JP2657189B2 - 制御シーケンスソフトウェアの自動生成方法とその装置 - Google Patents

制御シーケンスソフトウェアの自動生成方法とその装置

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JP2657189B2
JP2657189B2 JP5026910A JP2691093A JP2657189B2 JP 2657189 B2 JP2657189 B2 JP 2657189B2 JP 5026910 A JP5026910 A JP 5026910A JP 2691093 A JP2691093 A JP 2691093A JP 2657189 B2 JP2657189 B2 JP 2657189B2
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哲男 冨山
弘之 ▲吉▼川
知彦 坂尾
芳樹 下村
貞夫 谷川
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    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/04Programme control other than numerical control, i.e. in sequence controllers or logic controllers
    • G05B19/042Programme control other than numerical control, i.e. in sequence controllers or logic controllers using digital processors
    • G05B19/0426Programming the control sequence
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/00025Machine control, e.g. regulating different parts of the machine
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンピュータによっ
て制御される機械システムに必要な制御シーケンスソフ
トウェアの自動生成方法およびその自動生成方法を実現
するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】コン
ピュータ文明の進んだ今日、多くの機械システムにコン
ピュータが備えられ、機械システムはコンピュータによ
り制御されている。たとえば複写機を例にとっても、電
子化、コンピュータ化が進展し、複写機の動作は必ずと
言ってもよいほどコンピュータによって制御されてい
る。このため、複写機の開発においては、機械部分の開
発もさることながら、ソフトウェア、特に制御シーケン
スソフトウェアの開発のための作業量の増大が顕著にな
っている。そしてこれが労働時間の短縮、開発サイクル
の短縮を阻害するひとつの大きな原因になっている。
【0003】そこで、従来よりソフトウェアや制御シー
ケンスソフトウェアの自動生成を試みる研究がいくつか
なされている。たとえば、大須賀節雄,李春野著「ソフ
トウェア設計自動化に向けて」人工知能学会誌Vol.
6,No.2,pp.159−166,1991や中山
康子,貞重勝也,水谷博之,伊崎峰元著「シーケンス制
御ソフト自動生成システム」人工知能学会研究会資料S
IG−KBS−9003,pp.71−79.人工知能
学会,1990等がある。しかしながら、これら従来の
ソフトウェア等の自動生成を試みる研究の手法をそのま
ま複写機もしくは一般の画像形成装置、またはその他の
機械システムに適用しても不十分な結果しか得られない
という欠点がある。その理由の1つは、従来のソフトウ
ェア自動生成の技術は機械系CADと統合化されていな
いからである。つまり、自動生成される制御シーケンス
ソフトウェアと機械システムの機械的な構成(部品の属
性値、構造情報等)とを有機的に関連づけることが困難
だからである。
【0004】そこでこの発明は、このような従来の問題
を解決した制御シーケンスソフトウェアの自動生成方法
およびそのための装置を提供することを目的とする。な
お、この発明によって制御シーケンスソフトウェアを自
動生成するためには、前提として対象となる機械システ
ムが次の条件を満たしている必要がある。 対象機械システムの機械部分の詳細設計は終了してお
り、部品の属性値、構造情報、センサ、アクチュエータ
の情報等が得られること。これらの情報等は、この発明
に係る制御シーケンスソフトウェア自動生成装置にマニ
ュアル入力されてもよいし、あるいは機械系CADのデ
ータベースから自動的に入力されてもよい。
【0005】機械システムに必要な制御シーケンスソ
フトウェアは、アクチュエータのon/offの時間制御情報
は扱うが、アクチュエータの操作量等の量的な制御は扱
わないソフトウェアであること。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
コンピュータにより制御される機械システムにおける当
該コンピュータのための制御シーケンスソフトウェアを
自動生成するための方法であって、上記機械システムの
機械部分の設計情報を予め準備し、上記機械システムの
機能に関する知識および挙動に関する知識を予め準備
し、 機能、挙動および状態間の関係を定めるFBSダ
イアグラムおよび定性パラメータで上記機械システムを
表現し、その表現に含まれる機能間の時間順序関係なら
びに挙動および状態に基づいて、時間順序に従った状態
遷移列を導出し、導出された状態遷移列を物理的に無矛
盾なものにするために、上記予め準備した機能に関する
知識および挙動に関する知識に基づいて上記定性パラメ
ータの条件を定性推論により求め、求めた定性パラメー
タ条件を満たすのに必要な挙動または状態を追加して上
記状態遷移列を修正し、上記予め準備した設計情報に基
づいて、上記修正された状態遷移列の各状態間の時間を
求め、上記修正された状態遷移列と求めた時間とから定
量的制御シーケンスを生成する各工程を含むことを特徴
とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、前記制御シーケン
スソフトウェアの自動生成方法において、さらに、定量
的制御シーケンスを所定のプログラム言語に変換する工
程を含むことを特徴とするものである。請求項3記載の
発明は、コンピュータにより制御される機械システムに
おける当該コンピュータのための制御シーケンスソフト
ウェアを自動生成するための装置であって、上記機械シ
ステムの機能に関する知識および挙動に関する知識が記
憶された知識記憶手段、上記機械システムの機械部分の
設計情報が記憶された設計情報記憶手段、上記機械シス
テムが、機能、挙動および状態間の関係を定めるFBS
ダイアグラムおよび定性パラメータで表現されたFBS
モデルを入力する入力手段、入力されたFBSモデルに
含まれる機能間の時間順序関係ならびに挙動および状態
に基づいて、時間順序に従った状態遷移列を導出する定
性的制御シーケンス導出手段、導出された状態遷移列を
物理的に無矛盾なものにするために、上記知識記憶手段
に記憶された機能に関する知識および挙動に関する知識
を参照して定性パラメータの条件を定性推論により求め
る定性推論手段、上記求められた定性パラメータの条件
を満たすように上記状態遷移列を修正する修正手段、上
記設計情報記憶手段に記憶された設計情報に基づいて、
上記修正された状態遷移列の各状態間の時間を求めてそ
れを状態遷移列に付加した定量的制御シーケンスを導出
する定量的制御シーケンス導出手段、を含むことを特徴
とするものである。
【0008】請求項4記載の発明は、前記制御シーケン
スソフトウェアの自動生成装置において、上記装置は、
さらに、上記生成された定量的制御シーケンスを所望の
プログラム言語に変換するためのプログラム言語生成手
段を含むことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】この発明に係る制御シーケンスソフトウェアの
自動生成方法および装置は、機械部分の詳細設計が終了
した対象機械システムの制御シーケンスソフトウェアを
自動的に生成するのに使用される。また、自動生成され
る制御シーケンスソフトウェアは、アクチュエータのon
/offの時間制御情報を扱い、アクチュエータの操作量等
の量的な制御は扱わない。
【0010】制御シーケンスソフトウェアは、まず、対
象機械システムが、機能、挙動および状態の関係を定め
るダイアグラムで表わされたFBSモデルに基づいて、
制御シーケンス仕様が求められる。そして求められた制
御シーケンス仕様に基づいて定性的制御シーケンスが導
出される。定性的制御シーケンスは、時間順序に従った
対象機械システムの状態遷移列を表わすものである。こ
の定性的制御シーケンスは、要求される機能を発現させ
るのに必要なパラメータの条件を推論することにより導
出される。
【0011】そして、導出された定性的制御シーケンス
に、状態間の定量的な時間、つまり定量情報が付加され
ることにより定量的制御シーケンスが求められる。この
求められた定量的制御シーケンスは、ルール形式で表現
されるから、必要なプログラム言語に自由に変換でき
る。
【0012】
【実施例】
1.システムの構成 以下には、図面を参照して、この発明の一実施例にかか
る制御シーケンスプログラムの自動生成手法について詳
細に説明する。この手法は、対象機械を表現するFBS
(Function-Behavior-State)モデル(後に詳述する)か
ら制御シーケンスプログラムを自動生成する。この手法
を実現する装置全体のシステム構成を図1に示す。
【0013】図1に示す各ブロック内に記載した略号の
一覧を以下に示す。 FKB:Function Knowledge Base (機能知識ベース) BKB:Behavior Knowledge Base (挙動知識ベース) FKBMS:Function Knowledge Base Management Sys
tem(機能知識ベース管理システム) BKBMS:Behavior Knowledge Base Management Sys
tem(挙動知識ベース管理システム) FKE:Function Knowledge Editor (機能知識エディ
タ) BKE:Behavior Knowledge Editor (挙動知識エディ
タ) FBSMM:FBS Model Manager (FBSモデルマネー
ジャ) DIDB:Design Information DataBase (設計情報デ
ータベース) DIDBMS:Design Information DataBase Manageme
nt System(設計情報データベース管理システム) DIE:Design Information Editor (設計情報エディ
タ) SPA:SPecification Analyzer(要求仕様解析システ
ム) QLCSG:QuaLitative Control Sequence Generator
(定性的制御シーケンス生成システム) QTCSG:QuanTitative Control Sequence Generato
r(定量的制御シーケンス生成システム) CSPG:Control Sequence Program Generator(制御
シーケンスプログラム生成システム) 図1を参照して説明すると、この制御シーケンスプログ
ラムの自動生成システムには、FBSモデラー1、機能
知識ベース(FKB)2、挙動知識ベース(BKB)
3、定性推論システム4、設計情報データベース(DI
DB)5、CPSジェネレータ6、および、ユーザ・イ
ンタフェース7が備えられている。
【0014】機能知識ベース(FKB)2には機能に関
する知識がストアされており、挙動知識ベース(BK
B)3には挙動に関する知識がストアされている。機能
知識ベース2にストアされている機能に関する知識、す
なわち機能知識は、表1に表わす形式で記述されてい
る。
【0015】
【表1】
【0016】表1において、「名前」はその機能を表わ
すラベルであり、「動詞+目的語(複数可)」の形で記
述されている。「展開方法」にはこの機能が複数の部分
機能から構成されている場合に、それら部分機能のネッ
トワークが表わされている。「実現挙動」にはビューの
ネットワークが記述されている。ビューとは、インディ
ビジュアル、インディビジュアルビュー、プロセスビュ
ーを総称した呼称である。このビューは、K. D. Forbus
の定性プロセス理論に基づく挙動、状態の表現方法であ
る。すなわち、定性プロセス理論では「物理現象」を単
位として物理的な世界を記述する。具体的には、物理的
挙動、状態をインディビジュアル(indivisual) 、イン
ディビジュアルビュー (indivisual view)、プロセスビ
ュー (process view) という基本的枠組により記述す
る。
【0017】インディビジュアルは、その機械に存在す
る物体または実体を表わすラベルである。インディビジ
ュアルビューは、インディビジュアルやインディビジュ
アル間の関係の状態を記述するものである。たとえば、
或る物体(実体)には重量W、体積Vおよび密度Dとい
う状態を表わすパラメータが存在すること、それらのパ
ラメータ間にD=W/Vの関係があることを記述するも
のが、インディビジュアルビューである。
【0018】プロセスビューは、インディビジュアル、
インディビジュアルビューにより構成された状態記述上
で生起する物理現象を記述するものである。たとえば、
自由落下運動、放電現象等が個々のプロセスビューであ
る。これらインディビジュアルビュー、プロセスビュー
は、その生起条件(前提条件)と生起後の影響とにより
記述される。そして上記のビューのネットワークとして
表現され、名前づけられる。名付けられたものは、フィ
ジカルフィーチャーと称される。フィジカルフィーチャ
ーは、設計時および保全時によく現れる現象をひとかた
まりの知識としてまとめたものである。
【0019】一方、挙動知識ベース3にストアされた挙
動に関する知識、すなわち挙動知識は、上述のビューが
用いられて、表2に示す枠組で記述されている。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すように、ビューの枠組には、ビ
ュー、上位クラス、前提条件および影響の各項目が含ま
れている。項目「ビュー」にはビューの名前が記述され
ており、「上位クラス」には、そのビューの上位階層名
が記述されている。「前提条件」は、前提、関係および
定性条件の小項目に区分されており、それぞれ、前提と
して必要なビュー、前提として必要なビュー間の関係、
および、定性パラメータ値が存在する場合に、その定性
パラメータ値の条件が記述されている。「影響」の項目
は、パラメータ、定性関係、および、影響の小項目に区
分されており、それぞれ、付加される定性パラメータ、
付加される定性比例関係、および、付加される定性微分
関係が記述されている。
【0022】表3に具体的なビューの例を示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3において、Phenomenon1、Phenomenon
2、Phenomenon3、Phenomenon4がそれぞれビューであ
り、各ビューには、前提条件および影響が記述されてい
る。なお挙動知識ベース(BKB)3にストアされたビ
ューの内容、すなわち挙動レベルの物理的因果関係は定
性推論システム4によって管理される。機能知識ベース
(FKB)2または挙動知識ベース(BKB)3にスト
アされた機能知識または挙動知識の検索、バックアップ
等の管理は、それぞれ、機能知識ベース管理システム
(FKBMS)11または挙動知識ベース管理システム
(BKBMS)12により実行される。また、ユーザか
らのこれら機能知識または挙動知識の追加、修正等の操
作は、ユーザ・インタフェース7を通じて機能知識エデ
ィタ(FKE)13または挙動知識エディタ(BKE)
14に操作信号が与えられ、実現される。
【0025】ところで、対象機械をFBS(Function-Be
havior-State) ダイアグラムにより表現したものをFB
Sモデルと呼ぶことにする。つまり、機能、挙動および
状態からなるダイアグラムで対象機械が表現されたもの
がFBSモデルである。FBSモデルでは、状態Sと挙
動Bとが物理法則によって結び付けられている。よっ
て、物理法則の知識ベースを構築することにより、対象
機械の状態表現と挙動表現との間の無矛盾性をコンピュ
ータにより管理することが可能である。
【0026】また、機能Fと挙動Bとの関係は人間の主
観に依存したものであり、見方により同じ挙動Bに対し
ていくつもの機能Fを対応させることができるし、その
逆もあり得る。たとえば、電子写真複写機を例にとれ
ば、「感光体ドラムを除電する」という機能に対して、
「除電ランプの光が感光体ドラムに照射され、静電電荷
がアースされる」という挙動や、「チャージャの放電現
象により、感光体ドラム上の静電電荷が打ち消される」
という挙動等、複数の挙動が対応する可能性がある。こ
のような機能Fと挙動Bとの多対多対応は、対象機械に
おける後述する機能冗長という考え方を可能にする根拠
になり、FBSモデルを用いると、この多対多対応を明
示的に表現することができる。
【0027】FBSモデルにおける機能、挙動および状
態の関係を図2に示す。図2において、状態集合と挙動
集合とは物理法則によって結び付けられており、挙動集
合と機能集合とは認識抽出によって対応づけられてい
る。FBSモデルは、後述するように、ユーザ・インタ
フェース7およびFBSモデルマネージャ(FBSM
M)16を介してメモリ15に入力されて記憶される。
メモリ15に記憶されたFBSモデルは、FBSモデル
マネージャ(FBSMM)16により管理される。また
ユーザは、FBSモデルマネージャ(FBSMM)16
を介して、機能知識ベース(FKB)2または挙動知識
ベース(BKB)3にストアされた機能知識または挙動
知識を検索し、または利用することができる。さらに、
ユーザはこのFBSモデルマネージャ(FBSMM)1
6を介して定性推論システム4にアクセスし、定性推論
による挙動シミュレーションを実行させる。定性推論に
よる挙動シミュレーションの詳細は、本願出願人の先願
(たとえば特開平4−264458号)に詳述されてい
るので、ここでの説明については省略する。
【0028】一方、CSP(Control Sequence Progra
m)ジェネレータ6は、この実施例の特徴である制御シ
ーケンスプログラムを生成するためのもので、生成時に
は、部品、構造等に関する定性情報がストアされたデー
タベースである設計情報データベース(DIDB)5の
データを利用する。表4に、設計情報データベース(D
IDB)5にストアされている設計情報データの定義の
例を示し、表5には、この定義に基づいた設計情報デー
タの具体例を示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表4に示すように、設計情報データは、部
品名と、接続関係とパラメータとで定義され、接続関係
には、接続部品、関係、方向およびコメントが含まれて
いる。また、パラメータには、パラメータ名、定性値、
定量値およびコメントが含まれている。したがって、具
体的な設計情報データの一例は表5に示すようなものに
なる。
【0032】設計情報データベース(DIDB)5に対
するデータの検索、バックアップ等の管理は、CSPジ
ェネレータ6に備えられた設計情報データベース管理シ
ステム(DIDBMS)61により実現される。また、
ユーザによる設計情報データの入力、修正等の操作は、
CSPジェネレータ6に備えられた設計情報エディタ
(DIE)62により実現される。
【0033】この実施例を用いて制御シーケンスプログ
ラムを生成する場合は、前述したように、前提として、
対象機械の機械部分の詳細設計は終了しているから、対
象機械を構成する部品の属性値、構造情報、センサ、ア
クチュエータの情報等はすべて設計情報データとして予
め設計情報データベース(DIDB)5に記憶される。
【0034】なお、設計情報データの入力は、ユーザに
よるマニュアル入力ではなく、たとえばインテリジェン
トCADと設計情報データベース管理システム(DID
BMS)61とが接続されることにより、インテリジェ
ントCADの設計情報データが自動的に設計情報データ
ベース(DIDB)5に記憶されるようにしてもよい。
【0035】CSPジェネレータ6には、さらに、要求
仕様解析システム(SPA)63、定性的制御シーケン
ス生成システム(QLCSG)64、定量的制御シーケ
ンス生成システム(QTCSG)65、および、制御シ
ーケンスプログラム生成システム(CSPG)66が備
えられている。そしてこれら4つのシステム63,6
4,65,66により、図3に示す制御シーケンス仕様
の導出、定性的制御シーケンスの導出、定量情報の付
加、および、Cプログラムの生成が実行される。
【0036】図3に、この実施例にかかる制御シーケン
スプログラム自動生成手法の流れを示す。図3に示すよ
うに、制御シーケンスプログラム自動生成手法の流れ
は、大きくは、「制御シーケンス仕様の導出」→「定性
的制御シーケンスの導出」→「定量情報の付加(定量的
制御シーケンスの導出)」→「Cプログラムの生成」と
いう4つのアルゴリズムからなっている。この図3にお
いて、定性的制御シーケンスとは、時間順序に従った状
態遷移列であり、定量的制御シーケンスとは、この遷移
列を構成する状態間の定量的な時間が決定されたもので
ある。定性的制御シーケンスおよび定量的制御シーケン
スの導出にあたっては、定性推論システム4が活用さ
れ、さらに、定量的制御シーケンスの導出およびCプロ
グラムの生成にあたっては、設計情報データベース(D
IDB)5に記憶された情報が活用される。
【0037】以下、このアルゴリズムの内容を、図1を
参照しながら説明する。 2.制御シーケンス仕様の導出 FBSモデルがユーザにより入力されると、図1に示す
システムにより、まず制御シーケンスの仕様が導出され
る。すなわち、図1のシステムにおいて、FBSモデル
に記述された機能間に付加された時間順序関係に基づ
き、要求機能発現に必要な機能の順序列が導出される。
さらに、前述した表1内の実現挙動に関する知識が機能
知識ベース(FKB)2および挙動知識ベース(BK
B)3から読出されて、各部分機能を実現するために必
要なビューの時間順序列が導出される。そして導出され
たこの時間順序列に、要求機能ノード内に記述された機
械の初期条件、終了条件が付加されることにより、制御
シーケンスの仕様が導出される。 図4にユーザにより
入力されるFBSモデルの例を示す。図4では、functi
on 1からfunction 2に向かう矢印が時間順序関係を表わ
している。よって、要求機能の実現のためには、functi
on1→function2という機能列が必要となり、function
1にはPhenomenon1、Entity1が、function2にはPhen
omenon2、Entity1がそれぞれ必要挙動となるため、制
御シーケンスの仕様として表6に示す内容が導出され
る。なお表6における状態1の初期条件は、要求機能ノ
ード内に記述された機械の初期条件である。
【0038】
【表6】
【0039】3.定性的制御シーケンスの導出 次に、上述のようにして求められた制御シーケンスの仕
様から、定性的制御シーケンスが導出される。定性的制
御シーケンスの導出は、次のようにしてなされる。まず
定性的制御シーケンス生成システム(QLCSG)64
は、上述のように求められた制御シーケンスの仕様に記
述されている必要ビューであるPhenomenon1およびPhen
omenon2を生起させるために必要なパラメータの条件を
定性推論システム4に問い合わせる。これに応じて、定
性推論システム4は挙動知識ベース(BKB)3にスト
アされている挙動知識、具体的にはたとえば表5に示す
多数のビューから該当するビューの前提条件や影響を読
出して出力する。定性的制御シーケンス生成システム
(QLCSG)64では、定性推論システム4からの出
力に基づき、パラメータ遷移マップを導出する。たとえ
ばパラメータ遷移マップとして図5に示すマップが導出
される。
【0040】ところで、図5に示すパラメータ遷移マッ
プは、必ずしも物理的に無矛盾ではない。たとえば、パ
ラメータS1は状態2でhighであるべきだが、初期状態
ではlow である。パラメータの中には、機械上でアクチ
ュエータにより操作可能なパラメータと操作不可能なパ
ラメータとがある。たとえばパラメータS1,S2は操
作不可能なパラメータであり、パラメータC1,C2,
C3,C4は操作可能なパラメータであるとする。そう
すると操作不可能なパラメータS1が初期状態と状態2
とで異なるから、状態1と状態2との間に物理現象を生
起させることにより間接的にパラメータ操作を行わなけ
ればならない。このため定性的制御シーケンス生成シス
テム(QLCSG)64では、定性推論システム4にパ
ラメータ変化を引き起こす最適なビューを問い合わせる
ことにより、図5のパラメータ遷移マップを無矛盾なも
のに修正する。この例では、パラメータS1をlow から
highに変化させるためには、前述した表3に示す複数の
ビューのうち、Phenomenon3を引き起こす必要があるこ
とが導出される。この推論を繰り返すことにより、図6
に示す物理的に無矛盾なパラメータ遷移マップが導出さ
れる。
【0041】図6において、状態1と状態2との間に状
態3として、Phenomenon3が引き起こされている。ま
た、状態1から状態2までの間においてパラメータXを
x1→x2→x3と変化させるために、Phenomenon4が
引き起こされている。なお、定性的制御シーケンス生成
システム(QLCSG)64において最初に導出された
パラメータ遷移マップが物理的に無矛盾なものの場合
は、上述したパラメータ遷移マップの修正処理は行わな
くてよいことはもちろんである。つまり、定性的制御シ
ーケンスの導出過程において、パラメータ遷移マップの
修正処理は必須のものではなく、修正が不要な場合はこ
の処理を省くことができる。4.定量情報の付加(定量
的制御シーケンスの導出)以上のようにして生成された
定性的制御シーケンスに、定量情報の付加が行われる。
定量情報の付加は、定量的制御シーケンス生成システム
(QTCSG)65において行われる。
【0042】前述したように、FBSダイアグラムを用
いた挙動表現においては、定性的制御シーケンスにおけ
る状態遷移は、ランダムに引き起こされているのではな
く、物理法則により引き起こされていると考えることが
できる。したがって、状態遷移は、パラメータ間の微分
方程式で表わされる因果関係により引き起こされるもの
として処理できる。すなわち、パラメータαとパラメー
タβとに、dα/dt=βという関係があり、2つの状
態の間でαが変化し、βが変化しなかった場合には、こ
の2つの状態間の時間Δtは、Δt=Δα/βにより計
算することができる。
【0043】これを利用し、各パラメータ値に設計情報
データベース(DIDB)5から得られる定量値を与え
て計算することにより、定量的制御シーケンスが得られ
る。図6に示すパラメータ遷移マップの場合には、dX
/dt=Vという関係を利用して、状態間の時間が次の
ように計算される。まず、パラメータXおよびパラメー
タVは、前述した表5に示すラックの位置と速度とを表
わしていることがFBSモデルおよび設計情報データベ
ース(DIDB)5の内容よりわかる。そこで、設計情
報データベース(DIDB)5内のこの部品に関するデ
ータ、すなわち表5に示すデータを定量的制御シーケン
ス生成システム(QTCSG)65が参照することによ
り、x1=0(mm)、x2=20(mm)、x3=6
0(mm)が得られる。また同様に、表5に示す部品の
接続関係と定量的情報からv0=200(mm/s)で
あることが求められる。
【0044】このようにして求められたデータから、状
態1から状態3へ遷移する時間は100(ms)、状態
3から状態2へ遷移する時間は200(ms)と計算さ
れる。そして結果として、上述のようにパラメータS1
およびパラメータS2が操作不可能なパラメータ、たと
えばセンサパラメータで、たとえばパラメータC1、C
2、C3、C4が操作可能なパラメータとすれば、以下
に示すような定量的制御シーケンスがルールの形で生成
される。
【0045】 if low(S1) & low(S2) & off(C1) & off(C2) & off(C3) & off(C4) then make(C1,on) & make(C4,on) if low(S1) & high(S2) & on(C1) & off(C2) & off(C3) & on(C4) then make(C3,on,100ms) if high(S1) & high(S2) & on(C1) & off(C2) & on(C3) & on(C4) then make(C2,on,200ms) 5.プログラム言語への変換 その後、制御シーケンスプログラム生成システム(CS
PG)66において、各センサ、アクチュエータのポー
トアドレスへの変換、および、値の定量化を行うことに
より、このルールがたとえばC言語上の実行プログラム
に変換される。 6.実例その1 次に、対象機械を電子写真複写機とした場合の実例につ
いて説明する。
【0046】図7は、電子写真複写機における画像形成
機構の制御構成を示すブロック図である。図7に示す構
成において、感光体ドラム31は、矢印32方向へ一定
速度で回転され、ドラム角A0において主帯電、ドラム
角A1において露光、ドラム角A2において現像、およ
びドラム角A3において転写が行われるようにされてい
る。そのため、感光体ドラム31の周囲には、ドラム角
A0に対向してメインチャージャ33が配置され、ドラ
ム角A1で原稿反射光が照射され、結像されるようにさ
れている。また、ドラム角A2に対向して現像装置35
が備えられ、ドラム角A3に対向して転写チャージャ3
6が配置されている。
【0047】メインチャージャ33にはコンピュータ3
8によって制御されるメイン高圧ユニット37から高電
圧が印加されるようになっていて、たとえば+5.7k
Vの高電圧の印加により、メインチャージャ33はコロ
ナ放電を行い、感光体ドラム31の表面を均一に帯電さ
せる。ドラム角A0において主帯電チャージャ33によ
り均一に帯電された感光体ドラム31の表面がドラム角
A1まで回転すると、感光体ドラム31表面は原稿反射
光34によって露光される。原稿反射光34の光量は、
AEセンサ41aによって測定され、コンピュータ38
へ与えられる。また、原稿反射光34によって露光さ
れ、露光部分の帯電電荷が除去された感光体ドラム31
の表面電位は、表面電位センサ41bで測定され、コン
ピュータ38へ与えられる。
【0048】さらに感光体ドラム31が回転して、ドラ
ム角A2になると、現像装置35によって現像がされ
る。このとき、現像装置35にはバイアス電圧ユニット
40によってたとえば+250Vの現像バイアス電圧が
印加されている。バイアス電圧ユニット40もコンピュ
ータ38の制御下に置かれている。さらに感光体ドラム
31が回転し、ドラム角A3になると、コンピュータ3
8は転写高圧ユニット42へ駆動信号を与え、転写高圧
ユニット42から転写チャージャ36へたとえば+6.
5kVの高電圧が印加され、転写チャージャ36はコロ
ナ放電を行い、感光体ドラム31表面上のトナーを、搬
送されてきた用紙43へ転写する。そして用紙43に転
写されたトナー像の濃度は、濃度センサ41cによって
検出され、コンピュータ38へ与えられる。
【0049】コンピュータ38では、3つのセンサ、す
なわちAEセンサ41a、表面電位センサ41bおよび
濃度センサ41cから与えられる検出値に基づき、画像
形成状態を監視している。したがって、このコンピュー
タ38は、感光体ドラム31の画像を形成すべき領域の
先端がドラム角A0、A2、A3になったときに、それ
ぞれ、主帯電チャージャ33、現像装置35および転写
チャージャ33を上述のように作動させるべく制御しな
ければならない。また、感光体ドラム31の画像形成領
域先端がドラム角A1になったとき、原稿反射光34が
感光体ドラム31へ与えられるようにする必要がある。
コンピュータ38には、そのために必要な制御シーケン
スプログラムが格納される。
【0050】このコンピュータ38に格納される制御シ
ーケンスプログラムは、上述した制御シーケンスプログ
ラムの自動生成手法により生成することができる。この
場合、図1に示す機能知識ベース(FKB)2および挙
動知識ベース(BKB)3には、電子写真複写機に関す
るデータが記憶される。すなわち、複写機の構造がFB
Sダイアグラムで記述されて記憶される。構造とは、電
子写真複写機を構成する部品、部品間の関係の性質、物
理現象であり、前述したインディビジュアル、インディ
ビジュアルビュー、プロセスビューによるビューのネッ
トワークとして記述されている。そして記述されたビュ
ーネットワークに対して起こり得る全ての物理現象が定
性推論システム4において挙動シミュレーションにより
導出され、その成立条件等が導出されて、ATMS(As
sumption based TruthMaintenance System; De Kleer
により提唱されている)により状態記述が管理されてい
る。
【0051】また、FBSモデルが入力される。FBS
モデルは、電子写真複写機に必要な要求挙動を記述した
ものである。具体的には、 瞬間状態の入力:或る状態において、最低生じて欲し
い現象およびパラメータ値等である。 状態間の時間的前後関係の入力:瞬間状態の時間的前
後関係を表わすもの。たとえば「主帯電→転写」のよう
に生じて欲しい現象を書き並べたものや、「Paper imag
e nothing →Paper image full」のようにパラメータの
変化である。
【0052】そして上記記憶された構造と入力されたF
BSモデル即ち要求挙動とに基づいて、前述したのと同
様に、制御シーケンス仕様が導出され、定性的制御シー
ケンスが導出され、定量情報が付加された定量的制御シ
ーケンスが導出され、最終的にたとえばC言語を用いた
制御シーケンスプログラムが生成される。図8に、この
電子写真複写機における制御動作の定性的タイミングチ
ャート、すなわちパラメータ遷移マップを示す。
【0053】この図8における時間0〜時間4に時間的
な長さを与えることが定量情報の付加である。時間0〜
時間4の時間的な長さは、次のようにして計算される。
感光体ドラム31の直径がR、回転速度がVとすれば、
その周長はπRであり、感光体ドラム31が1回転する
のに要する時間はπR/Vである。したがって、ドラム
角A0のとき、すなわち時間1を基準の0時とすれば、
時間2は(πR/V)×((A1−A0)/2π)時と
なる。同様に、時間3は(πR/V)×((A2−A
0)/2π)時、時間4は(πR/V)×((A3−A
0)/2π)時となる。
【0054】このようにして計算された時間、すなわち
定量的情報を与えることにより、定量的制御シーケンス
プログラムが得られる。このようにして生成された制御
シーケンスプログラムを上述の電子写真複写機において
実行させた場合の実行結果をロジックアナライザで測定
したものを図9に示す。実験の結果、電子写真複写機が
正しく複写動作を行うことが確認できた。
【0055】以上のようにして生成された制御シーケン
スプログラムは、たとえばROMに焼き付けることによ
り、他の画像形成装置にも適用することができる。 7.実例その2 この発明は、以上のように、電子写真複写機が正常な動
作をする際の制御シーケンスプログラムを自動生成でき
ることはもちろんのこと、本願出願人の先願に係る機能
冗長型自己修復画像形成装置(平成3年特許願第336
725〜336732号)において、機能冗長性を実現
するために、画像形成装置に付加する付加的な制御シー
ケンスプログラムの自動生成も行うことができる。機能
冗長性を実現するための付加的な制御シーケンスプログ
ラムは、たとえば機械にn個の機能冗長系を付加するた
めには最大2n 個の制御シーケンスプログラムが必要で
あるから、プログラム開発にかかる負担は非常に大きな
ものである。そこでこの発明を用いてこれらの制御シー
ケンスプログラムを自動生成できるようにすることは、
ソフトウェア開発にかかる負担を軽減できて非常に好ま
しい。
【0056】次に、図7で説明した電子写真複写機にお
ける機能冗長性を実現するための制御シーケンスプログ
ラムの自動生成の仕方について説明をする。たとえば電
子写真複写機において「メインチャージャ切れ」の故障
が生じた場合の機能冗長系の発現のための制御シーケン
スプログラムの自動生成を考える。この場合、前提とし
て、図1に示すFBSモデラー1にユーザから帯電機能
部を対象モデルとしたFBSモデルが入力される。この
入力される帯電機能部のFBSモデルの例を図10に示
す。
【0057】また、図11には、感光体ドラム31の帯
電機能に関する機能知識および展開知識の内容を示す。
図11においてラベル「Function1」には機能名「ドラ
ムを帯電させる」が記述され、展開知識が記述されて
いる。また、前提タグとしては「電源プラグが差し込ま
れ、電源スイッチがオンしている」、成立条件タグとし
ては「ドラム電位≧ノーマル(基準電位)」が記述され
ている。そして展開知識に基づいて機能知識は階層構
造を構成するように展開されている。つまり、展開知識
は、Function2,3,4の各ラベルを示し、Function
2,4は、それぞれ展開知識に展開される。また、
Function3には「電気を伝達する」という機能名が記述
され、その実現フィーチャーとして、「実現フィーチャ
ー4:ビュー=電流,インディビジュアル=メイントラ
ンス,メインチャージャ,ワイヤ4,5」が記述されて
いる。この図11に示す展開知識は、先に説明した機能
知識の記述の仕方およびビューの記述の仕方に従ってい
る。
【0058】上述のFBSモデルが与えられると、FB
Sモデラー1は定性推論システム4を用いて、上記与え
られたFBSモデルおよび機能知識,挙動知識に基づい
て、感光体ドラム31を帯電させるために、メインチャ
ージャ33に代わる帯電機能を検索する。つまり「帯電
機能」という故障により失われた機能の中の機能冗長候
補を検索する。そしてその結果、転写チャージャ36を
用いた機能冗長系が選択される。そして機能冗長系に転
写チャージャ36が用いられたときのFBSモデルとし
て、図12に示すものが得られる。
【0059】次に、図12に示すFBSモデルならびに
機能知識および挙動知識に基づいて、制御シーケンスプ
ログラムが自動生成される。すなわち、要求挙動として
「主帯電→転写」が導出され、図13に示すように、要
求挙動における各瞬間でのパラメータ値等が図14に示
す現象の依存関係ネットワークから導出される。たとえ
ば、転写チャージャ36によるドラム充電のためには、 条件:転写チャージモード=ON ドラム角=A3 影響:ドラム充電=nothing →Full という知識が図14に示す全ての起こり得る現象の前提
条件を探索することにより導出される。同様に、転写チ
ャージャ36による転写を行うためには、 条件:転写チャージモード=ON ドラム角=A3 ドラムトナー=Full でなければならない。よって、図13のようなタイミン
グチャートが作られる。
【0060】次いで、前後する瞬間状態間で生じなけれ
ばいけない現象の導出がされる。図14に示すように、
時間0でドラムトナーがnothing で、時間4ではドラム
トナーはFullである。それゆえ、時間0と時間4との間
に現象として「現像」が生じなければならないことが推
測できる。そこで、図15に示すように、現像現象に必
要な前提条件および影響、 条件:現像モード=ON ドラム角=A2 ドラム充電=Exposed 影響:ドラムトナー=nothing →Full に基づいて図15のタイミングチャートができる。
【0061】このようにして、要求挙動が満たされるよ
うになるまで推論を繰返し、全パラメータの不連続性を
埋め終わるまで行う。この結果、図16に示すメインチ
ャージャ33が故障時の定性的タイミングチャートが完
成する。この定性的タイミングチャートから作成した定
性的制御シーケンスの例を図17に示す。
【0062】図16に示すタイミングチャート、すなわ
ちパラメータ遷移マップは、定性的なものであり、定量
値を含んでいないから、これに定量情報を付加する。定
量情報の付加は、先に説明したのと同様、感光体ドラム
31の直径R、回転速度Vおよびドラム角A0,A1,
A2およびA3の情報が図1に示す設計情報データベー
ス(DIDB)5から読出されて計算されることにより
決定される。
【0063】以上のようにして生成された機能冗長実現
のための付加的な制御シーケンスプログラムも、たとえ
ばROMに焼き付けることにより、他の画像形成装置に
も広く適用することができる。また、この発明によれ
ば、画像形成装置に限らず、機械システムがコンピュー
タにより制御される場合、その制御用コンピュータに必
要な制御シーケンスソフトウェアを自動的に生成するこ
とができる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、機械
システムがコンピュータにより制御される場合に、その
制御用コンピュータに必須の制御シーケンスソフトウェ
アを自動的に生成することができるので、ソフトウェア
開発にかかる人的な負担を軽減することができる。
【0065】特に、対象機械システムが基本的な制御シ
ーケンスプログラムに加えて、付加的な制御シーケンス
プログラムを備え、その付加的な制御シーケンスプログ
ラムによって機能冗長性が実現されるようなものの場
合、付加的な制御シーケンスプログラムの開発作業が増
大するが、この発明を活用すれば、それら付加的な制御
シーケンスプログラムを自動的に開発することができ、
ソフトウェア開発にかかる負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる制御シーケンスプ
ログラムの自動生成装置全体のシステム構成を示す図で
ある。
【図2】FBSモデルにおける機能、挙動および状態の
関係を示す図である。
【図3】この実施例にかかる制御シーケンスブロック自
動生成手法の流れを示す図である。
【図4】この実施例においてユーザにより入力されるF
BSモデルの例を示す図である。
【図5】導出されるパラメータ遷移マップの例を示す図
である。
【図6】修正された物理的に無矛盾なパラメータ遷移マ
ップの例を示す図である。
【図7】電子写真複写機における画像形成機構の制御構
成を示すブロック図である。
【図8】この電子写真複写機における制御動作の定性的
タイミングチャートを表わす図である。
【図9】この発明の一実施例により自動生成された制御
シーケンスプログラムを電子写真複写機において実行さ
せた場合の実行結果をロジックアナライザで測定した測
定結果の出力図である。
【図10】入力される帯電機能部のFBSモデルの例を
示す図である。
【図11】感光体ドラムの帯電機能に関する機能知識お
よび展開知識の内容を示す図である。
【図12】機能冗長系に転写チャージャが用いられたと
きのFBSモデルの図である。
【図13】冗長機能を発現させるための定性シーケンス
の作成方法を説明するための図である。
【図14】冗長機能を発現させるための定性シーケンス
の作成方法を説明するための図である。
【図15】冗長機能を発現させるための定性シーケンス
の作成方法を説明するための図である。
【図16】画像形成機構における冗長機能が発現した場
合の定性的タイミングチャートを示す図である。
【図17】冗長機能発現時の定性的制御シーケンスの例
を示す図である。
【符号の説明】
1 FBSモデラー 2 機能知識ベース(FKB) 3 挙動知識ベース(BKB) 4 定性推論システム 5 設計情報データベース(DIDB) 6 CSPジェネレータ 63 要求仕様解析システム(SPA) 64 定性的制御シーケンス生成システム(QLCS
G) 65 定量的制御シーケンス生成システム(QTCS
G) 66 制御シーケンスプログラム生成システム(CS
PG)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼川 弘之 東京都千代田区四番町8 四番町住宅 804 (72)発明者 坂尾 知彦 東京都足立区梅田1−31−9 いずみハ イツ204 (72)発明者 下村 芳樹 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 谷川 貞夫 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−245305(JP,A) 特開 平4−148328(JP,A) 1991年度人工知能学会全国大会論文集 (第5回)P.269−272、”定性理論に よるモデルの生成と管理" 1991年度精密工学会春期大会学術講演 会講演論文集P.31−32,33−34,35− 36,771−772,”概念設計のための機能 のモデリング”等 情報処理VOL.32NO.2(1991年 2月)P.145−152、”定性推論の知的 CADへの応用" 人工知能学会研究会資料SIG−FA I−9201−9(1992)P.87−96、”フ ィジカル・フィーチャー・データベース における挙動表現の枠組" PIXEL NO.120(1992)P. 75−79、”次世代のインテリジェントC ADを考える" 人工知能学会誌VOL.7NO.2 (1992)P.187−196、”知的CADの 現状と未来"

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンピュータにより制御される機械システ
    ムにおける当該コンピュータのための制御シーケンスソ
    フトウェアを自動生成するための方法であって、 上記機械システムの機械部分の設計情報を予め準備し、 上記機械システムの機能に関する知識および挙動に関す
    る知識を予め準備し、 機能、挙動および状態間の関係を定めるFBSダイアグ
    ラムおよび定性パラメータで上記機械システムを表現
    し、 その表現に含まれる機能間の時間順序関係ならびに挙動
    および状態に基づいて、時間順序に従った状態遷移列を
    導出し、 導出された状態遷移列を物理的に無矛盾なものにするた
    めに、上記予め準備した機能に関する知識および挙動に
    関する知識に基づいて上記定性パラメータの条件を定性
    推論により求め、求めた定性パラメータ条件を満たすの
    に必要な挙動または状態を追加して上記状態遷移列を修
    正し、 上記予め準備した設計情報に基づいて、上記修正された
    状態遷移列の各状態間の時間を求め、 上記修正された状態遷移列と求めた時間とから定量的制
    御シーケンスを生成する各工程を含むことを特徴とする
    制御シーケンスソフトウェアの自動生成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の制御シーケンスソフトウェ
    アの自動生成方法において、 さらに、定量的制御シーケンスを所定のプログラム言語
    に変換する工程を含むことを特徴とする制御シーケンス
    ソフトウェアの自動生成方法。
  3. 【請求項3】コンピュータにより制御される機械システ
    ムにおける当該コンピュータのための制御シーケンスソ
    フトウェアを自動生成するための装置であって、 上記機械システムの機能に関する知識および挙動に関す
    る知識が記憶された知識記憶手段、 上記機械システムの機械部分の設計情報が記憶された設
    計情報記憶手段、 上記機械システムが、機能、挙動および状態間の関係を
    定めるFBSダイアグラムおよび定性パラメータで表現
    されたFBSモデルを入力する入力手段、 入力されたFBSモデルに含まれる機能間の時間順序関
    係ならびに挙動および状態に基づいて、時間順序に従っ
    た状態遷移列を導出する定性的制御シーケンス導出手
    段、 導出された状態遷移列を物理的に無矛盾なものにするた
    めに、上記知識記憶手段に記憶された機能に関する知識
    および挙動に関する知識を参照して定性パラメータの条
    件を定性推論により求める定性推論手段、 上記求められた定性パラメータ条件を満たすように上記
    状態遷移列を修正する修正手段、 上記設計情報記憶手段に記憶された設計情報に基づい
    て、上記修正された状態遷移列の各状態間の時間を求め
    てそれを状態遷移列に付加した定量的制御シーケンスを
    導出する定量的制御シーケンス導出手段、を含むことを
    特徴とする制御シーケンスソフトウェアの自動生成装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の制御シーケンスソフトウェ
    アの自動生成装置において、 上記装置は、さらに、上記生成された定量的制御シーケ
    ンスを所望のプログラム言語に変換するためのプログラ
    ム言語生成手段を含むことを特徴とするものである。
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