JP2755038B2 - 電磁攪拌による連続鋳造方法 - Google Patents

電磁攪拌による連続鋳造方法

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JP2755038B2
JP2755038B2 JP4117661A JP11766192A JP2755038B2 JP 2755038 B2 JP2755038 B2 JP 2755038B2 JP 4117661 A JP4117661 A JP 4117661A JP 11766192 A JP11766192 A JP 11766192A JP 2755038 B2 JP2755038 B2 JP 2755038B2
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正幸 川本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の連続鋳造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば溶鋼のような溶融金属の連続鋳造
においては、凝固組織の制御、例えば等軸化を目的とし
て、電磁力による、鋳型内に存在する未凝固金属の攪拌
が広く行われている。特に、鋳型内に電磁攪拌装置を設
置して溶融金属の攪拌を行う場合、溶融金属の回転流動
は鋳型の上面に位置する自由表面にまで及ぶ。したがっ
て、攪拌力が強過ぎると鋳型内金属の自由表面上に添加
されるモールドパウダを巻き込んだり、溶融金属レベル
の変動の原因になったりすることがあった。
【0003】これらの問題を解決するため、従来は次の
ような対策をとっていた。 (1) 電磁攪拌の強度を必要最低限に調整し、溶融金属レ
ベルの変動を防止する。 (2) 電磁攪拌による溶融金属の回転流動に巻き込まれに
くいモールドパウダを開発・使用する。 (3) 鋳型上部(自由表面近傍)に磁場シールドを行い、
メニスカス近傍の溶融金属の流速を低下させる。
【0004】さらに、特開平1−71557 号公報には、溶
鋼を攪拌する際の回転方向を周期的に変更することによ
り、溶鋼表面に流動を起こさせない電磁攪拌装置および
攪拌方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
の対策では、いずれも鋳型内金属の攪拌を行いながら、
鋳型内金属の自由表面における流速を低下させることは
できない。すなわち、電磁攪拌の強度を必要最低限に調
整する対策は、鋳片内質の問題からは攪拌強度を増加し
なければならず、一方表面品質の問題から攪拌強度を減
少しなければならないという相反する課題をともに満足
することができないため、抜本的な解決策ではない。
【0006】溶融金属の回転流動に巻き込まれにくいモ
ールドパウダを開発する対策は、パウダーの基本特性と
しての鋳型と鋳片との間への流入等の問題との両立を十
分に行わせることにはおのずから限界がある。鋳型上部
(自由表面近傍)に磁場シールドを行い、メニスカス近
傍の溶融金属への流速を低下させる対策では、磁場シー
ルドによって溶融金属の表面の流速は低下するもののそ
の低下量には限界があり、また実質上攪拌の強度を低下
することになるため、抜本的な解決策であるとは言い難
い。
【0007】さらに、特開平1−71557号公報によ
り提案された方法によると、攪拌方向の反転時に鋳型内
の溶融金属に大きな加速度を与えることになり乱流を生
じさせやすく介在物の浮上を阻害してしまう。ここに、
本発明の目的は、鋳型内攪拌を行いながら鋳型内金属の
自由表面の流速を低下させることができる連続鋳造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため種々検討を重ね、従来から用いている、磁
界発生装置を備えた連続鋳造用鋳型により未凝固の鋳型
内金属に水平方向の回転磁界を印加するとともに、この
回転磁界により形成される溶融金属の自由表面における
回転流動を低減ないしは解消するように、前記回転磁界
とは逆方向の回転磁界を溶融金属の自由表面に部分的に
付与することにより、上記課題を解決できることを知見
し、さらに鋭意検討を重ねて、本発明を完成した。
【0009】
【0010】ここに、本発明の要旨とするところは、鋳
型内に溶融金属を連続的に供給するとともに未凝固の鋳
型内金属に回転流動を与えながら鋳造を行う連続鋳造方
法であって、さらに、前記鋳型内金属の少なくとも自由
表面には前記回転流動と逆方向の回転流動を生じさせ
ことを特徴とする連続鋳造方法である。
【0011】すなわち、従来から使用されている、通常
の鋳型内電磁攪拌装置は鋳型の外側にコイルを周設し、
このコイルに移動磁界を与えることによって溶融金属に
攪拌力を与えるように構成される。本発明では、鋳型下
部にこのコイルを設置して溶融金属を全体として電磁攪
拌を従来と同様に行うとともに、鋳型上部の溶融金属の
自由表面近傍に、鋳型下部に設置したコイルにより形成
される溶融金属の回転流動とは逆回転の回転流動を形成
する移動磁場を発生させるコイルを設置し、溶融金属の
電磁攪拌の際に生じる未凝固部表面の回転流動を上部コ
イルにより形成される逆回転の回転流動により緩和させ
ることにより、モールドパウダの巻き込み等の表面欠陥
の発生を防止するものである。
【0012】
【作用】以下、本発明を添付図面を参照しながら作用効
果とともに詳述する。図1に、本発明にかかる連続鋳造
用鋳型の構造を模式的に示す。鋳型1にタンディッシュ
(図示しない)からの溶融金属を供給するタンディッシ
ュノズル2が設置されている。鋳型1内の溶融金属3は
鋳造された直後を起点として外部から凝固し初め、凝固
シェル3aが形成されているが、内部は未凝固部3bとなっ
ている。
【0013】鋳型1の下部には、未凝固部3bに電磁攪拌
を行う電磁攪拌コイル4が周設されている。さらに、鋳
型1の上部には、未凝固部3bの自由表面6に電磁攪拌を
行うことが可能な回転流制御用コイル5が設置されてい
る。
【0014】このように、本発明では、電磁攪拌用コイ
ル4、回転流制御用コイル5を磁界発生装置として鋳型
の上部および下部にそれぞれ設置する。下部に設置した
電磁攪拌用コイル4は未凝固部3b全体の攪拌を目的とし
たものであり、一方上部に設置した回転流制御用コイル
5は電磁攪拌用コイル4によって発生した未凝固部3bの
自由表面6の回転流動を緩和させることを目的としたも
のである。したがって、回転流制御用コイル5は電磁攪
拌用コイル4と溶融金属の流動方向が逆になるように設
定する。
【0015】例えば、電磁攪拌用コイル4だけを用いて
300gauss の磁界を発生させ、溶融金属に回転流動を与
えた従来法の場合の溶融金属 (溶鋼) の流速分布の一例
を図2(a) にグラフで示す。図2(b)、図2(c)は電磁攪拌
用コイル4と回転流制御用コイル5をともに用いた場合
の溶融金属の流速分布の一例を示すグラフであり、図2
(b)は回転流制御用コイル5の磁界の強度が25gauss の
場合を、図2(c)は50gauss の場合をそれぞれ示すグラフ
である。なお、ここで、溶融金属の流速は、鋳型断面の
中心と鋳型内壁面との中間点における溶融金属の流速を
用いて表し、その高さ方向の分布として表示している。
【0016】図2から明らかなように、従来の方法で
は、溶融金属表面で流速があり、溶融金属の自由表面に
おける回転流動が存在することがわかる。また、電磁攪
拌用コイル4と回転流制御用コイル5とを用いて電磁攪
拌用コイル4に回転流制御用コイル5と逆向きの回転磁
界を発生させると、図2(b)に示すようになり表面流
速は大幅に低下することがわかる。これに対して、本発
明にしたがって回転流制御用コイル5の攪拌強度をさら
に大きく設定すれば、図2(c)に示すように溶融金属
表面の回転流動を逆回転にすることができ、表面疵発生
が大幅に低下する。
【0017】つまり、回転流制御用コイル5を調節して
未凝固部3bの自由表面6の近傍において最大の回転力を
与えるように設定しておくことにより、容易に、電磁攪
拌用コイル4により発生した溶融金属流動による攪拌力
を維持しながら、溶融金属の表面流速を低下させること
ができる。
【0018】なお、本発明における鋳型、コイル、コイ
ルにより構成される磁界発生装置等は公知のものであれ
ばよく、何ら限定を要さない。さらに、本発明を実施例
を参照しながら詳述するが、これは本発明の例示であ
り、これにより本発明が限定されるものではない。
【0019】
【実施例】本発明法および従来法の双方について、表1
に示す組成の低炭素鋼について、鋳造試験を表2に示す
実施条件ないしで、図1に示す構造の鋳型1を備え
た、湾曲半径10m の一点矯正連続鋳造機を用いて行っ
た。なお、鋳型内溶鋼の未凝固部の自由表面には表3に
示す組成のモールドパウダを添加して連続鋳造を行っ
た。
【0020】用いた鋳型の水平断面は、直径が225mm の
丸ビレット形状であった。鋳造速度は2m/min であっ
た。なお、電磁攪拌コイル4の交番電源周波数は10Hzの
ものを使用した。まず、の条件で連続鋳造を行った。
本条件では、鋳型内電磁攪拌を行っていないため、鋳片
の等軸晶比率が低下した。しかし、パウダーの噛み込み
が原因の表面疵の発生は低かった。
【0021】次に、の条件で連続鋳造を行った。この
条件では、等軸晶比率は約20%から約80%にまで上昇し
たものの、表面疵の発生率は増大し3%弱にまで達し
た。そこで、、の条件で本発明にかかる連続鋳造法
を行った。結果を、の条件での結果とあわせて図
3、図4にグラフで示す。
【0022】図3から明らかなように、条件で連続鋳
造を行うと、等軸晶比率:70〜80%を維持したまま、表
面疵の発生率を約1.3 %にまで低下することができた。
また、条件で連続鋳造を行うと、等軸晶比率:70〜80
%を維持したまま、表面疵の発生率はさらに低下し、電
磁攪拌コイル4に回転磁場をかけない場合と大差ない程
度である0.5 %台まで低下した。なお、本実施例では交
番磁界の電源周波数は10Hzの場合を例にとって説明を行
ったが、交番磁界の周波数が変更されても、本発明は効
果を失わないことはいうまでもない。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
等軸化を促進する電磁攪拌の効果を下げることなく、未
凝固の鋳型内金属の自由表面における流速を低下させる
ことが可能となり、鋳片の表面欠陥発生比率を低下する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる連続鋳造用鋳型の一例の構成を
示す説明図である。
【図2】溶鋼流速分布を比較して示すグラフであり、図
2(a)は電磁攪拌用コイル4だけを用いて(300gauss)磁界
を発生させ、溶融金属に回転流動を与えた従来法の場合
の溶融金属 (溶鋼) の流速分布の一例を示すグラフであ
り、図2(b)、図2(c)は電磁攪拌用コイル4と回転流制御
用コイル5をともに用いた場合の溶融金属の流速分布の
一例を示すグラフである。
【図3】実施例における表面欠陥発生比率の結果を示す
グラフである。
【図4】実施例における等軸晶比率の結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1:鋳型 2:タンディッシュノズ
ル 3:溶鋼 3a:凝固シェル 3b:未凝固部 4:電磁攪拌コイル 5:回転流制御用コイル 6:自由表面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型内に溶融金属を連続的に供給すると
    ともに未凝固の鋳型内金属に回転流動を与えながら鋳造
    を行う連続鋳造方法であって、さらに、前記鋳型内金属
    の少なくとも自由表面には前記回転流動と逆方向の回転
    流動を生じさせることを特徴とする連続鋳造方法。
JP4117661A 1992-05-11 1992-05-11 電磁攪拌による連続鋳造方法 Expired - Lifetime JP2755038B2 (ja)

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JPS5989649U (ja) * 1982-12-04 1984-06-18 三菱重工業株式会社 連続鋳造用電磁撹拌装置

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