JP2757239B2 - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信等に用いられる
光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光スイッチの概略構成を図10に
示す。同図に示す光スイッチ1は、一直線上に配置され
た二つの光ファイバー2,3と、このうち光ファイバー
3の光ファイバー2との対向端部を図示上部に付勢する
スプリング5と、この付勢されている光ファイバー3の
対向端部を光ファイバー2と対向して密着するように図
示下向きに付勢する付勢部材4とを備えたものである。
【0003】以上の構成を備えた光スイッチ1では、付
勢部材4で光ファイバー3の対向端部を付勢しない状態
では、光ファイバー3の対向端部は、(ロ)で示す位置
に変位させられており、付勢部材4を図示下向きに移動
させた場合には(イ)で示す端部どうしが対向した位置
に復帰するようになっている。この光ファイバー3の対
向端部が(イ)で示す位置に変位して、光ファイバー2
と光ファイバー3との対向端部が密着した状態で、光フ
ァイバー2と光ファイバー3との間で光が導通するよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の構成を備えた光
スイッチであれば、光の接断を行うことができるが、光
ファイバー自体を折曲させてスイッチング動作を行うた
めに、光ファイバーどうしの位置合わせが困難であるた
め、光ファイバーの端面どうしを密着した状態にするこ
とが難かしく、このため光の結合効率が低下するという
問題がある。しかも、このような構成では接断動作以外
の分波や結合を行なわせることは不可能である。
【0005】他方、導光路を介して伝達する光の進路を
変更できる光スイッチが提案されている。この光スイッ
チの概略の構成を図11に示す。同図は、このような光
スイッチの一例を示す外観斜視図である。この光スイッ
チ6は、分枝形成された導光路7と、この導光路7の一
部分に電気光学効果を有する素子10を設け、この素子
10の両側に電極8,9を配置したものである。このよ
うな構成を備えた光スイッチ6であれば、たとえば矢印
A方向から入射した光があった場合、電極8,9への電
圧の印加の有無により素子10の屈折率を変化させるこ
とで、光の通過経路を変更させることができる。ところ
が、上記素子10は高価であるとともに、余分な電極等
を設ける必要から構成が複雑となるという欠点があっ
た。
【0006】そこで本発明は、安価であって光の接断動
作ばかりでなく、分波や混合動作をも容易に行なえる光
スイッチの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成は、発光素子から照射された光を受光素
子に導く導光路が相対移動可能に配置された支持部材相
互の対向面に形成されている。
【0008】
【作用】上記構成では、対向して配置されている支持部
材が相対的に移動すると、この支持部材の移動によっ
て、対向面に形成されている導光路どうしが接触した状
態や離間した状態になる。この接触や離間によって光の
スイッチング動作が行なわれる。
【0009】
【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は、光スイッチの一実施例としての構成を示す
斜視図、図2は図1に示す光スイッチの側面図、図3は
図2に示す支持部材を回動させた状態を示す説明図であ
る。同図に示す光スイッチ15は、二つの回動自在な合
成樹脂からなる円柱状の支持部材16,17を備えてい
る。この支持部材16,17は、両者が当接した状態
で、中心O1,O2を中心として回動自在となってい
る。この各支持部材16,17の側面上には、全面にシ
リコン(Si)膜14が形成され、このシリコン膜14
の外側にクラッド23、導光路18,20、発光素子1
9、受光素子21がそれぞれ同一円周面上に形成されて
いる。
【0010】上記発光素子19はレーザーダイオードで
あり、この発光素子19の一側面に窒化アルミニウム
(AlN)からなる導光路18が形成されており、この
導光路18により発光素子19からの光が導かれるよう
になっている。上記受光素子21はホトダイオードであ
り、この受光素子21の側面にも、上記導光路18と同
様の材質からなる導光路20が形成され、この導光路2
0を介して上記発光素子19からの光が導かれるように
なっている。上記クラッド23は、前記各導光路18,
20と異なる屈折率の材料例えば酸化シリコン(SiO
2)から形成されている。
【0011】このような送受光素子19,21や導光路
18,20が、上記各支持部材16,17上に適宜形成
されており、支持部材16に形成されている各導光路1
8と支持部材17に形成されている導光路20とは、両
支持部材16,17の当接及び回転角度によって、それ
ぞれ当接状態や離間した状態となるように対向した位置
に形成されている。なお、上述したクラッド23や導光
路18,20等は、本実施例では化学気相成長法(CV
D法)によって析出形成され、後に表面を研磨して均一
な円周面の表面精度を得るようにしている。
【0012】以上の構成を備えた光スイッチの作用につ
いて、上記図1及び図2,図3をも参照して説明する。
まず、図2に示すように支持部材16側の導光路18と
支持部材17側の導光路20とが非接触状態では、発光
素子19と受光素子21とは遮断された状態にある。す
なわち、光スイッチがOFF状態である。この状態か
ら、いずれかの支持部材又は双方の支持部材16と17
を回動させると、所定角度回転した時点で、図3に示す
ように支持部材16,17の双方の導光路18,20ど
うしが接触した状態になる。この状態がON状態であ
る。このON状態では、支持部材16側の発光素子19
から発せられて導光路18により導かれた光は、これと
接触する支持部材17側の導光路20を介して受光素子
21に伝達されることになる。
【0013】従って、上記導光路どうしが接触した状態
あるいは非接触の状態となるように支持部材16,17
をいずれかの方向へ回転させるだけで、光のON/OF
F制御を行なうことができる。また図1に示すように各
支持部材16と17の表面にそれぞれ導光路18,20
と発光素子19と受光素子21を複数ずつ設けることに
より、互いに対をなす複数の導光路18,20どうしの
接触と非接触を切換えて、多連の光スイッチとして機能
するようになっている。
【0014】ところで、上記実施例では、二つの支持部
材16,17が当接した状態となっているものを例示し
たが、図4に示すように三つ以上の支持部材を組み合わ
せたものであってもよい。なお、上記実施例において説
明したものと同様のものについては、同一の符号を付し
てその詳細な説明を省略する。図4に示す光スイッチ3
0は、上記図1乃至図3に示す支持部材16,17と同
様の支持部材31乃至33を直列に当接させたもので、
また各支持部材が回動できるようになっていることは上
記実施例と同様である。このような構成とした光スイッ
チ30であれば、たとえば、支持部材31と支持部材3
2との間が光の導通状態のときに、支持部材33と支持
部材32との間を非導通状態としたり、各支持部材に形
成された導光路どうしを導通状態とすることもできる。
【0015】また、上記各支持部材31乃至33は直列
に配置されたものを例示したが、同図中点線で示す支持
部材34のように、他の支持部材と当接する向きを変え
て当接させるようにしてもよい。ところで、上記各実施
例では、導光路が受光素子や発光素子に対して直線的に
形成されたものを示すが、図5に示す導光路35(円柱
状の支持部材の表面を平面的に展開して図示したもの)
のように途中から分岐させたものであってもよい。この
ような導光路35を上述した一方の支持部材の対向面に
形成すれば、同時に複数の導光路と接触/離間状態を得
ることができる。
【0016】図6に示す光スイッチ36は、上記図1に
示す支持部材16と同様の構成の支持部材37に形成さ
れた導光路18の両端部にそれぞれ発光素子19と受光
素子21が形成され、これに対向する支持部材17の表
面には上記受光素子21(または発光素子19)及び導
光路20が形成されている。上記支持部材37と17の
半径Rを適宜な値に設定して、支持部材37と支持部材
17にそれぞれ形成された導光路18と導光路20とを
当接させると、たとえば導光路18内を進む光Aが、導
光路18と20との接触境界面の角度、ならびに各導光
路18と20の屈折率にしたがってBとCで示すように
導光路18と20に分波されて支持部材37側の受光素
子21と支持部材17側の受光素子21にそれぞれ受光
されるようになる。
【0017】また、同図に示す受光素子21と発光素子
19との形成位置を入れ換えた場合では、支持部材17
上に形成されている発光素子19のからの光が、導光路
18と20との接触部分で、導光路18側に分波して、
支持部材37側の発光素子19から発せられて導光路1
8内を進む光と合流し、それぞれの光が支持部材37側
に形成された受光素子21に受光されるようになる。こ
のようにして、光の結合を行なうこともできる。
【0018】なお、上記各実施例ではすべてクラッド2
3が形成され、クラッド23と導光路18,20のそれ
ぞれの表面が同一円周面となっているものを例示した
が、このクラッド23は必ずしも必要ではなく、省略し
てよい。この場合であっても、上記と同様の効果を得る
ことができる。
【0019】図7は本発明の他の一実施例としての光ス
イッチを示す分解斜視図である。同図に示す光スイッチ
40は、一方が板状の支持部材41で他方が上述したも
のと同様の円柱状の支持部材42である。上記支持部材
41上は、上記図1において説明したものと同様の導光
路43乃至45と単一の受光素子46、二つの発光素子
47,48が一定間隔をもって平行に形成されている。
他方、この支持部材41と当接する支持部材42には、
対向する支持部材41上に形成されている導光路43乃
至45のうち、導光路43と44とに同時に接触できる
ように回転軸O4と平行に直線状の導光路49と、同様
に導光路44と導光路45とに同時に接触できるように
導光路50が形成されている。
【0020】このような構成からなる光スイッチ40で
は、支持部材42が支持部材41上で所定角度回転変位
すると、支持部材42上に形成された一方の導光路49
又は50が、択一的に支持部材41上に形成されている
導光路43及び導光路44、又は導光路44及び導光路
45に接触した状態となる。この接触状態により、受光
素子46と発光素子47あるいは受光素子46と発光素
子48とが選択的にON/OFF状態となる。このよう
な構成を備えた光スイッチであっても上記各実施例と同
様の効果を得ることができる。なお、同図には支持部材
として円柱状のものを例示したが、楕円形状のものであ
ってもよく、さらに多角柱形状のものであってもよい。
この場合であっても、上記各実施例と同様の効果を得る
ことができる。
【0021】図8はさらに他の一実施例を示す分解斜視
図である。同図に示す光スイッチ51は、矢印D方向で
摺動自在に配置された板状の支持部材52,53を備え
たものである。このうち、支持部材52には、図示上面
側にそれぞれ長さの異なる導光路54乃至57が所定間
隔をもって平行形成されており、この一端部に上記受光
素子46がそれぞれ形成されている。
【0022】一方、支持部材53の図示裏面には、支持
部材53と支持部材52とが重さなりあった状態で導光
路54乃至57に当接する位置に、同一の長さに形成さ
れた同数の導光路58が形成され、この一端部にはそれ
ぞれ発光素子47が形成されている。このような構成か
らなる光スイッチ51であれば、支持部材52と53と
を相対的に直線方向に摺動させれば、導光路57と対向
する導光路58から順次接触状態、すなわちON状態と
したり、導光路54から順次OFF状態にすることがで
きる。このような構成を備えた光スイッチであっても、
上記各実施例と同様の効果を得ることができる。また、
上記図7及び図8に示す例では、クラッドが形成されて
いないものについて説明したが、上記実施例と同様にク
ラッド23を形成してもよい。
【0023】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、その要旨の範囲内において様々に変形実施が
可能である。上記各実施例では、円柱状の支持部材どう
しや円柱状と板状の支持部材どうしを組み合わせたもの
を説明したが、図9に示す構成からなる光スイッチであ
ってもよい。図9は他の一実施例としての光スイッチの
分解斜視図である。同図に示す光スイッチ60は、円柱
形状の支持部材61と、球形状の支持部材62とを備え
たもので、支持部材62は軸O3を中心として回動自在
となっている。この支持部材62の外周面には、上記と
同様の導光路63と、この導光路63の一端部に発光素
子64が等角度間隔で複数形成されている。他方支持部
材61の支持部材62との当接端面は、当接する支持部
材62の曲率に対応して凹部となっており、ここに一端
部65aが配置された導光路65が形成され、この導光
路65の他端部には受光素子66が形成されている。
【0024】以上の構成を備えた光スイッチであれば、
支持部材62の回転に伴って、支持部材61に形成され
ている導光路65と支持部材62に形成されている導光
路との接触状態が回転角度によって変化する。従って、
このような構成を備えた光スイッチであっても、上記各
実施例と同様の効果を得ることができる。また、図示は
しないが、上記球形状の支持部材のかわりに円錐形状の
支持部材を用いてもよく、球をつぶしたような変形した
球形状のものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、発光素子
から照射された光を受光素子に導く導光路が相対移動可
能に配置された支持部材相互の対向面に形成されてお
り、かつ、対向する導光路どうしが密着又は離間するよ
うに支持部材を移動させてスイッチング動作を行なわせ
るようにしているので、安価であって光の接断動作ばか
りでなく、分波や混合動作をも容易に行なえる光スイッ
チの提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光スイッチの一実施例としての構成を示す斜視
図。
【図2】図1に示す光スイッチの側面図。
【図3】図2に示す支持部材を回動させた状態を示す説
明図。
【図4】光スイッチの他の一実施例を示す説明図。
【図5】導光路の他の実施例を示す説明図。
【図6】光スイッチの他の実施例を示す部分詳細説明
図。
【図7】光スイッチの他の一実施例を示す分解斜視図。
【図8】光スイッチの他の一実施例を示す分解斜視図。
【図9】光スイッチの他の一実施例を示す分解斜視図。
【図10】従来の光スイッチの概略構成を示す説明図。
【図11】従来の光スイッチの構成を示す斜視図。
【符号の説明】
16,17 支持部材 18,20 導光路 19 発光素子 21 受光素子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子から照射された光を受光素子に
    導く導光路が相対移動可能に配置された支持部材相互の
    対向面に形成されており、かつ、対向する導光路どうし
    が密着又は離間するように支持部材を移動させてスイッ
    チング動作を行なわせることを特徴とする光スイッチ。
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