JP2810233B2 - 生理学的流動シミュレーションのためのコンピュータ制御ポジティブ容積形ポンプ - Google Patents

生理学的流動シミュレーションのためのコンピュータ制御ポジティブ容積形ポンプ

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JP2810233B2 JP4504821A JP50482192A JP2810233B2 JP 2810233 B2 JP2810233 B2 JP 2810233B2 JP 4504821 A JP4504821 A JP 4504821A JP 50482192 A JP50482192 A JP 50482192A JP 2810233 B2 JP2810233 B2 JP 2810233B2
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ユニヴァーシティー ホスピタル (ロンドン) ディヴェロップメント コーポレーション
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、一般的には流動シミュエーション装置に関
するもので、より特殊的には生理学的疑似流動波形を生
成させるためのコンピュータ制御ポジティブ容積形ポン
プに関するものである。
〔発明の背景〕
血管血流力学の研究には、現実的な動脈血流波形を生
体外で再生できることが、非常に重要である。分岐と狭
窄を有する動脈模型における従来の流動性研究でも、疑
似の搏動性流動が広範に利用されている。これらの幾つ
かの模型において、流動の測定に以下のものを含む数多
くの様々な技術が用いられている。すなわち、(1)レ
ーザ・ドップラ流動速度測定法(Ku,D.N.およびGidden
s,D.P.著『頚動脈分岐模型における搏動性流動のレーザ
・ドップラ流体速度計による測定』(1987)バイオメカ
ニックス誌、20,407−421)、(2)ドップラ超音波(C
ho,Y.I.,Back,L.H.,Crawford,D.W.,Cuffel,R.F.著『平
滑管と、人のアテローム硬化冠動脈における搏動性流動
と定常流動の実験的研究』(1983)バイオメカニックス
誌、16,933−946)および(Fei,D.Y.Billian,C.,Rittge
rs,S.E.著『狭窄頚動脈分岐模型における流動力学の第
1部:基礎的速度測定』(1988)、医学・生物学におけ
る超音波誌、14,21−31)、(3)磁力共振(Evans,A.
J.,Hedlund,L.W.,Herfkens.,R.J.,Utz,J.A.,Farm,E.K.
著『制限フリップ角と傾斜再焦点反響を用いる動力学MR
Iによる定常および搏動性流動の評価』(1987)磁力共
振イメージング誌、5,475−482、および(4)デジタル
・ラジオグラフィ(Cunningham,I.A.,Yamada,S.,Hobbs,
B.B.,Fenster A.著『感光性半導体素子配列ベースの撮
像システムによる動脈血流の特性記述』(1989)Med.Ph
ys.,16,179−187) 生理学的搏動性流動についてはまた、組織灌流におけ
る搏動の果たす役割の研究をする必要がある(Tranmer,
B.I.,Gross,C.E.,Kindt,G.W.,Adey,G.R.著『搏動性対非
搏動性心臓血管研究』(1986)Med.& Biol.Eng.& C
omput.,22,86−89)。
最後に、動脈血流を模擬できることはまた、ドップラ
超音波のような血流測定の全ての診療技術の質の保証と
較正にとって、欠くべからざるものである、ことをここ
に記す。(McDicken,W.N.著『超音波ドップラ流動計器
の較正のための多用途検体』(1986)、医学および生物
学における超音波誌、26,245−249、およびShortland,
A.P.,Cochrane,T.,『生体外におけるドップラ分光波形
の生成:血管疾患・診断の支援』(1989)医学および生
物学における超音波、15,737−748)。
時変流動の研究調査に用いられていた従来の技術はほ
とんど全て、多くの心臓周期のゲート式収集を必要とし
たので、流動波形における周期対周期の時変性は、小さ
くなければならなかった。また、診療計器の絶対較正の
ために流動源が利用される、質の保証には、長期的安定
性が必要になる。したがって、血流シミュレータは、30
ml s-1のピーク時流量が報告されている(Marquis,C.,
Meister,J.−J.,Mooser,E.,およびMissoman,R,著『閉塞
後反応的充血中における共通大腿動脈血流変数のパルス
・ドップラ数値測定』(1985)、超音波診療誌、14,165
−170)抹消の脈管構造において、流動をシミュレート
するためには、広範囲の流量が得られなければならな
い。流動逆転のある波形を含む、様々な種類の搏動性波
形の生成が、容易にプログラムできなければならない。
また、シミュレータは、多くの実験的調査と較正手続き
の基礎として、連続的定常流動を生成できなければなら
ない。その上、ポンプ機構は気泡や空洞を生じないこと
が、非常に大事で、それは、気泡は流体の力学的特性を
変え、またこれらが存在すると、特に超音波計装器具で
は、測定による人工産物が生じる恐れがあるからであ
る。最後に、生理学的流動をシミュレートする装置は、
研究中に模型血管システムの抹消部の抵抗の変化によっ
て影響されないだけの充分な圧力を発生し得る、理想的
な発生源として機能しなければならない。
以下の例のように、多くの様々なポンプが上記の要件
を満たすものとして提案されており、また、Law,Y.F.,C
obbold,R.S.C.,Johnson,K.W.,Bascom,P.A.J.(1987)も
その論文『生理学的流動シミュレーションのためのコン
ピュータ制御搏動ポンプ・システム』Med.& Biol.En
g.& Compt.,25,590−595において、従来の全ての提案
の検討を行っている。従来の技術による装置をその基礎
的なポンプの種類にしたがって、簡略化して分類すれば
以下の3種類になる。すなわち、ギア・ポンプ、蠕動ポ
ンプ、またはピストン・ポンプである。
ギアポンプは、搏動性波形を発生させるために、用い
られてきた(Issartier,P.,Sioffi,M.,Pelisseer,R.,
(1978)の論文『流体力学的ジュネレータによる血流の
シミュレーション』Med.Prog.Technol.,6,39−40)。し
かしながら、この方法の欠点には、ギアの動きによって
生じる懸濁粒子の損傷とギャビテーションに対する感度
が高すぎる。
後ろ板の機械的操作またはローラのコンピュータ制御
によって、生理学的流動波形をシミュレートするため
に、改造蠕動ポンプが用いられる(Douville,Y.Johnsto
n,K.W.Kassam,M.,Zuech,P.,Cobbold,R.S.C.,Jares,A.,
(1983)の論文、『頚動脈ドップラ・スペクトル線幅の
研究のための生体外の模型とその応用』医学および生物
学における超音波誌、14,21−31,Law,Y.F.,Cobbold,R.
S.C.,Johnson,K.W.,Bascom,P.A.J.,(1987)の論文、
『生理学的流動シミュレーションのためのコンピュータ
制御搏動ポンプ・システム』Med,& Biol.Eng,& Com
pt..25,590−595)。しかし、この方法によっては、波
形の限定された部分集合しか形成されず、定常流動の生
成には適していない。また、この技術では、新しい波形
をプログラムすることや、逆流を作ることが困難であ
る。
抹消動脈血流をシミュレートするために、カム駆動ピ
ストン・ポンプが用いらえている(Kiyose,T.A.,Kusab
a,M.,Inokuchi,Y.,takamatsu,U.,(1977)の論文『抹消
動脈における血流の実験的模型シミュレーションのため
のポンプ・システムの開発』Fucuota Acta Med.,68,8
6−91、Appugliesse R.,Jares,A.,Kassam,M.,Johnston
K.W.,Cobbold,,R.S.C.,Hummel,R.L.,Arato,P,(198
0)を論文『ドップラ超音波に関する生体外における血
流力学研究のための搏動視覚化』Dig.8th Can,Biol.En
g.,konf.,3−4、およびPoots,K.,Cobbold,R.S.C.,John
ston,K.W.Appugliese,R.,Kassam,M.,Zuech,P.E.,Humme
l,R.L.(1986)の論文『ドップラ超音波に対する光互変
性染色適用の新しい搏動性流動視覚化法』Ann.Biodmed.
Eng.,14,203−218)。この種類のポンプも、新波形のプ
ログラミングする場合と定常流動を生成する場合に困難
が生じるという一般的な欠陥を共有している。
上述の流動シミュレータは全て、もう一つ別の大きな
欠点、すなわち、フィードバックを行い、出力波形を決
定するには、ある種の形の流動監視をなさなければなら
ないという問題がある。
Werneck,N.M.,Jones,N.B.,Morgon,J.,(1984)の論文
『心臓血管研究のためのフレキシブル流体シミュレー
タ』Med.& Biol.Eng.& Compt.,22,86−89、に報告
されている流動シミュレータの変形は、理想流動源とし
て動作するサーボ・モータ駆動ピストン・ポンプを用い
ている。この方法は、上述の各設計における限界の多く
を克服しているが、中断されない定常的流動の生成には
適していない。
〔発明の簡単な説明〕
本発明は、不定時間周期の定常流動と共に、逆流を含
む、生理学的血流波形を発生させるために、コンピュー
タ制御ポジティブ容積形ポンプを供するものである。
より特殊的には、本発明のポンプには、双方向流動口
を有するシリンダが備えられており、このシリンダは向
かい合っているその両端で4路弁の2つの口に接続さ
れ、さらに上記弁の残りの2つの口の一方は、流体を再
貯蔵するためのタンクに接続され、他方は出口に接続さ
れている。コンピュータ制御のステップモータによっ
て、シリンダ内のピストンが動き、流体の流れがシリン
ダの中へと、またはシリンダの外へと向かうよう正確に
制御される。ユーザ入力の流体の流動波形を受け、これ
に対する応答として、ステップモータおよび4路弁の動
作を制御し、生理学的疑似流動波形を発生させるため、
コンピュータが設置されている。シリンダ内ピストンの
各行程の終了時において、上記の弁は、シリンダ両端の
口の中へと、または外へと流体流動の方向を逆転させ、
そうすることによって、ユーザ入力の繰り返される連続
的周期の流体流動波形と同様に、定常流体流動の生成を
容易にするように、再配置することもできる。
〔図面の簡単な説明〕
以下の図面を参照しながら、本発明の実施例の詳細な
説明が後に行われる。
図1は、本発明に基づくポジティブ容積形ポンプの模
式的説明図である。
図2aと2bはそれぞれ、上記ポンプの好結果をもたらし
た実施例原型の側面図および背面図である。
図3は、本発明の実施例のホスト・コンピュータとマ
イクロ・ステップ制御装置のブロック線図である。
図4aと4bは、本発明の実施例にしたがったホスト・コ
ンピュータの動作を示す流れ線図である。
図5aと5bは、本発明の実施例にしたがったマイクロ・
ステップ制御装置の動作を示す流れ線図である。
図6aと6bはそれぞれ、測定流量対プログラム流量、お
よび残留誤差対プログラム流量を示すグラフである。
図7aは、人の大腿部の測定血流波形を示し、図7bは、
本発明の実施例のポンプによって生成された模擬血流波
形を示す。
図8aは、人の頚動脈から測定された血流波形を示し、
図8bは本発明の実施例のポンプによって生成された模擬
頚動脈血流波形を示す。
図9は、本発明を具体化したもう一つ別の実施例のポ
ジティブ容積形ポンプの模式的説明図である。
〔実施例の詳細な説明〕
本発明を具体化した実施例のコンピュータ制御ポジテ
ィブ容積形ポンプは、図1に模式的に示されている。上
記のポンプには、ピストン1(この実施例では直径6c
m)が備えられており、このピストンは、アクリル製の
管シリンダ5内に収められてい親ネジ3上で駆動され
る。ピストン1は、シリンダ5に対してOリング7によ
ってシールされ、ピストンの偏軸開口部を通る細い偏軸
シャフト9によって、シリンダ内で回転しないようにな
っている。親ネジ3は、コンピュータ制御ステップモー
タ11(カリフォルニア州カパティノ、コンピュモータ社
製)により回転される。このモータ11は、秒あたり8回
転までの回転速度で、0.5N−mのトルクを発生させる。
マイクロ・ステップモータ制御装置13は、モータ11に制
御信号を送り、このモータのシャフトの各回転はそれぞ
れ、25,000の個別マイクロステップに分けられる。親ネ
ジ3のピッチは、一つのマイクロステップによってポン
プ・シリンダ5からの移動が0.198μlだけ生じるよう
に、選択される。
本発明を具体化したこの実施例では、シリンダ5は、
450mlの有効行程容積の特性を有するが、最小の設計変
更でこの容積を大きくも、小さくもできる。マイクロ・
ステップモータ制御装置13は、ステップモータ11の動作
を制御するため、ホストコンピュータ15と共に働く。特
に、ユーザ入力流体流動波形がホストコンピュータ15に
入力される。ホストコンピュータ15内において、時間の
関数としての流量がまず数値化され、所与の時間間隔に
応じて内挿される。次に、モータ制御装置13がステップ
モータ11のシャフト回転を発生させ、所与の時間間隔ご
とに適当な量の流体を排出する。本発明のこの実施例で
は、制御装置の構造により、上記間隔は2ミリ秒か50ミ
リ秒までの間で選択可能である。一旦波形データが入れ
られれば、モータ制御装置13は、ホストコンピュータ15
からの命令がなくとも、予め設定された回数だけ完全な
波形を繰り返す。有効波形は、ステップモータ11の可能
なトルクとシリンダ5の有効容積によってのみ制限され
る。
4路スプール弁16(ミズーリ州ハイランド、ナマティ
クス社マーク7)は、ピストン1がシリンダ内において
その行程の端に達したとき、シリンダ5の向かい合った
両端において取り入れ路と排出路を交代させるために用
いられ、このようにして、ポンプは、ピストン1の一方
の側のシリンダ5の部分を再充填し、ピストン1の他方
の側のシリンダから流体を排出して、ほぼ100%のデュ
ーティサイクルを実現する。容易に逆流を発生させられ
るように、受動的逆止め弁ではなく、能動的な制御弁が
望ましい。
流体は、タンク17から弁16を経由して、シリンダ5に
供給される。タンク17には、磁気撹拌器19(図1に模式
的に図示されている)が挿入されていて、流体を常に撹
拌している。
本発明を具体化したポンプの好結果を得た原型は図2a
と2bに示されている。この原型装置は、ポンプ・アセブ
リ(弁16とモータ11を含む)と、モータ制御装置13およ
び25×50×50cm3の金属容器内のタンク17よりなる。図2
aの側面図は、タンク17、磁気撹拌器19、弁16およびモ
ータ制御ハードウェアを示している。撹拌器19は、テフ
ロンTMでコーティングするのが望ましく、回転可能な磁
石上に設置され、これによって連続的に回転され、流体
を撹拌する。図2bの背面図には、ポンプ・アセンブリ
が、その上部に取り付けられているモータ駆動装置45と
共に示されている。
図3においては、ハードウェアのブロック線図によっ
て、マイクロ・ステップモータ制御装置13のコンピュー
タ15のより詳細な説明がなされている。上述のように、
ポンプは、はめ込み式の80286ベースのホストコンピュ
ータ15によって制御されている。ホストコンピュータ
は、搭載の68008マイクルプロセッサを備えているモー
タ制御装置(カリフォルニア州、カパティノ、コンピュ
モータ社の型式PC−23)と情報を交わす。制御装置13は
また、スプール弁16に必要な制御信号を発生させ、補助
I/O接続21を経由してTTL論理パルスを生成しゲート式デ
ータ収集を可能にする ユーザ定義の波形データは、幾つかの方法のうちの任
意の一つを用いてホストコンピュータ15に入力できる。
たとえば、キーボード23より直接、ホストコンピュータ
15にデータを入れることができる。データは秒あたり数
ミリリットルの単位で、ある数の個別流動点からなり、
これは、望みの流動波形を表す。一つの流動波形を表す
ために、最大400までの点を入力できる。また、ユーザ
は時間間隔も入力でき、それは2ミリ秒から5ミリ秒ま
での範囲である。
また別の方法として、携帯LCD(液晶ディスプレイ)
遠隔操作装置25により直接、ホストコンピュータ15に入
力することもできる。この場合、上述の情報を含むデー
タは、キーパッドでユーザにより入力され、このキーパ
ッドを直列線27を経由してホストコンピュータ15と連結
している。
好結果を生んだ原型では、キーパッドとLCD遠隔制御
装置25は、液晶ディスプレイ付きのQTERM−IIの遠隔キ
ーパッドである。
さらに別の方法では、磁気媒体を経由して外部コンピ
ュータからデータを送ることもできる。この場合、上述
の情報を含むアスキーコード・データファイルが、外部
コンピュータによりフロッピーディスクに書き込まれ
る。次にこのディスクは、そのフロッピーディスク駆動
装置29を経由して、ホストコンピュータ15によって読み
取られる。
さらにもう一つの方法では、外部装置から波形データ
をRS−232シリアル通信線により転送することもでき
る。上述の情報を含むアスキーコード・データは周知の
方法で、RS−232シリアルリンク線から送られ、ホスト
コンピュータ15に受け入れられる。
最後に挙げる方法では、マウス(表示されていない)
のようなグラフィック・タブレットまたは指示装置を介
して、アナログ信号の形でユーザ波形データを直接、ホ
ストコンピュータ15に入力することも可能である。この
場合、波形はユーザにより入力され、波形の個々の表示
は、周知の容易に入手できるソフトウェアを用いて、ホ
ストコンピュータ15によってなされる。ユーザが望みの
流量と時間間隔のデータを入力すれば、ホストコンピュ
ータ15が秒あたりミリリットルの単位で、正しい波形を
計算する。
上述の周辺装置の他に、ホストコンピュータ15はま
た、周知の方法でビデオモニター33を内蔵している。さ
らに、圧力変換器35をアナログデジタル変換器37に接続
することもでき、このアナログデジタル変換器37は、後
により詳細に説明されるように、ポンプのフィードバッ
ク制御のために、ISA母線を介してホストコンピュータ1
5に接続されている。図2に示されているホストコンピ
ュータ15とマイクロステップ制御装置13は、ポンプを制
御するプロセスでそれぞれ異なる役割を果たしている。
ホストコンピュータ15は、ユーザにインタフェースを提
供する。このホストコンピュータ15は、キーボード23、
モニター33、遠隔制御装置25、フロッピーディスク駆動
装置29およびRS−232シリアル口31のような入力と出力
の各装置を制御する。その上、該ホストコンピュータ15
は、秒あたりミリリットルの単位で流動データをアスキ
ーコード書式データファイルから、マイクロステップ制
御装置13が実行できる命令に変換する。またこのホスト
コンピュータ15は、後により詳細に説明されるように、
圧力情報を得るため、アナログデジタル変換器37のよう
な追加の装置を作動させるためにも用いられる。
一方、マイクロステップ制御装置13は、ステップモー
タ11の回転速度を制御し、かつスプール弁16、心電計
(エレクトロカーディオグラフ、以下ECGと称する)出
力39および補助I/O接続21の状態を設定する。制御装置1
3はまた、後により詳細に説明されるように、シリンダ
5の向かい合った両端にある、左リミットスイッチ41と
右リミットスイッチ43の状態を監視する。マイクロステ
ップ制御装置13によって実行される指令は全て、ホスト
コンピュータ15から発信される。その結果、ユーザは、
キーボード23またはその他のインタフェースで、流体流
動波形を入力し、ポンプは、要求されている波形を生成
するため、適当な流体流動を発生させる。この点におい
て、マイクロステップ駆動装置45は、モータ11の運転を
制御するため、制御装置13からのデジタル指令信号を変
換する。本発明の好結果を得た原型では、駆動装置45
は、コンピュータ社のDB型マイクロステップ・モータ駆
動装置である。
図4aと4bを組み合わせた流れ線図には、ホストコンピ
ュータ15を通るデータと指令の流れが示されている。ホ
ストコンピュータ15によってなされる主な作業は、ユー
ザよりのデータと指令の収集と、マイクロステップ制御
装置13にとって実行可能な形にこのデータと指令を変換
することである。
図5aと図5bを組み合わせた図には、マイクロステップ
制御装置13を通るデータと指令の流れが示されている。
この制御装置13はホストコンピュータ15からの指令を全
て受け取る。そして、これらの指令は、直ちにか、また
はバッファに入れられるか、2つの方法のいずれかで実
行される。モータ速度、ECG状態および補助状態につい
ての指令は通常、バッファに入れられるが、運転停止お
よび時間間隔の設定に関する指令は、直ちに実行され
る。
図4aと4bの流れ線図に戻ると、ユーザ定義の流動波形
がまず、キーボード23、LCD遠隔制御装置25、RS−232ポ
ート31またはマウス/グラフィック・タブレットを介し
て、該システムに入力される(段階47)。データは、ア
スキーコード・テキストファイルとして構成され、さら
にこのデータには、秒あたりのミリリットル単位の流動
データおよびミリ秒単位の時間ベースに基づいて、要求
される流動の情報と構造パラメータが含まれている(段
階49)。
次に、ホストコンピュータ15内で走行しているソフト
ウェアによって、ユーザおよび/またはフロッピーディ
スク駆動装置からのデータと命令の収集が開始される
(段階51)。もしユーザが、受けたデータの保管を望む
ならば、そのデータをフロッピーディスク駆動装置29に
アスキーコード・テキストファイルとして保管すること
ができる(段階53と55)。
一方、ユーザが、ユーザ定義の流動波形を生成するた
めに、ポンプの始動を要求する場合、アスキーコード・
データはミリリットル/秒からモータ11の回転秒ごとの
マイクロステップ数を含む2つの配列に変換される(段
階57と59)。第1配列には、シリンダ5内の左から右に
ピストンを移動させるデータがあり、第2配列には、ピ
ストンを右から左に移動させるデータがある。
段階61では、スプール弁16、ECG出力39、補助ポート2
1の状態、および波形(すなわち波形ループ)の繰り返
し回数を制御するための、マイクロステップ制御装置13
に特有な指令が、ホストコンピュータ15によって生成さ
れる。
それから、リミットスイッチ41と43を使用許可にする
ため、マイクロステップ制御装置13にさらに指令が送ら
れる(段階63)。上述のように、リミットスイッチが使
用許可になり、そのスイッチ41と43のいずれか一つが作
動されれば、モータ11は直ちに停止される。
次に、ホストコンピュータ15は、モータ11の回転を開
始させるために、マイクロステップ制御装置13に命令を
送り、ポンプ・ピストンをシリンダ5内において左のリ
ミットスイッチ41の方向に移動させる(段階63)。さら
に、左のリミットスイッチ41が作動したことを制御装置
13が検出する(段階69)まで、ホストコンピュータ15
は、マイクロステップ制御装置13の状態を監視する(段
階67)。この手順は、当該システムの初期化のために要
求されるものである。
段階71において、リミットスイッチ41と43を使用禁止
にするため、マイクロステップ制御装置13に対する指令
がホストコンピュータ15によって生成される。
次に、ユーザ定義の時間間隔(すなわち、2ミリ秒〜
50ミリ秒)が、マイクロステップ制御装置13に転送され
る(段階73)。
さらに、ホストコンピュータ15からマイクロステップ
制御装置13に波形データが転送され、制御装置13のデー
タバッファに収められる(段階75)。このデータは、段
階59に関して前に説明した第1配列に相当するもので、
その結果、ピストン1はシリンダ5の左側からその右側
に移動させられる。
これが波形の第1ループであると、ホストコンピュー
タ15が確認すると(段階77)、制御装置13に貯蔵されて
いるバッファ入り指令の実行を開始させるため、制御装
置13に対し指令が発せられる(図5bについて後により詳
細な説明がなされる)。
この段階において、ユーザ定義の流動波形にしたがっ
て、ピストン1をシリンダ5の左側からその右側に移動
させるよう、制御装置13は必要な指令を実行する。ピス
トン1が、シリンダ5内において左から右にその行程の
最終に達すると、ホストコンピュータ15は、マイクロス
テップ制御装置13にさらに後続の波形データを送り、こ
のデータは再び制御装置13のデータバッファに収められ
る(段階81)。この後続データは、段階59に関して前に
説明した第2配列に相当するもので、その結果、ピスト
ン1はシリンダ5の右側からその左側に移動させられ
る。
段階75,77および81の周期は、ユーザがこのプロセス
を打ち切る指令を出さない限り、いつまでも繰り返され
る(段階83)。
このような停止または打ち切りの指令を受けると、ホ
ストコンピュータ15は、マイクロステップ制御装置13
に、モータ回転を停止し、指令バッファをクリアする指
令を送る(段階85)。
ホストコンピュータ15で走行している総合ソフトウェ
アは割込み駆動型で、いつまでも連続して走行する(す
なわち、電源が遮断されるまで)(段階86)。図5aに戻
って、マイクロステップ制御装置13内のソフトウェア・
プロセスをより詳細に説明する。ホストコンピュータ15
におけるソフトウェア走行の場合と同様に、制御される
ソフトウェアも割込み駆動型である。したがって、ソフ
トウェアは、割込みが受け入れられるまで、87として示
されているブロックを連続して起動させる(すなわち、
段階89または97)。ブロック87により行われる第1の機
能は、まずリミットスイッチ41と43の状態を調べること
である(段階89)。このリミットスイッチの内の一つが
始動されていれば(段階91)、かつ両リミットスイッチ
が使用許可状態であれば(段階93)、モータ回転は停止
される(段階95)。
ブロック87においてなされる第2の機能は、ホストコ
ンピュータ15よりの指令を検査することである(段階9
7)。ある指令が受け取られ(段階99)、かつその指令
が流動データ指令の形であれば(段階101)、そのとき
該指令は、制御装置13のためにデータバッファ内に収め
られる(段階103)。
一方、ホスト指令が、ECG、弁16または補助装置の状
態のいずれかに関係している場合(段階105)、この指
令も、指令バッファ内に収められる(段階(103)。
ホスト指令が状態のための要求である場合(段階10
7)、制御装置13は、状態の信号を生成し、ホストコン
ピュータ15に転送する(段階109)。
ホストコンピュータ15よりの指令が、時間間隔の設定
に関する場合(段階73参照)、制御装置13において、時
間間隔は、2ミリ秒と50ミリ秒の間に設定される(段階
111と113)。
ホストコンピュータよりの指令がモータ回転の停止に
関する場合(段階85参照)、制御装置13は、モータ11の
回転を停止する(段階115と117)。
ホストコンピュータからの指令がリミットスイッチ41
と43を使用許可にするか、または使用禁止にすることに
関する場合(段階119)、両リミットスイッチがソフト
ウェアによって無動作にさせられる(すなわち、使用禁
止される)か、または作動させられた(すなわち、使用
許可された)とき、モータ回転を停止するように、制御
装置13を介して両リミットスイッチがプログラムされる
(段階121)。
ホストコンピュータの指令がモータ回転の開始に関す
るものである場合(段階65参照)、制御装置13は、リミ
ットスイッチ41が作動させられるまで(このスイッチが
使用許可されていると仮定して)、モータ11の回転を駆
動する(段階123と125)。
そのほか、段階127と129に示されているように、ホス
トコンピュータの指令が、データバッファに貯蔵されて
いる指令の実行に関する場合(段階79参照)、ブロック
131に示されているバッファ入り指令が実行される。
特に、バッファ入り指令ブロック131内では、制御装
置13は、弁16からシリンダ5の一方の端まで両路の一方
を入口として構成するため、かつ弁16からシリンダ5の
反対側の端まで両路の他方を出口として構成するため、
スプール弁16の方向を設定する(段階133)。
次に、ステップモータ11の速度が設定され(段階13
5)、ECG制御ビットが設定され(段階137)、そして補
助制御ビットが設定される(段階139)。
このとき、ピストン1がシリンダ5内でその行程の最
後に達するまで、予め定められた回数だけ第1配列また
は第2配列のいずれか一つに含まれているデータにした
がって(段階141)、ユーザ入力の流動波形が実行され
る。要求されるループ数または繰り返しの回数は、前も
ってホストコンピュータ15により計算されている。シリ
ンダ5の一方の側から他方の側にピストンを移動させる
ために、一旦波形データを実行されると、モータの回転
は停止される(段階143)。流体流動波形の次の周期に
関する配列データを実行させるため、このプロセスは、
次のホストコンピュータ指令が受け取られると、繰り返
される(例えば、段階75または81)。
本発明のポンプは、研究および較正に用いられる多種
の模擬血液流体を使用することができる。この実施例で
は、平均直径20μmの微結晶セルロース散乱剤を含む油
乳濁液(たとえば、オンタリオ州ミシソガのアエラ・テ
ク社製の機械加工用半合成切削剤、Syn−cun GPTM
が、用いられている。この流体の音響速度と粘性は、水
で希釈して調整することができる。溶液を適当に希釈し
て、1550m/sの音響速度と0.03ストークス(22℃で)の
動粘性率にする。
別種の実施例としては、使用流体としてグリセロール
と水の混合液を用いることもできる。適当な比率(水5
に対してグリセロール4)で、この混合液の粘性は、血
液の粘性に近くなる(W.N.MoDkickenの論文『超音波ド
ップラ流動機器のための可転性試験対象』(1986)医学
および生物学における超音波誌、26,245−249ペー
ジ)、流体の塩分濃度は、電磁流量計の正確な作動を保
証するため、標準生理学的水準(重量比0.9%)に調整
される。適当な音響信号を与えるため、平均直径20μm
の微結晶セルロース粒子を加える(リットルあたり5
g)。好結果をもたらした実施例で、この粒子は、ミズ
リー州セントルイスのシグマ・ケミカル社製のSimacell
TM Type20が用いられている。
本発明を具体化して、好結果を得られた原型実施例で
は、定常的流量と搏動性波形の双方が確認された。
図6aと6bにおいては、秒あたり0.05から30ミリリット
ルの範囲にわたってプログラムされた流量に対する測定
出力流量が示されている。観測された流量は、全動作範
囲にわたって±0.08ml/sの範囲内に収まっている。特
に、図6aでは、プログラムされた流量に対する測定流量
は、最適適合線で示されている。図6bでは、図6aから最
適合を減じた後の残差誤差が表示されている。
本発明のコンピュータ制御ポンプはまた、互換性を確
認するため、診療ドップラ超音波機器を用いて試験され
た。図7と8において、測定データは、生体内測定にお
ける生理学的波形と比較した、模擬の頚動脈と大腿部の
波形のために示されているが、双方のケースにおいて、
模擬の生理学的波形と測定された生理学的波形には非常
な類似性が認められる。
特に、図7aには、人の大腿部の血流波形が示されてい
て、図7bには、本発明のポンプによって生成された模擬
大腿部流動波形が示されてる。同様に、図8aには、人の
頚動脈から実際の血流波形が示され、図8bには、模擬の
頚動脈流動波形が示されている。
結局、本発明にしたがったポンプは、搏動流動と定常
流の波形を発生させるために供せられる。本発明のポン
プは、制御弁16を備えるとともに、シリンダ5が入口/
出口の2相をもつことにより、定常流のためのほぼ100
%のデューティサイクルを有するような、従来の設計に
勝る利点をもっている。抹消血管系に特有な安定した流
量を再生するように、ポンプがプログラムされている場
合、弁切り替えの間隔は12秒で、観測された流動の断裂
時間に比して長い。弁16の切り替えとこれに関連するピ
ストン1の逆転は、ほとんど流れのない点またはゼロ流
動点でも生じ得るので、搏動性波形において検出される
0.4秒の流動障害は、あまり問題ではない。さらに、I/O
接続21よりのTTL出力信号は、流動混乱異常をデータ収
集から除外するために利用される。
開ループ動作は長時間非常に安定的であると観測され
ているので、本発明のポンプにおいては連続的フィード
バックの必要はない。最大流量はピストン直径と可能な
モータ・トルクにのみ左右されるので、本発明のポンプ
の基本設計は、より大きいか、より小さい流量を得るた
めに、簡単に修正できる。
本発明のポンプは、診療ドップラ超音波機器の絶対較
正に理想的である、その結果、絶対流動源になり、実際
の流量を測定するための計装を追加する必要がない。
本発明のその他の実施例や変形も可能である。たとえ
ば、図9には、水平に向かい合っているルーサイト製の
シリンダ5aと5b内でコンピュータ制御ステップモータ11
によって駆動される、ラックに取り付けられた2つのピ
ストン1aと1bに、単一のピスイトン1とシリンダ5が置
き換えられている、別種の実施例が示されている。モー
タ11とピストン1aと1b間の伝動装置は、ラックBとピニ
オン10の形になっている。ラックとピニオンのための歯
車変位により、一回のモータ・マイクロステップによっ
て、ポンプ・シリンダ5aと5bから0.510μlの排出が起
こる。図9の設計では、各シリンダ5aと5bは180ミリリ
ットルの有効行程容積を有しているが、最小の変更によ
ってより大きい量またはより小さい量が可能である。そ
の他の全ての点において、図9の別種の実施例は、図1
の実施例に関する上述の場合と同じような方法で作動す
る。
またその他の代替案や変形も考慮される。たとえば、
当該の実施例の設計に対する少しの変形のみが認めら
れ、ポンプにより供給される流量の範囲を簡単に変更で
きる。ピストン1の直径、親ネジ3のピッチおよび駆動
モータの寸法は、微小血管系の実験的研究に使用するた
め非常に小さい流量(たとえば、0.001ml/s〜0.1ml/s)
になるよう、構成することができる。一方、ピーク時の
大動脈血流に特有な、ずっと大きな流量(たとえば、10
ml/s〜200ml/s)を生成するために、より大きな構成要
素を利用することもできる。
アクリル製のポンプ駆動シリンダ5は、高圧を要求し
たり、溶剤、ケトンまたは弱酸に曝される応用例におい
て、ガラスやステンレス・スチールのような、その他の
適当な材料を作ることができる。さらに、ポンプ・シリ
ンダ5とタンク17は、加熱流体の処理を必要とする応用
例において、加熱抵抗素子によって一定の温度に維持さ
れる。
アナログデジタル変換器37を追加することにより、ポ
ンプ出力は外部圧力変換器35からのフィードバックによ
って制御可能になる。このようにして、ポンプは、一定
の圧力または搏動性圧力の波形を供するために、コンピ
ュータ制御圧力源として作動することができる。運転中
において、制御装置13が一旦ホストコンピュータ15から
指令を受けると、数秒から数分の間、ホストコンピュー
タ15からの後続の介入なしに、制御装置13は実行する。
この間、ホストコンピュータ15は自由に、変換器35より
受けた圧力データを数値化したり、このデータをコンピ
ュータ15の主記憶装置に貯蔵したり、もしくはディスク
に(すなわち、フロッピーディスクに駆動装置29を介し
て)保管したりできる。このデータは、制御装置13に送
られる指令を補正するのに利用でき、その結果、流動波
形は、運転中に修正することができる。
本発明のポンプは、高水準のコンピュータ制御と汎用
性の構造を有しているので、血流のシミュレーションと
いう主要な応用のほかに、様々な分野に応用できる。こ
うした応用の幾つかの例を以下に示す。
人の器官は、病院間の輸送中に輸血を必要とする。現
在これは定常流で行われているが、血液の搏動性が組織
灌流において一定の役割を果たすという指摘もある(Ta
rnmer,B.I.,Gross,C.E.,Kindt,G.W.,Adey,G.R.の論文
『急性脳虚血の処置における搏動性対非搏動性血流』
(1986)Neurosurgery誌、19,724−731頁参照)したが
って、本発明のポンプは、輸血に用いることができ、器
官の生存時間を延長することができる。また本発明のコ
ンピュータ制御ポンプは、生体において見られる血流波
形と非常によく似た血流波形で、心臓や腎臓のような摘
出器官を灌流するのに用いることができる。運搬の便の
ために、装置の寸法を縮小でき、電池で作動するように
変えることもできる。
人工心臓弁補綴装置の開発により、新しい設計の試験
が必要になっている。この試験は、時に加速された流量
で、圧力シミュレータと流動シミュレータを用いて行わ
れている。本発明のコンピュータ制御ポンプは、人の大
動脈に見られる血流波形と同様な範囲の血流波形を生成
するので、上記の機能を果たすことができる。人工心臓
弁補綴装置を試験するためのピーク時流量を増大させる
必要から生じる修正は、上述の通りである。
懸濁粒子にあまり損害を与えず、生理学的に正しい血
流波形を生成できる、本発明のポンプの性能によって、
さらに心室装置として利用することも可能である。外部
ポンプは、患者が手術を待っている間に、弱っている心
臓の負荷を軽減するものとして、知られている。本発明
のポンプは、適当な圧力変換器35に接続されて、心拍数
または血圧の変化に対応することができる。このような
心臓補助用外部ポンプの構造に用いられる材質は、血液
と適合していなければならず、装置の滅菌を可能にする
ものでなければならない。本発明のポンプにおける、上
記のような修正は全て、簡単に実施できる。
幾つかの工程で、特に化学工業において、生産中に少
量の触媒の制御された注入が必要になる。本発明のコン
ピュータ制御ポンプを用いれば、高温、高圧で、高い正
確度をもって流体を注入できる。シリンダとモータの設
計は、特定の応用に合わせて修正できるが、基本設計と
ソフトウェア制御は同じままである。各モータ制御装置
11は、3つの駆動モータを制御することができるので、
一つのポンプでいくつかの処理ステーションを制御する
ことができる。
本装置は高い正確度(±0.81ml/secの流量誤差と±0.
001mlの容積誤差)を有するので、パッケージ中におけ
る流体の正確な処理に理想的である。これは、材料費が
高い産業(すなわち、医薬産業)では特にそうである。
こうした応用においては、正確な量の流体のコンピュー
タ制御処理によって、本技術における大きなコスト削減
が可能になる。
本発明のコンピュータ制御ポンプは、弁16の出口に接
続されている流体シリンダと相まって、精密動作制御装
置として機能できる。流体処理における高い正確度は、
動作制御の高い正確度を生む。閉鎖空間または苛酷な環
境における動作制御のため、小型のシリンダを用いるこ
とができる。こうした場合でも基本コンピュータ制御ソ
フトウェアは変更されず、上記のように制御装置13によ
って最大限3つの流体シリンダが制御される。
以下に示されている特許請求の範囲から逸脱しない限
り、本発明のその他の修正も変更も可能である。
フロントページの続き (72)発明者 リッキー、ダニエル、ダブリュ. カナダ国 エヌ6エイチ 1イー2 オ ンタリオ州 ロンドン マウント プレ ザント ドライヴ 126 (72)発明者 ドランゴーヴァ、マリア カナダ国 エヌ6エイチ 1イー2 オ ンタリオ州 ロンドン マウント プレ ザント ドライヴ 126 (72)発明者 ミラー、ジョン カナダ国 エヌ6シー 3エックス8 オンタリオ州 ロンドン ライドアウト ストリート サウス 191 (72)発明者 フェンスター、アーロン カナダ国 エヌ6ジー 4エヌ9 オン タリオ州 ロンドン アンブルサイド ドライヴ 107 (56)参考文献 仏国特許公開2380585(FR,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G09B 23/28 F04B 49/06 311 F04B 23/02

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポジティブ容積形ポンプにおいて、 a)流体を貯蔵するタンク、 b)その両端から流体を受け入れ、かつ排出するための
    1本の管よりなるシリンダ手段、 c)前記流体を前記シリンダ手段の前記両端内に送入
    し、かつ前記シリンダ手段の前記両端から排出するため
    の前記シリンダ内のピストン手段、 d)前記タンクに接続されている入口、前記シリンダ手
    段の両端に接続されている1対の双方向口、および出口
    を有する4路弁、および e)時間の関数としての予め定められた流量で表現され
    たユーザの流動波形を受信し、これに応じて、前記4路
    弁を通って前記タンクから前記シリンダ手段の両端の一
    方へ、また、前記4路弁を通って前記シリンダ手段の両
    端の他方から前記出口へと、該ユーザ流動波形にしたが
    って流体の流れを供給するため、前記ピストンを移動さ
    せ、かつ、前記4路弁を構成する手段を備えているポジ
    ティブ容積形ポンプ。
  2. 【請求項2】前記受信のための手段は、さらに、 i)ステップモータの回転運動を前記ピストン手段の直
    線駆動運動に変えるため、ギアを介して該ピストン手段
    に接続されたッステップモータを備え、さらに ii)前記4路弁を構成し、また、予め定められた時間間
    隔にしたがって該ユーザ流動波形を数値化し、内挿し
    て、その上、これに応じて、予め定められた速度で前記
    ステップモータを回転させるため、制御信号を生成して
    前記ステップモータに伝送し、これにより、時間の関数
    として予め定められた流量で前記流体を排出するため、
    前記シリンダ内の該ピストン手段を移動させる制御手段
    を備えている請求項1記載のポジティブ容積形ポンプ。
  3. 【請求項3】前記制御手段はまた、 iii)前記ステップモータの時計回り回転の秒あたりマ
    イクロステップを表す第1の数値配列に、また、前記ス
    テップモータの反時計回り回転の秒あたりマイクロステ
    ップを表す第2の数値配列に、予め定められた前記流量
    を変換するホストコンピュータ、および iv)前記第1の数値は配列を受信し、これに応じて、前
    記シリンダ手段によって一方の方向に流体の流れが向か
    うよう前記4路弁を構成するため、第1の弁方向信号を
    生成し、かつ、転送し、さらに前記ステップモータの時
    計回り回転のため前記ステップモータに前記制御信号の
    最初の一つを生成し、かつ、転送し、その上、前記第2
    の数値配列を受信し、これに応じて、前記シリンダ手段
    によって他方の方向に流体流動が向かうよう前記4路弁
    を構成するため、第2の弁方向信号を生成し、かつ、転
    送し、さらに前記ステップモータの反時計回り回転のた
    め前記ステップモータに前記制御信号の第2の一つを生
    成し、かつ、転送するために、前記ホストコンピュー
    タ、前記4路弁および前記ステップモータに接続されて
    いるマイクロステップ制御装置を備えている請求項2記
    載のポジティブ容積形ポンプ。
  4. 【請求項4】前記シリンダ手段の両端への前記ピストン
    手段の運動を検出するため、またはそれに応じて、前記
    ステップモータの回転を直ちに停止させるための前記制
    御手段への信号を生成するための、該制御手段に接続さ
    れ、かつ、前記シリンダ手段の両端に位置する一対のリ
    ミットスイッチを備えている請求項2記載のポジティブ
    容積形ポンプ。
  5. 【請求項5】前記ステップモータの各回転は、25,000回
    の前記マイクロステップからなる請求項3記載のポジテ
    ィブ容積形ポンプ。
  6. 【請求項6】前記マイクロステップの1ステップはそれ
    ぞれ、前記流体の0.198μlの排出容積に相当する請求
    項5記載のポジティブ容積形ポンプ。
  7. 【請求項7】前記ステップモータは、秒あたり0ないし
    8回転の回転速度で、0.5N−mのトルクを生じる請求項
    2記載のポジティブ容積形ポンプ。
  8. 【請求項8】予め定められた前記時間間隔は、2msない
    し50msの範囲にある請求項2記載のポジティブ容積形ポ
    ンプ。
  9. 【請求項9】前記タンクはまた、前記流体を混合するた
    めの磁気撹拌器を備えている請求項1記載のポジティブ
    容積形ポンプ。
  10. 【請求項10】前記ユーザ流動波形を受け、入力するた
    めの前記手段に接続された、携帯キーパッド、コンピュ
    ータ・キーボードまたはデジタルデータ・インタフェー
    スのいずれか一つを備えている請求項1記載のポジティ
    ブ容積形ポンプ。
  11. 【請求項11】前記出口に接続され圧力変換器、またこ
    の圧力変換器に接続されたアナログデジタル変換器およ
    び前記ポンプのフィードバック制御を行うための前記ホ
    ストコンピュータを備えている請求項3記載のポジティ
    ブ容積形ポンプ。
  12. 【請求項12】前記シリンダ手段は、前記双方向口のそ
    れぞれにこのシリンダの両端において接続されているア
    クリル製の管と、前記両端の間に延びている偏軸シャフ
    トとを備えている請求項1記載のポジティブ容積形ポン
    プ。
  13. 【請求項13】前記ギアは、前記ステップモータに接続
    され、前記シリンダ手段の両端に延びている親ネジであ
    る請求項12記載のポジティブ容積形ポンプ。
  14. 【請求項14】前記親ネジが通る中央ネジ切り口と、前
    記シリンダ内で前記ピストン手段が回転しないように前
    記偏軸シャフトが通って延びている偏軸口とを有する環
    状ディスクが、前記ピストン手段に備えられている請求
    項13記載のポジティブ容積形ポンプ。
  15. 【請求項15】前記ステップモータの回転の1回のマイ
    クロステップが、0.198μlの流体排出容積に相当する
    ように、前記親ネジは予め定められたピッチ特性を有し
    ている請求項13記載のポジティブ容積形ポンプ。
  16. 【請求項16】前記管は、約450mlの有効行程容積特性
    を有している請求項12記載のポジテイブ容積形ポンプ。
  17. 【請求項17】前記シリンダ手段は、一対の水平に向か
    い合っているルーサイト製管よりなり、前記各管の一端
    は、それぞれ前記双方向口の一つに接続されている請求
    項1記載のポジティブ容積形ポンプ。
  18. 【請求項18】前記ギアはラックピニオン・ギアで、こ
    のギアにおいてこのピニオンは前記一対の管の中間にあ
    る前記ステップモータに接続されている請求項17記載の
    ポジティブ容積形ポンプ。
  19. 【請求項19】前記ピストン手段には、前記ラックの両
    端に接続され、前記一対の管の一つにそれぞれ設置され
    ている、一対の環状ディスクが備えられている請求項18
    記載のポジティブ容積形ポンプ。
  20. 【請求項20】前記流体として、平均直径が20マイクロ
    メータの微結晶セルロース散乱剤を含む油乳濁液よりな
    る流体が用いられる請求項1記載のポジティブ容積形ポ
    ンプ。
  21. 【請求項21】前記流体が22℃で0.03ストークの動粘性
    率になるように水で希釈され、その結果、1550m/secの
    音響速度とされている請求項20記載のポジティブ容積形
    ポンプ。
  22. 【請求項22】前記流体がグリセロール4に対して水5
    が含まれ、また、リットルあたり5gの平均直径20マイク
    ロメータの微結晶セルロース粒子を含む請求項1記載の
    ポジティブ容積形ポンプ。
  23. 【請求項23】前記流体が重量比約0.9%の塩分濃度水
    準に調整されている請求項22記載のポジティブ容積形ポ
    ンプ。
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