JP2698938B2 - 真菰成分含有組成物 - Google Patents

真菰成分含有組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は真菰成分含有組成物(以下、「本願組成物」
ということもある。)に関する。 更に詳しくは、真菰成分と、木酢液と、ゲルマニウム成
分からなる組成物を水で希釈し、これを植物の葉面・樹
枝・樹幹および土壌に散布することにより、植物の病虫
害を防止し、植物を活性化させ、さらには土壌改良をも
可能にしたものである。
【従来技術とその課題点】
本発明者は、特開昭63-287708号公報で真菰粉末と木
酢液を水に混合した有害生物防除剤・植物活性剤組成物
を提案してきた。 上記公報からも明らかなように、この有害生物防除剤・
植物活性剤組成物は、カミキリ虫等の病虫害を防止し、
樹勢の活性化に効果があることがわかった。本発明者
は、更に研究・実験を重ねたところ、有害生物防除剤と
しての効果は、一旦植物が有害生物防除剤を吸収し、当
該植物の樹液等を病害虫が体内に取り入れることにより
顕現することが明らかになった。そうして各種の害虫の
うち、油虫は前記有害生物防除剤・植物活性剤組成物で
は滅殺できないことも明らかになった。 本発明者は、前記油虫にも効果がある有害生物防除剤
を開発すべく更に研究・実験を重ね、有機ゲルマニウム
が人体の健康や病気治癒に効果があることに着目し、前
記有害生物防除剤・植物活性剤組成物に有機ゲルマニウ
ムを配合したところ、この配合液によってのみ油虫が滅
殺できることを確認した。このことは無機ゲルマニウム
でも実験し、有機ゲルマニウムと同様の作用・効果があ
ることを確認した。なお、人体への悪影響が考えられる
ことから有機ゲルマニウムを使用するのが好ましい。本
発明者は更に実験を続けたところ、ゲルマニウム溶液の
散布のみでも油虫を含む有害生物防除の効果はあるが、
その力は不充分にしか発揮されないことも判明した。こ
の事実の理論的詳細は明らかではないが、恐らく植物に
対する木酢液の滲透力と真菰との融合に助けられてゲル
マニウムが植物体に滲透吸収される力が増大するものと
考えられる。それと同時に前記三者の相乗効果も考えら
れる。更にまた、ゲルマニウムを配合することによって
植物の妨病虫力及び活性力も一段と強くなることがわか
った。 本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったもので
ある。
【発明の目的】
本発明の第1の目的は、油虫の滅殺をも可能にした真
菰成分含有組成物を提供することにある。 本発明の第2の目的は、防病虫効果及び植物の活性化
の向上を図った真菰成分含有組成物を提供することにあ
る。
【発明の構成】
上記目的を達成する為に講じた発明の構成は次のとお
りである。即ち本発明は、真菰成分と、木酢液と、ゲル
マニウム成分からなる、真菰成分含有組成物である。 本発明で使用される真菰成分としては、主に真菰の葉
及び茎を粉末にしたものが使用される。その粉末化の手
段は問わないが、できるだけ細かい粉末にするほうが散
布しやすく好ましい。 なお、実験によれば真菰の葉又は茎は醗酵した後粉末
にしたものの方が有害生物防除・植物活性の効果が大き
いようである。又、真菰粉末はその成分が液体中に滲出
し、これを木酢液やゲルマニウム溶液と混合することに
よって効果が発揮されるもののようである。この観点か
ら、真菰は必ずしも粉末にしなくても真菰成分の滲出液
を使用すれば殆ど同様の効果が達成できる。勿論残滓と
しての繊維にも効力があるようである。 木酢液は木材の乾留によって得られたものを使用し、
その製造は公知の手段による。 なお、乾留によって発生するガスのうち、水分の含有率
が高い初期のガスと、タール分を多く含む後期のガスを
除いて得られたものを6ケ月以上静置した後のうわ澄み
液を使用するのが有害生物防除及び植物活性の観点から
は好ましい。また、広葉樹から得られたものが、有害生
物防除及び植物活性の観点から良いようである。 ゲルマニウムは精製した粉末を使用する他、ゲルマニ
ウム粉末の溶解液、及びゲルマニウムを含有する植物、
例えばさるのこしかけ類、朝鮮にんじん、にんにく等か
ら他の成分と共にゲルマニウム成分が滲出した液が使用
される。 本願組成物は、例えばリンゴの腐乱病の場合は樹皮に
直接塗布して使用するが、通常は水で希釈して使用され
る。水は軟水、硬水のいずれでも支障はない。本願組成
物と水との配合割合は特に限定されない。 真菰成分が粉末で、ゲルマニウムが粉末の場合、有害
生物防除及び植物活性効果の点からは、真菰粉末0.5〜
2重量部,木酢液5〜20重量部,ゲルマニウム粉末0.00
001〜0.001重量部からなる本願組成物に対して、水250
〜100000重量部で希釈するのが好ましい。 上記配合において、真菰粉末、木酢液、ゲルマニウム
粉末が上記範囲に満たない場合は、有害生物防除及び植
物活性効果が小さくなり、逆に上記範囲を越える場合
は、植物の種類によっては葉が赤茶けたり萎縮する等の
濃度障害を起したりする。なお、土壌にのみ散布する場
合は本願組成物の濃度が濃くても余り問題にはならな
い。 配合に当っては常温常圧で支障はなく、攪拌速度、攪
拌時間も特に限定されるものではない。攪拌の際に展着
剤を混入すると葉ダニ防除に対しての効果が大きい。 既に説明したように、本願組成物は有害生物防病虫剤
としての作用、及び植物活性剤としての作用の他、土壌
改良剤としての作用もあるが、有害生物防病虫害剤とし
ての作用及び植物活性剤としての作用が顕著であり、こ
の点について更に詳細に説明する。 (1) 有害生物妨病虫剤としての作用 八朔樹に侵入したゴマダラカミキリ虫(以下「カミ
キリ虫」という)の防除、 これについては、次の3段階に分けることができる。 第1段階 カミキリ虫の生態を観察すると次のようなことが解っ
た。つまり2年又は1年をかけて越冬した幼虫が、5月
中旬頃より樹幹に丸い直径1cm足らずの穴をあけて巣立
ち、カミキリ虫の成虫となる。この成虫が樹葉を食い荒
す。成虫は、5月中旬から10月にかけて樹幹に卵を生み
つける。卵が生みつけられた幹の周辺には、松ヤニのよ
うな固い油が生じ、卵は之によって保護されながら孵化
するようである。本願組成物は、この松ヤニのような油
を溶解して卵に接触し、或は植物に吸収され、これによ
って生みつけられた卵も孵化することができなくなるも
のと考えられる。この卵時代あるいは孵化直後の滅殺が
防除の第1段階である。 第2段階 孵化したカミキリ虫の幼虫は樹皮を食い荒らしながら
次第に成長する。この時期に散布すると幼虫は本願組成
物を吸収した植物の樹液等を吸収し、成長中に徐々に弱
まり、体液を滲出して身体がやせ細りやがて溶解死滅す
るに至るものが多い。従ってカミキリ虫の滅殺は樹皮侵
食初期における散布が好ましく、これが防除の第二段階
である。 以上の第1、第2段階の滅殺効果が最も高い。 第3段階 樹幹に侵入するものも多数いるが、樹幹に侵入したカ
ミキリ虫でも本願組成物の葉面,樹幹,地表等、外から
の散布のみで活動停止や弱体化さらには滅殺させること
ができる。これが防除の第3段階である。 第三段階を更に説明すると、一時的活動停止(活動中
は侵入穴から木屑を出すが、木屑が出なくなるのでそれ
がわかる。)・衰弱(木屑を出す量が少なくなる。)・
茶褐色の体液を出して死滅、溶解或はミイラ化という順
序をとる。幼虫は一回の散布で死滅するものもあるが数
回の散布にも耐えるものも多く、また10回位の散布でも
衰弱状態で越冬するものもある。しかし越冬羽化した成
虫は、力がなくて飛べず、散乱も無理な程度に弱体化す
る。前記公報に記載しているように、真菰粉末、木酢、
水を混合した組成物でもその効果はあるが、ゲルマニウ
ムを配合することによってカミキリ虫に対する滅殺力も
一段と強化される。即ち弱体化又は死滅するものの割合
が前記組成物と比較して5割増以上となる。又、滅殺の
効果は年毎に増大し、3年も散布を続けたら散布しなく
ても侵入後死滅するに至るものが現われ、その数と効力
(樹力)は年毎に増えて最後には散布の必要なきに至
る。 以上は八朔樹に侵入したカミキリ虫滅殺の段階である
が、イチジク樹のカミキリ虫は1年、茶は3年くらいで
完全に退治ができて、その後は散布回数を減らしたり、
また散布の必要がなくなるようである。 八朔樹についた葉ダニ等の防除について、 葉ダニは本願組成物を十分に(4月以降10月まで20日
に1回程度)散布しておれば殆んど発生しない。発生し
たら本願組成物を木酢濃度が300〜500倍になる程度稀釈
し、10アールに対して500l散布し、この散布1回〜3回
で死滅する。なお、冬期に発生した貝殻虫やロウ虫に対
しては月1回の散布を4月から始めて3回〜5回も続け
れば黒色になって死滅する。又、3年〜5年間散布する
と、貝殻虫、ロウ虫は発生しなくなる。葉マキ虫、ミノ
虫も激減する。これらのことに対する効果もゲルマニウ
ム配合の本願組成物は前記公報の組成物の5割以上の効
力があった。 なお、付記すると上記虫の死滅の過程は前記カミキリ
虫の場合とほぼ同様である。 油虫の防除について、 八朔、梅、ダイコン、ゴボウ、ヨモギ、クコ等につき
油虫に対しても滅殺効果がある。上記したように本願組
成物が従来の農薬と異る特異な点は、油虫の身体に触れ
ることによって死滅するのではなく、植物が本願組成物
を吸収し、その樹液を油虫が吸うことによって死滅への
歩みを取るのである。即ち樹液を吸収した油虫の身体が
自らの体液を滲出し弱体化し、更には溶けることによっ
て死滅するのである。この状況は本願組成物によるカミ
キリ虫の死滅にも通ずるし、他の病害虫もすべて同様に
観察される。即ち、始めは本願組成物による効果がない
ものと観察していたアオ虫、ヨトウ虫やフウ虫も濃度を
高め回数を増やし、土壌に散布又は注入することによっ
て効力が現われ、以上のような段階過程で死滅すること
が明らかになった。又、本願組成物を予め土壌に十分吸
収させておけば油虫の発生を未然に防ぐことができるこ
とも明らかになった。野菜の場合はこの方法による効果
が最も大きいようである。又、植物自体が本願組成物を
吸収すれば本願組成物を直接散布しなくても一旦発生し
た病害虫はその生長の過程で死滅していくようである。
この状況はサルスベリ・梅・八朔樹において観察され
た。また、油虫は真菰、木酢、水の混合液によっては絶
対に滅殺されず、ある分量以上のゲルマニウムを配合す
ることによってのみ滅殺されることに注意する必要があ
る。しかもまた、ゲルマニウムの混入によってその他の
妨病虫害の力を一段と高めることができる。 その他の妨病虫について、 本願組成物は、カミキリ虫や葉ダニ,サビダニ、黒点
病、黒星病、ロウ虫、貝殻虫、うどん粉病、ベト病、炭
素病、スリップス、葉マキ虫、ミノ虫、松食い虫、油虫
等の殆どの病中害防除に効果がある。本願組成物を散布
しておけば、ほとんどウイルスに感染することがなく、
またウイルスに感染した果樹の樹勢回復、活性化の効果
も6年以内には達成できる。即ち、重病のウイルスに感
染し、一果も実らなくなった八朔樹が、5年ないし6年
の散布によって殆ど回復している。 化学農薬と本願組成物との相違について、 さて、化学農薬と本願組成物との相違の特質を上げれ
ば次の通りである。 第1には本願組成物は、害虫やウイルスに対する耐性
が全く生じないことである。 第2には耐性が生じないどころか、散布の回数を重
ね、年を重ねるに従って作物自体の妨病虫力が高まり、
次第に散布の回数を減じて良いようになり、更には散布
せずとも防病虫の力が持続するということである。ここ
まで至るには植物によって異なり、いちじく・松は1年
の散布で可能であり、茶は4年ないし5年、八朔樹は7
年ないし8年を要するようである。また、その期間は植
物の種類や樹齢等によって異なり、早期に散布する程回
数と量を少なくして完全を期すことができる。 第3の特質は人畜無害ということである。 即ち、本願組成物を散布のおりに浴びても人体には何等
の異常も生じないし、また、散布時にみみずや蛙にも散
布して実験したところ、逃げもしないし死滅もしなかっ
た。 第4の特質は、本願組成物を散布すると土壌が膨軟状
態になり、みみずが多数発生することである。 以上の説明及び後で説明する実施例からも明らかなよ
うに、妨病虫害の点についていえば、本願組成物は植物
につく病虫害の殆どに対して効力を発揮する。ちなみに
早く効果があらわれるもの、と数カ月を要するもの、数
年を有するもの、効力の顕著なものと少ないものを例示
すれば次のようである。 (2) 植物活性剤組成物としての作用 植物の活性化については、本願組成物を散布し回を重
ねるにしたがって活性化が顕現してくる。即ち、幹や茎
は太く美しく、葉は厚く光沢をもって内側にそり、節間
がつまる。根の発育も良好である。また天然の高い糖度
(八朔の場合13〜16度 茶・いちじく・野菜もすべて糖
度が高く味わいが深くなる。)と美味しさをもった果実
が増収される。この効果は果樹、茎菜類、根菜類、観用
植物等のすべてに表われる。稲の倒伏防止や品質向上、
多収穫や芝生の活性化、妨病虫等、いとも容易に出来
る。上記効果は、発芽、育苗のような初期の段階での散
布によって特に良い結果が得られる。又、土壌に充分に
散布しておくとその効果は後作にまで及び、2年度にも
相当の効果が現われて土壌改良剤や肥料としての効果も
高い。 なお、本願組成物と他の農薬や葉面散布剤と混合して
も効果に変化はない。むしろ両方相まって効果が高まる
と同様に農薬による非活性化の弊害を救うことができ
る。即ち、ナフのスリップス薬に本願組成物を添加する
と効力が高まる。又、ナス、イチゴの農薬は新芽の発芽
を押える働きがあるが、本願組成物の添加によって新芽
の発芽が盛んになる。 以上のことを作物を中心として考えれば、本願組成物
の散布で妨病虫害・活性化・品質向上・多収穫が達成さ
れた作物をランク付けすると次のようになる。病虫害に
ついての完全な知識を持つことは困難であるが、下記の
事実からすれば妨病虫害の効力も推定される。 活性化の点においては、果樹、野菜、花卉等のすべて
の植物に顕著な効果があり、その結果はは品質の向上と
多収穫となって出現する。 これを要するに本発明による妨病虫害、活性化、土壌改
良、良品質化、多収穫の結果は、無農薬、減農薬、有機
農薬そして健康へのはかりしれない効果をもたらすもの
である。 又、散布が原則として葉面・枝・幹・土壌の全面散布
であるために一回の散布量も多く、明確な効果が現われ
るのに時日を要する点もあるけれども、耐性を生せず効
果は永続し、やがて植物自体の妨病虫力と活性化が顕現
するためにきわめて経済的ともなる。
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、
油虫の滅殺をも可能にし、防病中効果及び植物の活性化
の向上を図った真菰成分含有組成物が提供できる。
【実施例】
以下に説明する実施例において、真菰粉末は日本自然
科学株式会社製のものを使用した。 木酢は通常入手できるものを使用し、ゲルマニウムは
レパゲルマニウム(Ge-132)を使用している。 実施例1(八朔樹についたカミキリ虫の防除) 八朔樹90本を30本ずつA,B,Cの3区に分けた。A区に
は真菰粉末1.0重量部、木酢液10重量部、水4000重量部
からなる配合液(以下、A剤という。なお、以下の各実
施例においてはA区にはゴルマニウムを含まないA剤を
散布した)300lを4月以降毎月1回ずつ11月迄8回散布
した。 B区には、前記配合液にゲルマニウム0.0001重量部を
配合したもの(以下、B剤という。なお、以下の各実施
例においてはB区にはゲルマニウムを含んだB剤を散布
した)を前記と同様に4月以降毎月1回ずつ11月迄8回
散布した。また、C区には水のみ300lを同一条件で散布
した。その結果を表1に示す。 カミキリ虫が新しく侵入したもの、体液が滲出して死
滅したものの数は以下の如くである。 これによってゲルマニウム配合の効果は明らかである。
また、侵入数が少ないほど樹が活性化していることが明
らかである。 実施例2(八朔樹について油虫の防除) 八朔樹の夏の新芽に油虫がついている似た状況の枝を
1樹に1枝ずつ選んで目印をつけ、4樹ずつをA区とB
区に分けた。 A区には実施例1におけるA剤を、同様にB区にはB
剤を、それぞれ葉面、枝、樹幹、土壌に一樹30lずつ散
布した。その結果を表2に示す。 実施例3(カボチャについた妨病虫と活性化) カボチャ9本に3本ずつ3区に分けて、施肥の条件を
同じくし、A区には真菰0、8重量部・木酢10重量部・
水700重量部、B区にはA区の配合液にゲルマニウム
0、00015重量部を配合し、C区には水のみとしてそれ
ぞれ初期に20l、中期に40l、終期に60lを10日毎5月中
旬より12回散布した。その結果を表3に示す。 実施例4(散布効果の継続性) 前記実施例3の後作として、それぞれ一坪ずつ大根と
白菜を蒔いた。3区とも発芽したが、A区、B区が揃っ
て発芽して殊によく、C区は劣って不揃であった。 実施例5(とうもろこしの妨病虫害と活性化) とうもろこしを播種して生じた苗36本を12本ずつ、
A、B、Cの3区に分け、A区にはA剤(真菰0,5重量
部・木酢10重量部・水3000重量部)を約10〜30l(最初
の1カ月間は10l、次の1カ月間は20l、最後の1カ月間
は30l)、B区にはB剤(前記A剤にゲルマニウム0,000
15重量部を配合したもの)を10〜30l(前記と同様であ
る)、C区には水を10〜30l(前記と同様である)を一
週間毎に一回ずつ5月1日から7月末まで散布した。そ
の結果を表5に示す。この表からわかるとおり、A・B
区では殆ど秀品が多数でき、C区は全く物にならなかっ
た。 実施例6(梅の妨病虫と活性化) 中梅の古木大樹(樹齢100年?)が毎年20l前後の実を
結ぶが、15年間全く農薬を散布しないため、表記病虫害
におかされて品質が悪く、梅としては使用できるものは
殆どなかった。 5年前から八朔樹に散布する時のそのつどのA液を年
8回の3年余りで26回B液をその後2年で16回位散布し
た(葉、枝、幹から液が滴る程十分に、又時には寝回り
の土壌にも)。 その病虫害毎の退治状況を表6に示す。対稱が中梅の
古木大樹であるために、直接の対象樹は設定できなかっ
たが、A剤とB剤の使用のみによって改善されたこと
(通常では農薬による以外は改善不可能のものが)を考
えれば、本剤の効果であることは明白である。 実施例7(イチジク樹の妨病虫と活性化) イチジクの苗樹を植えて3年目の樹にカミキリ虫が侵
入したため、数回の農薬散布を行ったが効果も不十分で
あった。このイチジク樹に第4年目の3月から7月まで
B剤(真菰0,1重量部・木酢8重量部・ゲルマニウム
0、00015重量部・水600重量部)を、一回に15lずつ月
2回定期的に、合計10回散布した。その結果昨年までに
侵入していた十数匹のカミキリ虫は体液を滲出して完全
に死滅し新しく侵入するものも全くなかった。枝もがっ
ちりとして、節間も短くなり葉も厚く光沢のある樹とな
った。 果実は一葉毎に生じ、太さも味も前年より一段と優れ
たものとなった。次の年は全く無散布であったが前記状
態が継続した。第3年次の8月までも同様であった。第
3年次の10月1日に観察したところ、8匹のカミキリ虫
が新たに侵入してのこ屑状のものを出していた。これは
すべて赤茶色の湿りを帯びていた。これは体液を滲出し
て弱体化し或は死滅しつつあることを示している。 このことはまた、成長著しいイチジクの場合、一旦は
樹自体の妨病中力・活性化力がついてもやがてまた、散
布の必要が生じることを示している。なお同時に植えて
いた他の2本はカミキリ虫が侵入してもその後処置して
いた為に枯死した。 実施例8(松枯病) 8−1 高さ4m、根廻り50cmの松2本が、それぞれ松
食い虫に侵され、枯死することが予想された。その一方
の松にのみ、B剤(真菰0,8重量部・木酢10重量部・ゲ
ルマニウム0,00015重量部、水5000重量部)を約30リッ
トルずつ、一月に2回ずつ、合計10回散布したところ、
1/4位しか残っていなかった茶色がかったうす緑の部分
が次第に増え、色も濃くなって半年後にはほぼ回復の見
込みがつき、更にその後一月に1回ずつ散布したとこ
ろ、1年後には完全に甦った。その後3年間散布しない
が異常がない。 8−2 松の愛好家が育てた松で、参観者も多かった五
葉の松が、持ち主の死によって放置され、数年後から次
第に松食い虫に侵され始めた。 その松は中央に1.5m位の枝が立ち、左右に3mずつ両翼
を張った形をしていた。この松の三つの先端部分が変色
しはじめ他に数本の小枝も茶色がかってきていた。 この松の枯葉と土壌に5月、6月、7月と3ケ月、月
一回100リットルずつB剤を散布した。その結果8月末
には、強い変色部分の葉は早急に落ちて枝も枯れたが、
変色が弱く、かつ軽い部分は甦えった。 8−3 枯れかかった松が、果たして松食い虫によるも
のか否かは見ただけでは素人には判断が難しい点もあ
る。そこで、九州大学演習林である「生の松原」に於い
て、これは松食い虫による松枯れに相違ないと見られる
5本の松を選定してもらい(松は5本とも樹長6〜8m、
樹囲50cm位で10余年樹かと思われる。)、平成5年6
月、7月、8月の3ケ月にわたり、月一回ずつ1本当た
り約150リットルずつの撒布をした。 (液は真菰1重量部・木酢液10重量部・ゲルマニウム
0,00015重量部、水3000重量部) その結果8月末には、松枯れのひどい部分は早急に落
葉して枝は枯れ4本は完全に甦ったが、1本は更に枯れ
がひどくなるのが認められた。 この時点で枯れがひどくなった1本は樹幹に相当のコ
ケがあり、土壌を密閉し液を通過させない一面のコケが
発見された。これが原因で効果がなかったと思われる。 実施例9(茶の妨病虫と活性化) 平年次(完全無農薬になって4年)において生葉約80
kg前後を生産していた15年生茶園5アール(疏植不統一
の園である)を収量を中心に、できるだけ厳密に2区に
分け、実験区と対照区とした。実験区には、真菰1重量
部・木酢液8重量部・水4000重量部からなるA剤300lを
年8回(6、7、8、9、10、11月と翌年の3、4月)
散布した。対象区には水のみ散布した。有機栽培の条件
は同じである。 第4年次と第5年次は散布剤を変え、前記A剤にゲル
マニウム0,0001重量部を配合してB剤とし、B剤を実験
区と対照区のそれぞれに、600lを年6回散布(6、7、
8、9、10、11月)した。その結果を表7に示す。 なお、摘茶後から次の摘茶までを1年次とした。ま
た、妨病虫に関してはみの虫、葉マキ虫、油虫、ハダ
ニ、カミキリ虫、炭素病、赤葉枯病、白紋羽病を中心と
して観察した。 活性化に関しては、葉の大小と厚さと光沢・枝の大小
と節間を中心として観察した。 総括として、摘茶時の生葉の重量を中心として観察し
た。 (次の表8において従前の実験区をB区、対象区をA
区、近隣区をC区とした。次にB,A区からは平均的と思
われる3枝を、またC区からは最上と思われる3枝を採
ってその平均を求めた。枝は先端の未だ青みを帯びてい
る夏芽目の部分を取った。なお、採枝は1990年10月1日
である。)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真菰成分と、木酢液と、ゲルマニウム成分
    からなることを特徴とする真菰成分含有組成物。
JP33949190A 1990-11-30 1990-11-30 真菰成分含有組成物 Expired - Fee Related JP2698938B2 (ja)

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