JP2655960B2 - 繊維性固形有機廃棄物のコンポスト化方法 - Google Patents

繊維性固形有機廃棄物のコンポスト化方法

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    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維性固形有機廃棄物
のコンポスト化方法、特に、屑紙、厨芥(生ごみ)、農
業廃棄物、繊維性藻等の天然有機繊維を主成分とする繊
維性有機固形廃棄物全般に好気性発酵処理を施す方法す
なわちコンポスト化する方法に関する。本発明は、業務
用、家庭用、さらには工業的規模用に広く適用が可能で
ある。
【0002】
【従来の技術】旧来、農産廃棄物や下水汚泥等の固形廃
棄物のコンポスト化は大部分、積極的な管理なしに長期
間野積みの状態を維持し、自然に発酵させる方式で行わ
れてきた。近年にいたり、有機固形廃棄物の好気性発酵
処理すなわち堆肥化(コンポスト化)は無公害的処理方
法であることはもちろんのこと、廃棄物の再利用を可能
とする技術として、見直されはじめてきている。また、
発酵を高速化することを目的に、発酵装置を用い攪拌や
酸素供給を部分的に管理する例が増加している。それら
は、例えば、特開昭55−121992号、特開昭57−1609
86号公報、特開昭57−170183号公報、特開昭60−13
1888号公報、特開平1−145388号公報等に示されてい
る。
【0003】さらに、発酵方法としては、例えば特開
昭55−3374号公報に示されるような旧来の一般的な中温
発酵及び高温発酵による発酵方法の他に、中温発酵後に
高温発酵を行うもの(特開昭62−24498 号公報等)も
知られている。廃棄物のうち、従来技術により元の材料
に再生できるもの、例えば紙からの紙再生等は可能であ
るが、汚染したり或いはシュレッダで裁断した屑紙等は
パルプに再生することは困難であり、また、いわゆる生
ごみについてはそれを飼料に再生することは困難であ
る。さらに農業の人手不足により作物の未利用部分いわ
ゆるバイオマスは土壌に還元されず廃棄物化しつつあ
る。
【0004】さらに近い将来、化石燃料の消費で排出さ
れる炭酸ガスを光合成反応で吸収固定化する技術が実用
化されることが期待されるが、その際に膨大な量の生の
繊維性藻が副生する。こうした繊維性廃棄物を適切に処
理することが必要となるが、その処理方法の一つとして
好気性発酵によりコンポストに転換して土壌に還元する
方法が有望視されつつある。
【0005】そのような問題に対処する技術として、糖
分解菌、蛋白質分解菌、セルロース分解菌及びリグニン
分解菌を利用し、有機性廃棄物を発酵・熟成することに
より、その処理を高速化した堆肥化方法、及びそこに用
いられる生ゴミ堆肥化促進剤が提案されている(特開昭
63−218593号公報、特開平1−145387号
公報等参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
コンポスト化法においては発酵工程を最適化したとして
も好気性発酵の速度が小さく、反応槽に10日から1ケ月
の滞留日数を必要とするために、大量に発生するこの種
の繊維性廃棄物を適切に処理するためには、膨大な反応
容積が必要となる問題がある。
【0007】特に上述したような繊維性廃棄物の場合、
それをそのまま発酵処理しようとすると、含水状態の長
い繊維がからみ合い団塊化してしまい、好気性菌との接
触がさまたげられるだけでなく、反応物の混合に大きな
負荷を要し、非繊維性の廃棄物の発酵にくらべ1.5倍〜
3倍の処理日数を要している。繊維性廃棄物を微粉砕化
しかつ水で十分稀釈してスラリー状にすれば団塊化する
ことは防止することができる。しかし、液中への酸素の
溶解効率は、含湿固体と気相との接触による酸素の供給
にくらべ極めて低く、反応は酸素供給律速となる。
【0008】さらに、最終的には添加した水の全量又は
その大部分を発酵過程で揮散させることとなるが、その
ための熱量の手当として発酵熱では到底まかないきれ
ず、その10〜30倍量の熱量を外部から供給することが必
要となる。しかしながら、そのような大量の熱量を外部
から供給することは廃棄物のコンポスト化においては経
済的でない。
【0009】上記したように、有機性廃棄物にセルロー
ス分解菌を含む異なった複数の種類の分解菌を混合する
堆肥化方法にあっては、従来の堆肥化法によるものと比
較し確かにその処理をある程度高速化しうるものと解さ
れるものの、そこにおいては長繊維の集合体である繊維
性廃棄物の団塊化に対して格別の考察はなされておら
ず、その方法が繊維性廃棄物のコンポスト化に有効に適
用されるものとは解されない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した従
来技術の欠点を改善し、団塊化する繊維性廃棄物でも繊
維団塊を解合・均質化して発酵速度を大巾に向上すべく
鋭意検討した。発明者らは団粒化のメカニズムを検討し
た結果、長繊維を単に機械的に数cmに切断しても団粒化
を抑制できず、むしろ繊維の剛性を減じることが最も効
果的であることを見い出した。その手段を種々検討した
結果、繊維分解酵素群を繊維の液化するまで作用させ
ず、剛性を減じるだけの極めて軽度の処理をすることに
より、きわめて効果的に団塊化を阻止できることを見い
出した。かつ繊維間隙水を浸出させうるため、未処理の
ものにくらべ含水率を20〜50%減少することができ、発
酵過程中で行わねばならない水分の蒸発に要する消費熱
量を削減できることを見い出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、生ごみ、屑紙、農産
廃棄物、繊維性藻等の天然有機繊維を主成分とする繊維
性固形有機廃棄物の集塊に、水存在下でセルラーゼとヘ
ミセルラーゼの混合物である繊維分解酵素を混合し、該
繊維分解酵素を前記繊維性固形有機廃棄物が固層であり
かつ繊維の剛性を減じる程度までの加水分解段階まで攪
拌して反応させることによって団塊化を防止しておき、
その後、酸素供給下で保温、混合して高温発酵後に中温
発酵する好気発酵を行うようにしたことを特徴とする繊
維性固形有機廃棄物のコンポスト化方法を開示する。も
ちろん、セルロースがセルラーゼで、ヘミセルロースが
ヘミセルラーゼでグルコシド結合が加水分解されること
は公知である。また、バイオマスにセルラーゼとβ−ア
ミラーゼを同時作用させ、水溶性の低分子還元糖にまで
分解して、生成した糖液を酵母菌により嫌気性発酵して
アルコール含有液を得ること( P.Androni et al"Ene
rgy from Biomass" p337-p371, Applied Science Publi
shersLtd. London, 1980)及び、バイオマスの水懸濁液
にセルラーゼ分解菌と還元糖資化嫌気性メタン生成菌を
共棲させてバイオマスをメタンに分解すること(R.H.
Madden et al "Energy from Biomass" p366-371, Appli
ed Science PublishersLtd. London, 1980) が報告され
ている。これらは、いずれも嫌気発酵を目的とし、液中
で反応を進行させるものであり、本発明のように固相で
かつ低分子化するまでは加水分解させずに、繊維の剛性
を減じる程度までの加水分解にとどめておき、団塊化を
効果的に防止している例はこれまで見当らない。
【0012】用いる繊維分解酵素は、セルラーゼとヘミ
セルラーゼが有効に用いられる。セルラーゼとヘミセル
ラーゼは特に限定されるものではなく、これまで公知の
微生物起源の酵素を用いることができる。例えば、クロ
ストリジュウム・サーモセラム、トリコスポロン・カタ
ニウム、スポロトリカム・セルロフィラム、チエラビア
・テエレストリス、アスペルギルス・アクレアタス、ア
スペルギルス・フミイグアタス、サーキアスカス・アウ
ランティアカス、ペニシリウム・ジアンシネラム、サイ
タリジュウム・リグニイコラ、アルテエルナリイア・ア
ルテルナタ、セルロモナス・アラ、ペニシリウム・プル
プロジェナム、アスペルギルス・ウスタス、トリコデル
マ・ハルズイアナム、デイチヨミイタス・スクルアレン
ス等の生成する酵素があげられる。
【0013】本発明に適用できる繊維性廃棄物として
は、例えば生ごみ、屑紙、繊維状多細胞藻体等があげら
れる。屑紙等のように窒素成分が好気性菌の増殖上不足
する場合は、適宜窒素源の補てんが必要となる。例えば
屑紙の場合、水分の添加を含め、下水の二次処理による
生物性汚泥を混合してもよい。このときC/Nが50以下
になるようにすると好気性菌が良く増殖し、発酵速度を
高め処理日数を短縮することができる。
【0014】反応開始時の反応物の水分は50〜80%が好
適である。50%以下であると、後続の好気性発酵過程で
の分解がさまたげられる。水分が80%を越えると、反応
物がスラリー化して酸素の供給の能率が低下するととも
に、好気性発酵の際に蒸発させる水分量が増加して、そ
れだけ熱量を消費する。本発明の発酵方式は、好気性発
酵が高温発酵の後に中温発酵することである。高温発酵
を最初に行なうことにより、酸臭を主とする腐敗臭の発
生を抑制しつつ、澱粉、蛋白等に代表される易分解成分
を効果的に分解できる。高温発酵のみでは残ったヘミセ
ルロースやペクチン等の緩分解成分の分解が緩慢になる
ので、高温発酵後さらに中温発酵で緩分解成分を分解す
る。
【0015】さらに、生成コンポストを発酵の上流部に
返送し、繊維素分解酵素で処理した原料と混合すること
により、初発の菌濃度を上昇すると共に、従来のように
もみがら、のこくずなどの水分吸収剤を添加せずに発酵
を高速で進行させることができる。酵素の使用形態は、
抽出した酵素の粉末及び溶液でも、酵素含有物でもよ
い。また、処理方法も、酵素処理を独立して行ってもよ
いし、酵素処理とコンポスト化の好気発酵を同じ反応槽
の中で混合状態で行ってもよい。特に酵素含有物の調製
は好気発酵槽と一体化した調製区画中で、生成コンポス
トもしくは原料の一部を用いて行ってもよい。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに詳しく説明する。 〔実施例1〕原料厨芥として、大根葉茎60kg、馬鈴薯く
ず5kg、米飯10kg、鶏肉5kgを混合したものを用いた。
粒径は5〜10cm以下に粗破砕した。あからじめ、種菌と
して、上記ロットの厨芥を60℃で20日間好気発酵して易
分解成分を分解した高温発酵物と該高温発酵物を35℃、
20日間好気処理した中温発酵物とを用意した。酵素前処
理槽、高温発酵槽、中温発酵槽として、各槽とも攪拌翼
と恒温水ジャケットを有し、同一直径で内容積がそれぞ
れ1.5L、6L及び3Lの竪形円筒形の槽を用いた。
【0017】まず、酵素前処理槽に原料を1kg入れ、ト
リコデルマ属菌起源のセルラーゼ及びヘミセルラーゼの
混合粉末 (1000 IU/mg) 20mgを5mlの水に懸濁した酵素
液をスプレーし、40℃で5分間、10rpm で攪拌した。原
料中の繊維の大きな団粒はみられずフレーク状を呈し
た。次いで、高温発酵槽に、種として上述の高温発酵物
4L (3.4kg) を、中温発酵槽に種として上述の中温発
酵物2L(1.78kg) を入れ、槽内発酵物層の中深部を攪
拌するために、攪拌翼を中深部に位置させ1時間に60rp
m で3分間回転した。通気は各発酵槽の上流から下流方
向になるように各槽底部から吸気によって行った。槽内
温度は恒温水循環ジャケットにより、高温発酵は60℃、
中温発酵は35℃に調節した。
【0018】酵素処理原料を1日2分割し、負荷0.1kg
/日で高温発酵槽上部に供給して高温発酵を開始した。
まず、高温発酵槽内に発酵物4Lを残し、4Lを越える
余剰分だけ中温発酵槽に移送した後、高温発酵槽に同一
負荷で原料を投入した。翌日、中温発酵槽内の発酵物の
うち2L分を槽内に残し、2Lを越える余剰分だけ系外
に抜き出すと共に、前日行った同じ操作すなわち高温発
酵物を中温発酵槽に移送すると同時に酵素前処理した原
料を高温発酵槽に供給した。原料負荷は2日目毎に0.1
kg/日づつ増加しながら2段階発酵を継続した。限界負
荷付近に至り、負荷量を1日毎に0.1kg/日づつ上昇さ
せた。
【0019】負荷限界の時点で系外に抜き出した中温発
酵物、すなわち本実験でのコンポスト量を計量すると共
に、高温発酵物をもサンプリングして、両者の水分含
量、及び易分解成分の指標として澱粉、緩分解成分の指
標としてヘミセルロース量を分析した。また発酵槽中の
廃ガス及び発酵物の臭いを検査した。なお、限界負荷付
近では負荷を1日毎に0.01kg/日づつ上昇させた。
【0020】その結果、限界負荷量は0.91kg/日であ
り、そのときの中温発酵処理物すなわちコンポストの収
量は34g /日(水分含有率12%、乾燥重量は30g /日)
であった。コンポスト中の易分解成分及び緩分解成分の
分解率は対原料乾物量比でそれぞれ92%、62%であっ
た。また、コンポストの性状は、赤褐色の顆粒状を呈
し、弱い堆肥臭を有するのみで不快臭は感じられなかっ
た。発酵中の廃ガスも弱い堆肥臭を有した。 〔比較例1〕 実施例1に替え、原料の酵素前処理をせずに、生の廃棄
物を直接好気発酵に供した。高温発酵槽内で直径4〜6
cmの団粒及び団粒の連結物が生じた。発酵の限界負荷量
は0.3kg/日であり、コンポストの収量は46g /日であ
った。コンポストの性状は実施例1とほぼ同等であっ
た。
【0021】実施例1と比較例1との結果を比較すれば
明らかなように、本発明により酵素で前処理することに
よって、繊維の団塊化を防ぎ、約3倍の発酵速度でコン
ポスト化が可能にななった。 〔実施例2〕実施例1で用いた原料の代りにシュレッダ
で巾5mm、長さ30〜40cmに裁断した屑紙と下水汚泥 (固
形分15%) とを重量比1:1で混合した混合物を用い、
同じ条件下で酵素前処理後、好気発酵を行いコンポスト
化した。酵素前処理に際し、大きな団塊は10秒後に消失
し、湿ったフレーク状に変化した。発酵の限界負荷量は
0.80kg/日であり、コンポストの収量は42g /日(水分
10%) であった。コンポストは不快臭のない黒褐色の顆
粒状を呈した。 〔比較例2〕実施例2と同一バッチの原料を用い、酵素
前処理をせず、原料をそのまま好気発酵に供した。高温
発酵槽内で直径5〜10cmの団塊が生じ、実施例2での攪
拌速度10rpm では攪拌が困難のため、5rpmに低下した
状態で攪拌しながら発酵を実施した。発酵の限界負荷量
は0.1kg/日であり、コンポストの収量は4.5g /日
(水分9.5%) であった。コンポストは不快臭のない黒
褐色の粗粒状を呈した。
【0022】実施例2と比較例2との結果を比較すれば
明らかなように、酵素で前処理することによって、繊維
の団塊化を効果的に防止し、8倍以上の発酵速度でコン
ポスト化が可能となった。 〔実施例3〕アオミドロ属の藻体 (含水率65%) を原料
とし、図1に示す内容10Lのリアクタ3で酵素前処理及
び高温発酵並びに中温発酵を行った。
【0023】まず、リアクタ本体3について説明する。
リアクタ本体3は水平軸を中心に原料投入口2及びコン
ポスト抜き出し口14に支持され回転するようになってい
る。リアクタ3の回転はモータ13の回転力をギア12で伝
達して行われる。リアクタ3の内部は4区画に区分され
ている。すなわち、リアクタ外周部のシリンダ状の繊維
素分解菌培養区画7、該繊維素分解菌培養区画7の内方
側において投入口2の側から順に回転軸方向に位置する
開口仕切壁で仕切られた酵素前処理区画4、高温発酵区
画5、及び中温発酵区画6である。
【0024】なお、リアクタ3中には、あらかじめ菌体
を原料とし、60℃の高温発酵で20日間、40℃の中温発酵
で15日間好気発酵して得た種コンポスト (含水率80%)
を5kg各区画同水準になるように充填した。さらに、コ
ンポストを原料に好温性セルロモナス属に属する繊維素
分解酵素生産菌を接種して60℃で固体培養して得られる
フレーク状発酵物を酵素生産菌の種母として繊維素分解
培養区画7に充填した。
【0025】藻体の初期負荷を0.1kg/日とし、リアク
タ3を回転しつつ藻体1を投入口2から酵素前処理区画
4中に導入すると共に、繊維素分解菌培養物10をセルラ
ーゼ及びヘミセルラーゼとして、リアクタ3の転動によ
り弁9の開閉により供給混合した。混合中の酵素反応に
より団塊の発生を防止し均質化したのち、転動に伴い仕
切り板15より反応物を高温発酵区画5に移行させ、好温
好気性微生物により易分解成分を炭酸ガスと水に分解し
た。高温発酵物はリアクタ3の転動に伴い、仕切り板16
より中温発酵区画6に入り、増殖最適温度が30〜40℃で
ある中温性の好気性微生物により緩分解成分が分解して
コンポストに転換させた。
【0026】このようにして、負荷量を初発0.1kg/日
から段階的に徐々に上昇し、長期間連続処理した。その
結果、発酵の限界負荷量は1.2kg/日であり、コンポス
トの収量は0.27kg/日 (水分9%) であった。発酵槽の
排気及びコンポストは弱い堆肥臭を有し、不快臭は発生
しなかった。コンポストは黒褐色の顆粒状を呈した。 〔比較例3〕実施例3で用いたものと同じロットの藻体
を原料とし、かつ同じ装置を用いるが、酵素生成菌を接
種せずに発酵を試みた。すなわち繊維素分解菌培養区画
7の弁9をすべて閉鎖した以外は実施例と同じ要領で発
酵した。藻体が酵素前処理区4中にある種コンポストに
投入され、リアクタ3の回転により混合すると藻体は直
径4〜6cmのボール状となったままで転動した。最初負
荷を0.1kg/日で運転し、0.02kg/日づつ段階的に負荷
を上昇した。その結果、発酵の限界負荷量は0.4kg/日
であり、コンポストの収量は0.06kg/日 (水分9.1%)
であった。発酵槽の排気は酸臭及び硫化水素臭を含む腐
敗臭を有した。コンポストは弱い酸臭を有する黒褐色の
硬いフレーク状を呈した。
【0027】実施例3と比較例3との対比から明らかな
ように、本発明では酵素前処理により繊維性廃棄物の団
塊化を防ぎ、均一に分散できる。このため、効率よく酵
素及び好気性菌と接触することが可能となり、3倍の高
速でかつ悪臭の発生なくコンポストに転換できる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、繊維性廃棄物の発酵に
際し、効果的に団塊化を防ぎ、菌との接触効率を向上で
きるため、発酵を高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いた繊維性廃棄物のコン
ポスト化装置の断面図。
【符号の説明】
1 原料廃棄物 2 投入口及び
ガイド 3 リアクタ 4 酵素前処理
区画 5 高温発酵区画 6 中温発酵区
画 7 繊維素分解菌培養区画 8 ヒータ 9 弁 10 繊維素分解菌
培養物 11 コンポスト 12 ギア 14 コンポスト抜出し口 15、16 仕切り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畠 正一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社 日立製作所 栃木工場内 (72)発明者 川島 正栄 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社 日立製作所 栃木工場内 (56)参考文献 特開 昭55−67594(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生ごみ、屑紙、農産廃棄物、繊維性藻等
    の天然有機繊維を主成分とする繊維性固形有機廃棄物の
    集塊に、水存在下でセルラーゼとヘミセルラーゼの混合
    物である繊維分解酵素を混合し、繊維分解酵素を前記
    繊維性固形有機廃棄物が液化はしないが繊維の剛性を減
    じる程度までの加水分解段階まで攪拌して反応させるこ
    とによって団塊化を防止しておき、その後、酸素供給下
    で保温、混合して高温発酵後に中温発酵する好気発酵を
    行うようにしたことを特徴とする繊維性固形有機廃棄物
    のコンポスト化方法。
  2. 【請求項2】 該セルラーゼとヘミセルラーゼの混合物
    である繊維分解酵素を作用させた繊維性固形有機廃棄物
    に、好気発酵により得られるコンポストを一部分返送し
    て混合した後に、該混合物を好気発酵することを特徴と
    する、請求項1記載の繊維性固形有機廃棄物のコンポス
    ト化方法。
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