JP2690844B2 - グラスライニング機器の補修方法および補修装置 - Google Patents

グラスライニング機器の補修方法および補修装置

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JP2690844B2
JP2690844B2 JP5170593A JP5170593A JP2690844B2 JP 2690844 B2 JP2690844 B2 JP 2690844B2 JP 5170593 A JP5170593 A JP 5170593A JP 5170593 A JP5170593 A JP 5170593A JP 2690844 B2 JP2690844 B2 JP 2690844B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学工業、食品工業等
の産業分野で用いられ、苛酷な腐食環境に曝されている
グラスライニング製の化学反応器、貯槽、配管部品の内
壁面、およびほうろう製品等の表面を被覆するライニン
グガラス層に生じた微細な局部的破損部を補修方法およ
び補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ライニングガラス層に生じた破損
部の補修方法として: (1) 耐食性の優れたタンタル金属製のキャップ、ボルト
等を用い、該キャップ、ボルト等とライニングガラス面
との間隙を、テフロン製パッキンでシールして取り付け
る方法(米国特許第 2,631,360号); (2) エポキシ樹脂等の有機系耐食性樹脂、接着剤を、破
損部に塗布して硬化させる方法; (3) ハステロイ等の耐食性金属を、破損部に浴射する方
法(特公昭58− 25740号); (4) 低融点の鉛ガラス、バナジン酸塩ガラスの粉末を損
傷部に塗布し、加熱、軟化融着させる方法(特開昭59−
102835号); (5) 珪素アルコキシド系コーティング剤とエポキシ樹脂
を使用して、補修する方法(特開昭63− 76887号);およ
び (6) 無機質微粉末および金属アルコキシドなどの有機金
属化合物の混合物を、破損部に塗布した後、ライニング
ガラスの転移点以下の温度に反応固化させてガラス補修
層を形成する方法(特開平2−240282号)、などの方法
が提案されてきた。
【0003】また、グラスライニング機器内部の狭い空
間での補修剤の局部加熱処理を行うために、従来、市販
のマントルヒーター、パネルヒーターなどを使用するの
が通常であった。 さらに、上記補修方法(6) に関連し
て、本出願人は、遠赤外線発熱体からの放熱を利用し
た、補修剤の好適な反応固化を可能ならしめた補修装置
(特開平3−2386号)を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、グラスライニ
ング機器の設置現場における、ライニングガラス層の局
部的破損部の補修を行うためには、(i) 大がかりな補修
用機器・装置を必要としないこと、(ii)補修施工時に損
傷部近傍の正常なライニングガラス層を、例えば、熱的
・機械的に損傷する恐れの無いこと、そして、(iii) 損
傷部の場所、形状、面積に応じて補修できる、ことが求
められる。
【0005】さらに、当業界で認識されている良好な補
修ガラス層としては、(iv)補修ガラス層にクラック、ピ
ンホール等が無いこと、(v) 補修ガラス層の耐薬品性、
耐浸透性が優れ、毒性を呈さないこと、(vi)グラスライ
ニング機器の素地金属と補修ガラス層との密着性が良好
で、しかも(vii) 補修後、グラスライニング機器の稼働
した際の熱サイクルに耐えられること、の各要件を満た
していることが前提となっている。
【0006】上記した諸条件を考慮した場合、従来技術
(1) は、破損部が複雑形状であったり、あるいは大面積
である場合には適用困難であり、またテフロン製パッキ
ンの劣化によるグラスライニング機器内容物への浸透・
混入の問題がある。 また、方法(2) では、耐熱製の点
で限界があり、しかも、耐溶剤性が劣り、材料内に水蒸
気拡散が起こるため、適用対象が限定される。 また、
方法(3)では、溶射して調製した補修層が多孔質にな
り、また大がかりな溶射設備を必要とする。 そして、
方法(4) では、ガラスの低融点化を促進する鉛、バナジ
ウムなどのガラス構成成分が毒性を呈する危険性がある
こと、ならびに補修ガラス層の施工温度が600℃程度に
まで達するため、破損部近傍の正常ライニングガラス層
の熱的破壊の恐れがある。 さらに、方法(5) による
と、ガラス材料に含まれている有機物や炭素成分が補修
層に残存してしまい、またエポキシ樹脂を併用した場合
には補修後のグラスライニング機器稼働時の熱サイクル
に耐えられない等の問題点を抱えている。 さらに、方
法(6) は、列挙した従来技術の中では、最も理想的な補
修方法であるが、所望の厚みの補修ガラス層を得るため
には、ガラス材料の塗布・加熱の作業を反復施工する必
要があることから、補修ガラス層を構築するために要す
る施工時間が長くなるという欠点を有しており、たと
え、上述した補修装置を用いた場合でも、補修剤の塗
布、補修箇所への装置の設置および稼働などの種々の操
作の反復を経なければならず、使用者に煩わしさを負担
させるものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した一連
の従来技術にて指摘されていた問題点に鑑みて発明され
たものであって、その要旨とするところは; (a) ライニングガラス層の破損部を洗浄し、(b) 軟化流
動法にて調製した前記破損部を補填するに適当な形状を
有する補修用ガラスを、前記破損部に置き、および(c)
前記補修用ガラスにレーザー照射装置から発生するレー
ザー光線を照射して、前記補修用ガラスを前記破損部に
軟化融着する、工程を含むことを特徴とするグラスライ
ニング機器のライニングガラス層に生じた破損部の補修
方法;ならびにライニングガラス層の破損部を補填する
に適当な形状を有する、軟化流動法にて調製した補修用
ガラスに、三次元的に移動可能な照射装置からレーザー
光線を照射して補修用ガラスを破損部に軟化融着するた
めの装置であって、下記の構成、すなわち、ガイドバー
の垂直方向ならびに長手方向に移動可能に装着されたレ
ーザー光線照射装置、前記ガイドバーの一端を補修装置
本体に対して水平方向に移動可能に保持し、かつ前記ガ
イドバーを移動させる駆動装置を備えた補修装置本体、
および前記補修装置本体をグラスライニング機器のライ
ニングガラス面に固定するための磁石手段を含んだ構成
を特徴とする、グラスライニング機器のライニングガラ
ス層破損部の補修装置である。
【0008】本発明の補修方法にて使用する補修用ガラ
スを調製するために用いた「軟化流動法」とは、ガラス
材料を軟化温度(例えば、 500〜 900℃)以上にまで加
熱し、いわゆる、水アメの状態にして、ガラスを所望の
形状に整える技術を指す。
【0009】また、本発明の補修方法において使用可能
なレーザーとしては、固体(YAG) レーザー、CO2(炭酸ガ
ス) レーザー、エキシマレーザー、あるいはアレキサン
ドライトレーザーなどから、各レーザーの波長あるいは
補修ガラス材料への吸収率に応じて、適宜選択して使用
することができる。
【0010】さらに、本発明の補修装置を構成する照射
装置の三次元的動作を実現ならしめる機構としては、た
とえば、事務用のXYプロッター等の一次元的移動手段
と二次元的移動手段の有機的組み合わせからなる機構が
適用できる。 加えて、この機構と、補修装置本体外部
に置かれた、照射装置の三次元的動作を制御する装置な
らびに照射装置へのレーザー光線送信量を制御する装置
を接続することにより、レーザー光線によるライニング
ガラス層破損部の補修を遠隔操作により実施することが
できる。
【0011】以下、本発明の補修方法を添付した図面を
参照しつつ、実施例に基づいて説明するが、これら実施
例の開示は、本発明の一実施態様を示すものであり、本
発明の範囲を解釈するにあたり、以下の開示によって何
らの限定も付加されるべきでない。
【0012】
【実施例】実施例1:略円形状破損部の補修 略円形状破損部が生じたライニングガラス層の補修方法
を、図1を参照しつつ説明する。
【0013】まず、グラスライニング機器の素地金属に
相当するSS41製の鋼板1(厚み2mm、 100mm角)に、厚
さ 1.5mmのライニングガラス層2を軟化流動法で施工し
た後、その中央部に約 0.5mmφの略円形状破損部3を絶
縁破壊方法にて形成した。
【0014】次に、破損部3周囲のライニングガラス層
2と同じ(JISR4201規格に規定されたケイ酸成分が60重
量%以上を占める)組成を有し、かつほぼ同じ厚みを有
する補修用ガラス4を、別途、軟化流動法で作製し、粉
砕して約1mmφの粒子になるように加工した。
【0015】そして、ガラス4を破損部3上に置き、 4
00ミリワットのYAG レーザー発生装置(TYPE LAY-822A;
5kW; 株式会社東芝社製)本体から、光ファイバー5を
経て照射装置6まで送信され、装置6に備えたレンズを
通って約50μmφに絞られたレーザー光線7を、破損部
3上に置かれたガラス4に向けて約1秒間照射した。
【0016】これにより、ガラス4と周囲のライニング
ガラス層2との直径1mm以内の微細な境界が軟化融着さ
れ、破損部の補修を終えた。
【0017】実施例2:線状破損部の補修 線状破損部が生じたライニングガラス層の補修方法を、
図2を参照しつつ説明する。
【0018】まず、グラスライニング機器の素地金属に
相当するSS41製の鋼板11(厚み2mm、 100mm角)に、厚
さ 1.5mmのライニングガラス層12を軟化流動法で施工し
た後、ガラス層12の中央部に約 0.4mm幅、50mm長さの線
状破損部13を熱衝撃によって形成した。
【0019】次に、破損部13周囲のライニングガラス層
12と同じ(JISR4201規格に規定されたケイ酸成分が60重
量%以上を占める)組成を有し、かつほぼ同じ厚みを有
する補修用ガラス14を、別途、軟化流動法で作製し、粉
砕して約1mmφの粒子になるように加工した。
【0020】そして、破損部13を伴う上記綱板−ガラス
をXYZ ステージに置き、 400ミリワットのYAG レーザー
発生装置(TYPE LAY-822A; 5kW; 株式会社東芝社製)本
体から、光ファイバー15を経て照射装置16まで送信さ
れ、装置16に備えたレンズを通って約50μmφに絞られ
たレーザー光線17を、約 0.4mmφの線状部分へ、破損部
13上に置かれたガラス14に向けて10mm/分の操作速度で
照射した。 これにより、ガラス14と周囲のライニング
ガラス層12との間にある直径1mm以内の微細な境界が軟
化融着され、破損部の補修を終えた。
【0021】実施例3:塊状破損部の補修(その1) 塊状破損部が生じたライニングガラス層の補修方法を、
図3を参照しつつ説明する。
【0022】まず、グラスライニング機器の素地金属に
相当するSS41製の鋼板21(厚み2mm、 100mm角)に、厚
さ 1.5mmのライニングガラス層22を軟化流動法で施工し
た後、ガラス層22の中央部に約40mmφのライニングガラ
ス層の破損部23を機械研磨法にて形成した。
【0023】次に、破損部23周囲のライニングガラス層
22と同じ(JISR4201規格に規定されたケイ酸成分が60重
量%以上を占める)組成を有し、かつほぼ同じ厚みの補
修用ガラス板24を、別途、軟化流動法で作製し、破損部
23とほぼ同じ形状、寸法になるように加工した。
【0024】そして、ガラス板24を破損部23に置き、次
いで、ガラス板24と破損部23との境界部28にライニング
ガラス層22と同じ(JISR4201規格に規定されたケイ酸成
分が60重量%以上を占める)組成を有する軟化流動法で
作製し、粉砕して調製した約1mmφのガラス粒子29を置
いた。 次に、2ワットのYAG レーザー発生装置(TYPE
LAY-822A; 5kW; 株式会社東芝社製)本体から光ファイ
バー25を経て照射装置26まで送信され、装置26に備えた
レンズを通って約50μmφに絞られたレーザー光線27
を、ガラス粒子29に向けて、10mm/分の操作速度で照射
した。 これにより、ガラス板24と周囲のライニングガ
ラス層22との間にある直径1mm以内の微細な境界部28が
軟化融着され、破損部の補修を終えた。
【0025】実施例4:塊状破損部の補修(その2) JIS R4201 に規格された密閉式グラスライニング製反応
器(容量14m3) の底鏡部分に生じた、広さ約100cm2のラ
イニングガラス層破損部の、鉄錆、油分およびゴミなど
を除去するとともに、破損部周辺の残存ライニングガラ
ス片を研磨除去した。
【0026】次に、該破損部の形状、寸法を型取りして
型枠を作った。 そして、ライニングガラスと同じ(JI
SR4201規格に規定されたケイ酸成分が60重量%以上を占
める)組成のガラス板を軟化流動法にて調製し、前記型
枠に合わせて補修ガラス板を加工作製した。
【0027】同様に、ライニングガラス層と同じ(JISR
4201規格に規定されたケイ酸成分が60重量%以上を占め
る)組成を有する約1mmφのガラス粒子を、軟化流動法
で作製し、粉砕して調製した。
【0028】そして、前記ガラス板を破損部上へ置き、
さらに、前記ガラス板とライニングガラス層との境界部
に前記ガラス粒子を置いた後、グラスライニング反応器
外に置かれた0から5ワットまで出力を調節できるレー
ザー発生装置(TYPE LAY-822A; 5kW;株式会社東芝社製)
本体から、光ファイバーを経て反応器内の照射装置まで
送信され、該照射装置に備えたレンズを通って約50μm
φに絞られたレーザー光線を、前記ガラス粒子に向け
て、50mm/秒の速度操作で照射した。 これにより、前
記ガラス板とライニングガラス層との間にあった直径
0.5mm以内の微細な境界部が軟化融着されて、補修を終
えた。
【0029】次に、以下の実施例5および6において、
本発明の補修装置の好適な実施例を開示する。
【0030】実施例5:本発明の装置の使用態様(その1) 図4および図5を参照して、本発明の補修装置の使用態
様を説明する。
【0031】JIS R 4201に規格された密閉式グラスライ
ニング製反応器(容量50m3)の胴体部分のライニングガ
ラス層32に生じた破損部34の鉄錆、油分およびゴミなど
を除去すると共に、破損部34周辺のライニングガラス片
を研磨除去し、鉄生地31の露出部(4cm×5cm)を作製
した。
【0032】次に、ライニングガラス層32と同等の熱膨
張率および耐食性を有する補修用ガラス片33を軟化流動
法にて調製し、これと水とを混合したものを破損部34に
エアスプレーで吹き付け、ドライアーで乾燥した。
【0033】そして、一端がレール40上に置かれ、他端
が補修装置本体41の水平方向に移動可能に支持され、三
次元移動制御装置37と電気的に接続された駆動装置38の
電動モーター39からプーリー35を介してワイヤー36に伝
達された動力によって移動するガイドバー42に装着され
たYAG レーザー光線照射装置(TEM社製)43が、破損部34
と対向するように、補修装置本体41を希土類磁石44を破
損部34周辺のライニングガラス層32に吸着固定した。
【0034】また、ガイドバー42の垂直方向ならびに長
手方向に移動可能に支持され、三次元移動制御装置37と
電気的に接続された電動モーター47からプーリー45を介
してワイヤー46に伝達された動力によって移動するレー
ザー光線照射装置43に、レーザー光線発生装置48から発
生し、レーザー光線出力制御装置49で制御されたレーザ
ー光線を、光ファイバー50を経て送信できるように接続
した。
【0035】さらに、三次元移動制御装置37およびパー
ソナルコンピューター51により、駆動装置38の動きが制
御できるよう電気的に接続し、さらに、レーザー光線照
射装置43に隣接した照明付テレビカメラ52に接続された
テレビモニター53を利用することにより、レーザー光線
の出力や駆動装置38の移動範囲を遠隔(例えば、グラス
ライニング機器外部)から調節できるようにした。
【0036】そして、三次元移動制御装置37の移動条件
を破損部34の形状および寸法を考慮して、移動速度20mm
/秒、移動ピッチ 0.6mmとした。
【0037】レーザー光線照射装置43から5ワットのレ
ーザー光線54を、予め設定した制御条件に従って、三次
元的に移動させながら照射することにより、補修用ガラ
ス片33とライニングガラス層32との境界部を軟化融着さ
せて、破損部34の補修を終えた。
【0038】実施例6:本発明の装置の使用態様(その2) 図6および図7を参照して、本発明の補修装置の他の使
用態様を説明する。
【0039】まず、JIS R 4201に規格された密閉式グラ
スライニング製反応器(容量14m3)の底鏡部分のライニ
ングガラス層62に生じた破損部64の鉄錆、油分およびゴ
ミなどを除去すると共に、破損部周辺のライニングガラ
ス層62を研磨除去し、鉄生地61の露出部(5cm×6cm)
を作製した。
【0040】次に、グラスライニング反応器の底鏡部分
に生じた破損部64の形状、寸法を型取りし、前記型取り
から得られた型に合わせて、ライニングガラスと同じ
(JISR 4201規格に規定されたケイ酸成分が60重量%以
上を占める)組成のガラス板を軟化流動法にて加工作製
した補修ガラス片63を破損部64へ接着テープで仮止めし
た。
【0041】また、一端がレール70上に置かれ、他端が
補修装置本体71の水平方向に移動可能に支持され、三次
元移動制御装置67と電気的に接続された駆動装置68の電
動モーター69からプーリー65を介してワイヤー66に伝達
された動力によって移動するガイドバー72に取付けられ
たレーザー光線照射装置73が、破損部64と対向するよう
に、磁石74を破損部64周辺のライニングガラス層62に吸
着させて、補修装置本体71を固定した。
【0042】そして、ガイドバー72の垂直方向ならびに
長手方向に移動可能に支持され、三次元移動制御装置67
と電気的に接続された電動モーター80からプーリー78を
介してワイヤー79に伝達された動力によって移動する、
鏡部材77と集光レンズ81を内蔵したレーザー光線照射装
置73に、図6に示したように、レーザー光線出力制御装
置75の制御を受けるミニ炭酸ガスレーザー光線発生装置
(シンラッド社製)76から送出されたレーザー光線が、
補修装置本体71のコーナーおよびガイドバー72の一端に
置かれた鏡部材(ダイクイロックミラー)77および集光
レンズ81を経た後、レンズ81によって絞られたレーザー
光線82が破損部64に照射される。
【0043】レーザー光線照射装置73は、三次元移動制
御装置67およびパーソナルコンピューター83により、駆
動装置68の動きを制御できるよう電気的に接続し、さら
に、レーザー光線照射装置73に内蔵された照明付テレビ
カメラ84と接続されたテレビモニター85を利用すること
により、レーザ光線の出力や駆動装置68の移動範囲を遠
隔(例えば、グラスライニング機器外部)から調節でき
るようにした。
【0044】そして、三次元移動制御装置67の移動条件
を破損部64の形状および寸法を考慮して、移動速度10mm
/秒、移動ピッチ 0.4mmとした。
【0045】レーザー光線照射装置73から3ワットのレ
ーザー光線82を、予め設定した制御条件に従って、三次
元的に移動させながら照射することにより、補修用ガラ
ス片63とライニングガラス層62との境界部を軟化融着さ
せて、破損部64の補修を終えた。
【0046】実施例7:補修ガラス層の性能試験 上記実施例1の方法にて調製した補修ガラス層ならびに
正常ライニングガラス層、それぞれを下記した各試験の
対象とした。
【0047】(1) 商用周波数絶縁破壊試験 電気学会・電気規格調査会標準規格(電気書院発行)に
基づいた交流電圧絶縁試験(JEC-0201)に基づき各試料の
素地金属層およびガラス層を両極にして、試験体を破壊
するに必要な最低電圧(kV/mm) を測定した。
【0048】(2) 熱衝撃試験 工業用グラスライニング機器(JIS R 4201)に関する日本
工業規格 (日本規格協会発行:昭和52年2月1日改正)
に従い、まず、水温20℃以下、水量4l 以上の水を準備
し、試験体を水温より 100℃高い恒温器内で20分間加熱
した後、直ちに水中に投入し、水中から試験体を取り出
し、試験体表面のひび割れ・剥離が生じるのに必要な最
低温度を決定した。
【0049】(3) 密着性試験 工業用グラスライニング機器(JIS R 4201)に関する日本
工業規格 (日本規格協会発行:昭和52年2月1日改正)
に従い、まず、ガラス層を上に向け、ガラス層表面から
順次高さを変化させて鋼球(200g)を自然落下させ、ガラ
ス層を割るに必要な最低衝撃エネルギー(N・m)を決定し
た。
【0050】これら各試験結果を、下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の補修方法により施工された補修ガラス層が、破損
部周囲の正常ライニングガラス層と比較して、いずれの
性能においても遜色のない材料特性を備えていることが
認められた。
【0053】
【発明の効果】すなわち、本発明によると、グラスライ
ニング機器のライニングガラス層に生じた微細な破損箇
所でも、的確かつ迅速に補修する方法ならびに補修装置
が提供され、これにより補修後のライニングガラス層の
表面状態・ガラス性能は、正常ライニングガラス層のそ
れと匹敵するものが得られるなど、補修作業の効率を向
上させるのみならず、グラスライニング製品一般の寿命
を延ばすなどの諸効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補修方法の一実施態様の断面を示す図
である。
【図2】本発明の補修方法の他の実施態様を示す斜視図
である。
【図3】本発明の補修方法の他の実施態様の断面を示す
図である。
【図4】本発明の補修装置の一実施態様の平面図であ
る。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】本発明の補修装置の他の実施態様の平面図であ
る。
【図7】図6のB−B断面図である。
【符号の説明】
1…鋼板 2…ライニングガラス層 3…略円形状破損部 4…補修用ガラス 6…照射装置 7…レーザー光線 31…素地金属 32…ライニングガラス層 33…補修用ガラス 34…破損部 38…駆動装置 41…補修装置本体 43…レーザー光線照射装置 44…磁石 42…ガイドバー

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラスライニング機器のライニングガラ
    ス層に生じた破損部の補修方法であって、下記の工程、
    すなわち、(a) ライニングガラス層の破損部を洗浄し、
    (b) 軟化流動法にて調製した前記破損部を補填するに適
    当な形状を有する補修用ガラスを、前記破損部に置き、
    および(c) 前記補修用ガラスにレーザー照射装置から発
    生するレーザー光線を照射して、前記補修用ガラスを前
    記破損部に軟化融着する、 工程を含むことを特徴とするグラスライニング機器の局
    部補修方法。
  2. 【請求項2】 前記補修用ガラスが、ライニングガラス
    層を構成するガラスと同等の熱膨張率および薬品耐食性
    を有するガラスである請求項1に記載のグラスライニン
    グ機器の局部補修方法。
  3. 【請求項3】 前記破損部が、直径1mm以下の大きさの
    局所的破損部である請求項1もしくは請求項2に記載の
    グラスライニング機器の局部補修方法。
  4. 【請求項4】 前記破損部が、幅1mm以下の大きさの線
    状破損部である請求項1もしくは請求項2に記載のグラ
    スライニング機器の局部補修方法。
  5. 【請求項5】 レーザー光線照射装置を具備したガイド
    バー、前記ガイドバーの一端を移動可能に保持して前記
    ガイドバーを移動させる駆動装置を備えた補修装置本
    体、および前記装置本体をグラスライニング機器のライ
    ニングガラス面に固定するための磁石手段を含み、前記
    レーザー光線照射装置が前記ガイドバーの垂直方向なら
    びに長手方向に移動可能に装着されており、および前記
    ガイドバーの両端が前記装置本体の水平方向に移動可能
    に保持されている、ことを特徴とするグラスライニング
    機器のライニングガラス層破損部の補修装置。
  6. 【請求項6】 前記レーザー光線照射装置が、鏡部材お
    よびレンズ部材をさらに内蔵している請求項5に記載の
    補修装置。
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