JP2858039B2 - 浸透探傷試験方法及び該方法に用いる浸透液 - Google Patents

浸透探傷試験方法及び該方法に用いる浸透液

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JP2858039B2 JP26429790A JP26429790A JP2858039B2 JP 2858039 B2 JP2858039 B2 JP 2858039B2 JP 26429790 A JP26429790 A JP 26429790A JP 26429790 A JP26429790 A JP 26429790A JP 2858039 B2 JP2858039 B2 JP 2858039B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、浸透探傷試験方法及び該方法に用いる浸透
液に関し、洗浄処理時に生じる洗浄廃液による公害問題
が惹起することなく、しかも精度の高い探傷結果が得ら
れる浸透探傷試験方法を提供するものである。
また、本発明は、低温においても使用可能な浸透探索
試験方法用浸透液を提供するものである。
〔従来の技術〕
周知の通り、浸透探傷試験方法は、各種機器、部材の
表面に存在する微細なクラックや微小のピンホールの如
き欠陥部の探傷に古くから汎用されており、「JIS−Z23
43−1982」に規格化もされている。その基本的態様は、
油溶性可視又は蛍光染料を溶剤に溶解してなる浸透性の
強い浸透液を被検査物表面に塗布して欠陥部に該浸透液
を浸透させた後、欠陥部に浸透せずに被検査物表面に残
留している余剰浸透液をとり除き、欠陥部に浸透してい
る浸透液によって欠陥部の存在を探傷するというもので
ある。
上記の浸透探傷試験方法は、使用する浸透液の種類や
余剰浸透液をとり除く処理手段の種類等に応じて種々様
々な具体的態様が採られているが、その内に、特公昭56
−37501号公報(以下「第1公報」という)並びに特公
昭59−28860号(以下「第2公報」という)に開示され
ている次の通りの具体的態様を採る浸透探傷試験方法が
ある。
即ち、第1公報には、浸透液として水に対して相溶性
を有さない油系溶剤と油溶性蛍光染料とからなり界面活
性剤を含まない油性浸透液を使用し、余剰浸透液をとり
除く処理手段として水蒸気を0.1〜5kg/cm2の噴射圧で被
検査物表面に吹きつけるという処理を行なう浸透探傷試
験方法が開示されており、第2公報には、浸透液として
疎水性の浸透液を使用し、余剰浸透液をとり除く処理手
段として水を0.5〜4kg/cm2の水圧で被検査物表面に吹き
つけるという処理を行なう浸透探傷試験方法が開示され
ている。
そして、第1公報に「廃液は簡単に油水分離される」
(第1公報8欄19〜20行)と記載され、第2公報に「浸
透液−水間の比重差によって容易に分離し、静置により
短時間に浸透液と水の分離が可能となる」(第2公報3
欄14〜16行)と記載されている通り、上掲の第1公報並
びに第2公報に開示されている浸透探傷試験方法(以下
「公知浸透探傷試験方法」という)によれば、余剰浸透
液を水を用いて洗浄除去する洗浄処理によって生じる余
剰浸透液を含んでいる水(廃液)から比重差による油水
分離によって該浸透液を分離することができるので洗浄
廃液の処理が容易となり公害問題を引き起すことがない
とされている。
尚、公知浸透探傷試験方法における浸透液としては、
第1公報には「具体的には市販の油性浸透液から選定す
ればよい」(第1公報7欄17〜18行)とされ、「アルキ
ルベンゼン、植物油及びフルオロール7GAからなる市販
の蛍光油性浸透液OD−6000(商品名:特殊塗料株式会社
製)」(第1公報8欄39〜42行)が挙げられ、第2公報
には「乳化性を与える界面活性剤を含まず、高浸透性鉱
物油に油溶性有機けい光染料または赤色染料を添加した
もの」(第2公報3欄33〜35行)とされている。
因みに、市販の界面活性剤を含まない油性蛍光浸透液
の一般的な処方は、油溶性蛍光染料2〜5部、該染料を
溶解させるベース溶剤(高沸点エステル類、高沸点アル
コール類、多価アルコール誘導体等)10〜40部及び希釈
溶剤(鎖状または環状の炭化水素等)50〜90部である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者は、前記の通り、公知浸透探傷試験方法によ
れば、洗浄処理によって生じる余剰浸透液を含んでいる
水から比重差による油水分離によって該浸透液を分離す
ることができるとされていることに着目し、省資源と洗
浄処理コスト低減の見地から、浸透液を分離した水を繰
返し使用して洗浄処理を行なうという着想を得た。
また、本発明者は、上記着想を具現化するに当って、
第1公報に開示されている水蒸気を用いる手段よりも第
2公報に開示されている水をスプレーする手段が、設
備、操作性、水の循環系路設定等の点で有利と判断し
た。
そこで、第1、第2公報に例示されている各浸透液を
始め、入手可能な市販の界面活性剤を含まない油性蛍光
浸透液の全てを用いて、実験を行なったところ、次の問
題点があることを知った。
即ち、第1の問題点は常温(20〜25℃)下において静
置状態での油水分離による浸透液の分離には、約30分以
上の長時間を必要としたという点であり、第2の問題点
は第2公報に教示されている0.5〜4kg程度の水圧による
吹き付けでは余剰浸透液を十分に洗浄できず精度の高い
探傷結果が得られなかったという点である。
従って、本発明は上記問題点に鑑み、洗浄処理によっ
て生じる余剰浸透液を含んでいる水から常温下における
油水分離により速やかに浸透液の分離が可能となる技術
的手段を確立するとともに、水の吹き付きけによって余
剰浸透液を充分に洗浄でき精度の高い探傷結果が得られ
る技術的手段を確立して、洗浄処理において浸透液を分
離した水を繰返して使用でき且つ高い探傷結果が得られ
る新規浸透探傷試験方法を提供することを技術的課題と
する。
更に、本発明者は、本発明を完成に至る過程におい
て、界面活性剤を含まない油性蛍光浸透液の処方につい
て種々検討を行なったところ、油溶性蛍光染料の溶解量
を増加させれば、欠陥部の指示は良好となるが、油溶性
蛍光染料の溶解量を増加させた浸透液は、低温にあって
は蛍光染料が析出する蛍光にあることを知った。例えば
原子炉設備にあっては−15℃程度の低温下で浸透探傷試
験方法を実施する必要があるが、かゝる場合に、欠陥部
の指示を良好とするために蛍光染料の溶解量を増加させ
た浸透液を使用しようとしても、蛍光染料が析出してし
まうという問題点がある。
従って、本発明は上記問題点に鑑み、蛍光染料の溶解
量を増加させることなく良好な欠陥部の指示が得られる
技術的手段を確立して、い特に−15℃程度の低温下でも
使用できる油性蛍光浸透液を提供することを技術的課題
とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記各技術的課題は、次の通りの本発明によって達成
できる。
1.水に対して相溶性を有さないベース溶剤、水に対して
相溶性を有さない希釈溶剤及び油溶性蛍光染料からな
り、界面活性剤を含まない浸透液を被検査物表面に塗布
して欠陥部に該浸透液を浸透させる浸透処理を行ない、
次いで欠陥部に浸透せずに被検査物表面に残留している
余剰液透液を水を用いて洗浄除去する洗浄処理を行な
い、次いで被検査物表面を乾燥させる乾燥処理を行なっ
た後、欠陥部に浸透している浸透液によって欠陥部の存
在を探傷する浸透探傷試験方法において、前記浸透処理
を、水に対して相溶性を有さず且つ常温において比重1
未満のベース溶剤、水に対して相溶性を有さず且つ常温
において比重1未満の希釈溶剤及び油溶性蛍光染料から
なり、界面活性剤を含まない浸透液を使用して行ない、
前記洗浄処理を、被検査物表面に少なくとも6kg/cm2
上の水圧で水を吹きつけるとともに該吹きつけには洗浄
処理によって生じる余剰浸透液を含んでいる水から比重
差による油水分離によって該浸透液を分離した水を繰返
し使用して行なうことを特徴とする浸透探傷試験方法。
2.水に対して相溶性を有さず且つ常温において比重1未
満のベース溶剤10〜40部、水に対して相溶性を有さず且
つ常温において比重1未満の希釈溶剤50〜90部及び油溶
性蛍光染料2〜5部からなり、界面活性剤を含まない浸
透探傷試験方法用浸透液において、前記ベース溶剤がジ
オクチルフタレート又はリン酸トリオクチルであり、前
記希釈溶剤が芳香族溶剤であり、前記油溶性蛍光染料が
フロレッセントブライトニスエージェント75(商品名:
米国モートン社製)又はフロレッセントブライトニスエ
ージェント68(商品名:日本化薬製)であるとともに、
蛍光輝度向上剤として当該蛍光染料が難溶である炭素数
6〜14の脂肪族溶剤又は鉱物油が添加されていることを
特徴とする浸透探傷試験方法用浸透液。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りであ
る。
まず本発明における水に対して相溶性を有さず且つ常
温において比重1未満のベース溶剤は、市販品から所要
のものが容易に入手でき、中でも、リン酸トリオクチル
(TOP・比重0.920)、リン酸トリブチル(TBP・比重0.9
78)、ジオクチルフタレート(DOP・比重0.982)、ジブ
チルマレート(DBM・比重0.997)、フタル酸ジトリデシ
ル(DTDP・比重0.953)、フタル酸ジノニル(DNP・比重
0.970)、ジオクチルドデカンジオエート(DODD・比重
0.910)、フマル酸ジオクチル(DOF・比重0.942)等は
好適に使用できる。
本発明における水に対して相溶性を有さず且つ常温に
おいて比重1未満の希釈溶も、市販品から所要のものが
容易に入手でき、中でも芳香族溶剤、特に、キシレン、
ジメチルナフタレン、クレオソート油、ソルベントナフ
タやソルベッソ100(商品名:エクソン社製)、ソルベ
ッソ150(商品名:エクソン社製)、KMC113(商品名:
クレハ社製)等は好適に使用できる。
本発明における油溶性蛍光染料は、従来から油性蛍光
浸透剤に使用されている市販品が使用でき、中でも、フ
ロレッセントブライトニスエージェント75(商品名:米
国モートン社製)やフロレッセントブライトニスエージ
ェント68(商品名:日本化薬製)が好適に使用できる。
本発明における浸透液の調製は容易であり、各材料の
配合割合は、前記市販の界面活性剤を含まない油性浸透
液の一般的な処方における配合割合によればよく、上記
各材料から所要のものを選定し、ベース溶剤10〜40部、
希釈溶剤50〜90部、油溶性蛍光染料2〜5部の各範囲内
で、各材料を混合し、攪拌し、必要に応じて加熱して、
染料を溶解させれば調製できる。
また、本発明における浸透液の処方として、上記各材
料から、ベース溶剤としてジオクチルフタレート又はリ
ン酸トリオクチルを、希釈溶剤として芳香族溶剤を、油
溶性蛍光染料としてフロレッセントブライトニスエージ
ェント75(同上)又はフロレッセントブライトニスエー
ジェント68(同上)を選定し、ベース溶剤と希釈溶剤と
を上記範囲内の配合割合とするときには、該染料が難溶
である炭素数6〜14の脂肪族溶剤又は鉱物油を蛍光輝度
向上剤として添加することによって、染料の使用量を2
〜3部としても、欠陥部を明確に指示するに足る蛍光輝
度が得られる。
上記の炭素数6〜14の脂肪族溶剤や鉱物油は、市販品
から所要のものが容易に入手でき、中でも、ヘキサン、
ヘプタン、オクタンやアイソパーG(商品名:エクソン
社製)、0号ソルベントM(商品名:日本石油製)等は
好適に使用できる。その添加量は、対象とする上記処方
の浸透液に対して容積比で5〜30容積%(以下「%」と
いう)、好ましくは10〜20%である。5%未満では顕著
な輝度向上効果が得られず、5%を越えると添加量に比
例して蛍光輝度は向上し約10〜20%の間でピークに達
し、約30%を越えると極端に下降する。第1図は欠陥指
示模様の蛍光輝度と添加量との関係を示すグラフであ
り、ヘプタンを添加した場合には、同図中の実線に見ら
れるように、未添加の場合の欠陥指示輝度を100とする
と、10%の添加で約118、20%の添加で約125、30%の添
加で約122、40%の添加では約115となる。本発明者は、
ヘキサン、オクタン、アイソパーG(同上)、0号ソル
ベントM(同上)の場合にも、略同様の傾向を示すこと
を確認している。
また、油溶性蛍光染料を2〜3部溶解させている浸透
液は、例えば−15〜−16℃においても染料が析出するこ
とはない。
尚、本発明における浸透液は、調製後、常法に従って
噴射剤とともにエアゾール缶に封入してエアゾールタイ
プとして使用できる。
次に、本発明における浸透処理及び乾燥処理は、従来
の浸透探傷試験方法に採られている操作態様と全く同様
である。
本発明における洗浄処理は、浸透処理後の被検査物表
面に少なくとも6kg/cm2以上の水圧で水を吹き付けるこ
とによって行なう必要がある。6kg/cm2以上の水圧によ
るときには余剰浸透液を充分に洗浄でき精度の高い探傷
結果が得られる。水圧を高くすればするほど洗浄時間を
短縮することができ、例えば20kg/cm2の水圧とすれば約
30秒間で充分に洗浄できる。もっとも、あまりに高圧で
ある場合には過洗浄となり欠陥部内の浸透液までも除去
してしまう危険性があるが、本発明者は60kg/cm2の水圧
であっても過洗浄とならず精度の高い探傷結果が得られ
ることを確認している。洗浄時間、設備等を勘案すれ
ば、10〜30kg/cm2程度の水圧が実用的である。水の吹付
けには、周知の高圧ポンプとスプレーノズルを使用すれ
ばよい。
本発明における洗浄処理においては、洗浄処理によっ
て生じる余剰浸透液を含んでいる水を集め、比重差によ
る油水分離によって浸透液を分離した水を繰返して洗浄
に使用する。この場合、浸透液の分離は、常温下におい
て静置状態を3〜6分間保持することによって達成でき
る。
尚、分離した浸透液は、被検査物に付着していたほこ
りや探傷試験実施場所周辺のほこり等によって汚れてい
ない場合には、勿論、再使用できるが、汚れが激しい場
合には、燃焼させることによって容易に処理できる。
〔作用〕
本発明者は、前記の通り第1、第2公報に例示されて
いる各浸透液を始め、入手可能な市販の界面活性剤を含
まない油性蛍光浸透液の全てを用いて、常温下における
静置状態での油水分離による浸透液の分離についての実
験を数多く繰返した結果、分離に約30分以上もの長時間
を必要とするのは、従来の油性蛍光浸透液が、その処方
中に比重1以上のもの、例えばベース溶剤として使用さ
れているジエチルフタレート(DEP・比重1.120)、トリ
クレジルホスヘート(TCP・比重1.170)等、を含んでい
るので、浸透液自体の比重が1以上か、或いは殆んど1
に近かいものであるのが要因であることを知った。
本発明においては、浸透液が、水に対して相溶性を有
さず且つ常温において比重1未満のベース溶剤、水に対
して相溶性を有さず且つ常温において比重1未満の希釈
溶剤及び油溶性蛍光染料からなり、界面活性剤を含まな
い処方であるので、浸透液自体の比重は1未満となるか
ら、常温下においても静置状態を3〜6分間保持すれ
ば、比重差による油水分離によって容易に水から分離す
る。
また、本発明においては、洗浄処理において6kg/cm2
以上、好ましくは、10〜30kg/cm2という高い水圧によっ
て水を吹きつけるので、被検査物表面に残留している余
剰浸透液を充分に洗浄できる。尚、10〜30kg/cm2という
高い水圧によっても過洗浄とならない現象についての理
論的解明は、いまだ行えていないが、本発明者は、浸透
液自体の比重が1未満であることに起因するものと考え
ている。
また、本発明において、特定処方の浸透液に前記の炭
素数6〜14の脂肪族溶剤又は鉱物油を添加する場合に
は、欠陥部を指示する蛍光輝度が向上する現象について
の論理的解明も、残念ながら、いまだ行えていないが、
後出実施例に示す通り、確実に蛍光輝度向上効果が得ら
れることは保証できる。
〔実施例〕
次に実施例と比較例によって本発明をより詳しく説明
する。
1.浸透液の調製 A.ジオクチルフタレート(大八化学製)20部、ソルベ
ッソ150前出77部、フロレッセントブライトニスエージ
ェント75前出1部、及びフロレッセントブライトニスエ
ージェント68前出2部を混合、撹拌して浸透液Aを得
た。この浸透液の比重は0.911(25℃)である。
B.リン酸オクチル(大八化学製)30部、ソルベッソ15
0前出67部、フロレッセントブライトニスエージェント7
5前出1部及びフロレッセントブライトニスエージェン
ト68前出2部を混合、撹拌して浸透液Bを得た。この浸
透液の比重は0.901(25℃)である。
C.ジオクチルフタレート前出17部、ソルベッソ150前
出68部、アイソパーG前出10.5部、フロレッセントブラ
イトニスエージェント75前出0.9部及びフロレッセント
ブライトニスエージェント68前出1.6部を混合、撹拌し
て浸透液Cを得た。この浸透液の比重は0.890(25℃)
である。
D.リン酸オクチル前出10部、ソルベッソ150前出68
部、アイソパーG前出19部、フロレッセントブライトニ
スエージェント75前出1部及びフロレッセントブライト
ニスエージェント68前出2部を混合、撹拌して浸透液D
を得た。
2.油水分離テスト結果 上記浸透液A〜Dを、それぞれ2cc秤取し、各浸透液
毎に、浸透液2ccと水20ccとを長さ180mmのネジロ試験管
に入れ、25℃において、各試験管を5秒間振盪した後、
静置して、振盪終了後から試験管底部より20mmの高さが
透明に澄むまでの時間を、それぞれ計測することによっ
て油水分離テストを行なった。
比較のため、市販の界面活性剤を含まない油性浸透液
であるOD−1700A(商品名:マークテック(株)製)及
びOD−6000(商品名:マークテック(株)製)について
も、上記と同じ手法によって油水分離テストを行なっ
た。
結果は、浸透液A〜Dは4分間で透明に澄んだが、OD
−1700A(同上)とOD−6000(同上)とは30分間経過後
も白濁状態であった。
3.浸透探傷試験方法の実施 上記浸透液A〜Dを、それぞれ用いて、次の通りの浸
透探傷試験方法を実施した。
JIS−Z−2343−1982規格のB型試験片(われ深さ:50
μ)に、アセトン中超音波洗浄30分の前処理を施した
後、その試験面に、ハケ塗りによって浸透液を塗布して
5分間放置する浸透処理を行ない、次いで、塗布面に、
高圧ポンプ(MW−310型:丸山製作所製)とノズル穴径1
mmのスプレーとを用いて、水圧20kg/cm2、水量4/分
で、スプレー角度25゜の平吹にて、30秒間、水を吹き付
ける洗浄処理を行ない、次いで、試験片を80℃で2分間
乾燥させる乾燥処理を行ない、暗所にて紫外線灯(ブラ
ックライト)の照射下において、試験面を目視にて観察
する。
尚、洗浄処理において生じる余剰浸透液を含んでいる
水は、常温下で5分間静置して油水分離によって浸透液
を分離して再び洗浄に使用する。
結果は、浸透液A〜Dのいずれを使用した場合にも、
試験面には肉眼で明瞭な欠陥指示蛍光模様が確認でき
た。
また、余剰浸透液を含んでいる水の油水分離も5分間
の静置でスムースに進行し、透明な水を繰返して洗浄に
使用できた。
尚、本実施例においては、周知の現像剤を使用しない
態様を示しているが、本発明が周知の現像剤を使用する
態様にあっても実施できることは当然である。
4.蛍光輝度向上テスト結果 上記浸透液Aに対して、容積比でヘプタンを10%、20
%、30%、40%宛添加して、浸透液A1〜4を調製し
た。浸透液A1〜4の比重は、それぞれ、A1は0.889、A
2は0.867、A3は0.845、A4は0.823である。
また、上記浸透液Bに対して、容積比でヘプタンを10
%、20%、30%、40%宛添加して、浸透液B1〜4を調
製した。浸透液B1〜4の比重は、それぞれ、B1は0.89
5、B2は0.878、B3は0.862、B4は0.846である。
上記浸透液A1〜4、B1〜4を、それぞれ用いて、
前出「3.浸透探傷試験方法の実施」の場合と同じ条件で
浸透探傷試験方法を実施するとともに、各欠陥指示蛍光
模様の蛍光輝度を、光電子増倍管(浜松フォトニクス
製)を使用して受光部スリットの視野面積2mm×2mmで測
定した。
結果は、浸透液A1〜4、B1〜4のいずれを使用し
た場合にも、試験面には肉眼で明瞭な欠陥指示蛍光模様
が確認でき、洗浄処理において生じた余剰浸透液を含ん
でいる水の油分分離の状態も浸透液A〜Dを使用した場
合と同様であった。
また、ヘプタンの添加量と欠陥指示模様の蛍光輝度と
の関係は、浸透液A1〜4の場合には第1図、浸透液B
1〜4の場合には第2図に示す通りである。
尚、第1図、第2図とも、前出「3.浸透探傷試験方
法」における浸透液A、浸透液Bを用いた場合の各欠陥
指示蛍光模様の蛍光輝度(上記と同じ測定法による)を
100として作成したものである。
また、第1図には、上記浸透液Aに対して、容積比で
アイソパーG前出を10%、20%、30%、40%宛添加して
調製した浸透液を用いて、浸透液A1〜4の場合と同様
にして測定したときの結果を併せて示した(第1図中の
点線)。
5.浸透液の染料析出テスト 上記浸透液A〜Dを、−16℃に保った状態で1ヶ月間
放置したが、いずれの浸透液とも、染料の析出は全く認
められなかった。
〔発明の効果〕
以上、説明した通りの本発明によれば、洗浄処理時に
生じる洗浄廃液による公害問題を惹起することなく、し
かも精度の高い探傷結果が得られる浸透探傷試験方法が
実施できる。
即ち、本発明においては、洗浄処理において生じる余
剰浸透液を含む水から、常温下静置状態3〜6分間保持
という短時間で、浸透液が分離できるので、効率のよい
水の繰返し使用が可能となり、洗浄廃液を出さない閉ル
ープ方式によって浸透探傷試験方法が実施できるのであ
る。また、本発明においては、洗浄処理において6kg/cm
2以上という高圧をもって水を吹き付けて洗浄できるか
ら充分な洗浄が行なえ、過洗浄となることもないので、
精度の高い探傷結果を得ることができるのである。
更に、本発明に係る前記油溶性染料の使用量を2〜3
部とすると共に前記蛍光輝度向上剤を添加した処方の浸
透液は、−15〜−16℃という低温下においても染料が析
出しないので、浸透探傷試験方法の適用範囲を拡大する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は、本発明における蛍光輝度向上剤の添
加効果を説明するための欠陥指示模様の蛍光輝度と添加
量との関係を示すグラフである。第1図において、実線
はヘプタンの場合、点線はアイソパーGの場合を示す。
第2図において、実線はヘプタンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に対して相溶性を有さないベース溶剤、
    水に対して相溶性を有さない希釈溶剤及び油溶性蛍光染
    料からなり、界面活性剤を含まない浸透液を被検査物表
    面に塗布して表面開口欠陥部(以下「欠陥部」という)
    に該浸透液を浸透させる浸透処理を行ない、次いで欠陥
    部に浸透せずに被検査物表面に残留している余剰浸透液
    を水を用いて洗浄除去する洗浄処理を行ない、次いで被
    検査物表面を乾燥させる乾燥処理を行なった後、欠陥部
    に浸透している浸透液によって欠陥部の存在を探傷する
    浸透探傷試験方法において、 前記浸透処理を、水に対して相溶性を有さず且つ常温に
    おいて比重1未満のベース溶剤、水に対して相溶性を有
    さず且つ常温において比重1未満の希釈溶剤及び油溶性
    蛍光染料からなり、界面活性剤を含まない浸透液を使用
    して行ない、前記洗浄処理を、被検査物表面に少なくと
    も6kg/cm2以上の水圧で水を吹きつけるとともに該吹き
    つけには洗浄処理によって生じる余剰浸透液を含んでい
    る水から比重差による油水分離によって該浸透液を分離
    した水を繰返し使用して行なうことを特徴とする浸透探
    傷試験方法。
  2. 【請求項2】水に対して相溶性を有さず且つ常温におい
    て比重1未満のベース溶剤10〜40重量部(以下「部」と
    いう)、水に対して相溶性を有さず且つ常温において比
    重1未満の希釈溶剤50〜90部及び油溶性蛍光染料2〜5
    部からなり、界面活性剤を含まない浸透探傷試験方法用
    浸透液において、 前記ベース溶剤がジオクチルフタレート又はリン酸トリ
    オクチルであり、前記希釈溶剤が芳香族溶剤であり、前
    記油溶性蛍光染料がフロレッセントブライトニスエージ
    ェント75(商品名:米国モートン社製)又はフロレッセ
    ントブライトニスエージェント68(商品名:日本化薬
    製)であるとともに、蛍光輝度向上剤として当該蛍光染
    料が難溶である炭素数6〜14の脂肪族溶剤又は鉱物油が
    添加されていることを特徴とする浸透探傷試験方法用浸
    透液。
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