100
0℃以上の高温でZn蒸気を発生させ、還元ガスと共
に、このZn蒸気をコンデンサーに導いて、凝縮回収す
る。一方、湿式では希硫酸で焼鉱中のZnOを浸出し、
Cd、Cu、Co、Niなどの不純物を清浄除去した
後、アルミ板を陰極、Pb−Ag合金を陽極として電解
し、亜鉛を陰極に折出させ、金属Znを得ている。
鉱を脱硫し、ZnOの形で焼鉱あるいは焼結塊を得る。
その後、乾式では、コークスと共に炉に装入し、100
0℃以上の高温でZn蒸気を発生させ、還元ガスと共
に、このZn蒸気をコンデンサーに導いて、凝縮回収す
る。一方、湿式では希硫酸で焼鉱中のZnOを浸出し、
Cd、Cu、Co、Niなどの不純物を清浄除去した
後、アルミ板を陰極、Pb−Ag合金を陽極として電解
し、亜鉛を陰極に折出させ、金属Znを得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Zn製錬の脱硫法にお
いては、硫化物の発熱反応を利用するため、反応は一旦
開始されれば自動的に維持される利点がある。
いては、硫化物の発熱反応を利用するため、反応は一旦
開始されれば自動的に維持される利点がある。
【0004】しかし、湿式法の脱硫工程を行う流動焙焼
炉では、精鉱をスラリー状で供給するため、生成するウ
ェットSO2 ガスによる硫酸製造工程における部材の腐
食の問題がある(湿式流動焙焼炉の場合であり、乾式流
動焙焼炉の場合はこの問題は少ない)。
炉では、精鉱をスラリー状で供給するため、生成するウ
ェットSO2 ガスによる硫酸製造工程における部材の腐
食の問題がある(湿式流動焙焼炉の場合であり、乾式流
動焙焼炉の場合はこの問題は少ない)。
【0005】また、Zn製錬の方法では、鉛を含む精鉱
は、流動化が困難なため処理対象となり得ない。
は、流動化が困難なため処理対象となり得ない。
【0006】亜鉛、鉛精鉱を同時処理できるISP法に
おいては、上吹き焼結機を用いて精鉱の脱硫を行ってい
る。しかし、ISP法は、流動焙焼炉に比較し、 (1)硫化物の反応熱の回収ができない (2)密閉式でないため作業環境上、問題がある。 (3)焙焼した粉鉱を精鉱に混ぜて焼結しないと良質の
焼結塊が得られない。 (4)ZnとPb精鉱の混合比が2対1と一定で、混合
比を自由に変更することができないなどの欠点がある。
おいては、上吹き焼結機を用いて精鉱の脱硫を行ってい
る。しかし、ISP法は、流動焙焼炉に比較し、 (1)硫化物の反応熱の回収ができない (2)密閉式でないため作業環境上、問題がある。 (3)焙焼した粉鉱を精鉱に混ぜて焼結しないと良質の
焼結塊が得られない。 (4)ZnとPb精鉱の混合比が2対1と一定で、混合
比を自由に変更することができないなどの欠点がある。
【0007】鉛製錬に関しては脱硫を行う焼結工程を省
いた直接あるいは連続製錬法が、たとえば特開昭56−
166341、特開昭59−226130、特開昭58
−130232に開示されているが、Zn精鉱あるいは
Pbを含むZn精鉱を対象とした連続脱硫スラグ化法は
確立されていない。
いた直接あるいは連続製錬法が、たとえば特開昭56−
166341、特開昭59−226130、特開昭58
−130232に開示されているが、Zn精鉱あるいは
Pbを含むZn精鉱を対象とした連続脱硫スラグ化法は
確立されていない。
【0008】本発明は、亜鉛製錬の連続化を達成するた
め、亜鉛精鉱あるいは鉛を含む亜鉛精鉱中の亜鉛をスラ
グ化する方法を提供する。
め、亜鉛精鉱あるいは鉛を含む亜鉛精鉱中の亜鉛をスラ
グ化する方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、亜鉛を主として含む硫化物精鉱あるいは該精鉱とフ
ラックスの混合物を炉天井より熔融スラグ浴における落
下部へ供給すると共に、該硫化物精鉱を脱硫するに要す
る酸素を工業用酸素又は酸素富化空気あるいは空気とし
てランスにより供給するに際し、該ランスの先端をスラ
グ浴面上に保持し、該精鉱又は該混合物のスラグ浴面落
下部に向けて前記酸素を吹き付け、さらに酸素−燃料バ
ーナーの火炎の延長線上に前記落下部が来るように、該
バーナーを設けるようにした方法により該精鉱中の亜鉛
をスラグ化する熔融脱硫方法が提供される。硫化物精鉱
やそのフラックスとの混合物は、一定量ずつ連続的に供
給するのが好ましい。
ば、亜鉛を主として含む硫化物精鉱あるいは該精鉱とフ
ラックスの混合物を炉天井より熔融スラグ浴における落
下部へ供給すると共に、該硫化物精鉱を脱硫するに要す
る酸素を工業用酸素又は酸素富化空気あるいは空気とし
てランスにより供給するに際し、該ランスの先端をスラ
グ浴面上に保持し、該精鉱又は該混合物のスラグ浴面落
下部に向けて前記酸素を吹き付け、さらに酸素−燃料バ
ーナーの火炎の延長線上に前記落下部が来るように、該
バーナーを設けるようにした方法により該精鉱中の亜鉛
をスラグ化する熔融脱硫方法が提供される。硫化物精鉱
やそのフラックスとの混合物は、一定量ずつ連続的に供
給するのが好ましい。
【0010】
【作用】従来では、硫化亜鉛を酸化させると主に亜鉛ガ
スになると考えられていたが、本発明者は、硫化亜鉛の
酸化に関する基礎データを種々検討した結果、鉄シリケ
ート系スラグ中に20%程度は亜鉛を熔解しうるという
事実に基づき本発明を完成した。
スになると考えられていたが、本発明者は、硫化亜鉛の
酸化に関する基礎データを種々検討した結果、鉄シリケ
ート系スラグ中に20%程度は亜鉛を熔解しうるという
事実に基づき本発明を完成した。
【0011】銅熔錬のような硫化物の酸化条件下におけ
る亜鉛の揮発機構では、「日本鉱業会誌」83(196
7)第1096頁、「硫酸と鉱業」23(1970)第
279頁、に示されるように、ZnS(S)→ZnS
(g)のような硫化物分子ガスは無視できる程度であ
り、ZnS(S)→Zn(g)+1/2S2 (g)のよ
うな単純解難による揮発は多少起り得るが、ZnS
(S)+O2 →Zn(g)+SO2 (g)のような酸化
に際し、直接金属亜鉛ガスとして揮発する可能性が一番
大きい。
る亜鉛の揮発機構では、「日本鉱業会誌」83(196
7)第1096頁、「硫酸と鉱業」23(1970)第
279頁、に示されるように、ZnS(S)→ZnS
(g)のような硫化物分子ガスは無視できる程度であ
り、ZnS(S)→Zn(g)+1/2S2 (g)のよ
うな単純解難による揮発は多少起り得るが、ZnS
(S)+O2 →Zn(g)+SO2 (g)のような酸化
に際し、直接金属亜鉛ガスとして揮発する可能性が一番
大きい。
【0012】しかし、亜鉛をスラグ化により回収する場
合は、亜鉛の揮発をできるだけ少なく、しかも生成した
スラグ中のマグネタイト量(炉底のビルドアップの主
因)を低くおさえる熔錬条件が必要である。このため
に、本発明者は、原料、燃料、酸素及び/又は空気の供
給方法によりスラグ中に熔解する亜鉛を高くすることを
検討した。
合は、亜鉛の揮発をできるだけ少なく、しかも生成した
スラグ中のマグネタイト量(炉底のビルドアップの主
因)を低くおさえる熔錬条件が必要である。このため
に、本発明者は、原料、燃料、酸素及び/又は空気の供
給方法によりスラグ中に熔解する亜鉛を高くすることを
検討した。
【0013】すなわち、本発明によれば、亜鉛を主とし
て含む硫化物精鉱あるいは該精鉱とフラックスの混合物
を炉天井より一定量連続的に熔融スラグ浴上へ供給する
と共に該硫化物精鉱を脱硫するに要する酸素を工業用酸
素又は酸素富化空気あるいは空気として、先端をスラグ
浴面より上に保持したランスを介して、該精鉱又は該混
合物のスラグ浴面落下部に向けて吹き付け、さらに酸素
−燃料バーナーの火炎がその延長線上に落下部が来るよ
うに該バーナーを炉体側壁に設けることにより該精鉱中
の亜鉛を有効にスラグ化できる。
て含む硫化物精鉱あるいは該精鉱とフラックスの混合物
を炉天井より一定量連続的に熔融スラグ浴上へ供給する
と共に該硫化物精鉱を脱硫するに要する酸素を工業用酸
素又は酸素富化空気あるいは空気として、先端をスラグ
浴面より上に保持したランスを介して、該精鉱又は該混
合物のスラグ浴面落下部に向けて吹き付け、さらに酸素
−燃料バーナーの火炎がその延長線上に落下部が来るよ
うに該バーナーを炉体側壁に設けることにより該精鉱中
の亜鉛を有効にスラグ化できる。
【0014】本発明において処理される精鉱は、湿潤し
ているものでも良いが、好ましくは乾燥粉体として炉に
供給する。また亜鉛の品位としては50%以上の硫化物
精鉱以外に、鉛や銅等を含む亜鉛精鉱でも良い。
ているものでも良いが、好ましくは乾燥粉体として炉に
供給する。また亜鉛の品位としては50%以上の硫化物
精鉱以外に、鉛や銅等を含む亜鉛精鉱でも良い。
【0015】酸素−燃料バーナーと硫化物精鉱酸化用に
供給する工業用酸素は、酸素を90%以上含むものであ
り、酸素富化空気はこの工業用酸素と空気を混合したも
のである。
供給する工業用酸素は、酸素を90%以上含むものであ
り、酸素富化空気はこの工業用酸素と空気を混合したも
のである。
【0016】バーナーに使用される燃料は、固体、液
体、気体の内の1つ或いは、2つ以上の組合わせを使用
することができる。固体としては微粉炭あるいはコーク
ス、液体は重油、気体はプロパン、ブタンLPG、LN
G等がありいずれでも良い。
体、気体の内の1つ或いは、2つ以上の組合わせを使用
することができる。固体としては微粉炭あるいはコーク
ス、液体は重油、気体はプロパン、ブタンLPG、LN
G等がありいずれでも良い。
【0017】熔融スラグ浴としては、鉄シリケート系ス
ラグもしくは、ライムを含む鉄シリケート系スラグが使
用可能である。
ラグもしくは、ライムを含む鉄シリケート系スラグが使
用可能である。
【0018】生成したZnを含むスラグ浴よりZnを回
収する還元工程おいて、その揮発率を向上させるため、
ライムを含むのが望ましく、その工程より繰り返される
スラグも熔体のまま、あるいは固化し、フラツクスとし
て使用される。フラツクスとしては、硅砂・石灰あるい
は鉄酸化物を含むが、その量が後に記載するスラグ組成
となるよう調合され、精鉱と混合される。
収する還元工程おいて、その揮発率を向上させるため、
ライムを含むのが望ましく、その工程より繰り返される
スラグも熔体のまま、あるいは固化し、フラツクスとし
て使用される。フラツクスとしては、硅砂・石灰あるい
は鉄酸化物を含むが、その量が後に記載するスラグ組成
となるよう調合され、精鉱と混合される。
【0019】亜鉛を主として含む硫化物精鉱あるいは、
これにフラックスを混合した原料をスラグ浴面上に供給
すると共に、浴上に保持したランスより工業用酸素・酸
素富化空気あるいは空気を吹き付ける。さらに、酸化反
応が維持される温度に燃料バーナーで浴面を加熱するこ
とにより、精鉱中の硫化亜鉛が酸化亜鉛に転換されると
同時に熔融スラグ中に吸収される。
これにフラックスを混合した原料をスラグ浴面上に供給
すると共に、浴上に保持したランスより工業用酸素・酸
素富化空気あるいは空気を吹き付ける。さらに、酸化反
応が維持される温度に燃料バーナーで浴面を加熱するこ
とにより、精鉱中の硫化亜鉛が酸化亜鉛に転換されると
同時に熔融スラグ中に吸収される。
【0020】この方法は、原料、空気、燃料を単管ラン
スで一緒に吹き込む特開昭59−226130や特開昭
58−130232の方法とは異なる方法であり、原料
を流送することによるホースやランスの耐久性や熔体に
よるランス熔損、ランスの詰まり等の操業上のトラブル
がほとんど発生しない。
スで一緒に吹き込む特開昭59−226130や特開昭
58−130232の方法とは異なる方法であり、原料
を流送することによるホースやランスの耐久性や熔体に
よるランス熔損、ランスの詰まり等の操業上のトラブル
がほとんど発生しない。
【0021】また、本法の酸素ポテンシャルの制御は、
ランスより吹き込む工業用酸素、酸素富化空気あるいは
空気等によりできる一方、反応浴温の制御は酸素−燃料
バーナーにより別々にできるため、操業の管理がきわめ
て簡便にできる。
ランスより吹き込む工業用酸素、酸素富化空気あるいは
空気等によりできる一方、反応浴温の制御は酸素−燃料
バーナーにより別々にできるため、操業の管理がきわめ
て簡便にできる。
【0022】スラグ組成は、Fe/SiO2 =0.7〜
1.5、CaO=0〜15%、Zn=15〜25%とな
る様に原料調合すればよいが、スラグのビルドアップあ
るいはアワ立ち等を発生させないよう、スラグ中のS品
位は、0.5〜3.0%に保たれるよう酸素量をコント
ロールしてランスより吹き付ける。
1.5、CaO=0〜15%、Zn=15〜25%とな
る様に原料調合すればよいが、スラグのビルドアップあ
るいはアワ立ち等を発生させないよう、スラグ中のS品
位は、0.5〜3.0%に保たれるよう酸素量をコント
ロールしてランスより吹き付ける。
【0023】精鉱の酸化反応が起こるスラグ浴上の温度
は少なくとも1150℃以上であり、好ましくは120
0℃から1300℃の間に維持されるよう、燃料バーナ
ーへの供給燃料をコントロールする。1300℃以上と
なると亜鉛の揮発が顕著に増加しスラグの一次回収率が
低下する。
は少なくとも1150℃以上であり、好ましくは120
0℃から1300℃の間に維持されるよう、燃料バーナ
ーへの供給燃料をコントロールする。1300℃以上と
なると亜鉛の揮発が顕著に増加しスラグの一次回収率が
低下する。
【0024】これらの方法を遂行するための熔錬炉は耐
火物を使用して造られた炉であり、天井から精鉱あるい
は精鉱とフラックスの混合物がスラグ浴上の反応領域に
一様に供給する装置を有すればよい。ランスと燃料バー
ナーは反応領域で反応が維持される数が均等に配置され
る。その性能と数は精鉱処理量により経験的に決定され
る。
火物を使用して造られた炉であり、天井から精鉱あるい
は精鉱とフラックスの混合物がスラグ浴上の反応領域に
一様に供給する装置を有すればよい。ランスと燃料バー
ナーは反応領域で反応が維持される数が均等に配置され
る。その性能と数は精鉱処理量により経験的に決定され
る。
【0025】なお、生成したSO2 ガス、スラグあるい
はマット、メタルを排出する口を設けるのは云うまでも
ないが、スラグの抜き口には炉内滞留量を制御するため
の手段を有する。
はマット、メタルを排出する口を設けるのは云うまでも
ないが、スラグの抜き口には炉内滞留量を制御するため
の手段を有する。
【0026】
【実施例】以下実施例に基づき本発明をさらに説明す
る。
る。
【0027】最初に、本発明の乾式製錬法を実施する試
験用熔錬炉を説明する。本発明を実施できる熔錬炉の概
要を図1に示す。
験用熔錬炉を説明する。本発明を実施できる熔錬炉の概
要を図1に示す。
【0028】図1に示す試験用熔錬炉は、高さ2.8
m、内径1.5mの反応塔10と、長さ5.25m、内
径1.5mのセトラー12を有し、セトラー12の一端
が反応塔10に結合され、他端が排煙道14に結合され
ている。
m、内径1.5mの反応塔10と、長さ5.25m、内
径1.5mのセトラー12を有し、セトラー12の一端
が反応塔10に結合され、他端が排煙道14に結合され
ている。
【0029】反応塔10の上部より直径34mmの吹き
込みランス16が先端位置調整可能に挿入されている。
ランス16には工業用酸素、酸素窒化空気あるいは空気
が供給される。さらに、ランス頂部の周囲には、原料供
給器18が設けられ、原料供給器18には原料流送設備
20が接続している。原料供給器18からは、硫化物精
鉱やフラックスが自由落下するようになっている。
込みランス16が先端位置調整可能に挿入されている。
ランス16には工業用酸素、酸素窒化空気あるいは空気
が供給される。さらに、ランス頂部の周囲には、原料供
給器18が設けられ、原料供給器18には原料流送設備
20が接続している。原料供給器18からは、硫化物精
鉱やフラックスが自由落下するようになっている。
【0030】セトラー12の相対した側壁には、酸素・
重油バーナー22と保温用重油バーナー24が設置され
ている。酸素・重油バーナー22の火炎の延長線上に硫
化物精鉱やフラックスの落下点が来るように、バーナー
22は炉体側壁に設けられている。火炎の先端が落下点
の近くまで伸びるようにするのが好ましい。
重油バーナー22と保温用重油バーナー24が設置され
ている。酸素・重油バーナー22の火炎の延長線上に硫
化物精鉱やフラックスの落下点が来るように、バーナー
22は炉体側壁に設けられている。火炎の先端が落下点
の近くまで伸びるようにするのが好ましい。
【0031】保温用重油バーナー24の下には、スラグ
ホール26が設けられ、スラグ28を流出できるように
構成されている。
ホール26が設けられ、スラグ28を流出できるように
構成されている。
【0032】スラグ28の下側に堆積するマット及び/
又はメタル30を抜き取るためのタップホール32がセ
トラー12の側壁の一部に設けられている。
又はメタル30を抜き取るためのタップホール32がセ
トラー12の側壁の一部に設けられている。
【0033】[実施例1]表1に示す精鉱A283Kg
に対し、フラックスAを322Kg、フラックスBを7
4Kgの割合で調合し、水分率0.5%以下まで乾燥し
た調合原料を680Kg/時で、熔錬炉天井より熔融ス
ラグ浴面上に自由落下させると共に、酸素濃度59%の
酸素富化空気116Nm3 /時を原料が供給されるスラ
グ浴面中心部上50〜150mmに垂直に設置した外径
34mmのステンレス銅製ランスパイプ(SOS30
4)よりスラグ浴面に向け吹き付けた。
に対し、フラックスAを322Kg、フラックスBを7
4Kgの割合で調合し、水分率0.5%以下まで乾燥し
た調合原料を680Kg/時で、熔錬炉天井より熔融ス
ラグ浴面上に自由落下させると共に、酸素濃度59%の
酸素富化空気116Nm3 /時を原料が供給されるスラ
グ浴面中心部上50〜150mmに垂直に設置した外径
34mmのステンレス銅製ランスパイプ(SOS30
4)よりスラグ浴面に向け吹き付けた。
【0034】酸素−重油バーナーはその火炎が原料の落
下する中心部にあたる様に炉側壁に設置し、スラグ温度
が常に1250℃程度に保てる様、バーナーへの酸素と
重油の供給率は重油27l/時、酸素濃度90%の工業
用酸素67Nm3 /時であった。供給物は速やかに熔解
した。
下する中心部にあたる様に炉側壁に設置し、スラグ温度
が常に1250℃程度に保てる様、バーナーへの酸素と
重油の供給率は重油27l/時、酸素濃度90%の工業
用酸素67Nm3 /時であった。供給物は速やかに熔解
した。
【0035】生成したスラグは3〜4時間毎に炉より排
出した。生成したスラグ組成を表2に示す。炉排ガス中
のSO2 濃度は乾ガス基準で15〜20%程度であり、
冷却、除塵後、硫酸工場に送った。除塵機で補収された
煙灰量は炉に装入した調合原料の5〜6%であった。そ
の組成はZnで約49%、Pbで約8%、Feで約7%
SiO2 で約8%程度であった。Znの揮発率は装入Z
n全量の約10%程度であった。
出した。生成したスラグ組成を表2に示す。炉排ガス中
のSO2 濃度は乾ガス基準で15〜20%程度であり、
冷却、除塵後、硫酸工場に送った。除塵機で補収された
煙灰量は炉に装入した調合原料の5〜6%であった。そ
の組成はZnで約49%、Pbで約8%、Feで約7%
SiO2 で約8%程度であった。Znの揮発率は装入Z
n全量の約10%程度であった。
【0036】[実施例2]表1に示す精鉱A284Kg
に対し、フラックスAを352Kg、フラックスBを8
3Kg、フラックスCを115Kgの割合で調合し、水
分率0.5%以下まで乾燥した調合原料を834Kg/
時で炉天井よりスラグ浴面上に装入すると共に、0.6
5%の酸素富化空気を実施例1と同様にスラグ浴面上に
吹き付けた。浴温度が1230℃程度となる様、酸素−
重油バーナーを用い浴面を加熱した。生成したスラグ組
成を表2に示す。発生ダスト率は約4%、Znの揮発率
は約8%であった。
に対し、フラックスAを352Kg、フラックスBを8
3Kg、フラックスCを115Kgの割合で調合し、水
分率0.5%以下まで乾燥した調合原料を834Kg/
時で炉天井よりスラグ浴面上に装入すると共に、0.6
5%の酸素富化空気を実施例1と同様にスラグ浴面上に
吹き付けた。浴温度が1230℃程度となる様、酸素−
重油バーナーを用い浴面を加熱した。生成したスラグ組
成を表2に示す。発生ダスト率は約4%、Znの揮発率
は約8%であった。
【0037】[実施例3]表1に示す精鉱B344Kg
に対し、フラックスAを160Kg、フラックスBを5
2Kgの割合で調合し、乾燥したのち、この調合原料を
556Kg/時で炉天井よりスラグ浴面上に装入すると
共に、0.57%の酸素富化空気を実施例1と同様にス
ラグ浴面上に吹き付けた。浴温が1270℃程度となる
様、酸素−重油バーナーを用い浴面を加熱した。生成し
たスラグ組成を表2に示す。発生ダスト率は約10%、
Znの揮発率は約20%であった。
に対し、フラックスAを160Kg、フラックスBを5
2Kgの割合で調合し、乾燥したのち、この調合原料を
556Kg/時で炉天井よりスラグ浴面上に装入すると
共に、0.57%の酸素富化空気を実施例1と同様にス
ラグ浴面上に吹き付けた。浴温が1270℃程度となる
様、酸素−重油バーナーを用い浴面を加熱した。生成し
たスラグ組成を表2に示す。発生ダスト率は約10%、
Znの揮発率は約20%であった。
【0038】
【表1】 フラックスA:銅製錬の電気からみ製錬炉スラグ フラックスB:硅石 フラックスC:生石灰
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】(1)Znを含む硫化物精鉱の脱硫熔融
が速やかに行えスラグ化できる。
が速やかに行えスラグ化できる。
【0041】(2)酸素ボテンシャルと浴温が別々にコ
ントロールすることができ、操業コントロールが極めて
簡単である。
ントロールすることができ、操業コントロールが極めて
簡単である。
【0042】(3)本法によりZnの連続製錬が経済的
に実施することができる。
に実施することができる。
【図1】本発明を実施する熔錬炉を示す概略断面図であ
る。
る。
12 セトラー 10 反応塔 14 排煙道 16 ランス 18 原料供給器 20 原料流送設備 22 酸素・重油バーナー 24 保温用重油バーナー 26 スラグホール 28 スラグ 30 マット及び/又はメタル 32 タップホール
Claims (4)
- 【請求項1】 亜鉛を主として含む硫化物精鉱あるいは
該硫化物精鉱とフラックスの混合物を炉天井より熔融ス
ラグ浴における落下部へ供給すると共に、該硫化物精鉱
を脱硫するに要する酸素を工業用酸素又は酸素富化空気
あるいは空気としてランスにより供給するに際し、該ラ
ンス先端をスラグ浴面上に保持し、該精鉱又は該混合物
のスラグ浴面落下部に向けて前記酸素を吹き付け、さら
に酸素−燃料バーナーの火炎の延長線上に前記落下部が
来るように、該バーナーを設けるようにした精鉱中の亜
鉛をスラグ化する熔融脱硫方法。 - 【請求項2】 前記硫化物精鉱あるいは混合物を乾燥粉
体とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記酸素−燃料バーナーの酸素を工業用
酸素または酸素富化空気とする請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 前記燃料を固体、液体、気体、あるいは
これらの2つ以上の組合せとした請求項1記載の方法。
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JP18410891A JP2861500B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 亜鉛精鉱の熔融脱硫法 |
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JP18410891A JP2861500B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 亜鉛精鉱の熔融脱硫法 |
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CN115807165B (zh) * | 2023-01-29 | 2023-05-26 | 中南大学 | 硫化铅锌矿的氧化脱硫方法与装置 |
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- 1991-06-28 JP JP18410891A patent/JP2861500B2/ja not_active Expired - Fee Related
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