JP2827791B2 - 多次元圧縮画像の伸張方法 - Google Patents

多次元圧縮画像の伸張方法

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JP2827791B2
JP2827791B2 JP3437693A JP3437693A JP2827791B2 JP 2827791 B2 JP2827791 B2 JP 2827791B2 JP 3437693 A JP3437693 A JP 3437693A JP 3437693 A JP3437693 A JP 3437693A JP 2827791 B2 JP2827791 B2 JP 2827791B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多次元圧縮画像の伸張方
法、特に、異機種間における画像伝送のように圧縮側と
伸張側での画素対応、または時間軸上でのフレーム対応
が保証されない系で、高能率な画像伸張を行なうことが
できる多次元圧縮画像の伸張方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像情報の圧縮については従来から各種
の画像情報の圧縮方式[各種の画像情報の圧縮装置、ま
たは各種の画像情報の圧縮方法(なお、本明細書中にお
いて、「方式」の用語は、「装置」,「方法」の何れか
一方に解することができる場合に使用されている)]が
提案されて来ている。例えばデジタル信号化した画像信
号の各サンプル値に対して信号レベルを均等に分割し
て、それぞれの範囲に含まれる値を一つの代表値で置き
換える直線量子化(均等量子化)手段を採用した場合に、
代表点と本来の値との差が判らないようにする場合に一
般に自然画像については6ビット(64階調)から8ビッ
ト(256階調)が必要であるとされているから、画像信
号を前記したような均等量子化によりデジタル化した信
号をそのまま記録しようとすると、各サンプル値に対し
て前記のような多くの情報量を扱うことが必要とされ
る。
【0003】それで、より少ない情報量で信号を符号化
するのに、信号の変化の少ない部分では変化に対して敏
感であり、信号の変化の激しい部分においてはある程度
の誤差があっても、それを検知し難いという人間の視覚
や聴覚の性質を利用したり、あるいは記録の対象にされ
ている情報信号における時空間軸上での相関を利用し
て、例えば画像を画素に分解した後に各画素の輝度値の
隣接相関の高さを利用して原情報の近似値の少数を伝送
したり、あるいは画素間差分あるいはフレーム間差分を
伝送したり、または高周波数成分が少ないということを
利用して周波数要素の削減を行なったりして、各サンプ
ルあたりの情報量を少なくするようにした各種の高能率
符号化方式を適用してデータ量の圧縮を行なったデジタ
ル・データを記録,伝送,送信し、また、前記のようにデ
ータ量の圧縮されたデジタル・データを再生,受信した後
にデータの伸張を行なって画像の復元をすることが従来
から行なわれていることは周知のとおりである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の一般的
な画像情報の圧縮方式では、分解された画素の復元が良
好に行なわれることを重要視していることから、原画像
と復元された画像(伸張画像)間での画素数が一致して
いることを条件としている場合が多く、したがって異な
る画素数の画像間で圧縮伸張動作が行なわれる場合に
は、別途に伸張後における画素の補間や間引きなどを行
なうことが必要とされるが、これは従来の画像情報の圧
縮方式においては真の有効情報のみが抽出され、それが
復元されているわけではなく、ある程度物理的な画像構
成要素に依存している方式になっていることを意味して
いる。
【0005】ところで、前記のように異なる画素数の2
つの画像における画素密度が極端に異なる場合の例とし
て、例えば撮像装置によって撮像された画像を印刷版下
に利用しようとする場合を考えると、撮像装置による撮
像によって得られる画像の画素密度は1画面当りに高々
(500×500)程度であるのに対して、電子製版機
における画像の画素密度は1画面当りに(数千×数千)
というように、前記した撮像装置による撮像によって得
られる画像に比べて桁違いに大きいために、既述のよう
な画素対応の画像情報の圧縮伸張方式が全く実施されな
いとしても画素拡大によってエイリアスが発生するし、
また、前記のような画素拡大を行なわないで補間を行な
うようにした場合には、広大な補間エリアを既知のデー
タの重み付け平均値で充当することになるために補間歪
によって画質劣化を避けることができない。前記とは逆
に、原画像の画素密度が1画面当りに(数千×数千)と
いうような場合には、隣接画素間の相関が極端に高いの
で、原理的には高度の画像情報の圧縮も可能なのである
が、既述のように原画像と復元された画像(伸張画像)
間での画素数が一致していることを条件としている従来
の画像情報圧縮方式では圧縮率を高くできないという欠
点が生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、静止画像にお
ける2次元的に分布する輝度情報、または静止画像にお
ける2次元的に分布する輝度情報に時間軸をも含めた3
次元的に分布する輝度情報について、輝度情報の極大点
と、輝度情報の極小点及び輝度情報の急変点とを、前記
した画像の特徴点とし、前記した画像の特徴点の位置と
輝度情報とを用いて得た多次元圧縮画像の伸張に際し
て、近傍の複数の特徴点によって決定される補間面、ま
たは近傍の複数の特徴点によって決定される補間立体に
より、特徴点以外の画素の輝度情報を決定する場合に、
前記した近傍の特徴点の発見に2次元的に配列されてい
る特徴点を連結させて1次元化するPeano sca
n、または3次元的に配列されている特徴点を連結させ
て1次元化するPeanoscanを用いる多次元圧縮
画像の伸張方法、及び静止画像における2次元的に分布
する輝度情報、または静止画像における2次元的に分布
する輝度情報に時間軸をも含めた3次元的に分布する輝
度情報について、輝度情報の極大点と、輝度情報の極小
点及び輝度情報の急変点とを、前記した画像の特徴点と
し、前記した画像の特徴点の位置と輝度情報とを用いて
得た多次元圧縮画像の伸張に際して、近傍の複数の特徴
点によって決定される補間面、または近傍の複数の特徴
点によって決定される補間立体により、特徴点以外の画
素の輝度情報を決定する場合に、任意の画素から渦巻状
に走査して最初に到達した特徴点を近傍特徴点とする関
数、または任意の画素から立体的な渦巻状に走査して最
初に到達した特徴点を近傍特徴点とする関数を用いるよ
うにした多次元圧縮画像の伸張方法、ならびに静止画像
における2次元的に分布する3原色情報、または、静止
画像における2次元的に分布する3原色情報に時間軸を
も含めた3次元的に分布する3原色情報について、3原
色情報の極大点と、3原色情報の極小点及び3原色情報
の急変点とを用いて得た多次元圧縮画像の伸張に際し
て、近傍の複数の特徴点によって決定される補間面、ま
たは近傍の複数の特徴点によって決定される補間立体に
より特徴点以外の画素の3原色情報を決定する場合に、
前記した近傍の特徴点の発見に2次元的に配列されてい
る特徴点を連結させて1次元化するPeano sca
n、または3次元的に配列されている特徴点を連結させ
て1次元化するPeano scanを用いるようにし
た多次元圧縮画像の伸張方法、及び静止画像における2
次元的に分布する3原色情報、または、静止画像におけ
る2次元的に分布する3原色情報に時間軸をも含めた3
次元的に分布する3原色情報について、3原色情報の極
大点と、3原色情報の極小点及び3原色情報の急変点と
を用いて得た多次元圧縮画像の伸張に際して、近傍の複
数の特徴点によって決定される補間面、または近傍の複
数の特徴点によって決定される補間立体により特徴点以
外の画素の3原色情報を決定する場合に、前記した近傍
点の発見に任意の画素から渦巻状に走査して最初に到達
した特徴点を近傍特徴点とする関数、または任意の画素
から立体的な渦巻状に走査して最初に到達した特徴点を
近傍特徴点とする関数を用いるようにした多次元圧縮画
像の伸張方法を提供する。
【0007】
【作用】画像情報処理の対象にされている画像における
画素密度の高低に拘らずに画像の持つ特徴点のみを抽出
して画像情報の圧縮された画像データを得て、伸張に際
しては前記した画像データから画素復元を行なうのでは
なく別の画素密度面に新画像が描画できるように、2次
元的に分布する輝度情報または3原色情報などの画像情
報や、2次元的に分布する輝度情報または3原色情報な
どの画像情報に時間軸をも含む3次元的に分布する画像
情報について、前記した画像情報の極大点と画像情報の
極小点及び画像情報の急変点とを前記した画像の特徴点
とし、前記した画像の特徴点の位置と画像情報とを用い
て圧縮して得た多次元圧縮画像の伸張に当って、近傍の
複数の特徴点によって決定される補間面により特徴点以
外の画素の輝度情報を決定する場合に、前記した近傍の
特徴点の発見に2次元的に配列されている特徴点を連結
させて1次元化するPeano scan、または3次
元的に配列されている特徴点を連結させて1次元化する
Peano scanを用いたり、あるいは前記した近
傍の特徴点の発見に任意の画素から渦巻状に走査して最
初に到達した特徴点を近傍特徴点とする関数、または任
意の画素から立体的な渦巻状に走査して最初に到達した
特徴点を近傍特徴点とする関数を用いる。
【0008】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の多次元圧
縮画像の伸張方法の具体的な内容を詳細に説明する。図
1は本発明の多次元画像の圧縮伸張方法に使用される輝
度関数再生装置及び時系列化装置の構成例を示すブロッ
ク図、図2は本発明の多次元画像の圧縮伸張方法に使用
される面補間器の構成例を示すブロック図、図3乃至図
7は本発明の多次元圧縮画像の伸張方法の構成原理を説
明するための画像の輝度分布関数例を示す図、図8は本
発明の多次元画像の圧縮伸張方法に使用される輝度関数
再生装置の構成例を示すブロック図、図9は多次元画像
の圧縮伸張方法のブロック図、図10はピーク点検出回
路の構成例を示すブロック図、図11は急変点検出回路
の構成例を示すブロック図である。
【0009】さて、本発明の多次元圧縮画像の伸張方法
は、画像情報処理の対象にされている画像における画素
密度の高低に拘らずに画像の持つ特徴点のみを抽出して
画像情報の圧縮された画像データを得て、伸張に際して
は前記した画像データから画素復元を行なうのではなく
別の画素密度面に新画像が描画できるように、2次元的
に分布する輝度情報または3原色情報などの画像情報
や、2次元的に分布する輝度情報または3原色情報など
の画像情報に時間軸をも含む3次元的に分布する画像情
報について、前記した画像情報の極大点と画像情報の極
小点及び画像情報の急変点とを前記した画像の特徴点と
し、前記した画像の特徴点の位置と画像情報とを用いて
圧縮して得た多次元圧縮画像に対して、簡単な構成によ
って伸張動作を行なうことができるようにしたものであ
るが、ここで、まず、2次元的に分布する画像情報や2
次元的に分布する画像情報に時間軸をも含めた3次元的
に分布する画像情報{輝度情報だけの画像(所謂、白黒
画像)の画像情報、あるいは明度と色度[色相と彩度(飽
和度)]とを有するカラー画像の画像情報}を対象とし
て行なわれる多次元画像圧縮伸張方法の概略について説
明することにする。なお、以下の説明では輝度情報だけ
の画像(所謂、白黒画像)の画像情報(輝度情報)に対
して多次元画像圧縮を行なう場合について述べる。
【0010】今、白黒静止画像内の輝度をzとし、ま
た、画面の水平方向をx,垂直方向をyとすると、画像
は一般に次の(1)式のような方程式で表現できる。 z=f(x,y) …(1) また、動画像については、時間軸をtとすれば、次の
(2)式のような方程式で表現できる。 z=f
(x,y,t) …(2) ここで、fを多次関数
とすれば、画像内の輝度zは次の(3)式によって示さ
れる。
【0011】
【数1】
【0012】さて、画像を伝送するということは、送像
側で決定された前記のような輝度関数を受像側で再現す
ることといえるが、一般のデジタル画像伝送においては
輝度関数を解析的に取扱うことなく、それを所謂テーブ
ル関数として、そのテーブル値の全てを伝送するように
している。これに対して従来の一般的な圧縮伝送におい
ては、前記のテーブル値そのものの隣接相関を利用した
高能率符号化を行なったり、あるいは直交変換後のテー
ブル値に同様の措置を施こすなどの手段を講じている
が、従来は輝度関数に関わる解析的処理から直接に関数
の特徴値を抽出するようにした圧縮伝送方式は少ない。
ところで、前記のようにテーブル値を高能率符号化する
のではなく、輝度関数そのものを近似関数で表現するこ
とにより画像情報の圧縮を行なうようにした方式を実施
するためには、多次元輝度関数が視覚的に訴える特徴を
検討しなければならない。そして、人間が画像から意味
のある情報を抽出する際には、まず画像の輪郭を抽出す
るのであるが、前記した輪郭の抽出は輝度の正負の極点
(ピーク点と呼ばれることもある)や、輝度の急変点をト
レースすることにより得るようにしている。したがっ
て、周波数軸上では高周波領域を重点的に検証している
ことになるために、近似関数による表現においても高周
波領域の再現を妨げることのない方式が重視されなけれ
ばならない。
【0013】本出願人会社では、先に特開平4ー249
491号公報に開示されたような多次元画像圧縮伸張方
式、すなわち、静止画像における2次元的に分布する輝
度情報、または2次元的に分布する輝度情報に時間軸を
も含む3次元的に分布する輝度情報について、輝度の極
大点と輝度の極小点及び輝度の急変点とを前記した画像
の特徴点として、前記した画像の特徴点の位置及び輝度
値を伝送,記録,画像の復元に用いて、対象とする輝度
関数の視覚的特徴を保存する一方、前記の保存されるべ
き輝度関数の視覚的特徴に関与しない画素の輝度情報を
棄却することにより大巾な情報圧縮を実現できるように
し、また画像の伸張に当っては伝送された前記の特徴点
による輝度関数の再描画を行なうことで未伝送情報を補
間再現するようにした多次元画像圧縮伸張方式を提案し
た。前記した多次元画像圧縮伸張方式を示す図9におい
て、1は画像信号を発生する撮像装置(TVカメラ)、2
はアナログデジタル変換器、3はピーク点検出回路(詳
細な構成例が図10に示されている)、4は急変点検出
回路(詳細な構成例が図11に示されている)、5は符号
化送出回路、6は伝送回線(または記録媒体)、7は受
信復号回路(または再生復号回路)、8は輝度関数再生
装置、9は時系列化装置、10は駆動回路、11はモニ
タ受像機である。ここで前記の多次元画像圧縮伸張方式
における画像情報圧縮の原理と復元(伸張)の原理とに
ついて説明すると次のとおりである。
【0014】まず、静止画像について画像情報圧縮が行
なわれる際に画像から抽出される特徴点について、静止
画像における2次元的に分布する輝度情報に着目して画
像情報の圧縮が行なわれる場合に用いられる特徴点を代
表例に挙げて説明すると、前記の特徴点は、輝度の極大
点と輝度の極小点(ピーク点)と輝度の急変点とであ
り、前記の特徴点とされる輝度の極大点と輝度の極小点
(ピーク点)及び輝度の急変点等は、 1.検討対象にさ
れている画素aの周囲のm個の画素のそれぞれの輝度z
iの全てのものよりも、検討対象にされている画素aの
輝度zaが大、または小である場合{za>max(z
i)またはza<min(zi)}に、検討対象にされて
いる画素aは、輝度の正負の極点(ピーク点)であると
判定する。2.検討対象にされている画素aの周囲のn
個の画素の輝度ziと、検討対象にされている画素aの
輝度zaの2次微分値の絶対値が閾値Tを超えている場
合{|Σzi−nza|>T}に、画素aは輝度の急変
点であると判定する。という判定基準によって判定され
る。
【0015】ここで、前記した判定基準を採用して、任
意の静止画像における2次元画面内の輝度分布関数を例
示している図3の(a)を例にとり、前記のような画像
情報圧縮のための画像の特徴点、すなわち、輝度の極大
点と輝度の極小点(ピーク点)及び輝度の急変点とを抽
出する場合についての具体例を述べると次のとおりであ
る。2次元画面内の輝度分布関数が図3の(a)によっ
て例示されている画像情報圧縮の対象画像において、ま
ず、画像の四隅の画素PE1〜PE4の輝度値について
は、2次元画像情報に対する特徴点抽出のための判定基
準として示した前記の1.2.の判定基準を適用して判
定を行なうことができないので、画像の四隅の画素PE
1〜PE4の輝度値については特徴点の判定動作を行なう
ことなく、画像の四隅の画素PE1〜PE4は最初から特
徴点として扱い、また2次元画像情報に対する特徴点抽
出のための判定基準として示した前記の1.2.の判定
基準は、画像の四辺の画素列の輝度値についての判定動
作にも適用することができないので、画像の四辺の画素
列の輝度値についての判定は、画面の各辺毎の画素列に
ついて1次元的な輝度の極大点と輝度の極小点(ピーク
点)及び輝度の急変点との抽出を行なうことにより、例
えば画像の画素PE1と画素PE2とを含む辺におけるピ
ーク点は画素PE5として判定されるが、前記した辺上
において輝度は全体に滑らかに変化しているから急変点
は抽出されない。
【0016】また、画像の画素PE3と画素PE4とを含
む辺におけるピーク点は画素PE6として判定される
が、前記した辺上において輝度は全体に滑らかに変化し
ているから急変点は抽出されない。さらに、画像の画素
PE2と画素PE4とを含む辺についてはピーク点と急変
点との双方が抽出されず、さらにまた画像の画素PE1
と画素PE3とを含む辺についてもピーク点と急変点と
の双方が抽出されない。次に画像の中央部の山形の高輝
度部では画素PE7がピーク点であると同時に急変点で
あると判定され、また、画素PE8〜PE16が平面と斜
面との接点のために急変点であると判定される。このよ
うに、2次元画面内の輝度分布関数が図3の(a)によ
って例示されている画像情報圧縮の対象にされている画
像における2次元輝度関数例は、合計16個の特徴点の
位置と輝度の情報とに置換えられて伝送,記録されるの
で、前記した多次元画像圧縮伸張方式では画像情報が高
度に圧縮された状態で伝送(記録)されるのである。
【0017】前述のように画像情報圧縮の対象にされて
いる画像における2次元輝度関数が少数の特徴点の位置
と輝度の情報とに置換えられて高度に圧縮された状態で
伝送(記録)された画像情報を伸張(復元)して再生画像を
得るのには、前記した特徴点が伸張画面(復元画面)内の
対応点(原画像と画素対応であるという意味での対応の
必要性はない)の輝度を決定し、かつ、特徴点からの距
離に比例して周辺画素への影響力を失なって行くような
伸張(復元)法が採用される。そして前記のような伸張
(復元)法による伸張(復元)は、1次元上では特徴点間で
の直線補間によって行なわれることになるが、多次元空
間内では複雑な補完線によって画像の復元が行なわれる
ことになる。
【0018】図3の(b)は図3の(a)を参照して説
明した画像情報圧縮動作により、2次元画面内の輝度分
布関数が既述のようにして合計16個の特徴点の位置と
輝度の情報とに置換えられて伝送,記録された場合に、
前記の合計16個の特徴点の位置と輝度の情報とに基づ
いて2次元補間により伸張(復元)された輝度関数例を示
している。ところで、任意の画素における輝度の補間値
を決定するのには、全特徴点から当該画素への距離と、
各特徴点の輝度値とを用い、所定の条件に則った補間値
を算出する必要がある。そして、前記した補間値の算出
動作は画像の周辺から実行されるのであり、まず、画面
の4隅の輝度値(1)〜(4)が決定され、次に、画面
の各辺上の特徴点が直線補完されることにより、画面周
辺の全輝度値、すなわち、辺(1)→(5)、辺(5)
→(2)、辺(2)→(4)、辺(4)→(6)、辺
(6)→(3)、辺(3)→(1)における全輝度値が
決定されると同時に、輝度値が決定された画素のすべて
が特徴点として扱われて、画面内部の輝度値を決定する
際の要素として用いられ、次に、特徴点(7)〜(1
6)の輝度値が決定され、決定された前記した特徴点
(7)〜(16)の輝度値も画面内部の輝度値を決定す
る際の要素にとして用いられる。
【0019】今、伸張画面内に特定な画素aを考え、前
記の特定な画素aから各特徴点の画素までの距離をri
とし、また各特徴点の画素の輝度をziとし、さらにα
を比例定数として、前記した特徴点の内の1つの特徴点
kの輝度値zkと、前記した画素aの輝度値zaとの関
係は、次の(4)式の補間式によって示される。 za=zk+αk・rk …(4) (4)式における右辺第2項のαk・rkは、画素aの
輝度値と特徴点kの輝度値zkとの輝度値のずれを示し
ており、このαk・rkの値は距離rに比例している。
前記した画素aの輝度値と特徴点kの輝度値zkとの輝
度値のずれαk・rkには正負があり、それは比例定数
αに反映されるが、補間空間全体でのαの総和は零であ
る。それで、 Σαk=0 …(5) (5)式の
条件を加味して前記した(4)式からαの項を消去する
ことにより、画素aの輝度値zaの一般的な補間式を求
めると、次の(6)式が得られる。 za=Σ(zi/ri)/Σ(1/ri) …(6)
【0020】そして、前記の(6)式は、既述のように
1次元補間で得た画面周辺の画素をも含めた全特徴点の
輝度値ziと、補間の対象にされた画素aとの距離rが
判かれば、画面内部の未補間全画素(原画との画素対応
はなくてもよい)の輝度値は補間によって求めることが
可能であることを示している。ところで、前記した圧縮
及び伸張動作時に行なわれるべき演算は、圧縮伸張の対
象にされている画像の輝度値のデータをフレームメモリ
に収納して、前記したフレームメモリ内の画素の輝度値
のデータを順次にコンピュータに読込んで、ソフトウエ
アで演算を実行させることもできるが、現在のワークス
テーションなどが備えている演算性能では、実用的とい
える演算時間内に演算を完了することができない点が問
題になるのであり、このことは特に、伸張動作時の演算
時間についていうことができる。
【0021】今、例えば特徴点の個数を5000個と
し、また、1画素の輝度補間演算に1万回の除算が必要
であるとして、画素数が500×500程度の静止画を
対象として伸張動作時の演算が行なわれる場合を考える
と、この場合の概略の補間画素数は、(500×50
0)−5000=245000 となるから全演算回数
は245000×10000=24億回強となる。した
がって前記した24億回の演算を、例えば略々1秒間で
完了させるようにするためには、2.4Gflopsの
演算能力を有するコンピュータの使用が要求されること
になるが、現在においてそれを実現することは経済的に
みても困難である。対象にされる画像が動画の場合に
は、前記した静止画の場合に比べて30倍の演算速度が
必要とされるために、前記した静止画の場合に比べて一
段と実現が困難である。
【0022】そこで、本発明の多次元圧縮画像の伸張方
法では、画像の復元に際して適用される前記の(6)式
に示されている伸張補間式、 に従って行なわれる演算において、それに影響を与える
特徴点のすべてを演算要素とするのではなく、補間すべ
き画素の近傍の3個の特徴点で構成される輝度平面を近
似関数として、それから補間値を算出することにより計
算量を実用的な範囲に限定できるようにしたのである。
【0023】一般に、平面や空間の任意の1点から、ラ
ンダムに存在する他の複数点をとらえる場合に、前記の
任意の1点の近傍の3個の点を選び出すためには、前記
の任意の1点と全点との距離を計算しなければならない
が、それでは計算量の経済化に寄与しないと考えられ
る。それで、本発明の多次元圧縮画像の伸張方法の一実
施例においては、Peano scanと呼ばれるフラ
クタル関数を利用することにより、平面や空間の任意の
1点から、近傍の3個の3特徴点を少ない計算量で算出
できるようにしたのである。
【0024】さて、1次元の数直線上に配列されている
任意の1点から、前記の1次元の数直線上にランダムに
存在している他の複数点の中から、当該点の大小両側に
隣接する2点を選び出すには、1次元値をインデックス
とする点リストを作り、当該点の表中の大小両側の隣接
欄をアクセスすれば良いことは容易に判かる。しかしな
がら、前記の点群が平面や3次元空間中に分布している
場合には、前記のような簡単な処理では済まず、距離イ
ンデックスを作るだけでも、各点に対する自乗を含むピ
タゴラス演算を行なうことが必要とされるから、平面や
空間の任意の1点から、近傍の3個の3特徴点を選び出
すのには、煩雑な多量の演算処理が必要とされることに
なる。
【0025】したがって、何等かの方法によって、2次
元内、あるいは3次元内に存在している全点列を「一筆
書き」によって1次元化することができれば、2次元
内、あるいは3次元内に存在している特徴点も、前記の
1次元化された数直線上にあることになり、その1次元
の数直線上に配列されている任意の1点から近傍の3個
の特徴点を選び出すことは容易となる。図5は、2次元
的に配列されているすべての点を、Peano sca
nと呼ばれる「一筆書き」の手法によって、1次元的に
追跡(トレース)する場合の説明図であり、図5の
(a)は2次元的に配列されている点の配列(点列)に
おける最小の単位(2×2)をなす4個の点を、3個の
連結によって1次元化した状態を示している図であっ
て、図中のA→Bの方向が前記した1次元化のためのト
レースの方向である。
【0026】また図5の(b)は、前記した2次元的に
配列された図5の(a)に示されている最小の単位(2
×2)の点列を(2×2)に2次元的に配列してなる1
6個の点列を、図中のA→Bの方向にトレースして、順
次に3個の連結によって1次元化した状態を示してお
り、この図5の(b)に示されている16個の点列を1
次元化するために必要とされた連結の個数の合計は(3
×4+3=15)個である。さらに図5の(c)は、
(64×64=4096)個の点列を図中のA→Bの方
向にトレースすることにより、合計4095個の連結に
よって1次元化した状態を示している。前記した図5の
(a)〜(c)をみると、2次元的に配列された点にお
ける近傍の点は、概ね1次元的にも近傍に位置している
ことが判かるから、2次元的に配列された点における任
意の点に関する近傍の3つの特徴点は、既述のような距
離計算を行なわずに選定することができるということに
なる。
【0027】図5の(a)〜(c)は2次元的に配列さ
れた点列を、Peano scanと呼ばれる「一筆書
き」の手法によって1次元化する場合の説明図であった
が、図6は点が3次元空間内に配列されている場合につ
いても、図5を参照して既述したと同様なPeano
scanと呼ばれる「1筆書き」の手法によって1次元
化できることを説明している図である。図6の(a)は
3次元的に配列されている点の配列(点列)における最
小の単位(2×4)をなす8個の点を、7個の連結によ
って1次元化した状態を示している図であって、図中の
A→Bの方向が前記した1次元化のためのトレースの方
向である。また図6の(b)は、前記した3次元的に配
列された図6の(a)に示されている最小の単位(2×
4)の点列を(2×2×2)に3次元的に配列してなる
64個の点列を、図中のA→Bの方向にトレースして、
順次に7個の連結によって1次元化した状態を示してお
り、この図6の(b)に示されている64個の点列を1
次元化するために必要とされた連結の個数の合計は(7
×8+7=63)個である。前記した図6に示されてい
る例をみれば、Peano scanと呼ばれる「一筆
書き」の手法は、2次元画像(静止画像)のみならず、
3次元画像(動画)の画像処理にも適用できることが理
解できる。
【0028】次に、図3の(c)は2次元Peano
scanの配列の一部を示している図であって、この図
におけるトレースの順序は点Pi+1→Pi+2→Pi+3→…
である。図中で斜線を施してある点(画素)、すなわち、
Pi+1,Pi+6,Pi+8,Pi+10,Pi+16を特徴点であるとす
ると、隣接する3つの特徴点によって形成される点線図
示の3角形の内部に含まれる白い点(斜線を施していな
い点…画素)の輝度は、前記した隣接する3つの特徴点
によって形成される点線図示の3角形で示される輝度平
面により補間される。また、前記した3角形が形成され
ない領域内の白い点(斜線を施していない点…画素)、例
えば同図中の点Pi+3の輝度は、前記した点Pi+3を含む
X方向の走査線と、前記した点線(前記した各3角形の
辺にあたる画素のために、当然に補間値を持つ)との交
点を端点値とする直線補間値で充当することができる。
【0029】図4は、前記のようにして得られる補間平
面を示したものであり、図においてx方向は画像の水平
方向であり、また、y方向は画像の垂直方向であり、さ
らにz方向は輝度方向(輝度値の大きさを示す方向)で
ある。また、図4中のα,β,γは、特徴点画素を示し
ている。図3の(c)中の点線と対応している線分α
β,βγ,γα上の画素の輝度値は直線補間により決定
され、また、前記した線分αβ,βγ,γαによって形
成される3角形の内部の一般画素の輝度値は、点α,
β,γで示されている特徴点画素によって決定される輝
度平面による補間によって決定される。
【0030】さて、多次元画像圧縮伸張方法を示してい
る図9において、撮像装置(TVカメラ)1は所定の標
準方式のテレビジョン☆方法に従った映像信号を発生し
てアナログデジタル変換器2に供給する。前記した撮像
装置1としては本発明の多次元画像圧縮伸張方法によっ
て圧縮伸張されるべき画像情報を発生させることができ
る映像信号発生装置であればどのような構成態様のもの
であっても使用できるが、以下の説明例では撮像装置1
として動画像の白黒の映像信号を発生できる構成態様の
ものが使用されるとしており、前記した撮像装置1から
発生された映像信号は、アナログデジタル変換器2によ
りデジタル信号に変換される。前記のアナログデジタル
変換器2では1画像分毎の映像信号について、画像の
横,縦方向毎にそれぞれ所定の画素数(例えば画像の横
方向に512画素、画像の縦方向に480画素)に分解
した状態の1画素毎に所定のビット数(例えば8ビッ
ト)のデジタル信号として、それをピーク点検出回路3
(詳細な構成例が図10に示されている)の入力端子3
aと急変点検出回路4(詳細な構成例が図11に示され
ている)の入力端子4aとに供給する。
【0031】前記したピーク点検出回路3では画像情報
圧縮の対象にされている画像の特徴点となされるべきピ
ーク点の検出を行なって、検出した画像情報におけるピ
ーク点の情報を出力端子3bから符号化送出回路5に与
え、また、急変点検出回路4では画像情報圧縮の対象に
されている画像の特徴点となされるべき急変点の検出を
行なって、検出した画像情報における急変点の情報を出
力端子4bから符号化送出回路5に与える。前記した符
号化送出回路5では、情報を能率良く伝送できる符号、
例えばハフマンコード等の公知の符号に変換して伝送回
線6を介して受信復号回路7に伝送する。受信復号回路
7では、それに伝送されて来た符号化された信号を復号
して輝度関数再生装置8(詳細な構成例が図1,または
図8に示されている)に与える。前記した伝送回線6の
部分が記録媒体となされた場合には、前記した符号化送
出回路5や受信復号回路7等としては、それぞれ記録回
路や再生回路が用いられることはいうまでもない。
【0032】前記の輝度関数再生装置8では、それに供
給された特徴点の情報を用いて圧縮前の2次元輝度関数
を復元する。そして、復元された2次元輝度関数関数を
構成する各画素の輝度値は時系列化装置9によりアナロ
グ信号形態の時系列信号となされて駆動回路10に供給
される。前記の駆動回路10ではモニタ受像機11によ
って映出させるべき画像の映像信号を発生して、それを
モニタ受像機11に与える。
【0033】図9中でブロック3により示してあるピー
ク点検出回路3の詳細な構成例を示している図10にお
いて3aは入力端子であって、この入力端子3aには画
像情報の圧縮の対象にされている画像を走査して発生さ
せた映像信号をアナログデジタル変換器2によって標本
化符号化して得た時系列的な画素のデジタル輝度信号列
(デジタル輝度信号列を構成している各1画素当りのデ
ジタル輝度信号は、例えば1バイトで256階調を表現
できるものとされている)が入力されている。入力端子
3aに入力された時系列的な画素のデジタル輝度信号列
は、シフトレジスタSR1p及び信号に対して1水平走査
期間(1H)の時間遅延を与える1H遅延回路1HDL
1pに供給される。前記した1H遅延回路1HDL1pから
の出力信号はシフトレジスタSR2pと1H遅延回路1H
DL2pとに供給され、また、前記した1H遅延回路1H
DL2pからの出力信号はシフトレジスタSR3pと1H遅
延回路1HDL3pとに供給され、さらに前記した1H遅
延回路1HDL3pからの出力信号はシフトレジスタSR
4pと1H遅延回路1HDL4pとに供給され、さらにま
た、前記した1H遅延回路1HDL4pからの出力信号は
シフトレジスタSR5pに供給されている。それで前記し
た5個のシフトレジスタSR1p〜SR5pには、時間軸上
で引続く5本の水平走査期間における対応する画素部分
(画面において縦方向に並んでいる画素部分)のデジタ
ル輝度信号が同時的に入力される。
【0034】前記した5個のシフトレジスタSR1p〜S
R5pは直列入力・並列出力(シリアル入力・パラレル出
力)型のものであり、5個のシフトレジスタSR1p〜S
R5pにおける全部で25個の蓄積区分からは、25個の
画素と対応するデジタル輝度信号が同時に出力されうる
のである。図10に示されている5個のシフトレジスタ
SR1p〜SR5pにおける25個の蓄積区分の内で、図中
で斜線を引いて図示してある蓄積区分を除く13個の蓄
積区分から同時に出力される13個の画素と対応するデ
ジタル輝度信号は、図10中に示されているコンパレー
タCX1〜CX6、CN1〜CN6に対して図10に示され
ているような供給態様で供給されていて、前記した各コ
ンパレータCX1〜CX6、CN1〜CN6は、それぞれに
供給された2入力の比較結果をそれぞれ出力する。
【0035】図10に例示してあるピーク点検出回路3
の構成例において、5個のシフトレジスタSR1p〜SR
5pにおける13個の蓄積区分から同時に出力される13
個の画素と対応するデジタル輝度信号は、既述した検討
対象にされている画素aの輝度値の情報と、前記した画
素aの周囲のm個の画素の輝度値の情報とに対応してい
るものであって図10中のシフトレジスタSR3pにおけ
る中央部の蓄積区分から出力されたデジタル輝度信号
は、検討対象にされている画素aの輝度値の情報に対応
しており、また前記したシフトレジスタSR3pにおける
中央部の蓄積区分から出力されたデジタル輝度信号を除
く12個のデジタル輝度信号は前記した画素aの周囲の
m個の画素の輝度値の情報にそれぞれ対応しているもの
である。
【0036】そして、前記したコンパレータCX1〜C
X6からの比較出力は、前記したコンパレータCX1〜C
X6を含めて階層構造状に設けられたコンパレータCX7
〜CX12によって行なわれる比較動作の結果として、前
記の階層構造状に設けられたコンパレータ群CX1〜C
X12における最終段のコンパレータCX12から、コンパ
レータ群CX1〜CX12に供給された13個の画素と対
応するデジタル輝度信号の輝度値の内の最大値の輝度値
がピーク値として出力され、また、前記したコンパレー
タCN1〜CN6からの比較出力は、前記したコンパレー
タCN1〜CN6を含めて階層構造状に設けられたコンパ
レータCN7〜CN12によって行なわれる比較動作の結
果として、前記の階層構造状に設けられたコンパレータ
群CN1〜CN12における最終段のコンパレータCN12
から、コンパレータ群CN1〜CN12に供給された13
個の画素と対応するデジタル輝度信号の輝度値の内の最
小値の輝度値がピーク値として出力される。
【0037】そして、前記したコンパレータ群CX1〜
CX12における最終段のコンパレータCX12から出力さ
れた輝度値の情報は、図10中のシフトレジスタSR3p
における中央部の蓄積区分から出力されたデジタル輝度
信号、すなわち検討対象にされている画素aの輝度値の
情報と比較器Exで比較され、また、前記したコンパレ
ータ群CN1〜CN12における最終段のコンパレータC
N12から出力された輝度値の情報は、図10中のシフト
レジスタSR3pにおける中央部の蓄積区分から出力され
たデジタル輝度信号、すなわち、検討対象にされている
画素aの輝度値の情報と比較器Enで比較される。前記
した比較器Ex,Enはそれらに入力された2入力が等
しい場合だけに論理値「1」を出力するものとして構成
されている。
【0038】それで、前記した比較器Ex,Enの出力
信号が入力されているオア回路ORからの出力信号Eq
は、シフトレジスタSR3pにおける中央部の蓄積区分か
ら出力されたデジタル輝度信号が正のピーク値または負
のピーク値となされた状態のときだけに論理値「1」が
出力されることになる。なお、シフトレジスタSR3pに
おける中央部の蓄積区分から出力されたデジタル輝度信
号のアドレス値は、入力端子3aに供給されている時系
列的な画素のデジタル輝度信号の瞬時アドレスを検証す
ることにより知ることができるし、また、前記したピー
ク輝度値はシフトレジスタSR3pにおける中央部の蓄積
区分から出力されたデジタル輝度信号、すなわち検討対
象にされている画素aの輝度値の情報によって知ること
ができることはいうまでもない。このように、図10に
示されている輝度のピーク点検出回路3では、入力端子
3aに供給されている時系列的な画素のデジタル輝度信
号列における局所エリア(図10の例では5行5列菱
型)内における正,負のピーク値と、その画素アドレス
とを抽出できるのである。
【0039】次に、図11は図9中でブロック4として
示されている輝度の急変点検出回路4の詳細な構成例を
示している図であり、この図11に例示している急変点
検出回路4は略々一定の輝度傾斜の面の複数のものが接
触した場合に、その接点が特徴点として抽出されるよう
なものとして構成した急変点検出回路4である。ところ
で輝度傾斜は一般に1次微分で表わされるが、輝度傾斜
同士の傾斜は2次微分値を計測することによって表わさ
れる。そして、急変点検出の対象にされている画像のデ
ータが2次元輝度関数であれば、輝度傾斜は2次元2次
微分(ラプラシアン)値の算出によって求められる。そ
してラプラシアンの算出を離散系で行なう場合には、算
出対象画素アドレスをijとし、また算出対象画素の輝
度値をBijとすれば、ラプラシアンの算出は、前記し
た算出対象画素アドレスijの周囲の8画素の輝度値の
和から8Bijを引くことにより求めることができる。
【0040】さて、図11中の4aは入力端子であっ
て、この入力端子4aには図10を参照して既述したピ
ーク点検出回路3の場合と同様に、画像情報の圧縮の対
象にされている画像を走査して発生させた映像信号をア
ナログデジタル変換器2によって標本化符号化して得た
時系列的な画素のデジタル輝度信号列(デジタル輝度信
号列を構成している各1画素当りのデジタル輝度信号
は、例えば1バイトで256階調を表現できるものとさ
れている)が入力されている。前記した入力端子4aに
入力された時系列的な画素のデジタル輝度信号列は、シ
フトレジスタSR1と信号を1水平走査期間(1H)だ
け遅延させる1H遅延回路1HDL1とに供給される。
そして、前記した1H遅延回路1HDL1からの出力信
号はシフトレジスタSR2と1H遅延回路1HDL2とに
供給され、また前記した1H遅延回路1HDL2からの
出力信号はシフトレジスタSR3と1H遅延回路1HD
L3とに供給され、さらに前記した1H遅延回路1HD
L3からの出力信号はシフトレジスタSR4と1H遅延回
路1HDL4とに供給され、さらにまた前記した1H遅
延回路1HDL4からの出力信号はシフトレジスタSR5
に供給されている。前記した5個のシフトレジスタSR
1〜SR5には、時間軸上で引続く5本の水平走査期間に
おける対応する画素部分(画面において縦方向に並んで
いる画素部分)のデジタル輝度信号が同時的に入力され
る。
【0041】前記した5個のシフトレジスタSR1〜S
R5は直列入力・並列出力(シリアル入力・パラレル出
力)型のものであり、5個のシフトレジスタSR1〜S
R5における全部で25個の蓄積区分からは25個の画
素と対応するデジタル輝度信号が同時に出力されうるよ
うになされているが、図11に示されている5個のシフ
トレジスタSR1p〜SR5pにおける25個の蓄積区分の
内で、図中で斜線を引いて示してある蓄積区分を除く9
個の蓄積区分から同時に出力される9個の画素と対応す
るデジタル輝度信号の内で、シフトレジスタSR3にお
ける中央部の蓄積区分から出力されたデジタル輝度信号
(中央画素のデジタル輝度信号…算出対象画素のデジタ
ル輝度信号)は輝度値の情報zsとして出力端子4bに
送出されるとともに、乗算器12によって−8倍された
後に加算器13に供給されており、また、前記した図中
で斜線を引いて示してある蓄積区分を除く9個の蓄積区
分から同時に出力される9個の画素と対応するデジタル
輝度信号の内で、シフトレジスタSR3における中央部
の蓄積区分から出力されたデジタル輝度信号(中央画素
のデジタル輝度信号…算出対象画素のデジタル輝度信
号)を除く8個のデジタル輝度信号は前記した加算器1
3に供給されている。
【0042】それで前記した加算器13の出力側には、
急変点検出の対象にされている画像の2次元輝度関数に
おける輝度傾斜の算出結果、すなわち、算出対象画素ア
ドレスをijとし、算出対象画素の輝度値をBijとし
て、前記した算出対象画素アドレスijの周囲の8画素
の輝度値の和から8Bijを引くことにより求められる
ラプラシアン値の算出結果が得られるのである。なお、
図11に示されている構成例においては、算出対象画素
と周囲画素とが密接状態に配置されていないが、これは
検出帯域を狭めてノイズによる誤検出を防ぐようにする
ための配慮を行なっている構成例を示しているのであ
る。
【0043】前記した加算器13からの出力は輝度の急
変の情報であるが、輝度の急変の状態には輝度の急増と
輝度の急減との2つがあり、前記した加算器13からの
出力には正負の出力が現われる。そして特徴点としては
輝度の急増の場合と輝度の急減の場合との双方を採用す
ることが必要とされるので、前記した加算器13からの
出力信号は絶対値回路15によって絶対値化してから比
較器16に供給するようにしている。前記した比較器1
6では閾値発生回路14から比較器16に供給されてい
る閾値と比較して、ラプラシアンの絶対値が前記した閾
値よりも大きな場合に、出力端子4bに対して特徴点を
示す信号GTを送出する。なお、急変点の輝度値として
は算出対象画素の輝度値zsが採用される。
【0044】1画面(飛越走査方式が適用されている場
合に1フィールド期間)分の走査が終了した時点で、そ
の画面に対する特徴点の抽出動作が終了することにな
る。そして、前記のようにして抽出された特徴点の情報
は、既述のように符号化送出回路5に送られる。前記の
符号化送出回路5では、情報を能率良く伝送させること
ができる符号、例えばハフマンコード等の公知の符号に
変換して伝送回線6を介して受信復号回路7に伝送す
る。前記したピーク点検出回路3と急変点検出回路4と
における次の画面の特徴点の抽出動作の実行は、前記し
た例えばハフマンコードでの符号化のために要する符号
化時間と伝送に必要とされる時間中に行なわれる。な
お、例えば、特徴点の検出数が多い等の理由により、前
記した符号化時間と伝送時間とが1画面の走査期間を超
えるおそれがあるような場合には、急変点の検出動作に
用いられる前記の閾値を自動調整して、検出される特徴
点数が制御されるようにすることは望ましい実施の態様
である。
【0045】受信復号回路7では、それに伝送されて来
た符号化された信号を復号して輝度関数再生回路8に与
える。前記の輝度関数再生装置8では、それに供給され
た特徴点の情報を用いて圧縮前の2次元輝度関数を復元
する。輝度関数再生装置8の具体的な構成例は、図1中
及び図8中に図面符号8を付してある一点鎖線枠8の部
分によつて示してある。まず、図1に示されている輝度
関数再生装置8及び時系列化装置9について説明する。
図1に例示されている輝度関数再生装置8において、8
piは特徴点の位置情報、すなわちアドレス情報(x
i,yi)}の入力端子であり、また8ziは輝度情報
(輝度値)zの入力端子である。受信回路7から輝度関
数再生装置8に供給される特徴点の位置情報{アドレス
情報(xi,yi)}は、前記の入力端子8piを介し
て配列変換器17に供給され、また、受信回路7から輝
度関数再生装置8に供給される輝度情報(輝度値)z
は、前記の入力端子8ziを介して配列変換器17に供
給される。
【0046】前記した配列変換器17では、それに供給
された入力情報を入力順序とは異なる順序となるように
配列の状態を変換する。すなわち既述した送信側(記録
側)において画像情報の圧縮のために行なわれた輝度値
のピーク点や輝度値の急変点などの特徴点の検出の順序
は、画像走査線の走査順序に依存しているものになって
いるが、特徴点の面補間によって未伝送画素の輝度値を
決定しようとしている本発明方法においては、前記のよ
うに画像走査線の走査順序に依存した検出順序で検出さ
れている特徴点から面補間のための3個の特徴点を採用
したところで、採用された特徴点が必らずしも2次元的
な近傍点とはならないからであり、それで、配列変換器
17では画像走査線の走査順序に依存した検出順序で検
出された状態で受信回路7から輝度関数再生装置8に供
給された特徴点の情報を、2次元的近傍特徴点が隣接し
ている配列の状態となるように、既述したPeano
scan等の手法を採用する等により、1次元的な再配
置を行なうのである。そして、前記した配列変換器17
としては、画像走査線の走査順序に依存した検出順序に
よる特徴点情報の順序配列を、特徴点情報が2次元的近
傍特徴点が隣接している状態になっている所望の順序配
列の状態に変換できるような変換テーブルを記憶させた
リードオンリーメモリを備えた構成のものとすることに
より、前記した配列変換動作を実時間で実行することが
できる。
【0047】ところで、前記した配列変換器17から出
力される特徴点の位置情報(アドレス情報)と輝度値と
の対のデータは不等間隔で発生しているために、そのま
までは隣接する3個の特徴点の情報によって面補間動作
を行なう面補間器20に対する入力情報として供給する
ことができない。それで、前記した配列変換器17から
出力される特徴点の位置情報と輝度値との対のデータ
は、それぞれ先入れ先出しレジスタ(FIFO)18,
19を介して面補間器20に供給するようにしている。
すなわち前記した配列変換器17から出力された特徴点
の位置情報のデータが入力される先入れ先出しレジスタ
18と、前記した配列変換器17から出力された特徴点
の輝度情報のデータが入力される先入れ先出しレジスタ
19とを、輝度関数再生装置8の各構成部分の動作のタ
イミングの制御を行なうシーケンサ21によって動作を
制御して、配列変換器17から出力される順次の特徴点
の位置情報と輝度値との対のデータにおける3個の隣接
特徴点の位置情報と輝度値との対のデータが常に面補間
器20に供給されるようにしている。
【0048】次に、図2を参照して面補間器20の具体
的な内容について説明する。面補間器20の入力端子2
0sには、シーケンサ21からシーケンス制御信号が供
給され、また、入力端子20pα〜20pγには、前記
した先入れ先出しレジスタ18から出力された隣接3特
徴点の位置情報におけるそれぞれ特定な特徴点の位置情
報が供給され、さらに入力端子20zα〜20zγには
前記した先入れ先出しレジスタ19から出力された隣接
3特徴点の輝度情報におけるそれぞれ特定な特徴点の輝
度情報が供給されていて、前記の各入力端子20pα〜
20pγ,20zα〜20zγには、前記の隣接3特徴
点の位置情報と輝度情報とが、3個の直線補間器22〜
24におけるそれぞれ定められたものに与えられる。
【0049】すなわち、前記した3個の直線補間器22
〜24の内の直線補間器22には、前記した入力端子2
0pαを介して画素αの位置情報(xpi,ypi)と、入
力端子20pβを介して画素βの位置情報(xpi+1,y
pi+1)と、入力端子20zαを介して画素αの輝度情報
(zpi)と、入力端子20zβを介して画素βの輝度情
報(zpi+1)とが供給されており、また、直線補間器2
3には、入力端子20pβを介して画素βの位置情報
(xpi+1,ypi+1)と、前記した入力端子20pγを介
して画素γの位置情報(xpi+2,ypi+2)と、入力端子
20zβを介して画素βの輝度情報(zpi+1)と、入力
端子20zγを介して画素γの輝度情報(zpi+2)とが
供給されており、さらに直線補間器24には、画素αの
位置情報(xpi,ypi)と、前記した入力端子20pγ
を介して画素γの位置情報(xpi+2,ypi+2)と、入力
端子20zαを介して画素αの輝度情報(zpi)と、入
力端子20zγを介して画素γの輝度情報(zpi+2)と
が供給されている。前記のように、3個の直線補間器2
2〜24には、それぞれ各2特徴点対を端点とするよう
な態様で特徴点の位置情報と輝度情報とが供給されてい
ることにより、前記の3個の直線補間器22〜24から
は、それぞれ2特徴点間の中間画素の位置情報(アドレ
ス情報)の補間値と輝度情報の補間値とを出力して、そ
れが書込制御器25に供給される。
【0050】前記の3個の直線補間器22〜24におけ
る補間動作について図4を参照して説明すると次のとお
りである。図4において、画素のアドレスは2次元x,
y面中に示されており、また、輝度値は高さz方向で示
されている。画素αはアドレスがxpi,ypi、輝度値が
zpiであって、既述した端点の1つである。同様に画素
βはアドレスがxpi+1,ypi+1、輝度値がzpi+1、画素
γはアドレスがxpi+2,ypi+2、輝度値がzpi+2であっ
て、前記の画素β,画素γも前記した端点の各1つにな
っている。図4中において、画素αから画素βの間には
階段状の画素(図中で白丸印をつけてある)群が存在し
ているが、これは輝度関数空間内の画素α{アドレス(x
pi,ypi),輝度値zpi}から画素β{アドレス(xpi+1,yp
i+1),輝度値zpi+1}までの補間直線に沿って、前記した
直線補間器22によって輝度値が決定された画素群であ
る。直線補間器23による画素βと画素γとの間の画素
の輝度値の補間、直線補間器24による画素γと画素α
との間の画素の輝度値の補間も、前記と同様にして行な
われることはいうまでもない。なお、直線補間器22〜
24において行なわれる補間値の決定方法は、例えば1
次方程式演算や、ブレゼンハム法、その他の公知の方法
を使用して容易に実施できる。
【0051】さて3個の直線補間器22〜24から書込
制御器25に供給された入力情報、すなわち、それぞれ
2特徴点間の中間画素の位置情報(アドレス情報)の補
間値と輝度情報の補間値とからなる各補間画素群は、書
込制御器25において、例えば前記した各x方向(既述
した走査方向)について等しいyアドレス値を有する各
複数画素が選択され、そのアドレスADwと輝度値Zw
とがx端点メモリ28に記憶される。前記したx端点メ
モリ28からは、例えば走査方向の始点側の1端点のア
ドレス(位置情報)と終点側の1端点のアドレス(位置
情報)とが、前記の各端点における輝度値とともに直線
補間器29に供給される。直線補間器29では、それに
入力された始点側の1端点と終点側の1端点をx軸上で
輝度補間し、それを図1中に示されている時系列化装置
9におけるのフィールドメモリ30,31に供給するた
めに、出力端子20ado,20zoを介して送出す
る。
【0052】前記の点を図4を参照して説明する。特徴
点の画素αと特徴点の画素βとの間の補間画素は、図4
中の白丸印の画素のように決定されているが、ここでy
アドレスがykである始点側のx端端点は、補間線(前
記した白丸印の画素列)上の画素Sである。また、特徴
点の画素αと特徴点の画素γとの間においてyアドレス
がykである終点側のx端点は、前記した特徴点の画素
αと特徴点の画素γとの補間線上の画素Eである。前記
した直線補間器29では前記した画素Sと画素Eとの間
の画素の輝度値を補間して、瞬時補間値Δ(図4中でハ
ッチングを施してある画素群中の1つの代表画素だけに
Δの記号を付してある)のアドレス(位置情報)と輝度
値とを出力端子20ado,20zoを介して送出す
る。
【0053】前記したx端点メモリ28には、それぞれ
異なるyアドレス毎に、等しいyアドレス値を有する補
間線上の補間値群があるために、前記のx端点メモリ2
8から所定のyアドレス値と対応する補間線上の補間値
の書き込み読出しが選択的に行なわれ得るようには、y
スイッチャ26からyアドレス指定値ykが供給されて
いる。また、前記のyスイッチャ26から出力されたy
アドレス指定値ykは、前記した直線補間器29にも供
給されている。直線補間器29ではx軸上の補間値も選
択的に出力できるように、xスイッチャ27からxアド
レス指定値xjも与えられている。そして、前記のyス
イッチャ26やxスイッチャ27などの制御のシーケン
スは、既述した入力端子20に供給されているシーケン
ス制御信号によって行なわれる。
【0054】図1中に示されている時系列化装置9は、
前記した輝度関数再生装置8から入力端子9piに供給
された位置情報(アドレス情報)と、入力端子9ziに供
給された輝度情報とが、2個のフィールドメモリ30,
31に供給されている。前記の2個のフィールドメモリ
30,31は、それの一方のものが書込み動作を行なっ
ている状態においては、他方のものが復原画像情報の読
出し動作を行なうというような態様を以って、2個のフ
ィールドメモリ30,31が順次交互に書込み動作と読
出し動作とをリアルタイムで行なっている。前記した2
個のフィールドメモリ30,31の書込み動作と読出し
動作との切換え制御は、同期信号発生器33で発生され
た制御信号によって動作が制御されているTV読出しマ
ルチプレクサ32によって行なわれる。前記したフィー
ルドメモリ30,31から順次交互に読出されてTV読
出しマルチプレクサ32からビデオドライバ34に供給
される復原画像信号は、時系列化された画像信号になっ
ており、それがビデオドライバ34において、必要に応
じてデジタルアナログ変換が行なわれたり、所定の同期
信号の付加などが行なわれて、所定の走査標準に従った
画像信号とされて出力端子35に送出される。
【0055】これまでの説明は、近傍に位置する3個の
特徴点の検出にPeano scanを用いた輝度関数
再生装置8を使用した場合の実施例であったが、近傍に
位置する3個の特徴点の検出を行なうのに、1特徴点の
影響の及ぶ画素領域を拡張面(3次元対象の場合には拡
張立体)によって探索して、前記の1特徴点の影響の及
ぶ画素領域の境界から、近傍3特徴点(3次元対象の場
合には4特徴点)を検出するようにして本発明が実施さ
れてもよいのであり、まず、その原理を図7を参照して
説明する。まず、図7の(c)において、画素i,j,
k,lは、既述した特徴点の画素群であるとして、前記
した特徴点の画素以外の任意の画素について、前記の任
意の画素が、前記した特徴点の画素i,j,k,lのど
れに近いのかを探索する場合に、図7の(a)に示され
ているような方法で行なうのである。
【0056】すなわち図7の(a)において、任意の画
素Pの近傍に特徴点の画素M,Nが存在していたとした
場合に、前記した任意の画素Pから図中の点線矢印の経
路に従って渦巻状に隣接画素を検査して行くと、特徴点
の画素Nよりも先に特徴点の画素Mに到達する。このこ
とにより、前記した任意の画素Pは特徴点の画素Nでは
なく、特徴点の画素Mの近傍にあるものとして検出され
る。そこで、前記の画素Pには特徴点の画素Mの領域に
あることを示す印を記入する。図7の(b)は前記の手
順による特徴点の画素の検出方法を、時間軸を含む3次
元画素群に適用した場合を示したものであり、図7の
(b)においてx,y,zは3次元軸であって、任意の
画素をP,特徴点の画素をMとして、画素Pから矢印の
経路にしたがって、隣接画素を立体的な渦巻状にPの近
傍画素から、略々、順次に遠方の画素へ拡張的に検査し
て行くと、特徴点の画素Mに到達する。これにより前記
した任意の画素Pは特徴点の画素Mの近傍にあるものと
して検出される。そこで、前記の画素Pには特徴点の画
素Mの領域にあることを示す印を記入する。
【0057】図7の(c)に示されている2次元例は、
特徴点の画素以外の複数の任意画素に、それが属してい
る特徴点記号が、前記したような手順に従って記入され
た場合の例であり、前記した特徴点記号を結ぶ点線が、
前記した特徴点の影響領域の境界である。今、例えば3
領域の境界であるΔ1に着目すると、このΔ1には画素
i,j,kが隣接している。従って、画素i,j,kが
近傍の3個の特徴点とみなされ、三角形ijkが補間平
面として決定される。それにより、前記した三角形ij
kの内部に存在する画素の輝度値は、前記した輝度平面
の値により充当される。同様にして領域境界Δ2から三
角形jklが補間平面として決定され、それにより、前
記した三角形jklの内部に存在する画素の輝度値は、
前記した輝度平面の値により充当される。
【0058】前記のような手順によって、1特徴点の影
響の及ぶ画素領域を拡張面(3次元対象の場合には拡張
立体)によって探索して、前記の1特徴点の影響の及ぶ
画素領域の境界から、近傍3特徴点(3次元対象の場合
には4特徴点)を検出するようにすることにより、少数
の特徴点情報から伸張側の輝度関数が決定され、未伝送
画像情報の各輝度値は、前記の補間値によって充当され
て画像全体の内容が再現されるのである。なお、2次元
対象の場合の拡張面としては、円、正方形、直方形、菱
形等が用いられるとよく、また、3次元対象の場合の拡
張立体としては、球、回転楕円体、底面を対称面として
連結された2個の円錐体、底面を対称面として連結され
た2個の角錐体等が用いられてもよい。
【0059】図8は前記のような原理に基づいて行なわ
れる特徴点の画素の検出方法を実施した輝度関数再生装
置8である。図8に例示されている輝度関数再生装置8
において、8piは特徴点の位置情報、すなわち特徴点
の位置情報{アドレス情報(xi,yi)}の入力端子
であり、また、8ziは輝度情報(輝度値)zの入力端
子である。受信回路7から輝度関数再生装置8に供給さ
れる特徴点の位置情報{アドレス情報(xi,yi)}
と、受信回路7から輝度関数再生装置8に供給される輝
度情報(輝度値)zとは切換器36を介して2個のフィ
ールドメモリ37,38の何れかのものに供給されて、
それに記憶される。前記の2個のフィールドメモリ3
7,38が切換えられるようにして用いられるようにし
た理由は、近傍の特徴点を探索して補間面(または補間
立体)を決定して記入する作業を行なう一方のメモリ
と、前記の一方のメモリに記憶された内容を読出して、
未伝送輝度画素の輝度値を補間演算処理によって得て出
力させる作業を行なう他方のメモリとを別に設けること
によって、同時動作を可能として伸張作業の全体を高速
化するためである。
【0060】サーチアドレス発生器39は、フィールド
メモリ37(または38)に記入される前記した特徴点
の画素以外の画素のアドレスを発生するとともに、前記
した画素に最も近い特徴点の画素を、図7の(a)につ
いて既述したような方法で探索し、前記した画素に対し
て図7の(c)のように最も近い特徴点の画素の領域
(特徴点の画素の属性領域)にあることを示す印を記入
(加印)する。また、補間面判定回路40は、前記した
フィールドメモリ37(または38)における属性領域
を読み出すことにより領域境界を探索して、隣接領域の
各加印特徴点名から補間決定のための3個の特徴点を抽
出する。さらに、面補間器41は前記したフィールドメ
モリ37(または38)内に決定された補間3角面の内
部領域の補間値を算出と、これらのアドレス群と輝度値
群とを出力端子8poと出力端子8zoとを介して、それ
らを時系列化化装置9に供給する。シーケンサ42は輝
度関数再生装置の各構成部分の動作の制御用の信号を発
生して、それを輝度関数再生装置の各構成部分に供給す
る。
【0061】本発明は複数画面にわたって特徴点の画素
を検出して3次元圧縮像を伸張する場合にも良好に実施
でき、また、輝度信号でなく、3原色信号についても良
好に実施できることはいうまでもない。さらに輝度信号
と色差信号とによるカラー方式等のように、複数の信号
を有する方式にも適用することができ、その場合には各
信号における特徴点のアドレスを複数の要素間で共用す
ることもできる。さらにまた、既述もしたように、本発
明は画像をベクトル要素に分解して圧縮しているため
に、画像情報圧縮系と伸張系で等しい画素数である必要
はない。また、これを時間軸を含む3次元輝度関数の抽
出,再生に拡張して、前記の両系をリアルタイムで同時
に動作させる場合にも、前記の両系で時間軸上の画面枚
数が等しい必要はない。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の多次元圧縮画像の伸張方法は、画像情
報処理の対象にされている画像における画素密度の高低
に拘らずに画像の持つ特徴点のみを抽出して画像情報の
圧縮された画像データを得て、伸張に際しては前記した
画像データから画素復元を行なうのではなく、別の画素
密度面に新画像が描画できるように、2次元的な輝度情
報や時間軸をも含む3次元的な輝度情報等の画像情報に
ついて輝度の極大点と輝度の極小点及び輝度の急変点と
を前記した画像の特徴点とし、前記した画像の特徴点の
位置及び輝度値を用いて得た画像の復元に際して、 (A)式の近似演算を行なう装置として、近傍の複数の
特徴点によって決定される補間面により特徴点以外の画
素の輝度情報を決定する場合に、前記した近傍の特徴点
の発見にPeano scanを用いたり、あるいは前
記した近傍の特徴点の発見に拡張面または拡張立体を用
いたりして、容易に多次元画像の伸張を行なうことがで
きるような構成としたので、本発明方法では画像情報の
圧縮が行なわれるべき原画像と伸張によって得られる再
生画像との両画像間の構成画素数差などの物理的条件に
関わることなく、画像の情報量に応じて高圧縮を容易に
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多次元圧縮画像の伸張方法に使用され
る輝度関数再生装置及び時系列化装置のブロック図であ
る。
【図2】本発明の多次元圧縮画像の伸張方法に使用され
る面補間器のブロック図である。
【図3】多次元圧縮画像の伸張方法の構成原理等の説明
に使用される図である。
【図4】多次元圧縮画像の伸張方法の構成原理等の説明
に使用される図である。
【図5】多次元圧縮画像の伸張方法の構成原理等の説明
に使用される図である。
【図6】多次元圧縮画像の伸張方法の構成原理等の説明
に使用される図である。
【図7】多次元圧縮画像の伸張方法の構成原理等の説明
に使用される図である。
【図8】本発明の多次元圧縮画像の伸張方法に使用され
る輝度関数再生装置の構成例を示す平面図である。
【図9】多次元画像の圧縮伸張方法のブロック図であ
る。
【図10】ピーク点検出回路の構成例を示すブロック図
である。
【図11】急変点検出回路の構成例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1…画像信号を発生する撮像装置(TVカメラ)、2…ア
ナログデジタル変換器、3…ピーク点検出回路、4…急
変点検出回路、5…符号化送出回路、6…伝送回線、7
…受信復号回路、8…輝度関数再生装置、9…時系列化
装置、12…乗算器、13…加算器、14…閾値発生回
路、15…絶対値回路、16…比較器、17…配列変換
器、18,19…先入れ先出しレジスタ(FIFO)、
20…面補間器、21,42…シーケンサ、22〜2
4,29…直線補間器、25…書込制御器、26…yス
イッチャ、27…xスイッチャ、28…x端点メモリ、
30,31,37,38…フィールドメモリ、36…切
換器、38…サーチアドレス発生器、40…補間面判定
回路、41…面補間器、
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 7/24 - 7/68 H04N 1/41 - 1/419

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静止画像における2次元的に分布する輝度
    情報による画像情報について、輝度値の極大点と輝度値
    の極小点及び輝度値の急変点とを前記した画像の特徴点
    とし、前記した画像の特徴点の位置と輝度値とを用いて
    得た多次元圧縮画像を伸張する多次元圧縮画像の伸張方
    法において、近傍の複数の特徴点によって決定される補
    間面により特徴点以外の画素の輝度情報を決定する場合
    に、前記した近傍の特徴点の発見に2次元的に配列され
    ている特徴点を連結させて1次元化するPeano s
    canを用いる多次元圧縮画像の伸張方法。
  2. 【請求項2】静止画像における2次元的に分布する輝度
    情報に時間軸をも含む3次元的に分布する輝度情報の画
    像情報について、輝度値の極大点と輝度値の極小点及び
    輝度値の急変点とを前記した画像の特徴点とし、前記し
    た画像の特徴点の位置と輝度値とを用いて得た多次元圧
    縮画像を伸張する多次元圧縮画像の伸張方法において、
    近傍の複数の特徴点によって決定される補間立体により
    特徴点以外の画素の輝度情報を決定する場合に、前記し
    た近傍の特徴点の発見に3次元的に配列されている特徴
    点を連結させて1次元化するPeano scanを用
    いる多次元圧縮画像の伸張方法。
  3. 【請求項3】静止画像における2次元的に分布する3原
    色情報による画像情報について、3原色情報の極大点と
    3原色情報の極小点及び3原色情報の急変点とを前記し
    た画像の特徴点とし、前記した画像の特徴点の位置と3
    原色情報とを用いて得た多次元圧縮画像を伸張する多次
    元圧縮画像の伸張方法において、近傍の複数の特徴点に
    よって決定される補間面により特徴点以外の画素の3原
    色情報を決定する場合に、前記した近傍の特徴点の発見
    に2次元的に配列されている特徴点を連結させて1次元
    化するPeano scanを用いる多次元圧縮画像の
    伸張方法。
  4. 【請求項4】静止画像における2次元的に分布する3原
    色情報に時間軸をも含む3次元的に分布する3原色情報
    の画像情報について、3原色情報の極大点と3原色情報
    の極小点及び3原色情報の急変点とを前記した画像の特
    徴点とし、前記した画像の特徴点の位置及び3原色情報
    とを用いて得た多次元圧縮画像を伸張する多次元圧縮画
    像の伸張方法において、近傍の複数の特徴点によって決
    定される補間立体により特徴点以外の画素の3原色情報
    を決定する場合に、前記した近傍の特徴点の発見に3次
    元的に配列されている特徴点を連結させて1次元化する
    Peano scanを用いる多次元圧縮画像の伸張方
    法。
  5. 【請求項5】 静止画像における2次元的に分布する輝
    度情報による画像情報について、輝度値の極大点と輝度
    値の極小点及び輝度値の急変点とを前記した画像の特徴
    点とし、前記した画像の特徴点の位置と輝度値とを用い
    て得た多次元圧縮画像を伸張する多次元圧縮画像の伸張
    方法において、近傍の複数の特徴点によって決定される
    補間面により特徴点以外の画素の輝度情報を決定する場
    合に、任意の画素から渦巻状に走査して最初に到達した
    特徴点を近傍特徴点とする関数を用いる多次元圧縮画像
    の伸張方法。
  6. 【請求項6】静止画像における2次元的に分布する輝度
    情報に時間軸をも含む3次元的に分布する輝度情報の画
    像情報について、輝度値の極大点と輝度値の極小点及び
    輝度値の急変点とを前記した画像の特徴点とし、前記し
    た画像の特徴点の位置及び輝度値とを用いて得た多次元
    圧縮画像を伸張する多次元圧縮画像の伸張方法におい
    て、近傍の複数の特徴点によって決定される補間立体に
    より特徴点以外の画素の輝度情報を決定する場合に、任
    意の画素から立体的な渦巻状に走査して最初に到達した
    特徴点を近傍特徴点とする関数を用いる多次元圧縮画像
    の伸張方法。
  7. 【請求項7】静止画像における2次元的に分布する3原
    色情報による画像情報について、3原色情報の極大点と
    3原色情報の極小点及び3原色情報の急変点とを前記し
    た画像の特徴点とし、前記した画像の特徴点の位置及び
    3原色情報とを用いて得た多次元圧縮画像を伸張する多
    次元圧縮画像の伸張方法において、近傍の複数の特徴点
    によって決定される補間面により特徴点以外の画素の3
    原色情報を決定する場合に、任意の画素から渦巻状に走
    査して最初に到達した特徴点を近傍特徴点とする関数を
    用いる多次元圧縮画像の伸張方法。
  8. 【請求項8】静止画像における2次元的に分布する3原
    色情報に時間軸をも含む3次元的に分布する3原色情報
    の画像情報について、3原色情報の極大点と3原色情報
    の極小点及び3原色情報の急変点とを前記した画像の特
    徴点とし、前記した画像の特徴点の位置及び3原色情報
    とを用いて得た多次元圧縮画像を伸張する多次元圧縮画
    像の伸張方法において、近傍の複数の特徴点によって決
    定される補間立体により特徴点以外の画素の3原色情報
    を決定する場合に、任意の画素から立体的な渦巻状に走
    査して最初に到達した特徴点を近傍特徴点とする関数を
    用いる多次元圧縮画像の伸張方法。
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