JP2748919B2 - 誘電体フィルタの調整方法および装置 - Google Patents

誘電体フィルタの調整方法および装置

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JP2748919B2
JP2748919B2 JP8126863A JP12686396A JP2748919B2 JP 2748919 B2 JP2748919 B2 JP 2748919B2 JP 8126863 A JP8126863 A JP 8126863A JP 12686396 A JP12686396 A JP 12686396A JP 2748919 B2 JP2748919 B2 JP 2748919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体フィルタの調
整方法および装置に関し、特に熟練者のノウハウに依存
せず、調整量を自動的に分析,決定する誘電体フィルタ
の調整方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電体フィルタの所期の周波数特
性を得るためには、部品組立て後に、誘電体フィルタを
構成する部品の一部を調整する必要があった。例えば、
携帯電話機などで使用される誘電体フィルタには、誘電
体共振子,コイルおよびコンデンサを組合わせて構成し
た品種があるが、この品種を製造する工程では使用する
部品の電気的特性のばらつきの影響で、組み立て直後に
所期の周波数特性が得られず、誘電体共振子に加工を施
して、誘電体共振子自身の共振周波数を変化させること
により、全体の周波数特性を調整していた。
【0003】このような調整作業は、従来測定器の表示
を見ながら、人手により行われていた。
【0004】また、人手による調整作業を自動化した従
来例としては、熟練者のノウハウを知識ベ−スとしたフ
ァジ−ル−ルによる、特開平4−28150で開示され
ているチューナの自動調整装置がある。図7はこの従来
例を示す構成図であり、ファジィ推論部40,オシロス
コープ41,特徴認識部42,コイル43,チューナ4
4,ハンド45、46および高周波信号発生器47より
構成されている。まず、高周波信号発生器47の信号が
チューナ44に印加され、その出力スペクトラムがオシ
ロスコープ41に表示される。同時に、出力スペクトラ
ムから同調のピ−ク値,同調特性の勾配,面積などの特
徴量が特徴認識部42により抽出される。
【0005】次に、ファジィ推論部40は、前記特徴量
にファジィルールを適用し、コイルの間隔を変化させる
調整量を算出する。その調整量に基づいて、ファジィ推
論部40はハンド45、46を操作し、コイル43の間
隔を変化させて調整を行う。ファジィルールの適用にあ
たっては、熟練者が行う調整の実績に基づいて決定され
たメンバシップ関数が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した誘電体フィル
タの調整においては、人手による調整を行っているため
調整に時間がかかり、かつ作業者のノウハウに影響され
る欠点がある。また、チューナの自動調整装置は、調整
に用いるファジィルールのメンバッシップ関数を決定す
るのに熟練者の調整実績を用いるため、実績を記録する
のに多大な手間がかかるという欠点があるとともに、属
人性が強いことより統一的なファジィルールを導出する
のが難しいという欠点がある。更に、調整の熟練者が存
在しない新製品の調整の場合などには、ファジィルール
を試行錯誤的に作り出さなければならないという問題が
ある。
【0007】本発明の誘電体フィルタの調整方法および
装置は、熟練者の実績によらず調整量を自動的に分析,
決定することにより、作業の効率化をはかり、かつ作業
者のノウハウに依存しない調整を行うことを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体フィルタ
の調整方法は、誘電体フィルタの周波数特性を調整する
誘電体フィルタの調整方法において、シミュレ−タ上の
誘電体フィルタを構成する素子の内、調整用素子以外の
素子値を設計値に設定する第1のステップと、前記シミ
ュレータにおいて、n個の調整用素子値r1からrnを
変動させて前記誘電体フィルタの周波数特性を計算し、
これらの調整用素子値r1からrnと周波数特性を組合
わせたデ−タを教師データとして記憶する第2のステッ
プと、前記第2のステップで行った調整用素子値の設定
を前と違う値にし、予め定められた組合わせが終わるま
で繰り返す第3のステップと、調整対象の誘電体フィル
タの周波数特性を測定する第4のステップと、前記第2
のステップおよび前記第3のステップで記憶した組合わ
せの前記教師データと、前記第4のステップで測定した
前記調整対象の誘電体フィルタの周波数特性をニューラ
ルネットワ−クに入力し、前記教師デ−タに対する調整
用素子値のズレを計算する第5のステップと、前記第5
のステップで計算した調整用素子値のズレに対する周波
数特性を前記シミュレータで計算する第6のステップ
と、全ての素子を設計値に設定して前記シミュレ−タで
周波数特性を計算する第7のステップと、前記第7のス
テップで計算した周波数特性と前記第6のステップで計
算した周波数特性の差分を計算する第8のステップと、
調整用素子の内ひとつを設計値から少し変化させ、他の
調整用素子を設計値に設定して前記シミュレ−タで周波
数特性を計算し、その後前記第7のステップで計算した
周波数特性との差分を計算する第9のステップと、前記
第4のステップで測定した前記調整対象の誘電体フィル
タの周波数特性に、前記第8のステップおよび前記第9
のステップで計算した周波数特性の差分を加算し、その
後周波数特性の特定の規格点において、規格値と前記加
算処理の結果との差である余裕度を計算する第10のス
テップと、前記第10のステップにおける前記余裕度
が、予め定められた閾値を越えるまで前記第9のステッ
プ,前記第10のステップを繰返し行う第11のステッ
プと、前記第11のステップで前記余裕度が予め定めら
れた閾値を越えた時の前記第9のステップにおける調整
用素子値のずらし量と、前記第5のステップで計算した
調整用素子値のズレの合計の分だけ前記調整対象の誘電
体フィルタの調整用素子値を調整する第12のステップ
と、を含むことを特徴とする。
【0009】本発明の誘電体フィルタの調整方法は、前
記第2のステップの周波数特性が、調整用素子の値を設
計値としたときの周波数特性との差分であることを特徴
とする。
【0010】本発明の誘電体フィルタ調整装置は、誘電
体フィルタの複数の調整用素子値を複数段階に変動さ
せ、前記調整用素子以外の素子値を設計値に設定する素
子値発生手段と、前記素子値における周波数特性Aを計
算するシミュレ−ション手段と、前記素子値と前記周波
数特性Aを組合わせた教師デ−タを記憶する教師デ−タ
記憶手段とからなる教師デ−タ生成手段と、調整対象の
誘電体フィルタの周波数特性Bを記憶する波形記憶手段
と、前記教師デ−タ記憶手段に記憶された前記組合わせ
教師デ−タと前記周波数特性Bを学習し、前記教師デ−
タに対する調整用素子値のズレを計算するニュ−ラルネ
ットワ−ク学習手段と、全ての素子を設計値に設定また
は調整用素子のひとつを設計値から少し変化させる探索
用素子値発生手段と、前記調整用素子値のズレに対する
周波数特性C,全ての素子を設計値にしたときの周波数
特性D,調整用素子のひとつを設計値から少し変化させ
たときの周波数特性Eを計算する前記シミュレ−ション
手段と、前記周波数特性B,前記周波数特性Dと前記周
波数特性Cの差分,前記周波数特性Eと前記周波数特性
Dの差分とを加算する波形処理手段と、周波数特性の特
定の規格点において、規格値と前記加算結果の差である
余裕度を計算し、余裕度が予め定められた閾値を越えた
場合は調整を指示し、閾値を越えなかった場合は閾値を
越えるまで、調整用素子値を再設定し周波数特性Eを再
計算するよう指示する規格判定手段と、前記規格判定手
段および前記探索用素子値発生手段からの指示により調
整を行う調整指示手段とからなる調整制御手段と、を有
することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の発明の実施の形態
について図面を参照して説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施の形態を示すブロ
ック図であり、誘電体フィルタ調整装置1と誘電体フィ
ルタ2,ネットワ−クアナライザ3および調整手段4か
ら構成される。更に、誘電体フィルタ調整装置1は、教
師デ−タ生成部1aおよび調整制御部1bより構成され
る。また、教師デ−タ生成部1aは、素子値発生部1
0,教師デ−タ記憶部11,高周波シミュレ−タ12よ
り、調整制御部1bは、高周波シミュレ−タ12,探索
用素子値発生部13,ニュ−ラルネットワ−ク14,波
形処理部15,波形記憶部16,調整量指示部17およ
び規格判定部18よりなる。
【0013】図2は、誘電体フィルタ2の一例を示す実
装図であり、実装用基板21の上に、複数の誘電体共振
子22,コイル23およびコンデンサ24が実装され、
そのうえにケース20がかぶせてある。誘電体共振子2
2は、例えば図2のように角柱状のセラミクスの外周に
電極を焼き付けて形成されている。この誘電体フィルタ
2を電気的な等価回路で表すと、個々の誘電体共振子2
2は共振周波数で特徴づけられる素子として表わすこと
が出来る。この誘電体フィルタ2の周波数特性が規格か
ら外れていた場合は、例えばA部のような電極の露出部
分で、電極を少し削り取ることにより、対応する誘電体
共振子22の共振周波数を変化させて、全体の周波数特
性の規格を満足させる。すなわち、誘電体フィルタ2の
周波数特性の調整は、複数の誘電体共振子22の内、周
波数特性を良い方向に変化できるものを選択し、かつ適
切な量の電極を削り取ることにより行う。なお、ここで
述べる周波数特性とは、予め設定された周波数領域での
誘電体フィルタ2の伝達特性であり、Sパラメータでは
S21要素にあたる部分である。
【0014】次に、本発明の動作の概略について、図1
および図2を参照して述べる。
【0015】まず、調整用素子である図2の誘電体共振
子22の共振周波数に対して、設計値から一定の範囲の
ずれを設定し、次にその範囲を等間隔にばらつかせる。
例えばズレの範囲を±10%とし、間隔を5等分とする
場合、−10%,−5%,0%,5%,10%に設定す
る。以上の設定を全ての誘電体共振子22に行い、次
に、個々の誘電体共振子22にいずれかひとつの値を割
当てて、いろいろな組合わせをつくる。例えば誘電体共
振子22が3個のときは、全ての組合わせは5の3乗で
125通りとなる。
【0016】これら全ての組合わせに対して、誘電体フ
ィルタ2の周波数特性を高周波シミュレータ12で計算
する。それぞれの誘電体共振子22のズレ量と、周波数
特性を対として教師データとし、全ての組合わせについ
てのデータが集まったところで、ニューラルネットワ−
ク14に学習させる。今度は調整対象の誘電体フィルタ
2の周波数特性をニューラルネットワ−ク14に入力
し、誘電体共振子22のズレ量を出力させて、この値に
基づき、誘電体共振子22の調整を行う。
【0017】次に、本発明の詳細な説明に移る。
【0018】はじめに、教師デ−タを生成するフローチ
ャートを示す図3を用いて、本発明の内、「教師デ−タ
を生成し、ニュ−ラルネットワ−クに学習させるまで」
の動作を詳細に説明する。
【0019】まず、素子値発生部10において、上述し
たように、誘電体共振子22の共振周波数に対して設計
値から一定の範囲のズレを設定し、その範囲を等間隔に
ばらつかせる。そして、個々の誘電体共振子22に、い
ずれかひとつの値を割り当てて、いろいろな組合わせを
つくる。生成した全ての組合わせの内ひとつを選択す
る。誘電体共振子22以外のコイル23,コンデンサ2
4等、ここで設定する以外の素子はすべて理想値(設計
値)に設定するが、その電気的特性のばらつきが顕著で
あり、かつその周波数特性に対する影響が、調整用素子
である誘電体共振子22の影響に匹敵するかそれ以上で
ある場合は、その素子についても設計値から一定の範囲
のズレを設定し、上述した誘電体共振子22と同様に扱
う(ステップ101)。
【0020】ステップ101で設定した各素子値のもと
に高周波シミュレータ12でシミュレーションを実施
し、周波数特性を計算する。計算するポイントは例えば
図6に示すように、特定の周波数範囲内の予め選択した
周波数点における伝達特性である。なお、後で行う素子
値ズレの計算に伝達特性(S21)だけでは不十分であ
ると判断される場合は、S11、S22など他のパラメ
ータを含んでもよい。ここでS11やS22などを含め
た場合、以下の説明において周波数特性は全てそれらを
含む(ステップ102)。
【0021】ステップ101で素子値発生部10により
設定した誘電体共振子22それぞれのズレ量と、それに
対応する、ステップ102で高周波シミュレータ12に
より計算した周波数特性の組合わせを、教師データ記憶
部11に記憶する。なお、図には特に示していないが、
教師データ記憶部11において、周波数特性そのものを
記憶するかわりに、全ての素子値を設計値としたときの
周波数特性との差分をとって、それを記憶することもで
きる。ここでいう差分とは、図6を例に説明すると、測
定ポイントO1からOnの各点において、対応する同一
周波数点で、それぞれ設計値と上述の計算した周波数特
性の差を求め、これを新たなO1’からOn’とする処
理のことであり、以下、差分は全て同じ処理を表わす。
また、差分処理により得られるO1’からOn’を差分
波形と称する。なお、差分処理を施す理由は、誘電体共
振子22のズレに対する入力データの差異を検出するこ
とによって、後述するニューラルネットワ−ク14の学
習が早く進むようにするためである(ステップ10
3)。
【0022】次に、教師データ記憶部11は、ステップ
101から103の処理が、全ての誘電体共振子22の
ズレの組合わせについて実行されたかを確認する。全て
の組合わせが終了していなければ、教師データ記憶部1
1は素子値発生部10に指示し、ステップ101の処理
から繰返し、全ての組合わせが終了していれば、教師デ
ータ記憶部11は全ての組合わせの教師データをニュー
ラルネットワーク14に出力することにより、ステップ
105に進む(ステップ104)。
【0023】教師データ記憶部11に記憶された全ての
組合わせの教師データを受け、ニューラルネットワーク
14は、以下に述べる学習を行う。ニューラルネットワ
ーク14は、例えば図5のように構成される。図5にお
いて、ニューラルネットワーク14は、上述した教師デ
ータの内、誘電体フィルタ2の測定値であるO1からOn
のデータ数に相当する個数の入力素子を有する入力層3
0と、これらの入力層のそれぞれの出力を入力する、予
め定められた個数の中間素子を持った中間層31と、中
間層31の出力を入力とし、誘電体共振子22のズレ量
を出力する、誘電体共振子22と同数の出力素子32と
を備えている。入力素子の値としては、図6のO1から
Onが順番に割当てられる。中間素子は、入力素子の出
力にそれぞれ予め指定された重みづけを行った後に、そ
の総和を求め、その総和に応じた値をシグモイド関数で
変換して出力する。シグモイド関数の例としては、公知
である、Y=1/{1+exp(−λX)} 等を用い
る。
【0024】同様に、出力素子32も全ての中間素子の
出力にそれぞれ予め指定された重みづけを行った後に、
その総和を求め、その総和に応じた値をシグモイド関数
で変換して出力する。出力素子32から出力される値
は、0から1の間の実数値を有している。この値は、誘
電体共振子22のズレ量に相当する。なお実際の誘電体
共振子22のズレ量は0から1の間の数とは限らないの
で、教師データの誘電体共振子22のズレ量の項は、取
り得る最大値を1.0、最小値を0に割当て、中間の値
は比例計算によって0から1.0の間の値にスケーリン
グしたあと、ニューラルネットワ−ク14の学習に用い
る。
【0025】また、ニューラルネットワ−ク14に、調
整対象の誘電体フィルタ2の測定値を入力して誘電体共
振子22のズレ量を計算させたときは、上記スケーリン
グの逆変換を行って実際の調整量を得る。
【0026】ニューラルネットワーク14に教師データ
を学習させるという動作は、具体的には、ニューラルネ
ットワーク14の入力層30と中間層31間および中間
層31と出力素子32間の結合の重みづけを正しい値に
修正する動作のことであり、修正のアルゴリズムは、例
えば誤差逆伝搬法を用いる。誤差逆伝搬法については、
公知の方法であり特に説明しない。全ての教師データに
対して、出力素子の出力誤差が予め定められた閾値より
小さくなったら修正を終了する(ステップ105)。
【0027】次に、調整を行うフローチャートである図
4を用いて、本発明の内、「調整対象の誘電体フィルタ
の測定から調整まで」の動作を詳細に説明する。
【0028】まず、前記ステップ102同様、予め定め
られた周波数点における周波数特性を、調整対象の誘電
体フィルタ2を使用してネットワ−クアナライザ3で測
定する。ネットワ−クアナライザ3で測定した周波数特
性は、波形記憶部16に記憶する(ステップ201)。
【0029】ステップ201で測定した周波数特性を、
ネットワ−クアナライザ3からニューラルネットワ−ク
14に入力し、ニューラルネットワ−ク14において、
前記ステップ105で述べた計算を行う。ニューラルネ
ットワ−ク14の出力は、誘電体共振子22のズレ量で
ある。また、前記ステップ103において、周波数特性
そのものを記憶するかわりに、全ての素子の設計値にお
ける周波数特性との差分をとってそれを記憶した場合
は、ステップ202においても、ニューラルネットワ−
ク14に入力する周波数特性に同一の処理を施し、結果
を波形記憶部16に記憶する(ステップ202)。
【0030】ニューラルネットワ−ク14は、誘電体共
振子22のズレを高周波シミュレータ12に出力し、高
周波シミュレータ12は、周波数特性のシミュレ−ショ
ンを行う。この高周波シミュレータ12による計算結果
は、波形処理部15に出力される(ステップ203)。
【0031】探索用素子値発生部13は、高周波シミュ
レータ12の指示により誘電体フィルタ2を構成する全
ての素子に設計値を入力し、高周波シミュレータ12は
周波数特性の計算を行う。なお、この処理を度々行うか
わりに一度だけ行って、外部記憶装置等に設計周波数特
性として記憶しておき、これを利用してもよい。なお、
計算結果は高周波シミュレータ12から波形処理部15
に出力される(ステップ204)。
【0032】波形処理部15において、高周波シミュレ
ータ12から入力された、(ステップ204で計算した
設計周波数特性)−(ステップ203で計算した周波数
特性)の差分処理を行う。これによって得られる差分波
形は、仮に誘電体共振子22のズレ分だけ調整を施した
とき、測定した周波数特性がどれだけ動くかを表わす期
待値になる(ステップ205)。
【0033】ステップ207に移る前に、探索用素子値
発生部13は、高周波シミュレータ12の指示により高
周波シミュレータ12に設定する全ての素子値を設計値
にする(ステップ206)。
【0034】探索用素子値発生部13において、誘電体
共振子22の内ひとつを選択し、この共振周波数を物理
的に調整可能な最少量だけ変化させる。調整可能な最少
量とは調整の分解能のことであり、調整対象の誘電体フ
ィルタ2の電極を削る際に制御可能な最少量を示す。変
化後の誘電体共振子22の共振周波数の値は探索用素子
値発生部13に保持しておく。探索用素子値を探索用素
子値発生部13から高周波シミュレータ12に出力し、
高周波シミュレータ12は探索用素子値における周波数
特性を計算する。その計算結果は高周波シミュレータ1
2から波形処理部15に出力される(ステップ20
7)。
【0035】波形処理部15において、(ステップ20
7で計算した探索用素子値における周波数特性)−(ス
テップ204で計算した設計値における周波数特性)に
あたる差分の計算を行う(ステップ208)。
【0036】波形処理部15は、波形記憶部16に記憶
していたステップ201の周波数特性を波形記憶部16
から得て、(ステップ201で測定した周波数特性)+
(ステップ205で計算した差分波形)+(ステップ2
08で計算した差分波形)の加算処理を行う。加算処理
は差分処理と同様に、各周波数点に対してそれぞれ行
う。処理結果は、調整対象の誘電体フィルタ2に、ステ
ップ202で得た誘電体共振子22のズレ量と、ステッ
プ207で設定したずらし量を施したとき、得られると
期待できる周波数特性となり、波形処理部15から規格
判定部18に出力される。
【0037】次に、規格判定部18は、波形処理部15
から入力された加算処理結果をもとに、ステップ208
で計算した周波数特性の特定の規格点において、規格の
余裕がどれだけあるかを計算する。規格点とは、周波数
特性のなかで予め設定された条件を満足しなければなら
ない箇所である。図6を例に取ると、一般的にはO1か
らOnの全ての点に対して規格値が定められているので
はなく、いくつかの規格点とそこで満足すべき規格値が
設定されている。
【0038】仮に2点で規格値が設定されている例で説
明する。規格点および規格値を例えばOkで伝達係数S
21が−2dB以上、Ojで伝達係数S21が−10d
B以下とする。規格の余裕度は、規格値と前記加算処理
の結果との差であり、例えばOkの前記加算処理の結果
が−1dBであれば余裕度は1dB、Ojの前記加算処
理の結果が−9dBであれば余裕度は−1dBとなる。
実際に調整するときは、余裕度ができるだけ大きくなる
よう調整するが、複数の規格点の余裕度のバランスをと
る必要がある。そこで、例えば全ての規格点の余裕度の
総和をとり、総合の余裕度とする。総合の余裕度として
は、他にも重みづき平均、相乗平均などが候補となる
が、調整対象の誘電体フィルタ2の特徴に合わせて決定
する(ステップ209)。
【0039】規格判定部18は、ステップ209で計算
した総合の余裕度を評価し予め定められた閾値より大き
い場合は、規格判定部18から調整量指示部17に調整
終了を通知しステップ211に進む。余裕度が予め定め
られた閾値より小さい場合は、規格判定部18は探索用
素子値発生部13に繰返しの指示を出力することにより
ステップ207にもどり、前回行ったステップ207の
ときの誘電体共振子22の設定値と少しずらして再度繰
返す。なお、その時素子値をずらす方向を決定するため
に、図には特に示していないが、処理207における誘
電体共振子22の設定値およびそのときのステップ20
9で計算した総合の余裕度を探索用素子値発生部13に
記憶しておき、探索用素子値発生部13は、この履歴を
参照して余裕度が大きくなると期待される方向にずら
す。この処理には、例えば山登り法等の公知の探索のア
ルゴリズムが利用できる(ステップ210)。
【0040】規格判定部18からの指示により調整量指
示部17は、最終的に総合の余裕度が予め定められた閾
値より大きくなったときの、探索用素子値発生部13か
ら出力するステップ207のずらし量と、ニューラルネ
ットワ−ク14から出力するステップ202で計算した
ズレ量の総和を、調整量として調整手段4に対して出力
する。調整量の出力は、例えば作業者に指示する場合
は、モニタ等を調整手段4として使用し画面上に指示文
章を表示する。また、電極を削る工具とそれを位置決め
するロボットを使用する場合は、それに適合した電気信
号となる。モニタの画面表示およびロボットを使用する
方法については、公知の技術であり特に説明しない。
【0041】また、上記実施の形態は、本発明を、誘電
体フィルタの調整に適用した場合について示している
が、他にも、高周波アンプ等、シミュレータにより特性
がシミュレーションできるものに対して、本発明を適用
できることは明らかである。
【0042】
【発明の効果】上述したように、本発明の誘電体フィル
タの調整方法および装置は、調整にニュ−ラルネットワ
−ク14を用いており、ニュ−ラルネットワ−ク14の
教師デ−タは高周波シミュレータ12により自動的に生
成されるので、熟練者の実績を人手で調査する必要がな
く、作業の効率化がはかれるという効果がある。また、
個々の作業者のノウハウに依存しないので、作業者によ
る属人性に影響されることもなく、調整の熟練者が存在
しない場合でも、調整システムが構築できるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブロック図であ
る。
【図2】誘電体フィルタの一例を示す実装図である。
【図3】教師データを生成するフローチャ−トである。
【図4】調整を行うフローチャ−トである。
【図5】ニューラルネットワークの構成図である。
【図6】周波数特性の一例図である。
【図7】従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 誘電体フィルタ調整装置 1a 教師デ−タ生成部 1b 調整制御部 2 誘電体フィルタ 3 ネットワークアナライザ 4 調整手段 10 素子値発生部 11 教師データ記憶部 12 高周波シミュレータ 13 探索用素子値発生部 14 ニューラルネットワーク 15 波形処理部 16 波形記憶部 17 調整量指示部 18 規格判定部 20 ケース 21 実装用基板 22 誘電体共振子 23 コイル 24 コンデンサ 30 入力層 31 中間層 32 出力素子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体フィルタの周波数特性を調整する
    誘電体フィルタの調整方法において、 シミュレ−タ上の誘電体フィルタを構成する素子の内、
    調整用素子以外の素子値を設計値に設定する第1のステ
    ップと、 前記シミュレータにおいて、n個の調整用素子値r1か
    らrnを変動させて前記誘電体フィルタの周波数特性を
    計算し、これらの調整用素子値r1からrnと周波数特
    性を組合わせたデ−タを教師データとして記憶する第2
    のステップと、 前記第2のステップで行った調整用素子値の設定を前と
    違う値にし、予め定められた組合わせが終わるまで繰り
    返す第3のステップと、 調整対象の誘電体フィルタの周波数特性を測定する第4
    のステップと、 前記第2のステップおよび前記第3のステップで記憶し
    た組合わせの前記教師データと、前記第4のステップで
    測定した前記調整対象の誘電体フィルタの周波数特性を
    ニューラルネットワ−クに入力し、前記教師デ−タに対
    する調整用素子値のズレを計算する第5のステップと、 前記第5のステップで計算した調整用素子値のズレに対
    する周波数特性を前記シミュレータで計算する第6のス
    テップと、 全ての素子を設計値に設定して前記シミュレ−タで周波
    数特性を計算する第7のステップと、 前記第7のステップで計算した周波数特性と前記第6の
    ステップで計算した周波数特性の差分を計算する第8の
    ステップと、 調整用素子の内ひとつを設計値から少し変化させ、他の
    調整用素子を設計値に設定して前記シミュレ−タで周波
    数特性を計算し、その後前記第7のステップで計算した
    周波数特性との差分を計算する第9のステップと、 前記第4のステップで測定した前記調整対象の誘電体フ
    ィルタの周波数特性に、前記第8のステップおよび前記
    第9のステップで計算した周波数特性の差分を加算し、
    その後周波数特性の特定の規格点において、規格値と前
    記加算処理の結果との差である余裕度を計算する第10
    のステップと、 前記第10のステップにおける前記余裕度が、予め定め
    られた閾値を越えるまで前記第9のステップ,前記第1
    0のステップを繰返し行う第11のステップと、 前記第11のステップで前記余裕度が予め定められた閾
    値を越えた時の前記第9のステップにおける調整用素子
    値のずらし量と、前記第5のステップで計算した調整用
    素子値のズレの合計の分だけ前記調整対象の誘電体フィ
    ルタの調整用素子値を調整する第12のステップと、を
    含むことを特徴とする誘電体フィルタの調整方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のステップの周波数特性は、調
    整用素子の値を設計値としたときの周波数特性との差分
    であることを特徴とする請求項1記載の誘電体フィルタ
    の調整方法。
  3. 【請求項3】 誘電体フィルタの複数の調整用素子値を
    複数段階に変動させ、前記調整用素子以外の素子値を設
    計値に設定する素子値発生手段と、前記素子値における
    周波数特性Aを計算するシミュレ−ション手段と、前記
    素子値と前記周波数特性Aを組合わせた教師デ−タを記
    憶する教師デ−タ記憶手段とからなる教師デ−タ生成手
    段と、 調整対象の誘電体フィルタの周波数特性Bを記憶する波
    形記憶手段と、前記教師デ−タ記憶手段に記憶された前
    記組合わせ教師デ−タと前記周波数特性Bを学習し、前
    記教師デ−タに対する調整用素子値のズレを計算するニ
    ュ−ラルネットワ−ク学習手段と、全ての素子を設計値
    に設定または調整用素子のひとつを設計値から少し変化
    させる探索用素子値発生手段と、前記調整用素子値のズ
    レに対する周波数特性C,全ての素子を設計値にしたと
    きの周波数特性D,調整用素子のひとつを設計値から少
    し変化させたときの周波数特性Eを計算する前記シミュ
    レ−ション手段と、前記周波数特性B,前記周波数特性
    Dと前記周波数特性Cの差分,前記周波数特性Eと前記
    周波数特性Dの差分とを加算する波形処理手段と、周波
    数特性の特定の規格点において、規格値と前記加算結果
    の差である余裕度を計算し、余裕度が予め定められた閾
    値を越えた場合は調整を指示し、閾値を越えなかった場
    合は閾値を越えるまで、調整用素子値を再設定し周波数
    特性Eを再計算するよう指示する規格判定手段と、前記
    規格判定手段および前記探索用素子値発生手段からの指
    示により調整を行う調整指示手段とからなる調整制御手
    段と、を有することを特徴とする誘電体フィルタ調整装
    置。
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