JP2753738B2 - 流体給送用ポンプ - Google Patents

流体給送用ポンプ

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JP2753738B2 JP21011689A JP21011689A JP2753738B2 JP 2753738 B2 JP2753738 B2 JP 2753738B2 JP 21011689 A JP21011689 A JP 21011689A JP 21011689 A JP21011689 A JP 21011689A JP 2753738 B2 JP2753738 B2 JP 2753738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯車、ローラあるいは歯付きベルト等を適
宜組合わせて用いることにより各種流体の吸込み、吐出
する簡易型の流体給送用ポンプに関する。
〔従来の技術〕
従来から水、油、空気等を始めとする各種流体を吸込
み、吐出することで、流体を給送する流体給送用ポンプ
としては、たとえばロータリポンプ、ベーンポンプ、ギ
ヤポンプ等を始め、種々の構造を有するものが知られて
おり、その使用流体や用途等に応じて選択して用いられ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところで、上述したように従来から一般に知られてい
るポンプはいずれも、その構成部品点数が多く、構造が
複雑であるばかりでなく、全体が大型化し易く、また流
体の給送効率を向上させるために各部の加工精度等も要
求され、加工性や組立性等といった実用面からの問題を
もつものであった。さらに、上述した従来のポンプ構造
では、可動部品が多く、ポンプ動作時において振動や騒
音等を生じ易いといった問題もあった。
特に、流量制御に対しての精度はそれ程要求されず、
ある程度の流体圧が得られるとよいところなどに用いら
れるポンプとしては、より簡単な構造による簡易型のポ
ンプでよいもので、このような要請に応えることができ
る何らかの対策を講じることが望まれている。
このため、従来からたとえば第8図に示すような構成
による簡易型のポンプ構造が知られている。これを簡単
に説明すると、図中a,bはハウジングc内で互いに噛合
して回転駆動される流体給送用の歯車で、これら歯車a,
bの歯部谷部d,dとハウジングc内壁面との間に形成され
る空間部内に、ハウジングcの一部に開口する流体入口
eから流体を取込んで搬送するとともに、ハウジングc
の対向する別の位置に開口する流体出口fから送り出す
ことで、流体を圧送するようにした構成によるものが知
られていた。しかしながら、このような構成では、流体
を搬送する歯車a,bの歯部谷部d,dを画成する山部とハウ
ジングcの内壁面との間が接触しないような加工精度が
必要で、コスト高を招くといった問題があった。そし
て、このような山部とハウジングc側との間に隙間が存
在することから、搬送し得る流体としては、粘度がある
流体に限られ、水、油等には使用できるも、空気などに
は使用できないものであった。また、上述した構成で
は、歯車a,bの歯数と回転数によって搬送流体の圧を高
めているものであり、得られる流体圧に限度があるもの
であった。そして、このような流体圧を上昇させるため
には、歯車a,bの山部に弾性材を接触させて隙間を防止
したりするが、回転数を低下させることが必要で、吐出
流量が低下するといった問題をもち、しかも潤滑油等を
使用すると、搬送流体に混入する等といった不具合もあ
り、これらの問題点を考慮しなければならない。
〔課題を解決するための手段〕
このような要請に応えるために本発明に係る流体給送
用ポンプは、軸線方向に厚みをもち平行軸上で回転自在
に軸支されるとともに回転駆動源で回転駆動される四個
の柱状回転子と、これらの回転子によって囲まれる位置
に外部から画成して形成されかつその軸線方向の一部に
吐出口が開口されているポンプ室を備えてなり、少なく
とも一個の回転子の周面上に、凹凸形状による歯部を設
け、その山部がポンプ室に対しての流体取込み方向への
回転側で隣接する回転子の周面に添接して回転すること
で、その添接部分によって谷部内に形成される空間部
が、この回転子の回転動作に伴なって回転子外側への開
放状態から密閉状態を経て回転子内側のポンプ室への開
放状態へと変化し、流体をポンプ室内に取込んで吐出口
から吐出させ得るようにしたものである。
〔作用〕
本発明によれば、回転駆動源により歯部を有する回転
子を回転駆動し、その流体取込み方向への回転側で隣接
する回転子側に添接される山部により谷部内に形成され
る空間部を、回転子外側への開放状態から密閉状態を経
て回転子内側に形成されるポンプ室への開放状態へと変
化させることにより、流体を外側から吸込んでポンプ室
内に取込み、かつこのポンプ室に開口している吐出口か
ら外部に吐出させ得るものである。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示した実施例を用いて詳細に説
明する。
第1図(a),(b)ないし第3図は本発明に係る流
体給送用ポンプの一実施例を示すものであり、これらの
図において、まず、全体の概略構成を簡単に説明する
と、符号1,2,3,4は柱状回転子としての第1ないし第4
の歯車で、これら四個の歯車1,2,3,4は、軸線方向に所
定の厚みをもち、互いに平行する回転軸1a,2a,3a,4aに
より回転自在に軸支され、第2図中符号5で示すケーシ
ング内に内設されている。ここで、この実施例では、第
1の歯車1における回転軸1aをケーシング5外方に延設
し、図示しない回転駆動源に連結して回転駆動するよう
に構成されている。そして、これら歯車1,2,3,4は、回
転軸1aを介して回転駆動される第1の歯車1の回転が第
3の歯車3、第4の歯車4を径て第2の歯車2に伝達さ
れ、それぞれが回転駆動されるようになっている。な
お、本実施例では、第1図(a)等に矢印で示した方向
に各歯車1,2,3,4が回転されるように構成されている。
10は上述した四個の歯車1,2,3,4によって囲まれた部
分に外部から画成して形成されるポンプ室で、このポン
プ室10の軸線方向両端側は、たとえば第3図に例示した
ようにケーシング5の内側に設けたシール材6等により
シールされ、かつその一部に設けた吐出口11により外部
に流体を吐出させるように構成されている。なお、上述
したポンプ室10の軸線方向両端側をシールする構造とし
ては、ケーシング5の内側面で直接シールする等といっ
た適宜の変形例が考えられよう。また、第2図中12はケ
ーシング5の側面部分に穿設され後述する第1および第
2の歯車1,2間に形成される流体取込み部からポンプ室1
0側に流体(たとえば空気)を吸込ませるための吸込み
口である。
さて、本発明に係る流体給送用ポンプは、上述した構
成において、前記ポンプ室10への流体取込み方向にそれ
ぞれ回転される第1および第2の歯車1,2間の添接部分
を、第1図(a),(b)から明らかなように、その周
面に形成される凹凸形状を呈する歯部13,14の山部13a,1
4a同士が添接して回転されるように組合わせ、その添接
部分によって谷部13b,14b内に形成される空間部20を、
これら歯車1,2の回転動作に伴なって外側(前記吸込み
口12側)への開放状態から、同図(b)に示されるよう
な密閉状態を経て内側のポンプ室10への開放状態へと変
化させ、流体をポンプ室10内に取込んで前記吐出口11か
ら吐出させ得るように構成したところに特徴を有してい
る。
ここで、上述した流体取込み部となる空間部20を形成
する第1および第2の歯車1,2間以外の歯車1,3;3,4;4,2
同士の噛合い部は、各歯車が相互に圧接して組合わされ
ることで、通常の噛合い状態を得て回転伝達が行なえる
とともに、それぞれの歯部13,15,16,14の噛合い部分
は、それぞれの山部と谷部との噛合いによって気密状態
が保たれるように構成されている。
このような構成において、図示しない回転駆動源によ
り各歯車1,2,3,4を回転駆動すると、流体取込み方法に
回転される第1および第2の歯車1,2間の添接部分に、
その歯部13,14における山部13a,14aと谷部13b,14bとか
ら形成される空間部20が、ポンプ室10外側への開放状態
から密閉状態を経てポンプ室10内への開放状態へと変化
し、これによりこの空間部20内に取込まれて運ばれる空
気等の流体を、ポンプ室10内へと圧送させることによ
り、流体を外側から吸込んでポンプ室10内に取込むこと
ができる。そして、この取込み時においてポンプ室10を
形成する他の噛合い部はシール状態にあり、密閉空間と
なるために、上述した流体取込み用空間部20により取込
まれてきた分の流体が、このポンプ室10に開口している
吐出口11から外部に圧縮流体として吐出されることにな
る。
ここで、このような構成において、ポンプ室10から吐
出される流体の給送体積は、流体取込み用空間部20の断
面積と歯車1,2の厚み寸法とこれら歯車1,2の回転数の積
によって決定されるもので、必要に応じて各部の数値を
適宜選定することにより、所要の流体圧を得ることが可
能となる。
なお、上述した実施例では、各歯車1,2,3,4の歯部13,
14,15,16として、同一歯数によるものを用いた場合を説
明したが、これに限定されないことは言うまでもない。
さらに、上述した実施例構造において歯車1,2,3,4同士
を互いに圧接して添接接合または噛合させて組合わせ、
流体取込み部、噛合いによるシール部を構成するため
に、ばね等の付勢手段を併用してもよいことは勿論であ
る。また、上述した柱状回転子である歯車1,2,3,4とし
ては、たとえば柔軟性を有するゴム材や、テフロン、ウ
レタン、シリコン等の合成樹脂材を使用したりするとよ
いが、鋼材等を用いてもよいものである。
このような構成によれば、第1および第2の歯車1,2
間での歯部13,14における谷部13b,14bによって共働して
形成される空間部20を、ポンプ室10内に流体を取込むよ
うに順次移動させることで、流体の吸込み、吐出動作を
行なわせることが可能で、これにより従来のような揺
動、振動現象や騒音問題を生じることなく、流体を吸込
み、吐出させることが可能で、しかも従来のポンプ構造
に比べて構成部品点数が少なく、構成も簡単で、また各
部の加工精度なども要求されず、全体の小型かつコンパ
クト化も図れ、さらに摺動摩擦部分もないので、潤滑剤
等を使用する必要がなく、給送流体への混入等の問題が
なく、特に空気圧送用等として有利である等の利点があ
る。
なお、上述した実施例では、四個の歯車1,2,3,4によ
る噛合い部の一個所を、流体取込み部とした場合を例示
したが、本発明はこれに限定されず、たとえば第4図に
示すように第1および第2の歯車1,2間および第3およ
び第4の歯車3,4間を、その歯部13,14;15,16の山部同士
を添接させる構造とし、二個所から流体を取込むように
構成してもよいことは容易に理解されよう。そして、こ
のような構成によれば、流体圧送効率を、上述した実施
例の二倍に向上させ得るもので、その利点は明らかであ
ろう。ここで、このような構成とする場合、第1の歯車
1(または第3の歯車3)の回転軸1aと第2の歯車2
(または第4の歯車4)の回転軸2aを、外部から回転駆
動するように構成するとよい。
また、上述した実施例では、歯部13,14において山
部、谷部同士が対向するように同期させて回転させるよ
うにし、その一個所づつの谷部13a,14aを回転方向にお
いて対向させて回転させることで、空間部20を形成した
場合を説明したが、第5図に示すように、回転方向にお
いて位置ずれを生じさせ、歯部同士をクリアランスを持
たせて噛合いさせ、その回転方向にずれしかも連通状態
に置かれる谷部13b,14bによって空間部20を形成するよ
うにしてもよいものである。
さらに、上述した各実施例では、回転子として四個
共、歯車1,2,3,4で形成した場合を説明したが、本発明
はこれに限定されず、偶数の歯車を用いるとよいもの
で、たとえば第6図に示すように、第1および第3の歯
車の代りに、ゴム等の弾性材からなる回転ローラ8,9を
用い、これに添接される第2および第4の歯車2,4の歯
部14,16における谷部14b,16bにより空間部20を形成して
もよいことは勿論である。そして、このような構成によ
れば、上述した実施例以上に、加工精度をラフとするこ
とが可能で、その利点は明らかであろう。これは、それ
ぞれの山部14a,16aが添接される第1および第3のロー
ラ8,9との間の精度を弾性力で吸収できるためである。
第7図は本発明のさらに別の実施例を示すものであっ
て、この実施例では、二対のローラ31,32;33,34を用
い、それぞれに歯付きベルト35,36を添接させるととも
に、これら両ベルト35,36の対向する面間に密閉された
ポンプ室37を形成し、その一部に吐出口11を開口させ、
さらにローラ31,33に巻回して添接されるベルト35,36に
おける山部35a,36aを添接状態とし、その谷部35b,36b間
で流体取込み用空間部20を形成するとともに、他方のロ
ーラ32,34間では、ベルト35,36を噛合させてシールする
ように構成した場合を示している。そして、このような
構成では、歯付きベルト35,36を用いる点で多少構成を
相違するも、実質的には上述した実施例と同等の作用効
果を奏するもので、その作用効果は明らかであろう。こ
こで、図中38,39は各ベルト35,36の長手方向の一部に添
接して設けられ、ローラ31,33側の間を流体取込み部と
して構成するとともに、これを1ピッチずらして他方の
ローラ32,34間はシール可能な噛合い状態とするための
もので、ポンプ室37の容積空間を確保するという機能を
も備えている添接ローラである。
なお、本発明は上述した実施例構造に限定されず、各
部の形状、構造等を、適宜変形、変更することは自由で
ある。たとえば上述した実施例では、ケーシング5に対
しての軸支位置を規制することで歯車、ローラあるいは
歯付きベルトを、適宜当接させてポンプ室10を形成した
場合を説明したが、これにばね等の付勢手段を付設して
圧接させ、より適切にポンプ室10を形成し得るようにし
てもよい。
また、上述した実施例では、回転子として用いられる
歯車の歯形断面を、略台形状に形成した場合を例示した
が、本発明はこれに限定されず、インボリュート曲線等
により形成される歯形形状を有する歯車であってもよい
ことは勿論である。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明に係る流体給送用ポンプに
よれば、平行軸上で回転自在に軸支され回転駆動源で回
転駆動される四個の柱状回転子と、これら回転子によっ
て囲まれる位置に外部から画成して形成されその軸線方
向の一部に吐出口が開口されているポンプ室を備えてな
り、少なくとも一個の回転子の周面上に、凹凸形状によ
る歯部を設け、その山部がポンプ部に対しての流体取込
み方向への回転側で隣接する回転子の周面に添接して回
転することで、その添接部分によって谷部内に形成され
る空間部が、この回転子の回転動作に伴なって回転子外
側への開放状態から密閉状態を経て回転子内側のポンプ
室への開放状態へと変化し、流体をポンプ室内に取込ん
で吐出させ得るようにしたので、簡単かつ安価な構成に
もかかわらず、少なくとも一個の回転子に付設される歯
部における谷部によって形成される空間部を、これに隣
接する回転子と共働して、ポンプ室内に流体を取込むよ
うに順次移動させ得るもので、これにより従来のように
揺動、振動現象や騒音問題を生じることなく、流体を吸
込み、吐出させることが可能で、しかも従来のポンプ構
造に比べて構成部品点数が少なく、また各部の加工精度
なども要求されず、全体の小型かつコンパクト化も図
れ、さらに摺動部分もないので、潤滑剤等を使用する必
要がなく、特に空気圧送用等として有利である等の種々
優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明に係る流体給送用ポンプ
の一実施例を示す要部構成図およびその動作説明図、第
2図はその要部概略斜視図、第3図は第2図における要
部断面図、第4図ないし第7図は本発明の他の実施例を
それぞれ示す概略構成図、第8図は従来例を説明するた
めの概略断面図である。 1,2,3,4……歯車(回転子)、1a,2a,3a,4a……回転軸、
5……ケーシング、6……シール材、8,9……回転ロー
ラ、10……ポンプ室、11……吐出口、12……吸込み口、
13,14;15,16……歯部、13a,14a……山部、13b,14b……
谷部、20……液体取込み用空間部、31,32,33,34……回
転ローラ、35,36……歯付きベルト、35a,36a……山部、
35b,36b……谷部、37……ポンプ室、38,39……添接ロー
ラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸線方向に所定厚みを有し平行軸上で回転
    自在に軸支されるとともに回転駆動源により同期した状
    態で回転駆動される四個の柱状回転子と、これらの回転
    子によって囲まれる位置に外部から画成して形成されか
    つその軸線方向の一部に吐出口が開口しているポンプ室
    を備えてなり、 前記回転子のうち少なくとも一個の回転子は、その周面
    上に凹凸形状による歯部を有し、この歯部の山部が前記
    ポンプ室に対しての流体取込み方向への回転側で隣接す
    る回転子の周面に添接して回転することにより、その添
    接部分によって谷部内に形成される空間部が、この回転
    子の回転動作に伴なって回転子外側への開放状態から密
    閉状態を経て回転子内側のポンプ室への開放状態へと変
    化し、流体をポンプ室内に取込んで前記吐出口から吐出
    するように構成されていることを特徴とする流体給送用
    ポンプ。
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