JP2718504B2 - 中枢神経系疾患治療法及びアルツハイマー病診断法 - Google Patents

中枢神経系疾患治療法及びアルツハイマー病診断法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、中枢神経系疾患の治療法に関する。本発明
の治療法が有効に適用し得る疾患としては、アルツハイ
マー病、パーキンソン病、老人性痴呆症、本態性振せ
ん、老人性振せん、小脳萎縮、大脳萎縮、多発性硬化
症、脳血管障害などがある。これらの疾患は、脳のそれ
ぞれ異なつた部位が冒されることが知られている。即
ち、アルツハイマー病では、記憶に極めて重要な脳の部
分、皮質が冒される。パーキンソン病では、大脳核の神
経細胞が冒されることが知られている。小脳萎縮では、
小脳の神経細胞が冒されることが知られている。
上記した疾患のそれぞれにおいては、内因性のうつ病
症状が現われ、これらは上記した疾患によつて冒される
脳の部位とは異なる部位に通常関連していることが判つ
ている。また、酵素、膜あるいは特定成分の構造蛋白質
において生化学的病変が生じることが特徴である上記し
た各種疾患の場合には、細胞萎縮が結果として起り、そ
れは細胞のゆつくりとした変敗工程であり、時としてそ
れはなかなか起きない場合もあるが、細胞萎縮へと進行
し、そして最後には重要な機能欠損となり、上記した各
種疾患に関連した症状が現われることが知られている。
このような細胞萎縮は年を取るにつれて起こるようにな
り、そして上記した疾患の場合には、その様子は現在で
は判つていないが細胞萎縮がいくらかスピードアツプさ
れる。しかしながらはつきりしていることは、細胞の衰
弱化が起る場合には常に蛋白質合成に必要な酵素が欠乏
するということである。更には、このように酵素形成が
不充分となりそれに伴つて蛋白質合成が不充分となるの
は、生化学的信号が発生しそれが伝達される神経系ネツ
トワークが阻害されるためであることが明らかにされて
いる。
しかして、上記した如き各種の疾患は、生命の基本的
構成、即ち生命維持に必要な酵素を提供するためにそれ
ぞれの細胞をコントロールするRNA、DNA、リボ核酸及び
デオキシリボ核酸に対して重要な影響を及ぼす。
今日まで、上記した疾患の有効な治療法は見出されて
いない。パーキンソン病の場合には、L−ドーパが使用
されておりいくらかの成功例はある。しかしながら、L
−ドーパの有効期間は、1,2ケ月に限られている。アル
ツハイマー病及び他の疾患の場合には、エルゴロイドミ
セレート(ergoloid myselates)が使用されており、わ
ずかの成功例がある。
更にまた本発明は、ヒトのアルツハイマー病の診断法
に関する。現在アルツハイマー病の診断法には、患者の
認知機能障害とともに患者の精神状態を標準値と比較す
る神経心理学的テスト法がある。このテスト法は、ま
た、アルツハイマー病の症状であるうつ状態、動揺、過
敏性についてもテストするものである。他の診断法ある
いは診断具としては、脳アトラスビーム(atlas beam)
テストを使用する方法あるいはデルタ波とテータ波の上
昇度を示すEEG(脳波)を使用する方法がある。もちろ
ん最も重要なことは、最良の治療法を決定するために正
確な診断を行なうことである。
更に、本発明は、他の標準テスト法とともに使用する
ことができまたそれ単独で使用することのできるアルツ
ハイマー病の新規診断法に関する。本発明の新規診断法
は、CNS型の他の慢性変性疾患に使用される慣用的診断
法と一緒に用いた場合に、特に正確な診断が出来ること
が判つた。
パーキンソン病の一般的治療薬であるレボドーパ(L
−ドーパ)は成長ホルモンソマトトロピン(HGH−ヒト
成長ホルモン)の分泌を促進することが知られている。
HGHを分泌する下垂体腺をL−ドーパによつて刺激する
アロオンサクル(Aroonsakul)とアレン(Allen)の刺
激テスト(AA刺激テスト)の知見は、アミンの神経ネツ
トワークとしての末梢神経システム(PNS)の機能を観
察するベースとして使用されている。更には、ホルモン
ソマトメジン−C(インシユリン様成長因子としてしば
しばIGF−Iと言われている)は、下垂体腺からのHGH分
泌に直接依存しているため、HGHの分泌増加と、主に腎
と肝で産生されるホルモンソマトメジンC−の産生増加
とは直接的に関連していることが知られている。
ソマトトロピンの分泌を増加せしめてソマトメジン−
Cの産生を増加せしめるためにL−ドーパを使用するこ
とは、一般的に“L−ドーパ刺激テスト”と言われてい
るテスト法に結び付くものである。このテストは、HGH
の産生をつかさどる下垂体腺の前方部分の正常な機能を
測定するために用いられているものである。一般にAA刺
激テストは、血清中のHGHとIGF−Iの上昇度をラジオイ
ムノアツセイ(RIA)を用いて検出することによつて実
施されている。このRIAは、放射活性試薬を用いて血清
中の特定のホルモンの存在、あるいは不存在を検出しま
たホルモンの量を決定するものであり、in Vitroで使用
されている。RIAにおいては、ラベル化抗原を、測定し
ようとする量が未知の非ラベル化抗原の存在下で抗体と
反応せしめ、次いで結合分画と非結合分画とを分離する
工程がある。RIAに用いられる放射活性物質は通常I−1
25である。
ソマトトロピンは成長ホルモン(ポリペプチド結合ア
ミノ酸)であつて、下垂体腺の前方部分から分泌され
る。またこのホルモンはヒト成長ホルモン(HGH)とし
て知られ、腎及び肝で産生されるホルモンソマトメジン
−C(IGF−I)の前駆前でもある。
本発明によれば、アルツハイマー病患者ではソマトト
ロピン産生が不十分でありその結果ソマトメジン−Cレ
ベルが下がることが見出され、また正常な人の場合には
薬物によつてHGHの分泌が増加するがアルツハイマー病
患者の場合にはこのような薬物による分泌促進は正常に
機能しないことが見出された。HGHレベルが下がるにつ
れて血清中のIGF−Iレベルが上昇することも知られて
いるが、このような例は極めてまれである。しかしなが
ら本発明の診断法によつて診断する場合にはこのような
例も考慮に入れることができる。
発明の要旨 本発明は、上記した各種疾患患者をホルモン、即ち性
ホルモン及び同化ホルモンを用いて治療する方法からな
る。男性患者の場合にはアンドロゲン、あるいはこれに
代わる同化ホルモンが用いられる。女性患者の場合に
は、アンドロゲンあるいは同化ホルモンと一緒にエスト
ロゲンが用いられる。血液によつてホルモンが脳に確実
に運ばれるために、非ステロイド系抗炎症剤あるいは血
管拡張剤をホルモンとともに使用することもできる。
更には、本発明のホルモンを用いた治療法には、同化
傾向が知られた成長ホルモン単独によるあるいは他と一
緒にかかる成長ホルモンを用いる治療法がある。患者の
成長ホルモンが目立つて減つている場合には特にこの治
療法は有利であり、成長ホルモンは活力を与える特性を
有している。
本発明の主たる目的は、ヒトのアルツハイマー病の認
定を正確に行なうことのできる新規な診断法を提供する
ことにある。
本発明の他の目的は、HGFとIGF−Iの適度に過剰な分
泌を誘導する薬剤とともに、これら同様の作用を有する
ドパミン薬剤、即ちカテコールアミン、セロトニン、ア
ンフエタミンの使用法を提供することにある。
発明の詳細な記述 パーキンソン病、老人性痴呆症、アルツハイマー病、
老人性振せんなどの中枢神経系疾患そしてとりわけ痴呆
に関連した疾患の変性特性を逆行せしめるためには、ア
ンドロゲンの代謝物もしくは合成物の効果、エストロゲ
ン、同化ホルモンなどを利用した治療法によつて治療す
ればよく、またかかる治療法によつて多くの症状が軽減
されかつこれらの患者をより正常で活動的な状態にもど
すことが可能であることが見出された。更には、これら
のホルモン類を用いて長期間治療を行なつた場合でも、
治療効果の減少はなんら見られずまた重大な禁忌も副作
用も見られなかつた。
年令60才で体重180ポンドのアルツハイマー病と診断
されパーキンソン病の初期段階である1人の患者に、毎
日フルオキシメステロンUSPを10mg投与した。フルオキ
シメステロンとともに、更にエルゴロイドミセレート1m
gを1日4回、ジピリダモール50mgを1日4回、そして
腸溶性皮膜でコートしたアセチルサリチル酸を1日4
回、これらすべてを経口投与した。この治療を開始して
1週間以内に、この患者の病状が顕著に良くなり、パー
キンソン病の振せんが止まり、そしてより長い時間注意
深くふるまうようになつた。この治療開始1ケ月後に
は、患者の夜尿症は止まり、テレビに集中できるように
なり、他の精神的な活動もより活発になつた。約2ケ月
以内で、患者の知的能力は増し、他人と会話ができるよ
うになつた。約3ケ月以内で自分で服が着れるような
り、自分で入浴も出来るようになつた。約4ケ月以内で
笑う時には大声で笑うことが出来るようになつた。約5
ケ月以内で、最近起こつたことは記憶しているようにな
つた。上記した薬物療法を止めると、患者は元の状態に
もどつてしまつた。上記した薬物とともにフルオキシメ
ステロンを上記した如き投与量で投与する治療法を再び
開始すると、患者は再び応答し、変性特性から回復し始
めた。
中枢神経系疾患、特に痴呆症が現われたこれらの疾患
では、以下に挙げるホルモンを用いた治療法によつて、
疾患の変性特性が軽減され、患者を元の状態にもどすこ
とが可能であることが見出された。これらのホルモンと
しては、アンドロゲン(男性患者用)、アンドロゲンと
エストロゲンの併用(女性患者用)、同化ホルモン(女
性あるいは男性患者用)、これら3つのグループの内で
のいずれかの組合わせ、がある。
合成アンドロゲンと絨毛性ゴナドトロピンとで治療し
た上記した男性患者の場合には、フルオキシメステロン
の代わりにあるいはこれとともに、テストステロン、メ
チルテストステロン、オキシメトンを使用することもで
きた。更には、アンドロゲンに代えてあるいはこれとと
もに、オキシメトロン、オキサンドロロン、エチルエス
トレノール、スタンゾノール、ナンドロロン、フエンプ
ロピオネート、デカノエート、メタンドリオールのいず
れをも使用して患者を治療することが出来た。フルオキ
シメステロンを用いた場合には1日の投与量は10mgであ
つたが、他のアンドロゲンを単独であるいは更に他のア
ンドロゲンとともに用いた場合には、それらの投与量は
変動し得る。しかしながら、上記したいずれのアンドロ
ゲンの場合でも最少投与量は1mgとするのが好ましいこ
とが見出された。このレベル以下の場合には、上記した
如き有効な結果は得られない。
更には、同化ホルモン同志の組合わせあるいは同化ホ
ルモンとアンドロゲンとの組合わせの場合にも、いずれ
の場合であつても1日の最少投与量が1mgで、患者の中
枢神経系に対して望ましい効果が現われる。
本発明の治療法が有効である中枢神経疾患患者は、か
かる病気のために根本的にダメージを受けているためあ
るいは他のフアクターのために、他の病気にもかかつて
いる場合がある。従つて、使用するホルモンが十分に安
全に患者の血流に分配され、冒されている脳の部位に行
つて変性神経細胞で作用することをより確かなものとす
るためには、更に他の薬物を一緒に用いて治療する必要
があることが見出された。この目的のためには、上記し
たケースのように、血管拡張剤及び非ステロイド性抗炎
剤を一緒に患者に投与する。このように一緒に投与する
ことによつて、ホルモンが脳へ確実に伝わるようにな
る。更にはエルゴロイドミセレートも使用することがで
き、痴呆症に、かかる薬物を使用することは既に公知で
ある。血管拡張剤のなかでも、ジピリダモール、シクロ
スパスモール、ニリジン塩酸塩、パパベリン塩酸塩、イ
ソクスプリン塩酸塩を単独であるいは組合わせて用いる
ことができる。更には公知のいずれの血管拡張剤も使用
することができ、上記の薬剤は例にすぎない。非ステロ
イド性抗炎症剤としては、アスピリン、イブプロフエ
ン、インドメタシン、トルメチンナトリウム、ピロキシ
カムなどがあり、これは単独であるいは組合わせて用い
ることができる。更には公知の他のいずれの非ステロイ
ド性抗炎症剤も使用することができ、上記の非ステロイ
ド性抗炎症剤は例にすぎない。
後期及び/又は休止期の患者の場合には、上記した薬
物に加えて更に他の薬物療法が必要である。女性患者の
場合には、女性の主たる同化性ホルモンであるエストラ
ジオールが必要である。男性患者の場合には、男性の主
たる同化性ホルモンであるアンドロゲンが必要である。
アルツハイマー病と診断された、体重150ポンドで年
令78才の女性患者の場合、1日1回共役エストロゲン1.
25mg、1日1回メチルテストステロン10mg、1日4回エ
ルゴロイドメシレートUSP1mg、1日4回ジピリダモール
50mg、及び1日4回腸溶性皮膜でコートしたアセチルサ
リチル酸300mgを経口投与した。
エルゴロイドメシレートは細胞蛋白質の一時的ロスを
阻止するのに役立ち、ジピリダモールは大脳の血流を増
加せしめ、アセチルサリチル酸はなかでも凝血を阻止す
るのに役立つものと考えられる。
前記した男性患者の場合と全く同じように、上記した
女性患者も、著しくそして早く回復し、痴呆症も消え、
精神的機敏さそして一般的活力が増し、従来の診断では
アルツハイマー病と診断された多くの症状(しかしなが
ら第3図、第4図に示した新しい生化学的診断法では老
人性痴呆症と診断された)が消失した。
共役エストロゲンのほかにも、次の如きエストロゲン
を単独であるいは組合わせて使用することができる。即
ち、エストラジオール、エストロン、エストリオールを
単独であるいは組合わせて使用することができる。ま
た、メチルテストステロンの代わりに他のアンドロゲン
または同化ホルモンを使用することもできる。
上記した治療法に関連して、患者の成長ホルモンレベ
ルが、同じ大きさと、性、年令の正常人のレベルに比べ
て低いと判断された患者の場合には、上記した薬物投与
に加えて更に成長ホルモンを投与することによつて患者
の成長ホルモンレベルを正常値に再びもどすことができ
ることが判つた。これらの成長ホルモンは、また強力な
同化効果を有し、成長ホルモンレベルが十分でない患者
において、身体の機能を、本発明の治療法を受け入れや
すい状態に導びくのに役立つものでもある。更には、ア
ンドロゲンあるいは同化ホルモン単独またはこれらの組
合わせでは十分な効果が得られない時には、成長ホルモ
ンが正常レベルの患者にも成長ホルモンを使用すること
ができる。特に、60才以上の患者で本発明の治療法を行
なつて改善が見られない場合には、成長ホルモンを、例
えば絨毛性ゴナドトロピンと組合わせて投与するのが良
い。病気が進んだ段階では、最初から成長ホルモンを単
独で使用することができる。アルツハイマー型の老人性
痴呆症の診断法において記述するように、このような場
合には強力で集中的な神経細胞の再生誘導が必要であ
り、成長ホルモンは強力で明白な同化効果を有している
ため特に効果的である。
上記した病気の最初あるいは中間の段階における患者
のいくつかの症状を、本発明の治療によつて軽減するこ
とができることが判つた。それは次のような理由によ
る。
1.脳の血流が上昇し、それによつて酸化、例えば脳細胞
の正常な代謝が促進される。
2.蛋白質及びアミノ酸の異化作用の減少。
3.蛋白質同化が促進され、赤血球産生が上昇して脳細胞
が活性化される。
4.カルシウム及びナトリウムの維持が確実となり、軸索
シナプス前−シナプス後の細胞伝達が改善される。
5.細胞間の蛋白質が増加し、DNA及びRNAの形成が上昇す
る。
6.神経細胞の樹状突起、シナプス前及びシナプス後細胞
の軸索の活力の回復。
本発明の治療法における薬物3の投与量は、患者の体
重、大きさ、年令などによつて変動する。更には、他の
公知の同等の性ホルモン及び同化ホルモンも、その同化
効果が優れている限りにおいて上記した薬物に加えて使
用することができる。
上記した中枢神経系変性疾患患者の場合には、エスト
ラジオールを適当な投与量で単独で投与しても十分な同
化効果が得られ、従つて女性ホルモンを補充するために
更に同化ホルモンを使用する必要はない。エストラジオ
ール自身が十分な同化効果を有しており、従つて他のア
ンドロゲンあるいは同化ホルモンを使用する必要がな
い。同様のことは女性ゴナドトロピン性ホルモンについ
ても言える。ゴナドトロピン性ホルモンは強力な同化効
果を有しており、アンドロゲン及び/又は同化ホルモン
を使用する必要がない。しかしながら、共役エストロゲ
ンまたはエストロン性ホルモンで女性患者を治療する時
には、共役エストロゲンまたはエストロンの同化効果は
比較的に不足しているため、アンドロゲン及び/又は同
化ホルモンが必要であろう。上記した変性疾患が進んだ
段階では、ゴナドトロピン女性ホルモンを単独であるい
は成長ホルモンと一緒に使用するのが好ましく、またソ
マトロピンを単独で使用するのが好ましい。投与量は、
患者の年令、大きさ、体重などによつて変動する。ゴナ
ドトロピンホルモン及び絨毛性ゴナドトロピンホルモン
の最初の投与量は、性同化ホルモンレベルが低い患者を
治療する時に必要とされる投与量と同じであるのが好ま
しい。上記したホルモルのすべてによつてヒト成長ホル
モンの産生が上昇するため、患者のHGH産生能が不十分
の時には、ヒト成長ホルモンのみを使用すべきである。
アルツハイマー病を正しく診断するための知見とし
て、アルツハイマー病患者においてはヒト成長ホルモン
ソマトトロピン(HGH)及びHGH依存ホルモンソマトメジ
ン−C(IGH−I)が消耗しており皮膚及び関節の組合
組織が死亡していることが見出された。成長ホルモンは
下垂体腺より分泌され、一方ソマトメジン−Cはソマト
トロピンの促進作用によつて主に腎と肝より分泌され
る。
アルツハイマー病患者はこれら2つのホルモンレベル
が低下しているという知見と、これに加えて、外因性の
刺激を加えた場合であつてもアルツハイマー病患者はこ
れらのホルモンを自ら産生する能力が不十分であるとい
う事実から、本発明の診断法が導びかれた。本発明によ
れば、AroonsakulとAllenのL−ドーパ刺激テストを用
いてこれら2つのホルモンあるいはソマトロピンの分泌
を促進せしめ、これによつて、下垂体腺及び腎と肝がこ
の刺激テストに応答してこれらのホルモンを産生する能
力があるかどうかを測定する。
ベータアドレナリン、アルフアアドレナリン及びドー
パミン系と同様に抹消神経系及び視床下部の促進能を測
定するためには、抹消血血清中のこれら2つのホルモン
のL−ドーパ刺激テスト前の絶対値レベルのみならずL
−ドーパ刺激テストによつて誘導された上昇度も求める
ことが重要である。主たるコントロールシステムはドパ
ミン系であり、これがL−ドーパによつてHGHの分泌が
促進する理由でもある。例えばクロニジンプロペノロー
ル、セロトニン、エルゴロイドミセレートによつて脳の
アドレナリン促進が誘導されHGHが上昇する。
下垂体腺からのソマトトロピン分泌は多くのフアクタ
ーに依つており、そのいくつかは公知であつて、例えば
身体の運動、肉体的及び低血糖症ストレス、蛋白質の摂
取不足などがある。HGHの放出の原因となる内生的要因
としては睡眠がある。内生的であろうと外生的であろう
と、下垂体腺からの成長ホルモン(ソマトトロピン)の
分泌変動は、視床下部より産生されるホルモン成長ホル
モン放出ホルモン(GHRH)に直接依存しており、視床下
部は下垂体腺に直接作用してHGHの分泌を促進する。血
液系にGHRHを外部から投与すると、HGHの分泌が促進さ
れる。そしてHGHの分泌により腎と肝からのソマトメジ
ン−Cの分泌が促進され、ソマトメジン−Cは視床下部
へのフイードバツクとして作用してGHRHの分泌しいては
HGHの分泌を調節する。HGHの分泌は、膵臓から産生され
14個のアミノ酸からなる環状ペプチドであるホルモンソ
マトスタチンによつても抑制される。ソマトスタチン
は、視床下部のフイードバツク系にも作用して、GHRHと
HGHの産生を抑制する。
本発明によれば、アルツハイマー病患者はHGH及びソ
マトメジン−Cの正しい正常なレベルを有しておらず、
Aroonsokul−Allen刺激テスト(ドーパミン、カテコー
ルアミン、セロトニン)で生じるようなこれら2つのホ
ルモンの大きなあるいは適度な分泌上昇を、誘導する外
的刺激に応答してこれらのホルモンを多く産生する能力
に欠けていることが見出された。
L−ドーパ刺激テストを用いて、ホルモンHGHとソマ
トメジン−Cの実質的な分泌上昇を誘導するのが本発明
の診断法である。本発明の診断法においては、一定の間
隔で血清中のこれらのホルモンレベルをラジオイムノア
ツセイ法によつて検出し、その結果を患者と同じ年令の
正常人と比較し、それによつて、外的刺激に応答してHG
Hの産生を上昇することができるか否かを判定するもの
であり、この方法によつてアルツハイマー病の正確な診
断が可能となる。
アルツハイマー病を診断する本発明方法によれば、Ar
oonsokul−Allen刺激テストを利用する1日前に患者の
体重(kg)当り8mgのL−ドーパを投与し、下垂体腺のH
GH分泌能を活性化させる。1晩絶食後の次の日に、体重
(kg)当り15mgのL−ドーパを投与してL−ドーパ刺激
テストを行なう。L−ドーパ刺激テストを行なう1日前
に体重(kg)当り8mgのL−ドーパを投与する直前と、
L−ドーパ刺激テストスタート直前の血液サンプルを採
取し、そして更に、L−ドーパ15mg/kg投与後30分ごと
に血液サンプルを採取する。次いでRIA法によつて血清
中のソマトトロピン及びソマトメジン−Cの絶対値レベ
ルを測定し、それを患者と同じ年令の正常人と比較す
る。第1図には、L−ドーパ刺激テスト中に採取した5
つの血清サンプルについて、RIA法で測定したソマトト
ロピンとソマトメジン−Cレベルを、50才以上の正常人
と比較した棒グラフが示されている。線を引いた棒グラ
フがアルツハイマー病患者のレベルを示しており、白い
棒グラフが正常人のレベルを示している。正常人の場
合、0分、30分、60分、90分、120分後のレベルはそれ
ぞれ2.00ng/ml、3.75ng/ml、7.90ng/ml、6.05ng/ml、4.
45ng/mlである。アルツハイマー病患者の場合にはそれ
ぞれ対応する値は、0.02ng/ml、0.03ng/mlと1.85ng/ml
の間、2.15ng/ml、2.05ng/ml,1.85ng/mlである。ここで
正常人の場合の値は、統計的平均値を示している。アル
ツハイマー病患者の血清サンプルでRIAによつて測定し
たそれぞれのレベルについて第1図に示した最大値は、
RIA法による統計的標準誤差よりも低い値である。
第2図は、ソマトメジン−Cについて、RIA法によつ
て同様にして得られた結果を示す。50才以上の正常人に
ついては、ソマトメジン−Cの値は、大よそ1.95ng/m
l、4.00ng/ml、8.05ng/ml、5.90ng/ml.45ng/mlである。
これに対してアルツハイマー病疾患の場合には、大よそ
0.10ng/ml、1.65ng/ml、2.15ng/ml、2.00ng/ml、2.05ng
/mlである。
本発明においては、RIA分析に供する血清サンプルは
上記したと異なる時間に採取してもよい。これらの結果
は、同様にして測定した50才以上の正常人と比較する。
本発明によれば、AA刺激テスト中におけるこれら2つの
ホルモンレベルを正常人と比較した時の実質的な相違に
よつて、アルツハイマー病であることを明白にはつきり
と診断できる。更には、正常人と患者とのレベルの絶対
値の相違は、患者のアルツハイマー病の進行度を診断す
るのに使用できる。統計的標準誤差で調整した正常人の
値よりもはるかに低い値の患者は、病気がかなり進行し
ていることを示している。
他の例として、患者が肝疾患を有している場合などに
は、ソマトトロピンレベルは正常人よりも高いかあるい
は同様であつて、ソマトメジン−Cレベルは正常人レベ
ルよりもかなり低いという例がある。この場合にはAA刺
激テストの結果は複雑となる。この場合には更にテスト
が必要であり、EEG、神経生理学テストなどの他の公知
の方法を組合わせることによつて、アルツハイマー病の
診断を確実なものとすることができる。
あるいはまた他の例として、RIAの測定値が正常人の
統計的標準誤差の範囲内である場合のように、患者と正
常人との間で十分な相違が現われない場合があり、この
ような場合には本発明の診断法と他の公知の方法とを組
合わせて使用することができる。
HGHとIGF−Iのレベルが不足するのは、小人症の場合
と同様に子供の場合にも時として起こるが、このように
HGHとIFF−Iの両者のレベルが不足することは大人の場
合には、本発明で見出された病気以外の他の病気では見
られない。基礎代謝の状態あるいは朝の時には、HGHに
ついては正常人と患者とでは何んら相違が通常検出され
ないので、上記した如く刺激テストが必要である。
L−ドーパの代わりにFHGH−刺激試薬を使用してもよ
い。例えばブロモクリプチン、プロパノール、セロトニ
ン、カテコールアミン、クロニジン、他のトバミン促進
剤、及びグルコースをインシユリン非依存組織へ流出せ
しめるのを仲介する低分子量ペプチドグルカゴンなどが
ある。血清を採取する時の採取時間の間隔は、使用した
ソマトトロピン刺激試薬によつて変動する。もちろん、
他の条件等も使用したHGH刺激試薬によつて変動し、そ
れらは当業者には自明の事であろう。例えば、HGH刺激
試薬としてグルカゴンを用いた場合には、1晩絶食する
ことが必要である。
上記したと同様の刺激テストを、第3図及び第4図に
示したように老人性痴呆症の診断にも使用することがで
きる。第3図及び第4図は、アルツハイマー病あるいは
老人性痴呆症と診断された患者のホルモンレベルをコン
トロール群と比較したものである。望ましい刺激テスト
を使用して上記と同様にして行なつたものである。脳神
経伝達物質アセチルコリンエステラーゼの割合いを検出
することによつてもアルツハイマー病あるいは老人性痴
呆性を診断できることが見出された。第4図において、
横軸は時間を示し、縦軸は正常人及びアルツハイマー病
あるいは老人性痴呆症患者の全血清中における脳神経伝
達物質アセチルコリンエステラーゼの割合いを示す。第
4図において、グラフ1は正常人の脳伝達物質アセチル
コリンエステラーゼを示し、グラフ2は老人性痴呆症患
者のアセチルコリンエステラーゼの割合いの上限を示
す。グラフ4はアルツハイマー病と診断される上限を示
す。グラフ3と4の間の領域は過渡的領域であり、その
領域内にある場合には、老人性痴呆症あるいはアルツハ
イマー病と明確に診断することができない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、L−ドーパAA刺激テスト後特定期間での血清
中のホルモンソマトトロピンレベルを示す棒グラフであ
る。 第2図は、第1図と同様にホルモンソマトメジン−Cの
場合の棒グラフである。 第3図は、アルツハイマー病患者と老人性痴呆患者のヒ
ト成長ホルモンレベルを示すグラフ及び正常人のヒト成
長ホルモンレベルを示すグラフである。 第4図は、本発明の診断法による血液サンプル中に存在
する神経伝達物質アセチルコリンエステラーゼレベルを
示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性成分として、アンドロゲン、エストラ
    ジオール、エストリオール、ゴナドトロピン、絨毛性ゴ
    ナドトロピル、ヒト成長ホルモン、オキシメトロン、オ
    キサンドロロン、エチルエストレノール、スタノゾロー
    ル、ナンドロン、フエンプロピオネート、デカノエー
    ト、メタンドリオール及び栄養性(trophoblostic)ホ
    ルモンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む中
    枢神経系疾患治療剤。
  2. 【請求項2】中枢神経系疾患が老人性痴呆症、パーキン
    ソン病、大脳萎縮、アルツハイマー病、小脳萎縮、老人
    性振せん、本態性振せん、多発性硬化症、または脳血管
    障害である請求項(1)記載の治療剤。
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