JP2660548B2 - 膠原病疾患関連抗体検出用試薬及びこれを用いる膠原病疾患関連抗体の検出方法 - Google Patents

膠原病疾患関連抗体検出用試薬及びこれを用いる膠原病疾患関連抗体の検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、膠原病又は関連疾患患者の血清中において
増加する膠原病疾患関連抗体を検出するための試薬及び
これを用いる当該抗体の検出方法に関する。
〔従来の技術〕
現在、膠原病及びその関連疾患を診断する方法として
は、臨床症状の分析および患者血清中の細胞核の構成成
分に対する抗体(抗核抗体)、いわゆる自己抗体の存在
を蛍光抗体法や酵素抗体法(ELISA)で測定すること
が、おこなわれている。最も汎用されている蛍光抗体法
による抗核抗体の検出法は、核材として、ラットの肝切
片やヒト培養細胞からなる試薬を用い、患者血清中の自
己抗体を間接蛍光抗体法により判定するものである(Da
vis,J.S.“Textbook of rheumatology",1st.ed.,p.691
−709,1981)。この方法によれば膠原病の内、全身性エ
リマトーデス(SLE)は100%、進行性全身性硬化症(PS
S)で10〜20%、シェーグレン症候群では、60%の陽性
率をしめす(東条 毅 「臨床免疫」13,p.222,198
1)。
また、感度が鋭敏でよく用いられているELISA法によ
る方法では、抗DNA抗体や抗ヒストン蛋白抗体及び抗非
ヒストン核蛋白抗体などを検出診断する方法も知られれ
ている。このうち、抗非ヒストン核蛋白抗体であるSm抗
体は、SLEで15〜30%(Natman,D.D.et al,“Annal.Int.
Med."83,p.464,1975)、RNP抗体が混合性結合組織病で1
00%(Sharp,G.C.et al.“Amer.J.Med."52,p.148,197
2)、また、SS−A,B抗体がシェーグレン症候群で30〜80
%の陽性率を示し(本間光夫「日内会誌」70,p.1,198
1)、これら自己抗体の存在はそれぞれ膠原病の診断基
準となっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記したような診断方法には、それぞ
れ欠点があり、未だ十分なものではなかった。すなわ
ち、蛍光抗体法では、用いる核材の種類や核材の固定法
により光核抗体の特異性や感度が左右され、また操作が
煩雑などの問題がある。
また、ELISA法による測定結果は、膠原病又は、関連
疾患の活動性を反映する指標として有用であると考えら
れているが、この方法は、固相に結合させるのに用いる
抗原が通常、容易に入手可能な場合に限られ、しかもそ
の精製純度や溶解性などの物性により、測定結果の特異
性及び感度が左右され、また疾患の活動性の予知能力も
高くないなどの問題点が残されている。
〔課題を解決するための手段〕
斯る実情において、本発明者らはより優れた膠原病及
びその関連疾患診断のための試薬を開発すべく鋭意研究
をおこなっていたところ、ヒト胎盤から抽出された光血
液凝固活性物質(以下、「PCI」と略称する)は、膠原
病及びその関連疾患患者が特異的に有する抗体と高い結
合性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はPCIを含有することを特徴とする
膠原病疾患関連抗体検出用試薬及びこれを用いる当該抗
体の検出方法を提供するものである。
本発明において、有効成分として用いられるPCIは、
本出願人らが先に分離精製した新規物質であり(特開昭
62−174023号)また、PCIの製造蛋白をコードするcDNA
をクローニングすることにより、大腸菌中で高純度かつ
高収率で得られるものである(特開昭62−184428号)。
このPCIは、以下に示す物理化学的性質を有してい
る。
分子量(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
法、還元状態) 34,000±2,000 等電点(アンフォライトを用いる等電点カラム電気
泳動法) 4.7±0.1 安定性 イ 50℃、30分加熱処理で失活 ロ pH4〜10で安定 ハ 血漿中37℃、30分で安定 作 用 イ カルシウム再加凝固時間を延長 ロ プロトロンビン時間を延長 ハ 活性化部分トロンボプラスチン時間を延長 アミノ酸分析 アミノ酸分析で、アスパラギン酸、スレオニン、セリ
ン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、1/
2シスチン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイ
シン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジ
ン及びアルギニンの存在が認められる。
PCIを得るには、ヒト胎盤から抗血液凝固活性物質含
有画分を得、これを精製するか、PCIをコードするcDNA
を用い、遺伝子操作の常法によって大腸菌を形質転換さ
せ、PCIを産生させれば良い。
(1)ヒト胎盤よりのPCIの調製: まず、ヒト胎盤から胎盤ホモジュネートを調製し、遠
心分離をおこなう。ホモジナイズ操作は、胎盤より羊膜
等を切除した後、生理食塩水にて充分洗浄し、ワーリン
グブレンダー及びポリトロンを用いておこなう。得られ
たホモジネートを遠心分離に付し、上清及び沈渣を得
る。
こうして得られた胎盤ホモジネート沈渣は、緩衝液で
充分洗浄し、再度遠心分離して、洗浄沈渣を分取し、以
後の抽出操作に付す。即ち、洗浄沈渣は、EDTA、EGTA、
シュウ酸、クエン酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、リン
酸等のキレート剤を含む緩衝液及び/又は、トリトンX
−100、ルブロール、SDS、デオキシコール酸等の界面活
性剤を含む緩衝液に浸し、4℃〜8℃にて一晩放置後、
遠心分離して上清を集め抽出液を得る。この場合、抽出
は、キレート剤及び界面活性剤の両方を用いて行うこと
もできる。
一方、胎盤ホモジネート上清は、更に50,000〜100,00
0gの超遠心分離して沈渣部分であるマイクロゾーム分画
を得る。このマイクロゾーム分画を洗浄後、上記と同様
にして、キレート剤及び/又は界面活性剤抽出を行った
後、超遠心分離して上清を集め抽出液を得る。
このようにして得られた抽出液は、硫安分画に付され
る。硫安分画は、先づ上記抽出液に35%飽和となるよう
に固形硫安を加えて遠心分離し上清を分取する。次い
で、上清に対し85%飽和となるように硫安を加えて遠心
分離し、沈渣を分取することによりおこなわれる。
得られた硫安分画は、更に公知の分離・精製手段、例
えば透析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル過、
吸着クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、
等電点カラム電気泳動法、レクチン又は抗体を用いたア
フィニティー・クロマトグラフィー等を単独又は組合せ
用いることにより精製され、本発明物質が得られる。例
えば、キレート剤又は/及び界面活性剤は抽出液を硫安
分画して得られた画分を充分透析し、この透析液をDEAE
−トヨパールを用いる直線濃度勾配法により溶出させ、
活性画分を透析した後、ブルーセファロースを通過させ
る。次いで活性画分を濃縮し、セファデックスG−100
を用いるゲル過させることによりPCIを得る。
(2)遺伝子操作によるPCIの調製: (a)ヒト胎盤cDNAライブラリーより抗体陽性クローン
のスクリーニング cDNAライブラリーはヒト胎盤よりmRNAを調製し、逆転
写酵素と適当なベクターを用いて作成する事ができる
が、市販のcDNAライブラリー、例えばクロンテック社製
ヒト胎盤cDNAライブラリー(λgt11)を利用する事がで
きる。
λgt11をベクターとして作成されたcDNAライブラリー
は特異抗体をプローブとしてヤングとデイヴィスの方法
(Huynh,T.V.,Young,R.A.and Davis,R.W.(1985)In:DN
A Cloning:A Practical Approach,vol.1,(D.M.Glover,
ed.),pp49−78.IRL Press,Oxford.)を応用してスクリ
ーニングに付し、特異抗体陽性クローンを単離する事が
出来る。
プローブとして用いる一次抗体としては、PCI特異抗
体、例えば、抗PCIウサギポリクローナル抗体、抗PCIマ
ウスポリクローナル抗体、抗PCIモノクローナル抗体を
用いる事が出来るが、就中抗PCIモノクローナル抗体、
特に抗PCIマウスモノクローナル抗体が好ましい。抗体
は、血清、腹水、ハイブリドーマ培養液、精製イムノグ
ロブリン、いずれの状態でも使用できる。
抗原と結合した一次抗体の検出には、放射性ヨード(
125I)ラベルしたプロテインA、放射性ヨード(125I)
ラベルした抗イムノグロブリン抗体を用いてオートラジ
オグラフィーにより行う方法、パーオキシダーゼラベル
した抗イムノグロブリン抗体、又はアルカリ性フォスフ
ァクターゼラベルした抗イムノグロブリン抗体を用いて
酵素抗体法により行う方法を利用する事が出来る。
なお、抗PCIモノクローナル抗体は、例えば前記特願
昭61−269588号に記載の方法によって製造することがで
きる。すなわち、ヒト胎盤より抽出、精製したPCIでマ
ウスを免疫し、該マウスより脾細胞を採取し、これとマ
ウス骨髄腫細胞を細胞融合させる。融合処理を施した細
胞をHAT選択培地を用いて培養し、ハイブリドーマのみ
を増殖させる。ハイブリドーマが増殖した培養液に対し
てPCIを抗原として酵素抗体法によりスクリーニングを
行い、PCIに特異的なモノクローナル抗体を生産するハ
イブリドーマを得た。得られたハイブリドーマを培養し
た培養液又は接種したマウスの腹水からモノクローナル
抗体が得られる。
(b)PCI cDNA組換えベクターの作成 単離された抗体陽性クローンよりヤングとデイヴィス
の方法(Huynh,T.V.,Young,R.A.and Davis,R.W.(198
5)In:DNA Cloning:A Practical Approach,vol.1,(D.
M.Glover,ed.),pp49−78.IRL Press,Oxford.)により
組換えλgt11ファージDNAを抽出精製する。精製された
組換えλgt11ファージDNAを制限酵素EcoR Iで消化する
事によりcDNAをベクターDNAより分離する事が出来る。
得られたcDNAを同じくEcoR I消化した種々のクローニン
グ用プラスミドベクターと再結合し、組換えプラスミド
ベクターを作成する。利用出来るプラスミドベクターと
しては、例えば、pBR322、pBR325、pUC18、pUC118、pTZ
18Rなどが挙げられる。
(c)PCI cDNA組換えベクターによる宿主細胞の形質転
換、組換えベクターおよびPCIコードするDNAの調製 得られたPCI cDNA組換えベクターをその組換えベクタ
ーの持つ遺伝子マーカーを最大限に利用できる種々の宿
主細胞に導入し、該宿主細胞を形質転換せしめる。宿主
細胞としては、大腸菌が好ましく、E.coli K12株の種々
の変異株、例えばHB101、C600K、JM101、JM105、χ177
6、MV1304などが利用でき、組換えベクターの導入には
カルシウム処理によるコンピテント細胞法などが用いら
れる。
形質転換細胞をベクターの遺伝子マーカーに応じた選
択培地中で培養し、菌体中から組換えベクターが採取さ
れる。
又、pUC118、pTZ18Rをベクターとして用いた場合、得
られた組換えベクターを保持する形質転換体大腸菌にヘ
ルパーファージM13K07を感染させる事により一本鎖DNA
を調製する事ができる。得られた一本鎖DNAは、ジデオ
キシシークェンス法(Sanger,F.,Nicklen,S.and Coulso
n,A.R.DNA sequencing with chain terminating inhibi
tors.Proc.Natl.Acad.Sci. USA,74,5463−5467,1977)
によりDNA塩基配列を決定する事が出来る。
その塩基配列のうち、PCIをコードする部分の塩基配
列は例えば第1図の如くである。
DNA断片は、PCIのアミノ酸配列をコードする能力を有
すれば、上記の塩基配列には限定されるものではない。
また組換えベクターも、PCIのアミノ酸配列をコードす
る塩基配列を有し、かつ複製可能であれば、大腸菌由
来、枯草菌由来、酵母由来等いずれのベクターとの組換
えでもよい。
組換え体PCIは、前記組換えベクターを保持する形質
転換細胞を培養し、その培養物から採取することにより
製造することができる。しかし、組換え体PCIを効率よ
く生産するためには、転写の下流方向へ順に次の〜
、 プロモーター リボソーム結合部位 開始コドン PCIのアミノ酸配列をコードし得る塩基配列を有す
るDNA 終止コドン 転写ターミネーター を含む発現用組換えベクターを構築し、これを用いて宿
主細胞を形質転換する必要がある。
このような発現用組換えベクターを得るためのベクタ
ーの宿主としては、細菌のごとき単細胞微生物、特に大
腸菌(E.coli)、枯草菌(B.subtilis)、ストレプトミ
セス(Streptcmyoes)が好ましい。大腸菌を宿主とした
場合には、E.coil K12株の種々の変異株、例えばHB10
1、C600K、JM101、JM105、JM109、χ1776、MV1304など
が利用できる。
ベクターとして利用するDNAは、プラスミドが好まし
い。例えば、大腸菌を宿主とした場合、プラスミドDNA
は、大腸菌細胞中にてプラスミドが増殖する為に必要な
DNA配列、例えばColE1系のプラスミドの複製起点のDNA
配列を有し、更にプロモーター、転写ターミネーターと
して働くDNA配列を有し、更に好ましくは形質転換大腸
菌の選択マーカーとなる遺伝子を含む。プロモーターと
しては、例えばλPL、lac、trp、tac、trc、lppなどの
プロモーターが、転写ターミネーターとしては、例えば
rrnBリボゾーマルRNA転写ターミネーターなどが挙げら
れる。選択マーカー遺伝子としてはアンピシリン耐性遺
伝子、カナマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性
遺伝子、クロラムフェニルコール耐性遺伝子などが挙げ
られ、これらの遺伝子の1種または2種以上が用いられ
る。
上記ベクターに、PCIのアミノ酸配列をコードし得る
塩基配列を有するDNA断片を組み込むには、これを含むD
NAを適当な制限酵素で切断し、必要であれば適当なリン
カーを付加した後、適当な制限酵素で切断したベクター
と結合させることにより行われる。
得られた発現用組換えベクターをコンピテント細胞
法、プロトプラスト法、カルシウム共沈法、電気パルス
法などを用いて宿主細胞に導入すれば、組換え体PCIを
効率的に生産する能力を有する形質転換体細胞が得られ
る。
組換え体PCIは、得られた形質転換体細胞を培養し、
該培養細胞及び/又は培養液から抽出、分離することに
より製造される。
叙上のPCIを用いて膠原病及び関連疾患患者血清中の
膠原病関連抗体を検出するには、PCIを抗原とする以外
は、公知の免疫的測定法に従って免疫反応を実施すれば
良い。すなわち、例えばPCIを抗原とする免疫反応を用
いた以下に示す免疫学的測定法のいずれかを実施すれば
良い。
抗原と抗体とが反応して格子上の結合物を作り、沈澱
する沈降反応を利用しPCIに対する抗体を測定すること
ができる。これには、この沈降形成の有無で抗体の検出
を行う定性的沈降反応と、沈降物の量を測定して、抗体
量を測定する定量的沈降反応がある。
沈降物を形成させるのに、溶液状態でPCIと抗体を混
合して反応させる方法と、寒天やアガロースなどのゲル
を支持体として、その中を拡散させて反応させる方法と
がある。前者の方法では、ラジオアイソトープで標識し
たPCIと体液サンプルとを反応後、沈降物を50%飽和硫
酸アンモニウムやポリエチレングリコールで沈澱させた
り、ミリポアーフィルター上に濾過することにより捕
捉、分離し、沈降物中の放射活性を測定し、抗体量を測
定する。
また、PCIと抗体の反応複合物は、抗PCIモノクローナ
ル抗体をデキストランゲル、アガロースゲル、ポリビニ
ルゲル等に結合させた不溶性担体と反応させることによ
り、吸着、分離することにより測定できる。不溶性担体
とモノクローナル抗体との結合は、ブロムシアン法やエ
ポキシ、アミノ、カルボキシル、もしくはホルミル基を
介して結合させることができる。
また、溶液中のPCIと抗体の反応複合物に、一定の波
長の光を照射することにより生じる光の散乱の強さを測
定する方法(レーザーネフェロメトリー)にても、抗体
量を測定できる。
支持体として寒天、アガロースゲル、セルロース膜を
用いる後者の方法では、支持体中でPCIとサンプルとを
拡散、反応させる二重免疫拡散法と、支持体の陰極側に
PCIを、陽極側にサンプルを入れて、電気泳動し反応さ
せる対向免疫電気泳動法により生じた沈降線を観察する
ことにより抗体を検出する。
サンプル中のPCIに対する抗体の検出は、PCIを結合さ
せた不溶性担体(固相)とサンプルを反応させ、固相を
液相から分離した後、抗体に選択的に結合し得、そして
PCIに結合し得ない第二抗体に結合している酵素、各種
のラジオアイソトープまたは、蛍光物質から成る結合物
質を加え、PCIに結合した抗体量を酵素免疫学的、放射
能免疫学的および蛍光免疫学的に測定することにより実
施される。
固相は、デキストランおよびセルロースの粒子、ポリ
プロピレンおよびポリスチレンディスクのような連続的
表面、並びにプラスチックチューブ、ガラスディスク、
及びガラス粒子等を含む広範囲の種類の担体が用いられ
る。
PCIは、直接的に又はブロムシアン法やエポキシ、ア
ミノ、カルボキシル、もしくはホルミル基を介してこれ
ら固相に結合させることができる。
本発明でいう第二抗体は、ヒトのすべての免疫グロブ
リンクラス(M,G,A,E,D)の抗体に対して特異性を有す
る抗体であり、ある動物、例えば、ヤギの体内で産出さ
れたものを用いることができる。また、第二抗体の標識
に用いられる酵素は、特に限定されず西洋ワサビパーオ
キシダーゼ、アルカリ性フォスファクターゼおよびグル
コース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼが、特に適
当である。一般的な方法として、酵素標識法では、ELIS
A(Enzymelinked immunosorbent assay)法、アイソト
ープ標識法では、RIA法を用いることができる。
また、固相を用いた方法では、PCIを粒子性の性質、
たとえば赤血球、ポリスチレン粒子、ベントナイト粒子
などに吸着させ、抗体と反応すると凝集反応が起きるこ
とを利用して測定することができる。
赤血球を用いる方法では、タンニン酸法(Boyden,S.
V.,J.Exp.Med.,93,107,1951)、塩化クロム、ホルマリ
ン(Cox,C.D.,J,Lab.Clin.Med.,48,298,1958)およびグ
ルタルアルデヒド(Avrameas,S.,J.Biol.Chem.,242,165
1,1969)を用いてPCI吸着(感作)ヒツジ赤血球を作製
する。被検サンプルは、56℃、30分間、処理しヒツジ赤
血球で吸収後、マイクロプレートを用いて希釈系列を作
る。これに感作赤血球を加え、室温で2時間、反応後、
凝集像にて判定する。
〔実施例〕
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
実施例.1 96ウェル平底マイクロプレートの各ウェルに0.05M炭
酸ナトリウム(pH9.6)に溶解したPCIを100μずつ添
加し、25℃で2時間コーティングした。PBS−Tween(PB
ST)で洗浄後、PBSTにて希釈した患者血清100μ加
え、25℃で反応を行った。2時間後、PBSTで洗浄し、ア
ルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgG抗体のPBST希釈溶
液を、100μ加え、25℃で2時間反応させた。PBSTで
洗浄後、100μの基質溶液(p−ニトロフェニルリン
酸1mg/mlの0.05M炭酸ナトリウム、pH9.8、10mM塩化マグ
ネシウム溶液)を添加し、25℃で30分間反応させ、415n
mにおける吸光度を測定した。
第1表に、膠原病又は関連疾患の入院患者又は外来患
者クリニックに通院している患者、及び正常人ボランテ
ィアーのいずれかから採取した血清についての測定結果
を示した。測定に際し、血清を、無作為化し、コードを
つけ、そして使用まで−20℃で保存した。
この結果から明らかな如く、SLE、混合性結合組織病
(MCTD)、慢性関節リウマチ(RA)及びベーチェット病
患者で、活動期のものは、いずれも正常健常者に比べ、
有意に高いIgGクラスの抗体を認めた。また、進行性全
身性硬化症(PSS)の患者では、活動期であっても抗体
価は高くなかった。
実施例2. 6例のSLE患者について、実施例1に記載の方法によ
りステロイド治療に伴う血清中の抗体(IgGクラス)価
の変化を調べた。この結果を第2図に示す。
第2図から明らかな通り、6例すべてにおいて、治療
による臨床症状の軽減化とともに、抗体価の低下が認め
られた。
〔発明の効果〕
本発明の膠原病疾患関連抗体検出用試薬は、単一物質
であり、その物質としての性質が明確なPCIを用いるの
で、従来の核材を使用する抗核抗体検出試薬と比べ安定
な測定結果を得ることができ、定性分析のみならず定量
分析の分野においても利用し得るものである。
したがって、本発明の膠原病疾患関連抗体検出用試薬
を用いれば、膠原病又は関連疾患の診断及び活動性の評
価が迅速かつ正確にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で用いるPCIをコードするDNAの塩基配
列の一例を示す図面である。 第2図は、SLE患者の治療経過に伴なう自己抗体価の変
化を示す図面である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−174760(JP,A) 特開 昭62−174023(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト胎盤由来の抗血液凝固活性物質を含有
    することを特徴とする膠原病疾患関連抗体検出用試薬。
  2. 【請求項2】体液とヒト胎盤由来の抗血液凝固活性物質
    とを接触せしめ、ヒト胎盤由来の抗血液凝固活性物質と
    結合した抗体量を測定することを特徴とする体液中の膠
    原病疾患関連抗体の検出方法。
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