JP2696708B2 - 自動採血装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動的に生体より、血液を採取する為の自
動採血装置に関する。

一般に人間やその他の動物のような生体の条件を検査
する為に生体から血液の一部を採取する方法として、指
先、耳たぶ等に損傷を与えたり、適当な注射器で静脈か
ら血液を採取する方法が例示される。これらの方法は、
苦痛を伴うことと、損傷の個所によっては大量の出血を
生じせしめるに至ることから、有資格者の手にもっぱら
委ねられていた。

このように採血行為が有資格者即ち熟練した人によっ
て行なわれている現況に於いて、例えば糖尿病患者等、
健常者と同様の生活ができながら絶えず血糖値に注意し
なければならない人々は、採血及び検査の為に医療機関
への往復を定期的に繰り返さねばならず、時間的制約と
苦痛を受けている。

本発明は上記に鑑みなされたもので、簡単な操作で自
動的に採血が行なえ、且つ痛みを与えることがない採血
装置を提供することにある。

以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す。

透明な硬質性部材よりなる本体（１）内部にはソレノ
イド（２）が設けられ、略中央部には鉄芯（３）が設置
され、ソレノイド（２）に電気エネルギーが供給される
際、電磁石を構成する。ソレノイド（２）は、本体
（１）外部に設けられたソレノイド駆動装置（ａ）と電
気的に接続している。ソレノイド駆動装置（ａ）は電気
エネルギーをソレノイド（２）に供給する。

鉄芯（３）表面には永久磁石（４）が付設され、更に
この鉄芯（３）の下部には、針収納部（７）が設置され
ている。透明な硬質性部材よりなる針収納部（７）内部
には、永久磁石（５）が上下に移動可能な状態に設置さ
れ、永久磁石（５）には皮膚貫入用針（６）が付設され
ている。皮膚貫入用針（６）の周囲には、血液を溜める
為の円筒状の血溜部（９）が形成され、血溜部（９）
は、外部真空採血装置（ｂ）から延びた採血管（11）と
機械的に接続する為の導管（10）に接続している。採血
管（11）と導管（10）との間には、血液の逆流を防止す
る為の逆止弁が取り付けられている。針収納部（７）の
底部には、本発明採血装置が生体皮膚表面に貼着するよ
う粘着シート（８）が付設されている。

本体（１）と針収納部（７）とは着脱自在とし、本体
（１）に針収納部（７）が装着される際、本体（１）に
設けたゴムパッキング（12）によって針収納部（７）の
周囲表面が押圧され、針収納部（７）は本体に固定され
る。

次に動作を説明する。

針収納部（７）の粘着シート（８）を皮膚の適応個所
へ当接する。ソレノイド駆動装置（ａ）を駆動させ、第
３図（3a）に示すようにソレノイド（２）に電圧を印加
する。この時、ソレノイド（２）の鉄芯（３）は、永久
磁石（５）の極に対して同極に磁化し、永久磁石（５）
はソレノイド（２）と反対方向へ移動する。

永久磁石（５）が移動すると同時に皮膚貫入用針
（６）も移動し、皮膚貫用針（６）は、第２図に示す如
く皮膚組織（Ｈ）に刺入される。刺入後、皮膚貫入用針
（６）表面を伝わって血液が血溜部（９）に滲出する。
更にソレノイド駆動回路（ａ）は、第３図の（3b）に示
すような交流電圧をソレノイド（２）に印加する。ソレ
ノイド（２）は、この交流電圧の電気的振動を磁気的振
動に変える。この磁気的振動は、永久磁石（５）に伝達
され、永久磁石（５）は上下の機械的振動を行なう。永
久磁石（５）と同じく皮膚貫入用針（６）も振動し、こ
の振動は血液の凝固を阻止すると共に、鎮痛作用も生じ
させる。

血溜部（９）に滲出した血液が所定量に達した時、真
空採血装置（ｂ）を駆動させ、採血管（11）、導管（1
0）を介して血溜部（９）に陰圧がかけられる。血溜部
（９）に溜まった血液は、この陰圧により導管（10）、
採血管（11）を介して真空採血装置（ｂ）に送り出され
る。

採血が終了した後、第３図（3c）に示すように、電圧
を停止し、本体及び針収納部（７）を皮膚組織（Ｈ）か
ら剥ぎ取る。

本発明に於ける皮膚貫入用針（６）は、口径が数十ミ
クロンと、蚊が持つ針の口径に近似するものが好ましい
が、数ミクロン〜数百ミクロンの範囲で設定されればよ
い。従って採血が終了した後、皮膚組織に残る傷跡は非
常に小さく、針を抜き出した後、血液は即凝固し、傷跡
から血液が流れ出すことはほとんどないものである。

又、上述した如く、本体（１）と針収納部（７）とは
着脱自在であることから、一個人ごとに針収納部（７）
を交換すれば、保健衛生上極めて好ましい態様にもな
る。

本発明に於ける永久磁石（４）及び（５）は、同極又
は異極何れであってもよい。即ちこれら永久磁石は、移
動可能に設置されている永久磁石（５）に対し、反発力
及び牽引力を与えて、不使用時に於ける無用な針の移動
を阻止するものである。

又、本実施例に於いては本体及び針収納部を透明な材
質で成形することにより、血液の滲出量を目視によって
測定していたが、電気的センサー等を血溜部（９）に設
置することにより、電気的に測定してもよい。

以上本発明は、任意の血液量を無傷で且つ適確に採血
することが可能であり、人手を必要とせず、自動的な採
血ができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図は第１
図を一部拡大した略断面図、第３図は第１図に示すソレ
ノイド駆動装置の出力波形図である。 ａ……ソレノイド駆動装置、ｂ……真空採血装置、１…
…本体、２……ソレノイド、３……鉄芯、4,5……永久
磁石、６……皮膚貫入用針、７……針収納部、８……粘
着シート、９……血溜部、10……導管、11……採血管、
Ｈ……皮膚組織。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】経皮に針状体を貫入する為の駆動手段、前
   記針状体を振動させる為の振動手段とよりなることを特
   徴とする自動採血装置。