JP2799890B2 - アリル基を有する芳香族化合物の製造方法 - Google Patents
アリル基を有する芳香族化合物の製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C6/00—Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a different number of carbon atoms by redistribution reactions
- C07C6/02—Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond
- C07C6/04—Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond at a carbon-to-carbon double bond
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアリル基を有する芳香族化合物の製造方法に
関し、さらに詳しくは、特定のメタセシス触媒の存在下
に、1−アリール−2−ブテン類とエチレンとをメタセ
シス反応させることによるアリル基を有する芳香族化合
物の製造方法に関する。
関し、さらに詳しくは、特定のメタセシス触媒の存在下
に、1−アリール−2−ブテン類とエチレンとをメタセ
シス反応させることによるアリル基を有する芳香族化合
物の製造方法に関する。
従来の技術 アリル基を有する芳香族化合物は各種オレフィン共重
合体のモノマーまたは医薬品、香料などの合成中間体な
どといて用いられうる有用な化合物である。従って、ア
リル基を有する芳香族化合物の安価でかつ効率のよい製
造方法の開発が望まれている。
合体のモノマーまたは医薬品、香料などの合成中間体な
どといて用いられうる有用な化合物である。従って、ア
リル基を有する芳香族化合物の安価でかつ効率のよい製
造方法の開発が望まれている。
ところで従来、アリル基を有する芳香族化合物、とく
にアリルベンゼンの製造方法として以下のようなものが
開示されている。
にアリルベンゼンの製造方法として以下のようなものが
開示されている。
(イ)ジアリルエーテルとフェニル水銀クロライドをLi
2PdCl4の存在下に24℃にて16時間反応させることによ
り、18.7%収率にてアリルベンゼンを製造する方法(米
国特許第3658917号明細書)。
2PdCl4の存在下に24℃にて16時間反応させることによ
り、18.7%収率にてアリルベンゼンを製造する方法(米
国特許第3658917号明細書)。
(ロ)ベンゼンとアリルクロライドを塩化第二銅の存在
下に、150℃、70気圧にて4時間反応させることによる
アリルベンゼンの製造方法(米国特許第3678122号明細
書)。
下に、150℃、70気圧にて4時間反応させることによる
アリルベンゼンの製造方法(米国特許第3678122号明細
書)。
(ハ)ベンゼンとアリルクロライドをシリカ担持タンタ
ル(V)クロライド触媒の存在下に、室温にて1時間反
応させることにより、アリルクロライドの転化率30%に
て、アリルベンゼンと2−クロロプロピルベンゼンの1:
1反応生成混合物を製造する方法(米国特許第4489212号
明細書)。
ル(V)クロライド触媒の存在下に、室温にて1時間反
応させることにより、アリルクロライドの転化率30%に
て、アリルベンゼンと2−クロロプロピルベンゼンの1:
1反応生成混合物を製造する方法(米国特許第4489212号
明細書)。
(ニ)アリルブロマイドとフェニルマグネシウムブロマ
イドをヨウ化銅(I)およびニトロベンゼンの存在下
に、テトラヒドロフラン溶媒中、リフラックス温度にて
30分間反応させることにより、収率82%にてアリルベン
ゼンを製造する方法(ジャーナル オブ オルガノメタ
リック ケミストリー(J.Organomet.Chem.)、第329巻
133〜138頁、1987年) などである。
イドをヨウ化銅(I)およびニトロベンゼンの存在下
に、テトラヒドロフラン溶媒中、リフラックス温度にて
30分間反応させることにより、収率82%にてアリルベン
ゼンを製造する方法(ジャーナル オブ オルガノメタ
リック ケミストリー(J.Organomet.Chem.)、第329巻
133〜138頁、1987年) などである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記に開示された(イ)〜(ハ)の製
造方法では、アリルベンゼンの選択率および/または収
率が低いとともにジアリルエーテルなどの工業的に利用
可能性も低い化合物を原料としたり、あるいは反応条件
が厳しいなどの問題点を有しており、工業的に利用可能
な製造技術を提供しているとは言えなかった。また上記
に開示された(ニ)の製造方法では、収率は高いもの
の、高価でかつ取り扱いの難しいグリニヤール試薬を使
用するため、工業的な実施が困難であるという問題点が
あった。
造方法では、アリルベンゼンの選択率および/または収
率が低いとともにジアリルエーテルなどの工業的に利用
可能性も低い化合物を原料としたり、あるいは反応条件
が厳しいなどの問題点を有しており、工業的に利用可能
な製造技術を提供しているとは言えなかった。また上記
に開示された(ニ)の製造方法では、収率は高いもの
の、高価でかつ取り扱いの難しいグリニヤール試薬を使
用するため、工業的な実施が困難であるという問題点が
あった。
また、従来、1−アリール−2−ブテン類とエチレン
とをメタセシス触媒の存在下に、メタセシス反応させて
アリル基を有する芳香族化合物を製造する方法は知られ
ていなかった。
とをメタセシス触媒の存在下に、メタセシス反応させて
アリル基を有する芳香族化合物を製造する方法は知られ
ていなかった。
本発明は、アリル基を有する芳香族化合物を製造する
に際して、収率が低い、工業的な実施可能性が低いとい
った従来技術に伴う問題点を解消しようとするものであ
り、アリル基を有する芳香族化合物の安価でかつ効率の
よい製造方法を提供することを目的としている。
に際して、収率が低い、工業的な実施可能性が低いとい
った従来技術に伴う問題点を解消しようとするものであ
り、アリル基を有する芳香族化合物の安価でかつ効率の
よい製造方法を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段 発明の要旨 本発明者らは、アリル基を有する芳香族化合物の製造
方法を種々検討する中で、特定のメタセシス触媒の存在
下に、1−アリール−2−ブテン類とエチレンとメタセ
シス反応させることにより、高選択率、高収率かつ温和
な条件下にアリル基を有する芳香族化合物を製造しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
方法を種々検討する中で、特定のメタセシス触媒の存在
下に、1−アリール−2−ブテン類とエチレンとメタセ
シス反応させることにより、高選択率、高収率かつ温和
な条件下にアリル基を有する芳香族化合物を製造しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 一般式〔I〕 〔式中、R1及びR2は、水素原子または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、R1とR2は相互に結合して6員以下の環
状をなしてもよい。〕 で表わされる1−アリール−2−ブテン類とエチレンと
を、レニウム、タングステンおよびモリブデンから選ば
れる少なくとも1種のメタセシス触媒の存在下に、メタ
セシス反応させることを特徴とする 一般式〔II〕 〔式中、R1及びR2は、前記と同意義。〕 で表わされるアリル基を有する芳香族化合物の製造方法 に関する。
ルキル基であり、R1とR2は相互に結合して6員以下の環
状をなしてもよい。〕 で表わされる1−アリール−2−ブテン類とエチレンと
を、レニウム、タングステンおよびモリブデンから選ば
れる少なくとも1種のメタセシス触媒の存在下に、メタ
セシス反応させることを特徴とする 一般式〔II〕 〔式中、R1及びR2は、前記と同意義。〕 で表わされるアリル基を有する芳香族化合物の製造方法 に関する。
以下、本発明に係るアリル基を有する芳香族化合物の
製造方法について具体的に説明する。
製造方法について具体的に説明する。
メタセシス反応 メタセシス反応とは、オレフィンの不均化反応、また
は複分解反応とも言われる下記式(i)で示されるよう
な反応である。メタセシス反応はメタセシス触媒の存在
下に行われる。
は複分解反応とも言われる下記式(i)で示されるよう
な反応である。メタセシス反応はメタセシス触媒の存在
下に行われる。
本発明に係る製造方法では下記式(ii)で示されるよ
うに、たとえば、原料として1−フェニル−2−ブテン
とエチレンを用いることにより、アリルベンゼンとプロ
ピレンが生成する。
うに、たとえば、原料として1−フェニル−2−ブテン
とエチレンを用いることにより、アリルベンゼンとプロ
ピレンが生成する。
また下記式よりも、アリルベンゼンが生成するととも
に、1,4−ジフェニル−2−ブテンおよび2−ブテンが
副生する。
に、1,4−ジフェニル−2−ブテンおよび2−ブテンが
副生する。
1−アリール−2−ブテン類 本発明に係る製造方法においては、レニウム、タング
ステンおよびモリブデンから選ばれる少なくとも1種の
メタセシス触媒の存在下に、下記一般式〔I〕で表わさ
れる1−アリール−2−ブテン類とエチレンとをメタセ
シス反応させることにより、アリル基を有する芳香族化
合物を製造する。
ステンおよびモリブデンから選ばれる少なくとも1種の
メタセシス触媒の存在下に、下記一般式〔I〕で表わさ
れる1−アリール−2−ブテン類とエチレンとをメタセ
シス反応させることにより、アリル基を有する芳香族化
合物を製造する。
〔式中、R1及びR2は、水素原子または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、R1とR2は相互に結合して6員以下の環
状をなしてもよい。〕 上記の1−アリール−2−ブテン類は、たとえば、ブ
レンストッフ ケミー(Brennstoff−Chemie)、1963
年、第44巻6号、175頁、に記載されるように、ベンゼ
ンとブタジエン(4/1モル比)を95%りん酸触媒下に、6
0〜65℃にて反応させることにより、また、たとえば、
ドクラディ アカデミー ナウクアゼルバイジャンスコ
イ エスエスアール(Dokl.Akad.Nauk.Azerb.SSR)、19
65年、第21巻2号、15頁に記載されるように、ベンゼ
ン、ブタジエンおよび70%硫酸(4/1/1モル比)を55℃
にて反応させることなどにより好収率にて得ることがで
きる。
ルキル基であり、R1とR2は相互に結合して6員以下の環
状をなしてもよい。〕 上記の1−アリール−2−ブテン類は、たとえば、ブ
レンストッフ ケミー(Brennstoff−Chemie)、1963
年、第44巻6号、175頁、に記載されるように、ベンゼ
ンとブタジエン(4/1モル比)を95%りん酸触媒下に、6
0〜65℃にて反応させることにより、また、たとえば、
ドクラディ アカデミー ナウクアゼルバイジャンスコ
イ エスエスアール(Dokl.Akad.Nauk.Azerb.SSR)、19
65年、第21巻2号、15頁に記載されるように、ベンゼ
ン、ブタジエンおよび70%硫酸(4/1/1モル比)を55℃
にて反応させることなどにより好収率にて得ることがで
きる。
上記の1−アリール−2−ブテン類としては、具体的
には、1−フェニル−2−ブテン、1−トリル−2−ブ
テン、1−キシリル−2−ブテン、1−テトラリル−2
−ブテンなどが挙げられるが、このうち、本発明に係る
製造方法においては、1−フェニル−2−ブテン、1−
トリル−2−ブテン、1−キシリル−2−ブテンの使用
が好ましい。
には、1−フェニル−2−ブテン、1−トリル−2−ブ
テン、1−キシリル−2−ブテン、1−テトラリル−2
−ブテンなどが挙げられるが、このうち、本発明に係る
製造方法においては、1−フェニル−2−ブテン、1−
トリル−2−ブテン、1−キシリル−2−ブテンの使用
が好ましい。
メタセシス触媒 本発明にかかる製造方法において用いられるレニウ
ム、タングステンおよびモリブテンから選ばれる少なく
とも1種のメタセシス触媒は、公知の不均一系、均一系
メタセシス触媒から反応形態に応じて選択して用いれば
よい。
ム、タングステンおよびモリブテンから選ばれる少なく
とも1種のメタセシス触媒は、公知の不均一系、均一系
メタセシス触媒から反応形態に応じて選択して用いれば
よい。
本発明では、液相不均一系および気相での反応に用い
るメタセシス触媒としては、Re2O7をAl2O3に担持した触
媒(以下、Re2O7/Al2O3と略す。)、Re2O7/V2O5−Al
2O3、Re2O7/MoO3−Al2O3、Re2O7/SiO2、MoO3/CoO−Al2O
3、WO3/SiO2、MoO3−Sn(CH3)4/Al2O3、W(CO)6−S
n(CH3)4/SiO2などが好ましく、また液相均一系でのメ
タセシス反応をメタセシス触媒としては、WCl6−EtOH−
EtAlCl2、Mo(NO)2Cl2〔P(C6H5)3〕2−EtAlCl2、
WOCl4EtAlCl2、W(CO)6−EtAlCl2−Sn(CH3)4、Mo
(CO)6−EtAlCl2−Sn(CH3)4、ReCl5−EtAlCl2など
が好ましく用いられる。
るメタセシス触媒としては、Re2O7をAl2O3に担持した触
媒(以下、Re2O7/Al2O3と略す。)、Re2O7/V2O5−Al
2O3、Re2O7/MoO3−Al2O3、Re2O7/SiO2、MoO3/CoO−Al2O
3、WO3/SiO2、MoO3−Sn(CH3)4/Al2O3、W(CO)6−S
n(CH3)4/SiO2などが好ましく、また液相均一系でのメ
タセシス反応をメタセシス触媒としては、WCl6−EtOH−
EtAlCl2、Mo(NO)2Cl2〔P(C6H5)3〕2−EtAlCl2、
WOCl4EtAlCl2、W(CO)6−EtAlCl2−Sn(CH3)4、Mo
(CO)6−EtAlCl2−Sn(CH3)4、ReCl5−EtAlCl2など
が好ましく用いられる。
また、上記の液相不均一系および気相で用いるメタセ
シス触媒は、メタセシス反応に供する前に触媒の前処理
を行うが、この前処理は、たとえば、流通系固定床反応
器に、上記の触媒を充填し、常圧、300〜600℃の条件下
において乾燥空気および/またはヘリウムガスなどの不
活性ガスをGHSV1,000〜100,000時間-1(常温・常圧)に
て数時間流通することにより行うことができる。
シス触媒は、メタセシス反応に供する前に触媒の前処理
を行うが、この前処理は、たとえば、流通系固定床反応
器に、上記の触媒を充填し、常圧、300〜600℃の条件下
において乾燥空気および/またはヘリウムガスなどの不
活性ガスをGHSV1,000〜100,000時間-1(常温・常圧)に
て数時間流通することにより行うことができる。
メタセシス反応条件 本発明に係るメタセシス反応は液相不均一系、液相均
一系または気相系反応のいずれにおいても行うことがで
きる。反応方式は、従来公知の回分式、半回分式または
固定床方式、移動床方式、流動床方式を含む連続式のい
ずれにても行うことができる。
一系または気相系反応のいずれにおいても行うことがで
きる。反応方式は、従来公知の回分式、半回分式または
固定床方式、移動床方式、流動床方式を含む連続式のい
ずれにても行うことができる。
本発明の液相反応では、たとえば、Re2O7/Al2O3触媒
を用いて回分式で行う場合には、反応温度0〜70℃、エ
チレン分圧1〜10kg/cm2Gにて行えばよい。また反応時
間は0.5〜5時間で充分である。液相反応に用いる溶媒
としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどが好まし
く用いられる。また、触媒の使用量は、1−アリール−
2−ブテン類1モルに対し、メタセシス触媒を1.0×10
-3〜0.1モル程度用いればよい。
を用いて回分式で行う場合には、反応温度0〜70℃、エ
チレン分圧1〜10kg/cm2Gにて行えばよい。また反応時
間は0.5〜5時間で充分である。液相反応に用いる溶媒
としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどが好まし
く用いられる。また、触媒の使用量は、1−アリール−
2−ブテン類1モルに対し、メタセシス触媒を1.0×10
-3〜0.1モル程度用いればよい。
本発明の気相反応では、たとえば、Re2O7/Al2O3触媒
を用いて、流通系固定床反応方式で行う場合には、1−
アリール−2−ブテン類およびエチレンの混合ガスと触
媒との接触時間を常温・常圧でのGHSVにて1,000〜20,00
0時間-1程度とすることが好ましい。
を用いて、流通系固定床反応方式で行う場合には、1−
アリール−2−ブテン類およびエチレンの混合ガスと触
媒との接触時間を常温・常圧でのGHSVにて1,000〜20,00
0時間-1程度とすることが好ましい。
また反応温度は50〜200℃程度であることが望まし
く、50℃未満では反応素度が遅くなるとともに、1−ア
リール−2−ブテン類の蒸気圧が低いためその供給量が
減少してしまうため、一方、200℃を超えると反応体で
ある1−アリール−2−ブテン類および生成物であるア
リル基を有する芳香族化合物の異性化などに基づく副反
応が起きるため、いずれも好ましくない。反応圧力は常
圧でも加圧下でもよい。
く、50℃未満では反応素度が遅くなるとともに、1−ア
リール−2−ブテン類の蒸気圧が低いためその供給量が
減少してしまうため、一方、200℃を超えると反応体で
ある1−アリール−2−ブテン類および生成物であるア
リル基を有する芳香族化合物の異性化などに基づく副反
応が起きるため、いずれも好ましくない。反応圧力は常
圧でも加圧下でもよい。
発明の効果 本発明の方法では、1−アリール−2−ブテン類およ
びエチレンを原料として用いて、アリル基を有する芳香
族化合物を製造するので、原料の工業的利用可能性が高
いとともに、安価にアリル基を有する芳香族化合物を製
造することができる。
びエチレンを原料として用いて、アリル基を有する芳香
族化合物を製造するので、原料の工業的利用可能性が高
いとともに、安価にアリル基を有する芳香族化合物を製
造することができる。
また、本発明の方法では、1−アリール−2−ブテン
類およびエチレンを原料として用いて、レニウム、タン
グステンまたはモリブデンから選ばれる少なくとも1種
のメタセシス触媒存在下のメタセシス反応にてアリル基
を有する芳香族化合物を製造するので、温和な条件下で
高選択率かつ好収率にてアリル基を有する芳香族化合物
を製造することができる。
類およびエチレンを原料として用いて、レニウム、タン
グステンまたはモリブデンから選ばれる少なくとも1種
のメタセシス触媒存在下のメタセシス反応にてアリル基
を有する芳香族化合物を製造するので、温和な条件下で
高選択率かつ好収率にてアリル基を有する芳香族化合物
を製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
れら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の%はとくに断わりがない限り重量基
準である。
準である。
実施例1 「触媒」第23巻2号、179頁、1981年に記載の方法に
準じて、Re2O7/Al2O3触媒(Re/Al原子比=5/95)を調製
した。試薬として七酸化レニウム(1gアンプル入り、三
津和化学製)および担体として活性アルミナを空気中、
600℃にて5時間焼成したものを使用した。上記で調製
した触媒2.5gを流通系固定床反応器に仕込み、乾燥空気
を50ml/分(常温・常圧)にて流通し510℃で1時間、さ
らにヘリウムガスを50ml/分(常温・常圧)にて流通
し、510℃で1時間焼成することにより触媒の前処理を
行った。
準じて、Re2O7/Al2O3触媒(Re/Al原子比=5/95)を調製
した。試薬として七酸化レニウム(1gアンプル入り、三
津和化学製)および担体として活性アルミナを空気中、
600℃にて5時間焼成したものを使用した。上記で調製
した触媒2.5gを流通系固定床反応器に仕込み、乾燥空気
を50ml/分(常温・常圧)にて流通し510℃で1時間、さ
らにヘリウムガスを50ml/分(常温・常圧)にて流通
し、510℃で1時間焼成することにより触媒の前処理を
行った。
内容積300mlのガラス製オートクレーブに、上記の前
処理を行った触媒および溶媒として脱水精製したn−ヘ
キサ100mlを仕込み、50℃に加熱して撹拌下にエチレン
を導入し、系を5kg/cm2Gに加圧した。その後、オートク
レーブに1−フェニル−2−ブテン8.5gを導入し、撹拌
下、50℃にて3時間、液相不均一系でのメタセシス反応
を行った。
処理を行った触媒および溶媒として脱水精製したn−ヘ
キサ100mlを仕込み、50℃に加熱して撹拌下にエチレン
を導入し、系を5kg/cm2Gに加圧した。その後、オートク
レーブに1−フェニル−2−ブテン8.5gを導入し、撹拌
下、50℃にて3時間、液相不均一系でのメタセシス反応
を行った。
反応終了後、反応生成物から触媒を濾別し、有機層の
エチルベンゼンを内部標準とするガスクロマトグラフ分
析を行った。
エチルベンゼンを内部標準とするガスクロマトグラフ分
析を行った。
その結果、1−フェニル−2−ブテンの転化率が32.8
%であり、アリルベンゼンの収率が21.0%であることが
判った。なお副生物である1,4−ジフェニル−2−ブテ
ンの収率は11.8%であった。
%であり、アリルベンゼンの収率が21.0%であることが
判った。なお副生物である1,4−ジフェニル−2−ブテ
ンの収率は11.8%であった。
実施例2 反応原料として1−フェニル−2−ブテンに代えて1
−トリル−2−ブテンを用いたこと以外は、実施例1と
同様にして、触媒の調製、触媒の前処理、メタセシス反
応およびガスクロマトグラフ分析を行った。
−トリル−2−ブテンを用いたこと以外は、実施例1と
同様にして、触媒の調製、触媒の前処理、メタセシス反
応およびガスクロマトグラフ分析を行った。
その結果、1−トリル−2−ブテンの転化率が25.6%
であり、アリルトルエンの収率が17.3%であることが判
った。なお、副生物である1,4−ジトリル−2−ブテン
の収率は8.3%であった。
であり、アリルトルエンの収率が17.3%であることが判
った。なお、副生物である1,4−ジトリル−2−ブテン
の収率は8.3%であった。
実施例3 実施例1と同様にして、Re2O7/Al2O3触媒(Re/Al原子
比=1/99)を調製し、調製した触媒0.3gを実施例1と同
様にして前処理した。
比=1/99)を調製し、調製した触媒0.3gを実施例1と同
様にして前処理した。
その後、流通系固定床反応器の内部温度を100℃に保
ち、大気圧にてヘリウムガス100ml/分(常温・常圧)お
よびエチレンガス40ml/分(常温・常圧)を別々に流通
系固定床反応器に供給し、さらにヘリウムガスをコック
操作により1−フェニル−2−ブテンを充填した気化器
に導入し、1−フェニル−2−ブテン蒸気0.89ml/分
(常温・常圧)をヘリウムガスとともに流通系固定床反
応器に供給することにより気相でのメタセシス反応を行
った。この時の1−フェニル−2−ブテン蒸気とエチレ
ンガスの流通系固定床反応器への仕込比はモル比にて1/
45であった。触媒層通過後の気体をメタノールを溶媒と
するトラップにて補集し、エチルベンゼンを内部標準と
してガスクロマトグラフ分析を行った。
ち、大気圧にてヘリウムガス100ml/分(常温・常圧)お
よびエチレンガス40ml/分(常温・常圧)を別々に流通
系固定床反応器に供給し、さらにヘリウムガスをコック
操作により1−フェニル−2−ブテンを充填した気化器
に導入し、1−フェニル−2−ブテン蒸気0.89ml/分
(常温・常圧)をヘリウムガスとともに流通系固定床反
応器に供給することにより気相でのメタセシス反応を行
った。この時の1−フェニル−2−ブテン蒸気とエチレ
ンガスの流通系固定床反応器への仕込比はモル比にて1/
45であった。触媒層通過後の気体をメタノールを溶媒と
するトラップにて補集し、エチルベンゼンを内部標準と
してガスクロマトグラフ分析を行った。
その結果、1−フェニル−2−ブテンの転化率が31.0
%であり、アリルベンゼンの選択率が96.0%であり、ア
リルベンゼンの収率が29.8%であることが判った。
%であり、アリルベンゼンの選択率が96.0%であり、ア
リルベンゼンの収率が29.8%であることが判った。
実施例4 内容積300mlのガラス製オートクレーブに、溶媒とし
て乾燥精製したベンゼン100ml、1−フェニル−2−ブ
テン10g並びに触媒として各々0.05モル/濃度のWCl6
−エタノール(WCl6/エタノール=1/1モル比)のベンゼ
ン溶液15mlおよび0.2モル/濃度のEtAlCl2のベンゼン
溶液15mlを仕込み、撹拌下にエチレンを導入して系を5k
g/cm2Gに加圧することにより液相均一系でのメタセシス
反応を行った。反応は、撹拌下、室温にて1時間継続
し、オートクレーブにメタノールを加えることにより反
応を停止した。
て乾燥精製したベンゼン100ml、1−フェニル−2−ブ
テン10g並びに触媒として各々0.05モル/濃度のWCl6
−エタノール(WCl6/エタノール=1/1モル比)のベンゼ
ン溶液15mlおよび0.2モル/濃度のEtAlCl2のベンゼン
溶液15mlを仕込み、撹拌下にエチレンを導入して系を5k
g/cm2Gに加圧することにより液相均一系でのメタセシス
反応を行った。反応は、撹拌下、室温にて1時間継続
し、オートクレーブにメタノールを加えることにより反
応を停止した。
反応終了後、ガスクロマトグラフ分析を行った。
その結果、1−フェニル−2−ブテンの転化率が18.5
%であり、アリルベンゼンの収率が13.7%であることが
判った。なお副生物である1,4−ジフェニル2−ブテン
の収率は4.8%であった。
%であり、アリルベンゼンの収率が13.7%であることが
判った。なお副生物である1,4−ジフェニル2−ブテン
の収率は4.8%であった。
実施例5 触媒として、0.05モル/濃度のMo(NO)2Cl〔P(C
6H5)3〕2のベンゼン溶液15mlおよび0.2モル/濃度
のEtAlCl2のベンゼン溶液15mlを用いたこと以外は、実
施例4と同様にして、液相均一系でのメタセシス反応を
行った。
6H5)3〕2のベンゼン溶液15mlおよび0.2モル/濃度
のEtAlCl2のベンゼン溶液15mlを用いたこと以外は、実
施例4と同様にして、液相均一系でのメタセシス反応を
行った。
その結果、1−フェニル−2−ブテンの転化率が36.4
%であり、アリルベンゼンの収率が26.9%であることが
判った。なお副生物である1,4−ジフェニル−2−ブテ
ンの収率は9.5%であった。
%であり、アリルベンゼンの収率が26.9%であることが
判った。なお副生物である1,4−ジフェニル−2−ブテ
ンの収率は9.5%であった。
比較例1 触媒としてNb2O5/SiO2触媒を用いたこと以外は実施例
1と同様の条件で触媒の前処理および液相不均一系での
メタセシス反応を行ったが、反応は全く進行しなかっ
た。従って、反応温度を50℃から150℃に上昇してさら
に3時間反応を継続したところ、原料である1−フェニ
ル−2−ブテンの異性化反応のみが起こり、アリルベン
ゼンの生成は認められなかった。
1と同様の条件で触媒の前処理および液相不均一系での
メタセシス反応を行ったが、反応は全く進行しなかっ
た。従って、反応温度を50℃から150℃に上昇してさら
に3時間反応を継続したところ、原料である1−フェニ
ル−2−ブテンの異性化反応のみが起こり、アリルベン
ゼンの生成は認められなかった。
比較例2 触媒としてSmCl3−EtAlCl2触媒を用いたこと以外は実
施例4と同様の条件で、液相均一系でのメタセシス反応
を行ったが、アリルベンゼンの生成は認められなかっ
た。
施例4と同様の条件で、液相均一系でのメタセシス反応
を行ったが、アリルベンゼンの生成は認められなかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B01J 31/34 B01J 31/34 X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭46−1664(JP,A) 特開 昭63−275531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 15/40,6/04
Claims (1)
- 【請求項1】一般式〔I〕 〔式中、R1及びR2は、水素原子または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、R1とR2は相互に結合して6員以下の環
状をなしてもよい。〕 で表される1−アリール−2−ブテン類とエチレンとを
レニウム、タングステン、及びモリブデンからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のメタセシス触媒の存在下
に、メタセシス反応させることを特徴とする 一般式〔II〕 〔式中、R1及びR2は、前記と同意義。〕 で表されるアリル基を有する芳香族化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1292239A JP2799890B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | アリル基を有する芳香族化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1292239A JP2799890B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | アリル基を有する芳香族化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03153639A JPH03153639A (ja) | 1991-07-01 |
JP2799890B2 true JP2799890B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=17779270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1292239A Expired - Lifetime JP2799890B2 (ja) | 1989-11-13 | 1989-11-13 | アリル基を有する芳香族化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2799890B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0757738B2 (ja) * | 1987-05-06 | 1995-06-21 | 日本石油化学株式会社 | 4−イソブチルスチレンの製造方法 |
-
1989
- 1989-11-13 JP JP1292239A patent/JP2799890B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03153639A (ja) | 1991-07-01 |
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