JP2833882B2 - 送信電力制御方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は送信電力制御方式に関
し、特にマイクロ波送受信装置等において、互いに対向
する一方の送受信装置の受信レベルが一定となるよう
に、他方の送受信装置の送信電力を制御する送信電力制
御方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の送信電力制御方式は、図２に示す
ように、互いに対向する一方の送受信装置２１側で、レ
ベル検出部２２により、対向する他方の送受信装置１１
が送出する信号Ｓ１の受信レベルを検出し、制御データ
挿入部２３により、受信レベルを示す制御データを主信
号に挿入し、増幅部２４から信号Ｓ２として他方の送受
信装置１１へ送出している。

【０００３】また、他方の送受信装置１１は、制御デー
タ抽出部１２により、受信した信号Ｓ２から受信レベル
を示す制御データを抽出し、利得制御部１３により、基
準設定部１４が設定した基準値と制御データが示す受信
レベルとを比較して可変利得増幅部１５の利得を制御
し、対向する送受信装置２１が受信する信号Ｓ１の受信
レベルが一定となるようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の送信電
力制御方式では、一方の送受信装置側には、受信レベル
を検知し、受信レベルを示す制御データを主信号に挿入
して送出する手段を設け、また、他方の送受信装置側に
は、一方の送受信装置からの制御データを受信して送信
出力を制御する手段を設けるため、装置構成が大型化す
る。また、主信号に制御データを挿入したり、主信号か
ら制御データを抽出したりするために、主信号に歪等が
発生するという問題点を有している。

【０００５】本発明の目的は、受信レベルを示す制御デ
ータを伝送することなく、対向する送受信装置の受信レ
ベルが一定となるように送信電力を制御できる送信電力
制御方式を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の送信電力制御方
式は、対向する一方の送受信装置の受信レベルが一定と
なるように他方の送受信装置の送信電力を制御する送信
電力制御方式において、前記他方の送受信装置は、前記
一方の送受信装置が送出する信号を受信して受信レベル
を示す信号を出力する受信レベル検出手段と、利得制御
信号に応じて送信電力を変化させる可変利得増幅手段
と、基準レベルを示す信号を生成する基準設定手段と、
前記基準レベルを示す信号および前記受信レベルを示す
信号を受けて比較して前記利得制御信号を生成する利得
制御手段と、前記受信レベルを示す信号が異常に低い受
信レベル値を示したときに異常検知信号を出力する異常
検知手段と、前記基準レベルを示す信号および前記受信
レベルを示す信号のいずれか一方を前記異常検知信号に
応じて選択し前記利得制御手段へ送出する切替手段とを
備え、この切替手段が、前記異常検知信号を受けたとき
に前記基準レベルを示す信号を選択して前記利得制御手
段へ送出する。

【０００７】

【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。

【０００８】一般的に、対向局間で送受信を行う場合、
広帯域フェージング時の自局の受信レベルの変動と相手
局の受信レベルの変動はほぼ同じと見做すことができ
る。従って、相手局からの信号の受信レベルに応じて送
信電力を制御することにより、送信信号の相手局での受
信レベルを一定にすることができる。

【０００９】図１は本発明の一実施例を示すブロック図
であり、送信電力を制御する側のブロック図を示してい
る。

【００１０】ここで、レベル検出部１は、相手局からの
信号Ｓ２を受信して受信レベルを検出し、受信レベルを
示す信号Ｌ１を送出する。利得制御部２は、受信レベル
を示す信号Ｌ１と、基準設定部４が出力する基準レベル
を示す信号Ｌｓとを比較し、レベル差に応じて利得制御
信号Ｌ２を生成する。可変利得増幅部３は、利得制御信
号Ｌ２に応じて送信電力を変化させ、送信信号Ｓ１を相
手局へ送出する。このようにすることにより、広帯域フ
ェージング時、送信信号Ｓ１の相手局での受信レベルを
一定にすることができる。

【００１１】ところで、レベル検出部１に障害が発生
し、受信レベルを示す信号Ｌ１が異常なレベル低下を示
すような場合には、可変利得増幅部３の利得が異常に増
大して送信出力が過大となり、例えば隣接チャネルに妨
害を与える等の影響がでる。このような事態を防止する
ために、異常検知部５および切替部６を設けている。

【００１２】異常検知部５は、受信レベルを示す信号Ｌ
１が異常値を示したときに異常検知信号Ａを切替部６へ
送出する。切替部６は、通常、受信レベルを示す信号Ｌ
１を選択して利得制御部２へ送出しているが、異常検知
信号Ａを受けたときは、基準レベルを示す信号Ｌｓを選
択する。利得制御部２は、所定値に送信出力を保持する
利得制御信号Ｌ２を生成して可変利得増幅部３へ送出す
る。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、広
帯域フェージング時、自局の受信レベルの変動と相手局
の受信レベルの変動はほぼ同じであることを利用して、
相手局からの信号の受信レベルを検出し、この受信レベ
ルと基準レベルとを比較して利得制御信号を生成し、可
変利得増幅部の利得を変化させて送信電力を制御するこ
とにより、相手局の受信レベルを一定にできる。従っ
て、従来のように、受信レベルを示すデータを主信号に
挿入して送信電力制御側に伝送しなくてもよいので、装
置構成が簡略化でき、主信号に悪影響を与えることもな
い。更に、受信レベルを示す信号の異常を検知する異常
検知部および、異常検知時に基準レベルを示す信号を選
択する切替部を設けることにより、可変利得増幅部の出
力が過大となって隣接チャネル等に妨害を与えるのを防
止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図２】従来の送信電力制御方式の一例を示すブロック
図である。

【符号の説明】

１ レベル検出部 ２ 利得制御部 ３ 可変利得増幅部 ４ 基準設定部 ５ 異常検知部 ６ 切替部 Ｌ１ 受信レベルを示す信号 Ｌ２ 利得制御信号 Ｌｓ 基準レベルを示す信号

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−81343（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−43034（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H04B 1/38 - 1/58 H04B 1/02 - 1/04

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する一方の送受信装置の受信レベル
   が一定となるように他方の送受信装置の送信電力を制御
   する送信電力制御方式において、前記他方の送受信装置
   は、前記一方の送受信装置が送出する信号を受信して受
   信レベルを示す信号を出力する受信レベル検出手段と、
   利得制御信号に応じて送信電力を変化させる可変利得増
   幅手段と、基準レベルを示す信号を生成する基準設定手
   段と、前記基準レベルを示す信号および前記受信レベル
   を示す信号を受けて比較して前記利得制御信号を生成す
   る利得制御手段と、前記受信レベルを示す信号が異常に
   低い受信レベル値を示したときに異常検知信号を出力す
   る異常検知手段と、前記基準レベルを示す信号および前
   記受信レベルを示す信号のいずれか一方を前記異常検知
   信号に応じて選択し前記利得制御手段へ送出する切替手
   段とを備え、この切替手段が、前記異常検知信号を受け
   たときに前記基準レベルを示す信号を選択して前記利得
   制御手段へ送出することを特徴とする送信電力制御方
   式。