JP2822663B2 - 水砕カラミの分離回収装置 - Google Patents

水砕カラミの分離回収装置

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JP2822663B2 JP31468390A JP31468390A JP2822663B2 JP 2822663 B2 JP2822663 B2 JP 2822663B2 JP 31468390 A JP31468390 A JP 31468390A JP 31468390 A JP31468390 A JP 31468390A JP 2822663 B2 JP2822663 B2 JP 2822663B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、非鉄金属等の製錬の際に発生し、冷却水に
よって急冷、破砕されて生成される水砕カラミを、前記
冷却水より分離して回収する水砕カラミの分離回収装置
に関するものである。
[従来の技術] このような非鉄金属の製錬に用いられる装置として
は、例えば第3図もしくは第4図に示すような、複数炉
方式による銅の製錬装置が知られている。
これは第3図に示すように、酸素富化された空気とと
もに供給された銅精鉱を熔解、酸化し、硫化銅および、
硫化鉄の混合物を主成分とするカワMと、銅精鉱中の脈
石や溶剤、および酸化鉄等からなるカラミSとを生成す
る熔錬炉1と、この熔錬炉1で生成されたカワMとカラ
ミSとを分離する分離炉2と、カワMをさらに酸化して
粗銅Cを生成する製銅炉3とから構成されている。
これら熔錬炉1、分離炉2、および製銅炉3は、この
順に落差が設けられているとともに、溶湯の流路である
樋4…によって連絡されており、溶湯はこの樋4…を流
下するようになっている。また、熔錬炉1および製銅炉
3には、二重管構造を有するランス5…がこれらの炉の
天井を挿通して昇降自在に設けられており、このランス
5…を介して銅精鉱、酸素富化空気、溶剤、および冷剤
等が各炉内に供給される。さらに、分離炉2は、電極6
を備えた電気炉である。
このような構成の銅の製錬装置では、分離炉2に装入
されたカワMとカラミSは、電極加熱により保温されて
保持され、比重差によって分離する。ここでカラミSよ
り沈降分離されたカワMは製銅炉3へ移送され、ランス
5…から供給される酸素富化空気によって硫化鉄や硫黄
成分が酸化されてこれらの成分がカラミSや排ガスとし
てカワMより分離する。こうしてカワMは比較的品位の
高い粗銅Cとなって精製炉(図示略)へと移送され、さ
らに品位の高い銅に精製された後、陽極板(アノード)
に鋳造されて電解処理される。
一方、分離炉2および製銅炉3においてカワMより分
離されたカラミSは、それぞれの炉体に設けられたカラ
ミ流出孔2A,3Aを通って抜き出され、水砕されて処理さ
れる。例えば、分離炉2においてカワMより分離された
カラミSは、第4図に示すように、分離炉2の側壁に設
けられたカラミ流出孔2Aから樋7に抜き出される。この
樋7には冷却水が流下しており、分離炉2から抜き出さ
れたカラミSはこの冷却水によって急激に冷却されて破
砕され、冷却水とともに水砕カラミの分離回収装置8に
装入される。
この水砕カラミの分離回収装置8は、例えば第5図に
示すように、一端が樋7の排出口7Aに臨んで設けられ、
冷却水とともに装入された水砕カラミを冷却水から分離
して回収する分離槽9と、この分離槽9他端の溢流部9A
に臨んで設けられて該分離槽9より溢流する冷却水を保
持し、この冷却水に混濁して前記分離槽9では回収しき
れなかった比較的粒径、比重の小さい微細な水砕カラミ
を沈降分離せしめる沈降槽10より構成されている。
分離槽9の他端側には、分離槽9に装入された水砕カ
ラミを該分離槽9から掬い出して排出するバケットコン
ベア11の下端が配置されている。また、この分離槽9の
長手方向略中央には分離槽9の幅方向に延びて、上端が
前記溢流部9Aより高く、下端が該溢流部9Aと分離槽9の
底面との中間に設定された遮蔽壁12が配置されており、
これにより、この遮蔽壁12の下端と分離槽9の底面との
間には、装入された水砕カラミが通過可能な間隙が形成
されている。
このような構成の分離回収装置8では、分離槽9に装
入された水砕カラミは、分離槽9内に次々と沈降、堆積
し、互いに圧潰し合ってさらに細かく破砕される。そし
て、後から装入される水砕カラミおよび冷却水によって
順次押し出され、遮蔽壁12下端と分離槽9底面との間の
間隙を通ってバケットコンベア11下端へと送られて掬い
出される。この時バケットコンベア11側へ送り出される
水砕カラミの量は、遮蔽壁12によって制限されるので、
常に一定量の水砕カラミのみが送られる。バケットコン
ベア11に掬い出された水砕カラミはベルトコンベア13,1
3によって移送されて排出される。
一方、分離槽9に装入された水砕カラミのうち、冷却
水に混濁して分離槽9では回収しきれない比較的粒径、
比重が小さい水砕カラミは、冷却水とともに分離槽9他
端の溢流部9Aより溢流して沈降槽10へと流下する。ここ
で、このような微細な水砕カラミは沈降槽10底面に沈
降、堆積して冷却水から分離され、排出ポンプ(図示
略)によって排出される。
このようにして分離、回収された水砕カラミは、分離
炉2において生成されたカラミを水砕したものについて
は廃棄されるが、製銅炉3で生成されたカラミを水砕し
たものについては比較的銅含有量が高いので、乾燥され
てから熔錬炉1に戻されて、再び製錬に供される。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような構成の水砕カラミの分離回
収装置8では、分離槽9内に樋7から水砕カラミが装入
される際、槽内に投入される水砕カラミは比較的大きな
運動エネルギーを有しており、このエネルギーによる衝
撃で装置が損傷する危険性があった。特に前述のような
構成の水砕カラミの分離槽では、この衝撃は水砕カラミ
の投入方向前方に位置する前記遮蔽壁に集中し易い。
この遮蔽壁は前述したように、分離槽内に投入されて
バケットコンベア側へと押し出される水砕カラミの量を
制御する部材であり、これが破損してバケットコンベア
に供給される水砕カラミの制御ができなくなると、分離
槽内に装入された水砕カラミが一気にバケットコンベア
下端にまで押し出され、円滑な水砕カラミの分離、回収
に支障を来すおそれがある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前記の課題を解決するためになされたもの
で、冶金炉より排出されたカラミを冷却水により破砕し
て生成される水砕カラミを前記冷却水から分離して回収
する水砕カラミの分離回収装置において、前記水砕カラ
ミを移送する樋の排出口に臨む位置に該水砕カラミを堆
積せしめる堆積槽を設け、この堆積槽の溢流部に臨む位
置に、該堆積槽より前記冷却水とともに溢流する水砕カ
ラミを該冷却水から分離する分離槽を設け、さらにこの
分離槽の溢流部に臨む位置に、該分離槽より前記冷却水
とともに溢流した水砕カラミを該冷却水から沈降分離せ
しめる沈降槽を設けたことを特徴とするものである。
[作用] このような構成の水砕カラミの分離回収装置において
は、樋を流下した水砕カラミは一旦堆積槽に保持されて
堆積せしめられる。この時、既に堆積槽に堆積して保持
された水砕カラミがクッションとなるので分離回収装置
に順次投入される水砕カラミのエネルギーが拡散され、
衝撃が緩和される。
そして、一定量の水砕カラミが堆積槽に堆積すると、
この水砕カラミは堆積槽内に後から装入される水砕カラ
ミおよび冷却水に押し出され、堆積槽の最も低く設定さ
れた壁部、すなわち溢流部を乗り越えてこの溢流部に一
端を臨ませて配設された分離槽に装入される。
分離槽内に装入された水砕カラミは後から装入される
水砕カラミおよび冷却水によって順次他端側へと押し出
されるので、この分離槽の他端側にバケットコンベア等
の排出手段を設けることにより、水砕カラミを冷却水よ
り分離して回収することができる。
一方、冷却水に混濁して分離槽では回収しきれなかっ
た微細な水砕カラミは、前記従来例同様、冷却水ととも
に分離槽の溢流部より溢流して沈降槽に装入され、この
沈降槽の底部に沈降、堆積して冷却水より分離される。
[実施例] 第1図および第2図に、本発明の一実施例として、前
述の銅の製錬装置において分離炉2より排出されて水砕
される水砕カラミの分離回収装置の断面図および平面図
を示す。なお、これらの図において第4図および第5図
と同じ部分には同一の符号を配して説明を省略する。
この水砕カラミの分離回収装置は、冷却水とともに装
入された水砕カラミを一旦保持して堆積せしめる堆積槽
21と、この堆積槽21より溢流した水砕カラミを冷却水よ
り分離する分離槽22と、この分離槽22では回収しきれず
に冷却水に混濁して該分離槽22より溢流した微細な水砕
カラミを沈降分離せしめる沈降槽23とが、平面視に直列
に配置されて構成されている。
堆積槽21は、冷却水とともに水砕カラミが流下する樋
7の排出口7Aに一端を臨ませて配置されており、この堆
積槽21の他端側の壁部は、他の三方の壁部より低く設定
されていて当該堆積槽21の溢流部21Aとなっている。
そして、この堆積槽21に連なって分離槽22が、前記堆
積槽21の溢流部21Aに一端を臨ませた状態で配設されて
いる。この分離槽22は前記堆積槽21と略同等の幅となっ
ているとともに、この分離槽22の他端側の壁部は前記堆
積槽21同様、他の三方の壁部より低く設定されていて当
該分離槽22の溢流部22Aとなっている。なお、この分離
槽22の溢流部22Aの高さは、堆積槽21の溢流部21Aの高さ
より低く設定されている。この分離槽22の他端側にはバ
ケットコンベア11が、その下端が分離槽22内に装入され
て配設されており、さらにこのバケットコンベア11の上
端部下方には、シュート42を介してベルトコンベア13,1
3の一端が配設されている。また、分離槽22の一端側上
方の、前記堆積槽21の溢流部21Aに対向する位置には、
該分離槽22の幅方向に平行に遮蔽板25が設けられている
とともに、この遮蔽板25と堆積槽21の溢流部21Aとの間
にはグリズリ(比較的目の粗いふるい)26が設けられて
いる。さらにバケットコンベア11下端部より分離槽22の
一端側の底部には、該分離槽22の一端側から他端側に向
かうに従い縮幅するハ字状断面の衝立板27,27が立設さ
れている。
そしてさらに、この分離槽22に連なって沈降槽23が、
前記分離槽22の溢流部22Aに一端を臨ませた状態で配設
されている。この沈降槽23には前記従来例と同様に、沈
降分離された微細な水砕カラミを排出する排出ポンプ2
8、および冷却水を排出する排水ポンプ29…が備えられ
ている。
このような構成の水砕カラミの分離回収装置によれ
ば、前述の銅の製錬装置の分離炉2のカラミ流出孔2Aよ
り抜き出されて破砕された水砕カラミは、冷却水ととも
に樋7を流下して排出口7Aより堆積槽21の一端側へ装入
される。この堆積槽21に装入される水砕カラミは比較的
大きなエネルギーをもって堆積槽21内に投入されるが、
既に堆積槽21に装入され、堆積して保持された水砕カラ
ミがクッションとなり、これによって前記エネルギーが
拡散されるので、水砕カラミの装入の際の衝撃が緩和さ
れる。
こうして水砕カラミは次々と堆積槽21内に堆積する
が、水砕カラミとともに装入される冷却水は、その水位
が堆積槽21他端の溢流部21Aを越えた時点で該溢流部21A
より溢れ出し、分離槽22の一端側へと流下する。これに
より、堆積槽21内には一端側から他端側の溢流部21Aへ
向かう冷却水の流れが形成される。この流れによって水
砕カラミは、堆積槽21の一端側底部から溢流部21Aに向
かって傾斜面を形成して堆積する。そして、この傾斜面
上に投入された水砕カラミは、さらに後から装入された
水砕カラミおよび冷却水によって前記傾斜面を押し上げ
られて溢流部21Aを乗り越え、この溢流部21Aに連なって
配設された分離槽22の一端側へ落下する。
この時、堆積槽21より溢流する冷却水およびこの冷却
水に付勢された水砕カラミは、分離槽22の他端側へと飛
散しようとするが、溢流部21Aに対向する位置に設けら
れた遮蔽板25によってこの飛散は阻止され、冷却水およ
び水砕カラミは分離槽22一端側へ略垂直に落下する。ま
た、この遮蔽板25と溢流部21Aとの間に設けられたグリ
ズリ26によって特に粒径の大きい水砕カラミが除去され
る。
こうして分離槽22内一端側に装入された水砕カラミは
再び堆積するが、堆積槽21の場合と同様、先に分離槽22
に装入された水砕カラミがクッションとなるので水砕カ
ラミ落下の際の衝撃が緩和される。また堆積槽21の場合
と同様に、冷却水は分離槽22他端側の溢流部22Aから順
次溢流するので、分離槽22にも一端側から溢流部22Aに
向かう冷却水の流れが形成され、この流れによって水砕
カラミは順次分離槽22の他端側へ押し出される。さらに
水砕カラミが押し出されて衝立板27,27の位置まで達す
ると、分離槽22の幅方向に広がって押し出された水砕カ
ラミは縮幅せしめられる。そして縮幅された水砕カラミ
はさらに押し出されてバケットコンベア11の下端部に達
し、掬い出されて冷却水より分離される、なお、掬い出
された水砕カラミはバケットコンベア11の上端部よりシ
ュート24を通ってベルトコンベア13,13上に排出され、
移送されて回収される。
一方、水砕されたカラミのうち、冷却水に混濁して分
離槽22では回収しきれなかった比較的粒径および比重が
小さい微細な水砕カラミは、冷却水とともに堆積槽21お
よび分離槽22より溢流し、沈降槽23へと流下する。そし
て前記従来例と同様、この沈降槽23底面に沈降して堆積
し、冷却水から分離されるので、これを排出ポンプ28に
より排出、回収する。また、この微細な水砕カラミが分
離された冷却水は、沈降槽23の他端側に設けられた排水
ポンプ29…によって排水される。
こうして分離、回収された水砕カラミのうち、本実施
例の分離炉2で分離されたカラミSを水砕したものにつ
いては廃棄されるが、製銅炉3で分離されたものについ
ては比較的銅成分含有量が高いため、乾燥した後、熔錬
炉1に供給されて再び製錬に供される。
以上説明したように、このような構成の水砕カラミの
分離回収装置によれば、水砕カラミが流下する樋の排出
口に臨んで堆積槽を設けることにより、この堆積槽に水
砕カラミが堆積する。そしてこの堆積した水砕カラミに
より、水砕カラミの装入の際のエネルギーが拡散され、
衝撃力が緩和されるので、分離回収装置が破損するよう
な事態を未然に防ぐことができる。
これにより、該装置を長期的に安定して運用すること
が可能となり、また保守、点検に要する労力を低減する
ことができる。
また、本実施例では堆積槽21の溢流部21Aに対向する
位置に設けられた遮蔽板25によって、堆積槽21より溢流
する冷却水および水砕カラミの飛散が防止され、またこ
の遮蔽板25と堆積槽21の溢流部21Aとの間に設けられた
グリズリ26によって特に粒径の大きい水砕カラミが除去
される。このため、冷却水や水砕カラミが飛び散った
り、粒径の大きい水砕カラミによって分離槽22内の水砕
カラミの押出しが阻害されるようなことはなく、円滑な
分離、回収を行うことが可能となる。
さらに本実施では、分離槽22内に設けられた衝立板27
により、分離槽22内を押し出される水砕カラミは縮幅せ
しめられてバケットコンベア11下端部へと押し出される
ので、より一層円滑な排出が行なわれるとともに、水砕
カラミの回収率の向上を図ることが可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば水砕カラミが流
下する樋の排出口に臨ませて堆積槽を設けることによ
り、水砕カラミの装入による衝撃が緩和され、装置にか
かる負担を最小限に抑えることが可能である。
これにより、装置の損傷という最悪の事態を防ぐこと
ができ、また保守、点検に要する労力をも抑えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示す縦断面図
および平面図である。 また第3図は、本発明に係わる銅の連続製錬装置の該略
図であり、また第4図および第5図は、このような装置
に用いられる従来の水砕カラミの分離回収装置の一例を
示す平面図および縦断面図である。 7……樋、7A……排出口、 11……バケットコンベア、 13……ベルトコンベア 21……堆積槽、21A……溢流部、 22……分離槽、22A……溢流部、 23……沈降槽、 24……シュート、25……遮蔽板、 26……グリズリ、27……衝立板、 28……排出ポンプ、29……排水ポンプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冶金炉より排出されたカラミを冷却水によ
    り破砕して生成される水砕カラミを前記冷却水から分離
    して回収する水砕カラミの分離回収装置において、 前記水砕カラミを移送する樋の排出口に臨む位置に該水
    砕カラミを堆積せしめる堆積槽を設け、 この堆積槽の溢流部に臨む位置に、該堆積槽より前記冷
    却水とともに溢流する水砕カラミを該冷却水から分離す
    る分離槽を設け、 さらにこの分離槽の溢流部に臨む位置に、該分離槽より
    前記冷却水とともに溢流した水砕カラミを該冷却水から
    沈降分離せしめる沈降槽を設けたことを特徴とする水砕
    カラミの分離回収装置。
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