JP2783988B2 - クロストーク現象解析装置及びこれを用いて最適化した回転トランス - Google Patents

クロストーク現象解析装置及びこれを用いて最適化した回転トランス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ機器、
ビデオ機器、コンピュータ周辺機器等に用いられる回転
磁気ヘッド式の磁気記録再生装置で発生するクロストー
ク現象を解析する装置、及びこの装置を用いて最適化し
たチャンネル間クロストークの少ない回転トランスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】VTR、DDSをはじめとする回転磁気
ヘッド式の磁気記録再生装置では、その信号伝送手段と
して、回転トランスが用いられる。回転トランスは、断
面図である図2(a)とそのA部拡大図である図2
(b)とに示すように、固定側磁性コア11、回転磁性
コア12、多チャンネルの信号伝送を行うための固定磁
性コア11および回転磁性コア12の対向面上に形成さ
れた固定側コイル13および回転側コイル14から成り
立っている。また、図3の等価回路図に示すように、回
転トランスの回転側コイル14のそれぞれには記録再生
用の磁気ヘッド16が接続されており、固定側コイル1
3のそれぞれにも信号源17や抵抗18などが接続され
ている。
【0003】このような回転トランスにあっては、所望
のチャンネル(対向する一対の固定側および回転側コイ
ル)における信号伝送率をできるだけ大きくすると共
に、チャンネル間クロストークを極力低下させる必要が
ある。このチャンネル間クロストークを低減する手段と
して、隣接する固定側コイル13(あるいは、回転側コ
イル14)間にショートリング15を配設することが従
来から行われている。また、固定側磁性コア11や回転
磁性コア12の材料特性や、固定側コイル13および回
転側コイル14の巻数などの設計パラメータを最適化す
ることがクロストークを低減するために重要である。
【0004】従来、回転トランスの設計において、コイ
ルの巻数、磁性コアの材料特性、ショートリングの材料
といったパラメータの最適化は、専らトライ・アンド・
エラーで行われていた。また、後述のように不十分な点
はあるが、計算機シミュレーションによって回転トラン
スの設計パラメータの最適化を行う試みもなされている
(坂田、田中:「回転トランス」National Technical
Report, vol.18, No.4, p357(1972)、太田:「有限
要素法によるVTRロータリトランスの特性解析」住友
特殊金属技報、vol.8, p47(1985))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
トライ・アンド・エラーによる設計手法では、実験結果
の再現性が良くないため最適化が確実に行われていると
はいい難い状況であった。また、従来の計算機シミュレ
ーションは、ショートリングが無視された解析法であっ
たり(上記文献)、回転トランスが扱う信号周波数が
約5MHz以上と高いにも関わらず変位電流を考慮した
電界解析を無視した磁界解析のみによる解析法である
(上記文献)ことから、正確なクロストークを算出す
ることができなかった。
【0006】そこで、本発明は、以上のような回転トラ
ンスの設計課題を考慮し、クロストーク現象をより正確
に解析し、固定側コイルおよび回転側コイルの巻数、固
定側磁性コアおよび回転磁性コアの材料特性、ショート
リングの材料特性や位置等を容易に最適化することがで
きるクロストーク現象解析装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるクロストー
ク現象解析装置は、磁性部材及び導電性部材を含む解析
対象の物理的特性を表す複数の基礎方程式を用いて前記
解析対象におけるクロストーク現象を解析するための装
置であって、その特徴は、前記解析対象の物理パラメー
タを入力するデータ入力部と、クロストーク現象の一要
因である磁界現象によって生じるクロストーク量を算出
する磁界計算部と、他の要因である電界現象により生じ
るクロストーク量を、前記磁界計算部の計算結果に基づ
いて算出する電界計算部と、前記磁界計算部および電界
計算部の解析結果を出力する結果出力部とを備えている
点にある。
【0008】好ましくは、前記磁界計算部が行う処理と
して、磁束密度の時間的変化によって前記導電性部材に
生じる渦電流の計算と、磁界現象と連動する電気回路の
解析とが含まれ、前記電界計算部は、磁界現象によって
生じ、かつ電界現象に影響を与える誘導起電力を、前記
磁界計算部の計算結果として得られる電流と前記電気回
路のパラメータより計算し、その計算結果を用いてクロ
ストーク量を算出する。
【0009】例えば、前記解析対象が磁性コア、ショー
トリング、コイル、磁気ヘッド等を含む電気回路であ
り、前記渦電流が生じる導電性部材がショートリングで
あり、前記誘導起電力が生成される部材がコイルである
場合に、本クロストーク現象解析装置を用いてコイルの
巻数、磁性コアの材料特性、ショートリングの材料特性
等の設計パラメータの最適化を図ることができる。特
に、回転トランスにおけるクロストーク現象の解析と各
設計パラメータの最適化に適している。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態を説明
するに当たり、まず、磁界の影響によって生じるクロス
トークの計算法について述べる。渦電流を考慮した磁界
の基礎方程式は次式(数1)で記述される(中田,高
橋:「電気工学の有限要素法(第2版)」,森北出版,
p14(1986))。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、μは透磁率、Aは磁気ベクトルポ
テンシャル、Jは強制電流密度、σは導電率、φは電気
スカラポテンシャルである。上式(数1)はコイル電流
が既知の場合の磁界の基礎方程式であるが、実際の回転
トランスでは外部回路として磁気ヘッドや抵抗が接続さ
れるため、各コイルに流れる電流は未知となり、式(数
1)のみでは解析できない。そこで、各コイルに次式
(数2)に示すキルヒホッフの第2法則を適用し、式
(数1)と式(数2)との連立方程式を解くことによ
り、磁束密度分布を求めることができる。磁気ベクトル
ポテンシャルだけでなく、コイル電流も同時に解くこと
ができる(T.Nakata and N.Takahashi, "Direct Finite
Element Analysis of Flux and Current Distribution
s under Specified Condition", IEEE Trans. on Mag
n., Vol.MAG-18, No.2, p325(1982)。
【0013】
【数2】
【0014】ここで、Фは鎖交磁束、Rは抵抗、Iは電
流、Lはインダクタンスである。回転トランスの形状は
軸対称三次元モデルで表現できるため、式(数1)およ
び式(数2)を円筒座標系を用いて有限要素法で離散化
すると以下の式で記述することができる。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】
【数5】
【0018】
【数6】
【0019】
【数7】
【0020】
【数8】
【0021】
【数9】
【0022】
【数10】
【0023】ここで、NEは有限要素の全要素数、NMはコ
イルの数、i=1,……,nu(nuは未知節点数)、r0
(e)は要素eの重心の座標、δijeはクロネッカーのデル
タ、△(e)は要素eの面積である。また、cje、djeは節
点の座標の関数、Vogは印加電圧、Svgは断面積、ncg
はコイルの巻数、Rgは外部回路の抵抗、Lgは外部回路
のインダクタンス、NGはコイル内の全要素数を示す。
【0024】従って、磁界の影響によるクロストークC
Rmは、伝送関係にあるコイル電流をIm1、クロストー
クが問題となるコイル電流をIm2とすれば、次式(数1
1)で記述される。
【0025】
【数11】
【0026】次に、電界の影響によって生じるクロスト
ークの計算法について述べる。導電率と誘電率とを考慮
した電界の基礎方程式は次式(数12)で表される(大
久保・乾:「体積・表面抵抗を含む場の電界解析」,静
電気学会誌,vol.8,No.2,p93(198
4))。
【0027】
【数12】
【0028】ここで、σは導電率、εはコアまたは空気
の誘電率を示す。磁界解析と同様に、回転トランスの形
状が軸対称三次元モデルで表現できるため、式(数1
2)を円筒座標系を用いた有限要素法で離散化すると次
式(数13)のように記述できる。
【0029】
【数13】
【0030】ここで、φは電気スカラポテンシャル、S
は表面積を示す。変位電流、すなわち、電界の影響によ
りコイルに流れる電流Ieは次式(数14)で記述でき
る。
【0031】
【数14】
【0032】ここで、Enはコイル表面を形成する要素
の電界の強さの垂直方向成分、Snは各要素に含まれる
コイルの表面積を示す。従って、電界の影響によるクロ
ストークCReは、伝送関係にあるコイル電流をIm1、
クロストークが問題となるコイル電流をIeとすれば、
次式(数15)より得られる。
【0033】
【数15】
【0034】本発明によるクロストーク現象解析装置
は、図1に示すように、各種データを読み込むためのデ
ータ入力部1と、磁界の影響によって発生するクロスト
ークを求めるための磁界解析部2と、電界の影響によっ
て発生するクロストークを求めるための電界解析部3
と、磁界解析部2および電界解析部3より得られた解析
結果データを出力する結果出力部4とからなる。
【0035】データ入力部1は、固定側および回転側コ
ア、固定側および回転側コイル、ショートリング、空気
等の解析対象領域を複数個の簡単な形状に分割してでき
る節点および要素である形状データと、コアやショート
リング等の材料特性データと、解析領域外の磁気ヘッド
のインダクタンスや抵抗などの電気回路データを入力す
るためのものである。例えば、数値データ入力用にキー
ボードを用い、形状データ入力用にマウスやディジタイ
ザーを用いることができる。
【0036】磁界解析部2は、渦電流を考慮した磁界方
程式と電気回路を考慮したキルヒホッフの第2法則の式
を離散化し、連成された式(数3)から(数10)を用
いて係数マトリクスを構築するマトリクス構築部5と、
マトリクス構築部5によってつくられたマトリクスにつ
いてガウスの消去法等を用いて連立方程式を解き、固定
側および回転側コイルのそれぞれに流れる電流と解析領
域内の磁気ベクトルポテンシャル(磁束密度)とを求め
るコイル電流および磁気ベクトルポテンシャルの計算部
6と、コイル電流および磁気ベクトルポテンシャルの計
算部6で得られたコイル電流に基づき、式(数11)を
用いて磁界の影響によるクロストーク量を求めるクロス
トークの計算部7と、磁界現象で発生した誘導起電力が
電界に与える影響を加味するための誘導起電力の計算部
8とから構成されている。
【0037】電界解析部3は、誘導起電力の計算部8で
計算された誘導起電力を固定側および回転側コイルの固
定境界条件として処理するための誘導起電力の設定9
と、電界方程式を離散化し、式(数13)を用いて係数
マトリクスを構築するマトリクス構築部10と、マトリ
クス構築部10によってつくられたマトリクスについて
ガウスの消去法等を用いて連立方程式を解き、解析領域
内の電界の強さを得ることのできる電気スカラポテンシ
ャル(E=−gradφ)を求める電気スカラポテンシ
ャルの計算部11と、電気スカラポテンシャルの計算部
11より得られたコイル表面の電界の強さとして式(数
14)を用いてコイル電流を求めるコイル電流の計算部
12と、コイル電流の計算部12より得られたコイル電
流を式(数15)に適用して電界の影響により生じるク
ロストークを求めるクロストークの計算部13とから構
成されている。
【0038】結果出力4は、磁界解析部2内のコイル電
流および磁気ベクトルポテンシャルの計算部6、クロス
トークの計算部7、そして、電界解析部3内のコイル電
流の計算部12およびクロストークの計算部13によっ
て得られる磁界および電界の影響によるクロストーク、
解析対象領域の磁束密度分布および電界分布、各コイル
に流れる電流等のデータを出力する装置であって、プリ
ンタ、ディスプレイ、プロッタ等が用いられる。
【0039】
【実施例】上記のような本発明によるクロストーク現象
解析装置をVTR(映像テープ記録装置)の周対向型回
転トランスの設計に適用した実施例を以下に説明する。
評価に用いた周対向型回転トランスの断面図を図4
(a)に、そのA部拡大図を図4(b)に示す。また、
周辺回路を含む等価回路を図5に示す。
【0040】本実施例の回転トランスは10チャンネル
用であり、外周コアが固定部、内周コアが回転部として
機能し、ショートリング(SR)は外周コアの各チャン
ネル間に設置されている。Ni−Znフェライトよりな
るコアの比透磁率μrは700、比誘電率εrは10で
ある。固定側コイルの巻数は各チャンネル9ターンであ
り、回転側コイルの巻数は各チャンネル5ターンであ
る。回転側コイルのそれぞれに接続された磁気ヘッドの
インダクタンスは1.8μHであり、軟銅よりなるショ
ートリングの導電率は5.82×107S/mである。
【0041】本実施例における解析では、VTRの記録
過程を意味する固定側ch2コイルから回転側コイルc
h2への信号伝送が行われている状態を想定し、固定側
コイルch2に2Vの交流を印加した。そして、チャン
ネル間クロストークを回転側コイルch2および同ch
3で評価した。評価した信号周波数は1〜10MHzで
ある。また、磁界解析の分割図の節点数は2071、要
素数は4112とした。解析結果の代表例として、信号
周波数が5MHzの場合の磁束分布(等ポテンシャル線
図)を図6(a)及び(b)に示す。図6(a)はショ
ートリングを無視した場合、図6(b)はショートリン
グを考慮した場合を示している。図6(a)及び(b)
から、磁界の影響によるクロストークの低減にショート
リングが有効であることが確認された。
【0042】また、電界解析の分割図の節点数は204
9、要素数は4018とした。電界解析結果の代表例と
して、信号周波数が5MHzの場合の等電位線図を図7
に示す。図7より、電界の影響がショートリングを越え
て、回転側コイルch3に及んでいることがわかる。信
号周波数が1〜10MHzの場合のクロストーク特性を
図8に示す。図において、磁界の影響によるクロストー
クはηm、電界の影響によるクロストークはηeで表され
ている。図より、低周波数では磁界の影響によるクロス
トークが支配的であるが、逆に、高周波数では電界の影
響によるクロストークが支配的であることがわかる。こ
のように本解析装置によれば、磁界と電界のそれぞれに
ついてクロストークを定量的に、かつ精度よく評価でき
るので、現象把握の困難な実験(トライ・アンド・エラ
ー)による場合と比較して、回転トランスにおけるクロ
ストーク低減のための最適化設計をより効率的に行うこ
とができる。
【0043】次に、本発明によるクロストーク現象解析
装置をVTRの面対向型回転トランスの設計に適用し、
回転トランスの各種設計パラメータであるコアの透磁率
と誘電率、ショートリングの導電率およびコイルの巻数
がクロストークに与える影響について検討した実施例を
説明する。検討に用いたVTR用面対向型回転トランス
の解析モデルの断面を図9に、外部回路を含む等価回路
を図10に示す。
【0044】本実施例の回転トランスは4チャンネル用
であり、ショートリングは回転側コイルch2と回転側
コイルch3間に設置されている。固定側コイルの巻数
は各チャンネル当たり6ターンであり、回転側コイルの
巻数は各チャンネル当たり3ターンである。その他のパ
ラメータは前述した周対向型回転トランスのものと同じ
である。ch2コイルに2Vの信号を印加して、各種設
計パラメータによるクロストークを評価した。
【0045】図11に、コアの比透磁率μrを変化させ
た場合のクロストーク特性の解析結果を示す。μrが上
昇するにつれ磁界の影響によるクロストークηmは、多
少減少する。これは、μrが大きくなると、回転側コイ
ルch2の電流Ir2は増大傾向を示すのに対して、クロ
ストークとなる電流Ir3は減少するからである。電流I
r2が増大する理由は、透磁率の上昇に伴ってコア内の磁
束密度が全体的に高くなり、回転側コイルch2に誘起
される電流も大きくなるからであり、電流Ir3が減少す
る理由は、μrが大きいほどショートリングに流れる渦
電流による反作用磁界の効果が顕著となるからである。
【0046】電界の影響によるクロストークは、透磁率
に依存せず、ほぼ一定となる。これは、電界の基礎方程
式に透磁率が含まれないからである。また、電界の影響
によるクロストークηeは、磁界の影響によるクロスト
ークηmよりもかなり大きい。したがって、コアの透磁
率を高くしても、電界の影響によるクロストークが支配
的なため、クロストーク特性を改善することは期待でき
ないことがわかる。
【0047】図12にコアの比誘電率εrを変化させた
場合のクロストーク特性を示す。磁界の影響によるクロ
ストークηmはεrに依存せず、一定となっている。これ
は、磁界の基礎方程式にεrが含まれないためである。
次に、コアの比誘電率εrが大きくなるにつれて電界の
影響によるクロストークηeは急激な増大傾向を示し、
デバイス性能として問題となることがわかる。これは、
コアの比誘電率εrの上昇に伴って、コアの比誘電率εr
のみならず式(数14)に示す電界の強さEnも増大す
る結果、回転側コイルch3の電流Ir3が大きくなるか
らである。磁界および電界によるクロストーク特性を比
較した場合、比誘電率εrが極めて小さな場合において
は磁界の影響が支配的となるが、通常のコア材料では電
界の影響が支配的となる。これらのことから、コアの比
誘電率は回転トランス設計時におけるクロストーク特性
向上のための重要な因子であり、比誘電率の低い材料を
用いることにより、大幅なクロストークの改善が期待で
きることがわかる。
【0048】図13に、ショートリングの導電率σを変
化させた場合のクロストーク特性を示す。ショートリン
グが設置された場合(σ≠0)と、設置されない場合
(σ=0)とでは、磁界の影響によるクロストークηmは
約30dBもの大きな違いを示している。これは、回転
側コイルch2の電流電流Ir2はショーリングの有無に
かかわらず一定である(すなわち、ショーリングの有無
は伝送特性に影響を与えない)が、クロストークとなる
電流Ir3はショーリングの有無によって大きな差を有す
るからである。このことはショートリングを設置した場
合、渦電流による反作用磁界が十分に機能していること
を意味しており、ショートリングがクロストーク低減の
ための不可決な構成要素であることを示している。ま
た、ショートリングが設置された場合、導電率が変化し
てもクロストークηmはほぼ一定であることがわかる。
これらのことから、導電率が多少変化しても、クロスト
ーク特性に与える影響は小さいので、その材料としては
安価で作業性の良い軟銅で十分であると判断される。
【0049】図14に回転側コイルの巻数n1を変化さ
せた場合のクロストーク特性を示す。ここで、回転側と
固定側の巻数比(n1:n2)は、一元的な比較検討の
ために、1:2となるように設定した。磁界の影響によ
るクロストークηmはコイル巻数が増えるにつれて減少
傾向を示す。これは、n1が小さい範囲では相対的にシ
ョートリングの影響が大きいので、n1を増やしても回
転側コイルch3のインダクタンスの増加、つまり電流
Ir3の減少がほとんど無いのに対し、n1が大きい範囲
では巻数によってほぼインダクタンスが決まり、n1が
大きくなるにつれてIr3が減少するからである。次に、
電界の影響によるクロストークηeはコイル巻数が増え
るにつれて増大する傾向、すなわち性能が劣化する傾向
を示す。これは、電流Ir3の増大によるものであり、そ
の要因としては、コイルの巻数の増大に伴う表面積Sの
増大が挙げられる。以上のことから、クロストークの大
きさは、コイル巻数が少ない場合は磁界の影響が支配的
となり、コイル巻数が多い場合は電界の影響が支配的と
なっていることがわかり、本発明のクロストーク現象解
析装置を用いることにより、コイル巻数の最適化を容易
に実現することができる。
【0050】なお、上記の実施例では、VTRの回転ヘ
ッド用回転トランスを例として述べたが、本発明はこれ
に限らず、例えばDDS(ディジタル・データ・ストリ
ーマ)のように、回転ヘッドを有する他の磁気記録再生
装置の回転トランスにも適用できる。
【0051】本発明によるクロストーク現象解析装置に
おける磁界解析部および電界解析部は通常、コンピュー
ターとそのソフトウェアによって実現されるが、専用の
ハードウェアもしくはファームウェアによって実現して
もよい。さらに、これらをニューラルネットワークで構
成すれば、出力結果を学習させることにより回転トラン
スの最適化をより汎用的に行うことが可能となろう。な
お、数値解析の手法としては、有限要素法による解析に
限らず、差分法、境界要素法等を用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のクロストー
ク現象解析装置を用いることにより、クロストークの少
ない回転トランスを作成するためのコイル巻数、材料の
誘電率、透磁率といった設計パラメータの最適化が容易
かつ迅速なものとなり、ひいては安価で高性能の回転ト
ランスを製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクロストーク現象解析装置の実施
形態を示す構成図
【図2】回転トランスの構造を示す断面図
【図3】周辺電気回路を含む回転トランスの等価回路図
【図4】本発明のクロストーク現象解析装置による解析
例に用いた周対向型回転トランスの構造を示す断面図
【図5】図4の周対向型回転トランスの周辺電気回路を
含む等価回路図
【図6】図4の周対向型回転トランスの解析出力例であ
る磁束密度分布を示す等ポテンシャル線図
【図7】図4の周対向型回転トランスの解析出力例であ
る電界分布を示す等電位線図
【図8】図4の周対向型回転トランスの解析出力例であ
る磁界および電界のクロストーク特性図
【図9】本発明のクロストーク現象解析装置による解析
例に用いた面対向型回転トランスの構造を示す断面図
【図10】図9の面対向型回転トランスの周辺電気回路
を含む等価回路図
【図11】図9の面対向型回転トランスの解析出力例で
ある磁性コアの比透磁率とクロストークとの関係を示す
特性図
【図12】図9の面対向型回転トランスの解析出力例で
ある磁性コアの比誘電率とクロストークとの関係を示す
特性図
【図13】図9の面対向型回転トランスの解析出力例で
あるショートリングの導電率とクロストークとの関係を
示す特性図
【図14】図9の面対向型回転トランスの解析出力例で
あるコイル巻数とクロストークとの関係を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 康夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 岩田 進裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−132493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/02 H01F 41/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性部材及び導電性部材を含む解析対象
    の物理的特性を表す複数の基礎方程式を用いて前記解析
    対象におけるクロストーク現象を解析するための装置で
    あって、前記解析対象の物理パラメータを入力するデー
    タ入力部と、クロストーク現象の一要因である磁界現象
    によって生じるクロストーク量を算出する磁界計算部
    と、他の要因である電界現象により生じるクロストーク
    量を、前記磁界計算部の計算結果に基づいて算出する電
    界計算部と、前記磁界計算部および電界計算部の解析結
    果を出力する結果出力部とを備えているクロストーク現
    象解析装置。
  2. 【請求項2】 前記磁界計算部が行う処理には、磁束密
    度の時間的変化によって前記導電性部材に生じる渦電流
    の計算と、磁界現象と連動する電気回路の解析とが含ま
    れ、前記電界計算部は、磁界現象によって生じ、かつ電
    界現象に影響を与える誘導起電力を、前記磁界計算部の
    計算結果として得られる電流と前記電気回路のパラメー
    タより計算し、その計算結果を用いてクロストーク量を
    算出する請求項1記載のクロストーク現象解析装置。
  3. 【請求項3】 前記解析対象が磁性コア、ショートリン
    グ、コイル、磁気ヘッド等を含む電気回路であり、前記
    渦電流が生じる導電性部材がショートリングであり、前
    記誘導起電力が生成される部材がコイルである請求項2
    記載のクロストーク現象解析装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されたクロストーク現象
    解析装置を用いて最適化された巻数のコイルを用いた回
    転トランス。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載されたクロストーク現象
    解析装置を用いて最適化された材料特性のショートリン
    グを用いた回転トランス。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載されたクロストーク現象
    解析装置を用いて最適化された誘電率および透磁率の材
    料特性と形状を有する磁性コアを用いた回転トランス。
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