【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する技術分野】この発明は天然皮革を微粉状
とした後に熱可塑性樹脂生地中にとりこみ、ほゞ天然皮
革に近い特性を生ずるようにした皮革様成形品に関し、
より詳細には天然皮革の粉粒化工程において天然皮革の
蒸気加熱工程を付加し、皮革組織、特に蛋白コラーゲン
が融解しない範囲内における加熱膨潤による蛋白組成の
変化をもたらすようにした皮革粉を利用し、しかも発泡
された皮革様シート状成形品に関する。
【０００２】
【従来の技術】皮革は古くより日常生活に密着するもの
として利用されており、皮革生地の有する特有のコラー
ゲン繊維束の性状より吸湿、耐熱、耐寒特性と共に強靭
な生地材としての利用を有していた。しかしながら、か
ゝる天然皮革材は、供給に限界があり、膨潤に伴う脆弱
化と共に腐敗、発黴、変色の危惧を有し、しかも形状面
での制約が常につきまとっていた。
【０００３】そこで近時、皮革本来の特性を有する合成
皮革あるいは人工皮革の改良がなされポリアミド系、ポ
リウレタン系、ポリアミノ酸系合成皮革、あるいは特殊
なレンコン型中空繊維又は微細繊維集束型繊維の三次元
繊維絡合体とポリウレタンエラストマーを主体とするバ
インダーの多孔構造体とからなる人工皮革等が供給され
るにいたっている。しかしながら、これらはいずれも吸
水性、通気性あるいは伸縮性をいずれも非膨潤組織であ
る合成樹脂素材による網状化、多孔状化によって作り出
そうとするものであり、生体高分子をベースとする天然
皮革と同様の性質を発現することは困難とされていた。
かゝる点より本出願人は生体高分子であるコラーゲン組
織自体を利用して皮革を作るべく種々の改良をなしてき
ている。特に、本出願人は、コラーゲン繊維を破砕、粉
粒状として、コラーゲン繊維の有する乾湿時の伸縮を無
くすと共にコラーゲン繊維を構成する膠原質をもって再
度皮革材を構成することを意図し、その破砕と、成形方
法とに種々の改良をなしてきた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】皮革材をそのまゝ利用
する方法としては、これらの皮革材を破断、叩打しなが
ら短繊維状とし、この短繊維状の皮革材をフエルト状に
圧締したフエルト材、濾渦材あるいはスピーカーの振動
生地材等が以前から開発されていた。しかしながら、皮
革材を粉砕あるいは切削して粉状とし、この粉状の皮革
材をもって皮革生地とする開発は本出願人により始めて
工業的に進められるにいたったもので特願昭６１−１０
２６１１号等多くの発明が開示されている。
【０００５】ところで、かゝる皮革材を粉粒化して樹脂
と混合成形する場合、皮革粉がより微細である程、成形
された皮革様生地の特性が良く、又樹脂とも馴染み易い
特性をもっていることが判明した。しかしながら、皮革
材を粉粒化する場合、この皮革材が膠原質であることよ
り繊維状でない微顆粒状をなす粉体を作ることが技術的
に難しいことゝ、又皮革粉が一定の粒径以上又は粒径以
下の粒径である場合に皮革粉相互が綿状に絡み合う現象
を生ずる不都合があった。特に、皮革材を粉砕機あるい
は超微粉砕機等により250 メッシュ程度の均一な微細粉
末とした場合、微細粉同志が相互に絡み合って綿状を呈
し、合成樹脂素材と適切に混合せず、合成樹脂材との成
形に際して、樹脂成形物中に相互に絡み合った塊として
存在し、これが押し出し成形等に際して、成形樹脂に脈
動をもたらす原因とされた。
【０００６】そして、このように皮革材が一定の塊とな
った場合、樹脂素材と皮革素材とが夫々に分離された状
態の成形品が得られることとなり、成形品としての強度
が極端に劣ることは勿論、混入される皮革素材の特長を
全く有しない成形品となる不都合があった。
【０００７】本発明に係る皮革様シート状発泡成形品
は、前記の構成及び成形手法によって提供される皮革様
成形品における不都合を解消し、皮革素材の特長を充分
に備えた皮革様シート状発泡成形品の提供を目的として
いる。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明に係る皮革様シー
ト（本発明では通例フィルムと称しているものをも含め
てシートとして表現しており、フィルムを除く趣旨では
ない。）状発泡成形品は、上記の目的を達成するものと
して、繊毛部分を有していない微粉状の皮革粉を熱可塑
性樹脂コンパウンドに混入してなる皮革様シート状発泡
成形品として構成してある。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の典型的な一実施の
形態に係る皮革様シート状発泡成形品について詳細に説
明する。
【００１０】この実施の形態に係る皮革様シート状発泡
成形品は、繊毛部分を有していない微粉状の皮革粉と熱
可塑性樹脂コンパウンドと発泡剤とによって成形されて
なる皮革様シート状発泡成形品として構成してある。
【００１１】先ず使用される皮革粉は、主としてクロム
鞣し処理の施された牛皮、豚皮、羊皮等であり、一部タ
ンニン鞣し皮が用いられる。従前手法では牛皮のコラー
ゲン繊維が強靭であったことより、その破砕、粉粒化の
工程において、粒径の不揃の問題と、繊毛発生の問題と
を含み、又豚皮においては皮革中の油脂分による粉砕不
良の問題を有していたが、以下の実施例では、牛皮であ
ろうと、豚皮であろうと、その種別を問わず一様に処理
できる利点を有している。又、鞣し皮の利用は、皮革の
処理工程並びに成形品に取込まれた状態での皮革粉の発
黴及び腐敗の防止等をなすものであり、かゝる趣旨より
基本的にはクロム鞣し処理のされた床皮ないしはシェー
ビング屑が利用される。尚、クロム鞣し以前の裏すき材
としての床皮あるいは床皮屑を利用し、これにクロム処
理を施す場合もある。
【００１２】かゝる皮材を切断機又は粉砕機にかけて以
下の処理に適するように細片又は粉粒状、綿毛状とした
後、この処理皮革を蒸気加熱装置に投入し、所定時間蒸
気加熱を施す。この蒸気加熱は蒸気中に投入された皮革
を撹拌しながら外部より更に加熱することにより加熱装
置内の温度を一定の範囲内で変動するようにしたのが理
想的であり、投入される皮革の性状、形状及び量によっ
て、この理想的数値が決定される。出願人は、その一つ
の実施に際し、筒状の加熱装置の筒壁を二重とし、この
二重壁の空間内に130 ℃、２ｋｇ／ｃｍ2 の蒸気を送り
込み、装置の加熱をなすと共に装置内にも同様の蒸気を
供給した状態で、装置内に投入した皮革を撹拌した。こ
の結果、装置内に供給された水蒸気を吸湿した皮革は充
分な膨潤状態において装置の筒壁より加熱され、蒸散方
向に性状を変化しながら高温化し、次いで生ずる気化現
象により皮革自体の温度を下げると共に撹拌されて筒壁
より空中に放じられて急激に温度を下げ、同時に装置内
に供給されている水蒸気により飽和状態まで再膨潤され
た。以上の装置では、加熱装置に投入された皮革が充分
な膨潤状態で経時的な熱変化を受け、コラーゲン蛋白の
蛋白組成の変化を生ずると共にコラーゲン繊維中に含ま
れている油脂分及び水溶性の高い膠部分が取除かれ、結
果的に、より純粋なコラーゲン蛋白とされ、しかも長時
間に亘り完全に膨潤されている状態とされた。
【００１３】かゝる膨潤、加熱された皮革を乾燥し、理
想的には、2.3 ％〜４％（重量比）の含水率にいたるま
で急速に乾燥して粉砕機に投入した。この粉砕機は、皮
革の性状、形状等によりボールミル等適宜の装置による
ことゝし、通例粉砕された粒径に合せて順次微粉状に適
するミルを段階的に使用することにより、効率良く、し
かも均一の粒径の皮革粉を得ることができた。特に、叙
上の前処理工程を受けた皮革は、破壊に対し脆く、粘弾
性が無く、油脂分が取除かれていることより極めて短時
間内に、適正粒径まで粉砕が可能とされ、しかも粉砕皮
革粉の粒径が均一で、繊毛部分を有していない特長を有
している。
【００１４】かくして粉砕された皮革粉を３０メッシュ
の篩を通すことにより、
150 メッシュより細いもの 54.7％
100 〜150 メッシュのもの 18.4％
60〜100 メッシュのもの 15.5％
30〜60メッシュのもの 11.4％
の理想的な粒度分布よりなる皮革粉を得ることができ
た。
【００１５】以上の工程をもって成形された皮革粉１５
〜６０％、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂と可塑材、安定
材等よりなる樹脂コンパウンド４０〜８５％（共に重量
比）で混合して炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、過酸化
物、アジド類を内容とする発泡剤を添加してプラスチッ
ク成形をなすことゝし、この成形に際し別途炭酸カルシ
ウム粉等の充填材あるいは改質剤の混入によるシート状
発泡成形品の成形をなす。
【００１６】尚、成形品に着色を施し、あるいは無色の
成形品を得ることを目的としている場合は、混入される
皮革粉自体の脱色処理と、着色処理及びシート状発泡成
形品の成形に際しての着色顔料の混入とをなす。また、
皮革素材に対する着色をな、主として染色の方法による
ことゝし、前記工程の蒸気加熱装置による加熱工程と、
この加熱工程前における粉砕皮革の状態での染色がもっ
とも効果的であった。
【００１７】尚、上記において成形される樹脂コンパウ
ンドは適宜使用される樹脂の種別に合せた量の可塑剤、
安定剤、充填剤等を混入することゝし、硬質、半硬質及
び軟質のプラスチックシート状発泡成形品の成形をなす
ことができる。又、プラスチック成形手段としてはカレ
ンダーロール、押出し、その他の方法を用いることが可
能であり、主としてシート又はフィルム状の発泡成形品
を提供する。
【００１８】そして、これらのシート、フィルムの表面
にサンドブラスト、サンディングあるいは表面スライス
等の処理を施し、成形品表面のスキン層部分を取除いて
も良く、これによって、スエード調の趣きの深い製品と
し、しかも手触り感が本革に近いものとする。又、シー
ト、フィルムは、これに紙あるいは布の裏材をつけても
良く、これによって、引裂き強度を高め、特にサンディ
ング仕上げをやり易くする。
【００１９】このようにして成形されたシート、フィル
ムに対し、シボロール等による型押し処理を施し、ある
いは揉みこんで革シボをつけ、あるいは起毛状としてバ
ックスキン、スエード調の革とし、更に各種塗料を使用
したエナメル革、マット革状とする等一般の皮革と同様
の処理加工を施すことができ、これより各種目的に合せ
た皮革様シート状発泡成形品の提供をなすことができ
る。
【００２０】前記の構成に係る皮革様シート状発泡成形
品は、叙上の特長ある構成よりして、混入される皮革粉
の成形においても、又皮革様シート状発泡成形品の成形
においても次のような特長ある作用を生ずる。
【００２１】(1) 成形される皮革粉が皮革の蒸気加熱工
程を前提としており、この加熱工程で皮革を構成するコ
ラーゲン蛋白が充分に膨潤された状態で、その組成構造
が経時的な熱変化に伴って凝ー溶状態反覆の繰返しを受
け、組織相互の緊密な一体性が緩和されると共にコラー
ゲン繊維束間に存在する油脂分が取除かれて、より純粋
なコラーゲン蛋白の集合体とされ、しかもニカワ質その
他の膠部分の一部が溶出される。かゝる状態で2.3 〜３
wt％の含有水分となるまで皮革を乾燥した場合、この皮
革は比較的僅かの衝撃で破砕されることが判明した。そ
こで、この乾燥した蒸し皮革をボールミル等に段階的に
投入、破砕し、３０メッシュの篩で選別したところ、
150 メッシュより細いもの 54.7％
100 〜150 メッシュのもの 18.4％
60〜100 メッシュのもの 15.5％
30〜60メッシュのもの 11.4％
の粒度分布よりなる皮革粉を得ることができた。
【００２２】(2) 又、皮革を粉状に粉砕する工程におい
ても皮革が効果的に微顆粒状の粉体とされ、粉砕された
粉に繊毛部分が残されたり、粉体自体が繊維状とされた
りすることがなく、滑性の良い皮革粉が成形提供され
た。
【００２３】(3) 又、皮革組織、殊にコラーゲン繊維の
粘弾性及び油脂分の喪失とにより皮革の組織的な崩壊を
生じ、皮革の粉粒化が簡単な装置により効率良くできる
ことゝなり、粉砕刃部等への皮革組織のコビリ着き、絡
みつきが生じない特長を有している。
【００２４】(4) 又、コラーゲン繊維に含まれている組
織力の弱い膠あるいは油脂分が取除かれ、より純粋なコ
ラーゲン蛋白部分のみの皮革粉とされていること及び粒
径が均一で、しかも繊毛部分を有していないこと等よ
り、混練される合成樹脂素材との馴染みが良好とされ、
合成樹脂素材中に円滑に混入されて万遍なく混ざり合う
特性を有し、プラスチック成形時に混入皮革粉相互が絡
み合う不都合が無くなった。
【００２５】(5) 又、プラスチック成形において混入さ
れる皮革粉が繊毛部分を有していないことより、押出
し、射出等の成形に際しての接触抵抗が低く、成形時に
生ずる脈動に伴う成形品の組成の疎密が少なく、成形時
あるいは成形後の歪出しが殆ど発生しない特長を有して
いる。
【００２６】(6) 更に、混入される皮革粉が、より純粋
なコラーゲン蛋白であることより、成形樹脂材に一定の
流動性を付与し、しかも成形樹脂生地自体の動きを均一
化する機能を有し、この結果、通例の樹脂成形以上に成
形品組成の疎密化が避けられる特性を有していると共
に、この混入される皮革粉が成形樹脂生地に生ずる残留
応力を個々に断ち切るように機能し、結果的に歪出しの
少ない成形品の提供が可能とされる。
【００２７】(7) 又、合成樹脂コンパウンド中に混入さ
れる皮革粉が均一の粒径をなしており、しかも成形生地
中に万遍なく散在されるようにした結果、成形樹脂生地
中の皮革粉の膨潤に伴う成形品の歪出しが無く、成形品
の温度変化、湿度変化に伴う反り出し等が発生しない利
点を有している。
【００２８】(8) 又、成形生地中に炭酸アンモニウム等
の発泡剤を添加し、独立気泡又は連続気泡ないしはこれ
らの混在された発泡態様のシート状成形品とした場合、
シート状成形品を構成する皮革粉の特質と、この発泡構
造とが相まって、より自然の皮革生地に近い特性と肌触
り感とがもたらされる。特にシート状成形品が発泡状態
とされていることより、夫々の発泡面に混入された皮革
粉が露出し、これらの膨潤機能によって天然皮革に近い
含水率のシート状成形品とされ、又適度の吸湿、蒸散
と、通気、透湿機能を併せ有することゝされ、機能的に
は殆ど天然皮革と同様とされる特長を有している。
【００２９】(9) かゝる天然皮革様の特性は、発泡成形
されたシート状成形品の表面をサンディング、ショット
ブラストないしはスライスの手法で取除くことにより更
に顕著に生ずるものであり、シート状成形品表面のスキ
ン層部分の切除により発泡空隙面がそのまゝ外表面に露
出されると共に皮革粉が樹脂スキン層に覆われることな
く直接シート状成形品の表面に露出されることとなる。
この結果、皮革粉部分が接触面の汗を吸収し、しかも接
触面に多くの空気溜りを作ることゝなり、これらが相ま
って柔らかく、しかも汗ばみ感の無い手触りと、寒期に
は暖かく、夏期には涼しい感触をもたらす皮革様シート
状成形品とされる。
【００３０】
【発明の効果】本発明は、繊毛部分を有していない微粉
状の皮革粉を熱可塑性樹脂コンパウンドに混入して皮革
様シート状発泡成形品としたことから、皮革粉が成形品
中に均一且つ満遍なく分散され、皮革粉の膨潤に伴う歪
出しの無い、また温度変化、湿度変化に伴う反り出し等
のない成形品の提供をなしうると共にかかる皮革粉の特
質と発泡構造とが相まって、天然の皮革に近い特性と肌
触り感とを備えた成形品の提供をなしうる特長を有して
いる。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a leather-like material which is made into a fine powder of natural leather and then incorporated into a thermoplastic resin material to produce properties close to those of a natural leather. Regarding molded products,
More specifically, in the powdering process of natural leather, a steam heating process of natural leather is added to use a leather powder that causes a change in protein composition due to heat swelling within a range in which leather tissue, particularly protein collagen does not melt. And also relates to a foamed leather-like sheet-like molded article. 2. Description of the Related Art Leather has been used for a long time since it has been in close contact with daily life. Due to the peculiarity of collagen fiber bundles of leather cloth, it is used as a tough cloth material with moisture absorption, heat resistance and cold resistance. Had. However, such a natural leather material has a limited supply, is vulnerable to swelling, and is liable to decay, mold, and discoloration, and the shape is always restricted. Therefore, recently, synthetic leather or artificial leather having the original characteristics of leather has been improved, and three-dimensionally made of polyamide type, polyurethane type, polyamino acid type synthetic leather, or special lotus root type hollow fiber or fine fiber bundle type fiber. Artificial leathers and the like, which are composed of a fiber entangled body and a porous structure of a binder mainly composed of polyurethane elastomer, have been supplied. However, all of these are water-absorbing, breathable or stretchable, and are intended to be made by reticulation and porosification by a synthetic resin material which is a non-swelling tissue, and natural leather based on biopolymer It has been difficult to express similar properties.
From this point of view, the present applicant has made various improvements to make leather by utilizing the collagen tissue itself which is a biopolymer. In particular, the present applicant intends to crush the collagen fibers, as a powdery granule, to eliminate the expansion and contraction of the collagen fibers when dry and wet, and to reconstruct the leather material with the collagen that constitutes the collagen fibers, and the crushing thereof. Various improvements have been made to the molding method. As a method of utilizing the leather material as it is, the leather material is made into a short fiber shape by breaking and beating, and the short fiber material is made into a felt shape. Pressed felt material, filter vortex material or speaker vibration material have been developed for some time. However, the development of pulverizing or cutting a leather material into a powder form and making the powdery leather material into a leather material has been industrially promoted for the first time by the present applicant. Japanese Patent Application No. 61-10
Many inventions such as No. 2611 are disclosed. By the way, when such a leather material is granulated and mixed with a resin, the finer the leather powder, the better the characteristics of the formed leather-like material, and the more easily it is compatible with the resin. It has been found. However, when the leather material is granulated, it is technically difficult to make a fine granular non-fibrous powder because the leather material is collagenous. When the particle size is above or below the particle size, there is a disadvantage that the leather powders are entangled in a cotton shape. Especially when the leather material is made into a uniform fine powder of about 250 mesh with a crusher or an ultrafine crusher, the fine powders become entangled with each other to give a cotton-like shape, which does not mix properly with the synthetic resin material. During molding with a resin material, they existed as entangled lumps in a resin molded product, which was considered to cause pulsation in the molded resin during extrusion molding and the like. When the leather material is formed into a certain mass in this way, a molded product in which the resin material and the leather material are separated from each other is obtained, and the strength of the molded product is extremely poor. As a matter of course, there is a disadvantage that the molded article does not have the features of the leather material to be mixed. The leather-like sheet-like foamed molded article according to the present invention eliminates the disadvantages of the leather-like molded article provided by the above-mentioned constitution and molding method, and has the leather-like sheet-like foamed article having sufficient characteristics of the leather material. The purpose is to provide molded products. [0008] A leather-like sheet according to the present invention (including what is usually called a film in the present invention is also expressed as a sheet, and does not mean that the film is excluded). In order to achieve the above-mentioned object, the foam-molded article is configured as a leather-like sheet-like foam-molded article obtained by mixing finely powdered leather powder having no cilia portion with a thermoplastic resin compound. BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION A leather-like sheet-like foam-molded article according to a typical embodiment of the present invention will be described in detail below. The leather-like sheet-like foam-molded article according to this embodiment is a leather-like sheet-like foam-molded article formed by fine-powdered leather powder having no cilia part, a thermoplastic resin compound and a foaming agent. It is configured as an item. First, the leather powder used is mainly chrome tanned cowhide, pig skin, sheep skin or the like, and tannin tanned leather is used in part. Since the collagen fiber of the cowhide in the conventional method was tough, its crushing, in the process of pulverizing, the problem of uneven particle size, and the problem of cilia generation, and also in pig skin, in the leather Although there was a problem of crushing failure due to fats and oils, the following examples have the advantage that they can be uniformly treated regardless of the type, whether it is cowhide or pigskin. In addition, the use of tanned leather is to treat the leather processing and to prevent the development and decay of leather powder in the state of being incorporated in the molded product, and basically from that purpose, chrome tanning is used. Treated floor skin or shavings are utilized. In addition, there is also a case where a floor skin or floor skin waste as a back lining material before chrome tanning is used and this is subjected to chrome treatment. [0012] After such a leather material is cut into pieces or powder or fluffy so as to be suitable for the following treatment by a cutting machine or a crusher, the treated leather is put into a steam heating device and steam-heated for a predetermined time. Give. In this steam heating, it is ideal that the temperature inside the heating device is fluctuated within a certain range by further heating the leather thrown into the steam from the outside while stirring. The ideal value is determined by the nature, shape and quantity. In one of the implementations, the applicant doubled the cylindrical wall of the cylindrical heating device and sent steam of 130 ° C. and 2 kg / cm 2 into the space of the double wall to heat the device and With the same steam being supplied to the inside, the leather put into the apparatus was stirred. As a result, the leather that has absorbed the water vapor supplied to the device is heated from the tubular wall of the device in a sufficiently swollen state, and the temperature rises while changing its properties in the direction of evaporation, and then the temperature of the leather itself is lowered by the vaporization phenomenon that occurs. At the same time, it was agitated and discharged from the cylinder wall into the air to rapidly lower the temperature, and at the same time, it was re-swelled to a saturated state by the steam supplied into the apparatus. In the above device, the leather put into the heating device undergoes a thermal change over time in a sufficiently swollen state, which causes a change in the protein composition of the collagen protein and the oil and fat content and the water-soluble content contained in the collagen fiber. The high glue portion was removed, resulting in a purer collagen protein, which was in a completely swollen state for a long time. The swelled and heated leather was dried, and ideally rapidly dried to a water content of 2.3% to 4% (weight ratio) and put into a grinder. This crusher may be an appropriate device such as a ball mill depending on the properties and shape of leather, and it is usually efficient by using a mill suitable for finely powdered powder in order according to the crushed particle size. It was possible to obtain a leather powder with a uniform particle size. In particular, the leather that has undergone the above pretreatment step is fragile against breakage, has no viscoelasticity, and can be pulverized to an appropriate particle size within an extremely short time because the oil and fat components have been removed, Moreover, the crushed leather powder has a uniform particle size and has no cilia part. The thus crushed leather powder is passed through a 30-mesh sieve to make it finer than 150 mesh 54.7% 100-150 mesh 18.4% 60-100 mesh 15.5% 30-60 mesh 11.4% It was possible to obtain a leather powder having an ideal particle size distribution. Leather powder 15 formed by the above steps
-60%, a resin compound consisting of a thermoplastic resin such as vinyl chloride and a plasticizer, a stabilizer, etc. in a proportion of 40 to 85% (both by weight), and mixed with ammonium carbonate, ammonium hydrogencarbonate, sodium hydrogencarbonate, ammonium nitrite, and Plastic molding is performed by adding a foaming agent containing oxides and azides, and in this molding, a sheet-shaped foam molded article is molded by mixing a filler such as calcium carbonate powder or a modifier separately. . When the purpose is to color the molded product or to obtain a colorless molded product, the decoloring treatment of the leather powder itself to be mixed, the coloring treatment and the molding of the sheet-like foam molded product are performed. Mixing with coloring pigments. Also,
The coloring of the leather material is mainly based on the dyeing method, and the heating step by the steam heating device in the above step,
Dyeing in the state of crushed leather before this heating step was the most effective. The resin compound molded in the above is a plasticizer in an amount suitable for the type of resin used,
By mixing a stabilizer, a filler and the like, it is possible to mold a rigid, semi-rigid and soft plastic sheet-like foam molded article. Further, as the plastic molding means, calender rolls, extrusion, and other methods can be used, and a foamed molded product mainly in the form of a sheet or film is provided. The surface of the sheet or film may be subjected to a treatment such as sandblasting, sanding or surface slicing to remove the skin layer portion on the surface of the molded product, whereby a product with a deep suede tone is obtained. In addition, the texture should be close to that of genuine leather. Further, the sheet or film may be provided with a paper or cloth backing material to increase the tear strength, and particularly to facilitate sanding finish. The sheet or film formed in this manner is subjected to embossing treatment with a texture roll or the like, or is kneaded to give a leather grain, or a brushed back skin or a suede-like leather, and various paints. The leather can be subjected to the same processing as ordinary leather such as enamel leather or matte leather using the above, and thereby a leather-like sheet-like foamed molded article can be provided for various purposes. The leather-like sheet-like foam-molded article having the above-mentioned constitution has the following characteristic features in the molding of the leather powder to be mixed and the formation of the leather-like sheet-like foam-molded article. It produces a characteristic action such as. (1) The leather powder to be molded is premised on the steam heating step of the leather, and in this heating step, the collagen protein constituting the leather is sufficiently swollen, and its composition structure undergoes a thermal change with time. Accompanying this, the solid-solid state is repeatedly repeated, the close cohesion between tissues is relaxed, and the fats and oils existing between collagen fiber bundles are removed, resulting in a more pure collagen protein aggregate. In addition, some glue and other glue parts are eluted. 2.3 to 3 in such a state
It has been found that when the leather is dried to a moisture content of wt%, the leather is crushed with a relatively small impact. Therefore, when this dried steamed leather was gradually put into a ball mill or the like, crushed, and screened with a 30-mesh sieve, it was finer than 150 mesh 54.7% 100-150 mesh 18.4% 60-100 mesh 15.5 It was possible to obtain a leather powder having a particle size distribution of 11.4% with a mesh percentage of 30 to 60 mesh. (2) Further, even in the step of pulverizing the leather into powder, the leather is effectively made into a fine granular powder, and the pulverized powder has a ciliated part or the powder itself is fibrous. As a result, a leather powder having good slipperiness was formed and provided. (3) Further, the viscoelasticity of the leather tissue, in particular the collagen fiber and the loss of oil and fat cause a systematic disintegration of the leather, which makes it possible to efficiently granulate the leather with a simple device. It has the feature that the leather tissue does not become loose and entangled with the crushing blade. (4) Further, the glue or oil and fat having a weak tissue strength contained in the collagen fiber is removed to obtain a purer leather powder having only a collagen protein portion and a uniform particle size, Moreover, since it does not have cilia, it is said that it has good compatibility with the synthetic resin material to be kneaded,
It has the characteristic that it is smoothly mixed into the synthetic resin material and mixed evenly, and there is no inconvenience that the mixed leather powders become entangled during plastic molding. (5) Further, since the leather powder mixed in the plastic molding does not have a cilia part, the contact resistance at the time of molding such as extrusion and injection is low, and the composition of the molded product due to the pulsation generated at the time of molding The feature is that there is little densification and there is almost no distortion during or after molding. (6) Further, since the leather powder to be mixed in is a purer collagen protein, it has a function of imparting a certain fluidity to the molding resin material and uniformizing the movement of the molding resin material itself. As a result, it has the property of avoiding densification of the composition of the molded product more than usual resin molding, and also functions to individually cut off the residual stress generated in the molded resin cloth by the leather powder mixed in. As a result, it is possible to provide a molded product with less distortion. (7) Further, since the leather powder mixed in the synthetic resin compound has a uniform particle size and is dispersed evenly in the molding material, the leather in the molding resin material It has an advantage that the molded product does not warp due to the swelling of the powder, and does not warp due to the temperature change and the humidity change of the molded product. (8) Further, when a foaming agent such as ammonium carbonate is added to the molding material to form a closed-cell or open-cell or a sheet-shaped molded article having a foaming mode in which these are mixed,
The properties of the leather powder constituting the sheet-shaped molded product and the foamed structure are combined to provide the characteristics and feel that are closer to those of a natural leather material. In particular, since the sheet-shaped molded product is in a foamed state, the leather powder mixed in each foaming surface is exposed, and due to these swelling functions, it is made into a sheet-shaped molded product having a moisture content close to that of natural leather, and also an appropriate amount. It has the functions of almost the same as natural leather, because it has the functions of moisture absorption and transpiration as well as ventilation and moisture permeability. (9) Such natural leather-like characteristics are more remarkably produced by removing the surface of the foamed sheet-shaped molded product by sanding, shot blasting or slicing. By cutting off the skin layer portion on the surface of the molded product, the foamed void surface is exposed to the outer surface and the leather powder is directly exposed to the surface of the sheet-shaped molded product without being covered with the resin skin layer.
As a result, the leather powder part absorbs perspiration on the contact surface and creates a lot of air pockets on the contact surface. Is a leather-like sheet-like molded article that provides a cool feel. Industrial Applicability According to the present invention, finely powdered leather powder having no cilia portion is mixed with a thermoplastic resin compound to obtain a leather-like sheet-like foamed molded article. It is possible to provide a molded product that is uniformly and evenly dispersed in the inside, does not warp due to swelling of the leather powder, and does not warp due to temperature change and humidity change, and the characteristics of such leather powder and the foam structure. Together, they have the feature of being able to provide a molded product with properties and texture that are close to those of natural leather.