JP2725991B2 - 選択性の増強された非対称のイオン選択性膜電極を使用する電位差測定イオン定量法 - Google Patents

選択性の増強された非対称のイオン選択性膜電極を使用する電位差測定イオン定量法

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JP2725991B2 JP5344474A JP34447493A JP2725991B2 JP 2725991 B2 JP2725991 B2 JP 2725991B2 JP 5344474 A JP5344474 A JP 5344474A JP 34447493 A JP34447493 A JP 34447493A JP 2725991 B2 JP2725991 B2 JP 2725991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は電位差測定によりイオン定量を
行う方法に関し、また一層特定的にはイオン選択性の非
対称膜を用いて選択性の増強された電位差測定的定量を
行う方法に関する。
【0002】
【背景となる技術】液体中の特定物質の濃度を定量する
ために電気化学的測定が広く使用されている。イオン選
択性電極(ISE)と称されるこのためのデバイスは、
例えば飲料水中の弗化物イオンの活量の測定、プロセス
流体のpHの測定、および血清中の電解質の定量を含めて
広汎な種類の電位差測定的イオン定量において使用され
る。
【0003】健康管理の分野において、そして特に臨床
的診断の領域においては、血漿、血清および他の生物学
的液体中に存在する種々のイオンおよび代謝物質の活量
または濃度を測定するために、ISEが普通使用され
る。例えばISEは、このような液体中に含まれるNa
+、Ca++、Mg++、K+、Cl-、Liおよび二酸化
炭素やpHを定量するのに標準的に使用される。従来のI
SEは一般に、イオン選択性膜、内部充填溶液または電
解液、および内部照合電極を含む。ISEとともに使用
される外部照合電極は典型的には、Ag/AgClのよ
うな金属/金属ハロゲン化物電極である。
【0004】従来的なISEは典型的にみると、嵩ばっ
ており、高価であり、清浄化しそして保守するのが困難
であり、また好ましくないほどに多量の生物学的液体を
必要とする傾向にある。このため、一層小型で一層信頼
性の高いISEを開発することに多くの注目が集まって
いる。イオン選択性センサーまたはバイオセンサーと称
されるこのような比較的小型のISEは、例えば写真平
版、スクリーン印刷およびイオン注入を含めての、電子
的素子の製造において使用される技術に似たものを使用
することにより安価に大量生産することができる。イオ
ン選択性センサーおよびバイオセンサーは従来的なIS
Eよりも著しく低い製造原価で製造でき、一回使用のま
たは使用回数が限定された廃棄可能なデバイスを経済的
に提供することができ、これによって従来型のISEを
清浄化しそして保守する困難がなくなる。さらに、この
小型化されたイオン選択性センサーは患者から採取する
試料の必要量を減らすのに役立つ。一般に、センサーは
従来型の電極のミニアチュア版であるか、または上述し
た技術を一つ以上用いて製作したデバイスであってよ
い。センサーが、目的とする成分の濃度または活量のみ
に対して応答しそして干渉的なイオンの存在におよび
(または)センサーを支持する膜マトリックスの影響に
関わりなく応答する場合、分析または診断において最高
精度の結果が得られる。所望の選択性は、イオン透過担
体のようなイオン選択剤を含有するイオン選択性膜によ
ってしばしば得られる。一般に、イオン選択性膜は、目
的とするイオンに対して選択性を有するイオン透過担体
(ionophore)を含有する、ポリ塩化ビニルのような著
しく可塑化されたポリマーマトリックスからつくられ
る。例えば、イオン透過担体たるバリノマイシンが、カ
リウムイオンに対する選択性を有する膜の層内に含めら
れてき、またトリフルオロアセチル−p−ブチルベンゼ
ンまたは他のトリフルオロアセトフェノン誘導体が炭酸
イオンに対する選択性を有するイオン透過担体として使
用されてきた。
【0005】イオン化学種の濃度または活量の定量は、
EMF(試料溶液により電解的に接続された内部照合電
極と外部照合電極との間の、電流がゼロまたはゼロに近
いときの電位差)を、高インピーダンスの電圧計を用い
て測定することにより行われる。照合電極は典型的には
塩橋により、試料溶液に電解的に接続されている。
【0006】生理学的、工業的および環境関連の試料中
の二酸化炭素化学種を全部、正確にそして迅速に定量す
ることは、極めて困難な挑戦にあたる。炭酸イオン−選
択性電極または流動通過(flow through)検知器として
構成されるガス検知電極を使用して生物学的試料中の全
二酸化炭素を定量するために、現在、自動化された臨床
的分析器が常用されている。しかしながら、炭酸イオン
−選択性の既知の膜電極はいずれも、炭酸イオンを明確
に定量するのに十分な特定性ないしは選択性を示さな
い。これは、炭酸イオン−選択性のあるイオン透過担体
を利用するイオン選択性センサーが、パークロレート、
ゲンチゼート、サリシレート、p−アミノサリシレート
や、さらにはヘパリンのようなより大きな化学種のごと
き比較的大きい疎水性イオンによる干渉効果をうけるか
らである。このようなサリシレートイオンは、普通の鎮
痛剤で治療を受けている患者から採取した生理学的試料
中に普通存在する。
【0007】1975年8月1日に発行されたNiedrach
の米国特許第3,898,147号は、疎水性エラストマ
ーからなる水素イオン透過性膜を有する炭酸イオン−選
択性電極を開示している。水素イオン透過性膜中の水性
電解液のpHを測定することは、重炭酸塩の間接測定とし
て役立つ。しかしながら、この手法においては、二酸化
炭素の吸収が、試料中の唯一の水素イオン源であると仮
定されている。さらに、この系は他の内生的な酸の干渉
をうける。
【0008】1989年3月7日に発行されたChapotea
uの米国特許第4,810,351号は、アルキル置換フ
ルオロアセトフェノンからなるイオン透過担体を利用す
る炭酸イオン−選択性の膜および電極を開示している。
流れが非常に速い状況下で電極の応答のドリフトを減少
するために、イオン透過担体のアルキル置換を高めるこ
とが示唆されている。さらに、荷電した化学種を溶液相
から駆追することにより、干渉性陰イオンを一層よく排
除するために、イオン−選択性膜処方に疎水性分子を添
加することが示唆されている。炭酸イオンと結合するた
めにC7〜C9第4級アンモニウム界面活性剤が開示され
ている。
【0009】1981年6月9日に発行されたKimらの
米国特許第4,272,328号は、イオン透過担体を含
む膜と、分析すべき溶液のpHを約7.5〜約9.5の間に
制御するのに十分な量の緩衝帯とを含むイオン−選択性
電極多層分析素子を開示している。上記の条件下では、
ゲンチゼート、サリシレートおよびp−アミノサリシレ
ートの干渉効果に対して、上記素子の感受性は比較的低
いことが示唆されている。他の大きな陰イオン例えばヘ
パリンおよび(または)内生的な脂肪酸による干渉を無
くすることについては述べられていない。
【0010】1980年4月22日に発行されたKimの
米国特許第4,199,411号は、約2〜約6個のヒド
ロキシル基を有する多価アルコールを含むセルロースエ
ステルからできているオーバーコートを有する、ハロゲ
ン化物イオン−選択性デバイスの構造を開示している。
セルロースエステルのオーバーコートに添加されると
き、この多価アルコールは「セルロースエステル層の干
渉防止特性に悪影響を与えなかった」。6.4〜約8.3
%のヒドロキシル基を有する加水分解されたセルロース
アセテートブチレートがセルロースエステルの1例とし
て開示されている。Kimは非対称の膜または層の使用に
ついては述べもせずあるいは示唆もしてない。
【0011】1979年の著者不明のResearch Disclos
ure 18730は、ハロゲン化物イオン−選択性のデバ
イスの製造およびこのデバイス保存寿命を改善するため
にセルロースエステルを含むハロゲン化物を透過可能な
上被層を使用することを開示している。非対称性膜電極
についての言及や示唆はない。
【0012】1985年3月19日に発行されDetwiler
らの米国特許第4,505,801号は、イオン選択性膜
のためのオーバーコート層を開示しており、このオーバ
ーコート層はサリシレート、特に高濃度のサリシレート
のような干渉性がありうるイオンに対比すると炭酸イオ
ンに対して高い選択性を有する。ここに開示のオーバー
コート層は、連続的な親水性結合剤中に分散された不連
続な疎水性溶媒、親油性陰イオンを抽出するための錯化
剤、7.5〜約9.5の範囲のpHを与える緩衝剤および核
化剤を含有する。
【0013】1990年2月6日に発行されたIshizuka
らのStatutory Invention Registration No.H745
は、サリシレート、p−アミノサリシレートおよびゲン
チゼートによる干渉を無くしまたは減少するために、炭
酸イオン−選択性層に積層された、緩衝された親水性ポ
リマー結合剤の層を使用することを開示している。
【0014】Chaらの「Potentiometric Ion- and Bio-
Selective Electrodes Based On Asymmetric Cellulose
Acetate Membranes」、Talanta、 36巻(1989
年)、271〜278ページは、第2の層に融着されて
いる加水分解された第1の層、中性の担体および可塑化
剤を含有する第2の層、および第1の層の加水分解され
た露出面に共有結合によって結合された酵素を有するセ
ルローストリアセテート膜からなるバイオ選択性電極を
開示している。トリフルオロアセチル−p−ブチルベン
ゼン(TFABB)でドーピングされたセルロースアセ
テートの非対称性の膜の炭酸イオンおよび他の陰イオン
に対する電位差測定上の応答性が開示されている(Cha
文献の第4図)。さらに、「(ヒドロキシル基を形成す
るための)非対称的変改は膜の応答特性にほとんどある
いは全く影響を与えなかった。観察された応答スロープ
および選択性(あるいはサリシレートに対する応答性の
ないこと)は、GreenbergおよびMeyerhoffにより既に報
告されているごとく、PVCをベースとする膜について
認められているそれらと実質的に同じである」ことが開
示されている。
【0015】Chaらにより開示されている非対称性膜
は、バイオセンサー的応用のために開発された。Chaら
は電位差測定的に定量するための選択性の増強された方
法については述べも示唆もしてない。さらにChaらは、
非対称性膜電極によりサリシレートによる干渉が減少さ
れる電位差測定的定量方法あるいは選択性を増強するた
めに、目的とするイオンの活量が静的に(平衡状態にお
いて)ではなく動的に定量されるごとき方法について述
べても示唆してもいない。
【0016】
【発明の概要】本発明は、 (a)イオン選択剤と可塑化剤とを含むイオン選択性層
と、これに融着しており、生物学的試料と接触され該生
物学的試料と接触する側に薄い親水性のヒドロキシル化
された表面を有する親水性層とを備えた非対称膜を有す
るイオン選択性の非対称膜電極であって、該イオン選択
性層は上記ヒドロキシル化された表面でない親水性層側
に融着している膜電極に、目的とするイオンを含有する
ものと疑われる生物学的試料を接触させ、 (b)イオン選択性の非対称膜電極と照合電極との電位
差を測定し、そして (c)この電位差を試料中の目的イオンの濃度に相関さ
せることにより電位差測定イオン選択性を増強すること
からなる、イオン選択性の非対称膜電極とこれに対して
電解的に接続された照合電極とを用いることにより、生
物学的試料につき電位差測定によりイオン定量を行う方
法に関する。
【0017】本発明の別な局面は、 (a)干渉物質の濃度が約2×10−3Mより低くまた
希釈した生物学的試料のpHが約7.5〜9.5である
のに十分な量の緩衝溶液により、炭酸イオンを含有する
ものと疑われる、干渉物質を含有する生物学的試料を希
釈し、 (b)イオン選択剤と可塑化剤とを含むイオン選択性層
と、これに融着しており、希釈された生物学的試料と接
触され該生物学的試料と接触する側に薄い親水性のヒド
ロキシル化された表面を有する親水性層とを備えた非対
称膜を有するイオン選択性の非対称膜電極であって、該
イオン選択性層は上記ヒドロキシル化された表面でない
親水性層側に融着している膜電極に、希釈された試料を
接触し、 (c)イオン選択性の非対称膜電極と照合電極との電位
差を測定し、そして (d)この電位差を試料中の炭酸イオン濃度に相関させ
ることにより、電位差測定イオン選択性を増強すること
からなる、イオン選択性の非対称膜電極とこれに対して
電解的に接続された照合電極とを用いることにより、生
物学的試料の電位差測定を行うことによる炭酸イオンの
定量方法に関する。
【0018】
【発明の詳述】本発明は、イオン選択性の非対称膜電極
とこれに対して電解的に接続された照合電極とを用いる
ことにより、生物学的試料につき電位差測定によりイオ
ン定量を行う方法に関する。この方法は、イオン選択剤
と可塑化剤とを含むイオン選択性層と、これに融着して
おり、生物学的試料と接触される親水性層とを備えた非
対称膜を有するイオン選択性の非対称膜電極に、目的と
するイオンを含有するものと疑われる生物学的試料を接
触させ、イオン選択性の非対称膜電極と照合電極との電
位差を測定し、そしてこの電位差を試料中の目的イオン
の濃度に相関させることにより電位差測定イオン選択性
を増強することからなる。
【0019】「イオン選択性電極(ISE)」とは、試
料中の目的イオンの活量にその電位が関連づけられる電
位差測定用の電気化学的センサーを意味する。一般に、
電位は目的イオンの活量の対数に比例する。目的イオン
の活量とは、イオン濃度に活量係数を乗じたものと定義
され、活量係数は一般に知られておりあるいは当該技術
において入手可能である。「生物学的試料」とは、分析
に先立って化学的にそして(または)物理的に処理さ
れ、希釈されあるいは濃縮されている生物学的な起源の
液体を含めた、生物学的起源の任意の液体を意味する。
生物学的試料の例には、血清、尿、血漿、全血、脊髄
液、羊水、唾液および涙がある。「目的とするイオン」
とは、本発明の非対称膜ISEを使用して定量すべき任
意のイオンを意味する。目的とする種々のイオンには、
炭酸塩(CO3 2-)塩化物(Cl-)、臭化物(Br-
および燐酸塩(HPO3 -)が含まれるが、これらに限定
されない。目的とするイオンのうちCO3 2-が好まし
い。本発明の方法は塩化物イオンのような小さな親水性
陰イオンを定量するのに特に適している。
【0020】電位差測定イオンセンサーの原理に関する
一般的な論考は、Clinical Chemistry、32巻8号(1
986年)の1448〜1459ページのOeschらの「I
on Selective Membranes for Clinical Use」において
なされており、この開示は参照によって本明細書中に加
入されている。すでに知られている従来のISEは典型
的には、イオン選択性膜、内部充填溶液、および内部照
合電極からなる。ISEには膜の材料の性質に従って分
類されることができ、ISEには固体膜電極、ガラス膜
電極、荷電したイオン選択剤を含む液膜電極、および不
活性のポリマーマトリックス中に保持されたイオン透過
担体のような電気的に中性なイオン選択剤を含有する有
機溶液からつくられる膜を有する中性液膜電極が含まれ
る。
【0021】生物学的試料のような試料溶液と組合わさ
れるISEと外部照合電極とにより電位差測定用セル組
立物が構成され、そして目的イオンを試料溶液から膜に
選択的に移動することにより、内部充填溶液と試料溶液
との間に電位差が発生する。この電位差は、膜に接触す
る二つの溶液中の目的イオンの濃度のまたは活量の比に
数学的に関連づけることができる。目的のイオンに対す
る膜の選択性は、理想的な条件下では、膜に接触する二
つの溶液中の目的イオンの活量の比の対数の一次関数
(Nernstの式)である。非理想的条件に対しては、EM
Fに関するNernstの式の半経験的な拡張(Nikolskii Ei
senmannの式)を利用できる。EMFとは内部および外
部の両照合電極が、電流がゼロまたはほとんどゼロであ
る状態で、試料溶液により電気的に接続されている際の
両電極間の電位差を意味する。
【0022】本発明についての図面の説明をすると、図
1Aは、(A):ポリビニルクロライド(PVC)、
(B):変性されてないセルローストリアセテート(C
TA)、および(C):非対称CTA膜からそれぞれつ
くられる炭酸イオン−選択性電極の、サリシレートの濃
度が10-5〜10-4M(モル/リットル)と変化すると
きの動的応答を示す。図1Bは、(A):ポリビニルク
ロライド(PVC)、(B):変性されてないセルロー
ストリアセテート(CTA)、および(C):非対称C
TA膜からそれぞれつくられる炭酸イオン−選択性電極
の、CO3 2-の濃度が10-4〜10-3Mとの変化すると
きの動的応答を示す。
【0023】図2Aは、TFABBでドーピングされた
変性されてないCTA(△)膜電極および非対称CTA
(○)膜電極の疎水性陰イオン(A)つまりサリシル酸
に対する電位差応答を示す。pH8.6において、0.1M
のトリス−硫酸溶液中で電位差を測定した。図2Bは、
TFABBでドーピングされた変性されていないCTA
(△)膜電極および非対称CTA(○)膜電極の疎水性
陰イオン(B)つまり3−ヒドロキシ−2−ナフト酸に
対する電位差応答を示す。pH8.6において、0.1Mの
トリス−硫酸溶液中で電位差を測定した。図2Cは、T
FABBでドーピングされた変性されていないCTA
(△)膜電極および非対称CTA(○)膜電極の疎水性
陰イオン(C)つまり3−ヒドロキシ−2−アントラセ
ンカルボン酸に対する電位差応答を示す。pH8.6にお
いて、0.1Mのトリス−硫酸溶液中で電位差を測定し
た。
【0024】図3は、大容量のウォールジェット流セル
を備えた、膜電極をベースとする流れ注入分析(FI
A)システムの略解図である。図4Aは、流動通過検知
器としてTFABBでドーピングされた炭酸塩−選択性
PVC膜電極を用いて得た、流れ注入陰イオンに対する
電位差測定応答を示す。0.1Mのトリス−硫酸つまりp
H8.6の緩衝液を含有する陰イオン標準溶液のアリコー
ト(150μl)を、pHが8.6の、0.1Mのトリス−
硫酸を含有するバックグラウンド電解液流中に毎分7.
5ml注入した。図4Bは、流動通過検知器として変性さ
れてない普通のCTA膜電極を用いて得た、流れ注入陰
イオンに対する電位差測定応答を示す。0.1Mのトリ
ス−硫酸つまりpH8.6の緩衝液を含有する陰イオン標
準溶液のアリコート(150μl)を、pHが8.6の、
0.1Mのトリス−硫酸を含有するバックグラウンド電
解液流中に毎分7.5ml注入した。図4Cは、流動通過
検知器として非対称CTA膜電極を用いて得た、流れ注
入陰イオンに対する電位差測定応答を示す。0.1Mの
トリス−硫酸つまりpH8.6の緩衝液を含有する陰イオ
ン標準溶液のアリコート(150μl)を、pHが8.6
の、0.1Mのトリス−硫酸を含有するバックグラウン
ド電解液流中に毎分7.5ml注入した。
【0025】図5Aは、TFABBでドーピングされた
PVC膜電極の、添加される標準溶液すなわち(A):
25ミリMの炭酸塩、(B):1.0ミリMのサリシレ
ート、(C):25ミリMの炭酸塩、100ミリMの塩
化物および1.0ミリMのサリシレートを含有する混合
物に対する動的応答を示す。各測定とも、pH8.6の0.
1Mのトリス−硫酸を含有する18mlのバックグラウン
ド電解質溶液に2mlの標準溶液を添加した。図5Bは、
TFABBでドーピングされた非対称CTA膜電極の、
添加される標準溶液つまり(A):25ミリMの炭酸
塩、(B):1.0ミリMのサリシレート、(C):2
5ミリMの炭酸塩、100ミリMの塩化物および1.0
ミリMのサリシレートを含有する混合物に対する動的応
答を示す。各測定とも、pH8.6の0.1Mのトリス−硫
酸を含有する18mlのバックグラウンド電解質溶液に2
mlの標準溶液を添加した。
【0026】図6Aは、PVC膜電極および非対称炭酸
イオン−選択性膜電極の、種々な濃度のサリシレートを
含有する、添加される血清試料つまり(A):再構成さ
れた対照用血清、(B):25ミリMのCO3 2-を含有
する対照用血清、(C):25ミリMのCO3 2-と0.0
1ミリMのサリシレートとを含有する対照用血清、
(D):25ミリMのCO3 2-と0.1ミリMのサリシレ
ートとを含有する対照用血清、(E):25ミリMのC
3 2-と0.1ミリMのサリシレートとを含有する対照用
血清、(G):25ミリMのCO3 2-を含有する対照用
血清、(H):脱イオン水中の25ミリMのCO3 2-
対する電位差測定応答を示す。各測定の間に脱イオン水
で膜を洗浄しまた図に示す順序に従って血清試料を添加
した。図6Bは、非対称CTAイオン選択性膜電極の、
種々な濃度のサリシレートを含有する、添加される血清
試料つまり(A):再構成された対照試料、(B):2
5ミリMのCO3 2-を含有する対照用血清、(C):2
5ミリMのCO3 2-と0.01ミリMのサリシレートとを
含有する対照用血清、(D):25ミリMのCO3 2-
0.1ミリMのサリシレートとを含有する対照用血清、
(E):25ミリMのCO3 2-と0.1ミリMのサリシレ
ートとを含有する対照用血清、(G):25ミリMのC
3 2-を含有する対照用血清、(H):脱イオン水中の
25ミリMのCO3 2-に対する電位差測定応答を示す。
各測定の間に脱イオン水で膜を洗浄しまた図に示す順序
に従って血清試料を添加した。
【0027】図7は、イオン選択性層に融着した親水性
層を有する非対称膜からなる非対称炭酸イオン−選択性
膜の製造を図式的に示す。図8Aは、非対称ISEのた
めの固体の平板状センサーの形式を略解的に示す。図8
Bは、固体の平板状センサーの型式にける非対称ISE
の親水性層およびイオン選択性層を略解的に示す。
【0028】本発明において利用するISEは選択性が
増強された非対称膜電極である。この非対称膜はイオン
選択性層に融着された親水性層を有する。親水性層は、
親水性の表面をもつ薄いポリマー膜を用いることにより
つくられる。このようなポリマー膜をつくるために、セ
ルロース、セルロースエステル、ポリ(ビニルアセテー
ト)、ポリウレタン、ポリ(ビニルブチラール)、およ
び塩化ビニルのコポリマーを含む各種のポリマーを使用
できるが、これらに限られはしない。「セルロースエス
テル」とは、セルロースアセテート、セルロースブチレ
ートおよび同族体系列に属する他のものを含めたセルロ
ースのエステル誘導体のすべてを意味するが、これらに
限られはしない。「ポリ(ビニルブチラール)」とは、
ビニルブチラール、ビニルアルコールおよびビニルアセ
テートのコポリマーのことである。
【0029】非対称膜の親水性層およびイオン選択性層
は、一つまたはそれ以上のイオン選択剤を含有するポリ
マーと可塑化剤とを含有する混合物を親水性の表面を有
するポリマー膜に融着することにより形成される。親水
性表面を有するポリマー膜は、ポリマー溶解するのに十
分な量の溶媒または異種溶媒の混合物中にポリマーをま
ず溶解し、溶解されたポリマーを板または他の表面にキ
ャストしそして溶媒を蒸発させることにより製造でき
る。ポリマーの使用量は、膜の片面の加水分解およびイ
オン選択剤と可塑化剤とを含有するポリマーへの引続い
ての融着に耐えるのに適する厚さと構造的一体性とを有
する膜を製作するのに十分であるべきである。親水性表
面を有する得られるポリマー膜の厚さは、約1μ〜約1
000μであってよく、約50μの厚さが好ましい。ポ
リマー膜の片面の加水分解は、これを加水分解剤に接触
させて、−OH、−NH2または−COOHのような親
水性官能基からなる親水性表面を形成することにより実
施できる。例えば、液体の加水分解剤上にポリマー膜を
浮遊することにより容易に加水分解を行える。
【0030】「加水分解剤」とは、ポリマー膜と反応し
てその片面に親水性官能基を生成できる任意の物質をい
う。好適な加水分解剤の例は塩基である。NaOHを含
み、これに限定されない広汎な種類の塩基が使用でき
る。加水分解中にポリマー膜の構造的一体性を損壊する
ことなく、非対称膜の所望とする選択性が最大となる
(目的イオンに対する応答が最大となりそして干渉物質
に対する応答の低下が最大となる)ように、親水性層の
片面上に親水性官能基が生成するのに十分な時間にわた
って加水分解を行なわせる。加水分解の時間が延びる
と、ポリマー膜が全部加水分解される事態となり得、一
つまたはそれ以上のイオン選択剤と可塑化剤とを含有す
るポリマーとの融着において後で困難を生じうる。この
ような問題は、より厚いポリマー膜またはより短い反応
時間を採用することにより克服できよう。特定のポリマ
ー膜に対する最適な加水分解時間は、いろいろな時間に
わたって膜を加水分解にかけ、それによって生成する膜
の応答を比較することにより決定できる。
【0031】加水分解のための反応時間は30分から数
時間にわたりうるが、好ましい反応時間は約3〜10時
間である。親水性表面を有するポリマー膜は次に、融着
工程に備えて乾燥されてよい。膜は、その構造的一体を
損壊することなく溶媒を蒸発させる任意の手段を用いて
乾燥されてよい。室温での空気乾燥が好ましい。ポリマ
ー膜の加水分解された親水性表面は、後に生物学的試料
に直接接触されることになる、非対称膜の表面である。
【0032】親水性表面を有するポリマー膜は、ヒドロ
キシル基からなる親水性面を有するセルローストリアセ
テート膜であるのが好ましい。この層は、メチレンクロ
ライドとクロロホルムとのような混合溶媒中にセルロー
ストリアセテートを溶解し、平らな表面上に溶液を薄層
となるようにキャストして、約50μの厚さの層を形成
し、そして放置して溶媒を蒸発させることにより容易に
つくれる。次に、セルローストリアセテート層を約4〜
10時間といった十分な時間にわたってNaOH溶液上
に浮遊し、水洗しそして空気乾燥するのがよい。
【0033】一つまたはそれ以上のイオン選択剤と可塑
化剤とを含有するポリマー層の混合物は次いで親水性表
面を有するポリマー膜と融着される。まず、ポリマー膜
を完全に溶解することなくあるいは親水性表面をこわす
ことによりポリマー膜の構造的一体性を損壊することな
くポリマー膜を軟化または膨潤するのに十分な量の溶媒
を、親水性表面を有するポリマー膜の非親水性の表面上
に加える。
【0034】「融着」とは、ポリマー、イオン選択剤お
よび可塑化剤の混合物を親水性表面を有するポリマー膜
の非親水性の表面上にキャストし、そして溶媒を蒸発さ
せる工程を意味する。ポリマー膜の親水性表面は、イオ
ン選択剤が溶解されている可塑化剤と混合しない。キャ
ストされるポリマー溶液中に存在する一つまたはそれ以
上のイオン選択剤は、親水性表面を有するポリマー膜の
ポリマー基質中に拡散してこれと混合し、そしてポリマ
ー膜の親水性表面に達して止まる。
【0035】一つまたはそれ以上のイオン選択剤と可塑
化剤とを含有するポリマーの混合物の使用量は、非対称
のイオン選択性電極中で使用するのに好適な厚さと構造
的一体性とを有する非対称膜を形成するのに十分である
べきである。得られるポリマー膜の厚さは、約1μ〜約
1000μであってよく、約100μが好ましい。得ら
れる非対称膜は融着した二つの層、つまり親水性層とイ
オン選択性層とからなる。親水性層は、融着後に形成さ
れる厚さが約10μであるのが好ましい。
【0036】この工程は、炭酸イオン用の非対称膜の製
造に関して、図7に図式的に示されている。最初、上述
した手順に従って、親水性表面(1)を有するポリマー
膜が調製される。次に、イオン選択剤(イオン透過担体
としてのTFABBとイオン錯化剤としてのTDMA
C)と可塑化剤とを含有する第2のポリマー(2)が第
1のポリマー膜の非親水性の表面上にキャストされる。
第1のポリマー膜中へのイオン選択剤の拡散または混合
(図7の点線を横切る)が起り、親水性層(3)とイオ
ン選択性層(4)とを有する非対称膜が形成される。別
法として、一つまたはそれ以上のイオン選択剤を含有す
るポリマー膜をまづキャストし、続いて親水性層を有す
る第2のポリマー膜を一つまたはそれ以上のイオン選択
剤を含有するポリマー膜に融着させることができる。こ
の製造方法は固体の平板状センサーの形のISE中で使
用する場合に特に好適である。
【0037】本発明において非対称膜を使用すること
は、層の融着により、所与のイオン選択性膜電極中にイ
オン選択剤と親水性層との両者を含ませることが可能に
なるという点で意味深い。イオン選択剤を含有する膜を
直接加水分解したとしても、本発明の非対称膜のように
選択性特性が増強された膜は形成されないと思われる。
さらに、大きな疎水性陰イオンに対する非対称CTA膜
の応答が非対称でない膜に比べて比較的緩慢である(実
施例に記載のごとく)のは、非対称膜中に親水性層が存
在することによるのであろう。非対称の炭酸イオン−選
択性膜に関する応答の差は、炭酸イオンの水和球体の反
応が、サリシレートのようなより緩慢で親水性がより低
いイオンの水和球体の反応よりも迅速であることに由来
する、親水性層を横断する移動速度の差としてさらに説
明できよう。
【0038】イオン選択性層をつくるには、親水性層を
つくるのに利用したものを含むがそれらに限定されない
種々なポリマーを使用できる。特定の非対称膜の親水性
層とイオン選択性層とをつくるのに同一のポリマーまた
は異なるポリマーのいずれも使用できる。特定の非対称
膜の親水性層とイオン選択性層との双方をつくるため
に、セルローストリアセテートのような同一のポリマー
を使用するのが好ましい。
【0039】「可塑化剤」とは、イオン選択性層をつく
るのに利用されるポリマーを溶媒和する(可塑化する)
のに役立つ、水と実質的に混合しない任意の溶媒を意味
する。さらに、一つまたはそれ以上のイオン選択剤と可
塑化剤とを含有するポリマーの混合物を、親水性表面を
有するポリマー膜上にキャストするのに先立ち、一つま
たはそれ以上のイオン選択剤を溶解するのに可塑化剤が
利用される。本発明においては、ビス(2−エチルヘキ
シル)セバケート(DOS)、ビス(2−エチルヘキシ
ル)アジペート(DOA)、ビス(2−エチルヘキシ
ル)フタレート、ジカプリルアジペート、ジペンチルフ
タレート(DPP)、ジブチルセバケート、および2−
ニトロフェニルオクチルエーテルを含めこれらに限定さ
れない各種の可塑化剤が利用できる。可塑化剤の使用量
は、膜の選択性または構造的一体性を損壊することな
く、溶媒和されたイオン選択性層を保持するのに十分な
量である。可塑化剤の量は、約45〜約75重量%の範
囲で変化してよい。可塑化剤の濃度は65重量%である
のが好ましい。
【0040】「イオン選択剤」とは、イオン選択性層の
イオン選択性を付与する任意の物質または物質の組合わ
せてを意味する。好適なイオン選択剤には、中性のイオ
ン透過担体および(または)荷電されたイオン錯化剤が
ある。同一の非対称膜内に一つまたはそれ以上のイオン
選択剤が使用できる。従ってイオン選択剤は、一つまた
はそれ以上のイオン透過担体、一つまたはそれ以上のイ
オン錯化剤、またはこれらの任意の組合わせ(例えば一
つのイオン透過担体と一つのイオン錯化剤と)を含んで
よい。
【0041】トリフルオロアセトフェノン誘導体を含む
がこれに限定されないいくつかのイオン透過担体が利用
できる。「トリフルオロアセトフェノン誘導体」とは、
例えばトリフルオロアセチル−p−ブチルベンゼン(T
FABB)、トリフルオロアセチル−p−デシルベンゼ
ン、およびトリフルオロアセチル−p−ドデシルベンゼ
ンを含めてトリフルオロアセトフェノンの任意の誘導体
を意味する。イオン透過担体の使用量は、膜の構造的一
体性を変更あるいは損壊することなく膜の選択性を最大
とするのに十分な量である。イオン透過担体の量は約
0.01〜約65重量%の範囲で変化しうる。イオン選
択剤の濃度は1重量%であるのが好ましい。
【0042】「イオン錯化剤」とは、目的イオンととも
に錯体を形成できる任意の物質をいう。この場合、錯体
の形成は、目的イオンとイオン錯化剤との間の荷電量の
差に帰着できる。従ってイオン錯化剤は荷電を有する実
体である。好適なイオン錯化剤には種々の第4級アンモ
ニウム塩が含まれるが、これに限定されはしない。イオ
ン錯化剤の他の例には、トリドデシルメチルアンモニウ
ムクロライド(TDMAC)、メチルトリカプリルアン
モニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムブロ
マイドおよびメチルトリドデシルアンモニウムブロマイ
ドがある。非対称膜炭酸イオン−選択性電極において使
用するには、TDMACが好ましい。使用するイオン錯
化剤の量は、非対称膜の構造的一体性を変更または損壊
することなく膜の選択性を最大とするのに十分な量であ
る。イオン錯化剤の量は約0.1〜約5重量%の範囲で
変化しうる。イオン選択剤の濃度は0.5重量%である
のが好ましい。
【0043】本発明の非対称イオン選択性膜電極は非対
称膜と導電体とからなる。「導電体」とは、非対称膜の
イオン選択性層と接触する導電性物質をいう。好適な導
電体の例には、金属/金属塩、金属および炭素がある。
接触するとは直接または間接的に接触することをいう。
間接的接触とは、非対称膜のイオン選択性層と内部照合
電極との間に電解質をいれる(典型的には電解液の層と
して)ことを意味する。例えば、従来からのISEにお
いては、電極は、内部充填溶液として役立つ電解質溶液
により非対称膜のイオン選択性層と間接的に接触する、
金属/ハロゲン化金属電極のような内部照合電極(例え
ばAg/AgCl電極)であってよい。電解液は、金属
塩と共通する陰イオンを含み、そして低い抵抗を安定な
電位とを与えるのに十分に高い濃度をもたねばならな
い。従来的な炭酸イオン−選択性電極とともに使用する
のに好適な内部充填溶液の例には、NaH2PO4、およ
びNaH2PO4とNaClとの水性混合物があるが、こ
れらに限られはしない。
【0044】別な形として、非対称膜は固体の平板状セ
ンサー電極の形で使用でき、この場合、導電体と非対称
膜との間に電解液が利用されても、されなくてもよい。
固体のイオンセンサーは典型的には、金属導電体のよう
な固体表面上にイオン選択性ポリマー膜をキャストする
ことにより製造される。図8Aは、非対称膜ISEを有
する固体の平板状センサー型式を図式的に示す。試料溶
液(1)は緩衝剤(2)で希釈されそして適当な混合装
置(3)例えばインライン混合器(例えば、回転する
軸)または混合用のミューテーティングフィンガー(mu
tating finger)を有するエラストマーの機械要素によ
って混合される。混合された溶液は、次いで非対称膜I
SE(4)と接触され、試料と接触する照合電極(図示
せず)と炭酸イオン選択性電極との間の電位差を測定す
ることにより、応答が定量され、そして残留する廃溶液
(5)が廃棄される。親水性層(6)とイオン選択性層
(8)とを有する非対称膜(図8B参照)は導電体
(9)と直接接触しており、非対称膜はセラミックまた
はガラスのような誘電性材料(導電体のない物質)によ
り少くとも部分的に閉封されている。非対称ISEは支
持のための適当な基材(10)上におかれている。
【0045】「照合電極」とは、金属/ハロゲン化金属
電極のような好適な任意の外部照合電極を意味する。照
合電極は、電気化学的測定において支配的である条件の
下で、電位を実施的に不変に保ち、また非対称膜電極の
電位を観察し、測定しまたは制御するのを可能とするの
に役立つ。照合電極として、例えばOrionのスリーブタ
イプの2重ジャンクションAg/AgCl電極(Model
90−02)が利用できる。非対称イオン選択性膜電極
と照合電極との電位差を測定できるように、照合電極は
非対称膜と接触している試料に電解的に(塩橋によるな
どして)接続される。両電極は高インピーダンスの増幅
器を通じてまたは電位差を測定することのできる任意の
手段によって接続されてよい。電位差ないしはEMF
は、静的測定または動的測定のいずれかにより定量でき
る。静的モードでの電位差測定は、測定に先立ち、試料
および電解質溶液がそれらの定常状態における平衡電位
または平衡に近い電位に到達させることによって行うこ
とができる。このような測定は周知の手順および装置を
用いて行なえる。
【0046】一層好ましい動的測定は、静的モードの測
定において平衡となる以前に、経時的に電位差を測定す
るかまたは流れ注入分析において実施される測定により
行うことができる。このような動的測定は、Philipsの
電極ボディー(チューリッヒのGlosblaserei Mollerの
IS−561)のような電極ボディーに装着された流動
通過検知器を用いて実施できる。動的測定は、このよう
な流動通過検知器を、標準的な金属/ハロゲン化金属照
合電極(例えばAg/AgCl)、非対称膜を有するイ
オンセンサー電極、および適当な試料流ループ系(実施
例に記載のごとき)とともに使用することにより実施で
きる。EMFないしは電位差の値は、高インピーダンス
増幅器/アナログ−ディジタル変換器を使用して経時的
に記録できる。
【0047】本発明の重要な特質の一つは、種々の干渉
物質により惹起される好ましくない作用を減少すること
により、電位差測定によるイオン定量の選択性を増強で
きることである。「干渉物質」とは、生物学的試料中に
それが存在すると、目的とする特定のイオンに関するI
SEの測定電位に影響を与える目的イオン以外のすべて
の物質をいう。このような干渉物質は、電位差ないしは
EMFの定量を不正確にし、例えば目的イオンの活量ま
たは濃度を誤って高くしあるいは低くする。干渉物質の
例には、サリシレートまたはp−アミノサリシレート、
サリシレートに似た他の疎水性有機酸、およびゲンチゼ
ートがあるが、これらに限られはしない。
【0048】本発明で使用するのに好ましい非対称膜
は、イオン選択剤としてTFABBを、可塑化剤として
DOAをそしてイオン錯化剤としてTDMACを含有す
るセルローストリアセテートイオン選択性層に融着され
ている、ヒドロキシル基から構成されるセルローストリ
アセテート親水性層からなる炭酸イオン−選択性電極で
ある。
【0049】炭酸イオン化学種(CO3 2-)は下記の平
衡関係によってガス状CO2に関係づけられる: CO2(g)+H2O←→H2CO3←K1→H++HCO3 - HCO3 -←K2→H++CO3 -2 上式においてK1およびK2は解離定数でありまた25℃
においてK1=4.3×10-7そしてK2=4.8×10
-11である。pHが7.0から7.5である正常な血清の場
合、大部分の化学種は重炭酸塩の形をとる。pHを、約
8.5〜8.7の一層アルカリ性であるpHに変えることに
より、存在する化学種のうち著しくより高い割合が炭酸
塩(CO3 2-)の形となるであろう。
【0050】炭酸塩用の非対称膜は、TFABBのため
CO3 -2に反応する。これは膜のイオン選択性層中のイ
オン透過担体たるTFABBとともに炭酸塩化学種が
1:1または2:1の付加物を生成することの結果であ
る。このことは、Analytical Chemistry 59巻(19
87)の144〜150ページ所収のMeyerhoffらの「R
ole of Trifluoroacetophenone Solvents and Quaterna
ry Ammonium Salts In Carbonate-Selective Liquid Me
mbrane Electrodes」によって開示されている。TFA
BBならびに1:1および1:2に付加物の構造を下記
に示す。
【0051】
【化1】
【0052】TFABBは、Analytica Chimica Acta、
76巻(1975年)の155〜164ページ所収のH.
B. Hermanらの「Preparation and Properties of a Car
bonate Ion Selective Membrane and Electrode」にお
いて述べられている方法のような既知の方法を用いて製
造できる。この文献の開示は、参照によって本明細書中
に加入されている。あるいは、TFABBの代わりにp
−デシル−a,a,a−トリフルオロアセトフェノン(メ
リーランド州RockvilleのTrans World Chemicals, In
c.)が使用できる。さらにまた、TFABBの既知のい
くつかの誘導体はいずれもイオン透過担体として使用で
きる。そのような既知の誘導体には、Analytica Chimic
a Actaの233巻(1990年)の41〜47ページ所
収のBehringerらの「Anion Selectivities of Trufluor
oacetophenone Derivatives of Neutral Ionophores in
Solvent-Polymeric Membranes」中に記載の誘導体が含
まれる。この文献の開示は参照により本明細書に加入さ
れている。以下の実施例は本発明を例示するためのもの
である。
【0053】実施例1 非対称セルロースアセテート炭酸イオン−選択性膜の製
造 1.5mlのメチレンクロライド(Junsei Chemical Co.,
Ltd,東京)と0.1mlのクロロホルム(Junsei Chemica
l Co., Ltd)とを含有する分析試薬等級の混合溶媒2.
5ml中に100mgのセルローストリアセテート(CT
A)を溶解することにより、セルロースアセテートの薄
膜を製造した。平らな板の上にこの溶液を流延した。内
径36ミリの環により溶液の拡りを抑えた。一晩放置し
て溶媒を蒸発させると、厚さ約50μの膜が残った。こ
の膜を1M(モル/リットル)の水酸化ナトリウム(Ju
nsei Chemical Co., Ltd)溶液上に室温で4.5時間浮
遊することにより、膜の下側でアセチル基を加水分解を
行った。この結果、ヒドロキシル化された親水性の薄い
表面を有するポリマー膜が得られた。この膜を蒸留水5
00ml中に浸漬して洗浄した。加水分解反応の完結を確
実にするようにこの過程を再度反復しそして室温で空気
乾燥した。乾いた膜を、ヒドロキシル化された親水性の
表面を下向にして第2のガラス板の上においた。後続す
る溶液の拡りを抑えるために、内径22ミリの環を膜の
上面においた。膜の上面を軟かくしあるいは予備処理す
るために、1.2mlのメチレンオキサイドを30分間膜
に適用した。この適用時間中、膜を乾燥器内におき、真
空タップを開放し、メチレンオキサイドの蒸発速度を低
下させた。35mgのCTA、16.6mgのイオン透過担
体としてのトリフルオロアセチル−p−ブチルベンゼン
(TFABB)(Specialty Organics Inc.カリフォル
ニア州,Irwindale)、可塑化剤としての100μlの
ビス(2−エチルヘキシル)セバケート(Fluka Chemic
als,ニューヨーク州,Ronkonkoma)およびイオン−錯
化剤としての2.0mgのトリドデシルメチルアンモニウ
ムクロライド(Polysciences Inc. ペンシルバニア州,
Warrington)を、0.8mlのメチレンクロライドと0.8
mlのクロロホルムとを含有する混合することにより、炭
酸イオン−選択性膜のための成分の溶液を調製した。内
径22ミリの環内にある膜の部分にこの溶液を塗布しそ
して一晩蒸発した。膜を真空乾燥器内にいれて真空タッ
プを僅かに開放することにより蒸発を制御した。イオン
透過担体、可塑化剤およびイオン錯化剤を含有するポリ
マー混合物を、ポリマー膜の非親水性な表面にこのよう
にして融着して、非対称炭酸イオン−選択性膜を製造し
た。
【0054】実施例2 非対称炭酸イオン−選択性膜を有する、炭酸イオン−選
択性電極の製造および使用 従来からのイオン−選択性電極デバイス中でこの膜の電
気化学的特性を評価した。実施例1に述べた非対称炭酸
イオン−選択性膜から直径5.5ミリの小さな円板を切
り出しPhillipsの電極ボディー(Glasblaselei Moeler
Model IS−561,スイス,チューリッヒ)を用いて
試験した。親水性層を外部試料溶液(電解液)に向いあ
わせるようにして、円板を電極ボディー内においた。使
用した内部充填溶液は0.1Mの燐酸二水素ナトリウ
ム、0.1Mの燐酸水素二ナトリウムおよび0.01Mの
塩化ナトリウムを含有した。導電体(内部照合電極)と
して、標準的なAg/AgCl電極を使用した。照合電
極としては、スリーブタイプの2重ジャンクション銀/
塩化銀電極(Orion,Model 90−02)を使用した。
炭酸イオン−選択性電極の電位は、アナログ−ディジタ
ル変換器を装備したパーソナルコンピューター(韓国ソ
ウルのYoung Sun Computer Co. LtdのModel,IBM2
86をベースとするコンピューターとコンパチブル)に
接続された入力インピーダンスの高い電位計を用いるこ
とによりあるいは電極スイッチボックス(Fisher Accum
et Model 157,ミシガン州,Romulus)とpH−ミリボル
ト計(Fisher AccumetのModel 620)とを用いること
により測定した。図1および図2および後記の表1およ
び表2のデータはすべて電極スイッチボックス(Fisher
Accumet Model 157)とpH−ミリボルト計(同社のM
odel 620)とを用いて得た。図1Aおよび図1Bお
よび図3から図6のデータはすべて、アナログ−ディジ
タル変換器を装備したパーソナルコンピューター(Youn
g Sun Computer Co.LtdのModel,韓国,ソウル)に接続
された高入力インピーダンス電位計を用いて得た。
【0055】非対称膜電極の応答特性および選択性特性
は、非対称CTA膜を変性されてない(加水分解にかけ
られていない)CTAまたはポリビニルクロライド(P
VC)のいずれかによりつくられたイオン選択性層によ
って置き換えられている同一の組立物と比較することに
より評価された。製造されたこれらの膜材料および既知
の手順および技術を用いる試験は、G.S. Cha および M.
E. Meyerhoffの「Potentiometric Ion- and Bio- Selec
tive Electrodes Based on Asymmetric Cellulose Acet
ate Membrenes」, Talanta,36巻(1989年)27
1〜278ページにより開示されており、この開示は参
照によって本明細書中に加入されている。
【0056】実施例3 静的モードの測定による平衡電位差測定応答 実施例2に述べた非対称CTA膜を有する炭酸イオン−
選択性電極の電位差測定による評価を、電解質と試料溶
液との間の電位差が平衡に達することを許容する静的モ
ードの測定を用いて実施した。それぞれの塩の標準溶液
を加えた後10分間たったときの起電力を測定すると、
平衡時の測定に等しいことが判った。非対称CTA膜の
平衡時の電位差測定応答を評価し、変性されていない
(加水分解にかけられていない)CTA膜と比較した。
この応答は撹拌された容積200mlのバックグラウンド
電解液(0.1Mの2−アミノ−2−ヒドロキシメチル
−1,3−プロパンジオールとトリス−硫酸との混合
物、pHは8.6)に標準溶液を添加することにより得
た。測定は室温で行いそして平衡時の測定値を記録し
た。表1は標準溶液を添加後10分して得た平衡時応答
電位を用いて算出した選択性係数を示す。電位差測定選
択性係数すなわちkpotCO3 2-,iは下式により算出で
きる。
【0057】
【数1】 同式中、aCO3 2-は炭酸イオンの活量であり、zCO3 2-
は符号と数値とが炭酸イオンの電荷に対する整数であ
り、ziは符号と数値とが干渉イオンの電荷に対する整
数であり、E1およびE2は、一つの溶液がaCO3 2-の活
量を有する炭酸イオンを含有し、他の溶液が同じ活量を
有するiイオンを含有する二つの別な溶液について実験
的に測定した電位であり、Rはガス定数であって、8.
31441 JK-1モル-1に等しく、Tは熱力学温度
(°K)であり、Fはファラディー定数であって、(9.
64870±0.000054)×10-4C モル-1に等
しい。
【0058】表1に示す結果は、本発明の非対称化への
変性は、炭酸塩、塩化物、酢酸塩および臭化物イオンの
ような小さい陰イオンへの応答に対してほとんどあるい
は全く影響を与えなかったことを示す。しかしながら、
非対称炭酸イオン−選択性膜は、サリシレートおよびパ
ークロレートイオンのようなより大きな陰イオンに対し
ては応答が低下することが示された。
【0059】
【表1】
【0060】実施例4 動的電位差測定応答 A.静的モード測定を用いる動的応答 従来のいずれかのセルロースを有する電極を用いて、異
なるイオンに対する電極の動的応答曲線を観察すること
により、定量的応答の差異が顕著になる。このことは、
標準溶液の添加後の電位の時間的変化を記録することに
より確認された。図1Aおよび図1Bは、非対称でない
ポリビニルクロライド(PVC)膜、非対称でない(変
性されておらず、非親水性である)CTA膜、および非
対称CTA炭酸イオン−選択性膜を含む三つの膜を有す
る炭酸イオン−選択性膜のサリシレートイオンおよび炭
酸イオンに対する応答を比較して示す。
【0061】図1Aおよび図1Bは、試料溶液に炭酸イ
オンを添加した際の10-4Mから10-3Mの濃度範囲に
対して、これらの三つの電極が類似の迅速な応答をする
ことを示す。しかし、サリシレート濃度が10-5Mから
10-4Mに変わったとき、PVCおよびCTAの膜はサ
リシレートの濃度変化に対して比較的迅速に応答した
が、非対称CTA膜は極端に遅い応答を示した。非対称
でないCTA膜の応答特性は、非対称でないPVC膜の
応答特性と極めて似ていた。両者とも、炭酸イオンおよ
びサリシレートイオンの双方に対して類似の動的応答を
示した。非対称CTA膜の大きな疎水性陰イオンに対す
る緩慢な応答は、非対称膜内に親水性層が存在すること
によったという仮説がたてられる。この応答の差異は、
炭酸イオンの水和球体(hydration sphere)が、サリシ
レートのようなより緩慢で親水性がより低いイオンの水
和球体に比べて一層迅速に反応するために、親水性領域
を横切る移動速度に差が生まれることによるものと想像
される。このことは、より大きい疎水性がさらに一層高
い類縁体によって上記した手順を反復することにより支
持された。3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸および3−
ヒドロキシ−2−アントラノイック酸の陰イオンをサリ
シレートと比較した。起電力(EMF)の値は、陰イオ
ンの標準溶液の添加後10分して測定した。
【0062】図2Aから図2Cは、疎水性の一層高い陰
イオンを一層多量に添加すると応答が高くなったことを
示す。非対称膜は非対称でない膜と比べて、これらの疎
水性陰イオンに対する応答特性の低下を一貫して示し
た。疎水性陰イオンの濃度が高くなるとき、非対称膜は
非対称でないCTA膜と比べ、応答の程度はほんの僅か
しか低下しなかった。表2は1×10-5M〜1×10-2
Mの濃度範囲にわたる、非対称でないCTA膜と非対称
CTA膜の両者の選択性を示す。
【0063】
【表2】
【0064】サリシレートの濃度が低くなるにつれ、非
対称膜は非対称でないCTA膜に比べて、サリシレート
への応答の低下の程度が大きくなった。 B.流れの注入による測定 非対称炭酸イオン−選択性膜電極の性能を、流れ注入分
析モードにおいて評価するために図3に示す装置を使用
した。大容量ウォールジェットの装置配置内で流動通過
検知器として使用するために、Phillipsの電極ボディー
に特別な流れキャップを取り付けた。この流動通過検知
器の構成は、Anal. Chem. 91巻(1989年)の78
7〜789ページ所収の、M. TrojanowiczおよびM.E. M
eyerhoffの「Potentiometric pH Detection in Suppres
sed Ion Chromatography」中に記載されており、この開
示は、参照によって本明細書中に加入されている。Orio
nの銀/塩化銀照合電極と炭酸イオン−選択性の作業電
極とを反応剤緩衝液(0.1Mのトリス−硫酸、pHは8.
6)の入ったビーカー内においた。150μlの試料ル
ープを備えた4方向の注入弁(RheodyneのModel 712
5)を、内径0.30ミリをもつある長さのポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)チューブによって流れキ
ャップに接続した。緩衝液流(0.1Mのトリス−硫
酸、pHは8.6)を蠕動ポンプ(チューリッヒのIsmatec
hのModel 7331−00)を用いて毎分7.5mlの流量
でポンプ送入した。同じ緩衝液中で陰イオンの標準溶液
を調製した。各試験とも容積150μlを導入した。す
べての試験を室温で実施した。すでに述べた、アナログ
−ディジタル転換器を備えた高インピーダンスの電圧計
を用いて0.1秒ごとにEMF値を記録した。
【0065】ウォールジェットの配置にイオン−選択性
電極を直接使用する場合、注入されるイオンに対する応
答の一部分しか観察されなかったが、これはこのような
流れ注入系が非平衡モードで働くことによる。得られる
応答信号(ピーク)は使用するイオン−選択性検知器の
動的応答特性に依存する。図4Aから図4Cは非対称で
ないPVC膜、非対称でないCTA膜および非対称CT
A膜を電極中に用いて得た、流れ注入における陰イオン
に対する電位差測定応答の比較を示す。沃化物、サリシ
レートおよびパークロレートの各イオンのような大きな
親油性陰イオンに対する非対称CTA膜の応答が、非対
称でないPVC膜および非対称でないCTA膜の応答に
比べて著しく低下することが観察された。非対称でない
CTA膜は、非対称でないPVC膜と実質的に同じ応答
特性を示したが、このことは、親水性層の存在のため親
油性陰イオンに対する非対称CTA膜の応答が低下する
ことを示唆する。
【0066】実施例3の静的モードでの実験において
は、非対称CTA膜と変性されていないCTA膜とは炭
酸塩および沃化物に対してほとんど同じの平衡時の選択
性を示した。対照的に、非対称CTA膜の炭酸塩選択性
は、沃化物選択性と比較すると、流れ注入検知器システ
ムにおいては著しく改善された。従って非対称膜の選択
性は、非平衡的な流動通過配置を採用することにより、
最も効果的に増強できる。
【0067】実施例5 血清試料中の炭酸イオンの測定 SeraChem Level 1 Clinical Chemistry Control Human
Serum-Assayed血清(Fisher Scientific ニュージャー
ジー州,Orangeburg)を用いて、非対称炭酸イオン−選
択性電極の炭酸イオン応答に対する血清マトリックスの
影響を測定した。非対称でないPVC膜電極と非対称C
TA膜電極とを製作しそして実施例1および2に述べた
ように使用した。電極の応答を水溶液中の標準液により
まず試験し、引続いて血清試料によって得た応答と比較
した。18mlのバックグラウンド電解質(0.1Mのト
リス−硫酸、pHは8.6)に、それぞれ2mlの水性の標
準液または再構成された血清試料を添加した。
【0068】図5Aおよび図5Bは、100ミリMの塩
化物の存在で25ミリMの炭酸塩を定量するのに使用さ
れるとき、非対称CTA膜は、非対称でないPVC膜と
は異なり、1.0ミリMのサリシレートの干渉を排除し
たことを示す。非対称でないPVC膜と非対称膜との応
答性の差は、図5Aおよび図5Bの曲線A(25ミリM
のCO3 2-を含有する試料に対する応答)を曲線C(2
5ミリMのCO3 2-、100ミリMの塩化物および1.0
ミリMのサリシレートを含有する試料に対する応答)を
比較することにより一層よく示される。Seramchem Leve
l 1 Clinical Chemistry Control Human Serum Assayed
血清を用いて、血清マトリックスを含有する試料もまた
試験した。各試料の間で膜を脱イオン水で完全に洗浄し
そして図6Aおよび図6Bに示す順序で試料を添加し
た。
【0069】再構成された対照用の血清中に最初に存在
する炭酸塩の量を定量するために、18mlのバックグラ
ウンド緩衝液に2mlの対照用血清を添加することによ
り、曲線A(図6Aおよび図6B)を得た。非対称でな
いPVC膜と非対称CTA膜とは異なる量のCO3 2-
示し、PVC膜はより高い水準の信号を与えた。PVC
膜は有機酸による干渉をうけることが知られているの
で、存在するCO3 2-の初期の量は非対称CTA膜の応
答から定量された。再構成された血清プールを最終的な
CO3 2-の濃度25ミリMに調整するために重炭酸ナト
リウムを添加した。図6Aおよび図6Bに示す試験に対
して、再構成された対照用混合血清試料(5本の5.0m
l入りの瓶に入れられている)に必要量の重炭酸ナトリ
ウムを添加して、最終的な炭酸塩の全体の濃度を25ミ
リMにした。次に、この血清をとり分けたもの(5ml)
に種々な量のサリシレートを添加することにより、種々
な量のサリシレートを含ませて、サリシレートの最終的
な濃度をそれぞれ0.01、0.1および1.0ミリMと
した。高インピーダンス電位計を用いて、非対称でない
PVC膜と非対称CTA膜の血清試料に対する応答を比
較した。すべての試験を室温で行ない、EMF値を1秒
ごとに記録した。各測定の間に脱イオン水により電極を
洗浄した。試験を反復したが、結果には再現性があっ
た。
【0070】実施例6 非対称の塩素イオン−選択性膜の製造および使用 実施例1において前述したのと同じ手順を用いて非対称
CTA膜を調製した。ポリマー膜の変性されていない上
表面に直径22ミリのガラスの環をおき、そして後で行
うイオン選択性CTA層との融着にそなえて非対称膜を
予備的に調整するために、1.2mlのメチレンクロライ
ドを環の内側に閉じ込めた。メチレンクロライドの蒸発
速度を低下するために、このような組合わせた物の全体
を約30分間乾燥器内においた。これで、一つ以上のイ
オン選択性剤と可塑化剤とを含有するポリマーの混合物
を親水性の表面にキャストする準備がととのった。
【0071】0.8mlのメチレンクロライドと、35mg
のCTAを含有する0.8mlのクロロホルムとの混合溶
液を用いて非対称の塩化物イオン−選択性層成分の溶液
を調製した。Aliquat 336(ウィスコンシン州ミルウ
ォーキーのAldrich)(5〜100%のAliquat 336を
使用できるが、75%が好ましい)と、ビス(2−エチ
ルヘキシル)アジペート可塑化剤(Fluka)(95%か
ら0%の可塑化剤を使用できるが、75%が好ましい)
とを含有する混合物100μLを、22ミリの環内で予
め調製したポリマー層の変性されていない(加水分解さ
れていない)上表面上においた。次に、このように組合
わせた物の全体を、蒸発速度を制限するために真空タッ
プをほんの僅か解放し、真空乾燥器内に一晩おいた。こ
のようにして、親水性の表面を有するポリマー膜と一つ
以上のイオン選択剤を含有するポリマーとを、親水性層
とイオン選択層とを有する単一の非対称膜へと融着し
た。
【0072】この膜の電気化学的特性は、Phillipsの電
極ボディー(スイスのチューリッヒのGlasblaserei Mol
lerのModel IS−561)のような従来的なイオン選
択性電極の膜保持具を用いて評価した。非対称CTA膜
から直径5.5ミリの小型円板をせん孔機により切り出
し、親水性層が試料溶液に向かうようにして電極ボディ
ー内においた。内部充填溶液は0.1MのNaCl(Bak
er)であった。センサー電極と、外部塩橋として1Mの
KNO3を用いるスリーブタイプの二重ジャンクション
銀/塩化銀外部電極(OrionのModel 90−02)との
電位差を測定するための高入力電位計を用いて膜の応答
を得た。アナログ−ディジタル変換器とIBMのパーソ
ナルコンピュータを用いて電位差を記録した。pH8.5
のトリスサルフェート緩衝液を用いて、水性の試料と血
清の試料とを1:10に希釈した。それぞれ、正常な、
異常な、低濃度の、および高濃度の塩化物溶液を用いて
応答を試験しそして干渉性物質としてのサリシレートを
含ませた同一の溶液と比較した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はA:ポリビニルクロライド(PV
C)、B:変性されてないセルローストリアセテート
(CTA)、およびC:非対称CTA膜からそれぞれつ
くられる炭酸イオン−選択性電極の、サリシレートの濃
度が10-5〜10-4M(モル/リットル)と変化すると
きの動的応答、そして(B)はA:ポリビニルクロライ
ド(PVC)、B:変性されてないセルローストリアセ
テート(CTA)、およびC:非対称CTA膜からそれ
ぞれつくられる炭酸イオン−選択性電極の、CO3 2-
濃度が10-4〜10-3Mと変化するときの動的応答を示
す図。
【図2】(A)はTFABBでドーピングされた変性さ
れていないCTA(△)膜電極および非対称CTA
(○)膜電極の疎水性陰イオン(A):サリシル酸に対す
る電位差応答、(B)はTFABBでドーピングされた
変性されていないCTA(△)膜電極および非対称CT
A(○)膜電極の疎水性陰イオン(B):3−ヒドロキシ
−2−ナフト酸に対する電位差応答、そして(C)はT
FABBでドーピングされた変性されていないCTA
(△)膜電極および非対称CTA(○)膜電極の疎水性
陰イオン(C):3−ヒドロキシ−2−アントラセンカル
ボン酸に対する電位差応答を示す図。
【図3】大容量のウォールジェット流セルを備えた、膜
電極をベースとする流れ注入分析(FIA)システムの
略解図。
【図4】(A)は流動通過検知器としてTFABBでド
ーピングされた炭酸塩−選択性PVC膜電極を用いて得
た、流れ注入陰イオンに対する電位差測定応答、(B)
は流動通過検知器として変性されてない普通のCTA膜
電極を用いて得た、流れ注入陰イオンに対する電位差測
定応答、そして(C)は流動通過検知器として非対称C
TA膜電極を用いて得た、流れ注入陰イオンに対する電
位差測定応答を示す図。
【図5】(A)はTFABBでドーピングされたPVC
膜電極の、添加される標準溶液すなわちA:25ミリM
の炭酸塩、B:1.0ミリMのサリシレート、C:25
ミリMの炭酸塩、100ミリMの塩化物および1.0ミ
リMのサリシレートを含有する混合物に対する動的応
答、そして(B)はTFABBでドーピングされた非対
称CTA膜電極の、添加される標準溶液つまり(A):
25ミリMの炭酸塩、(B):1.0ミリMのサリシレ
ート、(C):25ミリMの炭酸塩、100ミリMの塩
化物および1.0ミリMのサリシレートを含有する混合
物に対する動的応答を示す図。
【図6】(A)はPVC膜電極および非対称炭酸イオン
−選択性膜電極の、種々な濃度のサリシレートを含有す
る添加される血清試料などについての電位差測定応答、
そして(B)は非対称CTAイオン選択性膜電極の、種
々な濃度のサリシレートを含有する、添加される血清試
料、などについての電位差測定応答を示す図。
【図7】イオン選択性層に融着した親水性層を有する非
対称膜からなる非対称炭酸イオン−選択性膜の製造を図
式的に示す図。
【図8】(A)は非対称ISEのための固体の平板状セ
ンサーの型式を略解的に示し、そして(B)は固体の平
板状センサーの型式における非対称ISEの親水性層お
よびイオン選択性層を略解的に示す図。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)イオン選択剤と可塑化剤とを含む
    イオン選択性層と、これに融着しており、生物学的試料
    と接触され該生物学的試料と接触する側に薄い親水性の
    ヒドロキシル化された表面を有する親水性層とを備えた
    非対称膜を有するイオン選択性の非対称膜電極であっ
    て、該イオン選択性層は上記ヒドロキシル化された表面
    でない親水性層側に融着している膜電極に、目的とする
    イオンを含有するものと疑われる生物学的試料を接触さ
    せ、 (b)イオン選択性の非対称膜電極と照合電極との電位
    差を測定し、そして (c)この電位差を試料中の目的イオンの濃度に相関さ
    せることにより電位差測定イオン選択性を増強すること
    からなる、イオン選択性の非対称膜電極とこれに対して
    電解的に接続された照合電極とを用いることにより、生
    物学的試料につき電位差測定によりイオン定量を行う方
    法。
  2. 【請求項2】 可塑化剤が、ビス(2−エチルヘキシ
    ル)セバケート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペー
    ト、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジカプリ
    ルアジペート、ジペンチルフタレート、ジブチルセバケ
    ート、および2−ニトロフェニルオクチルエーテルから
    なる群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 生物学的試料が干渉物質を含有する、請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 (a)干渉物質の濃度が約2×10−3
    Mより低くまたは希釈した生物学的試料のpHが約7.
    5〜9.5であるのに十分な量の緩衝溶液により、炭酸
    イオンを含有するものと疑われる、干渉物質を含有する
    生物学的試料を希釈し、 (b)イオン透過担体とイオン錯化剤と可塑化剤とを含
    むイオン選択性層と、これに融着しており、希釈された
    生物学的試料と接触され該生物学的試料と接触する側に
    薄い親水性のヒドロキシル化された表面を有する親水性
    層とを備えた非対称膜を有するイオン選択性の非対称膜
    電極であって、該イオン選択性層は上記ヒドロキシル化
    された表面でない親水性層側に融着している膜電極に、
    希釈された試料を接触させ、 (c)イオン選択性の非対称膜電極と照合電極との電位
    差を測定し、そして (d)この電位差を試料中の炭酸イオン濃度に相関させ
    ることにより、電位差測定イオン選択性を増強すること
    からなる、イオン選択性の非対称膜電極とこれに対して
    電解的に接続された照合電極とを用いることにより、生
    物学的試料の電位差測定を行うことによる炭酸イオンの
    定量方法。
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