JP2838292B2 - ボイラ水用防蝕剤 - Google Patents
ボイラ水用防蝕剤Info
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- JP2838292B2 JP2838292B2 JP20571689A JP20571689A JP2838292B2 JP 2838292 B2 JP2838292 B2 JP 2838292B2 JP 20571689 A JP20571689 A JP 20571689A JP 20571689 A JP20571689 A JP 20571689A JP 2838292 B2 JP2838292 B2 JP 2838292B2
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- Japan
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- boiler water
- salt
- acid
- corrosion inhibitor
- sodium
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水に接するボイラ材質の腐蝕を防止するため
の防蝕剤を提供するものであり、特に食品工業に用いる
ボイラ水の安全性を高めるものである。
の防蝕剤を提供するものであり、特に食品工業に用いる
ボイラ水の安全性を高めるものである。
ボイラ水等の溶存酸素を除去し、装置の腐蝕を防止す
るために従来は亜硫酸塩あるいはヒドラジンを主成分と
する防蝕剤が使用されてきた。しかし、亜硫酸塩はボイ
ラ水に使用された場合、缶水中に塩類蓄積のために管材
の腐蝕につながるおそれがある。またヒドラジン系は食
品添加物でなく、発生蒸気が直接に食品等に触れる場合
には使用できない等の欠点を有している。
るために従来は亜硫酸塩あるいはヒドラジンを主成分と
する防蝕剤が使用されてきた。しかし、亜硫酸塩はボイ
ラ水に使用された場合、缶水中に塩類蓄積のために管材
の腐蝕につながるおそれがある。またヒドラジン系は食
品添加物でなく、発生蒸気が直接に食品等に触れる場合
には使用できない等の欠点を有している。
かかる問題の対策として工業的に種々の防蝕剤が使用
されているが、その効果は必ずしも十分でなかったり、
副次的な障害がおこったり、あるいは人体に対して有害
な防蝕剤もあって、その取扱いに厳重な注意が必要とな
る等の欠点がある。
されているが、その効果は必ずしも十分でなかったり、
副次的な障害がおこったり、あるいは人体に対して有害
な防蝕剤もあって、その取扱いに厳重な注意が必要とな
る等の欠点がある。
本発明者等は食品添加物として人体に対して無害で、
しかも高度の防蝕効果のある薬剤を開発すべく、鋭意研
究を重ねた結果、デヒドロ酢酸又はその塩単独かあるい
はデヒドロ酢酸又はその塩を主剤とし、それに少量のア
スコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビン酸又はそれら
の塩のうち少なくとも一種の混合物が前記の如き従来の
ボイラ水用防蝕剤の欠点を有さず、脱酸素効果とともに
すぐれた特異の防蝕効果を示すことを見出し、本発明を
完成するに至った。
しかも高度の防蝕効果のある薬剤を開発すべく、鋭意研
究を重ねた結果、デヒドロ酢酸又はその塩単独かあるい
はデヒドロ酢酸又はその塩を主剤とし、それに少量のア
スコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビン酸又はそれら
の塩のうち少なくとも一種の混合物が前記の如き従来の
ボイラ水用防蝕剤の欠点を有さず、脱酸素効果とともに
すぐれた特異の防蝕効果を示すことを見出し、本発明を
完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はデヒドロ酢酸又はその塩単独か、これを主剤
とし、少量のアスコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビ
ン酸、又はそれらの塩の少なくとも一種を副剤として含
有するボイラ水用防蝕剤である。
とし、少量のアスコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビ
ン酸、又はそれらの塩の少なくとも一種を副剤として含
有するボイラ水用防蝕剤である。
デヒドロ酢酸又はそのアルカリ金属塩は、保存剤等と
して食品添加物に用いられているもので、これがボイラ
用水の防蝕剤として効果を有することが本発明者らによ
って見出された。この薬剤は、従って食品工業に用いる
ボイラ水用防蝕剤として特に有効であり、その蒸気が直
接食品に触れるようなことがあっても有害な結果を与え
るようなことが無い。
して食品添加物に用いられているもので、これがボイラ
用水の防蝕剤として効果を有することが本発明者らによ
って見出された。この薬剤は、従って食品工業に用いる
ボイラ水用防蝕剤として特に有効であり、その蒸気が直
接食品に触れるようなことがあっても有害な結果を与え
るようなことが無い。
ボイラ水に対する防蝕剤の添加量は10%以下が好まし
い。本発明の防蝕剤としてはデヒドロ酢酸又はその塩
(アルカリ金属塩)を単独に用いてもよいが、副剤とし
て同様に食品添加剤として用いられているアスコルビン
酸、エリソルビン酸、ソルビン酸又はその塩を用いると
さらに防蝕効果が向上する。
い。本発明の防蝕剤としてはデヒドロ酢酸又はその塩
(アルカリ金属塩)を単独に用いてもよいが、副剤とし
て同様に食品添加剤として用いられているアスコルビン
酸、エリソルビン酸、ソルビン酸又はその塩を用いると
さらに防蝕効果が向上する。
これらの副剤を用いる場合、防蝕効果と製品価格との
兼ね合いから見て、主剤に対する副剤の混合比率は20%
以下が好ましい。
兼ね合いから見て、主剤に対する副剤の混合比率は20%
以下が好ましい。
なお、食品添加剤として人体に無害な薬剤であれば、
他の薬剤を加えることもできる。
他の薬剤を加えることもできる。
本発明のボイラ水用防蝕剤は粉体又は水溶液として供
給される。デヒドロ酢酸の塩は水溶性であるので、その
まま粉体としてボイラ水に加えてもよくまた水溶液の形
で加えてもよい。デヒドロ酢酸は水に難溶性であるが、
アルカリ性水溶液に溶けるので、水酸化ナトリウム水溶
液等のアルカリ水溶液に溶かして用い、所定のアルカリ
度に調整してボイラ水に添加することができる。
給される。デヒドロ酢酸の塩は水溶性であるので、その
まま粉体としてボイラ水に加えてもよくまた水溶液の形
で加えてもよい。デヒドロ酢酸は水に難溶性であるが、
アルカリ性水溶液に溶けるので、水酸化ナトリウム水溶
液等のアルカリ水溶液に溶かして用い、所定のアルカリ
度に調整してボイラ水に添加することができる。
以下、実験例及び実施例によって本発明及び効果を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
実験例 5%デヒドロ酢酸ナトリウム水溶液、および5%デヒ
ドロ酢酸ナトリウム水溶液に(a)アスコルビン酸ナト
リウム、(b)エリソルビン酸ナトリウム、(c)ソル
ビン酸カリウムをそれぞれ1/200モル濃度、(d)アス
コルビン酸ナトリウムとエリソルビン酸ナトリウムをそ
れぞれ1/400モル濃度を含有する液を防蝕剤として用
い、以上5種類の水溶液を含む水酸化ナトリウム−燐酸
ナトリウム緩衝液でpH10.5に調節されたイオン交換樹脂
処理水、および防蝕剤を含有しない同様にpH10.5に調節
されたイオン交換樹脂処理水の6種類の試料を各2組づ
つ、500ccの広口ビンに300mlを入れてそれぞれに表面積
20cm2の鋼材試験片(SS41A)を吊し、浸漬して20℃およ
び40℃で60日間の2組の腐蝕試験を行った。試験後各試
験片の腐蝕減量を測定して表−1の結果を得た。この表
からデヒドロ酢酸ナトリウム単独液、あるいは主剤に上
記の(a),(b),(c),(d)を混合した液、と
もにすぐれた特異な防蝕効果を示す。
ドロ酢酸ナトリウム水溶液に(a)アスコルビン酸ナト
リウム、(b)エリソルビン酸ナトリウム、(c)ソル
ビン酸カリウムをそれぞれ1/200モル濃度、(d)アス
コルビン酸ナトリウムとエリソルビン酸ナトリウムをそ
れぞれ1/400モル濃度を含有する液を防蝕剤として用
い、以上5種類の水溶液を含む水酸化ナトリウム−燐酸
ナトリウム緩衝液でpH10.5に調節されたイオン交換樹脂
処理水、および防蝕剤を含有しない同様にpH10.5に調節
されたイオン交換樹脂処理水の6種類の試料を各2組づ
つ、500ccの広口ビンに300mlを入れてそれぞれに表面積
20cm2の鋼材試験片(SS41A)を吊し、浸漬して20℃およ
び40℃で60日間の2組の腐蝕試験を行った。試験後各試
験片の腐蝕減量を測定して表−1の結果を得た。この表
からデヒドロ酢酸ナトリウム単独液、あるいは主剤に上
記の(a),(b),(c),(d)を混合した液、と
もにすぐれた特異な防蝕効果を示す。
実施例1 5%デヒドロ酢酸ナトリウム液に、そのデヒドロ酢酸
ナトリウムに対し20%のアスコルビン酸ナトリウムを添
加溶解して防蝕剤とし、この防蝕剤をイオン交換樹脂処
理水に対し1%加えて防蝕テストをした。
ナトリウムに対し20%のアスコルビン酸ナトリウムを添
加溶解して防蝕剤とし、この防蝕剤をイオン交換樹脂処
理水に対し1%加えて防蝕テストをした。
実施例2 5%デヒドロ酢酸ナトリウム液に、そのデヒドロ酢酸
ナトリウムに対し20%のアスコルビン酸ナトリウムを添
加溶解して防蝕剤とし、この防蝕剤をボイラ用水に対に
5%添加して防蝕テストをした。
ナトリウムに対し20%のアスコルビン酸ナトリウムを添
加溶解して防蝕剤とし、この防蝕剤をボイラ用水に対に
5%添加して防蝕テストをした。
実施例3 イオン交換樹脂処理水に対して5%デヒドロ酢酸ナト
リウム液を1%添加し、同時にアスコルビン酸ナトリウ
ムを、そのデヒドロ酢酸ナトリウムに対し20%を水に溶
解して添加した。
リウム液を1%添加し、同時にアスコルビン酸ナトリウ
ムを、そのデヒドロ酢酸ナトリウムに対し20%を水に溶
解して添加した。
上記各実施例における防蝕効果はいずれも、きわめて
良好であった。
良好であった。
本発明によるときは食品添加剤として用いられ、人体
に無害なデヒドロ酢酸又はその塩を主剤とする薬剤とし
て用い、ボイラ水の防蝕を有効に行うことができ、特に
食品工業におけるボイラ水用防蝕剤として有効である。
またこれにアスコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビン
酸又はその塩を副剤として用いるとさらに防蝕効果を上
げることができる。
に無害なデヒドロ酢酸又はその塩を主剤とする薬剤とし
て用い、ボイラ水の防蝕を有効に行うことができ、特に
食品工業におけるボイラ水用防蝕剤として有効である。
またこれにアスコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビン
酸又はその塩を副剤として用いるとさらに防蝕効果を上
げることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23F 11/12,14/02 C02F 1/00,5/00
Claims (1)
- 【請求項1】デヒドロ酢酸又はその塩単独か、あるいは
デヒドロ酢酸又はその塩を主剤とし、それに少量のアス
コルビン酸、エリソルビン酸、ソルビン酸又はそれらの
塩の少なくとも一種を含むことを特徴とするボイラ水用
防蝕剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20571689A JP2838292B2 (ja) | 1989-08-10 | 1989-08-10 | ボイラ水用防蝕剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20571689A JP2838292B2 (ja) | 1989-08-10 | 1989-08-10 | ボイラ水用防蝕剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0372091A JPH0372091A (ja) | 1991-03-27 |
JP2838292B2 true JP2838292B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=16511508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20571689A Expired - Lifetime JP2838292B2 (ja) | 1989-08-10 | 1989-08-10 | ボイラ水用防蝕剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2838292B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5435941A (en) * | 1993-12-17 | 1995-07-25 | University Of Louisville | Tobacco extract composition and method |
JP6369095B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2018-08-08 | 栗田工業株式会社 | 銅系部材の腐食抑制方法及び腐食抑制剤 |
-
1989
- 1989-08-10 JP JP20571689A patent/JP2838292B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0372091A (ja) | 1991-03-27 |
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