JP2679951B2 - 解体玩具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、小学生の理科、生活
科等の授業等あるいはゲームとして用いられる解体玩具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】小学生の理科、生活科等の授業におい
て、体験教材として玩具キットを生徒に配布し、生徒に
組立てマニュアルを見ながら玩具を組立てさせることに
より、玩具の仕組みを教育することが行われている。

【０００３】これは、生徒の製作意欲、創造性を引き出
す教育として重要なことであり、また生徒も各個人が自
ら体験できることから興味を示していることから、最近
では、ロボット、怪獣、動物等を象った玩具のキットが
開発されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の玩具
は、キットから玩具を組立てることを目的とした玩具が
ほとんどで、組立てた玩具を用いてゲームをしながら磁
石やスプリングのメカニズムを体験できる物はない。

【０００５】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、玩具を組立てること
により、生徒の製作意欲、創造性を引き出す教育がで
き、また組立てた玩具を用いてゲームをしながら磁石や
スプリングのメカニズムを体験できる解体玩具を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、請求項１は、第１の脚部を有する胴体
部に、第２の脚部を有する第１の肩部と第３の脚部を有
する第２の肩部を重ね合せ、前記第１の肩部もしくは第
２の肩部の一方に首部を設け、この首部に頭部を着脱自
在に設けるとともに前記第１の肩部および第２の肩部に
コイルスプリングを介して磁石を揺動自在に吊持し、前
記胴体部に、前記第２の脚部と第３の脚部との間に垂下
されるロック部材を設け、このロック部材に前記首部と
係止し、前記第１の肩部および第２の肩部を胴体部に支
持する係止爪およびこの係止爪を首部にロック状態に付
勢するスプリングを設け、前記第１〜第３の脚部で立位
できる解体玩具本体を構成し、この解体玩具本体とは別
に、前記ロック部材に当接した時、前記係止爪と首部と
のロックを解除し、前記スプリングの反発力で前記首部
から係止爪を解除させることで前記胴体部に対して第１
の肩部、第２の肩部および頭部を解体させる磁性体部を
有する解体駒を設けたことを特徴とする。

【０００７】請求項２は、請求項１の前記胴体部には第
１の肩部および第２の肩部の付根部が嵌合する嵌合凹部
を有し、この嵌合凹部には前記付根部の突出ピンと係合
する係合孔を設けたことを特徴とする。請求項３は、請
求項１の前記解体駒は、前記第１の肩部および第２の肩
部にコイルスプリングを介して揺動自在に吊持された磁
石に近付いた時に、その磁石に磁気吸着され、ロック部
材から退避されることを特徴とする。

【０００８】

【作用】第１の脚部を有する胴体部に、第２の脚部を有
する第１の肩部と第３の脚部を有する第２の肩部を重ね
合せ、前記第１の肩部もしくは第２の肩部の一方に設け
た首部にスプリングの付勢力に抗してロック部材の係止
爪を係止し、首部に頭部を載置することにより、胴体部
に対して第１の肩部、第２の肩部がロックされ、前記第
１〜第３の脚部で解体玩具本体が立位できる。この解体
玩具本体とは別の解体駒がロック部材に当たると、ロッ
ク部材の係止爪と首部とのロックが解除し、前記スプリ
ングの反発力で前記首部から係止爪を解除させることで
前記胴体部に対して第１の肩部、第２の肩部および頭部
が解体する。

【０００９】また、前記第１の肩部および第２の肩部に
コイルスプリングを介して吊持した磁石と解体駒が近付
くと、解体駒が磁石に磁気吸着され、解体駒はロック部
材から退避される。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図１は組立て状態の解体玩具（モンスター）
の斜視図である。図１から解体玩具の概略的構成を説明
すると、全体が合成樹脂材料によって成形されており、
１は胴体部を示す。この胴体部１には第１の脚部として
の尻尾２が着脱自在に連結されている。

【００１１】胴体部１には第１の肩部としての左肩３と
第２の肩部としての右肩４が着脱自在に設けられてお
り、左肩３と右肩４は左右対称的で、それぞれ垂直方向
に第２の脚部としての左脚５と第３の脚部としての右脚
６が着脱自在に設けられ、前記尻尾２、左脚５および右
脚６によって３点支持され、胴体部１が水平状態に立位
できるようになっている。

【００１２】前記右肩４の付根部には首部７が一体に設
けられており、この首部７には頭部８が着脱自在に載置
されている。また、前記左肩３および右肩４の中途部に
はコイルスプリング９，９を介して磁石１０，１０が吊
持されており、磁石１０，１０は左脚５および右脚６の
足部５ａ，６ｂの近傍に位置している。

【００１３】また、前記胴体部１には左脚５と右脚６と
の間に垂下される舌部１１を有するロック部材１２が設
けられ、このロック部材１２によって前記胴体部１に対
して左肩５および右肩６をロックし、解体玩具本体１３
を組立て状態に保持している。また、解体玩具本体１３
とは別に、ＵＦＯとしての解体駒１４が設けられ、この
回転駒１４は円盤状で、その中央部には磁性体、例えば
鋼球１５が埋設されている。

【００１４】次に、前記胴体部１について図２に基づい
て説明すると、胴体部１は円板状で、その後部には尻尾
取付け部２０が設けられ、左側部には左肩取付け部２１
が、右側部には右肩取付け部２２が設けられている。尻
尾取付け部２０は胴体部１の下面側に開口する角穴によ
って形成され、上面には位置決め用の突起２０ａが設け
られている。

【００１５】また、左肩取付け部２１は一部に平坦部を
有する円板状の嵌合凹部で、その中央部には係合孔２１
ａが穿設されている。右肩取付け部２２は円板状の嵌合
凹部で、その中央部には係合孔２２ａが穿設されてい
る。さらに、胴体部１の中央部には下面側へ突出する円
筒部２３が一体に形成され、この円筒部２３の下端部に
は内側へ突出する縁部２３ａが設けられている。

【００１６】さらに、前記尻尾２は、図２に示すよう
に、略Ｓ字状に湾曲しており、その上端部には前記胴体
部１の尻尾取付け部２０に着脱自在に挿入される挿入部
２４を有しており、下端部には床面に接地される円板状
の接地部２５が一体に設けられている。

【００１７】次に、左肩３について図３に基づいて説明
すると、両側部に波状部を有する板状体で、その一端部
には前記左肩取付け部２１に嵌合する付根部２６が設け
られ、この付根部２６の下面には係合孔２１ａに係合す
る突出ピン２７が突設されている。また、他端部には下
方に突出する突出部２８が設けられ、この突出部２８に
は下方に開口する角穴からなる脚取付け部２９が設けら
れている。さらに、左肩３の長手方向の中間部には略Ｕ
字状のフック３０が一体に設けられている。

【００１８】右肩４も同図に示すように、基本的には左
肩３と同一であり、付根部３１の下面には係合孔２２ａ
に係合する突出ピン３２が突設され、突出部３３には下
方に開口する角穴からなる脚取付け部３４が設けられて
いる。また、右肩４の長手方向の中間部には略Ｕ字状の
フック３５が一体に設けられている。

【００１９】さらに、前記付根部３１の上面には前記首
部７が一体に設けられている。この首部７は底部を有す
る円筒体で、前記胴体部１と同一外径に形成されてい
る。また、首部７の底部の一部には前記胴体部１の突起
２０ａと係合する切欠部７ａが設けられている。さら
に、首部７の底部の中央部には胴体部１の円筒部２３と
対向する開口孔７ｂが設けられ、この開口孔７ｂの一部
には掛止部３３ａが設けられている。

【００２０】また、前記左脚５および右脚６は同一構造
であり、同図に示すように角棒状体で、その上端部には
左肩３および右肩４の脚取付け部２９，３４に着脱自在
に挿入される挿入部３５が設けられ、下端部には足部５
ａ，６ｂの嵌合穴３６に挿入される挿入部３７が設けら
れている。

【００２１】次に、ロック部材１２について図４に基づ
いて説明すると、棒状体からなる上部部材３８と板状体
からなる下部部材３９とから構成されている。上部部材
３８の上端部には前記胴体部１の円筒部２３を貫通して
掛止部３３ａに係止される係止爪４０が設けられ、下端
部には下部部材３９が挿入される挿入部４１が設けられ
ている。さらに、上部部材３８の中間部には鍔部４２が
設けられ、この鍔部４２と円筒部２３の縁部２３ａとの
間で、上部部材３８に嵌合されるスプリング４３を支持
している。さらに、下部部材３９の上端部には上部部材
３８の挿入部４１に嵌合される嵌合部４４が設けられて
いるとともに、前面には赤色のテープが貼着され、舌部
１１を形成している。

【００２２】次に、頭部８、コイルスプリング９および
磁石１０について図５に基づいて説明すると、頭部８の
下部には前記首部７に着脱自在に嵌合される嵌合筒部４
５が一体に設けられている。コイルスプリング９は上下
端部に鉤部４６ａ，４６ｂを有しており、鉤部４６ａは
左肩３および右肩４のフック３０および３５に引っ掛け
られ、鉤部４６ｂは磁石ケース４７のフック４８に引っ
掛けられるようになっている。また、磁石ケース４７に
は前記磁石１０が固定され、磁石１０はコイルスプリン
グ９によって左肩３および右肩４に１個ずつ吊持される
ようになっている。

【００２３】次に、前述のように構成された解体玩具本
体１３の組立て順序を説明する。まず、胴体部１の尻尾
取付け部２０に尻尾２の挿入部２４を挿入する。また、
ロック部材１２の上部部材３８と下部部材３９を連結
し、上部部材３８にスプリング４３を嵌合する。この状
態で、上部部材３８の上端部を胴体部１の円筒部２３に
挿入すると、係止爪４０は円筒部２３の縁部２３ａに係
止して抜け止めされる。

【００２４】一方、左肩３の脚取付け部２９に左脚５の
挿入部３５を挿入し、この左脚５の挿入部３７に足部５
ａを挿入する。同様に、右肩４の脚取付け部３４に右脚
６の挿入部３５を挿入し、この右脚６の挿入部３７に足
部６ａを挿入する。

【００２５】そして、左肩３の付根部２６を胴体部１の
左肩取付け部２１に嵌合し、係合孔２１ａに突出ピン２
７を係合する。また、右肩４の付根部３１を胴体部１の
右肩取付け部２２に嵌合し、係合孔２２ａに突出ピン３
２を係合すると、首部７が胴体部１の上面に重ね合わせ
ることができる。

【００２６】この状態で、前記ロック部材１２をスプリ
ング４３の付勢力に抗して押し上げ、係止爪４０を掛止
部３３ａに係止すると、スプリング４３の付勢力によっ
てロック部材１２が押し下げられ、係止爪４０が掛止部
３３ａに確実に係止される（図６参照）。したがって、
胴体部１に対して左肩３、右肩４および首部７が支持さ
れる。

【００２７】次に、首部７に頭部８の嵌合筒部４５を嵌
合すると、胴体部１に頭部８が支持される。また、下端
部に磁石１０を引っ掛けたコイルスプリング９の鉤部４
６ａ，４６ｂを左肩３および右肩４のフック３０および
３５に引っ掛けることにより、磁石１０はコイルスプリ
ング９を介して揺動自在に吊持され、解体玩具本体１３
が完成し、解体玩具本体１３は尻尾２と左脚５および右
脚６の３点で支持され、図１に示すように床面に立位さ
れる。

【００２８】ここで、ゲーム方法について説明すると、
解体玩具本体１３を床面に立位させた状態で、その前方
からＵＦＯとしての解体駒１４を解体玩具本体１３に向
かって滑らせる。解体駒１４がロック部材１２に舌部１
１に当たると、ロック部材１２はその下端側が後方に傾
き、上端側が前方に傾く。したがって、係止爪４０は掛
止部３３ａから外れ、スプリング４３の拘束が解除され
るために、スプリング４３の付勢力によってロック部材
１２の上部部材３８は押し下げられると同時に胴体部１
から左肩３および首部７を含む右肩４がその付根部２
６，３１から外れ、また頭部８も首部７から外れてばら
ばらに解体する。

【００２９】しかし、ＵＦＯとしての解体駒１４を解体
玩具本体１３に向かって滑らせたとき、解体駒１４の方
向がロック部材１２の舌部１１から反れて磁石１０に近
付くと、鋼球１５を持った解体駒１４が磁石１０に磁気
吸着され、解体玩具本体１３によって解体駒１４が捕ら
えられた状態となる。したがって、ロック部材１２は垂
下状態に保持されるため、解体玩具本体１３が解体する
ことなく立位状態に維持される。また、解体駒１４の滑
らすスピードが速くなると、磁石１０によって捕らえら
れることなく、解体駒１４は解体玩具１３の股間を通過
して後方へ逃げられる。

【００３０】このように、小学生の理科、生活科等の授
業において、体験教材として解体玩具キットを生徒に配
布し、生徒に組立てマニュアルを見ながら玩具を組立て
させることにより、玩具の仕組みを教育できる。そし
て、生徒の製作意欲、創造性を引き出す教育として利用
できる。また、組立てた解体玩具を用いてゲームをしな
がら磁石やスプリングのメカニズムを体験できるという
効果がある。

【００３１】なお、前記一実施例においては、モンスタ
ーを象った解体玩具について説明したが、怪獣、動物、
ロボットなどを象ってもよく、その形状、構造は前記実
施例に限定されるものではない。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、玩具を組立てることにより、生徒の製作意欲、創造
性を引き出す教育ができ、また組立てた玩具を用いてゲ
ームをしながら磁石やスプリングのメカニズムを体験で
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す解体玩具の組立て状
態の斜視図。

【図２】同実施例の胴体部の平面図、断面図および尻尾
の側面図。

【図３】同実施例の左肩、右肩の平面図、断面図および
左脚の側面図および足部の平面図および断面図。

【図４】同実施例のロック部材の側面図および正面図。

【図５】同実施例の頭部の正面図、側面図および磁石の
平面図、断面図。

【図６】同実施例の要部の断面図。

【符号の説明】

１…胴体部、２…尻尾、３…左肩、４…右肩、５…左
脚、６…右脚、７…首部、８…頭部、９…コイルスプリ
ング、１０…磁石、１２…ロック部材１３…解体玩具本
体。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の脚部を有する胴体部に、第２の脚
   部を有する第１の肩部と第３の脚部を有する第２の肩部
   を重ね合せ、前記第１の肩部もしくは第２の肩部の一方
   に首部を設け、この首部に頭部を着脱自在に設けるとと
   もに前記第１の肩部および第２の肩部にコイルスプリン
   グを介して磁石を揺動自在に吊持し、 前記胴体部に、前記第２の脚部と第３の脚部との間に垂
   下されるロック部材を設け、このロック部材に前記首部
   と係止し、前記第１の肩部および第２の肩部を胴体部に
   支持する係止爪およびこの係止爪を首部にロック状態に
   付勢するスプリングを設け、前記第１〜第３の脚部で立
   位できる解体玩具本体を構成し、 この解体玩具本体とは別に、前記ロック部材に当接した
   時、前記係止爪と首部とのロックを解除し、前記スプリ
   ングの反発力で前記首部から係止爪を解除させることで
   前記胴体部に対して第１の肩部、第２の肩部および頭部
   を解体させる磁性体部を有する解体駒を設けたことを特
   徴とする解体玩具。
2. 【請求項２】 前記胴体部には第１の肩部および第２の
   肩部の付根部が嵌合する嵌合凹部を有し、この嵌合凹部
   には前記付根部の突出ピンと係合する係合孔を設けたこ
   とを特徴とする請求項１記載の解体玩具。
3. 【請求項３】 前記解体駒は、前記第１の肩部および第
   ２の肩部にコイルスプリングを介して揺動自在に吊持さ
   れた磁石に近付いた時に、その磁石に磁気吸着され、ロ
   ック部材から退避されることを特徴とする請求項１記載
   の解体玩具。