JP2759885B2 - 受胎能力診断剤 - Google Patents

受胎能力診断剤

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JP2759885B2 JP63502804A JP50280488A JP2759885B2 JP 2759885 B2 JP2759885 B2 JP 2759885B2 JP 63502804 A JP63502804 A JP 63502804A JP 50280488 A JP50280488 A JP 50280488A JP 2759885 B2 JP2759885 B2 JP 2759885B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、クロミフェンを活性成分として含有する受
胎能力診断剤に関する。
発明の背景 雌性、特にヒト女子における受胎は、高度に複雑な過
程であって、この分野においては、この過程をより詳細
に理解し、妊孕性問題の予測と治療、並びに、より効果
的、かつ信頼性に富む受胎調節がもたらされる方法に向
けての改善を促進するための努力が継続的に払われてい
る。不妊症の治療に対しては、多数の薬剤が使用されて
おり、クエン酸クロミフェンもそのような薬剤の一種で
ある。しかしながら、妊孕性の問題においては、妊娠を
希望しながらそれが不可能な女子に関して、治療方法は
ともかくとして、研究方法の改善に対する要求は依然と
して強い。
例えば、外で働くことを求める婦人は、30才を過ぎる
まで出産を延ばそうと考えるかも知れず、生殖能力予測
の手段は特別に貴重であると思われる。このような手段
は、受胎の試みと避妊に対する意思決定の手掛りを与
え、また、医師にとっても、不妊症の精密検査や治療に
関する臨床的な決断に役立つものと思われる。更に、こ
のような要求は、生理不順のような他の障害、あるい
は、女性生殖器に付随したその他の問題を抱える女子に
対してまでも拡大されるのである。
しかしながら、見かけ上健康で、規則的に月経のある
女子に関しては、年齢だけが妊娠可能性に関して現在広
く認められている唯一のパラメーターである。人口統計
学的研究によれば、20代初期にピークに達した妊孕性
は、30才を過ぎると目立って減少し、35才を過ぎるとそ
の減少が特に著しいとされている。しかし、個体差があ
るため、年齢はそれだけではパラメーターとして不正確
であり、年齢のみに基ずく恣意的な限定は、多数の患者
においてその処置の決定に影響を及ぼすおそれがある。
受胎調節の分野においても、単に妊娠を予防するのに
効果的であるばかりでなく、肉体的な副作用の発生率も
低い受胎調節法に向けての改善の要求も強い。実施し得
る受胎調節法は非常に多様であるが、信頼性に欠けたり
(すなわち、妊娠を確実に防ぐことができない)、医学
的な理由から、あるいは、宗教的な背景によって、受け
入れられないことがしばしばある。
信頼性に欠ける受胎調節法の一例として、いわゆる
「周期」法があるが、これは、月経周期のある期間にお
いて女子は不妊である、すなわち、排卵が起こらない
か、起ころうとしていないという事実に基ずくものであ
る。
この方法で避けられない不利な点は、主として、自然
な排卵の時点からこれに続く次の月経までの期間は全て
の女子において基本的に一定であるのに対し、月経の開
始から次の排卵までの期間は、個々の女子においてもか
なり変動する可能性があるということである。妊娠の伴
わない性交を行なうことができるのは、月経の開始から
これに続く次の排卵が起こるまでの間の期間であるが、
それは、この期間においては、その女子において卵子が
未だ形成されていないからである。
しかし、たとえ性交時にその女子に排卵がなくても、
膣内の精子の寿命は1日乃至2日、ときにはそれ以上で
あるから、その翌日、あるいは翌々日に起こった排卵に
よって妊娠に至る可能性があり、この「周期」法におい
てはかなりの危険性が現実に存在する。
ある女子にいつ排卵が起こるかを知る方法は、ないわ
けではないが、それらは手間もかかり、判定することも
容易ではない。そのような方法のうちのあるものにおい
ては、女子が毎朝自分の体温を測定し、これをグラフに
プロットしなくてはならない。グラフの形状から、排卵
が実際に起こった時点を知ることができるが、この方法
に付随する主な問題点は、体温の変動は排卵過程以外の
多くの理由によっても起こることである。
この方法において、ヒト黄体形成ホルモン(hLHある
いはLH)濃度の上昇が、排卵の約34時間前に起こること
は公知のことである。これを理解するには先ず、正常な
ヒトの月経周期は、卵胞期、排卵、および、黄体期に分
けられることに注目しなくてはならない。卵胞期におけ
るホルモンの正常な制御作用により、卵巣中の原始卵胞
の成熟が引き起こされる。ヒト黄体形成ホルモン、およ
びヒト卵胞刺激ホルモン(hFSHあるいはFSH)は、原始
卵胞に対する増感作用があることが知られている。
これらのホルモンは、協働して卵胞ホルモン合成を促
進する。卵胞ホルモンおよびhFSHの増感作用は、排卵の
準備として性腺刺激ホルモン受容体の発現を誘導するこ
とによって行なわれることも公知のことである。次い
で、卵胞ホルモンは視床下部に作用して、脳下垂体にお
ける性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する。卵胞ホルモン
の濃度は排卵の1日乃至2日前にそのピークに達する。
次いで、このピークは、脳下垂体前葉において視床下部
の性腺刺激ホルモン放出ホルモンに対する正のフィード
バック反応を引き起こす。
この間に卵胞ホルモン濃度は減少に向かうが、黄体ホ
ルモンの濃度は上昇を始め、これによって高濃度のhLH
放出を促進する。このhLH濃度の上昇は、通常、それ以
前の基底濃度の2倍乃至3倍に及ぶピークに達する。次
いで、このhLH濃度の上昇は卵巣中の原始卵胞の開裂を
引き起こし、その結果、成熟卵母細胞が放出される。こ
の現象が一般に「排卵」と称されているのである。その
後、hLHは黄体形成を促進する。
黄体が形成されるにつれ、hLH濃度は黄体ホルモン濃
度の上昇に対応して2日以内に基底濃度にまで減少す
る。黄体ホルモンは黄体期を開始させ、これが約14日間
持続する。卵母細胞の受精が行なわれない場合、新しい
卵胞の選択過程が次の月経周期に向けて開始される。
hLH濃度の上昇の検出方法もまた、最近改善されてい
る。免疫定量法の開発以前は、尿中hLHの分析は生物検
定法を用いた方法によって行なわれていたが、このよう
な方法の臨床的有用性は限られていた。これらは感度が
相対的に低く、しばしば尿抽出物の検査が必要であった
からである。
しかしながら、1960年代の半ばに至ってhLH用放射線
免疫定量法が導入され、尿あるいは血清中の低濃度hLH
定量の新しい手段となった。最近、hLH用酵素免疫定量
法が導入され、放射性同位元素を用いることなく高い感
度が実現されるという利点が更に得られた。それにもか
かわらず、妊孕性の問題を多少とも解消でき、あるい
は、適切な受胎調節法が選択できるような、女子の妊孕
性の測定方法の改善に対しては依然として強い要求が存
在する。
更に、放出されつつある卵母細胞における生殖能力の
存在に関しては、排卵の予測は本質的かつ自発的には何
も情報をもたらさないという事実は、依然として不妊問
題の診断の障害となっている。
このように、hLH濃度の上昇開始は排卵に対して約34
時間先行することから、hLH濃度の上昇の検出は排卵の
探知における重要な手段として用い得ることがたとえ公
知であり、かつ、尿中のhLH濃度は血清よりも数時間遅
れてピークに達し、尿中の濃度上昇は排卵の約30時間前
に開始されることがたとえ公知であるとしても、排卵の
前後におけるhLHあるいはhFSHの濃度の差が、女子にお
ける生殖能力を有する卵母細胞放出の有無の判定を目的
とする診断検査に利用できることは、これまで評価され
ていなかったのである。
発明の要約 本発明のクロミフェンを活性成分として含有する受胎
能力診断剤は、女子、特に原因不明の不妊症の35才以上
の女子の将来の妊娠可能性の評価に役立てることができ
る。本発明のクロミフェンを活性成分として含有する受
胎能力診断剤を使用した攻撃試験には基本的な4段階が
ある。ホルモン(FSHあるいはLHが最も好適である)の
基線濃度の確定・クロミフェンの投与・ホルモンの応答
濃度の確定・当該ホルモンの応答濃度とその基線濃度と
の比較がそれである。基線となる期間のホルモン濃度
は、第2日あるいは第3日目において確定することが好
ましい。
応答期間のホルモン濃度は、第9日乃至第11日目にお
いて確定することが好ましい。ヒト卵胞刺激ホルモン
(hSFH)あるいはヒト黄体形成ホルモン(hLH)の濃度
は、基線期間と応答期間との間における1日あたり50乃
至100ミリグラムのクロミフェン投与の前後において測
定される。クロミフェンは、医薬品としての条件に適合
するいかなる担体をも用いて、いかなるクロミフェン塩
としても投与することができる。
しかし、本発明の最も好適な実施例においては、クロ
ミフェンは、クエン酸クロミフェンの錠剤の形で投与さ
れる。これを月経周期の第2日目と第9日目との間に投
与することができるが、第5日目から第9日目まで毎日
投与するのが非常に好適な投与法であり、クロミフェン
の錠剤として、1日あたり約100ミリグラムの量のクエ
ン酸クロミフェンを毎日同時刻に投与するのが最も好適
な投与法である。
本発明のクロミフェンを活性成分として含有する受胎
能力診断剤を使用した攻撃試験は、尿あるいは血液の試
料に対して行なうことができる。しかしながら、簡単で
あるという理由から、尿から試料を採取するのが好適で
ある。尿中あるいは血清中のFSHあるいはLHは、それぞ
れ、多数の公知の半定量的方法を用いて測定することが
できる。試験はLSHとLHの両者を加算した濃度について
行なうこともできる。しかしながら、FSHのみを検査す
るのが、試験を行なうには好適な方法である。やはり簡
単であるという理由から、比色定量試験が、例えば、放
射線免疫定量法、あるいは病理学的試験のような、より
好ましからざる試験法など、他の方法を内容とするよう
な試験方法よりは好ましい。
最も好適な比色定量試験の方法は、単クローン抗体を
用いた酵素免疫定量法の発色反応に基ずくものである。
このような比色定量試験の結果は、できれば試験用具セ
ットの一部として作成された、比色表の助けを借りて被
検女子にも判定できる。
例えば、尿中のヒト黄体形成ホルモン(hLH)の半定
量的検査は、単クローン抗体とhLHの反応に伴って起こ
り得るある種の発色反応の比較によって行なうことがで
きる。このような発色反応の1つは、モノクローナルア
ンティボディー社(Monoclonal Antibodies,Inc.)より
出版された、「オバスティック(Ovustick,商標)尿中h
LHキット」と題する出版物(1984年発行)に記載されて
おり、該出版物は本明細書にも参考文献として採用され
ている。
総体的に、この出版物は、ヒト黄体形成ホルモンは、
非共有結合で結合したアルファユニットおよびベータユ
ニットと呼ばれるポリペプチドのサブユニット2個から
なり、炭水化物の側鎖を有する糖蛋白質ホルモンである
ことを発表したものである。hLHのアルファユニットの
アミノ酸配列は、ヒト卵胞刺激ホルモンのそれと基本的
には同一である。hLHのベータユニットが、このホルモ
ン独自の生物学的および免疫化学的特異性を担っている
ことが確かめられている。
このように、通常は排卵を知るために用いられるhLH
検査用キットを、本発明によるクロミフェン攻撃試験を
行なうための試験方法として用いることができる。これ
を、単クローン抗体の手法の利点を取り入れた酵素免疫
定量法により、視認および測定の容易な形態で用いるこ
とが望ましい。このような抗体には、特異性と親和性を
制御できるという大きな利点がある。これらは、簡単な
色の比較表を用いて結果を比較できる、特異的に測定可
能な発色反応に関与するので、安定した検査の精度が得
られるのである。
したがって、単クローン抗体を用いた発明の実用にあ
たっては、酵素と結合した、半定量的な2面性の免疫特
異的定量法にこれらを利用した試験が最も好適である。
尿標本中のこれらのホルモンは、プラスチック製の計深
棒上に固定化されたアルファユニット特異的抗体と、ア
ルカリホスファターゼという酵素と結合させたベータhL
Hのようなベータユニット特異的抗体との間に挟み込む
ことができるという事実から、このような試験に特異性
があることは明らかである。
未結合の酵素複合体を洗浄して除去した後、計深棒を
基質溶液中でインキュベートする。基質は酵素と反応
し、棒の反応末端に青色の最終生成物を沈着させる。次
いで、例えば、0mlU/ml、20mlU/ml、40mlU/mlなどの基
準量を用いて同時に反応させた計深棒のそれぞれの色と
比較するなどして、尿中hLHの半定量的分析を行なうこ
とができる。基底濃度を標準偏差分以上上回る応答濃
度、より好ましくは標準偏差を2倍以上上回る応答濃度
に対応する発色の変化を生殖能力が低いことの指標と見
なすことができる。
好適実施例の説明 対象集団および方法 本発明のクエン酸クロフェンを活性成分として含有す
る受胎能力診断剤を使用した攻撃試験は、原因不明の不
妊症の35才以上の女子において、将来の妊孕性を予測的
に評価するために利用される。月経周期の第5日目乃至
第9日目における100mgのクロミフェン投与の前後に、
卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、
および17−ベータエストラジオール(E2)の基線濃度
(2〜3日目)と応答濃度(9〜11日目)を測定した。
16人の女子に減少卵巣予備(DOR)と思われる、26mlU
/mlを上回る(正常な対照例に見られる濃度を標準偏差
(SD)の2倍上回る)際立ったFSHの応答が見られた。D
OR群の16人の女子におけるFSHの基線濃度の平均は13.5
±5SDmlU/mlで、応答濃度は、38.9±13.8mlU/mlであっ
たが、適正卵巣予備(AOR)の30人の女子における基線
濃度は9±4.2mlU/mlで、応答濃度は11.5±4.9mlU/mlで
あった。
この2群の女子におけるFSH応答濃度の間、および、D
OR群における基線濃度と応答濃度との間には、大きな有
意差があった(p<0.0001)。LHの応答は、AOR群にお
いてはFSHの応答よりも一貫して高かったが、DOR群にお
いてはFSHの応答よりも一貫して低かった(p<0.00
1)。DOR群では16人中1人が妊娠し、AOR群では30人中1
4人(47%)が妊娠した(p<0.005)。これらの試験に
より、見かけ上の「正常な」排卵周期にもかかわらず、
DOR群においては卵胞の組織に障害があることが明らか
となった。
クエン酸クロミフェン攻撃試験に応答したFSHの濃度
が異常に高いことは、顆粒膜における正常なE2分泌能力
と、低下したインヒビン分泌能力との間の不均衡によっ
て説明されると思われ、このことから、本クロミフェン
攻撃試験によって、生殖能力に関しては年齢と無関係に
確度の高い予測を行なうことが可能であると思われる。
すなわち、本試験は、雌性の生殖能力の一つの指標とし
ての生殖線−視床下部系統における予備に関する予測的
試験として用いることができる。
本発明の確立の基礎研究は、1983年6月から1986年1
月の間に不妊症のために来診した51人の患者において行
なわれた。対象に含めるための基準は、年齢35才以上、
規則的な月経周期(23〜35日)、配偶者の精液分析結果
が正常なこと、そして、過去において思い当るような物
理的な不妊症の原因がないことである。追跡調査は、全
患者に対して妊娠するまで、あるいは3.5年後まで行な
った。
妊娠しなかった場合は、1年以内に不妊症の精密検査
を完了するか、その再検討を行なった。4人の患者に、
多発性の骨盤癒着が認められ、1人においてはその配偶
者に、妊娠レベル以下の精液分析結果が繰り返し認めら
れた。これら5例は、妊娠に関する統計的解析から除外
した。
卵巣における攻撃試験は、月経周期の第5日目から始
めて連続5日間にわたり、1日あたり100mgのクエン酸
クロミフェンを投与して行なった。卵胞期の初期(2〜
3日目)、および後期(9〜11日目)に末梢静脈血を採
取した。すべて市販の放射線免疫定量試験キットを用い
た標準的な放射線免疫定量試験(RIA)によて、卵胞刺
激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)(英国ア
マシャムに所在するアマシャム放射線化学センター(Am
ersham Radiochemical Center)、IRPヒト閉経期生殖線
刺激ホルモン(HMG)参照規格第2版による)、17−β
エストラジオール(E2)、黄体ホルモン(P)、および
硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEA−S)に対す
るホルモン濃度の測定を行なった。月経周期の第2日あ
るいは第3日目におけるホルモンの濃度を基線ホルモン
濃度とし、第9日目から第11日目までを応答値測定の好
適時点とした。
第9日目乃至第11日目に測定された、26mlU/mlを越え
るFSHの値を異常反応答として定義し、減少卵巣予備(D
OR)群とみなした。応答が正常範囲内にある患者は、適
正卵巣予備(AOR)群と規定した。26mlU/mlという値
は、同じクロミフェン攻撃試験を受けた22乃至28才の健
康な8人の志願者において認められた、第6日目乃至第
11日目の平均値の標準偏差の2倍を越える値である。
本発明のクロミフェンを活性成分として含有する受胎
能力診断剤を使用した攻撃試験の結果は、別々に保存し
た。クロミフェン攻撃試験の結果あるいはその解釈とは
無関係に、妊孕性を促進する処置を行なった。ほとんど
すべて(90%)の女子において、性腺刺激ホルモンによ
る排卵の刺激が実質的に認められた。妊娠したDOR患者
の1人は、過去12月経周期にわたるヒト閉経期性腺刺激
ホルモン(hMG)療法の失敗に続くIVF周期の間にこれが
起ったのである。測定値はすべて、平均値プラスマイナ
ス標準偏差(SD)の形で表わした。統計的解析は、スチ
ューデントのTテスト、またはフィッシャーの精密テス
トを適宜用いて行なった。
結果 51人の女子のうち、18人にクロミフェン攻撃試験に対
する異常な応答があり、33人のFSH応答濃度が上記に定
義した正常値の平均の標準偏差の2倍以内であった。51
人の年齢、不妊症の期間、追跡調査の期間、性腺刺激ホ
ルモンによる治療の状況、およびその結果の詳細を第1
表に示す。2群の患者において、年齢、不妊症の期間、
治療、あるいは追跡調査期間の平均についての差異はな
かった(第1表参照)。
DOR群の女子18人中16人(89%)、および、AOR群の33
人中31人に、排卵誘発のため、個別に用意した計画に従
ってhMGおよびヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を投
与した。治療と追跡調査の期間中、DOR群の女性では18
人中僅かに1人(6.3%)が妊娠したに過ぎないが、AOR
群では33人中14人(46.7%)に妊娠を認めた。受胎率の
差は、統計的に有意である(p<0.005)。これらの試
験の結果は第I表に要約した。
注目すべきことは、基線ホルモン濃度はFSH濃度に関
してのみ差異が認められたことである。FSH濃度の平均
は、充分に正常範囲内(13.5±5mlU/ml)であったが、A
OR群よりもDOR群の方が有意に高かった(p<0.002)。
他の基線濃度に関しては、2群の間に差異はなかった。
クエン酸クロミフェン投与後の血清SH濃度は、DOR群で
は著しく有意な上昇が認められたが(p<0.0001)、AO
R群においては穏やかな上昇が検知されたに過ぎない
(p=0.05)。
FSHの応答濃度における2群間の差は、顕著に有意で
ある(p<0.0001)。両群において、LH濃度の基線濃度
からの顕著な上昇が記録されたが、第9日目乃至第11日
目におけるLH濃度は、DOR群の方がAOR群よりも有意に高
かった(p<0.02)。
本発明のクエン酸クロミフェンを活性成分として含有
する受胎能力診断剤投与後に、FSH濃度は、DOR群の18人
中15人において(85%)2倍以上となったが、AOR群に
おいては33人中僅か3人において倍化したに過ぎない。
この差は統計的に有意である(p<0.0001)。DOR群に
おいては、FSHの応答とLHの応答の比の逆転も同じ患者
の比率で認められた。
すなわち、第9日目乃至第11日目において、18人中15
人においてFSHの濃度の方がLHの濃度よりも高くなった
が、AOR群においては、同じことは33人中3人において
認められたに過ぎない(p<0.0001)。クエン酸クロミ
フェン投与後には、E2の明らかな上昇が両群において認
められ、正常な応答群の方が高濃度であった。しかしな
がら、有意差のある値は皆無であったが、おそらく、E2
の値が広範囲にわたったためと思われる。
Pの濃度は、第2日目乃至第3日目に試料採取した患
者のうち1人を除く全員において、また第9日目乃至第
11日目に試料採取した患者のうち、2人を除く全員にお
いて1mg/ml以下であった。黄体期半ばにおけるP濃度
は、両群において排卵を思わせるものであった。すなわ
ち、DOR群、および、AOR群においてそれぞれ11.4±3.4m
g/ml、および18.3±3.4mg/mlである。しかしながら、黄
体期におけるPのピーク濃度は、AOR群の方が有意に高
かった(p<0.05)。第1表を参照のこと。
本発明のクエン酸クロミフェンを活性成分として含有
する受胎能力診断剤攻撃試験後のデルタ4A、T、および
DHEA−Sの濃度には、明確な上昇傾向が認められたにも
かかわらず、基線濃度と応答濃度との間に有意差の認め
られたものは皆無であり、卵巣予備に基ずく差異を証明
することはできなかった。クエン酸クロミフェン攻撃試
験後のプロラクチンの濃度は幾分低かったが、その差は
統計的に有意ではなかった。
考察 このような結果は、本発明のクエン酸クロミフェンを
活性成分として含有する受胎能力診断剤による攻撃試験
の利用によって受胎能力の低下が検出可能であることを
示している。この経時的研究により、生殖能力は、本発
明のクエン酸クロミフェンを活性成分として含有する受
胎能力診断剤の刺激に対する性腺刺激ホルモンの応答に
基ずいて予知できることが立証された。攻撃試験には、
受胎能力が低下している集団の認定に関して93.5%の感
度があり、受胎能力を有する集団の特定に関しては47%
の特異性がある。
この特異性は、一見低いように思われるが、47%とい
う妊娠率は、相対的に高齢であって、排卵誘発の行われ
ている見かけ上正常な患者においては顕著に高いと言え
る。原因不明の不妊症の高齢患者においては、排卵に微
妙な異常があるのかもしれない。hMGとhCGを用いた排卵
促進の好結果から、月経周期に対する過剰な刺激によっ
てこのような定義できない異常が克服されたこと、ま
た、自然な周期が狂わされた場合にこのような妊娠が起
こり得ることが示唆される。患者はすべて、FSHおよびL
Hの基線濃度の値が正常であり、追跡調査の期間中に閉
経期に入った者が皆無であったという事実から、卵巣予
備の欠陥は実際の月経停止のかなり以前に検知し得るこ
とも示唆される。閉経周辺期の初期においては、卵母細
胞と卵胞の数の減少によって血清中の性腺刺激ホルモン
が漸増する。
FSH濃度の上昇は、LH濃度の上昇よりも早く、かつ、
より著しく起こる。閉経周辺期と対比した場合、生殖能
力が存在する時期におけるクエン酸クロミフェン投与に
より、脳下垂体における性腺刺激ホルモン濃度は速やか
に上昇するが、これはLHの方がFSHよりも顕著であり、
かつ持続する。DORの患者においては、本発明のクエン
酸クロミフェンを活性成分として含有する受胎能力診断
剤攻撃試験に対する性腺刺激ホルモンの応答は逆転し、
FSHの方がLHよりもはるかに著しい上昇を示す。
性腺刺激ホルモンのこのような独特の応答の仕方は、
閉経期直前のFSH対LHの比と同様であって、卵巣におけ
るインヒビン合成の低下によるものと考えられる。イン
ヒビンは、おそらく下垂体腺部からのFSH放出を減少さ
せることにより、血漿中のSFH濃度を特異的に抑えるも
のと思われる。ステロイド系ホルモンと同様に、インヒ
ビンは顆粒膜細胞から分泌されるが、このインヒビンの
分泌もやはり卵母細胞の特性に関連しているものと思わ
れる。本発明のクエン酸クロミフェンを活性成分として
含有する受胎能力診断剤攻撃試験後のFSH濃度に特異的
な過度の上昇は、インヒビン分泌能力の低下によって説
明できる。このような能力もまた、卵母細胞の特性に関
連があるとすれば、妊娠の機会がひどく損なわれること
の説明となり得る。このようにして、本発明のクエン酸
クロミフェンを活性成分として含有する受胎能力診断剤
攻撃試験は、見かけは正常な卵胞組織の初期の障害を顕
在化することができるのである。
本発明のクエン酸クロミフェンを活性成分として含有
する受胎能力診断剤の投与に続くT、およびデルタ4Aの
増加は、確定された現象である。ステロイド合成のこの
増大は、卵巣のステロイド合成を促進するLH濃度の上昇
によって部分的には説明される。卵巣の3β−01脱水素
酵素デルタ異性化酵素に対する本発明のクエン酸クロ
ミフェンを活性成分として含有する受胎能力診断剤の直
接作用の一つに、デルタ4Aの生成を増加させる別の経路
の創出がある。第9日目乃至第11日目における本発明の
クエン酸クロミフェンを活性成分として含有する受胎能
力診断剤投与後のアンドロゲン濃度の上昇は、AOR群お
よびDOR群に関しては同程度であったが、これによって
両群の間の妊娠率の有意差を説明することはできない。
このように、本実施例により、本発明による本発明の
クエン酸クロミフェンを活性成分として含有する受胎能
力診断剤攻撃試験は、卵巣の卵胞組織の予備に対する負
荷試験として用い得ることが明らかとなった。したがっ
て、この攻撃試験は、避妊、前妊孕性処置の形態と時
機、および予知に関し、また特に、妊娠障害の原因が不
明のまま既に過剰な治療を受けた不妊症の女性に対する
努力を放棄すべき時期を知ることに関する臨床的な決断
に役立つことが証明されるものと思われる。
上記の考察から、本技術に熟達した者は、不妊症の治
療、および、視床下部−脳下垂体−卵巣系統の完全性の
試験に対する本発明のクエン酸クロミフェンを活性成分
として含有する受胎能力診断剤の適用は充分に確立され
ているにもかかわらず、不妊症の治療法を探し求める患
者の生殖能力の評価という文脈においては、本発明のク
エン酸クロミフェンを活性成分として含有する受胎能力
診断剤適用の記述がなされなかったことを認めるものと
思われる。
本技術に熟達した者はまた、本発明による本発明のク
エン酸クロミフェンを活性成分として含有する受胎能力
診断剤攻撃試験には、本明細書の範囲と精神から逸脱す
ることのない変更が可能であることも認めるであろう。
少なくとも、クロミフェンの形態(例えば、各種の塩類
の形態による投与法)、試験の日程、あるいは投与量
は、後述の請求範囲の項目の実践にあたって、多少の変
更の余地を含むものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロミフェンを活性成分として含有する受
    胎能力診断剤。
  2. 【請求項2】前記クロミフェンがクエン酸クロミフェン
    であることを特徴とする請求項1に記載の受胎能力診断
    剤。
JP63502804A 1987-03-17 1988-03-15 受胎能力診断剤 Expired - Lifetime JP2759885B2 (ja)

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