JP2808918B2 - 進行波管用遅波回路外囲器 - Google Patents
進行波管用遅波回路外囲器Info
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- JP2808918B2 JP2808918B2 JP10233291A JP10233291A JP2808918B2 JP 2808918 B2 JP2808918 B2 JP 2808918B2 JP 10233291 A JP10233291 A JP 10233291A JP 10233291 A JP10233291 A JP 10233291A JP 2808918 B2 JP2808918 B2 JP 2808918B2
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- wave circuit
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- magnetic metal
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、進行波管用遅波回路外
囲器に関し、特にその構造、製法および素材に関する。
囲器に関し、特にその構造、製法および素材に関する。
【０００２】
【従来の技術】ヘリックス型遅波回路を使用する進行波
管は、電子ビームを射出する電子銃、電子ビームと信号
との相互作用により信号を増幅するヘリックス型遅波回
路、増幅作用を終えた電子ビームを捕捉するコレクタ等
から構成されている。電子ビームがヘリックスを通過す
る時、電子ビームは空間電荷の影響により外側に拡がり
ヘリックスに衝突する。ヘリックスに衝突する電子の量
が多くなると、ヘリックス型遅波回路で信号の増幅に寄
与する電子の数が減少し、進行波管のエネルギー変換効
率は低下する。さらに電子ビームの衝突によりヘリック
スは高温に加熱され、多量のガスを放出してカソードの
劣化をまねいたり、ヘリックスが溶断して進行波管は動
作不能となる。このような不具合の発生を防止し、終始
一定の径に電子ビームを集束させるために周期磁界集束
装置が用いられる。
管は、電子ビームを射出する電子銃、電子ビームと信号
との相互作用により信号を増幅するヘリックス型遅波回
路、増幅作用を終えた電子ビームを捕捉するコレクタ等
から構成されている。電子ビームがヘリックスを通過す
る時、電子ビームは空間電荷の影響により外側に拡がり
ヘリックスに衝突する。ヘリックスに衝突する電子の量
が多くなると、ヘリックス型遅波回路で信号の増幅に寄
与する電子の数が減少し、進行波管のエネルギー変換効
率は低下する。さらに電子ビームの衝突によりヘリック
スは高温に加熱され、多量のガスを放出してカソードの
劣化をまねいたり、ヘリックスが溶断して進行波管は動
作不能となる。このような不具合の発生を防止し、終始
一定の径に電子ビームを集束させるために周期磁界集束
装置が用いられる。
【０００３】従来、周期磁界集束装置としては、図４に
示すように、非磁性金属管であるバレル６の内部に３本
の誘電体支柱８で支持された金属製のヘリックス９を挿
入固定し、バレル６の外周には、ワッシャ状の磁性金属
からなるポールピース５を複数個、遊動する状態で挿入
し、ポールピース５のそれぞれに挟まれた位置にワッシ
ャ状を分割した形状の永久磁石１０を嵌合させたものが
多く用いられている。図３は、従来の周期磁界集束装置
のなかの遅波回路外囲器７を形成する部分を表わした図
で、バレル６の外周に複数のポールピース５を遊動する
状態で挿入してある。ポールピース５は、周期磁界集束
装置の永久磁石１０の磁界を制御し、ヘリックス９の近
傍の磁束密度を高め、効率よく電子ビームを集束させる
働きを持つ。従って、バレル６に対するポールピース５
の寸法及び位置精度は、進行波管のエネルギー変換効率
を左右する大きな要因となる。
示すように、非磁性金属管であるバレル６の内部に３本
の誘電体支柱８で支持された金属製のヘリックス９を挿
入固定し、バレル６の外周には、ワッシャ状の磁性金属
からなるポールピース５を複数個、遊動する状態で挿入
し、ポールピース５のそれぞれに挟まれた位置にワッシ
ャ状を分割した形状の永久磁石１０を嵌合させたものが
多く用いられている。図３は、従来の周期磁界集束装置
のなかの遅波回路外囲器７を形成する部分を表わした図
で、バレル６の外周に複数のポールピース５を遊動する
状態で挿入してある。ポールピース５は、周期磁界集束
装置の永久磁石１０の磁界を制御し、ヘリックス９の近
傍の磁束密度を高め、効率よく電子ビームを集束させる
働きを持つ。従って、バレル６に対するポールピース５
の寸法及び位置精度は、進行波管のエネルギー変換効率
を左右する大きな要因となる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来の遅波回路
外囲器では、いかに部品の機械加工精度を高めたとして
も、ポールピースとバレルとの間には隙間が生ずる。こ
の隙間は、複数個並んだポールピースの互いの位置関係
に狂いを生じせしめ、周期磁界の乱れの原因となる。周
期磁界が乱れれば、ヘリックスに衝突する電子が増え、
電子ビーム軌道も乱されて、進行波管の変換効率は低下
する。
外囲器では、いかに部品の機械加工精度を高めたとして
も、ポールピースとバレルとの間には隙間が生ずる。こ
の隙間は、複数個並んだポールピースの互いの位置関係
に狂いを生じせしめ、周期磁界の乱れの原因となる。周
期磁界が乱れれば、ヘリックスに衝突する電子が増え、
電子ビーム軌道も乱されて、進行波管の変換効率は低下
する。
【０００５】更に、ポールピースは、バレル内部で発生
した熱を効率よく外部へ伝達放散する機能も持っている
が、ポールピースとバレルとの間に隙間が生ずれば、熱
伝達に支障をきたし、バレル内部の異常温度上昇、温度
の不均一などによりヘリックスのピッチの乱れや曲りの
原因となる。また、永久磁石の温度も不均一となり、永
久磁石の磁界強度に温度依存性があることから、磁界強
度の不均一の原因ともなり、いずれも電子ビームの進行
の妨げとなって、変換効率を低下させる。
した熱を効率よく外部へ伝達放散する機能も持っている
が、ポールピースとバレルとの間に隙間が生ずれば、熱
伝達に支障をきたし、バレル内部の異常温度上昇、温度
の不均一などによりヘリックスのピッチの乱れや曲りの
原因となる。また、永久磁石の温度も不均一となり、永
久磁石の磁界強度に温度依存性があることから、磁界強
度の不均一の原因ともなり、いずれも電子ビームの進行
の妨げとなって、変換効率を低下させる。
【０００６】これらの問題点があるため、従来の構造の
遅波回路外囲器は、安価で、容易に高精度な周期磁界集
束装置が得られるなどの利点がありながら、高周波数、
高効率を必要とする進行波管には、適用が困難とみなさ
れるようになってきた。
遅波回路外囲器は、安価で、容易に高精度な周期磁界集
束装置が得られるなどの利点がありながら、高周波数、
高効率を必要とする進行波管には、適用が困難とみなさ
れるようになってきた。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の遅波回路外囲器
は、素材としてポールピースを構成する磁性金属と、バ
レルを形成する非磁性金属とをクラッド化して一体とし
た金属管若しくは金属棒を用い永久磁石を嵌合させる位
置に対応する部分を除去した構造とし、ポールピースと
バレルとの嵌合による隙間を排除し、高効率進行波管で
の使用に耐えうるようにしたものである。
は、素材としてポールピースを構成する磁性金属と、バ
レルを形成する非磁性金属とをクラッド化して一体とし
た金属管若しくは金属棒を用い永久磁石を嵌合させる位
置に対応する部分を除去した構造とし、ポールピースと
バレルとの嵌合による隙間を排除し、高効率進行波管で
の使用に耐えうるようにしたものである。
【０００８】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は、本発明の一実施例の遅波回路外囲器の製作
に素材として用いた金属管を示す部分破断斜視図であ
る。図１において、金属管３は、中心部が内径１．８ｍ
ｍ、外径４．５ｍｍのモネルからなる非磁性金属層２で
あり、その外周に外径９ｍｍの純鉄からなる磁性金属層
１をクラッドにより一体化してある。金属管３は、まず
中心にプランジャを持つ型のプランジャの周囲に非磁性
ステンレス鋼の微粉末を、更にその周りに純鉄微粉末を
充填し加圧成型した後、炉内で加熱焼結させ、最後に熱
間押出し成型により所望の寸法としたものである。
る。図１は、本発明の一実施例の遅波回路外囲器の製作
に素材として用いた金属管を示す部分破断斜視図であ
る。図１において、金属管３は、中心部が内径１．８ｍ
ｍ、外径４．５ｍｍのモネルからなる非磁性金属層２で
あり、その外周に外径９ｍｍの純鉄からなる磁性金属層
１をクラッドにより一体化してある。金属管３は、まず
中心にプランジャを持つ型のプランジャの周囲に非磁性
ステンレス鋼の微粉末を、更にその周りに純鉄微粉末を
充填し加圧成型した後、炉内で加熱焼結させ、最後に熱
間押出し成型により所望の寸法としたものである。
【０００９】金属管３の外周を寸法精度を出すために切
削した後、図２に示すように、磁性金属層１の永久磁石
を嵌合させる位置に対応する切り込み除去部４を旋盤に
よって金属管３の軸方向に垂直に非磁性金属層２の外径
部まで切削し、ポールピース５を形成する。切削されず
に残った非磁性金属層２は、そのまま円筒状のバレル６
となり、遅波回路外囲器７が得られる。
削した後、図２に示すように、磁性金属層１の永久磁石
を嵌合させる位置に対応する切り込み除去部４を旋盤に
よって金属管３の軸方向に垂直に非磁性金属層２の外径
部まで切削し、ポールピース５を形成する。切削されず
に残った非磁性金属層２は、そのまま円筒状のバレル６
となり、遅波回路外囲器７が得られる。
【００１０】こうして得た遅波回路外囲器７の内部を寸
法精度を出すためにガンドリルによって研削し、次いで
図４に示した従来の周期磁界集束装置と同様に焼きばめ
法によって３本の誘電体支柱に保持されたヘリックスを
挿入し、外部のポールピース５のそれぞれの間に永久磁
石を挿入して周期磁界集束装置が完成する。
法精度を出すためにガンドリルによって研削し、次いで
図４に示した従来の周期磁界集束装置と同様に焼きばめ
法によって３本の誘電体支柱に保持されたヘリックスを
挿入し、外部のポールピース５のそれぞれの間に永久磁
石を挿入して周期磁界集束装置が完成する。
【００１１】以上の方法で得た周期磁界集束装置は、ポ
ールピースとバレルの間に全く隙間が存在せず、かつ極
めて強固に接合されているため、磁界分布の乱れを招く
ような寸法や温度の不均一がなくエネルギー変換効率の
高い進行波管に充分使用できるものである。
ールピースとバレルの間に全く隙間が存在せず、かつ極
めて強固に接合されているため、磁界分布の乱れを招く
ような寸法や温度の不均一がなくエネルギー変換効率の
高い進行波管に充分使用できるものである。
【００１２】なお、磁性金属層及び非磁性金属層の材料
の組み合わせは、上記の実施例に限られるものではな
く、例えば純鉄に非磁性金属としてステンレス鋼、銅、
キュプロニッケルなどを組み合わせたクラッド材は製造
が可能で有用である。
の組み合わせは、上記の実施例に限られるものではな
く、例えば純鉄に非磁性金属としてステンレス鋼、銅、
キュプロニッケルなどを組み合わせたクラッド材は製造
が可能で有用である。
【００１３】また、クラッド材の形状も管に限らず、例
えば円柱状の棒も放電加工やガンドリル等で中心軸部に
孔を開けることができ、かつ管より磁性金属層と非磁性
金属層との厚さの精度を出しやすいため、高い周波数帯
の進行波管の遅波回路外囲器として有用である。
えば円柱状の棒も放電加工やガンドリル等で中心軸部に
孔を開けることができ、かつ管より磁性金属層と非磁性
金属層との厚さの精度を出しやすいため、高い周波数帯
の進行波管の遅波回路外囲器として有用である。
【００１４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遅波回路外囲器の素材としてポールピースを構成する磁
性金属と、バレルを形成する非磁性金属とをクラッド化
して一体とした金属管若しくは金属棒を用いることによ
り、ポールピースとバレルとの嵌合による隙間を排除
し、高効率進行波管での使用に耐える遅波回路外囲器を
提供することができる。
遅波回路外囲器の素材としてポールピースを構成する磁
性金属と、バレルを形成する非磁性金属とをクラッド化
して一体とした金属管若しくは金属棒を用いることによ
り、ポールピースとバレルとの嵌合による隙間を排除
し、高効率進行波管での使用に耐える遅波回路外囲器を
提供することができる。
【図１】本発明の一実施例の素材となる金属管を示す部
分破断斜視図である。
分破断斜視図である。
【図２】本発明の一実施例の遅波回路外囲器を示す断面
図である。
図である。
【図３】従来の遅波回路外囲器を示す断面図である。
【図４】図３の遅波回路外囲器を用いて製作した周期磁
界集束装置を示す断面図である。
界集束装置を示す断面図である。
１ 磁性金属層 ２ 非磁性金属層 ３ 金属管 ４ 切り込み除去部 ５ ポールピース ６ バレル ７ 遅波回路外囲器 ８ 誘電体支柱 ９ ヘリックス １０ 永久磁石
Claims (1)
- 【請求項１】 軸方向の中心が非磁性金属層であり該非
磁性金属層の外周に磁性金属層を設けて一体化した金属
管もしくは金属棒を用い、該金属管もしくは金属棒に外
表面から前記非磁性金属層と前記磁性金属層との界面ま
で達する軸方向に垂直な切込み除去部を複数形成したこ
とを特徴とする進行波管用遅波回路外囲器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10233291A JP2808918B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 進行波管用遅波回路外囲器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10233291A JP2808918B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 進行波管用遅波回路外囲器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04332432A JPH04332432A (ja) | 1992-11-19 |
| JP2808918B2 true JP2808918B2 (ja) | 1998-10-08 |
Family
ID=14324568
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10233291A Expired - Fee Related JP2808918B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 進行波管用遅波回路外囲器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2808918B2 (ja) |
-
1991
- 1991-05-08 JP JP10233291A patent/JP2808918B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04332432A (ja) | 1992-11-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980630 |
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| S533 | Written request for registration of change of name |
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