JP2840267B2 - 固体マトリックス粒子により種子をオスモコンディショニングする方法 - Google Patents

固体マトリックス粒子により種子をオスモコンディショニングする方法

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JP2840267B2 JP63503434A JP50343488A JP2840267B2 JP 2840267 B2 JP2840267 B2 JP 2840267B2 JP 63503434 A JP63503434 A JP 63503434A JP 50343488 A JP50343488 A JP 50343488A JP 2840267 B2 JP2840267 B2 JP 2840267B2
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【発明の詳細な説明】 発明の背景 種子のプライミング(priming)またはオスモコンデ
ィショニング(osmo−conditioning)は苗立ちを改善す
るために開発された播種前の吸水処理を記述する用語で
ある(ハイデッカーとクールベア,1977、Seed Science
and Technology 5:353−425)、(クーアンら、1980/1
981 Israel J.Bot.29:133−144)、および、(ブラッ
ドフォード,1986、HortScience 21(5):1105−111
2)。一般的手順は次のとおりに記載されている。種子
を公知psi(水ポテンシャル)の通気している浸透性(o
smotic)溶液の中へ入れる。各種の浸透性物質がプライ
ミング用の溶液psiを得るのに用いられてきて、高分子
量(分子量:6000〜8000)ポリエチレングリコール(PE
G)および/または無機塩が含まれる(ハイデッカーと
クールベア,1977,上記)。それらの浸透性溶液は発芽完
了(幼根発生)を妨げる水圧迫を誘起する。種子はしか
し吸水することができ、そして、制御された条件下にお
いて発芽の初期段階を完了することができる。プライミ
ング処理期間は24時間以下(グウエデスおよびキャント
リフェ,1980、J.Amer.Soc.Hort.Sci.105:777−781)か
ら数週間(クーアンら、1980/1981,上記)であることが
報告されており、種(しゅ)、栽培変種植物(cultiva
r),さらには種子ロットに依存する。種子を溶液から
取出し、すすぎ、次に乾燥しなおす。プライミング後
は、種子を現存する種子播き機で播くことができる。各
種の作物の種子をプライミングすることから得られた結
果はブラッドフォードにより1986年に上記のとおり評論
された。一般的には、プライミング処理された種子の出
芽は無処理種子よりも早期でありかつ一層同調性があ
る。植物の生長および収量の特性改善もまた記録されて
いる。
技術的および論理的のいくつかの困難がプライミング
に関して存在した。浸透性溶液は継続的通気を必要と
し、一般的には。種子の量あたりに大量のプライミング
溶液が必要とされる。出芽パーセンテージの減少が無機
塩使用の場合に報告されている(ブロックハーストおよ
びディアマン,1984,Ann.Applied Boil.102:585−59
3)。溶液中の比較的高い濃度のPEGは粘性があり、酸素
の溶解度および拡散性が低い(メキセルら,1975,P1ant
Physiol.55:20−24)。
このような溶液を使用することに代るものは固体媒体
中で種子をプライミングすることである。固体物質は高
い水保持容量をもち、かつ種子の吸水を可能とさせるは
ずである。ピーターソン(1976,Sci.Hort.5:207−214)
はPEG6000とバーミキュライトのスラリー中でたまねぎ
の種子をプライミングする手順を記載している。PEG溶
液で湿らせた3部から4部のバーミキュライトを種子1
部との割合で混合した。この技法は通気の必要件を克服
するけれども、種子がバーミキュライトから分離しにく
いことを彼は報告した。大きい種子をもつ植物の種子水
分含有量を播種前に増す方法がいくつか記述されている
(ベネットおよびウォーターズ,1984,J.Amer.Soc.Hort.
Sci.109;623−626,および1987,J.Amer.Soc.Hort.Sci.11
2;45−49)。ライマメ(ファセオラス・ルナタス(phas
eolus 1unatus))およびトウモロコシ(ゼア・メイズ
(Zea Mays)の種子水分含有量を種子、バーミキュラ
イト、および既知量の水を密閉容器の中で組合わせるこ
とによって増加させた。この混合物を保温し、次いで、
播種前にバーミキュライトを篩にかけた。苗立ちは両作
物について播種前の処理によって改善された。
本発明は小さい種子をもつ植物へ特定の固相媒体を使
用することを含む。その特定の固体マトリックス、即
ち、特定の固体は水を保持しかつガス交換する構成物を
提供する。その固体物質−種子混合物と水との関係が特
徴づけられ、出芽の検討をトマト、人参、およびたまね
ぎについて実施した。固体マトリックス・プライミング
による温度休眠(thermodormancy)の軽減はレタスにお
いて検討された。化学的処理と微生物の添加はプライミ
ング処理中に行う。
発明の記述 本発明によれば、種子をオスモコンディショニングす
る方法は、結果として得られる植物活性を高めるのに十
分であるが混合物中で種子発芽をおこさせるには不十分
である水を種子に吸収させるのに十分な温度と時間で、
種子との平衡時に約−0.5〜約−2.0メガパスカルの水ポ
テンシャルを有する種子オスモコンディショニング量の
水を種子と混合することからなり、前記混合では、通気
を行い、水ポテンシャルのレベルを制御する固体粒子と
混合し、前記固体粒子は種子に対して非病原性であり、
処理した種子から機械的に分離するのに十分に脆く、混
合物中には自由水は実質的に存在しないことを特徴とす
る。有益な微生物、生物的防除剤又は殺菌剤を固体粒子
に添加することができる。種子と混合される固体粒子が
0.3g/cm3をこえる嵩密度を有することが好ましい。
ここで、「水ポテンシャル」とは、次のように定義さ
れる。単位質量当たりの水のポテンシャルエネルギーで
ある。水ポテンシャルは水がどのくらい有効であるかを
示し、一方、水分含有量は、どのくらいの水がサンプル
中に存在するかを示している。純粋な自由水は水ポテン
シャルは0であり、生物系における水のポテンシャルエ
ネルギーは、ほとんど常に負である。水ポテンシャルの
SI単位は、ジュール/kgである。
本発明は、種子をオスモコンディショニングする量の
水を含むオスモコンディショニング用組成物を提供し、
固体マトリックス粒子と水との混合物は、種子がその混
合物と接触するときに、植物活性を高めるのには十分で
あるが、種子発芽を起こさせるのに不十分である水を吸
収させるのに十分な水ポテンシャルを有し、前記組成物
は種子に対して非病原性であり、水を保持し、ガス交換
を行う固体粒子を含み、混合物中には自由水は実質的に
存在しないことを特徴とする。
本発明は水溶液を使用するのではなく固相マトリック
スを使って種子のプライミングを行なうことに関してい
る。そのマトリックスは微細の植物病原性のない保水性
をもつ固体、例えば、炭素質、好ましくは亜炭質(lign
ateous)固体から成り、それは大きい平衡水ポテンシャ
ルpsi、好ましくは浸透ポテンシャル成分をもち、それ
は合計水ポテンシャルの少くとも約90%であり、好まし
くは約95%より大きい。その種の物質の例は石炭、特に
軟炭、アグロ・リグ(Agro−Lig)として販売されるレ
オナルダイト頁岩のような亜炭質頁岩、およびみずごけ
を含む。
マトリックス物質は問題とする種子をプライミングす
るのに必要とされる水を含むときに、それでも、十分に
脆く、非塊状化性などの性状のものであって、必要な場
合には、処理した種子から、処理後において、種子へ損
傷を与えることなく機械的に分離することができるよう
なものでなければならない。マトリックス物質の粒径は
重要なものではないが、機械的処理の理由からは処理さ
れる種子より小さくあるべきで、通常は20メッシュより
小さく、好ましくはそれより実質的に小さい。代表的に
は、60メッシュより小さい物質が好ましく、例えば、以
後において述べるアグロ・リグは200メッシュ以下が90
%/重量であり、軟炭は60メッシュより小さかった。
マトリックスにとって特に有用である物質は石炭関連
物質、粘土、バーミキュライト、鋸屑、パーライト、ピ
ート/モス、トウモロコシ穂軸、および穀粒粉である。
無機質粒状物質をマトリックスとして使用して実際的で
コスト的に有効である系を得るには、その無機質粒状物
質のマトリックスの嵩密度は好ましくは約0.3g/cm3であ
る。この規定において、嵩密度とは粒状物質の与えられ
た容積の重量をその容積によって割ったものを意味す
る。
本発明の方法においては、処理されるべき種子、予定
された量の固体マトリックス物質、および予めきめられ
た量の水を混合し、混合物を、好ましくは、通気を許す
が蒸発ロスを減らす容器、例えば、小さい頂部閉口をも
つ閉じた金属容器の中で、種子に水を吸収させかつ結果
として得られる植物の活性、すなわち出芽、生長または
収量性を高めるのに十分である水分含有量平衡に到らせ
るのに十分であるが、種子発芽を起こさせるには不十分
な時間の間と温度において、放置する。
溶液プライミングの場合と同様、種子をプライミング
するための系の水の平衡量は特定的な種子の種類、それ
の状態あるいは条件、および、媒体、ここでは固体マト
リックス物質、の水ポテンャルpsiに依存する。代表的
には、固体マトリックス物質は種子との平衡時に約−0.
5から約−2.0メガパスカルの間の水ポテンシャルpsiを
もつべきである。種子プライミング技術はある程度はま
だ経験的なものであり、そして、与えられた種子の種類
についての代表的な水の量と媒体の水ポテンシャルとは
溶液プライミング技術からは一般的にはすでに知られて
いるが、少量の種子試料をすでに測定されている範囲の
水ポテンシャルと温度とにわたって試験し、どんな条件
の温度、水ポテンシャルおよび時間が、種子を発芽させ
ることのない種子による水の最大吸収をおこさせるかを
きめることが、しばしば最良である。
本発明の好ましい方法においては、既知重量の種子を
25重量%の水で湿らせる。用いる合計の水は代表的には
種子の1kgあたり約1の程度のものであるが、種子の
寸法と種子の状態によって変動する。湿らされた種子は
引き続き、乾いた流動性の粒子固体マトリックス物質と
混合され、湿った種子をその粒状マトリックス物質で被
覆する。オスモコンディショニング用の水の予めきめら
れた量の残りを次にその被覆種子と混合し、混合物を予
めきめられた温度、通常は約10℃において、種子を所望
の水分含有量平衡に到達させる十分な時間の間、通常は
1日から約14日間、保持する。
菌類または細菌の生物的防除剤を固体マトリックス・
プライミング組成物へ添加するときには、それらは単独
で用いるときよりも著しく改善される。現在では、本発
明の系において、生物的防除剤はそれ自体が固体マトリ
ックス・プライミング中に増殖し、従って、それらはよ
り活性であるか、あるいは、播種前に、より効果的に種
皮上に定着するか、ある場合には、種子の中に入る、か
のいずれかである、と信じられる。定着のために全体的
保護が得られ、出芽後の立枯れ病が減り、そして、より
迅速な出芽と迅速生長がおこると信じられる。
生物的防除剤は、ピシアムspp.(pythium spp.)のよ
うな土壌病原菌あるいは寄生菌の防除を示すか、あるい
は、植物生育活性を増加するような刺激効果を与える菌
類または細菌、の事実上どれであることもできる。それ
らは固体マトリックス・プライミング段階の前に、既知
の様式で種子被覆として種子へ施用することができる。
使用のための良好な候補はトリコデルマspp.(Trichode
rma spp.)のいくつかの菌株、および、エンテロバク
ター・クロアセエ(Enterobacter cloacae)のいくつ
かの単離体である。市販菌株は有用性を増してきてお
り、なぜならば、それらは土壌試料から一層手軽に同定
することができ、従って、生物的防除剤を利用したのち
のそれの現存する生育力および数を検討することを使用
者に可能にさせるからである。
代表的には、これらの生物学的菌株および単離体は当
業既知のいずれかの方式で種子上へ接種することができ
るが、通常は、水または塩水あるいは粉末または粒また
は緩衝液または培養液との懸濁液又は混合することによ
って施用することができ、もっとも、それらは、固体マ
トリックス物質上での事前定着により、種子との接触時
に十分な数で施用することができ、生物的防除剤の十分
な数が種子の上で自ら増殖しかつ種子を被覆するような
十分な数で、施用することができる。その生物的防除剤
は代表的には上述のとおり、オスモコンディショニング
工程において種子を湿らせるのに用いる水へ添加され
る。
オスモコンディションニング用混合物の栄養素および
pHのような化学的特性、そして特に、種皮表面上のpH、
は生物的防除剤の生長と増殖に影響する。それは、大部
分の生物学的系は与えられた一定pH範囲にわたって最も
効果的に機能するからである。オスモコンディショニン
グ剤および生物的防除剤の共同する好ましい実施態様に
おいては、種子の事前調節しそして/または生物圏を種
子がマトリックス中に置かれたのちに調節して、その生
物圏を予めきめた生物的防除剤にとってより好適なもの
にする。種皮表面pH調整技法は種子表面への生物的防除
剤の接種に対して広い応用をもち、特に、処理される種
子の数が多いためにコスト的にきわめて効率的に処理さ
れねばならない、トウモロコシ、大豆、小麦、綿その他
のような、大量の農業経営上重要な種子へ広い応用をも
つ。この方法はまた上に挙げたものを含めて他の種子に
も使用できる。
処理することができる種子は事実上どの種子でもよ
く、たいていの野菜作物、鑑賞植物、農作物が含まれ
る。きゅうり、レタス、人参、たまねぎ、メロン、トウ
モロコシ、トマト、なす、ピーマン、いんげん、ラディ
ッシュ、カボチャ、えんどう、花卉種子、アルファルフ
ァ、および、大豆が含まれる。
上述の固体マトリックス・プライミング用組成物はま
た、仕上げたプライミング処理種子が当業者にとって知
られているとおりの所望量の殺菌剤で被覆されるよう
に、チウラム、キャプタン、メタラキシル(metalaxy
l)、ペンタクロロニトロベンゼン、およびフェナミノ
スルフのような公知殺菌剤の処方量を有利に含むことが
できる。また農作物の保護または幼苗において有用であ
るような、作物にとって有用である微生物を含むことも
できる。そのような目的にとって、いくつかの重要な細
菌は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、
シュードモナス(Pseudomonas)、リゾビア(Rhizobi
a)およびセラチア(Serratia)であり、いくつかの重
要な菌類はトリコデルマ(Trichoderma)、グリオクラ
ジウム(Gliocladium)およびレチサリア(Laetisari
a)である。同様に、種子は殺虫剤、農薬、殺菌剤で固
体マトリックス・プライミングの前または後に処理する
ことができる。
この明細書において、固体マトリックス・プライミン
グとは発芽工程をおこさせるが幼根発生を防げる種子中
の水分含有量を得るのに十分な水の存在下において種子
を粒状固相媒体と緊密に混合させる方法である。プライ
ミング中、および特に固体状態プライミングの期間にお
いて、化学的添加剤および微生物の添加は特に利点があ
る。本明細書において、「添加される有益な微生物」と
いう言葉は、プライミング処理される種子に自然に発生
する水準をこえる水準で組成物へ添加される微生物を意
味する。
実施例 種子・固体マトリックス−H2O 予備的検討を、有効な固体マトリックス・プライミン
グ(SMP)のための種子対固体マトリックス対水の比を
きめるために実施した。その目標は特定作物について幼
根発生をちょうど妨げる種子水分含有量を達成すること
である。この最適比は種子と固体マトリックスとを重量
対重量基準で混合することによって、経験的基礎に基づ
いて決定した。水は重量による固体マトリックスのパー
センテージとして計算された。種子、固体マトリックス
および水を混合し、蓋に子穴を通気用にもつ閉じた容器
の中で15℃において保温した。結果を表1の中で各種作
物について示す。
フミン酸塩(humate)および種子の水分含有量と水分関
係 5種の作物の種子を表1において記載するとおりのア
グロ・リグの中でプライミング処理した。種子は適切な
寸法の篩を通して篩分けることによってアグロ・リグか
ら分離した。プライミング処理の終りにおいて、アグロ
・リグ中の種子の水分含有量パーセントは重量測定によ
り決定した。アグロ・リグのマトリックス・ポテンシャ
ル(psi m)はブラック(編者)の1965年の、「土壌
分析の方法」(アカデミック・プレス,NY,NY.)に記載
されるとおりに測定した。アグロ・リグの浸透ポテンシ
ャル(psi s)は次の手順によって測定した。4部の
蒸留水を各作物からの1部のアグロ・リグ(重量/重
量)試料へ添加して抽出物を生成させた(グレウェリン
グおよびピーチ,1960,N.Y.Agri.Expt.Station Bul.96
0)。液相を濾過し、アグロ・リグ溶液抽出物のpsi s
がマイクロスメット・モデル5004(プレシジョン・シス
テムズ社,ナティック,Ma.)で測定された。種子なしで
のアグロ・リグのpsi sもまた媒体psi sに及ぼす種
子溶出物の影響を定量化するよう計算された。アグロ・
リグの合計の水ポテンシャルを各作物についてSMP後に
おいて、HR−33露点マイクロボルトメーターおよびC−
52試料室(ウェスコール社・ローガン,UT)で決定し
た。このようにして、成分部分、psi mおよびpsi s
から計算される合計の水ポテンシャルは熱電対乾湿計
(thermocouple psychrometry)によって測定されるpsi
と比較することができる。各々の試験についての処理あ
たり4回反復した。
出芽研究 固体マトリックス・プライミング(SMP)および他の
慣用的な種子プライミング処理の影響を生育箱試験にお
ける出芽および植物生長について検討した。トマト(リ
コペルシコン エスクレンタム(Lycopersicon esculen
tum))「ニューヨーカー」のSMPをアグロ・リグ、軟炭
およびみずごけで実施した(表1)。その他のプライミ
ング処理は−1.0 MPa PEG8000(クールベアら・1980,Se
ed.Sci.and Technology 8:289−803)および1.0%KNO3
+1.5%K3PO4(エルス,1963,Proc.Amer.Soc.Hort.Sci.8
3:684−687)を含んでいた。人参(ダウカス・キャロタ
(Daucus carota))「ダンバーズ126」のSMPをアグロ
・リグで実施した(表1)。その他のプライミング処理
は25%PEG8000(スザフィロウスカら,1981、Agron.J.7
3:845−848)および0.2mKNO3+0.1mK3PO4(ヘイグら,19
86、J.Amer.Soc.Hort.Sci.111:660−665)を含んでい
た。たまねぎ(アリウム セパ(Allium cepa))「ダ
ウニング・イエロー・グローブ」のSMPをアグロ・リグ
で実施した(表1)。その他のプライミング処理は、3
4.2%PEG8000(ブロックルハーストおよびディアマン,1
983,上記)および0.2mKNO3+0.1mK3PO4(ヘイグら,198
6,上記)を含んでいた。
すべてのプライミング処理は15℃で6日間実施し、そ
れは、多くの場合において文献記載のもとの手順の変形
である。すべてのプライミング処理は0.2%(重量/容
積)チウラム(グスタフソン社,ダラス,TX)を殺菌剤
として調合された。
プライミング後、種子をすすぎ、吸収紙で乾燥した。
人工的(ピート・バーミキュライト)土壌媒体を満たし
た平箱の中で種子をまいた。乱塊法で1回あたり50粒の
種子で4回反覆実験を行なった。平箱は昼20℃、夜10℃
で、12時間の光周期で生育室中に維持した。出芽を毎日
記録し、植物乾燥重量を出芽期(emergence period)の
終りにおいて測定した。
温度休眠状態(Thermodormacy) プライミングによる温度休眠状態の軽減をレタス(ラ
クツカ サティバ(Lactuca sativa))「モンテロ
ー」において検討した。レタスのSMPをアグロ・リグで
実施した(表1)。慣用的プライミング処理は、−1.5M
PaPEG8000(ブラッドフォード,1986、上記)、および1.
0%K3PO4(キャンティリフェら,1984、P1ant Physiol.
75:290−294)を含んでいた。プライミング後、種子を
すすぎかつ乾燥させた。種子を閉じた容器中の湿ったろ
紙上で発芽するように置床した。容器を定温35℃で暗所
に保った。それぞれ50粒の種子の4回反復を行ない、発
芽パーセントを10日後に測定した。
総 括 種子−固体マトリックス−H2O 固体マトリックスは貯水するのに役立ち、1部の種子
を効果的にプライミング処理するために1.5〜2.0部の固
体マトリックスを要求した(表1)。添加水のパーセン
テージは作物とともに変動し、60から95%の範囲にあっ
た。混合物の初期水分含有量が高いにもかかわらず、固
体マトリックスは脆いままであり、その構造を失わなか
った。即ち、その形を留めた。しかしながら、篩中で粒
子から種子を分離することによって粒子を移すことはで
きる。このように、「脆い」の意味は必ずしもいつも形
を変えることを意味せず、前記分離することによって粒
子を移すことができることを意味する。
水分含有量および水分関係 すべての作物の種子はアグロ・リグから水を吸収する
ことができた。なぜならば、アグロ・リグ水分含有量の
減少がSMP後に測定されたからである(表1、2)。平
衡時において、きゅうりを除くすべての作物はアグロ・
リグより多くの水分含有量%をもっていた(表2)。プ
ライミング用の種子水分含有量の閾値は作物とともに変
り、42から24%(湿式基準)の範囲にあった。
プライミングに関係する合計の水ポテンシャル(ps
i)の構成成分を測定した。アグロ・リグのpsiはpsi
sとpsi mとの和である。媒体のpsiは作物とともに変
動し、トマトのSMPについての−1.34MPaからきゅうりの
SMPについての−1.77MPaの範囲であった。psi mは合
計psiの小割合のみに寄与し、トマトのSMPについての3k
PaからきゅうりのSMPについての23kPaの範囲であった。
アグロ・リグ単独に基づくpsi sはpsiの最大部分に寄
与するが、追加的浸透効果は種子から媒体の中への溶質
洩れに帰せられる。アグロ・リグのpsiのその構成成分
部分からの計算は、熱電対乾湿計によって測定するとき
に、きゅうりの場合を除いて、アグロ・リグを過大評価
した。(表2) 出芽研究 すべてのプライミング処理後にトマト種子を播種する
と、プライミング処理しない対照と比べ、50%出芽まで
の時間(T50)が減り、植物乾燥重量は増加した(表
3)。アグロ・リグによるSMPおよびPEGによるプライミ
ングはより大きいパーセントの出芽をもたらしたが、し
かし、PEG処理は他のプライミング処理と比較してより
高いT50と植物あたりのより少ない乾燥重量をもってい
た。この研究と他の実験(データは示されず)とから、
アグロ・リグが残りの研究についての固体媒体用に選ば
れた。
無機塩による人参の種子のプライミングはより低い出
芽をもたらした(表4)。より迅速な出芽(より低いT5
0)はアグロ・リグによるSMP処理種子を播種することか
ら得られた。アグロ・リグによるSMP後のたまねぎの種
子を播種するとすべての他の処理に比べてT50が減り、
植物乾燥重量が増加した(表5)。
温度休眠 SMPの有益の効果は作物を涼しい土壌環境の中へ播種
することによってすでに示された。短時間のプライミン
グ処理もまたレタスにおける種子の温度休眠を軽減する
よう検討された。プライミング処理されていない種子を
35℃において吸水させると1%の発芽をもたらした(表
6)。慣用的プライミング処理とアグロ・リグによるSM
Pは温度休眠を軽減することができた。
種子水分含有量の閾値の達成は種子プライミングにと
って重要である(表2)。媒体のpsiは種子水分含有量
と間接的に関係する(r=0.75)。ブラッドフォード
(1986,上記)はレタスの種子を24時間−1.5MPa PEGの
中でプライミング処理した。我々のデータと密接に一致
する種子水分含有量は約70%であった(表2)。類似の
データは人参について報告されており、種子は−1.0と
−1.5MPaのPEG溶液の中で6時間保温し、それぞれ76%
および68%の種子水分含有量をもたらした(ヘガーテ
ィ,1977、New Phytol 78:849−359)。
アグロ・リグの水ポテンシャル成分からの結果はきわ
めて興味がある。psiの原因となる主要成分はpsi mで
あって、それはアグロ・リグが有機土壌と類似であると
いう事実に帰せられるということは直ちに期待される。
しかし、psi mは合計の1.5%より小さいと考えること
ができる。psiの主要部はpsi sであって、これはアグ
ロ・リグ組成物に帰せられる。アグロ・リグの分析は物
質の1gあたりで、カルシウム、マグネシウムおよびナト
リウムのそれぞれ、10.2×103,1.84×103および1.187×
108μgの存在を示した。
すべての種類の種子からの溶質洩れがpsi sへ寄与
することが発見された。別の研究において、トマトの種
子を6時間浸出させ、次いでもとの水分含有量まで乾燥
し戻した。これらの予め浸漬させた種子のSMPは幼根発
生をもたらした。このように、SMP中の種子からの溶質
洩れの浸透的効果はその媒体のpsiへ貢献する。
種子・固体マトリックス−水の最適比の決定は経験に
基づいて実施された。溶液によるプライミングと異な
り、種子に対して大量の固体マトリックスは必要ないと
いうことが、この系において理解されなければならな
い。従って、種子が吸収し溶質を漏洩するにつれて、媒
体のpsiが変化する。現在においては、単純なスクリー
ニングを特定の種子ロットのSMPのための最適比を得る
のに使用できることは明らかであり、この比率に影響す
るいくつかの要因が存在する。種子の特性は、種子水分
含有量の閾値、水に対する親和性(水が吸収される割
合)、および溶質洩れを含む。アグロ・リグの特性は、
psi sに影響する固有の化学的組成、水保持容量、お
よび、水保持力、の特性を含む。
播種前処理の促進的効果を評価するために、出芽およ
び発芽の試験を実施した。無機塩及びPEGによる慣用的
プライミング処理を文献から選んだ。液体プライミング
処理との処理比較はSMPの有効性をより良く認識でき
る。アグロ・リグによるSMPは出芽の改善について慣用
的プライミング処理と統計的に等しいものであるか、あ
るいはそれより良好であり、T50を下げかつ植物乾燥重
量を増す(表3、4および5)。種子の温度休眠はSMP
もしくは液体プライミング処理で軽減されることが示さ
れた(表6)。
SMPが慣用的な液体プライミング処理よりなぜすぐれ
ているかは十分には理解されていないが、しかし、
(1)より良好な通気、(2)より少ない植物への有害
作用、および、(3)アグロ・リグ中の生長促進物質の
有効性、に基づくものと考えられる。フミン酸はアグロ
・リグ(アメリカン・コロイド社)から抽出される天然
植物生長調整剤である。フミン酸は人参の種子発芽およ
び幼根生長を刺戟することが示されている(リコッタお
よびサンダーズ、J.Am.Soc.Hort.Sci.印刷中)。幼根お
よびシュート生育は小麦(トリティカム エスティバム
(Triticum aestivum))においてフミン酸で促進され
た(マリックおよびアザム.1985、Environ.and Exp.Bo
t.25:245−252)。
同様にプライミング中の添加微生物および化学物質の
使用がなぜ相乗的結果が得られるかは十分には理解され
ていないが、しかし、その種の結果が試験によって示さ
れており、その結果は表7および表8において与えられ
ている。
表7中のデータは、いずれかの処理単独の効果のほか
に有益微生物と一緒に用いるときに有益な苗立ち(stan
d establishment)効果を引出す技術の利用と、固体マ
トリックス・プライミングとに関する相乗性を示してい
る。他の試験は、浸透移行性殺菌剤アプロン(Apron)
およびビタバックス(Vitavax)が固体マトリックス・
プライミング系に同時に添加するときに相乗的に作用す
ることを示している。
表8中のデータは、有益微生物が苗立ちの有効性を与
えることにおいて固体マトリックス・プライミングと相
乗的に作用することを示している。出芽はさらに、固体
マトリックス・プライミング系中で1−102で処理する
ときに立枯れに対してすぐれた抵抗性を示している。プ
ライミング中の処理により出芽が30%から40%増加した
ことが見出された。多くの作物にわたる、有益なシュー
ド−モナスおよびコリネバクテリアによる類似データが
得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 175,934 (32)優先日 1988年3月30日 (33)優先権主張国 米国(US) 前置審査 (56)参考文献 米国特許4116666(US,A) HORTSCIENCE,vol. 21,no.5,(1986),P.1105− 1112 J.Amer.Hort.Sci., vol.109,no.5,(1984),p. 623−626 大久保増太郎著「野菜の鮮度保持」 (1988)第230頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01C 1/00 JICSTファイル(JOIS) BIOSIS

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物の活性を増進するのに十分であるが混
    合物中で種子発芽をおこさせるには不十分である水を種
    子に吸収させるのに十分な温度と時間で、種子との平衡
    時に約−0.5〜約−2.0メガパスカルの水ポテンシャルで
    オスモコンディショニング量の水を種子と混合すること
    からなる、種子をオスモコンディショニングする方法に
    おいて、 前記混合では、通気を行い、水ポテンシャルのレベルを
    制御する固体マトリックス粒子と混合し、前記固体マト
    リックス粒子は種子に対して非病原性であり、処理した
    種子から機械的に分離するのに十分に脆く、混合物中に
    は自由水は実質的に存在しないことを特徴とする、前記
    種子をオスモコンディショニングする方法。
  2. 【請求項2】有益な微生物、生物的防除剤又は殺菌剤を
    固体マトリックス粒子に添加する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】種子と混合される固体マトリックス粒子が
    0.3g/cm3をこえる嵩密度を有する請求項1又は2いずれ
    か記載の方法。
  4. 【請求項4】種子との平衡時に約−0.5〜約−2.0メガパ
    スカルの水ポテンシャルで種子をオスモコンディショニ
    ングする量の水を含み、固体マトリックス粒子と前記水
    との混合物は、種子がそれに接触するときに、所定の種
    子に、植物活性を増進させるのには十分であるが、種子
    発芽をおこさせるのに不十分である水を吸収させるのに
    十分な水ポテンシャルを有する、オスモコンディショニ
    ング用組成物において、 前記組成物は種子に対して非病原性であり、水を保持
    し、ガス交換を行う固体マトリックス粒子を含み、混合
    物中には自由水は存在しないことを特徴とする、種播き
    前の吸水処理用前記オスモコンディショニング組成物。
  5. 【請求項5】有益な微生物、生物的防除剤又は殺菌剤を
    さらに含む請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】種子と混合される固体マトリックス粒子が
    0.3g/cm3をこえる嵩密度を有する請求項4又は5いずれ
    か記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
HORTSCIENCE,vol.21,no.5,(1986),P.1105−1112
J.Amer.Hort.Sci.,vol.109,no.5,(1984),p.623−626
大久保増太郎著「野菜の鮮度保持」(1988)第230頁

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