JP2790415B2 - 粒子の表面ぬれ特性の測定方法とその装置 - Google Patents

粒子の表面ぬれ特性の測定方法とその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粒子の表面ぬれ特性
の測定方法とそのための測定装置に関するものである。
さらに詳しくは、この発明は、鉱業、金属産業、化学薬
品工業、食品産業、マイクロエレクトロニクス、印刷産
業、繊維高分子産業、プラスチック産業、機械工業、バ
イオテクノロジー、化粧品産業等の広範囲な産業分野に
おける固体粒子や気泡等の液体へのぬれ特性の測定に有
用な新しい測定方法とそのための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、鉱業における粉体
や微粒子の浮遊選鉱のモニターや制御、金属産業におけ
る金属微粒子の表面の特性測定、化学薬品工業における
化学物質、炭素物質および顆粒などの表面物性の計測と
制御、食品産業における食品界面のぬれ特性の計測と制
御、マイクロエレクトロニクスにおける高分子レジスト
の表面特性計測、印刷産業における顔料や染料粒子のぬ
れ特性の計測、繊維高分子産業における繊維原料や高分
子顆粒のぬれ特性の計測、プラスチック産業におけるプ
ラスチック原料粉体の表面特性の計測、機械工業におけ
る潤滑剤顆粒のぬれ特性の計測、バイオテクノロジーに
おける生体物質顆粒のぬれ特性の計測、および、化粧品
産業における化粧品粒子のぬれ特性の計測など、あらゆ
る産業分野において粒子や気泡の液体への表面ぬれ特性
の測定が行なわれている。
【0003】一般に物体のぬれ易さはぬれの付着エネル
ギー(W)で決定されるが、このエネルギー(W)は、
液体の自由表面での表面張力γと液体の物体に対する接
触角θから、W=γ(1+cosθ)の式によって決定
される。液体の表面張力は、文献値が存在し、また、簡
単な直接測定が可能であるが、接触角θは、対象物体毎
に測定されるのが普通である。
【0004】このようなぬれ特性の測定に関しては、一
般的に大きな固体面の液体へのぬれ特性の測定の場合に
は、古くから顕微鏡等の光学系を用いて、物体上の液滴
のぬれ角を直接測定する方法が知られている。しかしな
がら、固体粒子や気泡等の表面積の小さな粒子のぬれ特
性の測定の場合は、この方法の実際的適用は難しく、精
度の高いぬれ角の測定が技術的に不可能であった。
【0005】このため、従来では、このような固体粒子
や気泡等の表面積の小さな粒子のぬれ特性を求める場合
には、間接測定法を用いて算出している。その方法は、
粒子をタブレット状に固め、適当な液体を外圧によりタ
ブレット中の穴を通過させ、その時の外圧と流速の関係
から、液体の粒子への付着エネルギー、従ってぬれ角を
算出するものである。
【0006】しかしながら、このような間接測定法につ
いては、実際の粒子の穴は種々のサイズと形状の分布を
持つが、計算の都合上それらを同じ穴径のトンネルとし
て近似的に解析しているため、その算出値には大きな誤
差が存在することが指摘されている。また、このような
間接測定値を用いた実際の測定では、粒子を固めるため
に圧力をかけるので粉体や微粒子中の表面にきずがつい
たり、さらには形が歪んだりしているが、この間接測定
法における算出値においては、このような影響を考慮に
入れていない。さらに、この間接測定法においては、タ
ブレット状に固まらない柔らかい固体粒子や気泡への適
用は不可能であり、間接測定法の適用にはおのずと限界
があった。
【0007】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来技術の問題点を解消し、固体粒
子や気泡等のサイズ、形状、表面のきずや歪みなどの個
々の粒子の物理的ファクターに関係なく、汎用性の高い
高精度な粒子の表面ぬれ特性の測定方法とそのための装
置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、円筒容器内に液体を満たし、粒
子をその液体に接触させた状態で、液体面の高低差と容
器壁面と粒子中心までの距離を計測し、計測された多数
の実測値より次式 (H:液体面の高低差、S:容器壁面と粒子中心までの
距離、Q:毛管電荷、 rc:液体接触線半径、q:毛管
定数、k 1 :1次の変形ベッセル関数)で理論値として
の液体面の高低差を求め、実測値の液体面の高低差との
差を、次式 の回帰関数として求め、その値が最小となった場合とし
毛管電荷と接触部での液周辺の半径を決定し、この毛
管電荷と液周辺半径とから粒子表面での接触部の水平の
傾きを決定し、さらに、この水平傾きと粒子の真半径と
からぬれ角を算出することを特徴とする粒子の表面ぬれ
特性の測定方法を提供する。
【0009】そして、この発明においては、上記ぬれ角
算出方法を実現するための測定装置をも提供し、この測
定装置は、液体保持用の円筒容器と液体の注入・取出し
手段とともに、液面高さの計測手段および液体に接する
微粒子の径と円筒容器壁から粒子中心までの距離を計測
する光学手段とを備えてなることを特徴としている。ま
た、この発明は、上記の測定方法と類似のものとして、
より簡便な測定を可能とする方法と、そのための装置を
も提供する。
【0010】すなわち、この方法は、円筒容器内に液体
を満たし、粒子をその液体に接触させた状態で、壁体を
容器内の液体表面に接触させ、その壁体の接触位置を垂
直方向および水平方向に変化させ、液面と壁体接触端部
との高低差または粒子と壁体接触端部との縦平衡距離お
よび粒子と壁体接触端部の横平衡距離を計測し、計測さ
れた多数の実測値より次式 (H:液体面の高低差、S:容器壁面と粒子中心までの
距離、Q:毛管電荷、 c :液体接触線半径、q:毛管
定数、k 1 :1次の変形ベッセル関数)で理論値として
の液体面の高低差を求め、実測値の液体面の高低差との
差を、次式 の回帰関数として求め、その値が最小となった場合とし
毛管電荷と液体接触線周辺半径を決定し、この毛管電
荷と液周辺半径とから粒子表面での接触部の水平の傾き
を決定し、さらに、この水平傾きと粒子の液周辺半径お
よび真半径とからぬれ角を算出することを特徴としてい
る。
【0011】従って、この測定方法のための装置は、壁
体の垂直および水平方向への移動手段を備えてもいる。
【0012】
【作用】さらに詳しく説明すると、この発明において
は、たとえば図1に例示したように、円筒容器(1)に
満たした液体の表面高低差(H)、そして粒子(2)中
心と円筒容器(1)の液体接触壁面との距離(S)をま
ず測定する。この図1において、円筒容器(1)に満た
した液体(I)はぬれ特性を調べるための液体(水、ア
ルコール等)であり、媒体(II)は空気、ヘリウム等の
雰囲気ガスである。そして、図1(a)は液体より重い
比重を有する粒子のぬれ角を算出するときの界面の状態
を、図1(b)は液体より軽い比重を有する粒子のぬれ
角を算出するときの界面の状態を模式的に示している。
すなわち、図1(a)では粒子は液体の表面張力により
浮いており一方、図1(b)では、粒子は自らの浮力に
より浮いている。両者ともに液体面の高低差(H)を変
化させる。この時の円筒容器(1)の壁面からの距離
(S)を実測する。
【0013】この発明の方法により、数ミリメータから
数十マイクロメータの固体粒子や気泡について、固さや
比重を問わず、ほぼ球形であれば、さらには対称形であ
れば液体とのぬれ角を算出することが可能となる。また
さらに、この発明の方法は、液体に浮く固体粒子や液
滴、気泡であれば任意の種類のものに適用することがで
きる。たとえば、ビールの泡などの気泡においてもぬれ
角を算出することが可能である。
【0014】また表面の粗さについても特に限定はな
い。そしてまた、この発明においては、測定は、以下の
手順に従う。すなわち、円筒容器(1)内の固体粒子や
気泡等からなる粒子(2)は、凸状または凹状に変形し
た液体界面において、重力または浮力により円筒容器
(1)の壁面に向かう力と、表面張力由来の壁−粒子間
の斥力(毛管力)との2つの異なる力の釣合により、円
筒容器(1)の壁から一定の距離を保つ。
【0015】図2に模式的に示したように、液体界面に
浮いた粒子は、液体面と定まった角度α(ぬれ角)で接
する。ぬれ角は前述したように、液体と粒子のぬれ特性
の一般的指標であり、対象毎に定まる定数である。重力
または浮力と表面張力とのバランスにより、このぬれ角
αを一定に保ったまま粒子の重力と液面の相対位置が変
わる。粒子表面での接触部の水平からの傾き角をΨc
し、また接触部での液周辺の半径をrcとすると、これ
らの間には以下の関係が成立する。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】
【0018】
【数3】
【0019】
【数4】
【0020】
【数5】
【0021】ここで、γI IIは相(I)と相(II)の界
面の表面張力、ρP は粒子密度、ρ I は相(I)の密
度、ρIIは相(II)の密度、gは重力加速度、qは毛管
定数、Qは毛管力における一種の荷電量(毛管電荷)で
ある。上記の式(1)〜(5)において事前にわかる実
験量はR(粒子径)、γI II(表面張力)、ρP
ρI 、ρII、g、およびqであり、未知数はrc (液体
接触線周辺半径)、Ψc (水平傾き角)、α(ぬれ
角)、およびQ(毛管電荷)である。
【0022】これらの未知数を求めるには、式(1)〜
(5)の他に、もうひとつこれらの間の関係を与える関
係式が必要となる。図1(a)から明らかなように、重
い粒子ではΨc >0となり、図1(b)に示したよう
に、軽い粒子ではΨc <0となる傾向がある。重い粒
子、軽い粒子というのは、このΨc が正か負かを指し、
これは必ずしも固体粒子や気泡等の粒子の比重ρP と液
体の比重ρI との大小関係を意味していない。
【0023】十分大きな(毛管距離、1/q、より大、
水では1/q〜3mm)円筒容器(1)巾で、前記の二
種の力のバランスにより、粒子(2)は円筒容器(1)
の壁からの距離(S)の位置に平衡を保つ(図1)。こ
のときの液体面の高低差(H)と容器壁からの距離
(S)の関係はsinΨc が1より十分小さいとき、次
式で与えられる。
【0024】
【数6】
【0025】
【数7】
【0026】
【数8】
【0027】
【数9】
【0028】ここでK1 は1次の変形ベッセル関数、Y
(τc )はこの発明における特有の関数であり、ここで
式(7)により新しく定義している。図3はこの関数Y
(τ c )の大略を示したものであり、tanh(2/3
τc )で近似されることがわかっている。式(6)およ
び(7)は、図2の周囲のメニスカスの形をラブラス方
程式と浮力、重力つりあい式を連立させて解き、その形
をもとに、表面高低差(H)と液体接触線半径(rc
と粒子−壁距離(S)の関係を求めて得られる。
【0029】式(6)は、この発明で測定される、液体
面の高低差(H)と容器壁からの距離(S)の関係を与
える。この実験式を先の式(1)〜(5)につけ加える
ことで、rc 、Ψc 、αを求めることが可能となる。実
際の手順としては、このHとSの値を多数実測し、非線
形最小二乗法等の回帰において、測定点が(Hi
i i-1...k で与えられた時、次式(10)を最小化
する。
【0030】
【数10】
【0031】すなわち、測定量は液体面の高低差Hと粒
子の壁面からの距離Sであるが、Hを変えるとSが変わ
るが、その関係は理論的に前記の式(6)〜(9)で与
えられる。その中の未知数「液体接触線周辺半径」
c 、「毛管電荷」Q=r c sinΨcはSを与えられた
ときの理論計算値H(S:r c ,Q)(式(6))が実
測のHと合うとき回帰関数式(10)の値を最小となる
ことを利用して決める。実際にはr c とQの候補値を
(r c 、Q)の組としてしらみつぶしに与え、(6)に
実測のSと共に代入し理論値Hを求め、実測値Hとの差
を回帰関数として式(10)より求め、その値が最小と
なったとき、それが正しいr c とQであるとする。これ
によりQとrc を求め、このQとrc との関係と、式
(3)よりΨc を求め、Rが既知の場合は式(1)に代
入しαを求める。もしRが既知でない場合は式(1)と
式(2)を連立させてRを求めることも可能である。な
お、式(6)はsin2Ψ<<1を前提としたが、この関係
が満たされないときは、コンピュータによる数値解析に
より、αの算出が可能となる。
【0032】以上の算出は、図1および図2について説
明されているが、このことは、別のより簡便な方法とし
て、図4および図5の場合についても可能となる。すな
わち、微粒子が存在する液体表面に、容器壁とは別のバ
リア壁体を接触させる。粒子の比重が液体より大きい場
合には、図4に示したように、この時粒子と壁体の毛管
鏡像力による反発と粒子がバリア壁体側に落ちようとす
る力との間にバランスが成立ち、粒子−壁体横平衡距離
(S′)と、粒子−壁体縦平衡距離および液面と壁体接
触端部との高低差(H′)には粒子のぬれ接触角αで定
まる一定の関係が生まれる。
【0033】そして、壁体を垂直方向に移動し水面下に
押し込んでH′を変えてS′を測りその曲線H′
(S′)よりαを求める。ここで、H′およびS′は、
上記式のHおよびSとして扱うことができる。一方、比
重が液体より軽い粒子を用いる場合には、図5に例示し
たように、移動手段によって壁体を引き上げ、液表面に
図のようなメニスカスを作ればよい。その後の液体面
の、粒子と壁体接触端部との縦平衡距離(H′)と横平
衡距離(S′)を計測する方法は、前述の比重が液体よ
り重い粒子を用いる場合と同様である。
【0034】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0035】
【実施例】実施例1 実際に粒子のぬれ角を算出するための流体面の高低差
(H)と容器壁からの距離(S)とを実測する装置とし
て、図6に例示した装置を用いた。この装置は、液体保
持用の円筒容器(1)、液体の出し入れをする注射器
(3)、液体の高さを測定する圧力計(4)または顕微
鏡、および、粒子(2)を観察する顕微鏡(5)よりな
り、除振台(6)やプラスチックカバー(7)を設けて
もよい。
【0036】測定は飽和蒸気の雰囲気ガス内で行なわれ
ることが望ましい。実際にこの装置では顕微鏡により容
器壁からの距離(S)を読み取り(10μm〜数m
m)、液体面の高低差(H)は圧力トランスデューサを
経て圧力計により求める。圧力計の代わりに側方から顕
微鏡で読みとってもよい(1μm〜1mm)。もちろ
ん、注入した液体量からも換算することも可能である。
この測定はたとえば以下の手順により行なわれる。
【0037】(ア)液体(I)を円筒容器(1)上面す
れすれになるまで注入する。 (イ)注射器で液面形状が重い粒子の場合は凹形に、軽
い粒子の場合は凸形になるように微調整する。 (ウ)粒子や気泡1個を液面に静かにのせる。この場
合、固体粒子や気泡等は筒状容器中央付近に位置させる
ことが望ましい。
【0038】(エ)液量を注射器で微調節し(重い粒子
の場合は注入し、軽い粒子の場合は吸出する)、中央に
位置する粒子や気泡が壁面に移動する瞬間の液面位置を
H=0と定義する。 (オ)液体を注入または吸出しながらHとSを前記の要
領で計測する。 (カ)この結果を先に述べた解析法で解析し、α、また
は(α,R)の組合わせを求める。
【0039】さらにこの発明においては、液体を保持す
る筒状容器の材質は、液体が水の場合には、プラスチッ
クや金属、また、液体が油の場合には、ガラス、金属、
さらに、液体がアルコールの場合には、材料はプラスチ
ック等が考えられる。もちろんこれは何ら限定的ではな
い。さらにまた、以上の説明は気液界面を前提とした
が、相(I)と相(II)が両方とも液体でよい。その場
合、図7に示すように、たとえばガラスと金属等のよう
に2つの材質からなる円筒容器を用いるのが好適でもあ
る。
【0040】また、この発明においては、全過程をVI
DEOと計算機メモリに記録しておけば、解析手順のす
べてを自動化することも可能である。以上の装置を用
い、液相(I)に水を用いて、さらに、粒子に銅とニッ
ケル粒子(80μm〜200μm)を用いて、前記のH
とSを実測した。図8はその結果を示したものである。
これにより、ぬれ角α=60°の算出が可能となった。
【0041】また、この図6より明らかなように、液体
面の高低差(H)の検出限界を1μmとすると、約50
μm半径の固体粒子や気泡まで解析可能となる。実施例2 実施例1の測定方法と測定装置においては、液体の注入
・取り出し用のシリンダ手段から、少量の液体を注入ま
たは取り出すことによって、液体面の高低差を変化さ
せ、さらに壁面と粒子中心までの距離をも変化させて、
各距離を測定するものであるが、その液体の注入・取り
出し用のシリンダ手段から注入または取り出す液体の量
には制限があり、数多くの液体面の高低差、および、壁
面と粒子中心までの距離を測定することが難しい場合が
ある。
【0042】そこで、このような制約がなく、簡便に精
度よく測定するための装置としてあるのが、図9および
図10の装置である。すなわち、たとえば、比重が液体
より大きい粒子を用いる場合、図9に示した装置をひと
つの態様として、示すことができる。この発明の粒子表
面ぬれ特性の測定装置は、液体保持用の円筒容器、容器
内の液体表面に接触する壁体(10)、その壁体の位置
を垂直方向に変えることが可能な移動手段(11)、粒
子と壁体接触端面との縦平衡距離もしくは、液面と壁体
接触端部との高低差(H′)および横平衡距離(S′)
を計測する計測手段(12)と顕微鏡から構成される。
【0043】この発明においては、液体の注入・取出し
用のシリンダ手段は、備えても備えなくてもよく、ま
た、壁体(10)はぬれ性の低いものが好ましく、たと
えば、テフロン等を用いることができる。さらに、位置
を垂直方向に変えることが可能な移動手段(11)、お
よび、粒子と壁体接触端部との縦平衡距離もしくは液面
高低差(H′)および横平衡距離(S′)を計測する計
測手段(12)としては、たとえば、マイクロメータを
用いることができる。もちろん、光学手段によって、こ
れらの計測をおこなってもよい。
【0044】この図9の装置においては、ぬれ性の低い
壁体(10)をマイクロメータ等の移動手段(11)に
よって、液表面に接触させメニスカスを作り、実際の測
定を行なうこととする。図10は、粒子の比重が液体よ
りも小さい場合の例を示している。壁体(10)として
は、ガラス等による液体にぬれやすいものが使用される
ことになる。
【0045】図11は図9に示した方法を用いて行った
水銀微小球のぬれ角測定の実施例の結果を示したもので
ある。直径890μm(図11中の黒丸印)と、103
8μm(黒図角印)の二つの水銀球について、H′c壁
体端点の水平面からの高さ)とS′(壁体と球体中心間
の距離)を測定した。
【0046】このカーブの解析から、ぬれ角86°の結
果が得られた。文献値75°と大略一致していた。簡便
なこの発明の方法の有効性がこれによって確認された。
【0047】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、固体粒子や気泡のサイズ、形状、表面のきずおよ
び歪みなどの粒子個々の物理的ファクターに関係なく高
精度なぬれ角αの算出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は、この発明の測定方法の前提を
示した断面概要図である。
【図2】粒子近傍の対象値を示した断面概要図である。
【図3】関数Y(τc )を示した概要図である。
【図4】この発明の別の方法を示した断面概要図であ
る。
【図5】図4と同様の別の方法を示した断面概要図であ
る。
【図6】実施例としての測定装置構成図である。
【図7】液−液界面での測定対象を例示した断面概要図
である。
【図8】実施例としての測定数値図である。
【図9】図4に対応する装置を示した構成図である。
【図10】図5に対応する装置の使用例を示した構成図
である。
【図11】この発明の図9の方法による実施例を示した
測定数値図である。
【符号の説明】
1 円筒容器 2 粒子 3 注射器 4 圧力計 5 顕微鏡 6 防振台 7 プラスチックカバー 10 壁体 11 移動手段 12 計測手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒容器内に液体を満たし、粒子をその
    液体に接触させた状態で、液体面の高低差と容器壁面と
    粒子中心までの距離を計測し、計測された多数の実測値
    より次式 (H:液体面の高低差、S:容器壁面と粒子中心までの
    距離、Q:毛管電荷、 c :液体接触線半径、q:毛管
    定数、k 1 :1次の変形ベッセル関数)で理論値として
    の液体面の高低差を求め、実測値の液体面の高低差との
    差を、次式 の回帰関数として求め、その値が最小となった場合とし
    毛管電荷と液体接触線周辺半径を決定し、この毛管電
    荷と液周辺半径とから粒子表面での接触部の水平の傾き
    を決定し、さらに、この水平傾きと粒子の液周辺半径お
    よび真半径とからぬれ角を算出することを特徴とする粒
    子の表面ぬれ特性の測定方法。
  2. 【請求項2】 液体保持用の円筒容器と液体の注入・取
    出し手段とともに、液面高さの計測手段および液体に接
    する微粒子の径と円筒容器壁から粒子中心までの距離を
    計測する光学手段とを備えてなることを特徴とする粒子
    の表面ぬれ特性の測定装置。
  3. 【請求項3】 円筒容器内に液体を満たし、粒子をその
    液体に接触させた状態で、壁体を容器内の液体表面に接
    触させ、その壁体の接触位置を垂直方向に変化させ、液
    面と壁体接触端部との高低差もしくは粒子と壁体接触端
    部との縦平衡距離および粒子と壁体接触端部の横平衡距
    離を計測し、計測された多数の実測値より次式 (H:液体面の高低差、S:容器壁面と粒子中心までの
    距離、Q:毛管電荷、 c :液体接触線半径、q:毛管
    定数、k 1 :1次の変形ベッセル関数)で理論値として
    の液体面の高低差を求め、実測値の液体面の高低差との
    差を、次式 の回帰関数として求め、その値が最小となった場合とし
    毛管電荷と液体接触線周辺半径を決定し、この毛管電
    荷と液周辺半径とから粒子表面での接触部の水平の傾き
    を決定し、さらに、この水平傾きと粒子の液周辺半径お
    よび真半径とからぬれ角を算出することを特徴とする粒
    子の表面ぬれ特性の測定方法。
  4. 【請求項4】 液体保持用の円筒容器、容器内の液体表
    面に接触させる壁体、その壁体の位置を垂直方向に変え
    ることが可能な移動手段、液面高さの計測手段、粒子と
    壁体接触端部との間の横平衡距離を計測する計測手段、
    および、液体の注入・取出し手段を備えてなることを特
    徴とする粒子の表面ぬれ特性の測定装置。
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